JP4033671B2 - 貯炭場濁水浄化装置および貯炭場濁水の浄化方法 - Google Patents

貯炭場濁水浄化装置および貯炭場濁水の浄化方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石炭火力発電所および製鉄所等の石炭保管場所(貯炭場)から排出される濁水の浄化装置および浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
石炭火力発電所や製鉄所等では、大量の石炭を屋外の石炭保管場所である貯炭場に野積みして保管する。この保管中は、石炭微粒子の飛散や石炭の自然発火を防止するために、保管している石炭に散水する。これに伴い散水した水は石炭の微細粒子を含んだ濁水となって貯炭場から排出される。また、貯炭場は屋外に位置するため降雨や降雪等によっても同様に濁水が貯炭場から排出される。
【0003】
通常、これら貯炭場から排出される濁水は石炭微細粒子を除去することで浄化が行われ、公共河川や海洋に放流される。
【0004】
現在、貯炭場から排出される濁水の浄化法としては、凝集剤による凝集沈澱処理法が一般的に採用されている。この凝集沈澱処理法は、凝集剤の化学反応によって水中の石炭微粒子を互いに結合させ、粒子を粗大化させて、沈降速度を速め、沈降分離によって沈殿した石炭の汚泥を分離する処理法である。
【0005】
例えば、図2に示す濁水浄化装置により貯炭場から排出される濁水の処理が行われている。図2に示すように、貯炭場から排出される濁水(貯炭場濁水)aは、原水導入ライン1により、まず中和槽2に流入し、ここでアルカリ調整剤bや酸調整剤cが添加され、攪拌機3により攪拌されて、貯炭場濁水aのpHが調整される。pHの調整は後段の凝集剤dによる凝集反応を効率よく行わせるために実施される。
【0006】
pHが調整された貯炭場濁水aは、次に反応槽4に案内されて、反応槽4に流入する。反応槽4では流入された濁水aに凝集剤dが注入され、攪拌機5によって撹拌されて混合される。その後、凝集剤dを注入された貯炭場濁水aは、凝集槽6に案内される。凝集槽6では、攪拌機7にて攪拌され、凝集剤dにより、あるいは凝集剤dとこれに追加して注入される凝集助剤eによって、貯炭場濁水a中の微細粒子が凝集して粗大化される。
【0007】
貯炭場濁水aの凝集反応が完了すると、貯炭場濁水aは、沈殿槽8に導入され、重力沈降分離によって凝集沈降した石炭微粒子の汚泥と上澄み水に分離される。分離された上澄み水は、浄化処理水fとして公共河川、海洋に放流される。
【0008】
一方、沈殿槽8において沈降分離された石炭微粒子の汚泥(沈殿槽汚泥)gは、汚泥掻き寄せ機9により掻き寄せられ、沈殿槽8の底部より汚泥引抜きポンプ11を介して沈殿槽汚泥引抜きライン12により排出される。
【0009】
排出された沈殿槽汚泥gは、汚泥濃縮槽14においてさらに濃度凝集、および重力沈降作用によって濃縮され、より高濃度の高濃度汚泥hとなる。この高濃度汚泥hは、汚泥引抜きポンプ16を介して汚泥濃縮槽14の底部より高濃度汚泥引抜きライン17により排出され、汚泥脱水機18によって脱水されて、さらに含水率の低い脱水汚泥jとなる。脱水汚泥jは固形産業廃棄物として処理される。
【0010】
汚泥濃縮槽14における上澄み水である汚泥濃縮槽越流水i、および汚泥脱水機18によって固形分と分離された分離水(脱水機分離水)kは、それぞれ、越流水導出ライン15、脱水機分離水導出ライン19によって、最初の原水受入槽である中和槽2に導入され、再度浄化処理される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
(濁水浄化装置の複雑化)
従来の貯炭場濁水の浄化装置においては、前述のように、浄化処理が多くの処理工程に別れている多段処理であるため、各処理工程毎の処理装置が必要になる。したがって、処理装置および制御すべき機器類も多く、制御が複雑となり、かつ故障の可能性も高まる。
【0012】
また、薬剤による凝集処理のためにpH調整されて浄化された処理水のpH値が放流規制値を外れる場合は、放流する前に浄化装置とは別の中和装置を浄化装置の後段に設け、放流可能なpH値まで調整する必要がある。このような場合、さらに処理装置および制御機器類の増加を招く。
【0013】
(薬剤害の可能性)
従来の貯炭場濁水の浄化装置では、凝集処理を行うためのpH調整剤、凝集剤、凝集助剤、放流中和のためのpH調整剤など、多種、多量の薬剤を使用する。
【0014】
現時点については、これら薬剤は、最終的な放流においてその毒性は指摘されていないが、今後の分析、研究によっては、人の健康面、海洋資源の保護、環境保護の側面から毒性や障害が指摘されて薬剤害となり得る可能性がある。
【0015】
(放流水、脱水汚泥の再利用への障害)
従来の貯炭場濁水の浄化装置では、多種多量の薬剤を使用しており、浄化処理後の放流水には現時点における公害防止規制上の成分が規制値以上には含まれていないというだけであり、他の薬剤成分は多量に含まれている可能性がある。このため、放流水を、例えば、濁水浄化装置のある施設(発電所や製鉄所等)の水源として再使用するためには、改めて水資源としての浄化処理を行う必要があり、濁水浄化装置によって浄化処理された放流水がそのまま再利用されることは少ない。
【0016】
また、固形物として回収される石炭微粒子の脱水汚泥も薬剤成分を含んでいるため、燃料として再利用されることはなく、一般の固形廃棄物として処分される。
【0017】
(凝集フロックのキャリーオーバ)
従来の貯炭場濁水の浄化装置では、沈殿分離による浄化であるため、処理水量が急激に増加すると、凝集した石炭微粒子のフロックが沈降する前に濁水浄化系外に越流し、流出する。このため、常に貯炭場濁水の入水量を監視し、かつ制限する必要がある。
【0018】
本発明は、上述の事情を考慮してなされたもので、処理装置の構成が簡単で制御すべき機器類も少なく、運転がし易い貯炭場濁水の浄化装置および浄化方法を提供することを目的とする。
【0019】
また、本発明は、薬剤成分が混入する危険性がなく、しかも資源として有効再利用が可能な浄化処理水および汚濁分を貯炭場濁水から得ることができる貯炭場濁水の浄化装置および浄化方法を提供することを目的とする。
【0020】
さらに、本発明は、貯炭場濁水の処理水量の急激な増加に対しても良好に浄化処理することができる貯炭場濁水の浄化装置および浄化方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る貯炭場濁水浄化装置は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、石炭を保管する貯炭場から排出される濁水を浄化する濁水浄化装置において、上記濁水を電解により浄化する電解槽を有するものである。
【0022】
また、上述した課題を解決するために、本発明に係る貯炭場濁水浄化装置は、請求項2に記載したように、前記濁水浄化装置は電解槽で濁水を電解により浄化して除去される汚濁粒子からなる汚濁分を脱水処理する脱水装置を備えたものであり、さらに、請求項3に記載したように、前記濁水浄化装置は電解槽で濁水を電解により浄化して除去される汚濁粒子からなる汚濁分を濃縮する濃縮装置と、この濃縮装置で得られた高濃度の汚濁分を脱水する脱水装置を備えたものであり、さらまた、請求項4に記載したように、前記濁水浄化装置は電解槽で濁水を電解により浄化して得られる電解浄化水を濾過する濾過装置を備えたものである。
【0023】
また、上述した課題を解決するために、本発明に係る貯炭場濁水浄化装置は、請求項5に記載したように、前記濁水処理装置は、電解浄化水を濾過する濾過装置で除去された汚濁粒子からなる汚濁分を脱水する脱水装置を有するものであり、さらに、請求項6に記載したように、前記濁水浄化装置は、濁水を浄化して得られる処理水に薬剤成分を溶解させる危険性の少ない材料で電解槽を形成したものである。
【0024】
本発明に係る貯炭場濁水浄化方法は、上述した課題を解決するために、請求項7に記載したように、石炭を保管する貯炭場から排出される濁水を処理薬剤の不存在下で浄化処理し、前記濁水の浄化処理を、電解槽の電極内に電圧を印加させる電解処理により行い、濁水から汚濁粒子の除去された処理水を得る方法である。
【0025】
また、上述した課題を解決するために、本発明に係る貯炭場濁水浄化方法は、請求項8に記載したように、前記濁水を電解して汚濁濃度の低減された電解浄化水と汚濁粒子からなる汚濁分とに分離し、分離された電解浄化水を濾過して浄化された処理水を得る方法である。
【0027】
また、上述した課題を解決するために、本発明に係る貯炭場濁水浄化方法は、請求項9に記載したように、前記濁水の処理水量が急激に増加した場合、濾過処理における濾過圧力を高めに調整して、または濾過体の洗浄回数を多くして貯炭場濁水の処理を行う方法である。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明に係る貯炭場濁水浄化装置および浄化方法は、石炭を保管する貯炭場から排出される貯炭場濁水を、薬剤を使用せずに浄化処理して汚濁粒子の除去された処理水が得られる浄化装置および浄化方法である。
【0029】
薬剤を使用しない浄化処理法としては、貯炭場濁水中に含まれる汚濁粒子の種類、濃度、処理量などにもよるが、例えば、沈降、遠心、電解、濾過などによる処理法を単独または組み合わせることができる。特に、浄化処理に、電解処理や、濾過処理を含ませることが好ましい。
【0030】
例えば、貯炭場濁水を電解槽に導入して電解による浄化を挙げることができる。
【0031】
汚濁粒子は通常、負に帯電しており、この電気的反発力により、粒子同士が互いに反発し合っている。このため、貯炭場濁水の汚濁状態は自然沈降の法則に従わず、長期間濁ったままの状態となっている。電解浄化は濁水に通電することで負に帯電している汚濁粒子を電気的に中和し、汚濁粒子の自然沈降を促す作用がある。このため、電解処理された貯炭場濁水は汚濁濃度が軽減された状態の処理水(電解浄化水)となる。電解浄化による貯炭場濁水の汚濁低下の度合は電解槽に導入される貯炭場濁水の流量や、電解槽の形状、通電する電流値、電極の構造によって変化する。
【0032】
電解処理によって浄化された処理水を得るようにしてもよいし、また、電解浄化により汚濁濃度が軽減された電解浄化水を、さらに濾過処理を行って汚濁濃度を低減させることもできる。この濾過処理により、濁水中に残存する汚濁粒子の殆どを捕捉することができる。浄化した処理水は薬剤を含まないためそのまま放流することができる。
【0033】
以下、図面を参照して、さらに、本発明に係る貯炭場濁水浄化装置および浄化方法の実施の形態について説明する。
【0034】
図1は、本発明に係る貯炭場濁水浄化装置の1例を示す概略図である。
【0035】
図1では、貯炭場濁水浄化装置30は、電解槽31と、濾過器41と、汚泥濃縮槽51と、汚泥脱水機56と、固液分離器61を備えている。
【0036】
図1に示すように、貯炭場から排出される貯炭場濁水Aは、原水導入ライン32により電解槽31に流れ込む。電解槽31には、貯炭場濁水Aに通電するための電極(陽極・陰極)33と、電解用直流電源34と、沈殿した石炭微粒子を掻き集めるための汚泥掻き寄せ機35が設けられている。
【0037】
電解用直流電源34により電極33,33間に電圧を印加して貯炭場濁水Aに通電すると、電解槽31内は、電解浄化作用によって汚濁粒子である石炭微粒子が電解槽31底部に沈降し、汚濁濃度が低減された上澄み液が電解浄化水Bとして電解槽31から電解浄化水導出ライン36によって排出される。
【0038】
一方、電解槽31底部に沈降した汚濁粒子(汚濁分)は、汚泥掻き寄せ機35によって掻き寄せられ、汚泥引抜きポンプ39によって電解槽31底部より排出され、汚泥導出ライン40を通って汚泥の濃縮装置である汚泥濃縮槽51に送入される。
【0039】
汚泥濃縮槽51では、汚泥(汚濁分)の濃縮によって汚濁粒子である石炭微粒子の凝集作用が促進され、さらに高濃度に濃縮された汚泥Cが汚泥濃縮槽51底部に沈降する。汚泥濃縮槽51底部に沈降し高濃度化された汚泥(高濃度汚泥)Cは、汚泥掻き寄せ機52によって掻き寄せられ、汚泥引抜きポンプ54を介して高濃度汚泥導出ライン55によって汚泥脱水機56に送られる。
【0040】
一方、汚泥濃縮槽51の上澄み液は、汚泥濃縮槽越流水Dとして越流水導出ライン53によって電解槽31に還流され、原水受入れ槽である電解槽31内に貯溜される。
【0041】
汚泥脱水機56に送られた高濃度汚泥Cは、さらに脱水され、脱水汚泥Eとして固形化される。高濃度汚泥Cの脱水によって分離された分離液(脱水分離液)Fは脱水分離液導出ライン57により電解槽31に返送(還流)され、電解槽31内に貯溜される。
【0042】
電解浄化処理を主とする貯炭場濁水浄化装置の構成によって貯炭場濁水Aは汚濁濃度が軽減された電解浄化水Bと石炭微粒子が固形化された脱水汚泥Eとに分離される。
【0043】
一方、電解槽31内での上澄み水である汚濁濃度が低減された電解浄化水Bは、濾過ポンプ37を介して電解浄化水導出ライン36により濾過装置を構成する濾過器41に案内され、濾過器41aに送入される。
【0044】
濾過器41内には、濾過機能を有する濾過体42が装填されており、この濾過体42によって電解浄化水Bの濾過が行われる。貯炭場濁水Aに含まれる石炭微粒子は例えば2μmを中間粒径として0.3〜20μmの粒径範囲で分布しており、濾過体42はこれを捕捉できる濾過機能を有している。濾過体42の材料としては、例えば、珪藻土などを濾過助材として使用するプレコート濾過体、金属の微細な金網や発泡金属などの多孔質材料、中空糸膜などの機能膜素材などが採用される。
【0045】
濾過器41は濾過体42を保持する仕切りプレート42aにより電解浄化水が案内される濾過室41aと濾過体42で濾過された浄化処理水Gが案内される浄化処理室41bとに区画される。濾過室41aに案内された電解浄化水のうち、貯炭場濁水Aの汚濁粒子である石炭微粒子は、濾過体42の表面(一次側)で捕捉され、同表面上にケーク(汚濁分)となって堆積する。濾過体42を透過した濾過水は、石炭微粒子が殆ど除去された浄化処理水Gであり、濾過出口側弁43を経て濾過水一時貯溜槽44に供給され、この貯溜槽44内に一時貯溜され、その後、公共河川や海洋に放流される。
【0046】
以上のような濾過装置としての濾過器41においては、濾過処理量が所定の水量に達するに伴って、濾過体42表面に堆積する石炭微粒子のケークが成長し、すなわち、ケークの厚みが厚くなり濾過される水量が低下する。濾過水量が低下すると濁水浄化装置全体の浄化処理量が低下する。
【0047】
このため、濾過器41の濾過処理水量、もしくは濾過圧力を監視装置(図示せず)によって監視し、所定の値に達した時点で濾過器41の洗浄、すなわち逆洗を行う。濾過器41の逆洗は、先ず濾過処理のために開いていた濾過入口側弁38と濾過出口側弁43を閉止し、逆洗排出弁49を開放する。次いで、逆洗水弁46を開放して、逆洗水ポンプ45を運転し、あるいは逆洗空気弁48を開放して逆洗空気ポンプ47を運転し、濾過体42の内面(二次側:浄化処理室側)より逆洗水、あるいは逆洗空気を濾過器41に注入して濾過体42の表面に堆積させ、成長した石炭微粒子のケーク(汚濁分)を剥離し、逆洗排出弁49より浄化処理系外に排出する。
【0048】
濾過器41の逆洗に用いる水は、清浄な水を必要とするため、水源として、濾過水一次貯溜槽44の濾過水を使用する。逆洗によって浄化処理系外に排出される石炭微粒子のケークは濾過圧力による圧密作用によって硬化しており、容易には崩壊、再分散しないが、濾過器41内に残留していた電解浄化水Bや逆洗水などと混合された固液混合状態で浄化処理系外に排出される。
【0049】
濾過器41より排出された固液混合物は、脱水装置を兼ねる固液分離器61である固液分離網62によって石炭微粒子のケーク(逆洗汚泥)Hと逆洗水Iに分離される。石炭微粒子のケークHは容易には崩壊、再分散しないため固液分離網62上に残留し、固形物として分離される。固液分離網62を透過した逆洗水(濾過逆洗水)Iは、逆洗水槽63に貯溜され、逆洗水送出ポンプ64を介して濾過逆洗水導出ライン65により原水受入れ槽である前段の電解槽31に返送(還流)される。
【0050】
この貯炭場濁水の浄化装置および浄化方法においては、薬剤を使用せずに貯炭場濁水が浄化処理されるので、得られる浄化処理水Gは薬剤成分が含有される可能性はなく、またその水質は安定している。そのため、放流に際しpH調整等の必要性はなく、そのまま公共河川や海洋に放流することができる。また、その一部を濾過器41の洗浄水として使用したり、その他発電所や製鉄所内等、各種プラント内の水資源として有効に利用することができる。
【0051】
また、薬剤を使用しないため、貯炭場濁水を浄化処理して除去される汚濁粒子からなる汚濁分には、薬剤成分が混入されることはなく、石炭源として有効に用いることができる。例えば、汚泥脱水機56で脱水処理して得られる脱水汚泥Eや、濾過器41の逆洗で得られる逆洗汚泥Hを燃料として用いることができる。
【0052】
汚濁分は、採用する貯炭場濁水の浄化装置および処理法や、汚濁分の利用目的などに応じて、その濃縮、脱水の仕方、その度合などを調整することができる。例えば、汚泥濃縮槽51を省略したり、濃縮を電解槽31等で行わせてもよい。
【0053】
この貯炭場濁水の浄化装置および浄化方法においては、薬剤を不要とするとともに、貯炭場濁水の浄化処理中に、薬剤成分が浄化処理水に混入されないように、浄化装置は薬剤成分を溶解させる危険性の少ない材質から形成される。
【0054】
また、この貯炭場濁水の浄化装置および浄化方法において、濾過処理、特に最終段階を濾過処理とすることにより、貯炭場濁水の処理水量が急激に増加した場合でも、濾過処理における濾過圧力を高めに調整して、または濾過体の洗浄回数を多くすることにより貯炭場濁水の処理を有効的に行うことができる。
【0055】
本発明に係る貯炭場濁水の浄化装置および浄化方法は、従来の貯炭場濁水の浄化装置および浄化方法に比べ、以下のような有用性を有する。
【0056】
(濁水浄化装置の構成)
従来の濁水浄化装置および浄化方法では、貯炭場濁水の浄化処理に(1)pH調整、(2)凝集剤注入、(3)反応促進、(4)沈降分離と4工程が必要である。これに対し、図1に示された貯炭場濁水浄化装置および浄化方法では、例えば、(1)電解浄化、(2)濾過と2工程で濁水浄化を完了させることができる。このため濁水浄化装置が簡単で制御すべき機器類も少なく、制御が単純となり、かつ部品点数も少なく、組立も容易となる一方、故障の可能性も低くなる。さらに、貯炭場濁水のpH調整を行わないことから、浄化処理水を放流時に改めてpHを調整する必要が少なくなる。
【0057】
(薬剤害の回避)
従来の浄化装置および浄化方法では、薬剤による凝集処理を行うため、多種、多量の薬剤を使用する。しかし、図1の貯炭場濁水浄化装置および浄化方法は、薬剤を全く必要としない装置および方法であるため、浄化処理によって新たに薬剤成分が混入する危険性が無い。唯一、有害成分の溶解の危険性があるとすれば、電解浄化処理時に電極(陽極)により電極材料の成分が処理水に溶出する懸念があるが、これについては陽極の材質を白金や炭素などの不溶性材料にすることで電極材料成分の溶出を防止することができる。
【0058】
(放流水、脱水汚泥の再利用)
図1に示された貯炭場濁水浄化装置および浄化方法では、薬剤を使用せず、かつ濁水浄化装置からの有害成分の溶出の可能性も皆無である。また、貯炭場濁水の生成過程から見れば元々、水源が工水や雨水であるため石炭自体が疎水性であることを考慮すると、放流する浄化処理水に有害成分が溶解している可能性は殆どない。このため、石炭微粒子を除去して浄化した処理水を公共河川や海洋に放流せずに新たな水資源として再使用することが可能となる。
【0059】
また、固形物として回収された石炭微粒子の脱水汚泥も薬剤成分を含んでいないため、燃料として再利用することが可能となり、固形廃棄物が発生することはない。
【0060】
(凝集フロックのキャリーオーバ回避)
従来の浄化装置および浄化方法では、沈殿分離法による浄化であるため、処理水量が急激に増加し、浄化処理系内の流速が増大することにより、凝集フロックが浄化処理系外に越流され、流出する危険性が高かった。しかしながら、図1に示される貯炭場濁水浄化装置および浄化方法では、最終処理法を濾過処理法とすることにより、処理水量が急激に増加しても石炭微粒子分が系外に流出する可能性はない。また、処理水量が急激に増加した場合、上述のように、濾過処理における濾過圧力を高めたり、逆洗回数を多くすることで処理水量を多くしたり、調整することができるため、貯炭場濁水の流入水量の増減に対応することができる。
【0061】
なお、本発明は、貯炭場からの排出濁水だけでなく、ゴミ等の異物貯留場から排出される濁水等の処理に応用できる。
【0062】
【発明の効果】
本発明は、濁水浄化装置の構成が簡単で制御すべき機器類も少なく、運転がし易い貯炭場濁水の浄化装置および浄化方法を提供することができる。
【0063】
本発明に係る貯炭場濁水の浄化装置および浄化方法では、薬剤成分が貯炭場濁水に混入する危険性がなく、しかも資源として有効再利用が可能な浄化処理水および汚濁分を得ることができる。
【0064】
また、本発明に係る貯炭場濁水の浄化装置および浄化方法は、貯炭場濁水の処理水量の急激な増加に対しても良好に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る貯炭場濁水浄化装置の一実施形態を示す概略図。
【図2】従来の貯炭場濁水の浄化装置を示す概略図。
【符号の説明】
30 貯炭場濁水浄化装置
31 電解槽
32 原水導入ライン
33 電極
34 電解用直流電源
35 汚泥掻き寄せ機
36 電解浄化水導出ライン
37 濾過ポンプ
38 濾過入口側弁
39 汚泥引抜きポンプ
40 汚泥導出ライン
41a 濾過室
41b 浄化処理室
41 濾過器(濾過装置)
42 濾過体
42a 仕切りプレート
43 濾過出口側弁
44 濾過水一次貯溜槽
45 逆洗水ポンプ
46 逆洗水弁
47 逆洗空気ポンプ
48 逆洗空気弁
49 逆洗排出弁
51 汚泥濃縮槽(濃縮装置)
52 汚泥掻き寄せ機
53 越流水導出ライン
54 汚泥引抜きポンプ
55 高濃度汚泥導出ライン
56 汚泥脱水機(脱水装置)
57 脱水分離液導出ライン
61 固液分離器(脱水装置)
62 固液分離網
63 逆洗水槽
64 逆洗水送出ポンプ
65 濾過逆洗水導出ライン
a 貯炭場濁水(原水)
b アルカリ調整剤
c 酸調整剤
d 凝集剤
e 凝集助剤
f 浄化処理水(放流水)
g 沈殿槽汚泥
h 高濃度汚泥
i 汚泥濃縮槽越流水
j 脱水汚泥(石炭微粒子)
k 脱水機分離水
A 貯炭場濁水(原水)
B 電解浄化水
C 高濃度汚泥
D 汚泥濃縮槽越流水
E 脱水汚泥(石炭微粒子)
F 脱水分離液
G 浄化処理水(放流水)
H 逆洗汚泥(石炭微粒子)
I 濾過逆洗水

Claims (9)

  1. 石炭を保管する貯炭場から排出される濁水を浄化する濁水浄化装置において、上記濁水を電解により浄化する電解槽を有することを特徴とする貯炭場濁水浄化装置。
  2. 前記濁水浄化装置は電解槽で濁水を電解により浄化して除去される汚濁粒子からなる汚濁分を脱水処理する脱水装置を備えた請求項1に記載の貯炭場濁水浄化装置。
  3. 前記濁水浄化装置は電解槽で濁水を電解により浄化して除去される汚濁粒子からなる汚濁分を濃縮する濃縮装置と、この濃縮装置で得られた高濃度の汚濁分を脱水する脱水装置を備えた請求項2に記載の貯炭場濁水浄化装置。
  4. 前記濁水浄化装置は電解槽で濁水を電解により浄化して得られる電解浄化水を濾過する濾過装置を備えた請求項1または2に記載の貯炭場濁水浄化装置。
  5. 前記濁水処理装置は、電解浄化水を濾過する濾過装置で除去された汚濁粒子からなる汚濁分を脱水する脱水装置を有する請求項4に記載の貯炭場濁水浄化装置。
  6. 前記濁水浄化装置は、濁水を浄化して得られる処理水に薬剤成分を溶解させる危険性の少ない材料で電解槽を形成した請求項1〜5のいずれかに記載の貯炭場濁水浄化装置。
  7. 石炭を保管する貯炭場から排出される濁水を処理薬剤の不存在下で浄化処理し、前記濁水の浄化処理を、電解槽の電極内に電圧を印加させる電解処理により行い、濁水から汚濁粒子の除去された処理水を得ることを特徴とする貯炭場濁水の浄化方法。
  8. 前記濁水を電解して汚濁濃度の低減された電解浄化水と汚濁粒子からなる汚濁分とに分離し、分離された電解浄化水を濾過して浄化された処理水を得る請求項7に記載の貯炭場濁水の浄化方法。
  9. 前記濁水の処理水量が急激に増加した場合、濾過処理における濾過圧力を高めに調整して、または濾過体の洗浄回数を多くして貯炭場濁水の処理を行う請求項8に記載の貯炭場濁水の浄化方法。
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