JPH11132977A - 試料加熱・冷却装置および熱分析装置 - Google Patents
試料加熱・冷却装置および熱分析装置Info
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- JPH11132977A JPH11132977A JP9299895A JP29989597A JPH11132977A JP H11132977 A JPH11132977 A JP H11132977A JP 9299895 A JP9299895 A JP 9299895A JP 29989597 A JP29989597 A JP 29989597A JP H11132977 A JPH11132977 A JP H11132977A
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Abstract
を確保するとともに、試料を安定して加熱または冷却で
きるようにして、XRD測定と同時に高精度なDSC測
定を実施可能とする。 【解決手段】 標準試料ホルダ31および測定試料ホル
ダ32の内部に試料加熱ヒータを設け試料を底面から加
熱する。また、標準試料ホルダ31および測定試料ホル
ダ32の周囲に試料カバー40を配設することにより、
各ホルダ31,32の周囲における対流の発生を抑制す
る。さらに、試料カバー40の周囲に外カバー50を配
設するとともに、これら試料カバー40の内部空間およ
び外カバー50の内部空間に乾燥ガスを供給し、試料カ
バー40の内外面および外カバー50の内面に対する冷
却時の結露を防止する。加えて、外カバー50の温度を
板状ヒータ12により調節し、外カバー50の外面に対
する結露を防止する。
Description
や、X線回折と熱分析との同時測定に際して、試料の加
熱または冷却に好適な試料加熱・冷却装置、およびこの
試料加熱・冷却装置を用いた熱分析装置に関する。
こともある)は、試料にX線を照射したとき試料から回
折してくる回折X線の強度と回折角度を測定し、これら
の測定データに基づき試料の結晶構造等をミクロ的視点
から分析できる理化学機器として知られている。
定し、試料の物性をマクロ的視点から分析できる理化学
機器として知られている。示差走査熱量計(以下、DS
Cということもある)は、測定試料と標準試料とが、制
御された温度プログラム下にあるとき、測定試料と標準
試料とに対する熱量の入力差を温度の関数として測定す
る熱分析装置である。
熱量計は、それぞれ個別の装置として提供されていたの
で、X線回折測定(以下、XRD測定ということもあ
る)と示差走査熱量測定(以下、DSC測定ということ
もある)とは、それぞれ別個のプロセスをもって実行さ
れていた。
い、それぞれの視点から多角的に分析できる測定データ
を得たいという要望があり、それに応えるべく本発明者
らは、XRDとDSCの複合装置(XRD/DSC同時
測定装置という)の開発を進めてきた。
定装置の開発においては、試料の加熱または冷却構造
と、XRD測定のための試料に対するX線軌道の確保と
をいかに適合させるかが問題となる。一般に、DSCに
は、熱流速型と入力補償型とがあり、熱流速型のDSC
は、測定試料および標準試料の各試料ホルダの周囲に加
熱炉を配設し、この加熱炉と各試料ホルダとを感熱体で
接合した構造を備えている。この熱流側型DSCでは、
加熱炉からの熱を感熱体を介して各試料ホルダに伝える
とともに、試料の熱的変化を感熱体の熱流変化として検
出する。
の周囲を静的な熱流状態に保つ必要から密封構造としな
ければならないため、各試料に対しXRD測定のための
X線軌道を確保することができない。したがって、XR
D/DSC同時測定装置への適用には困難があった。
タで各試料を均等に加熱するとともに、各試料ホルダの
内部に熱補償ヒータを設け、この熱補償ヒータで測定試
料と標準試料との間の温度差が零になるように制御する
構造となっており、この制御のために必要な単位時間当
りの熱量を検出する。さらに、この入力補償型DSC
は、各試料ホルダの周囲にメインヒータとしての加熱炉
を配設した外部加熱式のものと、メインヒータを試料ホ
ルダの内部に設けた内部加熱式のものとに分けられる。
では、入力補償型のDSCと同様、各試料ホルダの周囲
に加熱炉が設けられるため、各試料に対するXRD測定
のためのX線軌道を確保することができない。これに対
し、内部加熱式の入力補償型DSCによれば、各試料の
周囲に加熱炉が存在しないため、各試料対するXRD測
定のためのX線軌道を確保することが可能となる。
るために各試料の周囲を大気に開放した場合、各試料の
周囲に加熱による対流現象が生じ、各試料温度を安定化
させることが困難となる問題があった。また、近年の熱
分析測定においては、試料を冷却した際の物性変化をも
測定対象にしたいという要望が高い。
を実現するための検討結果に基づいてなされたもので、
試料に対するX線回折測定のためのX線軌道(試料への
入射X線軌道、および試料から反射してくる回折X線を
X線検出器へ導くための反射X線軌道)を確保するとと
もに、試料を安定して加熱または冷却でき、高精度な測
定データを得ることが可能な試料加熱・冷却装置の提供
を目的とする。さらに、この発明は、XRD/DSC同
時測定装置への適用に好適な熱分析装置の提供を目的と
する。
に、この発明の試料加熱・冷却装置は、試料を充填する
試料ホルダと、この試料ホルダを底面から加熱する試料
加熱手段と、試料ホルダを冷却する試料冷却手段とを備
え、かつX線透過材料からなるX線透過窓を有した試料
カバーを試料ホルダの周囲に配設したことを特徴として
いる。試料加熱手段は、試料ホルダを底面から加熱する
構成のため、試料の周囲を遮蔽することがなく、したが
って、試料の周囲を開放してXRD測定のためのX線軌
道を確保することができる。
配設したので、試料の周囲で加熱による対流現象が発生
することを防止でき、安定した加熱状態を保持すること
ができる。この試料カバーには、X線透過材料からなる
X線透過窓が設けてあり、該X線透過窓を通して入射X
線軌道および反射X線軌道が確保される。また、この発
明装置は試料冷却手段を備えているので、試料を冷却し
た際の物性変化を測定することもできる。
ーの内部と外部とに温度差が生じ、試料カバーの表面等
が結露するおそれがある。試料カバーの表面が結露した
場合、水滴によりX線の散乱が生じる等の原因からX線
回折測定の精度が低下することが考えられる。
X線透過窓を有した外カバーを試料カバーの外周に配設
するとともに、少なくとも試料カバーの内部空間および
外カバーの内部空間に乾燥ガスを導入する乾燥ガス供給
手段を備えた構成とすることが好ましい。この構成によ
り、乾燥ガス供給手段から供給される乾燥ガスが試料カ
バーの内部空間および外カバーの内部空間の水分を除去
するため、少なくとも試料カバーの内外面および外カバ
ーの内面に対する結露を防止することができる。さら
に、外カバーの温度を調節する外カバー加熱手段を設け
れば、外カバーの冷却が防止できるため、大気と接する
外カバーの外面についても結露を防止することができ
る。
XRD/DSC同時測定装置に好適であることはいうま
でもなく、その他に例えば、X線回折装置の試料加熱・
冷却装置としても利用することができる。
の試料加熱・冷却装置において、試料ホルダを、標準試
料が充填される標準試料ホルダと、測定試料が充填され
る測定試料ホルダとで構成するとともに、試料加熱手段
を、標準試料ホルダに対してその底面から加熱する標準
試料加熱手段と、測定試料ホルダに対してその底面から
加熱する測定試料加熱手段とで構成し、かつ、標準試料
ホルダに充填された標準試料の温度を検出する標準試料
温度検出手段と、測定試料ホルダに充填された測定試料
の温度を検出する測定試料温度検出手段とを備えた構成
としてある。
出手段により検出した標準試料の温度と、測定試料温度
検出手段により検出した測定試料の温度とによる示差熱
分析(DTA)測定が、X線回折測定と同時に可能とな
る。
した標準試料の温度とあらかじめ設定してある設定温度
との差を求め、該温度差が無くなるように標準試料加熱
手段および測定試料加熱手段を制御する加熱温度制御手
段と、標準試料温度検出手段により検出した標準試料の
温度と測定試料温度検出手段により検出した測定試料の
温度との差を求め、該温度差が無くなるように測定試料
加熱手段を制御する示差熱制御手段とを備えた構成とす
れば、示差走査熱量測定がX線回折測定と同時に可能と
なる。
標準試料温度検出手段により検出した標準試料の温度
と、測定試料温度検出手段により検出した測定試料の温
度との差に基づいて、該温度差を無くすために必要な測
定試料加熱手段の熱量を算出すればよい。
および標準試料加熱手段が、各試料を所定のプログラム
温度に加熱するメインヒータとしての機能を備えるとと
もに、測定試料と標準試料との間の温度差を零にするた
めの熱補償ヒータとしても機能しているので、各ヒータ
を別個に備えた従来のDSCに比べ、各試料ホルダ部分
の構造を小形化および簡素化することができる。
料カバーの内部に存在するガスが電離してイオンを発生
することがある。試料カバーの内部にイオンが発生した
場合、そのイオンを介して標準試料温度検出手段や測定
試料温度検出手段と、周囲の導電性部材との間が通電
し、それら試料温度検出手段の検出精度が低下するおそ
れがある。
ホルダの周囲に発生したイオンを介して、標準試料温度
検出手段および測定試料温度検出手段と、周囲の導電性
部材との間が通電することを防止する通電防止手段を設
けることが好ましい。この通電防止手段としては、例え
ば、標準試料温度検出手段および測定試料温度検出手段
の周囲を絶縁構造とする手段が挙げられる。
ルダの周囲に発生したイオンを除去するイオン除去手段
を設けるようにしてもよい。このイオン除去手段として
は、試料ホルダの内部空間に発生するイオンと逆極性の
電極を、同空間と接触させて配置する手段が挙げられ
る。
いて図面を参照して詳細に説明する。図1はこの発明を
適用したXRD/DSC同時測定装置のシステム構成を
示すブロック図である。同図に示すように、この実施形
態に係るXRD/DSC同時測定装置は、XRDユニッ
ト1、DSCユニット2、DSC制御部3、XRD制御
用コンピュータ4、およびDSC制御用コンピュータ5
によりシステムが構成されている。
制御用コンピュータ5は、X線回折測定(XRD測定)
を実行するためのもので、既存のX線発生装置を利用し
て構成してある。すなわち、XRDユニット1は、X線
発生装置、X線の回折角(2θ)を測定するゴニオメー
タ、X線検出器等を含んでいる。DSC制御用コンピュ
ータ5は、これらXRDユニット1の各構成部材の動作
を制御するとともに、X線検出器が検出した回折X線強
度とその回折角(2θ)とに基づいて、種々の分析処理
を実行する。
3、およびDSC制御用コンピュータ5は、示差走査熱
量測定(DSC測定)を実行するための熱分析装置を構
成している。このうち、DSCユニット2は、図2〜図
4に示す試料加熱・冷却装置により構成され、XRDユ
ニット1の試料配置部に搭載してある。また、DSCユ
ニット2、DSC制御部3、およびDSC制御用コンピ
ュータ5は、図9に示す制御系を構成している。
XRD制御用コンピュータ4に対し、DSC測定と同期
してXRD測定の開始信号を出力する構成となってお
り、この開始信号に従いX線回折測定が行なわれる。こ
れにより、XRD測定データを、DSC測定データにマ
ッチングさせることができ、XRD測定によるミクロ的
視点からの分析とDSC測定によるマクロ的視点からの
分析とを、相互に関連付けて総合的に行なうことが可能
となる。
・冷却装置の正面断面図、図3は同装置の側面断面図、
図4は同装置の平面図である。試料加熱・冷却装置は、
ベース基板10を基準にして組み立てられている。ベー
ス基板10の下部中央部には、ボルト等の締結具を介し
冷却ブロック20が垂下して設けてあり、この冷却ブロ
ック20の上面中央部に、標準試料ホルダ31と測定試
料ホルダ32とが並べて設けてある(図3参照)。ベー
ス基板10には、これら各ホルダ31,32を露出させ
る開口11が形成してあり、後述する各ホルダ31,3
2の試料受皿33が、この開口11からベース基板10
の上面側に露出している。
32の周囲には、それぞれカバー支持ブロック41が配
設してあり、これらカバー支持ブロック41の上端面
に、それぞれ試料カバー40が着脱自在に装着してあ
る。ベース基板10の上面には板状ヒータ12が設けて
あり、さらにこの板状ヒータ12の上面に導電板13が
敷設してある。そして、導電板13の上面には、各試料
カバー40の周囲を覆うように外カバー50が配設して
ある。
本体ブロック60がボルト等の締結具により組付けられ
ている。この本体ブロック60は冷却ブロック20の周
囲を覆うように配設してある。
および測定試料ホルダ32をそれぞれ均等に冷却するた
めの試料冷却手段を構成する。この冷却ブロック20の
周面には、冷却ガスの循環通路21が形成してある。こ
の循環通路21には、冷却配管22を介して代替フロン
ガス等の冷却ガスが循環供給される。すなわち、循環通
路21は内部側通路21aと外部側通路21bの二重構
造となっている。各通路21a,21bを隔てる隔壁の
一部には、透孔23が穿設してあり、この透孔23を介
して各通路21a,21bは連通している。冷却配管2
2も、内管22aと外管22bの二重構造となってお
り、内管22aが内部側通路21aと、外管22bが外
部側通路21bと連通している。
通して内部側通路21aに供給され、外部側通路21b
を経由して外管22bから排出される。その循環途中で
冷却ガスが冷却ブロック20の熱を吸収し、同ブロック
20を冷却する。
本体ブロック60との間には、一定の空間Aを形成して
ある。この空間Aには、断熱材を充填することが好まし
い。また、冷却ブロック20の周囲にあるベース基板1
0および本体ブロック60は、金属材料に比べ熱伝導性
の低い材料(例えば、セラミック材料やプラスチック材
料)で形成することが好ましい。これにより、冷却ブロ
ック20の冷却効率を向上させるとともに、ベース基板
10および本体ブロック60の冷却を抑制することがで
きる。
32は、図5に示すように基台34の上面に複数本の支
持脚35を立設し、その上端に試料受皿33を固定した
構造となっている。各試料ホルダ31,32の試料受皿
33には、それぞれ標準試料および測定試料が充填され
る。基台34は、既述したように冷却ブロック20の上
面に配設する。試料受皿33および支持脚35は、熱伝
導性の良い金属材料で形成してあり、基台34を介して
冷却ブロック20との間で効率的に熱交換される。
に切欠き33aが形成してある。これらの切欠きaは、
X線回折測定に際し、試料への入射X線軌道と、試料か
らの反射X線軌道を開放するためのものである。
(試料加熱手段)70が配設してある。この試料加熱ヒ
ータ70は、試料受皿33に充填した試料を底面から加
熱する。したがって、試料の表面を開放することがで
き、試料に対するX線回折測定のためのX線軌道を確保
することができる。この試料加熱ヒータ70は、図7に
示すように発熱板71の上下面に耐熱性のある絶縁部材
72,73を接着することにより、試料受皿33との間
の絶縁状態を確保している。
ホルダ32における試料受皿33の底面には、それぞれ
熱電対80が接合してある(図5参照)。この熱電対8
0は、標準試料ホルダ31に充填された試料の温度変化
を電流変化に変換して検出する標準試料温度検出手段、
および測定試料ホルダ32に充填された試料の温度変化
を電流変化に変換して検出する測定試料温度検出手段と
して機能する。
準試料ホルダ31の内部に設けた試料加熱ヒータ70を
標準試料加熱ヒータ70rとし、測定試料ホルダ32の
内部に設けた試料加熱ヒータ70を測定試料加熱ヒータ
70sとして表示してある。また、標準試料ホルダ31
に接合した熱電対80を、標準試料温度検出部80rと
し、測定試料ホルダ32に接合した熱電対80を、測定
試料温度検出部80sとして表示してある。
標準試料ホルダ31および測定試料ホルダ32の周囲に
配設した各カバー支持ブロック41,41の上端面に着
脱自在に装着してある(図2〜図4参照)。これら試料
カバー40,40によって、各試料ホルダ31,32の
周囲が大気と遮断されるので、試料を加熱した際の対流
現象を抑制することができる。
ル等の金属材料で形成してあり、その周面には、図8に
示すようにX線透過窓42が形成してある。X線透過窓
42はX線透過材料で形成してあり、このX線透過窓4
2を通して試料に対するX線軌道が確保されている。試
料カバー40の周面は半円弧状に湾曲して形成してあ
り、この湾曲面をXRD測定におけるX線の走査方向に
合わせて配設してある。これにより、X線透過窓42が
X線軌道とほぼ直角に配置されるため、X線透過性能が
向上する。
XRD測定においては、試料カバー40で密封された内
部空間が冷却ブロック20で冷やされるため、内外の温
度差から試料カバー40の表面が結露するおそれがあ
る。そして、試料カバー40の表面が結露した場合、水
滴によりX線の散乱が生じる等の原因からX線回折測定
の精度が低下することが考えられる。
0の結露防止手段として、試料カバー40の周囲に外カ
バー50を配設するとともに、試料カバー40の内部か
ら外カバー50の内部空間にかけて乾燥ガスを導入する
構成となっている。外カバー50には、図8に示すよう
にX線透過材料によりX線透過窓51が形成してあり、
このX線透過窓51を通して試料に対するX線軌道が確
保されている。
活性ガスが用いられる。乾燥ガスは、本体ブロック60
に接続した乾燥ガス配管61から、同ブロック60に形
成した乾燥ガス供給通路62a,62bに導入され、さ
らに冷却ブロック20に形成した乾燥ガス供給通路20
aを介して、各試料ホルダ31,32の基台34に穿設
した乾燥ガス供給孔34aに導かれ、試料カバー40の
内部空間へと送り込まれる。
40aが穿設してあり、この連通孔40aを通して試料
カバー40の内部空間から外カバー50の内部空間へと
乾燥ガスが流れ出ていく。このような経路で、試料カバ
ー40の内部空間乃至外カバー50の内部空間に、乾燥
ガスが供給されるため、それら空間中の水分が除去さ
れ、試料カバー40の表面結露を防止することができ
る。
料からなり、ベース基板10の上面に配設した板状ヒー
タ12(外カバー加熱手段)の上に、導電板13を介し
て固定してある。したがって、外カバー50は板状ヒー
タ12により調温されるため、外面の結露を防止するこ
とができる。この実施形態では、外カバー50と試料カ
バー40とで囲まれた空間部分と接する広い領域で板状
ヒータ12が配設してあるので、同空間部分も板状ヒー
タ12により調温される。その結果、外カバー50の内
外温度差を小さくすることができ、一層確実に外カバー
50の表面結露を防止することができる。
燥ガスを導入した場合、X線の入射によりその乾燥ガス
が電離して試料カバー40の内部にイオンが発生するお
それがある。そして、各試料ホルダ31,32に接合し
た熱電対80,80の周囲には、板状ヒータ12が配設
されているので、試料カバー40の内部に発生したイオ
ンを介して、熱電対80,80の電流回路(熱電対回
路)と板状ヒータ12の通電回路とが導通し、熱電対8
0,80による試料温度の検出精度が低下するおそれが
ある。
施形態では、各試料ホルダ31,32の周囲に配設した
カバー支持ブロック41,41をセラミック等の絶縁材
料で形成し、同ブロック41,41により熱電対80,
80と板状ヒータ12との間を仕切るようにしてある。
さらに、板状ヒータ12の通電回路にトランスを介在さ
せて通電経路をアイソレーションすれば、一層確実に熱
電対回路との間の導通が防止できる。
生したイオンを除去する手段を設けても良い。例えば、
図10に示すように、試料カバー40の内部に電極90
を配置し、この電極90と試料カバー40との間に電位
差を設ければ、試料カバー40の内部に発生したイオン
を電極または試料カバー40に吸着させて取り除くこと
ができる。
ス基板10に対して本体ブロック60を組付けてあり、
各試料ホルダ31,32も冷却ブロック20を介してベ
ース基板10に搭載してある。したがって、ベース基板
10をXRDユニット1の試料配置部に固定することに
より、加熱または冷却に伴う本体ブロック60の膨張,
収縮が各試料ホルダ31,32に伝わることがなくな
り、試料面の上下変動を抑制することができる。
SC制御部3、およびDSC制御用コンピュータ5が構
成する熱分析装置の制御系を、図9を参照して説明す
る。本実施形態の熱分析装置は、基本的には内部加熱式
の入力補償型DSCの構成を採用しているが、従来の入
力補償型DSCと異なり、測定試料の加熱と熱補償とを
単一の測定試料加熱ヒータ70s(測定試料加熱手段)
で実現することにより、測定試料ホルダ32部分の小形
化を実現している。
は、既述したとおり標準試料加熱ヒータ70r、および
熱電対80からなる標準試料温度検出部80rが設けて
ある。また、DSCユニット2の測定試料ホルダ32に
は、既述したとおり測定試料加熱ヒータ70s、および
熱電対80からなる測定試料温度検出部80sが設けて
ある。
フセット電流出力回路101、プログラム温度設定部
(Tp)102、プログラム温度比較部(E)103、
昇温電流用のPID演算回路104、DSCフィードバ
ック演算回路105、およびDSC熱量演算回路106
を含んでいる。これらの構成要素のうち、プログラム温
度比較部103および昇温電流用のPID演算回路10
4は、各試料をプログラム温度まで昇温するための加熱
温度制御手段を構成している。また、DSCフィードバ
ック演算回路105は、各試料の示差熱を零とするため
の示差熱制御手段を構成している。
回路111、Is電流出力回路112、標準試料側電流
増幅器113、測定試料側電流増幅器114、示差熱検
出部(ΔT)115、および示差熱信号増幅器116を
含んでいる。
すように、オフセット電流出力回路101からのオフセ
ット電流Irが、標準試料側電流増幅器113を通して
入力されている。また、このオフセット電流Irは、測
定試料側電流増幅器114を通して測定試料加熱ヒータ
70sにも入力されている。このオフセット電流は、標
準試料加熱ヒータ70rおよび測定試料加熱ヒータ70
sを予熱しておくためのもので、測定開始前から予め各
ヒータに供給される。このオフセット電流Irの供給に
より、測定開始時から安定した示差熱分析が可能とな
る。
SC測定のためのプログラム温度が設定してあり、この
プログラム温度に標準試料および測定試料は、このプロ
グラム温度に昇温される。プログラム温度比較部103
は、標準試料温度検出部80rで検出した標準試料の温
度と、プログラム温度設定部102に設定されているプ
ログラム温度との差を検出し、その温度差を示す信号
(温度差信号)をPID演算回路104に出力する。
比較部103から入力した温度差信号に基づき、標準試
料の温度とプログラム温度との差を零とするために必要
な昇温電流をPID演算(比例,積分,微分演算)し、
If信号として出力する。If電流出力回路111は、
PID演算回路104から入力したIf信号に基づき、
標準試料の温度とプログラム温度との差を零とする昇温
電流Ifを出力する。この昇温電流Ifは、標準試料側
電流増幅器113および測定試料側電流増幅器114で
それぞれ増幅されて、標準試料加熱ヒータ70rおよび
測定試料加熱ヒータ70sに供給される。すなわち、こ
の実施形態では、標準試料の温度を管理することで、標
準試料と測定試料の各温度をプラグラム温度に制御(リ
ファレンス・フィードバック制御)している。
度検出部80sが検出した測定試料の温度と、標準試料
検出部80rが検出した標準試料の温度とを比較してそ
れらの温度(すなわち、示差熱)を検出し、その検出結
果を示差熱信号(DTA信号)として出力する。この示
差熱熱信号は、示差熱信号増幅器116で増幅されてD
SCフィードバック演算回路105に送られる。DSC
フィードバック演算回路105は、入力した示差熱信号
に基づき各試料の示差熱を零とするために必要な補償電
流Isを算出し、Is信号として出力する。
ドバック演算回路105から入力したIs信号に基づ
き、補償電流Isを出力する。この補償電流Isは、測
定試料側電流増幅器114で増幅されて、測定試料加熱
ヒータ70sに供給される。ここで、測定試料側電流増
幅器114には、上述したようにオフセット電流Irと
昇温電流Ifも供給されており、補償電流Isはこれら
オフセット電流Irと昇温電流Ifに重畳されて、測定
試料加熱ヒータ70sに供給される。したがって、測定
試料加熱ヒータ70sの電力量Wsは、同ヒータ70s
の抵抗値をRとして、次式のようになる。 Ws=(Ir+If+Is)2×R …(1)
次式で算出することができる。 I2R={(Ir+If+Is)2−(Ir+If)2}×R …(2) DSC熱量演算回路106は、上記(2)式に基づいて
示差走査熱量I2Rを算出し、DSC測定データとして
出力する。
されるものではない。例えば、図2〜図4に示した試料
加熱・冷却装置は、試料を水平配置する水平ゴニオメー
タに搭載してXRD/DSC同時測定装置を構成するに
は好適であるが、試料面を垂直に配置する縦型ゴニオメ
ータには適さない。このような縦型ゴニオメータに搭載
してXRD/DSC同時測定装置を構成するには、例え
ば図11に示すように、試料受皿33にX線透過材料か
らなる蓋36を設け、試料受皿33に充填した試料Sの
表面をこの蓋36で支持する構成とすることが好まし
い。
て、試料受皿33と支持脚35との間にマグネット37
を設け(図11参照)、試料受皿33を支持脚35から
着脱自在とすれば、試料交換が一層容易となる。さら
に、配向性のある試料や微粉化できない試料を測定対象
とする場合には、試料ホルダに回転機構を付設し、試料
を面内回転できる構成とすることが好ましい。
・冷却装置をXRD/DSC同時測定装置に適用した
が、本発明の試料加熱・冷却装置は、X線回折装置(X
RD)の試料加熱・冷却装置としても適用できることは
勿論である。この場合、標準試料に関連した構成要素、
例えば、標準試料ホルダ31や同ホルダ31を密封する
試料カバー40は必要なく、測定試料に関連した構成要
素のみを備えればよい。
熱・冷却装置によれば、試料に対するX線回折測定のた
めのX線軌道を確保するとともに、試料を安定して加熱
または冷却できるので、高精度な測定データを得ること
が可能となる。また、この発明の熱分析装置はによれ
ば、試料に対するX線回折測定のためのX線軌道を確保
するとともに、試料を安定して加熱または冷却できるの
で、X線回折装置との複合により、XRD測定と同時に
高精度なDSC測定を実施することが可能となる。
置のシステム構成を示すブロック図である。
の正面断面図である。
断面正面図である。
成を示す断面図である。
バーを示す斜視図である。
るDSCユニット、DSC制御部、およびDSC制御用
コンピュータの制御系を示すブロック回路図である。
段を示す構成図である。
成例を示す断面正面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 試料を充填する試料ホルダと、この試料
ホルダを底面から加熱する試料加熱手段と、前記試料ホ
ルダを冷却する試料冷却手段とを備え、 かつ、X線透過材料からなるX線透過窓を有した試料カ
バーを前記試料ホルダの周囲に配設したことを特徴とす
る試料加熱・冷却装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の試料加熱・冷却装置にお
いて、 X線透過材料からなるX線透過窓を有した外カバーを前
記試料カバーの外周に配設するとともに、 少なくとも前記試料カバーの内部空間および前記外カバ
ーの内部空間に乾燥ガスを導入する乾燥ガス供給手段を
備えたことを特徴とする試料加熱・冷却装置。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の試料加熱・冷却
装置において、 前記外カバーの温度を調節する外カバー加熱手段を設け
たことを特徴とする試料加熱・冷却装置。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の
試料加熱・冷却装置を用いた熱分析装置であって、 前記試料ホルダを、標準試料を充填する標準試料ホルダ
と、測定試料を充填する測定試料ホルダとで構成すると
ともに、 前記試料加熱手段を、前記標準試料ホルダを底面から加
熱する標準試料加熱手段と、前記測定試料ホルダを底面
から加熱する測定試料加熱手段とで構成し、 かつ、前記標準試料ホルダに充填された標準試料の温度
を検出する標準試料温度検出手段と、前記測定試料ホル
ダに充填された測定試料の温度を検出する測定試料温度
検出手段とを備えたことを特徴とする熱分析装置。 - 【請求項5】 請求項4記載の熱分析装置において、 前記標準試料温度検出手段により検出した標準試料の温
度とあらかじめ設定してある設定温度との差を求め、該
温度差が無くなるように前記標準試料加熱手段および測
定試料加熱手段を制御する加熱温度制御手段と、 前記標準試料温度検出手段により検出した標準試料の温
度と、前記測定試料温度検出手段により検出した測定試
料の温度との差を求め、該温度差が無くなるように前記
測定試料加熱手段を制御する示差熱制御手段とを備えた
ことを特徴とする熱分析装置。 - 【請求項6】 請求項4または5記載の熱分析装置にお
いて、 試料に対するX線照射により前記試料ホルダの周囲に発
生したイオンを介して前記標準試料温度検出手段および
測定試料温度検出手段と周囲の導電性部材との間が通電
することを防止する通電防止手段を設けたことを特徴と
する熱分析装置。 - 【請求項7】 請求項4または5記載の熱分析装置にお
いて、 試料に対するX線照射により前記試料カバーの周囲に発
生したイオンを除去するイオン除去手段を備えたことを
特徴とする熱分析装置。
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---|---|---|---|
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JPH11132977A true JPH11132977A (ja) | 1999-05-21 |
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Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100379623B1 (ko) * | 2000-02-11 | 2003-04-08 | 한국표준과학연구원 | 순수물질의 상변화온도를 이용한 열량계 |
EP1308417A2 (en) | 2001-11-02 | 2003-05-07 | Rigaku Corporation | Method and apparatus for producing metal oxide |
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-
1997
- 1997-10-31 JP JP29989597A patent/JP3669615B2/ja not_active Expired - Fee Related
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