JP2000126798A - 超臨界水酸化法による廃棄物処理装置 - Google Patents

超臨界水酸化法による廃棄物処理装置

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JP2000126798A
JP2000126798A JP10301307A JP30130798A JP2000126798A JP 2000126798 A JP2000126798 A JP 2000126798A JP 10301307 A JP10301307 A JP 10301307A JP 30130798 A JP30130798 A JP 30130798A JP 2000126798 A JP2000126798 A JP 2000126798A
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sludge
heat exchanger
waste
water
heat
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JP10301307A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Kawajiri
斉 川尻
Shinji Aso
伸二 麻生
Tetsuji Miyabayashi
哲司 宮林
Tadakatsu Nakajima
忠克 中島
Hiroshi Kusumoto
寛 楠本
Akira Nishioka
明 西岡
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Hitachi Ltd
Hitachi Plant Technologies Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Plant Technologies Ltd
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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱効率の高くかつ安価な超臨界水酸化法によ
る廃棄物処理装置を提供する。 【解決手段】 汚泥20aを高圧状態に移行させる前段
の低圧状態にて、蒸発や分解が起きない程度まで予熱す
ることで、高圧状態における加熱の負担を軽減し、設備
費等を低減させる。また、超臨界反応による反応生成物
20cの灰を除去した後に、汚泥20aを加熱する熱媒
体として熱交換器42内に流入させ、熱交換器42内へ
の灰の付着による流路の閉塞を防止させる。また、前記
熱交換器42のケーシング42a長手方向に直交するよ
うに、汚泥供給パイプ42bを蛇行若しくはらせん状に
挿入するとともに、ケーシング42a内の側面より前記
パイプ42bの湾曲部につきだすようにバッフルプレー
ト42cを千鳥状に配置し、前記パイプ42bと前記プ
レート42cとを非接続状態として、溶接部42eにお
ける熱ひずみによる破損を防止させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は含水有機廃棄物を酸
素の共存下で水の超臨界状態に置いて有機物を酸化分解
する超臨界水酸化法による廃棄物処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】有害な含水有機廃棄物の分解処理を実現
する方法として、超臨界水酸化法が注目されている。こ
の方法は、例えば特公平1−38532号や特開平7−
275870号などに開示されているように、含水有機
廃棄物を酸素の共存下で水の超臨界状態(圧力22MP
a以上、温度374℃以上)に置き、前記廃棄物中の有
機物を酸化分解するものである。超臨界状態では水の物
性が著しく変化するため、有機物や酸素を高い濃度で水
に溶け込ませることが可能となる。よって、超臨界水中
では有機物の酸化分解反応を著しく進行させることがで
きる。このため、超臨界水酸化法を用いた廃棄物処理が
考えられている。
【0003】従来考えられている超臨界水酸化法による
廃棄物処理の流れについて図5を用いて説明する。含水
有機廃棄物である汚泥1aはタンク2に貯留された後、
高圧ポンプ3により大気圧程度の低圧状態から、超臨界
水酸化反応条件である22MPa以上の、例えば25M
Pa程度の高圧状態に移行して圧送される。汚泥1aを
加熱する前に高圧状態にしておくのは、大気圧程度の低
圧状態の下で汚泥の加熱を臨界温度程度まで行うと、超
臨界反応の前に汚泥の分解や蒸発がおきてしまい、汚泥
の処理に支障をきたすからである。加圧された前記汚泥
1aは酸素4と混合した後、熱交換器5にて加熱され
る。
【0004】従来考えられている熱交換器5の構造を図
6に示す。汚泥1aが流入する汚泥供給管6は蛇行形状
をなしている。前記供給管6の直進経路部分の周囲を外
筒で覆い、前記供給管6の湾曲部側にて前記外筒端部を
連絡させて、熱媒体流入管7とした。よって、熱交換器
5は、蛇行する汚泥供給管6を内管とし、熱媒体流入管
7を外管とする二重管構造となっている。前記流入管7
は前記供給管6の直線経路の端部ごとに溶接しているた
め、多くの溶接箇所8がある。汚泥供給管6には酸素4
との混合汚泥1bが流動し、熱媒体流入管7には後述す
る反応生成物1cが混合汚泥1bを加熱する熱媒体とし
て流動する。その後、熱交換器5において加熱された前
記混合汚泥1bは管状反応槽9に流入して超臨界水酸化
反応により酸化分解されることになる。
【0005】前記混合汚泥1bが管状反応槽9にて超臨
界条件を満たす温度に達すると、汚泥1b中の水が超臨
界状態となることにより、汚泥1bは灰と二酸化炭素を
主とするガスと水とに分解される。反応生成物1cは上
記した前記熱交換器5の熱媒体流入管7に直接流入し
て、汚泥供給管6中を流動する汚泥1bを加熱する。そ
の後、反応生成物1cは冷却処理されて、常温に戻され
た後、水とガスと灰とが分離されてそれぞれ処理され
る。従来において以上のような含水有機廃棄物の処理が
提案されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来提案され
ていた超臨界水酸化法による廃棄物処理には以下のよう
な問題点があり、実用化が困難であった。常温での汚泥
の粘性は高いため、伝熱効率も悪い。このため、汚泥を
所望の温度まで加熱するためには、伝熱面積を増大させ
るか、通常よりも伝熱効率の高い部材を使用する必要が
ある。このような部材は非常に高価なものであり、現実
的に使用は困難である。また、熱交換器の部材は、常圧
で用いる部材に比して余分に耐久性が必要なため高価で
あり、伝熱面積を増大させることにより設備費や維持費
が大きく増大することになる。
【0007】また、廃棄物を加熱する熱交換器におい
て、以下の不都合が発生する。まず、超臨界反応による
反応生成物が熱交換器の管内を流動する時によどみが発
生すると、反応後に析出する灰が管壁に固着することが
ある。すると、固着した灰を核として周囲の灰が付着成
長するため、管内が閉塞されて汚泥の加熱に支障をきた
すおそれがある。また、付着した灰により管が腐食され
るおそれもある。このため、管内を頻繁に洗浄する必要
が生じ、作業効率を著しく低下させる事態が考えられ
る。
【0008】さらに、熱交換器において汚泥を加熱する
に際して、汚泥と熱媒体である反応生成物との温度差が
大きいため、熱膨張の差による熱ひずみが熱交換器の溶
接部において発生する。この熱ひずみにより熱交換器の
溶接部が破損されるおそれが生じる。
【0009】本発明の目的は、前記従来技術の欠点を解
消した加熱の熱効率を高めかつ安価に行える超臨界水酸
化法による廃棄物処理装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明に係る超臨界水酸化法による廃棄物処理装置
は、含水有機廃棄物の流路上に、低圧状態から高圧状態
に移行させる高圧ポンプと、前記ポンプの後段に設けて
前記廃棄物を加熱する熱交換器と、前記熱交換器の後段
に設けて酸素と合流した前記廃棄物を水の超臨界条件下
で反応させる反応器とを有し、前記熱交換器内の対面に
交互にバッフルプレートを設けて熱媒体流路を形成し、
前記流路内に廃棄物供給パイプを挿入して廃棄物の蛇行
経路として、前記パイプを前記バッフルプレートと非接
続状態にした構成とした。そして、反応器の出口側に反
応廃棄物中より析出灰を除去する灰分離機を配置し、灰
を除去した反応生成物を前記熱交換器に熱媒体として返
送する管路を設けた構成とした。さらに、前記ポンプの
前段に設けて含水有機廃棄物を予熱する低圧予熱器を設
けた構成とした。
【0011】上記構成によれば、含水有機廃棄物の流路
上に設けた低圧予熱器により、当該廃棄物を低圧状態に
て分解が起こらない程度に予熱し、当該廃棄物の粘度を
低下させるとともに伝熱効率を向上させる。これによ
り、後述する熱交換器の伝熱面積を低減できる。そして
前記廃棄物を高圧ポンプにて低圧状態から高圧状態に移
行させ、酸素と混合させる。それから、高圧ポンプの後
段に設けた熱交換器により前記廃棄物を加熱する。その
後、反応器にて廃棄物を超臨界水状態にて酸化分解し、
灰を含む混合流体である反応生成物に変化させる。反応
器の後段に設けた灰分離機により、反応生成物より灰を
除去した後、上記したポンプ後段の熱交換器に流入させ
る。上記したように、熱交換器内のパイプとバッフルプ
レートとは非接続状態としているため、熱交換器の熱ひ
ずみによる破損のおそれなく前記混合廃棄物の加熱を行
える。それから、低圧予熱器において前記廃棄物の予熱
にも灰を除去した反応生成物を利用する。その後に、反
応生成物をそれぞれ分離処理をする。
【0012】なお、酸素の供給位置は、反応器の前段で
あれば特に限定されるものではない。また、低圧予熱器
による予熱には、灰を除去した反応生成物を直接用いて
もよいし、熱媒体を介してもよい。また、前記熱交換器
に挿入した廃棄物供給パイプはらせん状に挿入してもよ
い。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を添付した図面
に従って詳細に説明する。図1は本発明の実施形態を示
すフローシートである。汚泥20aを流通させる経路に
は汚泥20aを貯留するタンク22と、汚泥を破砕する
破砕機24と、汚泥を若干加圧して送り出す汚泥供給ポ
ンプ26が設けてある。本実施形態においては前記ポン
プ26後段に汚泥20aを低圧状態にて予熱する低圧予
熱器30を設けている。前記予熱器30は、汚泥20a
流路の周囲を覆う二重管を二段設置し、前記予熱器30
中に伝熱媒体50を流入させて汚泥20aを予熱する構
成としている。前記予熱器30内には、汚泥20aが分
解や蒸発の起こらない100℃程度まで予熱するため
に、200℃程度の伝熱媒体50を流入させている。伝
熱媒体50の流路については後述する。前記予熱器30
の後段には、超臨界条件を満たす25MPa程度まで加
圧する高圧ポンプ28が設けられ、汚泥20aを圧送す
るようにしている。
【0014】一方、前記汚泥20aを超臨界状態におい
て酸化分解させるための酸素32の流通経路は以下のよ
うになっている。酸素32の流通経路には、酸素製造シ
ステム(Pressure Swing Adsorp
tion)36と、酸素32を高圧状態に移行させる酸
素圧縮機38と、アキュムレータ40とが設けてある。
前記酸素製造システム(PSA)36は、原料空気を供
給するブロワ34と、当該空気中の窒素を吸着するゼオ
ライト充填塔35と、図示しない逆洗用の真空ポンプと
で構成している。酸素32の流路は、前記アキュムレー
タ40の後段にて、高圧状態の汚泥20aの流路と合流
させている。酸素32と混合した汚泥20bの流路は、
混合汚泥20bを300℃程度まで加熱する熱交換器4
2に連絡している。
【0015】図2は本実施形態における熱交換器42の
断面図である。前記熱交換器42は、ケーシング42a
内の長手方向に直交するように汚泥供給パイプ42bを
蛇行させて挿入し、ケーシング42a内の側面より前記
パイプ42bの湾曲部につきだすようにバッフルプレー
ト42cを千鳥状に配置した構成となっている。ここ
で、前記パイプ42bと前記プレート42cとは互いに
非接続となるように構成している。前記パイプ42bは
ケーシング42a側面下部にて上記した混合汚泥20b
の流路と連絡し、ケーシング42a上面にて後述する反
応槽44と連絡する。また、バッフルプレート42cに
より形成された熱媒体流路42dは、ケーシング42a
上面が入口側となり、前記パイプ42b入口に対向する
ケーシング42a側面が出口側となっている。反応器4
4で酸化反応した反応生成物20cは、後述する灰分離
機46を経て前記熱交換器42にケーシング42a上部
より流入し、汚泥20bの加熱を行わせるようにしてい
る。
【0016】前記パイプ42bの出口側には、混合汚泥
20bを超臨界状態にて酸化分解させる反応槽44を設
けている。前記反応槽44内で、汚泥20b中の有機物
は二酸化炭素と水、窒素などに分解する。前記汚泥20
b中の無機物は微小な灰として析出する。よって、反応
後の汚泥(反応生成物)20cは、混合流体中に微小な
灰が浮遊している状態となっている。
【0017】前記反応槽44出口側の反応生成物の流路
には、反応生成物20c中の灰を除去する灰分離機46
a,46bを設けてある。反応生成物20cの流路は灰
分離機46a,46bの前段で分岐して、おのおのが灰
分離機46a,46bの一方に連絡している。灰分離機
46a,46b内には反応生成物20cの流路を横断す
るフィルタ47が複数枚設けてある。フィルタ47は反
応生成物20cの温度での溶解を防止するため金属製の
ものを使用し、微細な灰を補集可能な網目状構造のもの
を用いている。そして、灰分離機46a,46bの出口
側は、上記した熱交換器42の熱媒体流路42d入口に
連絡している。
【0018】前記熱交換器42のケーシング42a側面
下部に設けられた熱媒体流路42d出口側には、残存物
20dの熱エネルギを伝熱媒体50に与えるとともに残
存物42d自身を冷却させる処理水冷却器48を設けて
いる。前記冷却器48は上記した低圧予熱器30を介す
る循環経路を有しており、残存物20dにより200℃
程度に保持された伝熱媒体50を流動させて前記低圧予
熱器30内の汚泥20aを予熱させている。伝熱媒体5
0の流通経路には熱媒体循環ポンプ52が設けられ、伝
熱媒体50を低圧予熱器30へ強制駆動させている。
【0019】冷却器48の後段側には灰を除去した残余
物を水とガスとに分離させる気液分離槽54が設けてあ
り、分離槽54は水やガスをそれぞれ放流する流路に連
絡している。
【0020】上記構成において、含水有機廃棄物である
汚泥20aは汚泥タンク22に貯留され、そして流路を
閉塞させないよう破砕機24により破砕する。破砕され
た汚泥20aはその後、汚泥供給ポンプ26に送られる
が、汚泥タンク22に一部が戻されて、前記破砕機24
にてより細かく破砕される。なお、汚泥20aの固形物
の濃度は10%程度のものを使用している。固形物の濃
度が大きすぎると流動性の面で支障をきたし、逆に濃度
が小さいと汚泥20a自身の保有熱量も小さくなり熱効
率が低くなってしまう。そのため、双方の条件を満たす
ような10%程度の固形物濃度の汚泥20aを好ましく
用いることができる。
【0021】前記ポンプ26にて汚泥20aを若干加圧
した後、当該汚泥20aを低圧予熱器30に送出する。
前記予熱器30を流動する200℃程度の熱媒体によ
り、常温程度の汚泥20aを、汚泥の分解や沸騰の起こ
らない100℃程度に予熱する。その後前記高圧ポンプ
28において、汚泥20aを大気圧程度の低圧状態から
超臨界水酸化反応の条件を満たす25MPa程度の高圧
状態にまで移行させる。
【0022】一方、汚泥20aを酸化反応させる酸素3
2は、以下のような経路で汚泥20aと混合する。ま
ず、酸素製造システム(PSA)36により、原料空気
から酸素32を生成する。前記システム36は、上記し
たようにブロワ34と、ゼオライト充填塔35と、図示
しない逆洗用の真空ポンプとで構成している。原料空気
はブロワ34にて流路上に供給され、前記充填塔35に
て当該空気中の窒素を吸着させて、酸素32を流路上に
送り出している。前記酸素32は、酸素圧縮機38によ
り高圧状態に移行して、汚泥20aの流路に圧送され
る。よって、酸素32と汚泥20aとを高圧状態にて混
合させた後、熱交換器42に流入させて加熱を行う。な
お、酸素32流路上に設けたアキュムレータ40によ
り、酸素32の圧力を安定させている。
【0023】本実施形態における熱交換器42では、後
述する反応残存物20dを熱媒体として混合汚泥20b
の加熱を行う。100℃程度に予熱された混合汚泥20
bは熱交換器42のケーシング42a側面より廃棄物供
給パイプ42bに流入する。前記パイプ42b周囲の熱
媒体経路42dを流動する600℃程度の反応残存物2
0dにより前記汚泥20bを300℃程度まで加熱す
る。ところで、上記したように前記パイプ42bと、反
応残存物20dの流路を形成するバッフルプレート42
cとは非接続状態となるように構成されているため、前
記プレート42cと前記パイプ42bとの間に応力は発
生しない。また、前記パイプ42bを蛇行させて挿入し
ているために、熱交換器42との溶接部42eにおいて
発生する応力を吸収するようにパイプ42bが蛇行形状
のまま膨張できるため、従来のような熱交換器42の破
損のおそれがなく、混合汚泥20bの加熱を行うことが
できる。
【0024】前記パイプ42bに流入した混合汚泥20
bは熱交換器42において300℃程度まで加熱される
が、上記したように混合汚泥20bはすでに100℃程
度まで予熱されているため、当該熱交換器42における
加熱の負担は少なくてすむ。さらに、予熱された混合汚
泥20bは、予熱前に比べて粘性が小さくなっている。
粘性と温度の関係を図3に示す。図3は濃度7%の汚泥
の温度と粘性の関係を示している。図より100℃付近
においては、粘性が常温時に比べて半分以下に減少して
いるため、混合汚泥20bに効率的に伝熱させることが
できる。そして、粘性が小さくなると乱流が生じやすく
なり、乱流が発生すると伝熱効率がさらに上昇する。よ
って、乱流状態を従来に比して早期に発生させることが
できるため、混合汚泥の加熱を効率的に行うことができ
る。以上のような理由で、高圧状態にて混合汚泥20b
を加熱する熱交換器42の伝熱面積を小さくすることが
できるため、設備費等を低減させることができる。
【0025】前記混合汚泥20bは管状反応槽44にて
超臨界反応の起きる温度に達すると、混合汚泥20b中
の水が超臨界状態となり、混合汚泥20bの酸化分解の
反応速度が飛躍的に上昇する。まず、前記混合汚泥20
b中の有機物は二酸化炭素と水、窒素などの混合流体と
なる。また、前記混合汚泥20b中の無機物は微小な灰
として析出し、前記混合流体中を浮遊する。なお、前記
混合汚泥20bの温度は自身の反応熱により上昇し、反
応終了時には上記したように、およそ600℃程度にま
で上昇する。
【0026】反応後の汚泥(反応生成物)20cは、前
記反応槽44の出口側に配置した灰分離機46にて灰を
除去した後、再び熱交換器42内へ流入する。従って灰
により反応生成物20dの流路を閉塞するおそれなく、
熱交換器42にて汚泥20bの加熱を行うことができ
る。
【0027】灰を除去した反応残存物20dは熱交換器
42のケーシング上面の入口より流路に流入し、上記し
たようにパイプ中の汚泥20bを300℃程度まで加熱
する。その後、前記残存物20dは、ケーシング側面下
部より再び熱交換器42の外へ流出し、流路に設置した
処理水冷却器48において伝熱媒体50に熱エネルギを
伝達させて200℃程度に加熱することにより、残存物
20d自身の温度は60℃程度になる。伝熱媒体50は
上記したように、低圧予熱器30と連絡した循環経路中
を流動し、汚泥20aに熱エネルギを与えて100℃程
度に予熱する。熱エネルギを失った前記残存物20d
は、気液分離槽54によりガスと水とに分離される。そ
して、ガスと水とは放流されて、一連の処理を終了す
る。
【0028】図4は本発明の第二実施形態を示す説明図
である。本実施形態においては、酸素32を管状反応槽
44にて汚泥20aと合流させるようにしている。本実
施形態において汚泥20aは、反応槽44に流入するま
で酸素と混合しないため、反応槽の前段で酸化分解によ
り発熱し、伝熱の妨げになることを防止することができ
る。
【0029】なお、実施形態においては、低圧予熱器の
設置を二段としたが、これに限られるものではない。ま
た、低圧予熱器の構造も二重管構造の他に、攪拌機をも
つベッセルとコイルを組み込んだ構造のものや、多重管
構造のものを使用することも可能である。そして、熱交
換器を密閉式とすると、汚泥からの臭気の拡散を防止す
ることができる。また、実施形態においては熱交換器に
挿入した廃棄物供給パイプは蛇行形状であるが、らせん
形状であってもよい。さらに、汚泥中の固形物濃度は1
0%程度のものを好ましく用いる事ができるが、この濃
度に限定されるものではない。また、実施形態では、反
応残存物の熱エネルギを伝熱媒体に与え、間接的に反応
残存物の熱エネルギを用いて汚泥20aの予熱を行った
が、反応残存物自身を伝熱媒体として、直接的に反応残
存物自体の熱エネルギを用いて汚泥20aの予熱をおこ
なってもよい。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は汚泥の予
熱を低圧状態において行うことにより、高圧状態におけ
る加熱の負担を軽減させることができる。また低圧状態
での予熱は高圧時に比して安価に行えるため、設備費や
維持費も低減させることができる。また、熱媒体として
利用される反応生成物の灰を除去してから熱交換器内に
流入させるため、灰の付着成長により器内が閉塞される
おそれがない。そして、熱交換器内を流入する汚泥の管
路をそれぞれ非接続状態としたため、従来発生していた
溶接部での温度差による応力がかからず、前記応力によ
る熱ひずみによる破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態における廃棄物処理の説
明図である。
【図2】本発明の第一実施形態における熱交換器の断面
図である。
【図3】汚泥の粘性と温度の関係を示すグラフである。
【図4】本発明の第二実施形態における廃棄物処理の説
明図である。
【図5】従来における廃棄物処理の説明図である。
【図6】従来における二重管型熱交換器の断面図である
【符号の説明】
1a 汚泥 1b 混合汚泥 1c 反応生成物 2 汚泥タンク 3 高圧ポンプ 4 酸素 5 二重管型熱交換器 6 汚泥供給管 7 熱媒体流入管 8 溶接部 9 管状反応槽 20a 汚泥 20b 混合汚泥 20c 反応生成物(反応後の汚泥) 20d 反応残存物灰を除去した反応生成物 22 汚泥タンク 24 破砕機 26 汚泥供給ポンプ 28 高圧ポンプ 30 低圧予熱器 32 酸素 34 ブロワ 35 ゼオライト充填塔 36 酸素製造システム(PSA) 38 酸素圧縮機 40 アキュムレータ 42 熱交換器 42a ケーシング 42b 廃棄物供給パイプ 42c バッフルプレート 42d 熱媒体流路 42e 溶接部 44 管状反応槽 46 灰分離機 47 フィルタ 48 処理水冷却器 50 伝熱媒体 52 熱媒体循環ポンプ 54 気液分離槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 麻生 伸二 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 日 立プラント建設株式会社内 (72)発明者 宮林 哲司 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 日 立プラント建設株式会社内 (72)発明者 中島 忠克 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 楠本 寛 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 西岡 明 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 Fターム(参考) 4D004 AA02 AB01 CA36 CA39 CB13 CB31 CC01 4D059 AA00 BC01 BK11 CA09 DA47

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含水有機廃棄物の流路上に、低圧状態か
    ら高圧状態に移行させる高圧ポンプと、前記ポンプの後
    段に設けて前記廃棄物を加熱する熱交換器と、前記熱交
    換器の後段に設けて水の超臨界条件下で当該廃棄物と酸
    素を反応させる反応器とを有し、前記熱交換器内の対面
    に交互にバッフルプレートを設けて熱媒体流路を形成
    し、前記流路内に廃棄物供給パイプを前記バッフルプレ
    ートと非接続状態となるように挿入したことを特徴とし
    た超臨界水酸化法による廃棄物処理装置。
  2. 【請求項2】 含水有機廃棄物の流路上に、低圧状態か
    ら高圧状態に移行させる高圧ポンプと、前記ポンプの後
    段に設けて前記廃棄物を加熱する熱交換器と、前記熱交
    換器の後段に設けて水の超臨界条件下で当該廃棄物と酸
    素を反応させる反応器とを有し、反応生成物中より析出
    灰を除去する灰分離機を前記反応器の出口側に配置し、
    灰を除去した反応生成物を前記熱交換器に熱媒体として
    返送する管路を設けたことを特徴とする超臨界水酸化法
    による廃棄物処理装置。
  3. 【請求項3】 含水有機廃棄物の流路上に、当該廃棄物
    を低圧状態から高圧状態に移行させる高圧ポンプと、前
    記ポンプの後段に設けて前記廃棄物を加熱する熱交換器
    と、前記熱交換器の後段に設けて水の超臨界条件下で当
    該廃棄物と酸素を反応させる反応器とを有し、含水有機
    廃棄物を予熱する低圧予熱器を前記ポンプの前段に設け
    たことを特徴とする超臨界水酸化法による廃棄物処理装
    置。
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