JPH11132389A - 真空断熱パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、低熱伝導率の維持を可能とするため
に、真空度の劣化を低減する構造を有する真空断熱パネ
ルを提供する。 【解決手段】本発明は、コア材を外包材でとりまく真空
領域の周りを囲むように真空領域を設け、それぞれの内
部にゲッター剤を封入して真空度の劣化を防止するパッ
ケージ構造を真空断熱パネルに備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は冷蔵庫等の断熱壁に
おいて使用可能な真空断熱パネルに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に真空断熱パネルは、ウレタン等で
作られたコア材をガスバリヤー性の高い外包材に封入
し、真空排気しながら前記外包材を封止して作られる。
真空断熱パネルに使用される外包材は一般には、外側表
面がガスバリヤー性の高い層になっており、内側表面が
熱溶着層になっており熱溶着により封止できる構造にな
っている。

【０００３】外包材を熱溶着して封止後は、溶着面端面
から外部よりガスが真空断熱パネル内部に進入し、また
コア材からもガスや水分等が発生するため、真空断熱パ
ネル内部の真空度が劣化し、断熱性能が悪くなる。

【０００４】そのため、熱溶着面を溶着して外包材を封
止する前に、ゲッター剤をコア材とともに外包材の中に
封入することで、パネル製作後も真空度が劣化を防止す
る（例えば特許第2544521号公報）。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記方法によっても、
熱溶着面端面を通過して外部よりガスが真空断熱パネル
内部に進入することは避けられず、真空度は劣化し時間
が経つにつれて断熱性能は低下する。そのようにして生
じた問題を解決するためには、ガスの吸着性能を高くし
たゲッター剤の改良が必要になる。

【０００６】しかし、全てのガスの吸着に有効なゲッタ
ー剤の開発には限界があり、また真空断熱パネル内に封
入するゲッター剤の量にも限界がある。従ってゲッター
剤の改良と同時に、真空度の劣化を防止するような真空
断熱パネルのパッケージ構造についても改良も合わせて
行う必要がある。

【０００７】本発明の目的は、真空断熱パネル内の真空
度が劣化することでパネルの断熱性能が低下するまでの
時間の長期化を実現するような真空断熱パネルのパッケ
ージ構造を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明における断熱パネルは、内側に熱溶着可能な
熱溶着層を、外側にガスバリヤー層を有する外包材の内
部にコア材をゲッター剤とともに封入し真空排気しなが
ら熱溶着層を熱溶着して真空断熱パネルを製作し、この
溶着面よりさらに外側にある前記外包材にゲッター剤を
封入して真空排気しながら熱溶着層を熱溶着して封じる
ことにより、外包材の熱溶着面を二重にすることで設け
た真空領域で前記真空断熱パネルを取り囲む構造を有す
ることを特徴とする。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、添付図に従って本発明の真
空断熱パネルの実施例について説明を行う。

【００１０】図１と図２に示した実施例について以下説
明を行う。図１は本発明による真空断熱パネルの構造を
示す断面図であり、図２は前記真空断熱パネルをパネル
面に垂直な方向から眺めた図である。

【００１１】まず真空断熱パネルの構造についての説明
をする。１は外側がガスバリヤー性のある金属箔または
金属蒸着プラスチックのガスバリヤー層で内側が熱溶着
可能な熱溶着層により構成される外包材、２はウレタン
等を材料として用いるコア材、３，３Ａはモレキュラー
シーブや活性炭等を材料とするゲッター剤である。これ
らのゲッター剤３，３Ａは不織布等からなる通気性包材
で包む。５は外包材１と熱溶着面４で囲まれたコア材２
とゲッター剤３を含む真空領域、５Ａは外包材１と熱溶
着面４，４Ａで囲まれたゲッター剤３Ａを含む真空領域
である。

【００１２】つぎに真空断熱パネルの制作の基本的な手
順について説明を行う。外包材１の内部に高温槽内で乾
燥処理させたコア材２を、同じく高温槽内で乾燥処理さ
せたゲッター剤３とともに封入し真空排気しながら熱溶
着層を熱溶着する。ゲッター剤３，３Ａも同じく高温槽
内で乾燥処理させた不織布等からなる通気性包材で包
む。この高温槽内での乾燥処理により、熱溶着面を熱溶
着して封止した後の水分等の発生による真空度の劣化を
少しでも防止することが可能である。

【００１３】このときの熱溶着層が図１，図２における
４であり、外包材１と熱溶着面４によりコア材２とゲッ
ター剤３を含む真空領域５が作られる。さらにその外包
材１の前記溶着面４より外側の外包材にゲッター剤３Ａ
を封入し真空排気しながら熱溶着層を熱溶着して封じ
る。この熱溶着面が４Ａである。

【００１４】こうして外包材の熱溶着面を二重にして外
包材１と熱溶着面４，４Ａで囲まれたゲッター剤３Ａを
含む真空領域５Ａを作り、先に作った真空領域５を囲
む。コア材２とゲッター剤３を含む真空領域５が断熱パ
ネルとして使用する主要部分である。

【００１５】パネル制作後には、断熱パネルとして使用
する主要部分の真空領域５において、乾燥処理を施して
封入したコア材２からはガスや水分が発生すると考えら
れるが、コア材２とともに封入されたゲッター剤３によ
り吸着されるので、真空度の劣化は防止される。

【００１６】また一般に、熱溶着した面は外部からのガ
スを完全に遮断することは不可能であり、ガスは熱溶着
面を通過してパネルの内部に侵入するのでパネル制作後
時間が経つにつれて真空断熱パネルの真空領域の真空度
は劣化して断熱性能は低下する。

【００１７】しかしながら、熱溶着面を４，４Ａの二重
にすることで、外部のガスが最初熱溶着面４Ａを通過す
ると真空領域５に侵入するがゲッター剤３Ａにより吸着
される。３Ａで吸着されない場合はゲッター剤３により
吸着されるが、ゲッター剤３Ａの性能が悪くなるまでは
殆どゲッター剤３Ａにより吸着される。

【００１８】ゲッター剤３Ａのガス吸着熱性能が悪くな
ると外部からの侵入ガスは溶着面４を通過して真空領域
５に侵入するが、侵入したガスはゲッター剤３により吸
着される。したがって、断熱パネルの断熱性能がおちる
までの時間は長期化する。

【００１９】また、上記実施例においては外包材の熱溶
着面４と４Ａに囲まれた真空領域にはゲッター剤３Ａを
４つ使用しているが１つでもいくつであってもよい。

【００２０】

【発明の効果】コア材を封入する外包材の熱溶着面を二
重に作りコア材の存在する真空領域をさらに真空領域で
囲む構造にし、それぞれの真空領域にゲッター剤を封入
することで、外部からのガスの進入防止が向上し、さら
に内部のコア剤より発生するガスをゲッター剤により取
り除くことにより、パネル内部の真空度の劣化を防止す
ることで、断熱性能を長時間維持することが可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例である断熱パネルの断面図であ
る。

【図２】図１の断熱パネルをパネル面に垂直な方向から
みた平面図である。

【符号の説明】

１…外包材、２…コア材、３，３Ａ…ゲッター剤、４，
４Ａ…熱溶着面、５，５Ａ…真空領域。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内側に熱溶着可能な熱溶着層を、外側にガ
   スバリヤー層を有する外包材の内部にコア材をゲッター
   剤とともに封入し、かつ真空排気しながら熱溶着層を熱
   溶着してなることを特徴とする真空断熱パネルにおい
   て、前記熱溶着面よりさらに外側にある前記外包材の面
   を真空排気しながら熱溶着して封じることにより、外包
   材の熱溶着面を二重にすることで設けた真空領域で前記
   真空断熱パネルを取り囲む構造を有することを特徴とす
   る真空断熱パネル。