JPH11126929A - 圧電トランス - Google Patents

圧電トランス

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JPH11126929A
JPH11126929A JP9292597A JP29259797A JPH11126929A JP H11126929 A JPH11126929 A JP H11126929A JP 9292597 A JP9292597 A JP 9292597A JP 29259797 A JP29259797 A JP 29259797A JP H11126929 A JPH11126929 A JP H11126929A
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ceramic plate
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隆之 猪井
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晋 斉藤
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    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/40Piezoelectric or electrostrictive devices with electrical input and electrical output, e.g. functioning as transformers
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いエネルギー変換効率、高い昇圧比を得る
とともに、製作に多くの工数を必要とせず信頼性を向上
させる。 【解決手段】 長方形の形状を有した発電部圧電セラミ
ック板100の両端の上下に、幅が同じで長さが1/3
の4つの駆動部圧電セラミック板102、102a、1
03、103aが設けられている。入力電極104、1
04a、106、106aおよび出力電極101、10
1a、101bの取り出し位置が全て機械的振動の節の
位置にくるような構成であるため、振動が阻害されるこ
とがなくエネルギー変換効率が高くなるとともに、振動
に伴うリード線の負担が発生せず信頼性が高くなる。ま
た、駆動部圧電セラミック板102、102a、10
3、103aを積層構成とすることにより入力容量を大
きくし昇圧比が大きくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷陰極蛍光管等の
点灯用電源回路や各種の高電圧発生電源回路に用いられ
る圧電トランスに関し、特に小型、高効率、高昇圧、高
信頼度が要求される圧電トランスの構成に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶用バックライトに用いられて
いる冷陰極蛍光管の点灯用電源やテレビジョンの偏向装
置、複写機の帯電装置など高電圧を必要とする装置内の
電源回路では、高電圧発生用変圧素子として巻線型の電
磁トランスが用いられてきた。この電磁トランスは磁性
体のコアに導線を巻き付ける構造になっており、高い変
成比を実現するためには巻き付ける導線の数を多くする
必要がある。このため、小型で、高効率の電磁トランス
を実現するのは非常に困難であった。
【0003】これに対し、圧電効果を用いた圧電トラン
スが提案されている(例えば、シー.エー.ローゼン
(C.A.Rosen)、「セラミック トランスフォ
ーマ」(Ceramic Transformer)、
プロシーディング オブ エレクトロニック コンポー
ネント シンポジウム 1957(Proc.of E
lectronic Component Sympo
sium(1957))、第256〜211頁)。図8
に、代表的な圧電トランスであるローゼン型圧電トラン
スの一例の斜視図を示す。図8を参照してその構成を説
明すると、長板状の圧電セラミック板810が長さ方向
に亘って、駆動部81と発電部82との二つに二等分さ
れている。駆動部81は圧電セラミック板810の厚み
方向に分極しており、上下両面の電極811、812
(図示せず)が駆動部81の全域に拡がって形成されて
いる。発電部82は圧電セラミック板810の長さ方向
に分極しており、長さ軸に垂直な端面に電極815が形
成されている。
【0004】この圧電トランスで昇圧を行うには、駆動
部81の上下二つの電極811、812の間すなわち、
入・出力端子817と入力端子818の間に外部から交
流電圧を与える。駆動部81は上記の交流入力電圧に応
じて、圧電横効果により長さ方向に振動する。これによ
り圧電セラミック板810に長さ方向の振動が生じ、発
電部82にはその振動による圧電縦効果により、駆動部
81の電極811または電極812と発電部端面の電極
815との間(図8の場合は、電極812と電極815
との間)つまり、入・出力端子817と出力端子819
の間に、入力電圧と同じ周波数の昇圧された電圧が生じ
る。ここで、上記の交流入力電圧の周波数を圧電セラミ
ック板810の長さ方向の機械共振の周波数と等しくし
ておけば、非常に高い出力電圧が得られる。図8に示す
圧電トランスは、上記の共振を1次モードで駆動するト
ランスであるので、圧電セラミック板810の長さを
L、交流入力電圧の波長をλとした場合に、L=λ/2
となるように設定されている。
【0005】上記の図8のローゼン型圧電トランスで
は、発電部82に開放に近い高インピーダンスの負荷を
接続した場合には、入出力電圧比(昇圧比)を大きくす
ることができるが、低いインピーダンスの負荷(例え
ば、100kΩ程度)を接続した場合には、数倍から十
倍程度の昇圧比しか得られなくなってしまう。ところで
液晶用バックライトに用いられる冷陰極蛍光管は、その
特性として、点灯開始時は高インピーダンスであるが、
点灯後はインピーダンスが低下し100kΩ程度になっ
てしまう。このため上記したローゼン型圧電トランスを
冷陰極蛍光管の点灯に用いた場合、点灯開始時は十分な
昇圧比が得られるが、点灯開始後は低インピーダンス状
態になってしまうため、十分な昇圧比が得られず、ちら
つき等点灯状態が不十分になるという問題がある。そし
て、これを補うため圧電トランスの入力の前段に予備昇
圧用の巻線トランスが必要になるという問題もある。
【0006】この昇圧比の問題を改善した圧電トランス
が、特開平9−83035号公報および特開平9−83
036号公報に記載されている。図9(a)に特開平9
−83035号公報に示されている圧電トランスの構成
を示す分解斜視図、図9(b)に電気的な結線状態と分
極状態を示す正面図を示す。また、図10(a)に特開
平9−83036号公報に示されている圧電トランスの
構成を示す分解斜視図、図10(b)に電気的な結線状
態と分極状態を示す正面図を示す。
【0007】まず図9(a)および図9(b)を用いて
特開平9−83035号公報に記載されている圧電トラ
ンスを説明する。図9(a)に示すように、両端面に出
力電極901a、901b(901bは図示せず)を形
成した発電部圧電セラミック板900の中央部の対向す
る位置に、入力電極904a、904b、905a、9
05b(904b、905bは図示せず)を上下面に形
成した駆動部圧電セラミック板902、903を接着す
る。上記したように接着して形成した圧電トランスにお
いて、駆動部圧電セラミック板902、903および発
電部圧電セラミック板900の中央部は、図9(b)の
分極方向906bの矢印に示されるように厚み方向に分
極されており、発電部圧電セラミック板900の両端部
は分極方向906aの矢印に示されるように長さ方向に
分極されている。
【0008】このように分極したものを図9(b)に示
すように、入力電極904a、905aを接続し入力端
子907aと結線し、入力電極904b、905bを接
続し入力端子907bと結線し、出力電極901aを出
力端子908aと結線し、出力電極901bを出力端子
908bと結線する。そして、入力端子907a、90
7b間に交流電圧を印加すると駆動部圧電セラミック板
902、903が振動し、これに応じて圧電横効果によ
り発電部圧電セラミック板900が長さ方向に振動し
て、出力端子908a、908bの間に、入力電圧と同
じ周波数で昇圧された電圧が発生する。この従来の圧電
トランスに100kΩ程度の低インピーダンスの負荷を
接続して昇圧比を評価すると、発電部圧電セラミック板
900の板厚が0.5〜0.2mmの場合において18
倍〜25倍の昇圧比が得られた。
【0009】次に、図10(a)および図10(b)を
用いて特開平9−83036号公報に記載された圧電ト
ランスを説明する。この従来の圧電トランスは、上記で
説明した特開平9−83035号公報記載された圧電ト
ランスとほぼ同様な構成であり、駆動部、発電部におけ
る分極の方向および結線の状態が異なるのみである。図
10(a)に示すように、両端面に出力電極1011
a、1011b(1011bは図示せず)を形成した発
電部圧電セラミック板1010の中央部の対向する位置
に、入力電極1014a、1014b、1015a、1
015b(1014b、1015bは図示せず)を上下
面に形成した駆動部圧電セラミック板1012、101
3を接着する。上記したように接着して形成した圧電ト
ランスにおいて、駆動部圧電セラミック板1012、1
013および発電部圧電セラミック板1010の中央部
は、図10(b)の分極方向1016aの矢印に示すよ
うに厚み方向に分極されており、発電部圧電セラミック
板1010の両端部は分極方向1016bの矢印に示す
ように長さ方向に分極されている。
【0010】このように分極したものを図10(b)に
示すように、入力電極1014a、1015bを接続し
入力端子1017aと結線し、入力電極1014b、1
015aを接続し入力端子1017bと結線し、出力電
極1011aを出力端子1018aと結線し、出力電極
1011bを出力端子1018bと結線する。そして、
入力端子1017a、1017b間に交流電圧を印加す
ると駆動部圧電セラミック板1012、1013が振動
し、これに応じて圧電横効果により発電部圧電セラミッ
ク板1010が長さ方向に振動して、出力端子1018
a、1018bの間に、入力電圧と同じ周波数で昇圧さ
れた電圧が発生する。この従来の圧電トランスに100
kΩ程度の低インピーダンスの負荷を接続して昇圧比を
評価すると、発電部圧電セラミック板の板厚が0.5〜
0.2mmで11倍〜20倍の昇圧比が得られた。
【0011】特開平9−83036号公報に記載された
圧電トランスは、特開平9−83035号公報に記載さ
れた圧電トランスより昇圧比はやや低いものの、いずれ
も図8のローゼン型圧電トランスに比べ高い昇圧比が得
られており、特に低インピーダンスにおける昇圧比の改
善が図られている。
【0012】しかし、ローゼン型圧電トランス、特開平
9−83035および特開平9−83036号公報に記
載された従来の圧電トランスはともに長さ方向の圧電縦
振動を利用したものであり、縦振動に応じ振動の腹と節
が存在し、この位置と入出力電極の取り出し位置が振動
の阻害と大いに関係し、圧電トランスのエネルギー変換
効率や電極とリード線の接続の信頼性に影響する。
【0013】そして、これらの構成の圧電トランスは、
図8のローゼン型圧電トランスと同様に出力電極901
a、901b(1011a、1011b)が発電部圧電
セラミック板900(1010)の端面にある。ところ
で、長さ方向の両端面は機械共振の腹にあたり、その機
械共振の腹の位置に出力電極901a、901b(10
11a、1011b)が形成されていることになる。従
って、出力電極901a、901b(1011a、10
11b)における出力端子908a、908b(101
8a、1018b)との接続点は必然的に、発電部圧電
セラミック板900(1010)の長さ方向の機械共振
の腹に位置することになる。振動の腹は変位が大きい位
置であるため、例えばリード線と出力電極901a、9
01b(1011a、1011b)との半田付けのよう
な電極上の接続構造がセラミック圧電板900(101
0)の振動を阻害し、トランス効率の低下や昇圧比の低
下を招いたりあるいは、リード線が過大な振動を受けて
切断するなど、トランス効率や昇圧比等の性能や接続の
信頼性の低下といった障害が起こるという問題がある。
【0014】この出力電極が機械共振の腹に位置する様
子を図11を用いて説明する。
【0015】図11(a)は特開平9−83035号公
報に示された従来の圧電トランスの断面図であり、図1
1(b)は振動の変位分布を示し、図11(c)は振動
の応力分布を示す(この図においては、3次モードで振
動している場合を示している)。
【0016】図11(b)および図11(c)より、端
面は振動の腹になり(これは振動のモードに関係な
い)、振動の節は両端から6分の1および中央部に位置
することがわかる。これで示される位置と従来の圧電ト
ランスにおける電極取り出し位置との関係をみると(本
図においては、代表して特開平9−83035号公報に
示された圧電トランスの構成で示しているが、他のもの
でも同じである。)、入力電極904a、904b、9
05a、905bを取り出す入力端子907a、907
bは、矢印71で示すように振動の節の位置で取り出せ
るが、出力電極901a、901bを取り出す出力端子
908a、908bは、矢印72で示すように振動の腹
の位置に位置することになる。振動の腹は変位が大きい
位置であり、この位置に半田付け等でリード線を接続し
た場合、振動を阻害して圧電トランスのエネルギー変換
効率を低下させたり、振動に伴いリード線に負担がかか
り断線する危険性がある。
【0017】また、特開平9−83035、特開平9−
83036号公報に示された構成の圧電トランスでは、
駆動部圧電セラミック板902、903(1012、1
013)として焼結単板を一枚のみ用いており、焼結単
板の板厚を薄くすることで入力容量を大きくして昇圧比
を高くできるようにしているが、焼結単板一枚のみで厚
みを変え、入力容量を変化させて昇圧比を調整するのに
は自ずと限界がある。すなわち、より昇圧比を高くしよ
うとした場合、板厚を薄くする必要があるが、これには
取り扱い上および振動パワーの面により制限されてしま
う。そのため、昇圧比を高くしようとしても制限されて
しまう。
【0018】また、特開平9−83035、特開平9−
83036号公報に示された構成の圧電トランスでは、
駆動部圧電セラミック板902、903(1012、1
013)を発電部圧電セラミック板900(1010)
の中央部に位置決めし、接着する必要がある。しかし、
この位置決めは振動モードに影響することから厳密に行
う必要があるので組立工程において位置決め工数がかか
ってしまいコストが高くなってしまう。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の圧電ト
ランスでは、下記のような問題点があった。 (1)出力電極における出力端子との接続点は、発電部
圧電セラミック板の長さ方向の機械共振の腹に位置して
いるため、トランス効率、昇圧比等の性能や接続の信頼
性が低下する。 (2)駆動部圧電セラミック板として焼結単板を一枚の
み用いているため、板厚を薄くするには限界があり、昇
圧比を上げようとしても制限されてしまう。 (3)駆動部圧電セラミック板の位置決めは、厳密に行
う必要があるため組立工程において多くの工数を必要と
し、コストが高くなる。
【0020】本発明の目的は、高いエネルギー変換効
率、高い昇圧比を得られる圧電トランスを提供すること
を目的とする。
【0021】本発明の他の目的は、製作に多くの工数を
必要としないとともに信頼性が向上した圧電トランスを
提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の圧電トランスは、下記のような構成となっ
ている。
【0023】請求項1記載の圧電トランスは、長方形の
形状を有し、その長手方向にほぼ6等分に第1から第6
の領域に分割され、前記各領域の境の5つの位置に帯状
の5つの電極が形成され、前記第2から第4の領域が長
手方向に分極された発電部圧電セラミック板と、前記発
電部圧電セラミック板と幅がほぼ同じでその長さが前記
発電部圧電セラミック板の長さのほぼ1/3であり、前
記発電部圧電セラミック板側の面には入力内部電極が形
成され反対側の面には入力電極が形成され、前記入力電
極と入力内部電極との間で厚み方向に分極され、前記圧
電セラミック板の第1および第2の領域の上側、第1お
よび第2の領域の下側、第5および第6の領域の上側、
第5および第6の領域の下側に、それぞれ絶縁用板を介
して形成された4つの駆動用圧電セラミック板とから構
成されている。
【0024】本発明は、入力電極および入力内部電極の
位置、および帯状の電極のうちの出力を取り出す電極の
位置が、全て振動の節の位置にくるような構成としたも
のである。
【0025】したがって、振動が阻害されることがない
ため圧電トランスのエネルギー変換効率が高くなるとと
もに、振動に伴うリード線の負担が発生しないため断線
する危険性が低くなり信頼性が高くなるようにしたもの
である。
【0026】また、本発明は、出力側の距離を長く確保
することができるような構成としたため、出力容量を小
さくすることができ、大きな昇圧比を得ることができ
る。
【0027】さらに、本発明では、各駆動部圧電セラミ
ック板がそれぞれ発電部圧電セラミック板の端部に設け
られているため、各駆動部圧電セラミック板を発電部圧
電セラミック板に接着する際に、その端部どうしを合わ
せて接着すればよい。
【0028】したがって、接着する際の位置決めが容易
となり製造工数が少なくてすみ、結果としてコストを低
くすることができるようにしたものである。
【0029】また、請求項2記載の発明によれば、前記
発電部圧電セラミック板、前記各駆動用圧電セラミック
板および前記絶縁用板が焼結単板であり、前記発電部圧
電セラミック板、前記各駆動用圧電セラミック板および
前記絶縁用板がお互いに接着剤により接合されている。
【0030】また、請求項3記載の発明によれば、前記
発電部圧電セラミック板がセラミックグリーンシートを
積層した積層体からなり、前記各駆動用圧電セラミック
板が、セラミックグリーンシートと入力内部電極を交互
に積層した積層体からなり、前記発電部圧電セラミック
板と前記各駆動用圧電セラミック板がセラミックグリン
シートを介して一体焼結されている。
【0031】本発明は、グリーンシート積層法により発
電部圧電セラミック板および駆動部圧電セラミック板を
形成するようにしたので、製作が容易になるとともに駆
動部圧電セラミック板および絶縁用板および発電部圧電
セラミック板どうしの密着性が向上し、発熱量の減少を
図りエネルギー変換効率を向上するようにしたものであ
る。
【0032】また、請求項4記載の発明は、長方形の形
状を有し、その長手方向にほぼ6等分に第1から第6の
領域に分割され、前記各領域の境の5つの位置に帯状の
5つの電極が形成され、前記第2から第4の領域が長手
方向に分極された発電部圧電セラミック板と、前記発電
部圧電セラミック板と幅がほぼ同じでその長さが前記発
電部圧電セラミック板の長さのほぼ1/3であり、上下
の両面に電極が形成されるとともに厚み方向に分極され
ている複数の圧電セラミック板が複数積層されることに
より形成され、前記圧電セラミック板の第1および第2
の領域の上側、第1および第2の領域の下側、第5およ
び第6の領域の上側、第5および第6の領域の下側に、
それぞれ絶縁用板を介して形成された4つの駆動用圧電
セラミック板と、前記各駆動用圧電セラミック板毎に設
けられ、前記複数のセラミック板の上下の両面に形成さ
れた電極を1層毎に接続する4つの第1の側面電極と、
前記各駆動用圧電セラミック板毎に設けられ、前記第1
の側面電極に接続されていない前記複数のセラミック板
どうしを接続するための4つの第2の側面電極とから構
成されている。
【0033】本発明は、入力内部電極を積層構成にする
ことにより入力容量を大きくすることができるので、請
求項1〜3記載の発明に対して、さらに昇圧比を大きく
取り出すことができる。
【0034】また、本発明は、入力内部電極が複数の圧
電セラミック板が積層された構成となっているので、積
層する数を変えることにより昇圧比を変化させることが
でき、昇圧比のバリエーションを増やすことができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0036】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態の圧電トランスの斜視図であり、図2は図1
の圧電トランスの分解斜視図であり、図3は図1の圧電
トランスの分極方向および結線の状態を示す正面図であ
る。
【0037】本実施形態の圧電トランスは、長方形状の
発電部圧電セラミック板100と、入力電圧を印加して
圧電トランスを振動させるための駆動部セラミック板1
02、102a、103、103aとから構成されてい
る。
【0038】発電部圧電セラミック板100は、その長
さ方向に6等分した位置のそれぞれに、左端から順番に
出力電極101a、分極電極108a、出力電極101
b、分極電極108、出力電極101が帯状に形成され
ている。ここで、この5つの電極で区切られている発電
部圧電セラミック板100の6つの領域をそれぞれ左端
より第1から第6の領域とする。
【0039】そして、発電部圧電セラミック板100の
第5および第6の領域の上側には絶縁用板109を介し
て駆動部圧電セラミック板102が形成されていて、下
側にも同様に絶縁用板110を介して駆動部圧電セラミ
ック板103が形成されている。また、この駆動部圧電
セラミック板102の発電部圧電セラミック板100側
の面には入力内部電極105が形成されていて反対側の
面には入力電極104が形成されている。
【0040】駆動部圧電セラミック板103も同様に発
電部圧電セラミック板100側の面には入力内部電極1
07が形成されていて反対側の面には入力内部電極10
6(図示せず)が形成されている。
【0041】絶縁用板109は、駆動部圧電セラミック
板102と発電部圧電セラミック板100を絶縁するた
めのものであり、絶縁用板110は、駆動部圧電セラミ
ック板103と発電部圧電セラミック板100を絶縁す
るためのものである。
【0042】さらに、発電部圧電セラミック板100の
第1および第2の領域の上側および下側にも同様に、絶
縁用板109a、110aを介して駆動部圧電セラミッ
ク板102a、103aがそれぞれ形成されている。そ
して、駆動部圧電セラミック板102a、103aに
は、駆動部圧電セラミック板102、103と同様に、
入力電極104、入力内部電極105および入力内部電
極106(図示せず)、入力内部電極107がそれぞれ
形成されている。
【0043】ここで、駆動部圧電セラミック板102、
102a、103、103aは、図1に示すように、そ
の幅は発電部圧電セラミック板100と同じでその長さ
が1/3となっている。
【0044】そして、発電部圧電セラミック板100の
第2から第4の領域をそれぞれ長さ方向に分極され、駆
動部圧電セラミック板102、102a、103、10
3aは、それぞれ上面または下面に設けた入力電極10
4、104a、106、106aとこれに対向する内側
の面に形成した入力内部電極105、105a、10
7、107a間がそれぞれ厚み方向に分極されている。
【0045】発電部圧電セラミック板100は、駆動部
圧電セラミック板102、102a、103、103a
により発生した振動を元に振動して、昇圧した電圧を発
生させる。
【0046】本実施形態において、駆動部圧電セラミッ
ク板102、102a、103、103aと発電部圧電
セラミック板100を接合する方法としては、入力電極
104、104a、106、106aおよび入力内部電
極105、105a、107、107aとなる電極を形
成した焼結単板を用いて駆動部圧電セラミック板10
2、102a、103、103aを形成し、所定の位置
に出力電極101、101a、101b、分極用電極1
08、108aとなる電極を形成した焼結単板を用いて
発電部圧電セラミック板100を形成した後、駆動部圧
電セラミック板102、102a、103、103aと
同一形状で絶縁用板109、109a、110、110
aとなる焼結単板を介して接着剤を用いて接合する方法
で接合する。
【0047】図3は、分極方向および結線の状態を示し
ており、駆動部圧電セラミック板102、102a、1
03、103aは、入力電極104、104a、10
6、106aと入力内部電極105、105a、10
7、107a間でそれぞれ分極方向113aおよび分極
方向113bで示された方向に分極されていて、発電部
圧電セラミック板100は、出力電極111、101
a、101bと分極用電極108、108a間で分極方
向114aおよび分極方向114bで示される方向に分
極されている。
【0048】そして、入力電極104、106は接続さ
れて入力端子112aに結線され、入力電極104a、
106aも接続されて入力端子112aに結線されてい
る。また、入力用内部電極105、107は接続されて
入力端子112bに結線され、入力用内部電極105
a、107aも接続されて入力端子112bに結線され
ている。さらに、出力電極101、101aは共に出力
端子111aに接続され、出力電極101bは出力端子
111bに接続されている。
【0049】そして、入力端子112aと入力端子11
2bの間に所定の周波数で入力電圧を印加すると、出力
端子111aと出力端子111bの間に同一の周波数で
昇圧された電圧が発生する。
【0050】本実施形態の圧電トランスは、ローゼン型
圧電トランス、特開平9−83035および特開平9−
83036に記載された従来の圧電トランスと同様に、
長さ方向の厚み縦振動を利用したものであり、縦振動に
応じ振動の腹および節が存在する。この振動の腹および
節と、電極の位置関係を図4を用いて、より詳細に説明
する。図4(a)は本実施形態の圧電トランスの断面図
であり、図4(b)は特開平9−83035に示された
圧電トランスの断面図であり、図4(c)は振動の変位
分布を示し、図4(d)は振動の応力分布を示す(この
図においては、3次モードで振動している場合を示して
いる)。図4(b)、(c)、(d)はそれぞれ図11
(a)、(b)、(c)と同じ図であり、本実施形態の
説明のために合わせて示している。
【0051】図4(c)および図4(d)より、端面は
振動の腹になり(これは振動のモードに関係ない)、振
動の節は両端から6分の1および中央部に位置すること
がわかる。これで示される位置とそれぞれの構成の圧電
トランスにおける電極取り出し位置との関係をみると、
図4(a)で示した本実施形態の圧電トランスの構成で
は、入力電極104、104a、105、105aおよ
び入力内部電極106、106a、107、107aお
よび出力電極101、101a、101bを取り出す入
力端子112a、112bおよび出力端子111a、1
11bの位置が、矢印71で示されるように全て振動の
節の位置にあることがわかる。
【0052】このため、本実施形態の圧電トランスで
は、振動が阻害されることがないため圧電トランスのエ
ネルギー変換効率が高くなり、振動に伴うリード線の負
担が発生しないため断線する危険性が低い。
【0053】また、圧電トランスの昇圧比は、一般的に
(入力容量/出力容量)の比で決まるが、本実施形態の
圧電トランスでは、出力側の距離を図9、10の従来の
圧電トランスに対して長く確保することができるため、
出力容量を小さくすることができ、大きな昇圧比を得る
ことができる。
【0054】さらに、駆動部圧電セラミック板102、
102a、103、103aを発電部圧電セラミック板
100に接着する際に、その端部どうしを合わせて接着
すればよいため図9、10の従来の圧電トランスに比べ
て接着する際の位置決めが容易となり製造工数が少なく
てすみ、結果としてコストを低くすることができる。
【0055】次に、本実施形態の具体的な製造の方法に
ついて説明する。本発明の圧電トランスは、圧電セラミ
ック材料としてネペック8(トーキン製)を用いた。ま
ず、ネペック8の粉末を所定の型に入れ、プレス圧10
0kg/cm2の条件でプレス成形した後、ピーク温度
1100℃、キープ時間20分の条件で焼成して、駆動
部圧電セラミック板102、102a、103、103
a、発電部圧電セラミック板100および絶縁用板10
9、109a、110、110aとなる焼結単板を作成
した。本実施形態で作成したそれぞれの焼結単板の大き
さは、駆動部圧電セラミック板102、102a、10
3、103aが長さ14mm、幅5.5mm、厚み0.
5mmであり、発電部圧電セラミック板100が長さ4
2mm、幅5.5mm、厚み1mmであり、絶縁用板1
09、109a、110、110aが長さ14mm、幅
5.5mm、厚み0.2mmである。次に、駆動用圧電
セラミック板102、102a、103、103aの上
下面にAg/Pdペースト(Ag/Pd比が85/1
5)全面塗布した後、ピーク温度850℃、キープ時間
15分の条件で焼成して、入力電極104、104a、
106、106aおよび入力内部電極105、105
a、107、107aとなる電極を形成する。また、ス
クリーン印刷法を用いて、発電部圧電セラミック板10
0の4面に、短冊状の印刷パターンで、Ag/Pdペー
スト(Ag/Pd比が85/15)を印刷塗布した後、
ピーク温度850℃、キープ時間15分の条件で焼成し
て、帯状の出力電極101、101a、101bと分極
用電極108、108aとなる電極を形成する。
【0056】その次に、それぞれ電極を形成した駆動部
圧電セラミック板102、102a、103、103a
と発電部圧電セラミック板100の間に、エポキシ系接
着剤を上下面に塗布した絶縁用板109、109a、1
10、110aを挿入して、治具で保持しながら温度1
80℃、時間1時間の条件で硬化して接着する。
【0057】続いて、分極治具を用いて、温度150℃
のシリコーンオイル中において、電界2kV/mmを1
0分間印加して、駆動部圧電セラミック板102、10
2a、103、103aおよび発電部セラミック板10
0をそれぞれ分極方向113a〜113d、114a〜
114dの矢印で示される向きに分極する。
【0058】このようにして得られた本実施形態の圧電
トランスについて、100kΩの抵抗を負荷にして電圧
を印加し、トランス特性を評価したところ、25倍の昇
圧比でエネルギー変換効率93%が得られた。また、1
000時間の駆動評価(20個)を実施したところ、圧
電トランスの振動でリード線が振動することによるリー
ド線の断線は1個も発生せず、信頼性、特性ともに良好
であった。これに対し同時に駆動評価したローゼン型圧
電トランスでは、10個/20個についてリード線の断
線が発生した。
【0059】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態の圧電トランスについて説明する。
【0060】本実施形態は、図1に示した第1の実施形
態に対して、グリーンシート積層法を用いて発電部圧電
セラミック板100および駆動部圧電セラミック板10
2、102a、103、103aを形成するようにした
ものである。
【0061】本実施形態では、所定の電極パターンで電
極形成したグリーンシートと電極を形成してないグリー
ンシートを用いて、図1に示した構成になるように積層
した後、一体焼結して形成する。
【0062】次に、本実施形態の具体的な製造方法を以
下に示す。
【0063】まず、ネペック8材を用いて厚さ0.05
mmのグリーンシートを作成し、Ag/Pdペースト
(Ag/Pd比=70/30)を用いて、グリーンシー
トにベタ状パターンの電極と短冊状パターンの電極を印
刷したグリーンシートを作成した後、電極が所定の位置
になるように位置決めしながら、駆動部圧電セラミック
板102、102a、103、103aとなるグリーン
シートを長さ14mm、幅5.5で切断し、発電部圧電
セラミック板100となるグリーンシートを長さ42m
m、幅5.5mmで切断した。また、電極間のセラミッ
ク層となる電極ペーストを印刷していないグリーンシー
トをそれぞれ所定の大きさに切断した(駆動部圧電セラ
ミック板102、102a、103、103aおよび絶
縁用板109、109a、110、110aとなるグリ
ーンシートは長さ14mm、幅5.5mm、発電部圧電
セラミック板100となるグリーンシートは長さ42m
m、幅5.5mm)。
【0064】次に、図1の構成になるようにグリーンシ
ートを積層する。まず、発電部圧電セラミック板100
となるグリーンシートについて、電極ペーストを印刷し
たグリーンシートを上下面に1枚ずつとその間に電極を
印刷していないグリーンシートを20枚積層した。次に
駆動部圧電セラミック板102、102a、103、1
03aとなるグリーンシートについて、電極ペーストを
印刷したグリーンシートを上下面に1枚ずつとその間に
電極ペーストを印刷していないグリーンシートを10枚
積層した。これらの積層体をその間に絶縁用板109、
109a、110、110aとなるグリーンシートを挿
入しながら型に入れ、プレス圧力110kg/cm2、
温度100℃の条件でホットプレスした。そして、プレ
スした積層体をピーク温度1100℃、キープ時間20
分の条件で焼成した後、Ag/Pdペースト(Ag/P
d比=85/15)を用いて、発電部圧電セラミック板
100の短冊状電極の位置に合わせて、側面上に電極ペ
ーストを印刷し、ピーク温度850℃、キープ時間15
分の条件で焼成して、入力電極104、104a、10
6、106aおよび入力内部電極105、105a、1
07、107aおよび出力電極101、101a、10
1b、分極用電極108、108aを形成した。
【0065】このようにして得られた圧電トランスを上
記第1の実施形態と同様に分極した後、100kΩの抵
抗を負荷として電圧を印加し、トランス特性を評価した
ところ、第1の実施形態と同様良好な結果が得られた。
【0066】本実施形態の圧電トランスは、上記第1の
実施形態と同様な特性ではあったが、製造プロセスの観
点から見た場合、第1の実施形態では、厚みが0.2m
mや0.5mmといった焼結単板を接着剤で接合しなけ
ればならないことから、取り扱いが難しい点があるが、
本実施形態で用いているグリーンシート積層法では、こ
の点容易であり、製造プロセス上は本実施形態の方が優
れていると言える。
【0067】また、本実施形態では、駆動部圧電セラミ
ック板102、102a、103、103aおよび絶縁
用板109、109a、110、110aおよび発電部
圧電セラミック板100どうしの密着性が向上するた
め、発熱量が減りエネルギー変換効率がよくなる。
【0068】(第3の実施形態)次に、本発明の第3の
実施形態の圧電トランスについて説明する。図1中と同
番号は同じ構成要素を示す。図5は本発明の第3の実施
形態の圧電トランスの構成を示した斜視図、図6は分解
斜視図、図7は分極方向および結線の状態を示す正面図
である。
【0069】本実施形態は、上記第1の実施形態に対し
て、駆動部圧電セラミック板102、102a、10
3、103aを積層構成として駆動部圧電セラミック板
402、402a、403、403aとし、その積層さ
れたそれぞれの層間に複数の入力内部電極405、40
5a、407、407aがそれぞれ形成されているもの
である。また、駆動部圧電セラミック板402、402
a、403、403aの最上面または最下面には、第1
の実施形態と同様に、入力電極404、404a、40
6、406aが形成されている。
【0070】そして、入力電極404、404a、40
6、406aと入力内部電極405、405a、40
7、407aを一層おきに導通させるための側面電極4
15、415a、416、416aが設けられている。
側面電極は、図示されていないが、図面の裏側にも側面
電極415、415a、416、416a対抗して同様
に設けられていて、図示されている側面電極415、4
15a、416、416aと接続されていない入力内部
電極405、405a、406、406aどうしを接続
している。
【0071】このことにより入力電極404、404
a、406、406aと入力内部電極405、405
a、407、407a間でそれぞれコンデンサが形成さ
れている。
【0072】本実施形態における、発電部セラミック板
400は図1における発電部セラミック板100と同じ
でものであり、また出力電極401、401a、401
b、分極用電極408、408aも出力電極101、1
01a、101b、分極用電極108、108aと同じ
ものである。
【0073】また、図7に示すように、側面電極41
5、415a、416、416aは入力端子412bに
接続され、図示されていない4つの側面電極は入力端子
412aに接続されている。そして、出力電極401、
401aは入力端子411aに接続され、出力電極40
1bは出力端子411bに接続されている。そして、入
力端子412aと入力端子412bの間に所定の周波数
で入力電圧を印加すると、出力端子411aと出力端子
411bの間に同一の周波数で昇圧された電圧が発生す
る。
【0074】本実施形態では薄い焼結単板の上下面に電
極を形成し、導電性接着剤を用いてこれらを積層、接着
することにより、駆動部圧電セラミック板402、40
2a、403、403aを形成している。
【0075】圧電トランスの昇圧比は、一般的に(入力
容量/出力容量)の比で決まるが、入力内部電極が単板
構成である圧電トランスでは、入力容量を大きくするの
に限界があるが、本実施形態の圧電トランスでは、入力
内部電極を積層構成にすることにより入力容量を大きく
することができ、上記第1および第2の実施形態に対し
てさらに昇圧比を大きく取り出すことができる。
【0076】また、本実施形態では入力内部電極40
5、405a、407、407aが複数の圧電セラミッ
ク板が積層された構成となっているので、積層する数を
変えることにより昇圧比を変化させることができ、昇圧
比のバリエーションを増やすことができる。
【0077】次に、本実施形態の具体的な製造方法につ
いて説明する。
【0078】発電部圧電セラミック板400および絶縁
用板409、409a、410、410bについては、
第1の実施形態と同様であるので、駆動部圧電セラミッ
ク板402、402a、403、403aについて説明
する。第1の実施形態と同様なプレス、焼成条件で、駆
動用圧電セラミック板402、402a、403、40
3aとなる焼結単板(長さ14mm、幅5.5mm、厚
み0.2mm)を作成し、上下面にAg/Pdペースト
(Ag/Pd比が85/15)を側端面に短冊状の塗り
逃げを設けたパターンで塗布した後、ピーク温度850
℃、キープ時間15分の条件で焼成し、間にエポキシ系
の導線性接着剤を挿入してこれらを7枚積層した後、入
力電極404、404a、406、406bと入力内部
電極405、405a、407、407aをそれぞれ導
通させるため、導電性樹脂を側面に塗布し、側面電極4
15、415a、416、416bを形成する。これと
同時に第1の実施形態と同様に発電部圧電セラミック板
400および絶縁用板409、409a、410、41
0aをエポキシ系接着剤を介して配置し、治具で保持し
ながら温度180℃、時間1時間の条件で硬化して接着
した。
【0079】このようにして得られた圧電トランスを第
1の実施形態と同様に分極した後、100kΩの抵抗を
負荷として電圧を印加し、トランス特性を評価したとこ
ろ、第1の実施形態に比べ、昇圧比が80倍と向上し
た。またリード線の接続の信頼性等については、第1の
実施形態と同様に良好な結果であった。
【0080】(第4の実施形態)第4の実施形態は、第
3の実施形態と同様、駆動部圧電セラミック板の入力内
部電極が積層構成になっているが、製造プロセスが第2
の実施形態と同様にグリーンシート積層法を用いて、駆
動部圧電セラミック板402、402a、403、40
3aを図5に示した積層構成に形成している点が異なっ
ているのでこの点のみ説明する。
【0081】本実施形態では、切断後で長さ14mm、
幅5.5mmのグリーンシートにおいて、側端面に位置
する側で短冊状に塗り逃げを設けた電極パターンで電極
ペーストを印刷したグリーンシートを7枚積層すると同
時に、発電部圧電セラミック板400、絶縁用板40
9、409a、410、410aについては、第2の実
施形態と同様にして積層体を形成した後、Ag/Pdペ
ースト(Ag/Pd比=85/15)を用いて、発電部
圧電セラミック板の短冊状電極の位置に合わせて、側面
上に電極ペーストを印刷するとともに、駆動部圧電セラ
ミック板402、402a、403、403aの側面に
も電極ペーストを印刷して、ピーク温度850℃、キー
プ時間15分の条件で焼成して、入力電極404、40
4a、406、406a、入力内部電極405、405
a、407、407aおよび側面電極415、415
a、415、415bと図示されていない4つの側面電
極および出力電極410、401a、401bおよび分
極用電極408、408aを形成する。
【0082】このようにして得られた圧電トランスを第
1の実施形態と同様に分極した後、100kΩの抵抗を
負荷として電圧を印加し、トランス特性を評価したとこ
ろ、第3の実施形態同様に第1の実施形態に比べ、昇圧
比が80倍と向上した。またリード線の接続の信頼性等
については、第1の実施形態と同様に良好な結果であっ
た。
【0083】また、本実施形態の発明の圧電トランス
は、第3実施形態と同様な特性ではあったが、製造プロ
セスの観点から見た場合、第3の実施形態では、厚みが
0.2mmといった焼結単板を接着剤で接合しなければ
ならないことから、取り扱いが難しい点があるが、第2
の実施形態で用いているグリーンシート積層法では、こ
の点容易であり、製造プロセス上は第4の実施形態の方
が優れていると言える。また、本実施形態では、駆動部
圧電セラミック板402、402a、403、403a
および絶縁用板409、409a、410、410aお
よび発電部圧電セラミック板400どうしの密着性が向
上するため、発熱量が減りエネルギー変換効率がよくな
る。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように本発明の圧電トラン
スは、高いエネルギー変換効率、高い昇圧比および昇圧
比のバリエーションがとれるとともに、リード線の断線
やトランス性能の低下といった信頼性上の問題がないと
いう効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の圧電トランスの構造
を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の圧電トランスの構造
を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の圧電トランスの分極
方向および結線の状態を示す正面図である。
【図4】図1の圧電トランスにおける振動の状態(振動
の腹と節)と結線の位置関係を示す説明図である。
【図5】本発明の第3の実施形態の圧電トランスの構造
を示す斜視図である。
【図6】本発明の第3の実施形態の圧電トランスの構造
を示す分解斜視図である。
【図7】本発明の第3の実施形態の圧電トランスの分極
方向および結線の状態を示す正面図である。
【図8】従来のローゼン型圧電トランスの構造を示す斜
視図である。
【図9】従来の圧電トランスの構造を示す斜視図であ
る。
【図10】従来の他の圧電トランスの構造を示す斜視図
である。
【図11】図9の従来の圧電トランスにおける振動の状
態(振動の腹と節)と結線の位置関係を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
71、72 振動の腹、節の位置を示す矢印 100 発電部セラミック板 101、101a、101b 出力電極 102、102a、103、103a 駆動部圧電セ
ラミック板 104、104a 入力電極 105、105a 入力内部電極 106、106a 入力電極 107、107a 入力内部電極 108、108a 分極用電極 109、109a、110、110a 絶縁用板 111a、111b 出力端子 112a、112b 入力端子 113a、113b、113c、113d 分極方向 114a、114b、114c、114d 分極方向 400 発電部セラミック板 401、401a、401b 出力電極 402、402a、403、403a 駆動部圧電セ
ラミック板 404、404a 入力電極 405、405a 入力内部電極 406、406a 入力電極 407、407a 入力内部電極 408、408a 分極用電極 409、409a、410、410a 絶縁用板 411a、411b 出力端子 412a、412b 入力端子 414a、414b、414c、414d 分極方向 415、415a、416、416a 側面電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長方形の形状を有し、その長手方向にほ
    ぼ6等分に第1から第6の領域に分割され、前記各領域
    の境の5つの位置に帯状の5つの電極が形成され、前記
    第2から第4の領域が長手方向に分極された発電部圧電
    セラミック板と、 前記発電部圧電セラミック板と幅がほぼ同じでその長さ
    が前記発電部圧電セラミック板の長さのほぼ1/3であ
    り、前記発電部圧電セラミック板側の面には入力内部電
    極が形成され反対側の面には入力電極が形成され、前記
    入力電極と入力内部電極との間で厚み方向に分極され、
    前記圧電セラミック板の第1および第2の領域の上側、
    第1および第2の領域の下側、第5および第6の領域の
    上側、第5および第6の領域の下側に、それぞれ絶縁用
    板を介して形成された4つの駆動用圧電セラミック板と
    から構成されている圧電トランス。
  2. 【請求項2】 前記発電部圧電セラミック板、前記各駆
    動用圧電セラミック板および前記絶縁用板が焼結単板で
    あり、前記発電部圧電セラミック板、前記各駆動用圧電
    セラミック板および前記絶縁用板がお互いに接着剤によ
    り接合されている請求項1記載の圧電トランス。
  3. 【請求項3】 前記発電部圧電セラミック板がセラミッ
    クグリーンシートを積層した積層体からなり、前記各駆
    動用圧電セラミック板が、セラミックグリーンシートと
    入力内部電極を交互に積層した積層体からなり、前記発
    電部圧電セラミック板と前記各駆動用圧電セラミック板
    がセラミックグリンシートを介して一体焼結されている
    請求項1または2記載の圧電トランス。
  4. 【請求項4】 長方形の形状を有し、その長手方向にほ
    ぼ6等分に第1から第6の領域に分割され、前記各領域
    の境の5つの位置に帯状の5つの電極が形成され、前記
    第2から第4の領域が長手方向に分極された発電部圧電
    セラミック板と、 前記発電部圧電セラミック板と幅がほぼ同じでその長さ
    が前記発電部圧電セラミック板の長さのほぼ1/3であ
    り、上下の両面に電極が形成されるとともに厚み方向に
    分極されている複数の圧電セラミック板が複数積層され
    ることにより形成され、前記圧電セラミック板の第1お
    よび第2の領域の上側、第1および第2の領域の下側、
    第5および第6の領域の上側、第5および第6の領域の
    下側に、それぞれ絶縁用板を介して形成された4つの駆
    動用圧電セラミック板と、 前記各駆動用圧電セラミック板毎に設けられ、前記複数
    のセラミック板の上下の両面に形成された電極を1層毎
    に接続する4つの第1の側面電極と、 前記各駆動用圧電セラミック板毎に設けられ、前記第1
    の側面電極に接続されていない前記複数のセラミック板
    どうしを接続するための4つの第2の側面電極とから構
    成されている圧電トランス。
  5. 【請求項5】 前記発電部圧電セラミック板および前記
    絶縁用板が焼結単板であり、前記発電部圧電セラミック
    板、前記各駆動用圧電セラミック板および前記絶縁用板
    がお互いに接着剤により接合されている請求項4記載の
    圧電トランス。
  6. 【請求項6】 前記発電部圧電セラミック板がセラミッ
    クグリーンシートを積層した積層体からなり、前記各駆
    動用圧電セラミック板が、セラミックグリーンシートと
    入力内部電極を交互に積層した積層体からなり、前記発
    電部圧電セラミック板と前記各駆動用圧電セラミック板
    がセラミックグリンシートを介して一体焼結されている
    請求項4または5記載の圧電トランス。
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