JPH11130088A - バッグインボックス用内袋 - Google Patents
バッグインボックス用内袋Info
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Abstract
が熱融着することのない多重構造のバッグインボックス
用内袋を提供すること。 【構成】フィルム群において他のフィルムと隣接する層
33、41にアンチブロッキング剤Aを0.4〜10.
0重量%添加することによって、フィルム表面に凸部を
生じさせ、フィルム同士が熱融着することを防止する。
Description
(Bag in Box)用の内袋に関する。詳しく
は、二枚以上のフィルムからなるフィルム群を二組用意
し、一方のフィルム群にスパウトを取り付けた後、二組
のフィルム群を重ねて周囲をヒートシールすることによ
って得られる、いわゆる多重構造であるバッグインボッ
クス用内袋に関する。
グインボックスがしばしば用いられている。バッグイン
ボックスとは、折り畳み可能なプラスチックフィルム等
からなる内袋と、該内袋を収容する段ボール等の外箱か
らなるものであり、内容物を充填していない際は容器を
コンパクトに折り畳むことが可能なため、缶や瓶のよう
な従来の液体容器と比較すると、輸送が簡単で廃棄処分
も容易であるというメリットを有している。しかしなが
ら、バッグインボックスは缶や瓶と比較すると強度面で
不安があり、特に輸送時の振動や直接的な衝撃によって
内袋にピンホールが発生し、ここから液体が漏れ出すこ
とがあった。そこでフィルムを複数枚重ねたフィルム群
を二組用意し、一方のフィルム群にスパウトを取り付け
た後、二組のフィルム群を重ねて周囲をヒートシールし
た内袋(以下、多重内袋と称す。)が用いられるように
なった。該多重内袋は、複数のフィルムで液体を包んで
いるため、例え一枚のフィルムにピンホールが発生して
も他のフィルムによって液体が外にまで漏れ出すことを
防止できるのである。
80〜98℃といった高温の状態で包装資材に充填する
“ホット充填”と呼ばれる充填法が用いられているが、
前述した多重内袋は常温では液漏れを防止できるが、ホ
ット充填に不向きであった。なぜならば、多重内袋に高
温の液体を充填すると内容物の熱によってフィルム表面
が溶融し、隣接するフィルム同士が熱融着し、該熱融着
部分からピンホールが発生したり、破袋することがある
からである。尚、熱融着は樹脂密度を高くすることによ
ってある程度は防止できるが、この場合基材フィルムが
硬くなり、耐ピンホール性が悪化する。一方、直鎖状低
密度ポリエチレン樹脂のように耐ピンホール性に優れた
樹脂は、融点が低いために熱融着の問題が特に深刻であ
った。
する課題は、多重構造のバッグイッンボックス用内体に
おいて、例え高温の液体を充填しても隣接するフィルム
同士が熱融着することのない内袋を提供することであ
る。
を解決するための手段として、少なくとも二枚以上のフ
ィルムからなるフィルム群を重ね合わせ、周囲をヒート
シールした袋であって、フィルム群において他のフィル
ムと接する層がアンチブロッキング剤を0.4〜10.
0重量%含有していることを特徴とするバッグインボッ
クス用内袋が提供され、また、前記フィルム群において
他のフィルムと接する層がアンチブロッキング剤を0.
4〜2.0重量%含有していることを特徴する前記バッ
グインボックス用内袋が提供され、更に、前記フィルム
群において他のフィルムと接する層が、密度0.930
g/cm3以下の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂からなるこ
とを特徴とする前記バッグインボックス用内袋が提供さ
れ、更にまた、前記バッグインボックス用内袋が、液体
を80〜98℃の状態で充填する用途に用いられること
を特徴とする前記バッグインボックス用内袋が提供され
る。
ックス用内袋の、フィルム群2におけるフィルム3、4
が接する部分の断面を示した拡大図である。本発明によ
ると、他のフィルムと隣接する層33及び層41はアン
チブロッキング剤Aが0.4〜10.0重量%添加され
ているため、フィルム表面にはアンチブロッキング剤A
による凸部分が生じ、フィルム同士が熱融着することが
防止される。
に説明する。図2は、本発明によるバッグインボックス
の一実施例を表す断面図である。本発明によるバッグイ
ンボックス用内袋1を構成する各フィルムの樹脂原料は
特に限定されず、例えば直鎖状低密度ポリエチレン樹脂
や低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−ビニル
アルコール共重合体樹脂等のポリエチレン系樹脂や、ポ
リプロピレン系樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂
等、プラスチックフィルムの材料として通常用いられて
いるものであれば特に限定無く使用することができ、こ
れらをブレンド、又は積層したものであっても良い。し
かしながら、耐寒性、耐衝撃強度、耐ピンホール性等を
考慮すると、各フィルムが密度0.930g/cm3以下の
直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂からなる層を有してい
ることが好ましい。
1は、フィルム群2において他のフィルムと接する層
(図2においては層33及び層41)に、アンチブロッ
キング剤が0.4〜10.0重量%、好ましくは0.4
〜2.0重量%添加されている。アンチブロッキング剤
としては通常用いられているシリカ系、シリコーン系、
ゼオライト系、タルク、球状メチルメタクリレート等が
使用できる。また、添加量は発明の目的を達成するため
に0.4〜10.0重量%(通常の合成樹脂に対するア
ンチブロッキング剤の添加量は0.1〜0.3重量%)
必要で、0.4重量%未満の場合は耐熱融着性の発現が
不十分となる。一方、添加量が2.0重量%を越えると
耐熱融着性の向上はあまり見られず、10.0重量%を
越えると成形性、経済性の面で問題が生じる。尚、アン
チブロッキング剤の添加量は、添加される側の樹脂の種
類によっても変わってくるが、より確実に熱融着を防止
するためには、1.0〜2.0重量%添加することが特
に好ましい。
通常のポリオレフィン系フィルムに添加される各種添加
剤を添加しても良い。更にまた、アンチブロッキング剤
が添加された層は熱融着の問題が改善されているので、
耐衝撃性、耐寒性、耐ピンホール性に優れた密度0.9
30g/cm3以下の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を用い
ることが好ましい。
袋1は、フィルム群2が最外に位置するフィルム3と最
内に位置するフィルム4の二枚から構成されている。最
内に位置するフィルム4は、前述したように他のフィル
ムと接する層41にアンチブロッキング剤が0.4〜1
0.0重量%添加されている。一方、内側の面は内容物
と接するため添加剤が添加されていない方が好ましく、
よって、最内に位置するフィルム4を少なくとも二層以
上の多層フィルムとし、最内層43にはアンチブロッキ
ング剤を添加しないか、もしくは添加しても0.3重量
%以下にすることが好ましい。また該フィルムを三層構
造のフィルムとし、最外層41と最内層43の間に中間
層42を設けて最外層41の厚みを小さくすると、アン
チブロッキング剤の添加量を抑えることができ、経済的
である。
33が他のフィルム4と接するためアンチブロッキング
剤が0.4〜10.0重量%添加されている。外側の面
は隣接するフィルムと接することがないのでアンチブロ
ッキング剤の添加量は特に限定されないが、内袋1が折
れたり、皺になったりした際に外側の面同士が擦れてピ
ンホールが発生したりブロッキングが起きたりすること
を防止するために、最外に位置するフィルム3の最外層
31にも、0.4〜10.0重量%、好ましくは0.4
〜2.0重量%、特に好ましくは1.0〜2.0重量%
のアンチブロッキング剤を添加するとよい。
三層フィルムとして、中間層32、42に、例えば密度
の極めて低い(詳しくは密度が0.915g/cm2以下
の)直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を用いると、バッグ
インボックス用内袋1の耐衝撃性を更に向上させること
ができる。また、該中間層32、42にナイロン樹脂や
エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂等のガスバリ
アー性の樹脂を用いると、バッグインボックス用内袋1
にガスバリアー性を付与することができる。
用内袋の別の実施例を表す断面図である。該内袋1は、
フィルム群2が最外に位置するフィルム3、最内に位置
するフィルム4、及び中間に位置するフィルム5の三枚
から成る。本発明ではフィルム群2を二枚以上の複数枚
としているが、枚数が多いとコストが高くなり、また製
造も複雑になるので二枚、もしくは三枚程度が適当に思
われる。また、中間に位置するフィルム5はアンチブロ
ッキング剤が0.4〜10.0重量%添加された単層の
フィルムであってもよいが、経済性、フィルムの取り扱
い性を考慮すると、最外層51及び最内層53にのみア
ンチブロッキング剤が0.4〜10.0重量%添加され
た三層フィルムとすることが好ましい。尚、中間層52
は中間層32、中間層42と同様に比較的密度の低い直
鎖状低密度ポリエチレン樹脂やガスバリアー性樹脂等を
用いることができる。
内袋1を製造する方法について説明するがこれに限定さ
れるものではない。まずフィルム群2を構成するフィル
ム原反を製造する。製法は特に限定されず、例えばフィ
ルムが単層フィルムである場合はインフレーション押出
成形法やTダイ押出成形法等、公知の製造方法を用いる
と良い。また、フィルム群2を構成するフィルムが多層
フィルムである場合、複数の押出機を用いて一度に多層
フィルムを製造するインフレーション共押出成形法やT
ダイ共押出成形法等を用いても良く、また、予め製膜し
た単層フィルムをエクストリュージョンラミネート法や
ドライラミネート法等を用いて多層化しても良い。フィ
ルム原反が揃ったら、これらを重ねてフィルム群2を用
意する。同じ構成のフィルム群2を二組用意し、一方の
フィルム群2には内容物を注出・注入するためのスパウ
トを取り付ける。最後に二組のフィルム群2を重ねて周
囲をヒートシールすれば、本発明によるバッグインボッ
クス用内袋1が得られる。
施例、及び比較例における性能の評価方法は以下の通り
である。
ンボックス用内袋を形成する基材フィルムを、常温でゲ
ルボフレックステスターにかけ、ねじり回転数40回/m
in、ねじり角度100度で3000回、屈曲による衝撃
を加え、発生したピンホールの数を調べた。
ッグインボックス用内袋に90℃の熱水を充填し、フィ
ルム群を形成するフィルム同士が融着していないかどう
かを目視で確認した。熱融着を起こしていた場合は×、
起こしていない場合は○で表す。また、軽く熱融着して
いたものは△で表す。
グインボックス用内袋に90℃の熱水を充填し、自然冷
却後振動試験機で垂直、水平方向に各30分の振動(5
〜100HZ)を与えた後に発生したピンホールの数を数
えた。
る三層の外側フィルム(80μm)と、同じく三層の内
側フィルム(80μm)を用意し、それぞれのフィルム
について屈曲ピンホール試験を行う。次に外側フィルム
と内側フィルムを重ねたフィルム群を二組用意し、一方
のフィルム群にスパウトを取り付け、更に二組のフィル
ム群を、内側フィルム同士が接するように重ね合わせ、
周囲をヒートシールしてバッグインボックス用内袋を製
造する。得られたバッグインボックスの耐熱融着性を測
定し、更に振動試験を行った。結果を表1に示す。
変えた以外は、実施例1と同様にしてバッグインボック
ス用内袋を製造した。基材フィルムの屈曲ピンホール
性、及び得られたバッグインボックスの耐熱融着性を測
定し、更に振動試験を行った。結果を表1に示す。
フィルムの樹脂組成を表1に示すように変えた以外は、
実施例1と同様にしてバッグインボックス用内袋を得
る。諸物性の評価を表1に記す。
は、90度の熱水を充填してもフィルム同士が熱融着す
ることがなく、ホット充填後の振動にも強かった。さら
に、実施例1、2に用いられた基材フィルムは、屈曲ピ
ンホール性が良好でピンホールの発生が少なかった。こ
れは、アンチブロッキング剤によってフィルム表面の滑
りが改善されているためと思われる。
ィルム群における他のフィルムと接する層がアンチブロ
ッキング剤を多めに含有しているため、ホット充填に使
用してもフィルム同士が熱融着することがなく、よって
ホット充填後の振動に対してピンホールの発生を防止で
きる。更に、本発明のバッグインボックス用内袋に用い
られている基材フィルムは、常温で衝撃を受けた場合で
あっても、フィルム表面の滑りがよくピンホールを発生
しにくい。
ルム群2におけるフィルム同士が接する部分の断面を示
した拡大図である。
図である。
図である。
Claims (4)
- 【請求項1】少なくとも二枚以上のフィルムからなるフ
ィルム群2を重ね合わせ、周囲をヒートシールした袋で
あって、フィルム群2において他のフィルムと接する層
がアンチブロッキング剤を0.4〜10.0重量%含有
していることを特徴とするバッグインボックス用内袋
1。 - 【請求項2】前記フィルム群2において他のフィルムと
接する層がアンチブロッキング剤を0.4〜2.0重量
%含有していることを特徴する請求項1記載のバッグイ
ンボックス用内袋1。 - 【請求項3】前記フィルム群2において他のフィルムと
接する層が、密度0.930g/cm3以下の直鎖状低密度
ポリエチレン樹脂からなることを特徴とする請求項1乃
至2のいずれかに記載のバッグインボックス用内袋1。 - 【請求項4】前記バッグインボックス用内袋1が、液体
を80〜98℃の状態で充填する用途に用いられること
を特徴とする請求項1乃至32のいずれかに記載のバッ
グインボックス用内袋1。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP26987697A JPH11130088A (ja) | 1997-08-25 | 1997-10-02 | バッグインボックス用内袋 |
Applications Claiming Priority (3)
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---|---|---|---|
JP9-228076 | 1997-08-25 | ||
JP22807697 | 1997-08-25 | ||
JP26987697A JPH11130088A (ja) | 1997-08-25 | 1997-10-02 | バッグインボックス用内袋 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11130088A true JPH11130088A (ja) | 1999-05-18 |
Family
ID=26528033
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26987697A Pending JPH11130088A (ja) | 1997-08-25 | 1997-10-02 | バッグインボックス用内袋 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11130088A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008007154A (ja) * | 2006-06-28 | 2008-01-17 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | 注出口付き包装袋 |
CN111918932A (zh) * | 2018-03-30 | 2020-11-10 | 大日本印刷株式会社 | 异味吸附成型品树脂组合物、异味吸附成型品以及包装材料 |
-
1997
- 1997-10-02 JP JP26987697A patent/JPH11130088A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008007154A (ja) * | 2006-06-28 | 2008-01-17 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | 注出口付き包装袋 |
CN111918932A (zh) * | 2018-03-30 | 2020-11-10 | 大日本印刷株式会社 | 异味吸附成型品树脂组合物、异味吸附成型品以及包装材料 |
CN111918932B (zh) * | 2018-03-30 | 2023-06-30 | 大日本印刷株式会社 | 异味吸附成型品树脂组合物、异味吸附成型品以及包装材料 |
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