JP4648549B2 - 汚泥処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は汚泥処理流体の浄化後に生じる汚泥を効率よく分離、除去できる汚泥処理装置に関し、特に高圧状態である気体、液体、固体よりなる汚泥処理流体から固体を効率よく除去する汚泥処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来海、湖沼、河川、貯水池、下水等の汚水を処理する連続水浄化装置から発生した汚泥を処理する汚泥処理装置としては、例えば特表平6−511190号公報や、特開平11−123399号公報に記載された汚泥処理装置が公知である。
【0003】
前者公報に記載された汚泥処理装置は、汚泥タンクとポンプ、熱交換器、反応器、ヒーター、固液分離器、減圧弁より構成されていて、被処理物である汚泥は、汚泥タンクに蓄えられた後、ポンプにより反応器へ送り込まれて目的の圧力にまで加圧されると共に、熱交換器により目的温度まで予熱されて、酸化分解処理される。
酸化分解処理により大半の被処理物は気体あるいは液体に変化して、固体が少量残るが、この固体を含んだ流体は熱交換器で熱を奪われながら、フィルターや重力沈降を利用して固液分離されるか、そのまま減圧弁に導かれて大気圧に減圧され、処理水となる。
【0004】
また後者公報に記載された汚泥浄化装置は、被処理物である磁性粉を含んだ汚泥を二段階で加熱、加圧することで汚泥を減容化し、同時に磁性粉を除去できる構成となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前者公報に記載された汚泥処理装置では、減圧弁の手前にフィルターを設けているため、フィルターを洗浄する洗浄機構が複雑で、かつ洗浄作業にも手間がかかるなどの問題がある。
【0006】
またフィルターを洗浄する媒体は、二相流であることが望ましいが、前者公報の汚泥処理装置では、二相流における気体は溶存分である二酸化炭素であり、気化したとしても非常に少量の気泡である上、洗浄するための流体の容量が配管に溜まった分だけの非常に少ない量のため、二相流としての洗浄効果が小さいなどの問題もある。
【0007】
一方後者公報に記載の汚泥浄化装置では、回収した磁性粉を再利用することができるなどの利点を有しているが、二段階目の高温高圧反応器での温度および圧力が高く設定されているため、装置の製作コストおよび運転コストが高くなるなどの問題がある。
【0008】
本発明は係る従来の問題点を改善するためになされたもので、汚泥処理流体の浄化後に生じる汚泥を効率よく分離、除去でき、特に高圧状態である気体、液体、固体よりなる汚泥処理流体から固体を効率よく除去できる汚泥処理装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため請求項1に記載の発明は、処理すべき汚泥処理流体に、磁性粒子と凝集剤を添加することにより生じた磁性フロックを、磁気的フロック分離手段により汚泥処理流体から分離し、得られた汚泥を処理するための汚泥処理装置であって、前記汚泥処理流体を蓄えておく汚泥タンクと、前記汚泥タンクより搬出された汚泥処理流体を高圧に加圧する加圧手段と、加熱手段により反応温度にまで加熱された前記汚泥処理流体より汚泥を分解する第1の高温高圧反応手段と、前記高温高圧反応手段により分解された汚泥から磁性粒子を磁気的に分離して取り出す磁性粉分離手段と、前記磁性粉分離手段により磁性粒子が除去された高温高圧状態の汚泥処理流体に酸化剤を加えて反応を起こさせる第2の高温高圧反応手段と、前記高温高圧反応手段により処理された高温高圧状態の汚泥処理流体より、固体を沈降させて溜めておく固体分離器を有する固体分離手段と、前記固体分離手段に設けられ、かつ固体が分離された汚泥処理流体より浮遊粒子を捕捉する濾過手段と、前記固体分離手段に設けられ、かつ濾過手段により濾過された汚泥処理流体中の気体を蓄圧する蓄圧手段と、前記固体分離手段に設けられ、かつ前記固体分離器に溜められた固体および前記濾過手段で捕捉された捕捉物を排出する開放弁と、前記高温高圧状態の汚泥処理流体を大気圧に下げて放出する減圧手段とより構成したものである。
【0010】
前記構成により、汚泥処理流体を高温高圧水として凝集剤の凝集作用を壊すことにより、汚泥中の磁性粉の回りから凝集剤が剥離されるようにして、磁性粉を単体で分離するようにしたことから、余分な不純物を添加しなくても純度の高い磁性粉を容易に取り出すことができると共に、磁性粉の酸化温度以下で反応を行うことにより、汚泥中から磁性粉を分離するようにしたことから、磁性粉の磁化率を低下させることがないため、回収した磁性粉の再利用効率を向上させることができる。
【0011】
また固体、液体、気体の混合流体が流れる配管に固体分離手段を設けて、汚泥処理流体中の固体を除去するようにしたことから、汚泥処理流体を大気圧に減圧して放出する減圧手段が固体により詰まることないため、メンテナンスを必要とせずに長期間の自動運転が可能になると共に、汚泥処理流中に含まれる気体の圧力を利用して濾過手段を洗浄することができるため、洗浄設備や洗浄作業の簡素化が図れるようになる。
【0012】
前記の目的を達成するため請求項2に記載の発明は、処理すべき汚泥処理流体に、磁性粒子と凝集剤を添加することにより生じた磁性フロックを、磁気的フロック分離手段により汚泥処理流体から分離し、得られた汚泥を処理するための汚泥処理装置であって、前記汚泥処理流体を蓄えておく汚泥タンクと、前記汚泥タンクより搬出された汚泥処理流体を高圧に加圧する加圧手段と、加熱手段により反応温度にまで加熱された前記汚泥処理流体より汚泥を分解する第1の高温高圧反応手段と、前記高温高圧反応手段により分解された汚泥から磁性粒子を磁気的に分離して取り出す磁性粉分離手段と、前記磁性粉分離手段により磁性粒子が除去された高温高圧状態の汚泥処理流体に酸化剤を加えて反応を起こさせる第2の高温高圧反応手段と、前記高温高圧状態の汚泥処理流体を大気圧に下げて放出する減圧手段とより構成したものである。
【0013】
前記構成により、汚泥処理流体を高温高圧水として凝集剤の凝集作用を壊すことにより、汚泥中の磁性粉の回りから凝集剤が剥離されるようにして、磁性粉を単体で分離するようにしたことから、余分な不純物を添加しなくても純度の高い磁性粉を容易に取り出すことができると共に、磁性粉の酸化温度以下で反応を行うことにより、汚泥中から磁性粉を分離するようにしたことから、磁性粉の磁化率を低下させることがないため、回収した磁性粉の再利用効率を向上させることができる。
【0014】
また汚泥の減容化により、汚泥処理コストも大幅に低減できると共に、酸化処理を大気と隔離した反応容器内で行うようにしたことから、減圧手段より放出される排気ガスの大半は炭酸ガスや窒素ガス等であるため、悪臭が低減する。
【0015】
前記の目的を達成するため請求項3に記載の発明は、複数の固体分離手段を並列接続すると共に、前記固体分離手段の上流側に、流路を切換える弁を設けたものである。
【0016】
前記構成により、一方の固体分離手段の濾過手段に洗浄の必要が生じたら、弁を切換えて他方の固体分離手段で汚泥処理を行うと共に、この間に一方の固体分離手段の濾過手段の洗浄を行うことができるため、汚泥の連続処理を停止することなく固体分離手段の濾過手段を洗浄することができるようになる。
【0017】
前記の目的を達成するため請求項4に記載の発明は、前記蓄圧器を、前記濾過手段と前記減圧手段の間を接続する配管に対して、上下方向に可動自在に設けたものである。
【0018】
前記構成により、蓄圧器の傾きを任意の位置に変えて、洗浄流体を気体のみ、液体のみ、気液混合の内、最も洗浄に効果のある流体を選択して流出させることができるため、短時間で能率よく濾過手段の洗浄が行えるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1および図2に示す図面を参照して詳述する。
図1は汚泥処理装置の構成図を示すもので、汚泥タンク4には、磁気分離式の水浄化装置で発生した植物プランクトン、凝集剤、磁性粉、水を主成分とする汚泥処理流体が蓄えられていおり、この汚泥処理流体は配管101を通じて汚泥ポンプ3に導入されるようになっている。
【0020】
汚泥ポンプ3の入口部では、薬剤タンク32から高温高圧水で処理する際に必要な水、反応促進剤、中和剤としてのアルカリ溶液等が弁33を介して注入されて、汚泥処理流体に添加されるようになっている。
汚泥ポンプ3により目的反応温度の飽和水上気圧以上に加圧された汚泥処理流体は、配管102を通って反応管34a内に吐出され、処理後の汚泥処理流体から熱の回収を行う熱交換器2及びヒータ35により目的反応温度まで加熱されることにより、高温高圧状態となった汚泥処理流体の分解が行われ後、磁性粉分離手段38へ導かれる。
【0021】
なおこのときの反応温度は、好ましくは200℃未満、さらに好ましくは190〜200℃の範囲である。
またこのときの水熱反応により、磁性フロックの塊であった汚泥が高温高圧の条件にさらされて、結合が破壊されて固形物の各々がバラバラになり、有機物は油状の粘性の高い液体と水分が混在した混合液となる。
これにより磁性粉が単体で分離した状態となると共に、この反応条件下では、磁性粉の酸化は起こらない。
【0022】
そこでこの亜臨界状態となった汚泥を磁性粉分離手段38へ導き、汚泥中の磁性粉を磁石39を用いて捕集するが、この捕集動作を続けていると、磁性粉が蓄積されてくるので、磁石39を上下動させて磁石39を遠ざけるか、磁石39が電磁石の場合は、電磁力を小さくしながら弁40を開き、内圧を利用して磁性粉スラリを回収する。
【0023】
磁性粉分離手段38で磁性粉が除去された汚泥処理流体には、水熱反応を行う際に必要な、酸素や過酸化水素水や空気等の酸化剤、さらに必要に応じて中和剤が、薬剤タンク41から弁42、ポンプ43を介して添加されると共に、汚泥ポンプ3により加圧されている汚泥処理流体は、所定温度を維持するために必要な温度までヒータ45により加熱、保温される。
【0024】
このとき反応管34b内の汚泥処理流体は、添加された酸化剤により有機物や凝集剤が酸化され、有機物は炭酸ガスや窒素ガス、水等に分解される。
分解反応が終了した汚泥処理流体は高温高圧のままであるため、配管103を通じて熱交換器2の送られ、熱交換器2で反応前の汚泥処理流体を加熱することによりその熱エネルギーが回収再利用される。
【0025】
一方熱交換器2の熱交換された汚泥処理流体は、配管104および弁18を通って固体分離手段20へ流入される。
固体分離手段20は図2に示すように固体分離器12を有していて、固体分離器12に流入された汚泥処理流体中の固体は重力沈降して底部に堆積し、気液相はフィルターよりなる濾過手段13を通過する際沈降しなかった固体が捕捉物14となって濾過手段13の上部で分離された後、浄化流体のみが固体分離器12の上部より配管105を通って減圧弁よりなる減圧手段9に導かれる。
【0026】
また固体分離器12の底部には、汚泥処理流体の流入量に応じて固体が堆積してくるので、光、電波、超音波、磁場などを用いた図示しないセンサーより堆積量を検出するか、一定時間経過して所定量の固体が堆積したら開放弁6を開いて、底部に堆積した固体を配管107から排出する。
前記配管105の途中には、気体と液体が同時に行き来できるような十分な管径を持った配管106を介して、蓄圧器10が接続されている。
【0027】
なおこの蓄圧器10は、配管105に対して接続部が上下に可動自在な構造を用いるか、フレキシブルホースを用いるなどして、配管105に対し上下方向に可動できる状態に接続されていおり、また蓄圧器10は容量が大きいほど洗浄流体を溜め込めるが、その分強度が必要になるので、汚泥処理装置の規模ごとに適切な大きさの容積に設定することが望ましい。
【0028】
一方気体が混入している汚泥処理流体が配管105を流れる際、蓄圧器10が気体で飽和するまで蓄圧器10内に気体が溜まり続けるが、このとき後述する濾過手段13の洗浄方法に合わせて蓄圧器10を傾かせて、任意の割合で蓄圧器10に液体と気体を溜め込む。
そして蓄圧器10内に気体の流入が飽和した時からは、減圧手段9を通して気体も液体と共に排出されるが、この状態で処理を続けると、固体分離器12において重力沈降できなかった浮遊粒子が濾過手段13に堆積するため、圧力損失が増大してくる。
【0029】
そこで濾過手段13の前後の圧力を図示しない圧力センサーより測定し、圧力損失がある一定値以上になったら、濾過手段13に堆積した捕捉物14を除去する洗浄作業を行う。
この洗浄作業には、蓄圧器10に溜まった気体の圧力を利用するが、濾過手段13の上部にある捕捉物14は、汚泥処理流体中に浮遊していたものなので、再び分散させてしまうと回収するのに時間がかかって能率が悪くなるため、濾過手段13に堆積している塊状のままの状態で濾過手段13より剥離して回収する。
【0030】
捕捉物14の回収に当たっては、まず配管104の弁18を閉め、配管107の開放弁6を適度に開けることにより、濾過手段13より前段の圧力を徐々に下げる。
これによって蓄圧器10に溜まった気体が膨張し、濾過手段13に向かって流体が逆流することになるが、洗浄流体が気体のみ、液体のみ、気液混合の内、最も効果のある流体が流れ出すように、蓄圧器10の傾きを任意の位置に変えて流体を逆流させる。
【0031】
またこのときに洗浄に必要な好ましい流体が液体成分である場合、蓄圧器10内に気体を溜める際に蓄圧器10を予め傾かせておくか、蓄圧器10が満杯になる前に弁19を閉める等の操作により予め準備しておく。
蓄圧器10より流れ出た流体は、濾過手段13の上部から濾過手段13下部に向かって流れる際に、濾過手段13上部に溜まった捕捉物14が剥離されて、濾過手段13下部より配管107へ排出されると共に、このとき固体分離器12に堆積していた固体も同時に排出されるため効率がよい上、短時間で濾過手段13より汚泥を剥離することができるため、連続処理運転に戻るまでの洗浄作業時間を大幅に短縮することができる。
【0032】
なおこのとき配管104へ流入する汚泥処理流体の流量を少なくしておくことが望ましく、また蓄圧器10内に貯まっている気体の量が濾過手段13を洗浄するのに十分でない場合は、コンプレッサーなどで蓄圧器10に強制的に気体を溜め込むようにしてもよい。
【0033】
また配管104へ流入する汚泥処理流体の流量を少なくしないまま、濾過手段13の洗浄を行うようにしてもよい。
この場合、配管107を通過する流量を定常運転時に配管104を通過する流量より多くすることにより、濾過手段13内で逆流が発生するため、濾過手段13を洗浄することができると共に、このとき配管107からの流出物は、初めは濾過手段13の底部に堆積していた固体のみなのでこれは廃棄し、固体の流出が終わった後の流出物はほとんどは処理水なので、もう一度汚泥タンク4に戻すか、不純物を含まない場合はそのまま廃棄すればよい。
【0034】
以上のように汚泥処理流体を処理することによって、減圧手段9を通る流体中には固体がほとんど含まれていないので、減圧手段9が詰まって圧力の上昇を引き起こす可能性は非常に低くなり、これによって安定した汚泥の連続処理運転が可能になる。
また濾過手段13に堆積した捕捉物14を効率よく除去するためには、配管104へ流入する汚泥処理流体の流量を少なくしておくことが望ましいが、連続運転の途中で配管104を流れる汚泥処理流体の流量を変化させたり、停止させたりすると、配管104前段での温度制御が不安定になる等の不具合が生じやすくなる。
【0035】
これを回避するために、図3に示すように複数の固体分離手段20a,20bを並列に設けて、配管104からの流入する汚泥処理流体を弁15および弁16を切換えることにより、固体分離手段20aと20bに振り分ければよい。
すなわち、まず一方の弁15を開け、他方の弁16を閉じて固体分離手段20aのみで汚泥の処理を行い、固体分離手段20aの濾過手段13に洗浄の必要が生じたら、他方の弁16を開け、一方の弁15を閉じて固体分離手段20bで汚泥の処理を行う。
【0036】
そしてこの間に前記予備洗浄により固体分離手段20aの濾過手段13の洗浄を行い、固体分離手段20bの濾過手段13に洗浄の必要が生じたら、再び流路を切換えることとにより、連続処理を停止することなく濾過手段13の洗浄を行うもので、このとき固体分離手段20を3つ以上設けて、それぞれの固体分離手段20に振り分けて、洗浄を行うようにしても良い。
【0037】
以上に説明した本発明の汚泥浄化装置によれば、汚泥を高温高圧水として凝集剤の凝集作用を壊し、これによって汚泥中の磁性粉の回りから凝集剤が剥がれるようにして、磁性粉が単体で分離するため、余分な不純物を添加しなくても純度の高い磁性粉を容易に取り出すことができると共に、磁性粉の酸化温度以下で反応を行うことにより汚泥中から磁性粉を分離するので、磁性粉の磁化率を低下させることがなく、回収した磁性粉の再利用効率を高めることができる。
【0038】
また汚泥の減容化により、汚泥処理コストも大幅に低減できると共に、酸化処理を大気と隔離した反応容器内で行うようにしたことから、減圧手段より放出される排気ガスの大半は炭酸ガスや窒素ガス等であるため、悪臭を発生することが少ない。
【0039】
一方図4は汚泥処理装置の変形例を示すもので、次にこれを説明する。
なお汚泥タンク4から熱交換器2までは、図1に示す実施の形態と同一構成のため、その説明は省略する。
熱交換器2により熱交換された汚泥処理流体は、開放弁9で大気圧まで減圧された後、配管104を通って汚泥処理流体タンク49に貯蔵されると共に、汚泥処理流体タンク49中の窒素ガスや炭酸ガス等の気体は、汚泥処理流体タンク49の上部に設けられた弁52、配管53を介して大気に放出され、汚泥処理流体タンク49の底部に溜まった固形物は、汚泥処理流体タンク49の下部から配管54を通してスラリとして汚泥処理流体タンク49外に排出される。
また必要に応じて、薬剤タンク50から中和剤等が弁51を介して汚泥処理流体へ注入され、処理水が中和される。
【0040】
以上に説明した変形例によれば、汚泥処理流体を高温高圧水として凝集剤の凝集作用を壊すことにより、汚泥中の磁性粉の回りから凝集剤が剥離されるようにして、磁性粉を単体で分離するようにしたことから、余分な不純物を添加しなくても純度の高い磁性粉を容易に取り出すことができると共に、磁性粉の酸化温度以下で反応を行うことにより、汚泥中から磁性粉を分離するようにしたことから、磁性粉の磁化率を低下させることがないため、回収した磁性粉の再利用効率を向上させることができる。
【0041】
また汚泥の減容化により、汚泥処理コストの大幅に低減図れる上、汚泥処理流体の酸化処理を、大気と隔離した反応容器内で行うようにしたことにより、処理後に排出される排気ガスは炭酸ガスや窒素ガス等であるため、悪臭の発生を防止することができる。
【0042】
一方汚泥処理装置の運転時間が非常に長くなってくると、濾過手段13の内部にまで固体が染み込んでくるので、濾過手段13の洗浄頻度が増大し、汚泥処理装置の連続運転に支障をきたすようになる。
これを防止するためには、濾過手段13の内部まで充分に洗浄する完全洗浄を行う方法が有効であり、完全洗浄を行うに当たっては、まず開放弁6の開度を上げ、または汚泥ポンプ3の流量を大きくして、濾過手段13を逆流する流体の流量をできるだけ多くすればよい。
【0043】
また図1に示す汚泥処理装置では、開放弁11を閉鎖し、また汚泥ポンプ3を使用して、固体を含んだ流体を高速で装置内の配管へ流通させることにより、配管の管壁に付着した汚れを排出すことができる。
【0044】
なお前記実施の形態では、濾過手段13を縦方向に設置して、汚泥処理流体が下方より上方へ流れるようにしたが、、汚泥処理流体が上方より下方へ流れるようにしてもよく、濾過手段13を横方向に設置してもよい。
また処理する流体は、汚泥処理流体より含水率が高い廃液や、水以外の有機物等の場合でも同様に適用できると共に、有機物の処理に適用されている超臨界酸化装置などでは、固−気液分離器の他に気−固液、気−液分離器を備えた装置があり、この場合前記汚泥処理装置の固体分離手段20の設置場所はこれらの後段でも良いが、後段の場合固体分離器12に設けられた濾過手段13の洗浄に用いる蓄圧器10に気体が溜まりにくくなるので、固体分離器12は前段に設置することが望ましい。
【0045】
しかし後段に設置した場合でも、濾過手段13の洗浄を液体で行う場合や、濾過手段13の洗浄を液体のみで行い、完全洗浄時にのみ大気圧まで減圧するようにすれば、配管106に大気に開放できる弁を設けて、大気を蓄圧器10に流入させられるので、問題なく洗浄できると共に、この場合大気圧まで減圧しなくても、コンプレッサーなどで蓄圧器10に強制的に気体を溜め込めこむようにしてもよい。
【0046】
さらに酸化処理ではなく高温高圧の流体を用いた熱分解処理の場合、酸化処理に比べて処理水中の気体含有量は非常に少ないが、同じように操作すれば、問題なく処理できる上、使用する溶媒は水や加圧した二酸化炭素など、液体であればいかなる物でも適用できる。
【0047】
一方水浄化装置から発生した汚泥の含水率が、トラック等では水分が多すぎて運搬不可能な、例えば85%より大きくても、本発明の汚泥処理装置を用いれば、高温高圧水で酸化処理できるので汚泥を減容化できる上、低回転数遠心脱水装置や小型のベルト加圧脱水装置で脱水するだけでよいため、運転コストの低減が図れるようになる。
また処理できる汚泥としては、動物プラクトンや植物プランクトンから生じる汚泥の他に、有機、無機物質、重金属物質や化学物質等を含む、海水、河川水、湖沼水、工業廃水、ゴミ処理場の雨水廃水、下水、排煙洗浄水等から発生する汚泥などにも適用できるものである。
【0048】
【発明の効果】
本発明は以上詳述したように、汚泥処理流体を高温高圧水として凝集剤の凝集作用を壊すことにより、汚泥中の磁性粉の回りから凝集剤が剥離されるようにして、磁性粉を単体で分離するようにしたことから、余分な不純物を添加しなくても純度の高い磁性粉を容易に取り出すことができると共に、磁性粉の酸化温度以下で反応を行うことにより、汚泥中から磁性粉を分離するようにしたことから、磁性粉の磁化率を低下させることがないため、回収した磁性粉の再利用効率を向上させることができる。
【0049】
また固体、液体、気体の混合流体よりなる汚泥処理流体が流れる配管に固体分離手段を設けて、汚泥処理流体中の固体を除去するようにしたことから、汚泥処理流体を大気圧に減圧して放出する減圧手段が固体により詰まることないため、メンテナンスを必要とせずに長期間の自動運転が可能になると共に、汚泥処理流中に含まれる気体の圧力を利用して濾過手段を洗浄することができるため、洗浄設備や洗浄作業の簡素化が図れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態になる汚泥処理装置の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態になる汚泥処理装置に設けられた固体分離手段の構成図である。
【図3】本発明の実施の形態になる汚泥処理装置に設けられた固体分離手段の変形例を示す構成図である。
【図4】本発明の実施の形態になる汚泥処理装置の変形例を示す構成図である。
【符号の説明】
2 熱交換器
3 汚泥ポンプ
4 汚泥タンク
6 開放弁
9 減圧手段
10 蓄圧器
11 開放弁
12 固体分離器
13 濾過手段
15 弁
16 弁
20 固体分離手段
34 反応器
35 ヒータ
38 磁性粉分離器
45 ヒータ
Claims (3)
- 処理すべき汚泥処理流体に、磁性粒子と凝集剤を添加することにより生じた磁性フロックを、磁気的フロック分離手段により汚泥処理流体から分離し、得られた汚泥を処理するための汚泥処理装置であって、前記汚泥処理流体を蓄えておく汚泥タンクと、前記汚泥タンクより搬出された汚泥処理流体を高圧に加圧する加圧手段と、加熱手段により反応温度にまで加熱された前記汚泥処理流体より汚泥を分解する第1の高温高圧反応手段と、前記高温高圧反応手段により分解された汚泥から磁性粒子を磁気的に分離して取り出す磁性粉分離手段と、前記磁性粉分離手段により磁性粒子が除去された高温高圧状態の汚泥処理流体に酸化剤を加えて反応を起こさせる第2の高温高圧反応手段と、前記高温高圧反応手段により処理された高温高圧状態の汚泥処理流体より固体を沈降させて溜めておく固体分離器を有する固体分離手段と、前記固体分離手段に設けられ、かつ固体が分離された汚泥処理流体より浮遊粒子を捕捉する濾過手段と、前記固体分離手段に設けられ、かつ濾過手段により濾過された汚泥処理流体中の気体を蓄圧する蓄圧手段と、前記固体分離手段に設けられ、かつ前記固体分離器に溜められた固体および前記濾過手段で捕捉された捕捉物を排出する開放弁と、前記高温高圧状態の汚泥処理流体をを大気圧に減圧して放出する減圧手段とを具備したこを特徴とする汚泥処理装置。
- 複数の固体分離手段を並列接続すると共に、前記固体分離手段の上流側に、流路を切換える弁を設けてなる請求項1に記載の汚泥処理装置。
- 前記蓄圧器を、前記濾過手段と前記減圧手段の間を接続する配管に対して、上下方向に可動自在に設けてなる請求項1または2に記載の汚泥処理装置。
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JPH06511190A (ja) * | 1991-06-28 | 1994-12-15 | モデル・エンビロンメンタル・コーポレーシヨン | 無機物と一緒の有機物を超臨界水下で酸化する方法および装置 |
JP2000000573A (ja) * | 1998-06-15 | 2000-01-07 | Mitsubishi Electric Corp | 浄化装置 |
JP2000126798A (ja) * | 1998-10-22 | 2000-05-09 | Hitachi Plant Eng & Constr Co Ltd | 超臨界水酸化法による廃棄物処理装置 |
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