JP2009127971A - 熱交換器およびこれを備えた温水装置 - Google Patents

熱交換器およびこれを備えた温水装置 Download PDF

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圭一 天田
Takeshi Daito
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Abstract

【課題】伝熱管の重ね巻き状とされた複数のコイル状管体部のうち、内周寄りのコイル状管体部が外周寄りのコイル状管体部よりもかなり高温に加熱されることを抑制し、内部に存在する湯水の沸騰などを好適に防止し得る熱交換器を提供する。
【解決手段】熱交換器HEは、伝熱管4の重ね巻き状に配列された複数のコイル状管体部4のうち、最内周のコイル状管体部4Aの内方の空間部3に配されて最内周のコイル状管体部4Aの内周面に対面し、かつ内方領域に加熱用媒体を供給可能とされた筒状または略筒状のバッフル5と、このバッフル5に設けられて、最内周のコイル状管体部4Aの隙間31に対面しつつこの隙間31と略平行に延び、かつバッフル5の内方領域に供給された加熱用媒体を隙間31に進行させることが可能なスリット50と、を備えている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、燃焼ガスなどの加熱用媒体から熱回収を行ない、水その他の所望の流体を加熱するのに用いられる熱交換器、およびこれを備えた給湯装置などの温水装置に関する。
本出願人は、温水装置の具体例として、たとえば特許文献1〜3に記載されたものを先に提案している。この従来の温水装置は、燃焼器により発生された燃焼ガスから熱回収を行なうための熱交換器を備えており、この熱交換器は、複数のコイル状管体部を有する伝熱管を有している。前記複数のコイル状管体部は、いずれも複数のループ部が螺旋状に繋がって軸長方向に隙間を隔てて並んだものであるが、それらの巻き径は互いに相違しており、略同心の重ね巻き状に設けられている。一方、前記複数のコイル状管体部のうち、最内周のコイル状管体部の内方空間部には、燃焼器から燃焼ガスが供給されるようになっている。
前記構成によれば、最内周のコイル状管体部の内方空間部に燃焼ガスが供給されると、この燃焼ガスは、最内周のコイル状管体部から最外周のコイル状管体部に向けて各ループ部間の隙間を順次通過していく。このような過程において、前記燃焼ガスからは熱回収がなされ、各コイル状管体部内を流通する湯水が効率良く加熱される。
しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるように、未だ解決すべき課題がある。
すなわち、前記従来の温水装置において、燃焼ガスは、最内周のコイル状管体部の内方空間部に最初に供給され、その後に外周寄りのコイル状管体部に向けて順次進行していく。このため、複数のコイル状管体部のうち、最内周のコイル状管体部が最も加熱され易く、外周寄りになるほど加熱度合いは小さくなる。したがって、内周寄りのコイル状管体部を通過して加熱生成された湯水の温度と、外周寄りのコイル状管体部を通過して加熱生成された湯水の温度とに大きな差を生じ易い。このような大きな温度差は、複数のコイル状管体部をそれぞれ通過して加熱生成された湯水を混合させて所望の目標給湯温度の温水を生成するのに余り好ましいものではない。従来においては、給湯温度を高くしようとして燃焼ガス温度を高くした場合に、内周寄りのコイル状管体部内に存在する湯水が沸騰し易くなる。このため、この沸騰を回避する必要があることから、高温出湯が困難となる虞があった。
特開2006−317034号公報 特開2006−317035号公報 特開2006−317036号公報
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであって、伝熱管の重ね巻き状とされた複数のコイル状管体部のうち、内周寄りのコイル状管体部が外周寄りのコイル状管体部と比較して高温に加熱されることを抑制し、複数のコイル状管体部内を流れて加熱される流体の温度のばらつきを小さくすることが可能な熱交換器、およびこれを備えた温水装置を提供することを、その課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面により提供される熱交換器は、複数のループ部が軸長方向に隙間を隔てて並んだ複数のコイル状管体部を有し、かつこれら複数のコイル状管体部が略同心の重ね巻き状に配されている複数の伝熱管を備えており、前記複数のコイル状管体部のうち、最内周のコイル状管体部の内方の空間部に加熱用媒体が供給されたときには、この加熱用媒体が前記最内周のコイル状管体部の隙間を通過するように構成されている、熱交換器であって、前記最内周のコイル状管体部の内周面に対面するように前記空間部に配され、かつ内方領域に加熱用媒体を供給可能とされた筒状または略筒状のバッフルと、このバッフルに設けられて、前記最内周のコイル状管体部の隙間に対面しつつこの隙間と略平行に延びており、かつ前記バッフルの内方領域に供給された加熱用媒体を前記隙間に向けて進行させることが可能な1または複数のスリットと、を備えていることを特徴としている。
このような構成によれば、筒状または略筒状のバッフルの内方領域に加熱用媒体を供給させたときに、この加熱用媒体が最内周のコイル状管体部の内周面に直接作用することが前記バッフルによって抑制される。前記加熱用媒体は、前記バッフルに形成されているスリットを通過することにより、内周寄りのコイル状管体部から外周寄りのコイル状管体部に向けて順次進行し、この過程において前記加熱用媒体から熱回収が適切に行なわれることとなる。ここで、前記スリットは、最内周のコイル状管体部の隙間に対面しつつこの隙間と略平行に延びているために、前記スリットを通過した加熱用媒体が最内周のコイル状管体部に集中して作用するといったことも適切に回避される。このようなことから、最内周のコイル状管体部が他のコイル状管体部と比較して、加熱用媒体により極端に高温に加熱されることが好適に防止されることとなり、各コイル状管体部内を通過して加熱される流体の温度差を小さくすることができる。内周寄りのコイル状管体部内に存在する流体が沸騰することも好適に防止され、いわゆる高温出湯も可能となる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記軸長方向において、前記スリットの幅は、前記隙間の幅と略同一またはそれよりも小さな寸法とされている。
このような構成によれば、加熱用媒体がスリットを通過した際に最内周のコイル状管体部に直接作用することがより的確に回避される。したがって、最内周のコイル状管体部が他のコイル状管体部よりも高温に加熱されることがより徹底して防止される。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記複数のコイル状管体部を収容し、かつ加熱用媒体の導入口および排出口を形成しているケースと、前記最内周のコイル状管体部の内方の空間部を前記軸長方向において第1および第2の領域に仕切る仕切部材と、をさらに備えており、前記複数のコイル状管体部は、前記第1および第2の領域の周囲にそれぞれ位置する第1および第2の熱交換部に区分され、前記バッフルは、少なくとも前記第1の領域に配されて、前記スリットは、前記第1の熱交換部の隙間に対面しており、前記導入口から前記第1の領域に加熱用媒体が供給されたときには、この加熱用媒体は前記スリットを通過して前記第1および第2の熱交換部に順次進行してから前記排出口に到達するように構成されている。
このような構成によれば、バッフルの内方領域に加熱用媒体が供給された場合に、この加熱用媒体が最内周のコイル状管体部の内方の空間部を軸長方向にそのまま通過してその外部に排出されることは仕切部材によって好適に阻止される。このため、前記加熱用媒体については、スリットを確実に通過させて第1の熱交換部に効率良く進行させることができる。また、前記加熱用媒体は、第1の熱交換部に進行してこの部分での熱交換を終えた後には、第2の熱交換部に進行してこの部分においても熱交換を生じることとなる。したがって、加熱用媒体を第1および第2の熱交換部に順次進行させて、複数のコイル状管体部の略全体を有効に利用した熱交換処理が可能となり、高い熱交換効率が得られることとなる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第2の領域には、前記バッフルと一体または別体に形成されて前記最内周のコイル状管体部の内周面に対面する筒状または略筒状の壁部が設けられており、前記第2の熱交換部に進行した加熱用媒体が前記第2の領域に進行することが前記壁部によって抑制されるように構成されている。
このような構成によれば、第2の熱交換部に進行した加熱用媒体が第2の領域に向けて進行することが防止される。したがって、加熱用媒体の無駄な拡散が防止され、加熱用媒体を第2の熱交換部に効率良く作用させるのにより好ましいものとなる。
本発明の第2の側面により提供される温水装置は、本発明の第1の側面により提供される熱交換器と、前記加熱用媒体としての燃焼ガスを発生させる燃焼器と、を備えていることを特徴としている。
このような構成によれば、本発明の第1の側面により提供される熱交換器について述べたのと同様な効果が得られる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1〜図4は、本発明が適用された温水装置およびこれに関連する構成の一例を示している。図1によく表われているように、本実施形態の温水装置WHは、燃焼器1、熱交換器HE、および燃焼ガスを排気口81に導くための排気通路80a,80bを一連に形成する排気用ダクト8A,8Bを備えている。
燃焼器1は、燃料供給管11を介して供給されてくる燃料ガスを燃焼させるガスバーナであり、バーナケース10内に配されている。もちろん、燃焼器1は、ガスバーナに限らず、たとえばオイルバーナなどの他の種類のものを用いることができる。バーナケース10の内部には、その上方からファン12によって燃焼用空気が下向きに供給される。このことにより、燃焼器1によって発生された燃焼ガスは下向きに進行し、熱交換器HEに供給される。
熱交換器HEは、前記燃焼ガスから顕熱および潜熱を回収し、所望の目標温度の温水を生成するためのものであり、ケース2、複数の(図面では、5本)の伝熱管T、筒状のバッフル5、および仕切部材6を備えている。燃焼ガスから潜熱を回収すると、燃焼ガス中の窒素酸化物などを吸収した強酸性のドレイン(凝縮水)が発生する。このため、熱交換器HEのうち、ドレインと接触する可能性のある部分は、耐酸性に優れた材質、たとえばステンレスとされている。
ケース2は、複数の伝熱管Tの略全体を内部に収容しており、その上壁部には、燃焼ガスの導入口20が形成されている。燃焼ガスの排出口21は、図2に示すように、ケース2の底壁部に複数箇所(同図においては2箇所)形成されており、複数の伝熱管Tとの熱交換を終えた燃焼ガスは、この排出口21を通過して排気通路80aに流れ込むようになっている。
複数の伝熱管Tのそれぞれは、コイル状管体部4を備えている。これらのコイル状管体部4は、いずれも螺旋状管体であり、複数のループ部40が隙間31を介して上下高さ方向(本発明でいうコイル状管体部の軸長方向の一例に相当する)に積層し、ケース2の底壁部上に載設されている。各ループ部40は、図3に示すように、たとえば平面視略長円状である。ただし、複数のコイル状管体部4のそれぞれの巻きサイズは相違しており、これらは略同心の重ね巻き状の配列とされている。各ループ部40は、ケース2の左右幅方向に延びる一対の直状管体部Saと、それらの端部に繋がった一対の半円弧状の曲管部Sb,Sb’とを有しているが、図4に示すように、曲管部Sb’のみがいわゆる巻き勾配を有する傾斜部とされ、これ以外の部分Sa,Sbについては、巻き勾配を有しない非傾斜部(水平部)とされている。このように、各ループ部40の比較的大きな領域を水平部とすれば、その部分に形成されている隙間31も水平方向に延びたものとなり、この隙間31の寸法設定を行なうためのスペーサや、それ以外の他の適当な部材を隙間31に挿入するような場合に好ましいものとなる。むろん、本発明はこれに限定されるものではなく、従来一般の螺旋状管体と同様に、各ループ部40の全体が巻き勾配を有する構成とすることもできる。
複数のコイル状管体部4の下端および上端には、ケース2の側壁部を貫通する延設管体部41a,41bが一体または別体で連設され、入水用および出湯用のヘッダ49a,49bが連結されている。入水用のヘッダ49aに水が供給されると、この水は分岐して複数の伝熱管T内を並行に流れた後に、出湯用のヘッダ49b内において混合されてから出湯するようになっている。
バッフル5は、最内周のコイル状管体部4(4A)が過熱状態になることを防止する役割や、その他の後述する役割を果たすものであり、耐熱性に優れたステンレス製などであって、最内周のコイル状管体部4Aの内周形状に対応した平面視略長円状の筒状である。このバッフル5は、ケース2の底壁部上に載設されて、最内周のコイル状管体部4Aの内方の空間部3内に配されている。バーナケース10内から導入口20を下向きに通過した燃焼ガスは、バッフル5の内方領域に対してその上部開口部から進入可能である。バッフル5の外周面は、最内周のコイル状管体部4Aの内周面に対して、比較的微小な隙間S1を介して対面している(図2(b)を参照)。このように、バッフル5と最内周のコイル状管体部4Aとの間に隙間S1を設ければ、バッフル5から最内周のコイル状管体部4Aに直接的な熱伝達を生じないようにし、最内周のコイル状管体部4Aの加熱を抑制するのにより好ましいものとなる。ただし、本発明はこれに限定されない。前記とは異なり、バッフル5を最内周のコイル状管体部4Aに接触させてもよく、このような構成にすると、最内周のコイル状管体部4Aによってバッフル5を冷却することができるために、燃焼ガス温度が高い場合であってもバッフル5に熱損傷を生じ難くすることができる。
バッフル5の各部のうち、仕切部材6よりも上方の部分には、複数のスリット50が設けられている。これら複数のスリット50は、バッフル5をその厚み方向に貫通しており、最内周のコイル状管体部4Aの複数の隙間31に対面しつつ、これら複数の隙間31と略並行に延びた細長な矩形状である(図1をも参照)。ただし、本実施形態においては、複数のスリット50は、図3に示すように、直状管体部Saの隙間31に対面する部分のみに形成されている。直状管体部Saは、既述したとおり水平であるために、これに対応して各スリット50も水平である。本実施形態とは異なり、コイル状管体部4として、各ループ部40の全体が巻き勾配を有するものを用いた場合には、各ループ部40どうしの隙間31は傾斜するために、好ましくは、スリット50もその隙間31に対応した傾斜状とされる。図2(b)に示すように、各スリット50の上下方向の幅L1は、最内周のコイル状管体部4Aの隙間31の上下方向の幅L2と略同一またはそれよりも小さな寸法とされている。
仕切部材6は、バッフル5内に取り付けられており、バッフル5の内方領域を上下高さ方向において第1および第2の領域30a,30bに区画している。この仕切部材6は、耐熱性や耐火性に優れたたとえばセラミックなどを用いて構成されている。複数のコイル状管体部4は、第1および第2の領域30a,30bをそれぞれ囲む第1および第2の熱交換部H1,H2に区分されている。仕切部材6は、導入口20から第1の領域30aに進行した燃焼ガスが第2の領域30bに向けてそのまま下向きに進行することを阻止する燃焼ガスストッパとしての役割を果たす。このため、第1の領域30aに進行した燃焼ガスは、仕切部材6に衝突した後には各スリット50を通過して第1の熱交換部H1に進行し、その後は第2の熱交換部H2に向けて進行し、排出口21に向かう。バッフル5のうち、仕切部材6よりも下方の筒状の壁部51は、第2の熱交換部H2の内方に位置しており、第2の熱交換部H2に進行した燃焼ガスが第2の領域30bに向けて進行することを阻止する役割を発揮する。
図1において、排気通路80a,80bは、排出口21を通過した燃焼ガスを排気口81に導いて、排ガスとして外部に排出するように形成されている。熱交換器HEのケース2の底部、および排気用ダクト8Aの底部には、ドレイン用の排出口29,89が設けられており、燃焼ガスからの潜熱回収に伴って発生したドレインは、ケース2の底部から排出口29を介して排気用ダクト8A内に流れ落ちた後に、排出口89を介して排気用ダクト8Aの外部に排出されるように構成されている。
次に、前記した熱交換器HEを備えた温水装置WHの作用について説明する。
まず、給湯を行なうには、複数の伝熱管Tに通水を行なわせるとともに、燃焼器1およびファン12を駆動させる。すると、燃焼器1によって発生された燃焼ガスは下向きに進行し、導入口20から第1の領域30aに流入した後に、仕切部材6に衝突し、その後バッフル5の複数のスリット50を通過して第1の熱交換部H1に向けて進行する。第1の領域30aに流入する燃焼ガスは高温であるが、バッフル5は最内周のコイル状管体部4Aの内周面を覆っているために、前記燃焼ガスの多くが最内周のコイル状管体部4Aに直接作用することは適切に抑制される。とくに、図2(b)を参照して説明したとおり、スリット50は、その幅L1が隙間31の幅L2よりも小さくされた状態で、隙間31に対面しているために、スリット50を通過した燃焼ガスは隙間31に向けて直接進行することとなって、高温の燃焼ガスが最内周のコイル状管体部4Aの内周面などに対して直接作用することはより確実に抑制される。このようなことから、第1の熱交換部H1のうち、最内周のコイル状管体部4Aが他のコイル状管体部4よりもかなり高温に加熱されることは防止される。第1の熱交換部H1においては、スリット50を通過した燃焼ガスが最内周のコイル状管体部4Aの隙間31から外周寄りの他のコイル状管体部4の隙間31に向けて順次通過していくこととなり、この過程において、前記燃焼ガスからは各コイル状管体部4によって熱回収(主に顕熱の回収)がなされる。
なお、本実施形態においては、図1および図2の矢印N1に示すように、ケース2内に供給された燃焼ガスの一部が、バッフル5の上方から第1の熱交換部H1の上方に向けて流れるように構成されている。このような構成によれば、燃焼ガスが第1の熱交換部H1に向けて流れ易くなり、複数のスリット50の開口面積が小さい場合であっても、排気抵抗を小さくすることができる。ただし、本発明はこれに限定されない。たとえば、図5に示すように、バッフル5の上部5aを上方に延ばすなどして、バッフル5の内方領域と第1の熱交換部H1の上方領域とを仕切り、燃焼ガスが複数のスリット50以外の部分から第1の熱交換部H1に向けて進行しないように構成することもできる。
図2(a)において、第1の熱交換部H1に進行した燃焼ガスは、その後下向きに進行して第2の熱交換部H2を通過する。この過程において、前記燃焼ガスから熱回収(主に潜熱の回収)がなされる。第2の熱交換部H2の内側には、バッフル5の下部寄りの壁部51が位置しており、燃焼ガスが第2の領域30bに向けて進行することが阻止されている。このため、燃焼ガスは、第2の熱交換部H2に進行した際に、第2の領域30bに向けて無駄に拡散することなく、第2の熱交換部H2の各ループ部40に対して効率良く作用し、その後は排出口21に円滑に導かれる。したがって、第2の熱交換部H2においても効率の良い熱回収が可能となる。また、第2の熱交換部H2においては、燃焼ガスが単に下向きに進行するだけであるために、最内周のコイル状管体部4Aが他のコイル状管体部4よりも高温に加熱されるといった不具合はやはり生じない。
この熱交換器HEにおいては、最内周のコイル状管体部4Aが他のコイル状管体部4よりも高温に加熱されることが的確に抑制される。このため、複数のコイル状管体部4のそれぞれの内部を流通して加熱生成される湯水の温度差が小さくなる。また、最内周のコイル状管体部4Aの内部に存在する湯水が沸騰し難くなり、高温出湯が可能となる。
本発明は、上述した実施形態に限定されない。本発明に係る熱交換器、および温水装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
たとえば、バッフルは、必ずしも最内周のコイル状管体部の内周面の略全域を覆う構成とされていなくてもよい。たとえば、上述の実施形態を参考に説明すると、第1の熱交換部H1の内方領域のみにバッフル5が設けられて、第2の熱交換部H2の内方領域にはバッフル5が設けられていない構成とすることが可能である。第2の領域30bに燃焼ガスが進入することを防止する手段としては、バッフル5とは別体の部材を用いることも可能である。
バッフルは、最内周のコイル状管体部の内周面の周方向全域を覆うことができるように筒状に形成されていることが好ましいものの、やはりこれに限定されない。たとえば、バッフルの周壁部の一箇所または複数箇所に切り欠きが形成されているような略筒状の形態とされている場合であっても、最内周のコイル状管体部に燃焼ガスが直接作用することを抑制可能であり、本発明の技術的範囲に包摂される。
バッフルに形成されるスリットは、燃焼ガスが最内周のコイル状管体部に作用する度合いを少なくする観点からすると、上述の実施形態のように、最内周のコイル状管体部の隙間の幅よりも小さくすることが好ましいものの、やはりこれとは異なる構成とすることができる。本発明においては、スリットの幅が、最内周のコイル状管体部の隙間の幅よりも大きくされていても最内周のコイル状管体部が過熱状態となることをバッフルによって防止することが可能である。スリットの具体的な幅、長さ、数なども限定されない。ただし、本発明では、スリットを通過した燃焼ガスが最内周のコイル状管体部に過度に作用することを抑制する必要があるため、スリットは、少なくとも最内周のコイル状管体部の隙間と略平行に延びてこの隙間に対面していることが要件とされる。
コイル状管体部は、複数であればよく、その具体的な本数は任意に選択可能である。各コイル状管体部のループ部の形状は、長円状に限らず、たとえば真円状あるいは矩形状などの種々の形状にすることができる。この場合、バッフルの形状もループ部に対応した形状とすることが好ましい。
熱交換器に対して燃焼ガスを進行させる方向は、下向きに限定されない。たとえば、燃焼器を熱交換器の下方または側方に配置し、燃焼ガスを上向きまたは横向き(水平方向)に進行させるようにすることもできる。また、本発明でいう加熱用媒体としては、燃焼ガス以外の媒体を用いることもできる。
本発明でいう温水装置とは、温水を生成する機能を備えた装置の意であり、一般給湯用、風呂給湯用、暖房用、あるいは融雪用などの各種の給湯装置、および給湯以外に用いられる温水(不凍液が加熱されたものも含む)を生成する装置を広く含む概念である。
本発明が適用された温水装置の一例を示す概略断面図である。 (a)は、図1のIIa−IIa断面図であり、(b)は、(a)のIIb部の拡大図である。 図1の要部平面断面図である。 図1に示す温水装置を構成する熱交換器の伝熱管を示す断面図である。 本発明の他の例を示す概略断面図である。
符号の説明
WH 温水装置
HE 熱交換器
T 伝熱管
H1 第1の熱交換部
H2 第2の熱交換器
1 燃焼器
2 ケース(熱交換器の)
3 空間部(最内周のコイル状管体部の内方の)
4 コイル状管体部
4A 最内周のコイル状管体部
5 バッフル
6 仕切部材
20 導入口(加熱用媒体の)
21 排出口(加熱用媒体の)
30a,30b 第1および第2の領域
31 隙間(ループ部どうしの)
40 ループ部

Claims (5)

  1. 複数のループ部が軸長方向に隙間を隔てて並んだ複数のコイル状管体部を有し、かつこれら複数のコイル状管体部が略同心の重ね巻き状に配されている複数の伝熱管を備えており、
    前記複数のコイル状管体部のうち、最内周のコイル状管体部の内方の空間部に加熱用媒体が供給されたときには、この加熱用媒体が前記最内周のコイル状管体部の隙間を通過するように構成されている、熱交換器であって、
    前記最内周のコイル状管体部の内周面に対面するように前記空間部に配され、かつ内方領域に加熱用媒体を供給可能とされた筒状または略筒状のバッフルと、
    このバッフルに設けられて、前記最内周のコイル状管体部の隙間に対面しつつこの隙間と略平行に延びており、かつ前記バッフルの内方領域に供給された加熱用媒体を前記隙間に向けて進行させることが可能な1または複数のスリットと、
    を備えていることを特徴とする、熱交換器。
  2. 前記軸長方向において、前記スリットの幅は、前記隙間の幅と略同一またはそれよりも小さな寸法とされている、請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記複数のコイル状管体部を収容し、かつ加熱用媒体の導入口および排出口を形成しているケースと、
    前記最内周のコイル状管体部の内方の空間部を前記軸長方向において第1および第2の領域に仕切る仕切部材と、をさらに備えており、
    前記複数のコイル状管体部は、前記第1および第2の領域の周囲にそれぞれ位置する第1および第2の熱交換部に区分され、
    前記バッフルは、少なくとも前記第1の領域に配されて、前記スリットは、前記第1の熱交換部の隙間に対面しており、
    前記導入口から前記第1の領域に加熱用媒体が供給されたときには、この加熱用媒体は前記スリットを通過して前記第1および第2の熱交換部に順次進行してから前記排出口に到達するように構成されている、請求項1または2に記載の熱交換器。
  4. 前記第2の領域には、前記バッフルと一体または別体に形成されて前記最内周のコイル状管体部の内周面に対面する筒状または略筒状の壁部が設けられており、前記第2の熱交換部に進行した加熱用媒体が前記第2の領域に進行することが前記壁部によって抑制されるように構成されている、請求項3に記載の熱交換器。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の熱交換器と、前記加熱用媒体としての燃焼ガスを発生させる燃焼器と、を備えていることを特徴とする、温水装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015503209A (ja) * 2011-12-23 2015-01-29 ポスコエナジー株式会社Poscoenergy Co.,Ltd. 燃料電池用加湿熱交換器
JP2015040645A (ja) * 2013-08-20 2015-03-02 株式会社コロナ 潜熱熱交換器

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