JPH11132264A - 無励磁作動型電磁ブレーキ - Google Patents

無励磁作動型電磁ブレーキ

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JPH11132264A
JPH11132264A JP9295669A JP29566997A JPH11132264A JP H11132264 A JPH11132264 A JP H11132264A JP 9295669 A JP9295669 A JP 9295669A JP 29566997 A JP29566997 A JP 29566997A JP H11132264 A JPH11132264 A JP H11132264A
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coupling
friction plate
field
fastening
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Yoshiyuki Ikuta
圭志 生田
Hiroyuki Uehigashi
宏之 上東
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カップリングの締結部の弾性変形によってト
ルク伝達部に歪みを生じないようにした無励磁作動型電
磁ブレーキを提供する。 【解決手段】 電磁コイル7を内蔵するフィールド4に
取り付けられたプレート8と前記プレート側にばね付勢
されたアーマチュア11との間に挟まれて制動される摩
擦板12が、第1の回転軸6と第2の回転軸13とを連
結するカップリング14の外周面に形成された鍔状のト
ルク伝達部14Gに軸方向に変位可能且つ一体に回転す
るように保持されている。カップリングには前記トルク
伝達部と、これに軸方向に隣接する締結部14Eとの間
において、軸方向と直交したスリットS1が径方向に切
込み形成されており、前記締結部のスリットG1を横断
する締結ねじ15Aの締付時に前記締結部に生じる弾性
変形でトルク伝達部が歪むことを防止している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2つの軸どうしを
連結するカップリングを有し、非通電時にカップリング
とともに両軸を制動し、通電時に制動を開放する無励磁
作動型電磁ブレーキに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ねじ駆動式の直線作動機等には、
モータ軸等の駆動軸と従動軸との間を連結するカップリ
ングを有し、前記カップリングを介してこれらの軸を制
動するようにした無励磁作動型電磁ブレーキが広く用い
られている。
【0003】図6は、従来のこの種の電磁ブレーキの一
例を示すものであって、電磁ブレーキA1は、そのフィ
ールドA2の外周面に設けられている取付フランジA3
が、機枠A4の取付面A5とモータA6の連結フランジ
A7との間に介装されて、モータA6とともに取付ボル
トA8で機枠A4に締結固定されている。フィールドA
2には電磁コイルA9が内蔵され、また、中心部には貫
通孔A10が形成されていて、前記貫通孔A10をモー
タ軸A11が貫通して機枠内へ突出している。
【0004】また、前記フィールドA2には、機枠A4
内に面した端面と所定の隙間をあけて対向するように環
状のプレートA12が固定されていて、前記隙間内には
アーマチュアA13と摩擦板A14が配置されている。
【0005】アーマチュアA13は、図示していないば
ねによって常時プレートA12側に付勢されて摩擦板A
14を前記プレートA12との間で挟圧しており、電磁
コイルA9に通電されたときに、アーマチュアA13が
前記電磁コイルA9の生成する磁力で前記ばねの付勢力
に抗してフィールドA2に吸引され、摩擦板A14の挟
圧を開放するようになっている。
【0006】一方、機枠内には、モータ軸A11の先端
と同軸に対向して従動軸A15が配置されており、これ
らの軸どうしは、一体に回転するようにカップリングA
16で連結されている。
【0007】前記カップリングA16には、軸方向両端
部分に外周面と内周面との間を半径方向に亘って形成さ
れたスリットG1,G2を有する締結部A17,A18
が設けられており、これらのスリットG1,G2を横断
する締結ねじA19,A20をそれぞれ締め付けること
によって、これらの締結部A17,A18は弾性変形し
て、モータ軸A11と従動軸A15を締め付けて一体に
連結するようになっている。
【0008】カップリングA16の締結部A17側の端
部には、鍔状のトルク伝達部A21が一体に形成されて
いて、前記トルク伝達部A21の外周で環状の摩擦板A
14を保持している。
【0009】トルク伝達部A21の外周面と摩擦板A1
4の内周面は、互いに係合してカップリングA16に対
して摩擦板A14の回転を規制し、軸方向変位のみを許
容する形状の係合面となっていて、例えば、スプライン
状の歯形や多角形状の断面形状に形成されている。
【0010】前述した電磁ブレーキA1は、モータA6
の停止時には通電されておらず、摩擦板A14はプレー
トA12とアーマチュアA13との間で挟圧されて制動
保持され、カップリングA16で連結されているモータ
軸A11と従動軸A15の回転は阻止されている。
【0011】そして、モータA6の起動直前に電磁ブレ
ーキA1へ通電されると、摩擦板A14は開放され、モ
ータ軸A11の回転が開始されると、カップリングA1
6を介して従動軸A15へ回転が伝達される。
【0012】前記電磁ブレーキA1においては、締結ね
じA19,A20を駆動側と従動側各一本ずつカップリ
ングA16の軸方向と直角方向から締め付けてモータ軸
A11と従動軸A15とを締結する構造であるため、カ
ップリングA16の締結作業時の作業性が良く、また、
軸方向の作業スペースを広く確保しなくて済む長所があ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような従来の無励磁作動型電磁ブレーキにおいては、
トルク伝達部がカップリングのモータ軸側の締結部の端
部外周に一体に形成されていたため、カップリングへモ
ータ軸を締結する締結ねじの締め付けによってトルク伝
達部側の締結部が弾性変形すると、トルク伝達部に歪み
が発生し、トルク伝達部の外周面で形成されている係合
面の形状に狂いが生じて、摩擦板の軸方向移動に支障が
生じたり、摩擦板内周に形成されている係合面との間の
バックラッシュ量が変動して、運転時に異音を発生する
原因となる問題があった。
【0014】そこで、本発明は、前述したような従来技
術における問題を解決し、カップリングの締結部の弾性
変形によってトルク伝達部に歪みを生じないようにした
無励磁作動型電磁ブレーキを提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記目的のため、本発明
の無励磁作動型電磁ブレーキの第1のものは、電磁コイ
ルを内蔵し中心部に第1の回転軸を通す貫通孔が形成さ
れているフィールドと、前記フィールドの一方の端面に
対して所定の隙間をあけて固定されたプレートと、前記
隙間内にプレートと隣接して配置された摩擦板と、前記
摩擦板とフィールドとの間に配置され、付勢部材によっ
て前記電磁コイルの非通電時には摩擦板に押し付けら
れ、電磁コイルの通電時には前記付勢部材の付勢力に抗
してフィールド側へ吸着移動されるアーマチュアと、前
記摩擦板を軸方向に変位可能且つ一体に回転するように
保持する鍔状のトルク伝達部を外周面に有するととも
に、前記第1の回転軸を第2の回転軸に連結するカップ
リングとを備えている。
【0016】そして、前記カップリングには、第1の回
転軸と第2の回転軸とを同軸に対向させて嵌合する軸孔
が形成され、第1の回転軸と第2の回転軸が嵌合する位
置には、軸方向に平行したスリットがカップリング外周
面と軸孔内周面との間に亘って半径方向に切込み形成さ
れた締結部がそれぞれ設けられ、これらのスリットを横
断して締結ねじが設けられているとともに、トルク伝達
部とこれに軸方向に隣接する締結部との間には、締結ね
じの締付時に生じる前記締結部の弾性変形でトルク伝達
部が歪むことを防止するための軸方向と直交するスリッ
トが径方向に切込み形成されている。
【0017】また、本発明の無励磁作動型電磁ブレーキ
の第2のものは、電磁コイルを内蔵し中心部に第1の回
転軸を通す貫通孔が形成されているフィールドと、前記
フィールドの一方の端面に対して所定の隙間をあけて固
定されたプレートと、前記隙間内にプレートと隣接して
配置された摩擦板と、前記摩擦板とフィールドとの間に
配置され、付勢部材によって前記電磁コイルの非通電時
には摩擦板に押し付けられ、電磁コイルの通電時には前
記付勢部材の付勢力に抗してフィールド側へ吸着移動さ
れるアーマチュアと、前記摩擦板を軸方向に変位可能且
つ一体に回転するように保持する、中心孔が形成された
円板状のトルク伝達部が一方の端面に取り付けられ、前
記第1の回転軸を第2の回転軸に連結するカップリング
とを備えている。
【0018】そして、前記カップリングには、第1の回
転軸と第2の回転軸とを同軸上に対向させて嵌合する軸
孔が形成され、第1の回転軸と第2の回転軸が嵌合する
位置には、軸方向に平行したスリットがカップリング外
周面と軸孔内周面との間に亘って半径方向に切込み形成
された締結部がそれぞれ設けられ、これらのスリットを
横断して締結ねじが設けられているとともに、前記トル
ク伝達部は、隣接する締結部のスリットと第1の回転軸
を挟んで径方向に反対側の位置でカップリング端面にね
じ止めされている。
【0019】また、本発明の無励磁作動型電磁ブレーキ
の第3のものは、電磁コイルを内蔵し中心部に第1の回
転軸を通す貫通孔が形成されているフィールドと、前記
フィールドの一方の端面に対して所定の隙間をあけて固
定されたプレートと、前記隙間内にプレートと隣接して
配置された摩擦板と、前記摩擦板とフィールドとの間に
配置され、付勢部材によって前記電磁コイルの非通電時
には摩擦板に押し付けられ、電磁コイルの通電時には前
記付勢部材の付勢力に抗してフィールド側へ吸着移動さ
れるアーマチュアと、前記摩擦板を軸方向に変位可能且
つ一体に回転するように保持する鍔状のトルク伝達部を
外周面に有するとともに、第1の回転軸に外嵌される弾
性変形が容易な薄肉筒部を有するブレーキハブと、前記
ブレーキハブを介してに第1の回転軸を第2の回転軸に
連結するカップリングとを備えている。
【0020】そして、前記カップリングには第1の回転
軸に外嵌されている薄肉筒部外周面が嵌合する軸孔と第
2の回転軸を第1の回転軸と同軸上に対向して嵌合する
軸孔が形成され、薄肉筒部と第2の回転軸が嵌合する位
置には、軸方向に平行したスリットがカップリング外周
面と軸孔内周面との間に亘って半径方向に切込み形成さ
れた締結部がそれぞれ設けられ、これらの締結部にはス
リットを横断して締結ねじが設けられている。
【0021】さらに、本発明の無励磁作動型電磁ブレー
キの第4のものは、電磁コイルを内蔵し中心部に第1の
回転軸を通す貫通孔が形成されているフィールドと、前
記フィールドの一方の端面に対して所定の隙間をあけて
固定されたプレートと、前記隙間内にプレートと隣接し
て配置された摩擦板と、前記摩擦板とフィールドとの間
に配置され、付勢部材によって前記電磁コイルの非通電
時には摩擦板に押し付けられ、電磁コイルの通電時には
前記付勢部材の付勢力に抗してフィールド側へ吸着移動
されるアーマチュアと、前記摩擦板を軸方向に変位可能
且つ一体に回転するように保持する鍔状のトルク伝達部
を軸方向中央部外周に有するとともに、フィールドの貫
通孔内に突出して第1の回転軸に嵌合固定されるボス部
と、前記トルク伝達部に対して前記ボス部と反対側に形
成された筒軸部とを有するブレーキハブと、前記ブレー
キハブを介して第1の回転軸を第2の回転軸に連結する
カップリングとを備えている。
【0022】前記カップリングにはブレーキハブの筒軸
部外周面が嵌合する軸孔と前記ブレーキハブが固定され
た第1の回転軸と同軸上で第2の回転軸が嵌合する軸孔
が形成され、筒軸部と第2の回転軸が嵌合する位置に
は、軸方向に平行したスリットがカップリング外周面と
軸孔内周面との間に亘って半径方向に切込み形成された
締結部がそれぞれ設けられ、これらの締結部にはスリッ
トを横断して締結ねじが設けられている。
【0023】
【作用】本発明の無励磁作動型電磁ブレーキの第1のも
のでは、カップリング外周に形成されているトルク伝達
部と軸方向に隣接する締結部の締結ねじを締め付ける
と、締結ねじが横断しているスリットの間隔が狭まるよ
うに締結部周辺に弾性変形が生じるが、トルク伝達部と
前記締結部との間に形成されているカップリング径方向
に切込み形成されている軸方向と直交するスリットによ
って前記弾性変形はトルク伝達部へ伝達されず、摩擦版
保持部の歪みは防止される。
【0024】また、本発明の無励磁作動型電磁ブレーキ
の第2のものでは、トルク伝達部がカップリングと別体
になっており、また、前記トルク伝達部が隣接する締結
部のスリットと第1の回転軸を挟んで径方向に反対側の
位置でカップリング端面にねじ止めされているため、前
記締結部の締結ねじを締め付けたときにカップリングに
生じる弾性変形はトルク伝達部には伝達されることがな
く、その歪みは防止される。
【0025】また、本発明の無励磁作動型電磁ブレーキ
の第3のものでは、カップリングの軸孔内に嵌合してい
るブレーキハブの薄肉筒部は、締結ねじの締付け時に
は、前記軸孔内周面で径方向から押し付けられるが、そ
の内部に第1の回転軸が嵌合しているため変形量は少な
く、しかも、弾性変形し易く形成されているため、薄肉
筒部に生じる弾性変形がトルク伝達部に伝達されること
がなく、その歪みは防止される。
【0026】さらに、本発明の無励磁作動型電磁ブレー
キの第4のものでは、トルク伝達部が形成されているブ
レーキハブの筒軸部外周面がカップリングの軸孔内に嵌
合されて締結ねじで締付固定される際に、前記締結ねじ
が横断する締結部のスリット間隔が狭って締結部周辺に
弾性変形による歪みが生じるが、ブレーキハブはカップ
リングと別体でありその筒軸部のみがカップリングの軸
孔内周面両側から締付け力を受けるだけであるので、ト
ルク伝達部に歪みを生じることはない。
【0027】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図1は、本発明の無励磁作動型電磁ブレーキ(以
下、単に電磁ブレーキという。)の第1実施例を示す断
面図であって、電磁ブレーキ1は、モータ2と前記モー
タ2が固定される機枠3の間に配置され、フィールド4
の取付フランジ4Aが機枠3の取付面3Aとモータ2の
前端部に設けられている連結フランジ2Aとの間に介装
されて、複数の取付ボルト5によってモータ2とともに
機枠3に固定されている。
【0028】フィールド4の中心部には、第1の回転軸
としてのモータ軸6が貫通する貫通孔4Bが形成され、
またフィールド4の内部には電磁コイル7が組み込まれ
ている。
【0029】フィールド4の連結フランジ2A側の端面
と反対側の端面に対向して、環状のプレート8が円周方
向に複数配置された取付ボルト9によって固定されてお
り、フィールド4とプレート8間は、前記取付ボルト9
に外嵌されているカラー10によって所定の隙間があけ
られている。
【0030】前記隙間内には、アーマチュア11と摩擦
板12が配置されている。アーマチュア11は、磁性材
料によって円板状に形成され、その中央部にモータ軸6
が貫通する貫通孔11Aを有し、その外周部分に設けら
れているガイド孔11Bに前記取付ボルト9のカラー1
0が摺動自在に挿通されて、モータ軸6の軸線と平行に
移動可能に支持されている。
【0031】また、アーマチュアは図示していない圧縮
コイルばね等の付勢部材によってプレート8側に付勢さ
れていて、電磁コイル7に通電されてフィールド4が励
磁された時だけ、前記付勢部材に抗してフィールド4側
に吸着移動されるようになっている。
【0032】また、電磁ブレーキ1は、モータ軸6と機
枠3内部に設けられている第2の回転軸としての従動軸
13とを連結するカップリング14を備えている。前記
カップリング14は、軸方向に連続した駆動側カップリ
ングハブ部14Aと従動側カップリングハブ部14Bか
ら構成されていて、駆動側カップリングハブ部14Aの
中心部にはモータ軸6が嵌合される軸孔14Cが形成さ
れ、また、従動側カップリングハブ部の中心部14Bに
は、従動軸13が前記モータ軸6と同軸に嵌合される軸
孔14Dが形成されている。
【0033】また、駆動側カップリングハブ部14Aと
従動側カップリングハブ部14Bにはそれぞれ締結部1
4E,14Fが隣接して設けられている。これらの締結
部14E,14Fにはそれぞれカップリング14の外周
面から軸孔14C,14Dの内周面に亘って軸方向に平
行なスリットG1,G2が半径方向に切込み形成され、
また、これらのスリットG1,G2を横断して締結ねじ
15A,15Bが設けられている。
【0034】それぞれの締結部14E,14Fの軸方向
両側には、カップリング14の外周面の一側から、軸方
向と直交するスリットS1,S2,S3が径方向に切込
み形成されていて、前記2つの締結ねじ15A,15B
を締め付けるとスリットG1及びスリットG2がそれぞ
れ狭まるように締結部14E,14Fが弾性変形して、
カップリングハブ14がモータ軸6と従動軸13間を締
結固定する構造になっている。
【0035】カップリング14の駆動側カップリングハ
ブ部14A側の端部外周には、プレート8を貫通して前
記摩擦板12を保持するトルク伝達部14Gが一体に形
成されている。前記トルク伝達部14Gの外周面の輪郭
は、スプライン状や多角形状の非円形断面形状となって
いる。
【0036】また、摩擦板12の内周面の輪郭は、トル
ク伝達部14Gの外周面の輪郭に適合した非円形断面形
状となっていて、前記トルク伝達部14Gの外周面と摩
擦板12の内周面とは相対回転が規制された状態で嵌合
し、トルク伝達部14Gに対して摩擦板12は軸方向移
動のみが可能となっている。
【0037】前述したように構成されている電磁ブレー
キ1は、モータ2に通電されていないときにはフィール
ド4に内蔵されている電磁コイル7にも通電されておら
ず、アーマチュア11は付勢部材の付勢力で摩擦板12
側に押し付けられており、摩擦板12はアーマチュア1
1とプレート8との間に挟み込まれて相互の摩擦力によ
って制動され、摩擦板12とトルク伝達部14Gで嵌合
しているカップリング14を介して、モータ軸6と従動
軸の回転は阻止されている。
【0038】そして、モータ2への電源の投入直前に電
磁コイル7が通電されると、フィールド4は励磁されて
付勢部材の付勢力に抗してアーマチュア11を吸着移動
し、アーマチュア11とプレート8との間に挟まれてい
た摩擦板12は開放されて、モータ軸6は回転を開始
し、その回転はカップリング14介して従動軸13に伝
達される。
【0039】この実施例においては、カップリング14
の締結部14Eとトルク伝達部14Gとの間にスリット
S1が形成されているため、締結ねじ15Aを締め付け
たときに締結部14Eに生じる弾性変形はトルク伝達部
14Gには伝達されず、トルク伝達部14Gに歪みを生
じて摩擦板の軸方向移動に支障が生じたり、摩擦板内周
に形成されている係合面との間のバックラッシュ量が変
動して、運転時に異音を発生したりする恐れがない。
【0040】次に、図2は、本発明の無励磁作動型電磁
ブレーキの第2実施例を示す断面図であって、その動作
自体は前述した第1実施例のものと同じであり、前記実
施例の電磁ブレーキ1の各部分と対応する部分について
は、図1中のものと同一の番号で示している。
【0041】この実施例の電磁ブレーキ1Aは、モータ
軸6との締結部14Eと従動軸13との締結部14Fが
それぞれカップリング14の軸方向両端部に配置されて
おり、前記締結部14Eより軸方向中央寄りの外周部分
に、トルク伝達部14Gが形成されている。
【0042】また、本実施例のものは、図1における、
駆動側カップリングハブ部14Aと従動側カップリング
ハブ部14B間に形成されているスリットS2に相当す
るものはなく、図2に示すように、カップリング14の
それぞれの締結部14E,14Fに対応して軸方向と直
交するスリットT1とT2が径方向に切込み形成されて
いる。
【0043】この実施例では、スリットT1とスリット
T2によって、締結ねじ15A,15Bを締め付けたと
きに締結部14E,14Fにそれぞれ生じる弾性変形が
トルク伝達部14Gに伝達されないようにしている。
【0044】次に、図3は、本発明の無励磁作動型電磁
ブレーキの第3実施例を示す断面図であって、同図に示
す電磁ブレーキ1Bは、カップリング14とは別部品と
して構成されているトルク伝達部16を有している。な
お、図2中の番号と同一番号の部分は、前述した第2実
施例の電磁ブレーキ1Aとほぼ同一構造となっている。
【0045】前記トルク伝達部16は、中心孔が形成さ
れた円板状に形成されていてモータ軸6に外嵌され、ま
たその外周面に対して摩擦板12の内周面は相対回転が
規制され、軸方向変位のみ可能に係合されている。
【0046】また、前記締結部14EのスリットG1が
形成されている側とモータ軸6を挟んで径方向の反対側
で、カップリング14のフィールド4側の端面に止ねじ
17で固定され、締結部14EのスリットG1側か締結
ねじ15Aの締め付けによって弾性変形しても、トルク
伝達部16に歪みが生じないようになっている。
【0047】この実施例のものは、トルク伝達部16が
カップリング14と別体となっているため、前述した図
1及び図2のものと比較して、部品点数は多いが、カッ
プリング14の外周面が単純な円筒面となり、また、ト
ルク伝達部16は扁平な環状となるため、それぞれの部
品の機械加工は容易であり、カップリング14の一部に
トルク伝達部を一体に機械加工して形成するよりも加工
コストを安くできる長所を有する。
【0048】次に、図4は、本発明の無励磁作動型電磁
ブレーキの第4実施例を示す断面図であって、この実施
例における電磁ブレーキ1Cは、カップリング14とは
別体に設けられたブレーキハブ18を有している。前記
ブレーキハブ18は、弾性変形が容易な薄肉筒部18A
と前記薄肉筒部18Aの一端に一体に連続形成されてい
る鍔状のトルク伝達部18Bから構成されている。
【0049】前記薄肉筒部18Aは、先端側内周に形成
されている段部18Cがモータ軸6の端面に当接してモ
ータ軸6に対して軸方向に位置決めされた状態でモータ
軸6とカップリング14の軸孔14Cとの間に嵌入さ
れ、締結部14Eの締結ねじ15Aを締め付けることに
よって、前記薄肉筒部18が弾性変形してモータ軸6へ
カップリング14とともに摩擦固定されるようになって
いる。
【0050】締結ねじ15Aの締付け時に、締結部14
EのスリットG1近傍の弾性変形に伴って、ブレーキハ
ブ18の薄肉筒部18Aにも弾性変形が生じるが、薄肉
筒部18Aは、トルク伝達部18Bと比較して薄肉で弾
性変形しやすく形成されているため、その変形に伴って
トルク伝達部18Bが歪むことはない。
【0051】なお、モータ軸6に対するブレーキハブ1
8の軸方向の位置決めは、薄肉筒部18に段部18Cを
形成せずに、他の方法で行ってもよく、例えば、モータ
軸6を段付軸としたり、モータ軸6の外周面に環状溝を
形成して止め輪を装着し、前記止め輪にブレーキハブ1
8を当接させて行うこともできる。
【0052】また、本実施例の電磁ブレーキ1Cにおい
ても、前述した第3実施例のものと同様にカップリング
14の外周面は単純な円筒面に形成されており、機械加
工が容易となる長所を有する。
【0053】また、ブレーキハブ18は、図3の扁平な
環状に形成されているトルク伝達部16よりも形状は複
雑になるが、締結ねじ15Aを締付けるだけでカップリ
ング14とともにモータ軸への組付けができるため、組
立作業が容易となる長所を有する。
【0054】さらに、図5は本発明の無励磁作動型電磁
ブレーキの第5実施例を示す断面図であって、この実施
例の電磁ブレーキ1Dでは、カップリング14がそれぞ
れ独立した駆動側カップリングハブ部14Aと従動側カ
ップリングハブ部14Bから構成されている。
【0055】駆動側カップリングハブ部14Aと従動側
カップリングハブ部14Bには、それぞれフランジ部1
4Hとフランジ部14Iが対向して設けられており、こ
れらのフランジ部14H,14Iの間には、薄い円環状
の板ばね19が配置されている。
【0056】それぞれのフランジ部14H,14Iと板
ばね19との間は、円周方向に複数箇所配置された締結
部材20で交互に結合されてこれらのフランジ部14
H,14Iどうしが可撓性を持たせて連結され、取付誤
差によるモータ軸6と従動軸13との間の軸線の微少な
傾きを吸収できるようにしている。
【0057】この実施例の電磁ブレーキ1Dにおいて
も、前述した第4実施例のものと同様に、カップリング
14と独立した部品となっているブレーキハブ21が用
いられている。
【0058】前記ブレーキハブ21は、その軸方向中間
部外周に鍔状のトルク伝達部21Aが形成され、一方の
端部は先細りテーパ状に形成されているモータ軸6に外
嵌されるボス部21Bとなっており、また、他方の端部
は、駆動側カップリングハブ部14Aが外嵌される中空
の筒軸部21Cとなっていて、モータ軸6の先端に螺着
されるナット22で抜止めされた状態で半月キー23で
回転止めされている。
【0059】本実施例においては、ブレーキハブ21の
筒軸部21Cは、駆動側カップリングハブ部14Aに設
けられている締付ボルト15Aを締付けたときに弾性変
形してトルク伝達部21Aに歪みを生じることのないよ
うに、肉厚を十分厚く形成されている。
【0060】この実施例の電磁ブレーキ1Dは、モータ
軸6の突出長さが短く、フィールド4の貫通孔4Bを貫
通させてその先端に駆動側カップリングハブ部14Aを
直接固定できない場合に用いることができる。
【0061】また、本実施例では、カップリング14を
駆動側カップリングハブ部14Aと従動側カップリング
ハブ部14Bに分離可能に構成しているが、前述した第
1〜第3実施例のもののように、単一部品として一体に
形成してもよい。
【0062】なお、前述した第1〜第5実施例において
は、第1の回転軸をモータ軸としたが、第1の回転軸は
減速機等の出力軸であってもよい。さらに、第1の回転
軸が従動側で、第2の回転軸が駆動側であってもよい。
【0063】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の無励磁
作動型電磁ブレーキによれば、カップリングの締結ねじ
を締め付けたときに、締結部の弾性変形によって、摩擦
板と係合しているトルク伝達部に歪みを生じることがな
く、摩擦板の軸方向移動を円滑に行うことができるた
め、制動ならびに開放動作を確実に行うことができる。
また、トルク伝達部外周の係合面と摩擦板内周の係合面
間のバックラッシュ量が一定に維持できるため、運転中
の異音の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の無励磁作動型電磁ブレーキの第1実
施例を示す断面図。
【図2】 本発明の無励磁作動型電磁ブレーキの第2実
施例を示す断面図。
【図3】 本発明の無励磁作動型電磁ブレーキの第3実
施例を示す断面図。
【図4】 本発明の無励磁作動型電磁ブレーキの第4実
施例を示す断面図。
【図5】 本発明の無励磁作動型電磁ブレーキの第5実
施例を示す断面図。
【図6】 従来の無励磁作動型電磁ブレーキの一例を示
す断面図。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C,1D 電磁ブレーキ 2 モータ 2A
連結フランジ 3 機枠 3A
取付面 4 フィールド 4A
取付フランジ 4B 貫通孔 5
取付ボルト 6 モータ軸(第1の回転軸) 7 電磁コイル 8
プレート 9 取付ボルト 10
カラー 11 アーマチュア 11A
貫通孔 11B ガイド孔 12
摩擦板 13 従動軸(第2の回転軸) 14 カップリング 14A 駆動側カップリングハブ部 14B 従動側カップリングハブ部 14C,14D 軸孔 14E,14F 締結部 14G トルク伝達部 15A,15B
締結ねじ 16 トルク伝達部 16A
ねじ貫通孔 17 止ねじ 18
ブレーキハブ 18A トルク伝達部 18B
薄肉筒部 18C 段部 19
板ばね 20 連結ボルト 21
ブレーキハブ 21A トルク伝達部 21B
ボス部 21C 筒軸部 22
ナット 23 半月キー G1,G2,S1,S2,S3,T1,T2 スリッ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁コイルを内蔵し中心部に第1の回転
    軸を通す貫通孔が形成されているフィールドと、 前記フィールドの一方の端面に対して所定の隙間をあけ
    て固定されたプレートと、 前記隙間内にプレートと隣接して配置された摩擦板と、 前記摩擦板とフィールドとの間に配置され、付勢部材に
    よって前記電磁コイルの非通電時には摩擦板に押し付け
    られ、電磁コイルの通電時には前記付勢部材の付勢力に
    抗してフィールド側へ吸着移動されるアーマチュアと、 前記摩擦板を軸方向に変位可能且つ一体に回転するよう
    に保持する鍔状のトルク伝達部を外周面に有するととも
    に、前記第1の回転軸を第2の回転軸に連結するカップ
    リングとを備え、 前記カップリングには、第1の回転軸と第2の回転軸と
    を同軸に対向させて嵌合する軸孔が形成され、第1の回
    転軸と第2の回転軸が嵌合する位置には、軸方向に平行
    したスリットがカップリング外周面と軸孔内周面との間
    に亘って半径方向に切込み形成された締結部がそれぞれ
    設けられ、これらの締結部にはスリットを横断して締結
    ねじが設けられているとともに、 トルク伝達部とこれに軸方向に隣接する締結部との間に
    は、締結ねじの締付時に生じる前記締結部の弾性変形で
    トルク伝達部が歪むことを防止するための軸方向と直交
    するスリットが径方向に切込み形成されていることを特
    徴とする無励磁作動型電磁ブレーキ。
  2. 【請求項2】 電磁コイルを内蔵し中心部に第1の回転
    軸を通す貫通孔が形成されているフィールドと、 前記フィールドの一方の端面に対して所定の隙間をあけ
    て固定されたプレートと、 前記隙間内にプレートと隣接して配置された摩擦板と、 前記摩擦板とフィールドとの間に配置され、付勢部材に
    よって前記電磁コイルの非通電時には摩擦板に押し付け
    られ、電磁コイルの通電時には前記付勢部材の付勢力に
    抗してフィールド側へ吸着移動されるアーマチュアと、 前記摩擦板を軸方向に変位可能且つ一体に回転するよう
    に保持する、中心孔が形成された円板状のトルク伝達部
    が一方の端面に取り付けられ、前記第1の回転軸を第2
    の回転軸に連結するカップリングとを備え、 前記カップリングには、第1の回転軸と第2の回転軸と
    を同軸上に対向させて嵌合する軸孔が形成され、第1の
    回転軸と第2の回転軸が嵌合する位置には、軸方向に平
    行したスリットがカップリング外周面と軸孔内周面との
    間に亘って半径方向に切込み形成された締結部がそれぞ
    れ設けられ、これらの締結部にはスリットを横断して締
    結ねじが設けられているとともに、 前記トルク伝達部は、隣接する締結部のスリットと第1
    の回転軸を挟んで径方向に反対側の位置でカップリング
    端面にねじ止めされていることを特徴とする無励磁作動
    型電磁ブレーキ。
  3. 【請求項3】 電磁コイルを内蔵し中心部に第1の回転
    軸を通す貫通孔が形成されているフィールドと、 前記フィールドの一方の端面に対して所定の隙間をあけ
    て固定されたプレートと、 前記隙間内にプレートと隣接して配置された摩擦板と、 前記摩擦板とフィールドとの間に配置され、付勢部材に
    よって前記電磁コイルの非通電時には摩擦板に押し付け
    られ、電磁コイルの通電時には前記付勢部材の付勢力に
    抗してフィールド側へ吸着移動されるアーマチュアと、 前記摩擦板を軸方向に変位可能且つ一体に回転するよう
    に保持する鍔状のトルク伝達部を外周面に有するととも
    に、第1の回転軸に外嵌される弾性変形が容易な薄肉筒
    部を有するブレーキハブと、 前記ブレーキハブを介してに第1の回転軸を第2の回転
    軸に連結するカップリングとを備え、 前記カップリングには第1の回転軸に外嵌されている薄
    肉筒部外周面が嵌合する軸孔と第2の回転軸を第1の回
    転軸と同軸上に対向して嵌合する軸孔が形成され、薄肉
    筒部と第2の回転軸が嵌合する位置には、軸方向に平行
    したスリットがカップリング外周面と軸孔内周面との間
    に亘って半径方向に切込み形成された締結部がそれぞれ
    設けられ、これらの締結部にはスリットを横断して締結
    ねじが設けられていることを特徴とする無励磁作動型電
    磁ブレーキ。
  4. 【請求項4】 電磁コイルを内蔵し中心部に第1の回転
    軸を通す貫通孔が形成されているフィールドと、 前記フィールドの一方の端面に対して所定の隙間をあけ
    て固定されたプレートと、 前記隙間内にプレートと隣接して配置された摩擦板と、 前記摩擦板とフィールドとの間に配置され、付勢部材に
    よって前記電磁コイルの非通電時には摩擦板に押し付け
    られ、電磁コイルの通電時には前記付勢部材の付勢力に
    抗してフィールド側へ吸着移動されるアーマチュアと、 前記摩擦板を軸方向に変位可能且つ一体に回転するよう
    に保持する鍔状のトルク伝達部を軸方向中央部外周に有
    するとともに、フィールドの貫通孔内に突出して第1の
    回転軸に嵌合固定されるボス部と、前記トルク伝達部に
    対して前記ボス部と反対側に形成された筒軸部とを有す
    るブレーキハブと、 前記ブレーキハブを介して第1の回転軸を第2の回転軸
    に連結するカップリングとを備え、 前記カップリングにはブレーキハブの筒軸部外周面が嵌
    合する軸孔と前記ブレーキハブが固定された第1の回転
    軸と同軸上で第2の回転軸が嵌合する軸孔が形成され、
    筒軸部と第2の回転軸が嵌合する位置には、軸方向に平
    行したスリットがカップリング外周面と軸孔内周面との
    間に亘って半径方向に切込み形成された締結部がそれぞ
    れ設けられ、これらの締結部にはスリットを横断して締
    結ねじが設けられていることを特徴とする無励磁作動型
    電磁ブレーキ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009275903A (ja) * 2008-05-19 2009-11-26 Isel Co Ltd 軸継手
JP2018107942A (ja) * 2016-12-27 2018-07-05 野村ユニソン株式会社 1軸アクチュエータ

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