JPH11133244A - 光配線盤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光配線盤における高密度実装、接続切替作業
等の作業能率向上。 【解決手段】 一方向に延在する装着パネル２６に該一
方向に向けて複数の光接続部２７を列設状態に設けてな
る接続ユニット２２と、装着パネル２６にその基端部が
前記方向の軸線３５をもって回動自在に取り付けられた
アーム２５と、アーム２５の先端部３４に固定されて前
記軸線３５を中心に装着パネル２６の側方で回動自在と
され、前記方向に延在して複数本の光ファイバｊ，ｓを
収納する収納部２３とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバケーブ
ルあるいは光ファイバコードを別の光ファイバと分岐・
接続するための光配線盤に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、光ファイバケーブルを光接続に
より光ファイバ心線へ分岐・接続するには、多数の光フ
ァイバを成端して群構成とする光配線盤が使用されてい
る。この種の光配線盤は、光ファイバの分岐接続のため
のコネクタ接続部、多心単心分岐部およびジャンパ用の
光コード、光コードの光接続に伴う余長部がコンパクト
に収納されたトレーが高密度で多段に積層された構造を
有するものである。

【０００３】図７に、従来の光配線盤の一例を示す。こ
の図において、光配線盤は、所定位置に固定設置される
筺体１内部に、筺体１の下部から立ち上がってくる光フ
ァイバケーブル２の口出し部から引き出した光ファイバ
心線３ａの束を上側へ布線する分岐部４ａと、該分岐部
４ａにおいて前記光ファイバ心線３ａを図示しない融着
接続補強部を介して分岐接続用のファンアウトコード３
ｂの分岐されていない一端部と接続し、かつ当該融着接
続補強部を収納する融着部トレー６を筺体１下側におい
て多数積層状態に収納する融着部トレー収納部Ｔ１と、
前記ファンアウトコード３ｂの分岐された他端部の各分
岐コードにジャンパコードｊを接続切替可能に接続する
光アダプタ（図示せず）を収納する分岐接続トレー８を
筺体１の上部において積層状態に収納する分岐接続トレ
ー収納部Ｔ２とを具備している。

【０００４】ファンアウトコード３ｂの分岐されていな
い一端部は、各融着部トレー６内に図７中右側から導入
され、融着部トレー６の左側から導入された光ファイバ
心線３ａと融着部トレー６内で接続されている。ファン
アウトコード３ｂの中央部は、トレー収納部Ｔ１，Ｔ２
の間に配置されたセンタートレー９に挿通され、ファン
アウトコード３ｂの分岐された他端部は分岐接続トレー
収納部Ｔ２の各分岐接続トレー８内に図中左側から導入
され、右側から分岐接続トレー８に導入されたジャンパ
コードｊと接続切替可能に接続されている。

【０００５】ジャンパコードｊは、分岐接続トレー８間
に布線され、ファンアウトコード３ｂから分岐した分岐
コード同士を接続するようになっている。ジャンパコー
ドｊの余長は、函体１内の右側面にあるコードクランプ
４で折り返して配線される。また、分岐接続トレー８内
では、筺体１の上部に配置された渡配線収納トレー９ｂ
を介して筺体１の外部から導入された光ファイバコード
３ｄが導かれて分岐コードと光接続されるケースもあ
る。

【０００６】なお、筺体１内に布線されるこれらファン
アウトコード３ｂ、ジャンパコードｊ、光ファイバコー
ド３ｄは、筺体１の両側板１０の内面側に突設したコー
ドクランプ４によって、光信号伝達特性に影響を与えな
い程度の適切なクランプ力で着脱可能にクランプされて
引き留められている。

【０００７】分岐接続トレー収納部Ｔ２は、筺体１の背
面パネル１１の左右両端部から前方（紙面手前側）に突
設されたガイド棒１５によって、分岐接続トレー８を筺
体１の前後方向（紙面奥行き方向）にスライド移動自在
に支持される構造になっている。ガイド棒１５は、背面
パネル１１において上下位置が互いに一致する対を形成
するように背面パネル１１の左右に対向配置されてい
る。分岐接続トレー８は、左右一対のガイド棒によっ
て、水平を維持しつつ筺体１の前後方向に出し入れされ
るようになっている。なお、ジャンパコードｊおよびフ
ァンアウトコード３ｂは、分岐接続トレー８の左右両側
部に設置した図示しないゲートを介して分岐接続トレー
８内に挿通されている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】一方、伝送情報量の増
大に対応して光ケーブルが多心化の傾向にあることに鑑
みて、前記光配線盤としては、特に、より多数の光接続
部および接続余長をコンパクトに収納することが重要に
なってきている。加えて、光配線盤内の光接続箇所が膨
大な数になるので、光接続作業や光接続部の収納、取り
出し作業或いは接続切替作業を迅速に行うことができる
光配線盤の開発が望まれている。

【０００９】しかしながら、上述したような従来の光配
線盤には、以下のような問題が存在する。対応心数を増
大するには、トレー６，８の積層数を増大させることが
考えられるが、各トレー６，８をガイド棒１５で筺体１
の前後方向への出し入れ可能に支持する必要から、これ
らトレー６，８の積層数が膨大になり筺体１が大型化し
てしまうといった問題が生じる。また、トレー６，８内
を操作する際には、トレー６，８を引き出す必要があ
り、このスペースも確保しなくてはならず、高密度実装
の妨げになっていた。さらに、トレー６，８の積層数が
多いと、接続切替時に目的の光ファイバを探すための上
記引き出し作業が加わるため手間がかかり、接続切替の
作業能率が低下するといった問題も生じていた。

【００１０】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、高密度実装可能で、しかも接続切替作業等
の作業能率が向上する光配線盤を提供することを目的と
するものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、以下の構成を採用している。請求項１記
載の光配線盤は、一方向に延在する装着パネルに該一方
向に向けて複数の光接続部を列設状態に設けてなる接続
ユニットと、前記装着パネルにその基端部が前記方向の
軸線をもって回動自在に取り付けられたアームと、該ア
ームの先端部に固定されて前記軸線を中心に前記装着パ
ネルの側方で回動自在とされ、前記方向に延在して複数
本の光ファイバを収納する収納部とを備えてなることを
特徴とするものである。

【００１２】従って、本発明の光配線盤によれば、収納
部から引き出された光ファイバを、光接続部を介して、
接続切替可能に接続することができる。また、収納部を
装着パネルの側方で回動することにより、収納部が移動
して光ファイバの接続切替用作業スペースを形成するこ
とができる。

【００１３】請求項２記載の光配線盤は、請求項１記載
の光配線盤において、前記アームは、前記装着パネルの
一端部および他端部に取り付けられ、前記収納部は、こ
れらアームの先端部間に設けられ、これらアーム、収納
部および接続ユニットからなる配線ユニットの単位が、
前記収納部が前記回動をなすことにより、互いに接近・
離間自在に複数単位設けられていることを特徴とするも
のである。

【００１４】従って、本発明の光配線盤によれば、収納
部を互いに離間するように回動させたときに、収納部間
に接続切替用作業スペースを形成することができる。そ
のため、配線ユニット間に作業用スペースを形成するこ
となく、該配線ユニットを複数単位設けることができ
る。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の光配線盤の実施の
形態を、図１ないし図６を参照して説明する。これらの
図において、従来例として示した図７と同一の構成要素
には同一符号を付し、その説明を省略する。図２におい
て、符号５は光配線盤である。光配線盤５は、筺体１内
において、図示しない光ファイバケーブルから導出され
た、線路側光ファイバ（配線用ジャンパコード）ｊおよ
び装置側光ファイバｓを分岐・接続するものであって、
筺体１内に上下方向に複数配列された配線ユニット（成
端部ユニット）２１を備えている。

【００１６】図１に示すように、配線ユニット２１は、
接続ユニット２２と、該接続ユニット２２に対してアー
ム２５を介して前面側Ｍ、背面側Ｈの両側方に設けられ
た収納部（コードダクト）２３とを備えている。前面側
Ｍに位置する収納部２３は光ファイバｊを、背面側Ｈに
位置する収納部２３は光ファイバｓをそれぞれ収納する
ものであって、図３に示すように、一方向に延在する収
納空間２４を有している。また、収納部２３の接続ユニ
ット２２側の壁面３６には、図４に示すように、収納空
間２４に臨ませた正面視矩形の貫通孔３７が上記一方向
に列設状態に形成されている。

【００１７】接続ユニット２２は、前記方向に延在する
装着パネル２６と光接続部（アダプタ）２７とを備えて
おり、この装着パネル２６は前記方向に延在する装着板
２８と、該装着板２８の一端部および他端部に設けられ
た側板２９とから構成されており、前記光接続部２７は
装着板２８に前記方向および上下方向に向けて複数、列
設状態に配設されている。また、この光接続部２７に
は、収納部２３から引き出された各光ファイバｊ，ｓの
先端に設けられた光コネクタプラグ（ＳＣコネクタプラ
グ）３０，３１が装着されている。

【００１８】一方、側板２９には、アーム２５の基端部
３２が前記方向の軸線を有する回動軸３３の軸線３５回
りに回動自在に取り付けられている。アーム２５の先端
部３４間には、上記収納部２３が固定して設けられてい
る。また、図５に示すように、アーム２５，収納部２３
および接続ユニット２２からなる配線ユニット２１の単
位が複数上下方向に配列されたときに、アーム２５を介
して収納部２３は、装着パネル２６の側方で互いに接近
・離間自在に回動する構成とされている。

【００１９】上記の構成の光配線盤の作用について以下
に説明する。線路側光ファイバケーブルから導出された
光ファイバｊは前面側Ｍ、装置側光ファイバケーブルか
ら導出された光ファイバｓは背面側Ｈの側方に設けられ
た収納部２３内の収納空間２４内にそれぞれ収納され
る。そして、これらの光ファイバｊ，ｓは、先端に光コ
ネクタプラグ３０，３１がそれぞれ設けられた状態で、
収納部２３の貫通孔３７を貫通して収納空間２４から引
き出される。

【００２０】収納空間２４から引き出された光ファイバ
ｊ，ｓは、装着パネル２６の装着板２８に列設された光
接続部２７に装着されることにより、光ファイバｊ，ｓ
の接続が完了する。一方、接続切替の際、例えば、図５
中最下段の配線ユニット２１においては、その上部に隣
接している配線ユニット２１の収納部２３が作業の障害
になっている。

【００２１】このとき、図６に示すように、上部に隣接
している配線ユニット２１の収納部２３（およびさらに
上部の収納部２３）を作業の障害にならない位置へ移動
させる。即ち、アーム２５の基端部３２を装着パネル２
６に対して、回動軸３３の軸線３５回りに回動させる。
これにより、アーム２５の先端部３４間に固定して設け
られた収納部２３も装着パネル２６の側方で上記回動軸
３３の軸線３５回りに回動するため、装着パネル２６の
側方に作業スペースが形成される。この作業スペースに
おいて、光ファイバｊ，ｓを支障なく接続および接続切
替することができる。

【００２２】本実施の形態の光配線盤によれば、収納部
２３が装着パネル２６に対して、その側方で回動軸３３
の軸線３５回りに回動自在とされているので、該収納部
２３を回動させることにより容易に作業スペースを形成
することができる。従って、接続切替作業等も容易に行
うことができる。また、配線ユニット２１を上下方向に
複数配列する際にも、これら配線ユニット２１間に作業
スペースを設ける必要がないため、これら配線ユニット
２１の配列ピッチも最小に抑えることができ、従って、
光ファイバの高密度実装も可能になる。さらに、上記収
納部２３を装着パネル２６の前面側Ｍ，背面側Ｈの両側
方に設けてあるため、どちらの側の光ファイバに対して
も容易に接続切替作業が行えるものである。

【００２３】なお、上記実施の形態において、配線ユニ
ット２１を上下方向に複数配列する構成としたが、これ
に限られることなく、単数配置する場合でも、収納部２
３を回動することにより作業スペースが形成されるた
め、光ファイバを高密度に実装することが可能な光配線
盤を得ることができる。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１に係る光
配線盤によれば、装着パネルに光接続部が列設された接
続ユニットと、光ファイバを収納すると共に、装着パネ
ルの側方で該装着パネルに対して回動自在な収納部とを
備える構成となっている。これにより、収納部を回動さ
せるという簡単な操作で容易に作業スペースを形成する
ことができ、従って、別途作業スペースを設ける必要な
く高密度実装が可能になり、また、接続切替作業も容易
に行えるという優れた効果を奏するものである。

【００２５】請求項２に係る光配線盤によれば、アー
ム、収納部および接続ユニットからなる配線ユニットの
単位は、収納部が回動をなしたときに該収納部が互いに
接近・離間自在になるように複数単位設けられる構成と
なっている。これにより、配線ユニットの配列ピッチも
最小寸法に抑えることが可能になり、従って、高密度実
装可能な、即ち機器の小型化が実現できるという優れた
効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施の形態を示す図であって、接続
ユニットの両側方に収納部が設けられた平面図である。

【図２】 本発明の実施の形態を示す図であって、配線
ユニットが上下方向に複数配列された光配線盤の正面図
である。

【図３】 本発明の光配線盤を構成する配線ユニットの
側面図である。

【図４】 配線ユニットの正面図である。

【図５】 配線ユニットが上下方向に複数配列された側
面図である。

【図６】 装着パネルに対して収納部が回動されて移動
したことを示す側面図である。

【図７】 従来技術による光配線盤の一例を示す正面図
である。

【符号の説明】

５…光配線盤、２１…配線ユニット（成端部ユニッ
ト）、２２…接続ユニット、２３…収納部（コードダク
ト）、２５…アーム、２６…装着パネル、２７…光接続
部（アダプタ）、３２…基端部、３４…先端部、３５…
軸線、ｊ，ｓ…光ファイバ。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一方向に延在する装着パネル（２６）に
   該一方向に向けて複数の光接続部（２７）を列設状態に
   設けてなる接続ユニット（２２）と、 前記装着パネルにその基端部（３２）が前記方向の軸線
   （３５）をもって回動自在に取り付けられたアーム（２
   ５）と、 該アームの先端部（３４）に固定されて前記軸線を中心
   に前記装着パネルの側方で回動自在とされ、前記方向に
   延在して複数本の光ファイバ（ｊ，ｓ）を収納する収納
   部（２３）とを備えてなることを特徴とする光配線盤。
2. 【請求項２】 請求項１記載の光配線盤において、 前記アームは、前記装着パネルの一端部および他端部に
   取り付けられ、 前記収納部は、これらアームの先端部間に設けられ、 これらアーム、収納部および接続ユニットからなる配線
   ユニット（２１）の単位が、前記収納部が前記回動をな
   すことにより、互いに接近・離間自在に複数単位設けら
   れていることを特徴とする光配線盤。