JPH1112985A - 印刷紙用表面処理剤 - Google Patents

印刷紙用表面処理剤

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JPH1112985A
JPH1112985A JP16227097A JP16227097A JPH1112985A JP H1112985 A JPH1112985 A JP H1112985A JP 16227097 A JP16227097 A JP 16227097A JP 16227097 A JP16227097 A JP 16227097A JP H1112985 A JPH1112985 A JP H1112985A
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Japan
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treating agent
paper
chloride
surface treating
printing paper
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JP16227097A
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Masae Ooyama
雅江 大山
Hisami Sasaki
久美 佐々木
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Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷紙表面を改質し、摩擦を低下さて外観不
良を防止しかつ帯電防止性等の特性を付与できる表面処
理剤を提供する。 【解決手段】 表面処理剤の必須成分として、カチオン
性界面活性剤およびオルガノポリシロキサンを使用す
る。この表面処理剤は、例えば、前記カチオン性界面活
性剤に水を添加して液晶を形成し、この液晶とオルガノ
ポリシロキサンを混合撹拌し、その混合物に、水を混合
してエマルションを調製することにより製造できる。こ
のエマルションのエマルション粒子の平均粒径は10μ
m以下が好ましい。また、カチオン性界面活性剤として
は、例えば、アミン塩、4級アンモニウム塩、複素環ア
ミン、アミン誘導体があげられる。また、オルガノポリ
シロキサンとしては、アルキルポリシロキサン、アリー
ルポリシロキサン等がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷紙の表面を改
質するのに使用される印刷紙用表面処理剤に関するもの
であり、詳しくは、印刷紙表面の摩擦を低下させ、外観
不良を防止し帯電防止性等の特性を付与することが可能
な印刷紙用表面処理剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紙相互が接触して擦れたり、または紙と
金属等の他の部材とが接触して擦れたりすると、紙の外
観が損なわれたり静電気が発生したりする。特に、紙の
擦れによる問題は、印刷において解決すべき問題となっ
ている。すなわち、印刷機などにおいて、紙は、ロール
その他の機械部分と高速で接触するため、擦れによる問
題も大きく、印刷紙の外観の悪化、静電気発生による作
業の能率低下などの各種障害を引き起こす。また、紙と
機械部分との摩擦により発生する静電気は無視できない
ほど大きい場合があり、その放電により作業者に不快感
を与える場合もある。その他、紙が不揃いになったり、
紙が密着してインキの裏移りが起こったり、製品に紙粉
が付着したまま出荷されたりするなど、製品の品質にも
影響を及ぼす。
【0003】また、印刷工程において紙が帯電する他、
印刷前に既に紙が帯電している場合がある。例えば、紙
の製造工程で発生する静電気が紙に蓄積していて、印刷
機にかける前に既に紙が帯電していると、紙粉が付着し
たり、枚葉印刷機で一枚ずつ給紙できなかったりする。
これを防止するために、印刷前に紙を吊乾したり、静電
気除去機により静電気を除去する必要があるが、これら
の工程は本来の工程には必要のない無駄な工程であり、
印刷工程を煩雑にする。
【0004】このような紙の擦れによる外観の悪化、静
電気発生による障害は、高速印刷を行う場合、室内の相
対湿度が低い場合、または紙製造工程で紙の水分管理が
うまく行われずに水分の少ない紙が製造され、直ちに印
刷機などに使用される場合等に顕著に生じる。特に、近
年では印刷需要の増加に伴い、印刷機の高速化が進めら
れているため、擦れによる外観不良や帯電等の問題の解
決が重要となっている。
【0005】従来から、衣類用柔軟仕上げ剤を印刷紙に
塗布して帯電防止を行っているが、機械の高速化に伴っ
て発生する静電気量が多くなり、衣類用柔軟仕上げ剤だ
けでは十分な帯電防止効果を得ることは困難になってい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、印刷紙に塗布することによりその表面を改質し、摩
擦を低下さて外観不良を防止しかつ帯電防止性等の特性
を付与できる印刷紙用表面処理剤を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の印刷紙用表面処理剤は、カチオン性界面活
性剤およびオルガノポリシロキサンを含有する。
【0008】このように、オルガノポリシロキサンとカ
チオン性界面活性剤とを併用した印刷紙用表面処理剤を
印刷紙に塗布すれば、その表面の摩擦が低減して擦れに
よる外観不良や静電気の発生を防止でき、この結果、帯
電も防止できる。さらに、この表面処理剤は、家具や合
成皮革製品等の表面に塗布することにより、前記摩擦の
低下等の特性の他、艶だし効果も付与することができ
る。
【0009】本発明において、処理剤の形態が水性エマ
ルションであって、エマルション粒子の平均粒径が、1
0μm以下であることが好ましく、特に好ましくは平均
粒径が1μm以下である。これは、平均粒径が10μm
を超えるとエマルションの安定が悪くなり、増粘、ゲル
分離が生じる恐れがあるからである。また、エマルショ
ン粒子の平均粒径が小さいほうが、本発明の処理剤の紙
への付着が良好となる。また、エマルション粒子の平均
粒径は、例えば、日科機社製のサブミクロン粒子アナラ
イザー(コールター)N4を用いて測定することができ
る。
【0010】
【発明の実施態様】つぎに、本発明について詳しく説明
する。
【0011】まず、本発明において使用されるカチオン
性界面活性剤は、特に制限するものではなく、例えば、
アミン塩、4級アンモニウム塩、複素環アミン、アミン
誘導体等が挙げられる。
【0012】前記アミン塩型カチオン性界面活性剤とし
ては、例えば、モノアルキルアミン塩、ジアルキルアミ
ン塩、トリアルキルアミン塩、モノエタノールアミン
塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、
エチレンジアミン塩、ジエチレントリアミン塩等のポリ
エチレンポリアミン塩、N,N−ジエチルエチレンジア
ミン塩、アミノエチルエタノールアミン塩、ピリジニウ
ム塩、モルホリニウム塩、グアニジニウム塩、ヒドラジ
ニウム塩、アシルアミノアルキルアミン塩等が挙げられ
る。
【0013】前記塩の種類は、特に制限しないが、例え
ば、塩酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、乳酸塩、臭化水素酸塩、
硝酸塩、硫酸塩、メチル硫酸塩、ロジン酸塩等が挙げら
れ、好ましくは塩酸塩である。
【0014】前記アミン塩の具体例としては、例えば、
ラウリルアミンクロライド、ジラウリルアミンクロライ
ド、トリラウリルアミンクロライド、ラウリルジメチル
アミンクロライド、ミリスチルメチルアミンクロライ
ド、ジミリスチルアミンクロライド、トリミリスチルア
ミンクロライド、ミリスチルジメチルアミンクロライ
ド、パルミチルアミンクロライド、ジパルミチルアミン
クロライド、トリパルミチルアミンクロライド、パルミ
チルジメチルアミンクロライド、ステアリルアミンクロ
ライド、ジステアリルアミンクロライド、トリステアリ
ルアミンクロライド、ステアリルジメチルアミンクロラ
イド、水素添加牛脂アルキルアミンクロライド、ジ水素
添加牛脂アルキルアミンクロライド、トリ水素添加牛脂
アルキルアミンクロライド、アシルアミノエチルジエチ
ルアミンクロライド等が挙げられる。前記アルキル基ま
たはアルケニル基の炭素数は12〜18が好ましい。
【0015】前記4級アンモニウム塩としては、例え
ば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジ
メチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアン
モニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルキノリ
ニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ステアラミド
メチルピリジニウム塩、アシルアミノエチルメチルジエ
チルアンモニウム塩、アルキルアミドプロピルジメチル
ベンジルアンモニウム塩、脂肪酸ポリエチレンポリアミ
ド、アシルアミノエチルピリジニウム塩、アシルコラミ
ノホルミルメチルピリジニウム塩、ステアロオキシメチ
ルピリジニウム塩、脂肪酸トリエタノールアミン、脂肪
酸トリエタノールアミンギ酸塩、トリオキシエチレン脂
肪酸トリエタノールアミン、脂肪酸ジブチルアミノエタ
ノール、セチルオキシメチルピリジニウム塩、p−イソ
オクチルフェノキシエトキシエチルジメチルベンジルア
ンモニウム塩、ジアルキロイルオキシアルキルジメチル
アンモニウム塩等が挙げられる。
【0016】前記4級アンモニウム塩の具体例として
は、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ミリ
スチルトリメチルアンモニウムクロライド、パルミチル
トリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメ
チルアンモニウムクロライド、水素添加牛脂アルキルト
リメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチル
アンモニウムクロライド、ジミリスチルジメチルアンモ
ニウムクロライド、ジパルミチルジメチルアンモニウム
クロライド、ジヤシ油ジメチルアンモニウムクロライ
ド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジ
オレイルジメチルアンモニウムクロライド、ジパルミチ
ルメチルヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェ
ート、ジ水素添加牛脂アルキルジメチルアンモニウムク
ロライド、ジステアリルメチルポリオキシエチレン(平
均重合度5モル)アンモニウムクロライド、ジ水素添加
牛脂アルキルエチルベンジルアンモニウムクロライド、
ジテトラコシルジメチルアンモニウムクロライド、ジ
[(2−ドデカノイルアミノ)エチル]ジメチルアンモ
ニウムクロライド、ジ[(2−オクタデカノイルアミ
ノ)プロピル]ジメチルアンモニウムメチルサルフェー
ト、2−ヘプタデシル−1−エチル−1−[(2−オク
タデカノイルアミノ)エチル]イミダゾリニウムエチル
サルフェート、2−ペンタデシル−1−メチルー1ー
[(2−ヘキサデカノイルアミノ)エチル]イミダソリ
ニウムメチルサルフェート、トリラウリルメチルアンモ
ニウムクロライド、トリミリスチルメチルアンモニウム
クロライド、トリパルミチルメチルアンモニウムクロラ
イド、トリステアリルメチルアンモニウムクロライド、
トリオレイルメチルアンモニウム、トリ水素添加牛脂ア
ルキルメチルアンモニウムクロライド、ジラウロイルオ
キシエチルジメチルアンモニウムクロライド、ジミリス
トイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロライド、
ジパルミトイルオキシジメチルアンモニウムクロライ
ド、ジステアロイルオキシエチルジメチルアンモニウム
クロライド、ジオレオイルオキシエチルジメチルアンモ
ニウムクロライド、ジ水素添加牛脂アルキロイルエチル
ジメチルアンモニウムクロライド等の1種または2種以
上の混合物である。このなかで好ましいのは、ジ水素添
加牛脂アルキルジメチルアンモニウムクロライド、ジオ
レイルジメチルアンモニオウムクロライド、ジヤシ油ジ
メチルアンモニウムクロライドであり、特に好ましく
は、ジ水素添加牛脂アルキルジメチルアンモニウムクロ
ライドである。
【0017】前記複素環アミンとしては、例えば、アル
キルイミダゾリン、1−ヒドロキシエチル−2−アルキ
ルイミダゾリン、1−アセチルアミノエチル−2−アル
キルイミダゾリン、2−アルキル−4−メチル−4−ヒ
ドロキシメチルオキソザリン等が挙げられる。
【0018】前記アミン誘導体としては、例えば、ポリ
オキシエチレンアルキルアミン、N−アルキルプロピレ
ンジアミン、N−アルキルポリエチレンポリアミン、N
−アルキルポリエチレンポリアミンジメチル硫酸塩、ア
ルキルピグアニド、長鎖アミンオキシド等が挙げられ
る。
【0019】以上説明してきたカチオン性界面活性剤の
なかで、4級アンモニウム塩が好ましく、特にジアルキ
ルジメチルアンモニウム塩が好ましい。
【0020】つぎに、本発明にかかるオルガノポリシロ
キサンは、シリコーンとも呼ばれ、例えば、アルキルポ
リシロキサン、アリールポリシロキサンなどがあり、そ
の性状からオイル、ゴム、レジン等がある。また、その
平均分子量は約100〜20万である。
【0021】前記シリコーンオイルは、ストレートシリ
コーンオイルおよび変性シリコーンオイルに大別され
る。前記ストレートシリコーンとしては、例えば、ジメ
チルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイ
ル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、ポリジメ
チルシロキサンジオール等が挙げられる。前記変性シリ
コーンとしては、例えば、アルキル変性シリコーンオイ
ル、アラルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変
性シリコーンオイル、脂肪酸エステルシリコーンオイ
ル、フルオロアルキル変性シリコーンオイル、アミノ変
性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、
カルボキシル変性シリコーンオイル、メタクリル変性シ
リコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、メ
ルカプト変性シリコーンオイル、ビニル変性シリコーン
オイル等が挙げられる。
【0022】前記シリコーンゴムは、ミラブル型シリコ
ーンゴムおよび液状シリコーンゴムに大別される。前記
ミラブル型シリコーンゴムとしては、例えば、ジメチル
シリコーンゴム、メチルビニルシリコーンゴム、メチル
フェニルビニルシリコーンゴム、メチルフルオロアルキ
ルシリコーンゴム等が挙げられる。前期液状シリコーン
ゴムとしては、例えば、縮合型シリコーンゴム、付加型
シリコーンゴム、紫外線(UV)硬化型シリコーンゴム
が挙げられる。
【0023】以上説明したオルガノポリシロキサンの中
でもシリコーンオイルが好ましく、さらに好ましくは粘
度1万〜100万cStのシリコーンオイルである。
【0024】本発明の印刷紙用表面処理剤において、前
記カチオン性界面活性剤の割合は、処理剤全体の1〜5
0重量%の範囲であり、好ましくは5〜50重量%の範
囲であり、特に好ましくは5〜15重量%の範囲であ
る。また、前記オルガノポリシロキサンの割合は、処理
剤全体の1〜50重量%の範囲であり、好ましくは5〜
50重量%の範囲であり、特に好ましくは5〜15重量
%の範囲である。そして、本発明の印刷紙用表面処理剤
において、水を処理剤全体の1〜50重量%の割合で含
有させることができる。
【0025】本発明の印刷紙用表面処理剤は、前記カチ
オン性界面活性剤でオルガノポリシロキサンを水に乳化
した水性エマルションの形態が好ましい。エマルション
の粘度は、通常、1〜500cp、好ましくは10〜30
0cpであり、エマルション粒子の平均粒径は、好ましく
は10μm以下、特に好ましくは1μm以下である。
【0026】本発明の印刷紙用表面処理剤は、例えば、
本出願人が先に開示した方法で製造することができる
(特開平5−32788号公報、特開平5−32789
号公報)。すなわち、前記カチオン性界面活性剤に水を
添加して液晶を形成し、この液晶とオルガノポリシロキ
サンを混合撹拌し、その混合物に、水を配合してエマル
ションを調製することにより製造できる。
【0027】前記製造方法の他、乳化重合法で調製した
り、ホモミキサーのような高剪断力乳化装置あるいは一
般的な撹拌装置により乳化しても良い。
【0028】エマルション粒子の平均粒径を前記所定の
好ましい範囲に調整する方法としては、例えば、前述の
界面活性剤の液晶を利用した乳化方法、高圧ホモジナイ
ザーのような高剪断力乳化装置を利用した乳化方法、乳
化重合法があげられる。
【0029】本発明の印刷紙用表面処理剤は、必要に応
じて非イオン性界面活性剤を含有していてもよい。非イ
オン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルナフチルエ
ーテル、ポリオキシエチレン化ヒマシ油、ポリオキシエ
チレンアビエチルアルコール、ポリオキシエチレンアル
キルチオエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、アルキルアミ
ンオキサイド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレングリコールエチレンジアミン、ポリオキシエチ
レンモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンジ脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンジ脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンソルビタントリ脂肪酸エス
テル、エチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレン
グリコールモノ脂肪酸エステル、ジエチレングリコール
モノ脂肪酸エステル、ペンタエリトリットモノ脂肪酸エ
ステル、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、ソルビタンセ
スキ脂肪酸エステル、ソルビタントリ脂肪酸エステル、
ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸モノエタノールアミド、
脂肪酸ジエタノールアミド、脂肪酸モノイソプロパノー
ルアミド等が挙げられる。このなかで、ポリオキシエチ
レンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルが
好ましく、特に好ましくはポリオキシエチレンアルキル
アミンである。
【0030】この他に、本発明の印刷紙用表面処理剤に
は、凝固点降下剤、分散剤、粘度調製剤、防塵剤、防腐
剤、キレート剤、香料、着色剤等の添加剤を含有してい
てもよい。
【0031】前記凝固点降下剤は、例えば、低級アルコ
ール(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)
やグリコール類(エチレングリコール、プロピレングリ
コール等)があげられる。また、前記分散剤としては、
ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリスチレン
エマルション等があげられる。前記粘度調整剤として
は、塩化ナトリウム、塩化カルシウム等があげられる。
また、前記防錆剤としては、ベンゾトリアゾール等があ
げられ、前記防腐剤としては、安息香酸、イソチアゾロ
ン等があげられる。
【0032】これら添加剤の含有割合は、前記カチオン
性界面活性剤およびオルガノポリシロキサンの性能を阻
害しない範囲であれば、特に制限されないが、これら添
加剤全体として、処理剤全体に対し、好ましくは1〜5
0重量%、さらに好ましくは2〜10重量%である。ま
た、これら添加剤は、原液で使用して良いし、水等で適
宜希釈して使用しても良い。
【0033】本発明の印刷紙用表面処理剤は、印刷紙表
面に直接付着させることにより使用できる。その付着方
法は特に制限されず、例えば、印刷紙の場合、印刷機と
乾燥機を出た直後の印刷紙に本発明の表面処理剤の水溶
液をコーターで塗布する方法や、スプレーで噴霧して塗
布する方法があげられる。また、コーターとコーター、
コーターとスプレーを併用する方法があげられる。前記
表面処理剤水溶液の濃度は、通常、1〜50重量%、好
ましくは1〜20重量%、最適には約5重量%である。
また、本発明の印刷紙用表面処理剤の塗布割合は、その
水溶液の濃度や印刷紙の種類等により適宜決定される
が、例えば、表面処理剤を約5重量%水溶液とした時の
印刷紙への塗布割合は、通常、1mg/m2 〜5g/m
2 、好ましくは0.1〜2g/m2 の割合である。
【0034】本発明における印刷は、その印刷方式、印
刷版式、印刷版材、版の種類、印刷機、インキ、用紙に
よって限定されるものではない。例えば、印刷方式はオ
フセット、直刷り、ダイリン、両面機等が挙げられ、版
式は凸版、凹版、平版、孔版等が挙げられ、印刷版材と
してはアルミ版、樹脂板、鋼版、石版、ゴム凸版、亜鉛
版等が挙げられ、版の種類としては活版、写真版、水無
し平板、グラビア、彫刻凹版、スクリーン、コロタイプ
等が挙げられ、印刷機としては平圧機、円圧機、輪転
機、単色機、多色機、フォーム印刷機、シール印刷機、
パッド(タコ)印刷機等が挙げられ、インキとしては酸
化重合型、蒸発乾燥型、浸透乾燥型、沈殿乾燥型、紫外
線硬化型、赤外線乾燥型、自然乾燥型、熱硬化型、蒸気
硬化型、電子線硬化型等が挙げられ、用紙としては印刷
情報用紙、包装用紙、雑種紙、薄紙、厚紙等が挙げられ
る。
【0035】この他に、本発明の印刷紙表面処理剤は、
家具や合成皮革等の艶だし用、床や車両の艶だし用、撥
水剤、ピアノやギター等の楽器の艶だし用等にも使用で
きる。
【0036】
【実施例】つぎに、実施例について比較例と併せて説明
する。
【0037】(実施例1〜5)下記の表1に示したカチ
オン性界面活性剤5重量部と同表に示した非イオン性界
面活性剤0.2重量部と精製水5.39重量部を混合
し、50℃に加温し、混合液を得た。これに同表に示す
シリコーン(オルガノポリシロキサン)10重量部を加
え十分に撹拌し、第1の混合液を得た。他方、同表に示
す非イオン性界面活性剤1.4重量部とポリアクリル酸
0.04重量部とエチレングリコール3重量部と防腐剤
0.02重量部と精製水24.95重量部とを混合し、
40℃に加温し、第2の混合液を得た。そして、第1の
混合液を十分に撹拌しながらこれに第2の混合液を少量
ずつ添加し、最後に精製水50重量部を加えて撹拌しエ
マルションを調製し、これを表面処理剤とした。なお、
このエマルション粒子の平均粒径を、日科機社製のサブ
ミクロン粒子アナライザー(コールター)N4により測
定した結果、平均粒径は0.5μmであった。
【0038】このようにして得られた各実施例の表面処
理剤を水に希釈して5重量%表面処理剤水溶液を調製
し、オフセット輪転機による印刷工程および乾燥工程を
経た印刷紙にコーティングロッドを使用して10〜20
g/m2 の割合で塗布した。塗布後、印刷紙がしわにな
らないように風乾し、温度25±2℃、湿度20±2%
RHの雰囲気に1昼夜放置した。その雰囲気下で極超絶
縁計(SM−10型、東亜電波社製)を用いて表面固有
抵抗値を測定し、下記に示す基準により帯電防止性を評
価した。その結果を下記の表1に示す。
【0039】(帯電防止性の評価基準) ◎:表面固有抵抗値109 Ω未満 ○:表面固有抵抗値1×109 〜1×1010Ω未満 △:表面固有抵抗値1×1011〜1×1013Ω未満 ×:表面固有抵抗値I×1013Ω以上
【0040】また、同様に表面処理剤を塗布して風乾し
た印刷紙を、温度20±2℃、湿度65±2%RHの雰
囲気に1昼夜放置し、その雰囲気下でサウザランド式ラ
ブテスター(東洋精機社製)を用いて印刷紙と白紙を荷
重2ポンドで10往復擦り合わせた。そして、画像解析
型ダートアナライザー(SCAN−MARK800、C
onmark Analyzers Inc.,U.S.
A製)を用いて白紙に転写したインキをスキャナーで読
みとり、汚れの面積率として算出し、下記に示す基準に
より擦れ防止性を評価した。その結果を下記の表1に示
す。
【0041】(擦れ防止性の評価基準) ◎:汚れの面積率50mm2/m2未満 ○:汚れの面積率50〜100mm2/m2未満 △:汚れの面積率100〜300mm2/m2未満 ×:汚れの面積率300mm2/m2以上
【0042】
【表1】 実施例 1 2 3 4 5(重量%) (シリコーン) シ゛メチルホ゜リシロキサン(10万cSt) *1 10 − − 10 10 シ゛メチルホ゜リシロキサン(200cSt) *2 − 10 − − − アミノ変性ホ゜リシロキサン *3 − − 10 − − (カチオン性界面活性剤) シ゛水素添加牛脂シ゛メチルアンモニウムクロライト゛ 5 5 5 − − シ゛オレイルシ゛メチルアンモニウムクロライト゛ − − − 5 − シ゛ヤシ油シ゛メチルアンモニウムクロライト゛ − − − − 5 (非イオン性界面活性剤) ホ゜リオキシエチレン牛脂アルキルアミン(p=60) 1.6 − − 1.6 1.6 ホ゜リオキシエチレンラウリルエーテル(p=20) − 1.6 − − − ホ゜リオキシエチレンノニルフェニルエーテル(p=40) − − 1.6 − − (安定剤) ポリアクリル酸 *4 0.04 0.04 0.04 0.04 0.04 エチレングリコール 3 3 3 3 3 (防腐剤) イソチアゾロン液 0.02 0.02 0.02 − − 安息香酸 − − − 0.02 0.02 (水) 80.34 80.34 80.34 80.34 80.34 (評価) 擦れ防止性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 帯電防止性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ *1:SH200−100000cs、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 *2:SH200C−200cs、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 *3:SF8417、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 *4:ポリティA540、ライオン社製 p:平均エチレンオキサイド付加モル数
【0043】(比較例1、2)下記の表2に示すよう
に、比較例1ではシリコーンを用いず、また比較例2で
はカチオン性界面活性剤を用いなかった他は、実施例と
同様にして下記の表2に示す材料を同表に示す割合で配
合してエマルションを調製し、これを表面処理剤とし
た。この表面処理剤について実施例と同様にして帯電防
止性および擦れ防止性を評価した。その結果も下記の表
2に示す。なお、このエマルション粒子の平均粒径を、
実施例と同様にして測定した結果、平均粒径は0.5μ
mであった。
【0044】
【表2】 比較例 1 2 (重量%) (シリコーン) シ゛メチルホ゜リシロキサン(10万cSt) *1 − 10 シ゛メチルホ゜リシロキサン(200cSt) *2 − − アミノ変性ホ゜リシロキサン *3 − − (カチオン性界面活性剤) シ゛水素添加牛脂シ゛メチルアンモニウムクロライト゛ 5 − シ゛オレイルシ゛メチルアンモニウムクロライト゛ − − シ゛ヤシ油シ゛メチルアンモニウムクロライト゛ − − (非イオン性界面活性剤) ホ゜リオキシエチレン牛脂アルキルアミン(p=60) 0.4 − ホ゜リオキシエチレンラウリルエーテル(p=20) − 4 ホ゜リオキシエチレンノニルフェニルエーテル(p=40) − 0.5 (安定剤) ポリアクリル酸 *4 − − エチレングリコール 3 − (防腐剤) イソチアゾロン液 0.02 − 安息香酸 − − (水) 91.58 85.5 (評価) 擦れ防止性 × ◎ 帯電防止性 △ × *1:SH200−100000cs、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 *2:SH200C−200cs、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 *3:SF8417、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 *4:ポリティA540、ライオン社製 p:平均エチレンオキサイド付加モル数
【0045】前記表1の結果から、オルガノポリシロキ
サン(シリコーン)とカチオン性界面活性剤とを含有す
る実施例の表面処理剤により処理した印刷紙は、優れた
帯電防止性および擦れ防止性を有することが分かる。こ
れに対し、前記表2から、比較例1の表面処理剤で処理
した印刷紙は、擦れ防止性が悪く、また帯電防止性も十
分なものではなく、比較例2の表面処理剤で処理した印
刷紙は、擦れ防止性は優れるものの、帯電防止性が悪か
った。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明の印刷紙用表面処
理剤は、カチオン性界面活性剤とオルガノポリシロキサ
ンとを必須成分とするものであり、これを、印刷紙に適
用すれば、その表面を改質して摩擦を小さくし、擦れに
よる外観不良や帯電を防止できる。したがって、本発明
の印刷紙用表面処理剤の適用により、品質劣化や工程増
加等なく高速印刷が可能となり、印刷紙効率が向上す
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カチオン性界面活性剤およびオルガノポ
    リシロキサンを含有する印刷紙用表面処理剤。
  2. 【請求項2】 処理剤の形態が水性エマルションであっ
    て、エマルション粒子の平均粒径が、10μm以下であ
    る請求項1記載の印刷紙用表面処理剤。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006335792A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Shin Etsu Chem Co Ltd 高重合度オルガノシロキサンのカチオン系エマルジョン組成物及びその製造方法
JP2010077573A (ja) * 2008-09-29 2010-04-08 Daio Paper Corp オフセット印刷用新聞用紙
JP2011156669A (ja) * 2010-01-29 2011-08-18 Kaken Tec Kk 印刷物用表面保護剤及び印刷物の表面保護方法
JP2018188772A (ja) * 2017-05-09 2018-11-29 花王株式会社 印刷紙用処理剤組成物
JP2020180404A (ja) * 2019-04-26 2020-11-05 日華化学株式会社 紙用ワニスへの添加物

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