JP2000312819A - 高圧反応システム - Google Patents

高圧反応システム

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JP2000312819A
JP2000312819A JP11122288A JP12228899A JP2000312819A JP 2000312819 A JP2000312819 A JP 2000312819A JP 11122288 A JP11122288 A JP 11122288A JP 12228899 A JP12228899 A JP 12228899A JP 2000312819 A JP2000312819 A JP 2000312819A
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discharge
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solid
liquid
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JP11122288A
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Hironari Kikuchi
宏成 菊池
Norihide Saho
典英 佐保
Michiyuki Sano
理志 佐野
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応で生じた高圧な液体成分を大気側へ排出
するに際して、その液体成分に含まれている固体成分に
よるトラブルやメンテナンスの負担増加などを効果的に
避けることのできる高圧反応システムの提供。 【解決手段】 高圧反応システムは、被反応物を高圧下
で反応させつつ、反応により生成した固体成分を含む高
圧な液体成分を減圧して大気側へ排出するようになって
いる。そしての液体成分の排出のために、容積制御型排
出装置1A を備えており、この容積制御型排出装置によ
り高圧な液体成分の容積を制御することで大気側への排
出のための減圧を得るようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば超臨界水や
亜臨界水のような高温高圧状態の下で被反応物に反応を
生じさせる高圧反応システムであり、例えば汚泥の処
理、あるいは廃油や廃有機溶剤の処理、さらには廃プラ
スチックの熱分解処理などに利用することのできる高圧
反応システムに関する。
【0002】
【従来の技術】高圧反応システムの一つとして、有機物
が水に分散した流体、例えば汚泥を被反応物として連続
的に供給しつつ、超臨界水条件のような高温高圧状態の
下で化学反応させる連続式の超臨界水反応システムが知
られている(例えば特公表平6−51190号、特開平
10−314765号、特開平7−275871号の各
公報)。このような連続式超臨界水反応システムでは、
連続的に供給される被反応物から化学反応により生成す
る反応生成物を減圧して大気側に排出するようになって
いる。その排出に関して、従来では、システム内の圧力
を保てるように非常に小さい隙間に調節された流量調節
弁ないし減圧弁による排出構造が用いられている(例え
ば特開平10−314765号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような流量調整
弁あるいは減圧弁による排出構造にあっては、一般に、
高圧反応システム内の圧力と大気圧との圧力差がきわめ
て大きいために、弁における微小な隙間を非常に大きな
流速で反応生成物の流体が通過することになる。そのた
め、特に、反応ないしその過程で生成した固体成分を多
く含むことになる液体成分(固液混合流体)について
は、それに含まれる固体成分による弁の磨耗が大きな問
題になる。また固体成分が弁の微小な隙間に付着してこ
れを閉塞するなどの問題もある。
【0004】このような問題に関して、特公表平6−5
1190号公報に開示の技術では、流量調節弁(フロー
コントロールバルブ)の前に固体成分を分離するフィル
ターを設けることで流量調節弁に固体成分が通らないよ
うにしている。そしてフィルターを2つ設け、一方のフ
ィルターが詰まったら、もう一方のフィルターに切り替
えて運転するようにしており、詰まったフィルターは逆
洗により洗浄するようにしている。この技術によると、
固体成分による流量調節弁への障害の問題はそれなりに
解決できる。しかしその一方で、フィルターに関する問
題を生じる。すなわち高温高圧下での使用に適するフィ
ルターとしては焼結した多孔質金属で作られたフィルタ
ー以外に適当なものを得られないのが実情であるが、こ
のようなフィルターは、内部に捕捉した細かい固体を逆
洗により完全に押し出すことが難しい。そのため逆洗の
時間間隔はしだいに短くなり、ついには交換が必要にな
る。そして高圧反応システムにおける反応生成物に固体
成分が多ければ多いほどフィルターの頻繁な交換を必要
とするようになり、メンテナンスの負担が多大になる。
【0005】本発明は上記のような従来の事情を背景に
なされてたものであり、反応で生じた高圧な液体成分を
大気側へ排出するに際して、その液体成分に含まれてい
る固体成分によるトラブルやメンテナンスの負担増加な
どを効果的に避けることのできる高圧反応システムの提
供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明では、被反応物を高圧下で反応させると共に、
この反応により生成した固体成分を含む高圧な液体成分
を減圧して大気側へ排出するようになっている高圧反応
システムにおいて、前記高圧な液体成分の容積を制御す
ることで前記大気側への排出のための減圧を得るように
した容積制御型排出装置を備えていることを特徴として
いる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施形態による高
圧反応システムの構成を図1に示す。本実施形態の高圧
反応システムは、有機物と水を含む流体、例えば汚泥を
被反応物として、例えば超臨界水(373℃、22Mp
a)のような高温高圧状態の下で酸化反応を行なわせる
場合、つまり有機物反応システムを想定しているが、も
ちろん、本発明はこのような反応に限定されるものでな
い。例えば廃油や廃有機溶剤の処理、あるいは廃プラス
チックの熱分解処理など、ある程度以上の高圧状態の下
で何らかの反応を生じさせ、この反応により生成した固
体成分を含む液体成分を高圧側から減圧して大気側へ排
出する必要のある反応システム一般に適用可能である。
【0008】図1に見られるように、本実施形態におけ
る高圧反応システムは、被反応物貯蔵タンク22、被反
応物供給高圧ポンプ23、酸化剤貯蔵タンク24、酸化
剤供給装置25、予熱器26、反応器28、冷却器2
9、気液分離器30、液面計31、減圧弁32、および
容積制御型排出装置1Aを備えている。
【0009】被反応物貯蔵タンク22に貯蔵されている
被反応物は被反応物供給高圧ポンプ23により高圧に加
圧されて予熱器26に供給される。またこれと並行し
て、酸化剤貯蔵タンク24に貯蔵されている過酸化水素
や酸素などの酸化剤が酸化剤供給装置25により同じく
高圧に加圧されて予熱器26に供給される。予熱器26
では被処理物と酸化剤の混合流体を所定の温度まで加熱
する。予熱器26による加熱を経た被処理物と酸化剤の
混合流体は、すでに予熱器26において酸化反応を開始
した状態で反応器28に流入し、そこにおいて引き続き
酸化反応を進行させ、この反応に伴う酸化熱により温度
をさらに上昇させつつ反応生成物を生成する。
【0010】被反応物が有機物と水からなる汚泥などの
場合の主な反応生成物は、有機物中の水素から生成する
水(液体成分)と炭素から生成する二酸化炭素(気体成
分)であるが、有機物が例えば珪素などの無機物を含ん
でいる場合、無機物が水の中に溶存している場合、ある
いは、固体として混入している場合なども少なくないの
で、これらによる固体成分も生成する。したがって反応
生成物は、気体、液体および固体からなる混合流体の形
態をとる。反応器28から流出した高温な反応生成物
は、冷却器29において冷却される。ここで、冷却器2
9での冷却により得られる熱を予熱器26おける被処理
物と酸化剤の予熱に利用することでシステム全体として
のエネルギーの節約を図ることができる。
【0011】冷却器29を経た反応生成物の混合流体は
気液分離器30に流入する。気液分離器30において
は、混合流体から比重差を利用することで気体成分の分
離がなされる。つまり混合流体は液体成分に固体成分の
ほとんどが混合してなる固液混合流体と気体成分による
流体とに分離される。そして分離された気体は、気液分
離器30の上側から流出した後、減圧弁32を通って大
気圧側に排出される。
【0012】減圧弁32は、高圧側の圧力を一定に保て
るように、その隙間が調整されている。減圧弁32の調
整された隙間は、高圧側と大気圧側の圧力差が大きいた
めに非常に小さく、したがってそこを流れる気体の流速
は大きい。そのため気体に固体成分が含まれていると、
この固体成分により減圧弁の摩耗や詰まりを生じるおそ
れがある。ただ、一般に固体成分は、その比重が気体に
比べて格段に大きいため、気液分離器30においてその
ほとんどが液体成分中に含まれるこになる。つまり気体
に固体成分が含まれることがあってもそれはわずかであ
る。したがって、より安全を期して減圧弁32での上述
したようなトラブルを避けるための固体成分除去フィル
ターを減圧弁32の前に設ける場合でも、そのフィルタ
ーへの負荷は非常に小さく、フィルターの交換頻度も極
めて少なくて済む。
【0013】一方、気液分離器30の下側から流出する
固液混合流体は、容積制御型排出装置1Aにより排出流
量を制御しつつ高圧側から大気圧側へ排出される。以下
でこの容積制御型排出装置1Aについて説明する。先ず
その構成の概略を説明する。容積制御型排出装置1A
は、3つのシリンダー2R、2C、2Lと、3つのピス
トン3R、3C、3Lを有している。ピストン3R、3
C、3Lはそれぞれ、クランク機構13と減速機12を
介してモーター11に接続されており、モーター11に
より駆動されて往復動を行なう。また3つのピストン3
R、3C、3Lは、クランク機構13により、互いに1
/3周期ずつずれて動作するようにされている。各ピス
トンの位置は、ピストン位置検出手段10により検出さ
れる。そしてピストン位置検出手段10により検出され
たピストンの位置に基づいて6個のバルブ6R、7R、
6C、7C、6L、7Lの開閉が制御される。
【0014】シリンダー2(2R、2C、2L)とピス
トン3(3R、3C、3L)は、排出液室4(4R、4
C、4L)を形成する。したがって排出液室4(4R、
4C、4L)は、ピストン3(3R、3C、3L)の往
復動に応じてその容積を変化させることになる。この排
出液室4(4R、4C、4L)は、高圧側流路14iと
これを開閉する弁6(6R、6C、6L)を介して気液
分離器30に接続されている。したがって気液分離器3
0の下側から流出する高圧な固液混合流体は高圧側流路
14iと弁6(6R、6C、6L)を通って排出液室4
(4R、4C、4L)に流入することができる。また排
出液室4(4R、4C、4L)は、低圧側流路14eと
これを開閉する弁7(7R、7C、7L)を介して排出
液タンク33に接続されており、排出液室4(4R、4
C、4L)で後述のようにして減圧された固液混合流体
を排出液タンク33に排出することができる。
【0015】次に、容積制御型排出装置1Aの動作につ
いて説明する。図2に、ピストン3R、3C、3Lそれ
ぞれの位置、排出液室4R、4C、4Lそれぞれの圧
力、および弁6R、6C、6L、7R、7C、7Lそれ
ぞれの開閉状態に関するタイムチャートを示す。図2の
横軸が時間を示している。3つのピストン3R、3C、
3Lは、1/3周期ずつずれて同様の動作をする。そこ
で、以下ではピストン3Rに関連する動作を取り上げて
説明する。なお、シリンダーとピストンをそれぞれ3つ
ずつ設ける、つまり排出液室を3つ設け、各排出液室に
おける動作の周期を1/3周期ずつずらすようにしたの
は、容積制御型排出装置1Aを介して排出する固液混合
流体の流量の変動を少なくするためである。
【0016】先ず、ピストン3Rが下限の位置にあり且
つ弁7Rが閉まっている状態で、弁6Rを開く。する
と、ピストン3Rの上昇とともに、気液分離器30から
高圧な固液混合流体が高圧側流路14iと弁6Rを介し
て排出液室4Rに流入する。それから、ピストン3Rが
上限に達する若干前で弁6Rを閉める。弁6Rを閉めた
後は、排出液室4R内の固液混合流体がピストン3Rの
上昇とともに膨張し、したがって排出液室4R内の圧力
が減少する。弁6Rを閉めるタイミングは、固液混合流
体が高圧側の圧力から大気圧まで圧力を変化させる際の
固液混合流体の体積変化により決まる。つまり、固液混
合流体が高圧側の圧力から大気圧まで圧力を変化させる
際の固液混合流体の体積の増加分を見込み、ピストン3
Rの上限の若干前で弁6Rを閉めることにより、ピスト
ン3Rが上限に達した際に排出液室4R内の圧力がほぼ
大気圧になるようにする。
【0017】ピストン3Rが上限に達したら、弁7Rを
開く。そうすると、排出液室4R内で既に大気圧程度ま
で減圧している固液混合流体は、ピストン3Rの下降と
ともに、弁7Rと低圧側流路14eを介して排出液室4
Rから排出液タンク33に排出される。それから、ピス
トン3Lが下限に達する若干前で弁7Rを閉める。弁7
Rを閉めた後は、ピストン3Rの下降とともに、排出液
室4Rに残留している固液混合流体が圧縮され、したが
って排出液室4Rの圧力が増大する。弁7Rを閉めるタ
イミングは、固液混合流体が大気圧から高圧側の圧力ま
で圧力を変化させる際の固液混合流体の体積変化により
決まる。つまり、固液混合流体が大気圧から高圧側の圧
力まで圧力を変化させる際の固液混合流体の体積の減少
分を見込み、ピストン3Rの下限の若干前で弁7Rを閉
めることにより、ピストン3Rが下限に達した際に排出
液室4Rの圧力がほぼ高圧側の圧力になるようにする。
【0018】以上の動作を繰り返すことにより、気液分
離器30の下側から流出する高圧な固液混合流体を大気
圧程度まで減圧した状態で大気側の排出液タンク33へ
連続的に排出することができる。排出流量はモーター1
1の回転数により決まる。つまり、モーター11の回転
数を制御することで容積制御型排出装置1Aによる固液
混合流体の排出流量を制御することができる。換言すれ
ば、モーター11とこれに減速機12を介して接続する
クランク機構13が排出液室4Rの容積制御系を形成し
ている。この排出流量の制御は、固液分離器30におけ
る液面の高さを所定の高さに保てるようにして行ない、
固液分離器30における液面の高さは液面計31により
計測する。このような制御とするのは、気液分離器30
内に一定の気体が残すことにより、減圧弁に固液混合流
体が流れないようにするためのである。また、気固液分
離器30に一定割合の気体を残すことで気固液分離器3
0をアキュムレータとしても機能させることができ、こ
れにより圧力変動を効果的に抑制することができ、上流
の予熱器26や反応器28などにおける流量の脈動を小
さくすることができる。
【0019】以上のような容積制御型排出装置1Aによ
れば、容積を可変とすると共に、これに付随して圧力も
可変とする排出液室(4R、4C、4L)における容積
制御により高圧な固液混合流体を大気圧程度まで減圧し
て大気側に排出することができる。したがって上記した
従来の弁による排出構造におけるような固体成分による
トラブルなどを効果的に避けることができ、高圧反応シ
ステムのより安定的な運転やメンテナンスの負担軽減が
可能となる。
【0020】本発明の第2の実施形態による高圧反応シ
ステムの構成を図2に示す。本実施形態による高圧反応
システムは、その容積制御型排出装置1Bの構成、特に
排出液室の容積制御のための動力源と動作の方式、つま
り排出液室の制御系において第1の実施形態による高圧
反応システムと相違している。以下では第1の実施形態
と相違する容積制御型排出装置1Bについてのみ説明す
る。
【0021】容積制御型排出装置1Bは、例えば水や油
がそれに用いられる作動液を動力源としている。このた
め固液混合流体の排出流量の変動を少なくするために必
要な排出液室の数は2つで済む。したがって容積制御型
排出装置1Bは2つのシリンダー2R、2Lと2つのピ
ストン3R、3Lを有することになる。これらのシリン
ダー2(2R、2L)とピストン3(3R、3L)は、
ピストン3(3R、3L)を挟むようにして排出液室4
(4R、4L)と作動液室20(20R、20L)を形
成する。これらの排出液室4(4R、4L)と作動液室
20(20R、20L)は、ピストン3(3R、3L)
の往復動に応じてそれぞれの容積を変化させる。
【0022】排出液室4(4R、4L)は、弁6(6
R、6L)と高圧側流路14iを介して気液分離器30
に接続されている。したがって気液分離器30の下側か
ら流出する高圧な固液混合流体は高圧側流路14iと弁
6(6R、6L)を通って排出液室4(4R、4L)に
流入することができる。また排出液室4(4R、4L)
は、弁7(7R、7L)と低圧側流路14eを介して排
出液タンク33にも接続されており、そこで後述のよう
にして減圧した固液混合流体を排出液タンク33に排出
することができるようにされている。
【0023】一方、作動液室20(20R、20L)
は、弁8(8R、8L)を介して作動液制御系の作動液
流入ライン50に接続されると共に、弁9(9R、9
L)を介して作動液制御系の作動液流出ライン51に接
続されている。また作動液室20(20R、20L)に
は、当該作動液室20(20R、20L)内を大気に開
放するための弁21(21R、21L)が接続されてい
る。この弁21には流量調節弁が用いられ、作動液室2
0(20R、20L)内を大気に開放する際に、徐々に
弁21を開くことにより、作動液室20(20R、20
L)内の圧力を徐々に逃がすことができるようにされて
いる。
【0024】作動液流入ライン50は、高圧ポンプ16
を介して作動液タンク15に接続されており、作動液タ
ンク15に貯蔵されていて高圧ポンプ16により加圧・
吐出される作動液の供給を受ける。また作動液流入ライ
ン50には、当該作動液流入ライン50の圧力が所定の
圧力を超えないようにする減圧弁18と、当該作動液流
入ライン50内を大気解放するための弁17が接続され
ている。その弁17には上記の弁21と同様に流量調節
弁が用いられ、作動液流入ライン50内の圧力を大気に
開放する際に、徐々に弁17を開くことにより、作動液
流入ライン50内の圧力を徐々に逃がすことができるよ
うにされている。一方、作動液流出ライン51には流量
調節弁19が設けられており、作動液室20(20R、
20L)から流出する作動液はこの流量調節弁19を介
して作動液タンク15に戻る。
【0025】次に、容積制御型排出装置1Bの動作につ
いて説明する。図4に、ピストン3R、3Lそれぞれの
位置、排出液室4R、4Lそれぞれの圧力、弁6R、6
L、7R、7L、8R、8L、21R、21L、17そ
れぞれの開閉状態、および作動液流入ライン50の圧力
に関するタイムチャートを示す。図4の横軸が時間を示
している。2つのピストン3R、3Lは、交互に同様の
動作をする。そこで、以下ではピストン3Rに関連する
動作を取り上げて説明する。
【0026】先ず、ピストン3Rが下限の位置にあり且
つ弁7R、弁8Rおよび弁21Rが何れも閉まっている
状態で、弁6Rと弁9Rを開く。弁6Rを開いたことに
より、排出液室4Rが高圧側流路14iと弁6Rを介し
て気液分離器30とつながる。すると、気液分離器30
内が高圧であるため、排出液室4Rも高圧になり、ピス
トン3Rを上昇させようとする。また、弁9Rを開いた
ことにより、作動液室20Rが作動液流出ライン51と
つながる。その結果、上記のようにしてピストン3Rが
上昇しようとするのに応じて作動液室20R内の作動液
が弁9R、作動液流出ライン51および流量調節弁19
を通って作動液タンク15へ流出しようとする。そして
この作動液の流量が流量調節弁19により制御されてい
るために、ピストン3Rの上昇は所定の速度に制限され
る。このような条件の下で、ピストン3Rの上昇ととも
に排出液室4Rの容積は大きくなり、これに応じて気液
分離器30から高圧な固液混合流体が高圧側流路14i
と弁6Rを通って排出液室4Rに流入する。この状態で
ピストン3Rが上限に達する若干前で弁6Rと弁9Rを
閉める。ここまでは吸入行程であり、排出液室4Rに流
入した固液混合流体は高圧状態のままである。
【0027】次に、弁21Rを開く。弁21Rは、徐々
に開き、作動液室20R内の圧力を徐々に下げる。そう
すると、排出液室4R内の固液混合流体の圧力によりピ
ストン3Rはさらに上昇し、これに応じて排出液室4R
内の固液混合流体の圧力が下がる。排出液室4R内の固
液混合流体の圧力が大気圧とほぼ同じ圧力(ピストン3
Rと、シリンダー2Rとの摩擦力等があるので、大気圧
より少し大きい圧力)になると、ピストン3Rの上昇は
止まる。ピストン3Rの上昇が止まったら、弁21Rを
閉める。ここまでは膨張行程であり、この行程において
排出液室4R内の固液混合流体が減圧される。
【0028】弁6Rを閉めるタイミングは、固液混合流
体の圧力が気液分離器30での圧力から大気圧まで減圧
する際の体積変化量により決まる。つまり、固液混合流
体が高圧側の圧力から大気圧まで圧力を変化させる際の
固液混合流体の体積の増加分を見込み、ピストン3Rの
上限の若干前で弁6Rを閉めることにより、ピストン3
Rが上限に達した際に排出液室4R内の圧力がほぼ大気
圧になるようにする。弁6Rを閉めるタイミングが悪い
と、排出液室4R内の固液混合流体の圧力が大気圧とほ
ぼ同じ圧力まで下がりきる前に、ピストン3Rが上限ま
で達してしまう場合も生じる。その場合にはピストン3
Rが上限に達した時点で弁21Rを閉めることになり、
したがって膨張行程は途中で打ち切られることになる。
【0029】次に、弁7Rと弁8Rを開き、弁17を閉
める。すると、作動液タンク15からの作動液が高圧ポ
ンプ16により加圧されて作動液室20Rに流入し、こ
れに応じてピストン3Rが下降する。そしてこれに応じ
て排出液室4R内の固液混合流体は、弁7Rと低圧側流
路14eを介して排出液タンク33に排出される。この
状態でピストン3Rが下限に達する若干前で弁7Rを閉
める。ここまでは排出行程である。
【0030】それから、高圧ポンプ16による高圧な作
動液の作動液室20Rへの供給を続けることでピストン
3Rをさらに下降させ、これにより排出液室4R内を気
液分離器30と同程度の圧力まで加圧する。そのため、
弁7Rを閉めるタイミングは、排出液室4Rに残留して
いる固液混合流体の圧力が大気圧から気液分離器30と
同程度の圧力まで変化する際の体積変化量により決ま
る。つまり、排出液室4Rに残留している固液混合流体
が大気圧から高圧側の圧力まで圧力を変化させる際の固
液混合流体の体積の減少分を見込み、ピストン3Rの下
限の若干前で弁7Rを閉めることにより、ピストン3R
が下限に達した際に排出液室4Rの圧力がほぼ高圧側の
圧力になるようにする。
【0031】この加圧には、作動液流入ライン50に接
続された減圧弁18により制御される。その制御は以下
のようにしてなされる。減圧弁18の設定圧力は、作動
液室20Rがピストン3Rにする接する面積と排出液室
4Rがピストン3Rにする接する面積の差(作動液室2
0Rがピストン3Rに接する面積の方が、ピストン3R
のロッドの分だけ、排出液室4Rがピストン3Rにする
接する面積より大きい)やピストン3Rとシリンダー2
Rとの摩擦力等を考慮して、気液分離器30の圧力より
も少し大きな圧力に設定されている。すなわち、作動液
流入ライン50における作動液の圧力が減圧弁18の上
記設定圧力を超えると作動液が減圧弁18を介して作動
液タンク15へ排出され、これにより作動液流入ライン
50の圧力が気液分離器30の圧力程度に保たれる。し
たがって上記のように弁7Rを閉めた状態でピストン3
Rをさらに下降させることで、排出液室4Rの圧力が気
液分離器30の圧力とほぼ同じになると、作動液流入ラ
イン50の圧力もこれと同じになり、上記減圧弁18の
設定圧力を超える。その結果、減圧弁18より作動液が
排出されるようになり、これ以後はピストン3Rの下降
は停止し、加圧が終了する。そうしたら、弁8Rを閉め
る。弁8Rを閉めたら、弁17を徐々に開いて作動液流
入ライン50の圧力を大気圧程度まで下げる。ここまで
が圧縮行程である。圧縮行程終了後は次の吸入行程に移
るまで待機する。
【0032】ここで、排出液室が2つである本実施形態
の場合には、膨張行程と排出行程および圧縮行程の時間
の和が吸入行程の時間より小さくなければならない。す
なわち、ピストン3Rの吸入行程が終了すると同時に、
ピストン3Lの吸入行程に移り、ピストン3Lの吸入行
程の間にピストン3Rは、膨張行程、排出行程および圧
縮行程を終了して、次の吸入行程に移れるように待機し
ている状態となる必要がある。
【0033】以上の動作を繰り返すことにより、気液分
離器30の下側から流出する高圧な固液混合流体を大気
圧程度まで減圧した状態で大気側の排出液タンク33へ
連続的に排出することができる。排出流量は流量調節弁
19の設定流量により決まる。つまり、流量調節弁19
の設定流量を制御することで容積制御型排出装置1Bに
よる固液混合流体の排出流量を制御することができる。
この排出流量の制御は、第1の実施形態の場合と同様
に、固液分離器30における液面の高さを所定の高さに
保てるようにして行ない、固液分離器30における液面
の高さは液面計31により計測する。そしてこのような
制御とすることで、気液分離器30内に一定の気体を残
して減圧弁に固液混合流体が流れないようにすること、
また気固液分離器30に一定割合の気体を残すことで気
固液分離器30をアキュムレータとしても機能させて上
流の予熱器26や反応器28などにおける流量の脈動を
小さくすることも第1の実施形態の場合と同様である。
【0034】以上のような容積制御型排出装置1Bによ
っても、容積を可変とすると共に、これに付随して圧力
も可変とする排出液室(4R、4L)における容積制御
により高圧な固液混合流体を大気圧程度まで減圧して大
気側に排出することができる。したがって上記した従来
の弁による排出構造におけるような固体成分によるトラ
ブルなどを効果的に避けることができ、高圧反応システ
ムのより安定的な運転やメンテナンスの負担軽減が可能
となる。
【0035】
【発明の効果】以上の説明したように、本発明によれ
ば、高圧反応システムから排出される固液混合流体を、
容積制御型排出装置における容積制御により、高圧な状
態から大気圧程度まで減圧して大気側に排出することが
できる。このため、高圧反応システムのより安定的な運
転が可能となると共に、メンテナンスの負担も大幅に軽
減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態による高圧反応システムの構成
図である。
【図2】第1の実施形態による高圧反応システムの容積
制御型排出装置における動作のタイムチャート図であ
る。
【図3】第2の実施形態による高圧反応システムの構成
図である。
【図4】第2の実施形態による高圧反応システムの容積
制御型排出装置における動作のタイムチャート図であ
る。
【符号の説明】
1A 容積制御型排出装置 1B 容積制御型排出装置 2 シリンダー 3 ピストン 4 排出液室 6 高圧側流路の弁 7 低圧側流路の弁 14i 高圧側流路 14e 低圧側流路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 理志 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 Fターム(参考) 4D004 AA02 AA07 CA12 CA22 CA32 CA36 CA39 CB43 DA02 DA06 DA07 4D059 AA00 BC01 BC02 DA44 DA47

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被反応物を高圧下で反応させると共に、
    この反応により生成した固体成分を含む高圧な液体成分
    を減圧して大気側へ排出するようになっている高圧反応
    システムにおいて、前記高圧な液体成分の容積を制御す
    ることで前記大気側への排出のための減圧を得るように
    した容積制御型排出装置を備えていることを特徴とする
    高圧反応システム。
  2. 【請求項2】 容積制御型排出装置は、容積を可変的に
    制御される排出液室を備えており、この排出液室にて高
    圧な液体成分の容積を制御するようになっている請求項
    1に記載の高圧反応システム。
  3. 【請求項3】 排出液室は、シリンダーと、このシリン
    ダー内を往復動するピストンにより形成される請求項2
    に記載の高圧反応システム。
  4. 【請求項4】 容積制御型排出装置は、前記排出液室に
    高圧側から液体成分を流入させるための高圧側流路と、
    この高圧側流路を開閉する弁と、前記排出液室から減圧
    後の液体成分を大気側へ流出させるための低圧側流路
    と、この低圧側流路を開閉する弁とをさらに備えている
    請求項2または請求項3に記載の高圧反応システム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002233897A (ja) * 2001-02-07 2002-08-20 Hitachi Ltd 汚泥処理装置
JP2013136048A (ja) * 2011-11-30 2013-07-11 Rematec Corp 高温高圧反応システム

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