JPH11125930A - フラッシュ定着電子写真用重合トナー - Google Patents

フラッシュ定着電子写真用重合トナー

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JPH11125930A
JPH11125930A JP28993097A JP28993097A JPH11125930A JP H11125930 A JPH11125930 A JP H11125930A JP 28993097 A JP28993097 A JP 28993097A JP 28993097 A JP28993097 A JP 28993097A JP H11125930 A JPH11125930 A JP H11125930A
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infrared
polymerization
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Mitsuo Kushino
光雄 串野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い赤外線吸収能を有しフラッシュ定着性が
良好でかつ経済的に安価なフラッシュ定着電子写真トナ
ーを提供する。 【解決手段】 重合により得られる樹脂粒子を直接あ
るいはさらにこれを凝集処理して得られる粒子を用いて
なる、少なくとも前記樹脂成分、着色剤および赤外線吸
収剤を含有する重合トナーであって、前記赤外線吸収剤
が微分散化処理された後に重合系ないし凝集処理系に添
加されたものであり、また前記赤外線吸収剤は波長75
0〜1100nmに最大吸収波長を有しており、さらに
前記赤外線吸収剤の添加量がトナー全重量の0.01重
量%〜5重量%の範囲にあることを特徴とするフラッシ
ュ定着電子写真用重合トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラッシュ定着電
子写真用重合トナーに関するものである。詳しく述べる
と本発明は、フラッシュ定着性が良好でかつ経済的に安
価なフラッシュ定着電子写真用重合トナーに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式における被印刷物への画像
定着方式としては、従来主としてヒートロール方式が使
用されている。しかしながら、この方式は、トナーによ
り画像形成された紙等の被印刷物を加熱ロール間に通し
て、トナーを被印刷物に熱圧着させるものであるため、
定着部で目詰まりを起こしたり、画像が押しつぶされる
ため解像度が低下する、被印刷物の種類が限られる等の
問題を有するものである。
【0003】フラッシュ定着方式は、非接触定着法の一
種であって、上記したようなヒートロール方式における
問題はなく優れた定着方式であるが、キセノンフラッシ
ュランプの光、特に赤外光をトナー中の成分が吸収する
ことで溶融し定着するものであるため、赤外光の吸収能
を有しないまたは弱い色剤を多く用いるカラートナーで
は、定着不良が生じる。
【0004】このような定着不良の問題を解決する方法
として、特開昭63−161460号公報には、フラッ
シュ定着トナー中に波長800〜1100nmに光吸収
ピークを有する赤外線吸収剤を分散配合することが提案
されている。また、特開昭60−57858号公報、特
開昭60−63546号公報、特開昭61−13295
9号公報には、800〜1100nmに光吸収ピークを
有する特定の化合物をトナー組成物に対し1重量%〜1
0重量%添加することが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
先行文献に記載されるフラッシュ定着トナーはすべて粉
砕法により得られるトナーである。
【0006】粉砕法により製造されるトナーは、小粒径
のトナーが得られにくく、また形状も不定形であり充分
な流動性が得られにくい。このためフラッシュ定着の高
解像度が得られる特徴を充分発揮できないものである。
【0007】これゆえ、赤外線吸収剤の光吸収による発
熱作用により結着樹脂を充分溶解するには、赤外線吸収
剤の添加量が必然的に多くなり、非効率かつ非経済的で
あった。
【0008】加えて、添加量が多くなるゆえ、赤外線吸
収剤の持つ色調による色汚染、及びこれらの化合物の構
造あるいは官能基等による帯電性への影響の問題もしょ
うじるものであった。
【0009】したがって、本発明は、新規なフラッシュ
定着電子写真トナーを提供することを課題とする。本発
明はまた、高い赤外線吸収能を有しフラッシュ定着性が
良好でかつ経済的に安価なフラッシュ定着電子写真トナ
ーを提供することを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記諸目的は、下記
(1)〜(4)により達成される。
【0011】(1) 重合により得られる樹脂粒子を直
接あるいはさらにこれを凝集処理して得られる粒子を用
いてなる、少なくとも前記樹脂成分、着色剤および赤外
線吸収剤を含有する重合トナーであって、前記赤外線吸
収剤が微分散化処理された後に重合系ないし凝集処理系
に添加されたものであり、また前記赤外線吸収剤は波長
750〜1100nmに最大吸収波長を有しており、さ
らに前記赤外線吸収剤の添加量がトナー全重量の0.0
1重量%〜3重量%の範囲にあることを特徴とするフラ
ッシュ定着電子写真用重合トナー。
【0012】(2) 前記着色剤が黒色以外の着色剤で
ある上記(1)に記載のフラッシュ定着電子写真トナ
ー。
【0013】(3) 重合により得られる樹脂粒子を直
接あるいはさらにこれを凝集処理して得られる粒子を用
いてなる、少なくとも前記樹脂成分、着色剤および赤外
線吸収剤を含有する重合トナーの製造方法であって、前
記赤外線吸収剤を微分散化処理した後に重合系ないし凝
集処理系に添加するものであり、また前記赤外線吸収剤
が波長750〜1100nmに最大吸収波長を有してお
り、さらに前記赤外線吸収剤の添加量をトナー全重量の
0.01重量%〜3重量%の範囲とすることを特徴とす
る非接触定着用重合トナーの製造方法。
【0014】(4) 前記赤外線吸収剤の微分散化処理
が重合性単量体、溶剤、水系媒体あるいは重合性単量体
に溶解可能な樹脂に対して行われるものである上記
(3)に記載の非接触定着用重合トナーの製造方法。
【0015】
【作用】このように本発明においては、フラッシュ定着
電子写真トナーを重合法によって製造するため、容易に
小粒径トナーが得られ、かつ球形状であるため流動性が
良好で、フラッシュ定着法のもつ高解像度が得られると
言う特徴を充分発揮できるものである。
【0016】また本発明においては、トナーに添加され
る赤外線吸収剤を、微分散化処理した後添加するもので
あるから赤外線吸収剤をトナー粒子間および粒子内に均
一に微分散することができる。さらに本発明に用いられ
る赤外線吸収剤は波長750〜1100nmに最大吸収
波長を有するものであってキセノンフラッシュ光を効率
よく吸収できる。
【0017】このため赤外線吸収剤の添加効率が高く、
少量の添加で充分な定着が得られ、経済的にも有利であ
り、色汚染の問題、帯電性への影響もほとんどない。
【0018】さらに本発明による製造方法では、従来の
粉砕法では分散不良を生じ使用困難であった赤外線吸収
剤であっても、微分散化が可能で良好な結果を得ること
ができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施態様に基づき
より詳細に説明する。
【0020】本発明のフラッシュ定着電子写真用重合ト
ナーを製造するにおいて用いられる重合性単量体として
は、懸濁重合、乳化重合、分散重合等の重合物を球状微
粒子として得ることのできる重合方法によって重合可能
なものであれば特に限定されるわけではなく、トナーの
分野において一般的に用いられている各種のビニル系単
量体、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレ
ン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブチルスチ
レン、p−フェニルスチレン、o−クロロスチレン、m
−クロロスチレン、p−クロロチレン等のスチレン系単
量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデ
シル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−エチルヘ
キシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ス
テアリル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;エ
チレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィン系単量
体、その他、アクリル酸、メタクリル酸、塩化ビニル、
酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタ
クリルアミド、N−ビニルピロリドン等を単独でまたは
2種以上組合せて用いることが可能である。
【0021】さらに分子間に架橋構造を有するものを得
ようとする場合、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニル
ナフタリン、これらの誘導体等の芳香族ジビニル化合
物、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレ
ングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、アリルメタクリレート、t−ブチ
ルアミノエチルメタクリレート、テトラエチレングリコ
ールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタ
クリレート等のごときジエチレン性不飽和カルボン酸エ
ステル、N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテ
ル、ジビニルサルファイド、ジビニルスルホン酸の全て
のジビニル化合物及び3個以上のビニル基を有する化合
物等を架橋成分として添加することが可能である。さら
に、ポリブダジエン、ポリイソプレン、不飽和ポリエス
テル、クロロスルホン化ポリオレフィン等も有効であ
る。
【0022】さらに重合性単量体組成物中に、重合性単
量体組成と同様のものよりなる(共)重合体あるいはそ
の他の(共)重合体、例えば、スチレン系樹脂、スチレ
ン・アクリレート系樹脂、ロジン誘導体、芳香族系石油
樹脂、ピネン系樹脂、エポキシ系樹脂、クマロン系樹脂
などを添加することで粒度分布の均一化を図ることがで
きる。重合体としては特に限定されるものではないが、
例えば重量平均分子量500〜100000程度、より
好ましくは1000〜50000程度が適当である。こ
のような(共)重合体の添加量は重合性単量体100重
量部に対し0〜50重量部程度が適当である。
【0023】また着色剤としては、従来公知のものがい
ずれも使用でき、例えば、カーボンブラック、ファーネ
スブラック、アセチレンブラック等の黒色着色剤、黄
鉛、カドミウムエロー、黄色酸化鉄、チタン黄、クロム
エロー、ナフトールエロー、ハンザエロー、ピグメント
エロー、ベンジジンエロー、パーマネントエロー、キノ
リンエローレーキ、アンスラピリミジンエロー等の黄色
着色剤、パーマネントオレンジ、モリブデンオレンジ、
バルカンファーストオレンジ、ベンジンオレンジ、イン
ダンスレンブリリアントオレンジ等の橙色着色剤、酸化
鉄、アンバー、パーマネントブラウン等の褐色着色剤、
ベンガラ、ローズベンガラ、アンチモン末、パーマネン
トレッド、ファイヤーレッド、ブリリアントカーミン、
ライトファストレッドトーナー、パーマネントカーミ
ン、ピラゾロンレッド、ボルドー、ヘリオボルドー、ロ
ーダミンレーキ、デュポンオイルレッド、チオインジゴ
レッド、チオインジゴマルーン、ウォッチングレッドス
トロンチウム等の赤色着色剤、コバルト紫、ファースト
バイオレット、ジオキサンバイオレット、メチルバイオ
レットレーキ等の紫色着色剤、メチレンブルー、アニリ
ンブルー、コバルトブルー、セルリアンブルー、カルコ
オイルブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシ
アニンブルー、ウルトラマリンブルー、インダンスレン
ブルー、インジゴ等の青色着色剤、クロムグリーン、コ
バルトグリーン、ピグメントグリーンB、グリーンゴー
ルド、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオ
クサレート、ポリクロムブロム銅フタロシアニン等の緑
色着色剤などの顔料または染料を例示することができ、
これらの顔料または染料は単独あるいは複数組み合わせ
て用いることができる。
【0024】なお、本発明のフラッシュ定着電子写真ト
ナーは、赤外線吸収剤の添加によるフラッシュ定着性の
改良を図ったものであるため、特に、黒色以外の着色剤
を用いたカラートナーの場合に効果が大きいものであ
る。
【0025】これらの着色剤は、特に限定されるもので
はないが、トナー組成物中に、3〜15重量%配合され
るものであることが好ましい。
【0026】本発明のフラッシュ定着電子写真トナー
は、さらに赤外線吸収剤が添加されてなるものである。
本発明において用いられる赤外線吸収剤としては、最大
吸収波長が750〜1100nmのものが好ましく、よ
り好ましくは800〜1100nmである。
【0027】本発明において使用される赤外線吸収剤
は、上記のごとく波長750〜1100nmに最大吸収
波長を有するものであり、かつ、重合性単量体、溶剤、
水系媒体、樹脂等に溶解ではなく分散可能なものであれ
ば、特に限定はない。
【0028】本発明において用いることのできる赤外線
吸収剤の具体例としては、当該赤外線吸収剤を微分散化
処理しようとする、重合性単量体、溶剤、水系媒体、樹
脂等の対象物及びこれらの種類によっても左右されるた
め、一概には示しにくいが、例えば、シアニン化合物
系、ジイモニウム化合物系、アミニウム化合物系、Ni
錯体化合物系、フタロシアニン化合物系、アントラキノ
ン化合物系、及びナフタロシアニン化合物系などであ
る。
【0029】具体的には、日本化薬製のKayasor
b IR−750、IRG−022、IRG−023、
IR−820B、CY−2、CY−4、CY−9、CY
−17、CY−20等、及びビス(1,2−ジフェニレ
セン−1,2−ジチオール)ニッケル等が挙げられる。
【0030】なお、フラッシュ定着は、ヒートロール定
着とは異なり、キセノンフラッシュランプの照射光(主
に波長800nm〜1100nmの近赤外光)を吸収発
熱して定着するため、瞬時的に、300℃〜600℃程
度の温度に達する。このため赤外線吸収剤の熱分解開始
温度つまり耐熱温度が低いものであると、分解ガスによ
る定着画像におけるボイド(白抜け)の発生原因となる
虞れがある。従って赤外線吸収剤の耐熱温度は、230
℃以上であることが好ましく、より好ましくは250℃
以上、最も好ましくは300℃以上である。
【0031】本発明のフラッシュ定着電子写真トナーに
おいて、このような赤外線吸収剤の添加量は、最終的に
得られるトナー組成物全重量の0.01重量%〜3重量
%、好ましくは0.01重量%〜2重量%の割合とされ
る。すなわち、添加量が0.01重量%未満では、赤外
線吸収剤が得られるトナー粒子内において充分に微分散
していても、充分な定着性を得ることが困難となる虞れ
が高く、一方、添加量が3重量%を越えると、定着性の
面では何ら問題はないが、経済的に不利なものとなるば
かりでなく、トナーの色調、帯電性等に悪影響を及ぼす
虞れが生じてくるためである。
【0032】本発明のフラッシュ定着電子写真トナーに
は、さらに必要に応じてワックス成分、電荷制御剤、流
動化剤等の添加剤を配合することが可能である。
【0033】ワックス成分としては、ポリオレフィン系
ワックスおよび天然ワックス等が用いら得る。ポリオレ
フィン系ワックスとしては、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブチレン、エチレン−プロピレン共重合体、
エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ペンテン共重合
体、エチレン−3−メチル−1−ブテン共重合体、ある
いはオレフィンとその他の単量体、例えばビニルエステ
ル類、ハロオレフィン類、(メタ)アクリル酸エステル
類、(メタ)アクリル酸ないしその誘導体等、との共重
合体などが挙げられるが、その重量平均分子量が100
0〜45000程度のものであることが望ましい。ま
た、天然ワックスとしては、カルバナロウ、モンタンロ
ウ、天然パラフィン等が例示できる。
【0034】電荷制御剤としては、例えば、ニグロシ
ン、モノアゾ染料、亜鉛、ヘキサデシルサクシネート、
ナフトエ酸のアルキルエステルまたはアルキルアミド、
ニトロフミン酸、N,N−テトラメチルジアミンベンゾ
フェノン、N,N−テトラメチルベンジジン、トリアジ
ン、サリチル酸金属錯体等が例示できる。本発明のフラ
ッシュ定着電子写真トナーにおいて使用される着色剤が
黒色以外のものであるカラートナーの形態においては、
荷電制御剤としては無色ないし淡色のものが好ましい。
【0035】また、流動化剤としては、例えば、コロイ
ダルシリカ、疎水性シリカ、疎水性チタニア、疎水性ジ
ルコニア、タルク等の無機微粒子、その他、ポリスチレ
ンビーズ、(メタ)アクリル樹脂ビーズ等の有機微粒子
などが用いられ得る。
【0036】本発明のフラッシュ定着電子写真トナーの
製法としては、前記したように、重合物を球状微粒子と
して得ることのできる重合方法であればよく、例えば、
懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等に基づき、重合
性単量体に、着色剤、赤外線吸収剤、さらには上記した
ようなワックス成分、電荷制御剤、流動化剤等の添加剤
を配合してなる重合性単量体組成物を重合することによ
り行うことができる。しかしながら、これらの重合法の
うち、懸濁重合法が最も良好な物性のトナーをえること
ができるために最も望ましい。
【0037】あるいはまた、このような重合法、特に乳
化重合法、によって得られた微粒子をさらに凝集処理し
て所望粒径のトナー粒子とすることも可能であり、この
場合においては、重合性単量体以外の成分は、重合系に
は添加しておかずこの凝集処理時に添加することも可能
であり、また重合系および凝集処理系の双方にて添加す
ることも可能である。
【0038】懸濁重合法に基づき本発明の非接触定着用
重合トナーを得る場合は、前記したような重合性単量体
組成物を、水系媒体中に添加し、撹拌して所望の粒径の
液滴(重合性単量体組成物粒子)を形成して重合を行な
う。この懸濁重合は、液滴の粒子径の規制を行なった後
あるいは粒子径の規制を行ないながら反応を行なうこと
が好ましいが、特に粒子径の規制を行なった後に反応を
行なうことが好ましい。この粒子径の規制は、例えば、
所定の成分を水性媒体に分散させた懸濁液をT.K.ホ
モミキサーにより撹拌して行なう。あるいはラインミキ
サー(例えばエバラマイルダー)等の高速撹拌機に1回
ないし数回通過させることにより行われる。このように
して、上記液滴の粒子径が所定の大きさ、例えば0.1
〜500μm、好ましくは0.5〜100μm、さらに
好ましくは0.5〜50μm程度のものとする。他の重
合方法においても、それぞれの重合法に基づき重合を行
う場合において、同様の粒子径規制を行うことが好まし
い。
【0039】しかして、本発明においては、上記したよ
うな重合法によるトナーの製造工程において、上記した
ような赤外線吸収剤を微分散化処理した後、添加する
が、その添加時期としては、重合性単量体組成物の調製
段階から最終的に得られるトナー粒子を乾燥させるまで
の間であれば特に限定されるものではない。
【0040】具体的には、例えば、重合系における重合
性単量体組成物の調製工程、重合性単量体組成物の分散
媒に対する分散工程、および重合性単量体組成物の重合
反応工程、さらには凝集処理を行う場合にあっては、当
該処理工程のいずれにおいても行うことができる。
【0041】さらに赤外線吸収剤の分散方法としても、
各種の態様を取ることができ、具体例として、重合系な
いしは凝集処理系において用いられる重合性単量体、溶
剤、水系媒体、樹脂等に赤外線吸収剤を微分散させ添加
する方法が挙げられる。なお、このうち、樹脂は、重合
性単量体組成物を重合させた結果得られる球状微粒子を
意味するものではなく、このような重合性単量体組成物
中に添加され得る重合性単量体組成物に溶解可能な樹
脂、あるいは重合系に用いられる溶剤に添加され溶解可
能な樹脂等を意味する物である。
【0042】重合性単量体、溶剤等の液状物への赤外線
吸収剤の微分散方法は、例えば、ホモミキサー、バイオ
ミキサー、エバラマイルダー等の高速剪断型分散機、コ
ロイドミル、ホモミックラインミル等の摩砕型の分散
機、ボールミル、サイドグラインドミル、パールミル、
アトライター等のメディアミル等を用いる方法が例示で
きる。
【0043】また樹脂等への分散方法は、例えば、ロー
ルミル、ニーダー、加圧ニーダー、バンバリミキサー、
ラボプラストミル、1軸あるいは2軸の混練押出機等を
用い、樹脂等と赤外線吸収剤を溶融混練し、樹脂等の固
形状物に赤外線吸収剤を微分散する方法が例示できる。
【0044】赤外線吸収剤の微分散処理の程度は、赤外
線吸収剤を添加して分散処理を行う重合性単量体、溶
剤、水系媒体、樹脂等の種類によっても左右されるが、
例えば、分散された赤外線吸収剤の粒径が0.5μm程
度以下、より好ましくは0.01〜0.3μm程度とす
ることが望ましい。
【0045】なお、これらの方法で赤外線吸収剤を微分
散化処理する砕に、顔料等の着色剤、電荷制御剤、ワッ
クス等を同時に分散化処理しても何ら問題がなく、また
これらの分散を高濃度で行っても良い。
【0046】懸濁重合、分散重合及び乳化重合において
用いられる分散剤あるいは乳化剤としては、ポリビニル
アルコール、ゼラチン、トラガント、デンプン、メチル
セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメ
タクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン等の高分
子分散剤、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、テ
トラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウ
ム、オクチル硫酸ナトリウム、アリル−アルキル−ポリ
エーテルスルホン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウ
ム、ラウリル酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カ
プロン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイ
ン酸カリウム、3,3’−ジスルホンジフェニル尿素−
4,4’−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6
−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン
−アゾ−ジメチルアニリン、2,2’,5,5’−テト
ラメチル−トリフェニルメタン−1,1’−ジアゾ−ビ
ス−β−ナフトール−ジスルホン酸ナトリウム、アルキ
ルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホ
コハク酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジス
ルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸
ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸
トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル硫酸アンモニウム、アルキルスルホン酸
ナトリウム、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合
物のナトリウム塩、特殊芳香族スルホン酸ホルマリン縮
合物のナトリウム塩、特殊カルボン酸型高分子界面活性
剤、ポリオキシエチレンラルリルエーテル、ポリオキシ
エチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリ
ルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンソルビタンアルキレート、ラウリルト
リメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニ
ウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムク
ロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウム等の
界面活性剤、その他アルギン酸塩、ゼイン、カゼイン、
硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マ
グネシウム、リン酸カルシウム、タルク、粘土、ケイソ
ウ土、ベントナイト、水酸化チタン、水酸化トリウム、
金属酸化物粉末等が挙げられる。
【0047】また重合に用いる重合開始剤としては、通
常懸濁重合、分散重合に用いられる油溶性の過酸化物系
あるいはアゾ系開始剤が利用できる。一例を挙げると、
例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化
オクタノイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソ
メトキシ過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオ
キサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、
キュメンハイドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパ
ーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ
イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等の過酸
化物系開始剤、2,2´−アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)、2,2´−アゾビス(2,3−ジメチルブチロ
ニトリル)、2,2´−アゾビス(2−メメチルブチロ
ニトリル)、2,2´−アゾビス(2,3,3−トリメ
チルブチロニトリル)、2,2´−アゾビス(2−イソ
プロピルブチロニトリル)、1,1´−アゾビス(シク
ロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2´−アゾビ
ス(4−メチキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、
4,4´−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、ジメチ
ル−2,2´−アゾビスイソブチレート等がある。乳化
重合に用いられる水溶性の開始剤としては、例えば、過
硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム
等の過硫酸塩類、ターシャリイソブチルハイドロパーオ
キサイド、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタ
ンハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物類、過酸
化水素等が挙げられる。このような重合開始剤は、重合
性単量体に対して、0.01〜20重量%、特に、0.
1〜10重量%使用されるのが好ましい。
【0048】このようにして得られる本発明に係るフラ
ッシュ定着電子写真トナーは、電子写真法において目的
とされる解像度等によっても左右されるが、平均粒径が
例えば、5〜15μm、より好ましくは、5〜10μm
程度のものとされる。
【0049】本発明に係るフラッシュ定着電子写真トナ
ーの定着には、キセノンフラッシュランプを用い、キセ
ノンフラッシュランプの電気入力エネルギーは単位面積
当たり1.6〜3J/cm2で定着できる。その定着度
が70%以上であると使用に際し問題を生じないが、7
0%以下の場合、摩擦力などで脱離が生じ接触した他の
物を汚染する等の問題を生じる。
【0050】本発明のフラッシュ定着電子写真トナー
は、例えば、バーコード印刷、ラベル印刷、タグ印刷、
カールソン方式あるいはイオンフロー方式等のプリンタ
ーおよびコピー等の各種の用途に好適に使用できるもの
であり、特にカラー化した実施形態においても安価にて
良好なフラッシュ定着性を発揮する製品を提供できるた
めに、これらの用途における画像のカラー化の要望に容
易に対応できるものである。
【0051】
【実施例】以下本発明を実施例に基づきより具体的に説
明する。なお、以下において、「%」および「部」は特
に断らない限り重量によるものである。
【0052】実施例1 スチレン874部、赤外線吸収剤ビス(1,2’−ジフ
ェニレセン−1,2−ジチオール)ニッケル6部、赤色
顔料(ライオネルレッドCP−A、東洋インキ製)10
0部、電荷制御剤(ボントロンE82、オリエント化学
工業製)20部を混合し、ダイノミル(シンマルエンタ
ープライゼス製)、ベッセル容量1Lにビーズ径0.8
mmのジルコニアビーズをベッセル容量の80%充填
し、ディスク周速15m/s、流速1500ml/mi
nで10分間微分散化処理を行い、ミルベースを調製し
た。
【0053】このミルベース50部、スチレン41.3
部、n−ブチルアクリレート15部、ジビニルベンゼン
0.1部、2,2’−アゾビスブチロニトリル(ABN
R、日本ヒドラジン工業製)2部、2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)(ABNV)2部
を均一混合し重合性単量体組成物とした。
【0054】この重合性単量体組成物を、予め調整され
た0.04%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
と4%のリン酸カルシウムを含む水430部に添加し、
ホモミキサー(特殊機化工製)にて8000rpmで5
分間撹拌し懸濁液を得た。
【0055】この懸濁液を窒素雰囲気下で、重合粒子が
沈降しない程度に全体を均一撹拌しながら昇温し、75
℃で5時間重合を行った。
【0056】この重合液中の重合粒子径をコールターマ
ルチサイダーII(コールター社製)で測定した結果、
体積平均粒子径が7.3μmであった。
【0057】次いで、固液分離、洗浄を繰り返し行った
後、温度50℃の減圧乾燥機で24時間乾燥を行い、着
色樹脂微粒子(1)を得た。
【0058】この着色樹脂微粒子(1)における赤外線
吸収剤の分散状態をTEM写真で観察した結果、粒子中
に均一に微分散しており、その粒子の大きさは0.1μ
m以下であった。
【0059】この着色樹脂微粒子(1)を電子写真用ト
ナー原粉として用い、これに疎水性シリカ(アエロジル
R−972、日本アエロジル製)を0.3%添加し充分
混合してトナー(1)を得た。
【0060】このようにして得られたトナー(1)に対
し、以下に示すような方法によって定着度、色調、画像
上のカブリ、解像度に関して評価を行った。得られた結
果を表1に示す。
【0061】実施例2 スチレン70部、n−ブチルアクリレート30部からな
る重合性単量体組成物を予め調製された0.9%ハイテ
ノールN08(第一工業製薬製)水溶液230部に添加
して、撹拌しながら70℃で8時間重合させて、固形分
30%の乳化重合物を得た。
【0062】この乳化重合物に、下記条件で予め調製さ
れた、赤外線吸収剤分散液100部、顔料と電荷制御剤
の分散液100部、10%ポリ塩化アルミニウム水溶液
5部を添加し、撹拌下にゆっくり昇温し、70℃で1時
間保持した。その間に樹脂粒子、赤外線吸収剤、顔料、
電荷制御剤からなる凝集体が形成されるのを光学顕微鏡
で確認した。
【0063】その後、実施例1と同様に、固液分離、洗
浄、乾燥を行い、さらに風力分級して約8μmの着色樹
脂微粒子(2)を得た。
【0064】この着色樹脂微粒子(2)を実施例1と同
じ方法で粒子径測定した結果、体積平均粒子径が7.8
μmであった。
【0065】この着色樹脂微粒子(2)を電子写真用ト
ナー原粉として用い、実施例1と同様にしてトナー
(2)を得た。
【0066】このようにして得られたトナー(2)につ
いても実施例1と同様に性能評価を行った。得られた結
果を表1に示す。
【0067】赤外線吸収剤の微分散処理 赤外線吸収剤カヤソーブCY−10(日本化薬製)1.
5部、メタノール45部、水253.5部を混合し、バ
ッチ式サンドミル(ベッセル容量1Lにビーズ径1.2
mmのジルコニアビーズをベッセル容量の80%充填、
ディスク周速8m/s)で30分間微分散処理を行い、
赤外線吸収剤/メタノール/水分散液を得た。
【0068】この分散液中の赤外線吸収剤の粒子径を光
学顕微鏡で確認した結果、0.3μm以下に微分散され
ていることが判った。
【0069】顔料と電荷制御剤の微分散処理 フタロシアニンブルー(リオノールブルーES、東洋イ
ンキ製)15部、電荷制御剤(ボントロンE82、オリ
エント化学工業製)3部、メタノール45部、水237
部を混合し赤外線吸収剤の微分散処理と同じ条件で微分
散して顔料と電荷制御剤の分散液を得た。
【0070】実施例3 ポリエステル樹脂(タフトンNE1110、花王製)、
赤外線吸収剤カヤソーブCY−10(日本化薬製)2部
を混合し、ロール温度115℃の熱ロールで20分間溶
融混練して樹脂中に赤外線吸収剤を微分散したマスター
バッチを作成した。
【0071】このマスターバッチをトルエンに溶解し
(赤外線吸収剤は溶解しない)赤外線吸収剤の分散粒子
径を顕微鏡で観察した結果、0.5μm以下に微分散さ
れていることが判った。
【0072】スチレン64部、n−ブチルアクリレート
11.5部、ジビニルベンゼン0.1部、フタロシアニ
ンブルー(リオノールブルーES、東洋インキ製)5
部、電荷制御剤(ボントロンE82、オリエント化学工
業製)1部、2,2’−アゾビスブチロニトリル(AB
NR、日本ヒドラジン工業製)2部、2,2’−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(ABNV)2
部を混合し、バイオミキサー((株)日音医理科器機製
作所製)にて20000rpmで10分間分散した。こ
れに先に調製したマスターバッチ25部を添加し撹拌混
合して重合性単量体組成物とした。
【0073】この重合性単量体組成物を、予め調整され
た0.2%ハイテノールN08(第一工業製薬製)水溶
液430部に添加し均一混合した後、エバラマイルダー
(荏原製作所製)にて、回転数12000rpm、流量
230kg/Hrの運転条件下に前記混合液を1回通過
させ、懸濁液を得た。
【0074】この懸濁液を実施例1と同様にして重合を
行った。得られた重合液の粒子径を実施例1と同様にに
して測定した結果、体積平均粒子径が5.8μmであっ
た。
【0075】次いで、固液分離、洗浄、乾燥を行い、着
色樹脂微粒子(3)を得た。
【0076】この着色樹脂微粒子(3)を電子写真用ト
ナー原粉として用い、実施例1と同様にしてトナー
(3)を得た。
【0077】このようにして得られたトナー(3)につ
いても実施例1と同様に性能評価を行った。得られた結
果を表1に示す。
【0078】 比較例1 スチレンアクリル樹脂(TB−1000、三洋化成製) 80部 スチレンアクリル樹脂(ST−95、三洋化成製) 20部 赤色顔料(ライオネルレッドCP−A、東洋インキ製) 5部 電荷制御剤(ボントロンE82、オリエント化学工業製) 1部 赤外線吸収剤 3部 (ビス(1,2’−ジフェニレセン−1,2−ジチオール)ニッケル) 上記のトナー組成物を粉体混合機(ハイスピードミキサ
ー、深江工業製)で充分混合した後、ラボプラストミル
(東洋精機製)で溶融混合した。この混合物を冷却後、
粗粉砕し、さらにジェットミルで微粉砕した。得られた
微粉砕物を風力分級機で分級し、平均粒子径10.1μ
mの比較用着色樹脂粒子(C1)を得た。この比較用着
色樹脂粒子(C1)を電子写真用トナー原粉として用
い、実施例1と同様にして、比較用トナー(C1)を得
た。得られた比較用トナー(C1)について実施例1と
同様に性能評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0079】比較例2 スチレン85部、n−ブチルアクリレート15部、ジビ
ニルベンゼン0.1部、2,2’−アゾビスブチロニト
リル(ABNR、日本ヒドラジン工業製)2部、2,
2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
(ABNV)2部、フタロシアニンブルー(リオノール
ブルーES、東洋インキ製)6部、電荷制御剤(ボント
ロンE82、オリエント化学工業製)1部、赤外線吸収
剤(カヤソーブCY−17、日本化薬製)0.5部から
なる重合性単量体組成物を、直径2.5mmのガラスビ
ーズ130gと共に450ml容マヨネーズビンに入
れ、ペイントシェーカーで60分間分散混合した。
【0080】この重合性単量体組成物を、予め調整され
た0.04%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
と4%のリン酸カルシウムを含む水430部に添加し、
ホモミキサー(特殊機化工製)にて8000rpmで5
分間撹拌し懸濁液を得た。
【0081】この懸濁液を実施例1と同様にして重合を
行った。得られた重合液の粒子径を実施例1と同様にし
て測定した結果、体積平均粒子径が6.2μmであっ
た。
【0082】次いで、リン酸3カルシウムを塩酸で溶解
後、固液分離、洗浄を繰り返し行い、温度50℃の減圧
乾燥機で24時間乾燥を行い、比較用着色樹脂微粒子
(C2)を得た。
【0083】この比較用着色樹脂微粒子(C2)におけ
る赤外線吸収剤の分散状態をTEM写真で観察した結
果、粒子中に均一に微分散しており、その粒子の大きさ
は2μm以下であった。
【0084】この比較用着色樹脂微粒子(C2)を電子
写真用トナー原粉として用い、実施例1と同様にしてト
ナー(C2)を得た。
【0085】このようにして得られたトナー(C2)に
ついても実施例1と同様に性能評価を行った。得られた
結果を表1に示す。
【0086】比較例3 実施例1における重合性単量体組成物において、赤外線
吸収剤を添加しない以外は同様の組成とし、実施例1と
同様の方法にて比較用着色樹脂粒子(C3)を得た。
【0087】この比較用着色樹脂微粒子(C3)を電子
写真用トナー原粉として用い、実施例1と同様にしてト
ナー(C3)を得た。
【0088】このようにして得られたトナー(C3)に
ついても実施例1と同様に性能評価を行った。得られた
結果を表1に示す。
【0089】(性能評価) ・定着度試験 トナー4部、アクリル変性シリコン樹脂被覆キャリア9
6部からなる現像剤を、市販の複写機(レオドライ76
10、東芝製)にセットし、未定着画像を作成した後キ
セノンフラッシュランプを用いフラッシュ定着させた。
【0090】このフラッシュ定着画像を、スコッチメン
ディングテープ(3M製)を幅40mm、直径100m
mの1.5kg金属ローラーで接着し30分間放置後、
約135°の角度で1分間で約20cmの速度で剥離す
るテープ剥離試験に供し、テープ剥離後の画像残存率を
定着度として評価した。
【0091】テープ剥離後の画像残存率は、テープ剥離
前後の画像濃度を測定し次式により算出した。
【0092】
【数1】定着度(%)=(テープ剥離後の画像濃度/テ
ープ剥離前の画像濃度)×100 画像濃度は、マクベス反射濃度計RD514型(A div
ision kollmorgen Corp製)を用い測定した。
【0093】・画像上のカブリ 白地画像部のトナーカブリを倍率20倍のルーペを用い
て観察し評価した。なお、評価は次の3段階の基準によ
った。
【0094】○ トナーカブリなし。
【0095】△ トナーカブリあるが問題ないレベル。
【0096】× トナーカブリが多く問題。
【0097】・解像度 電子写真学会テストチャートNo1−R(1975)を
用い、65line/inchのドット再現性及び3.2本/m
mの細線再現性をそれぞれ実体顕微鏡観写真(×60)
を撮影し評価した。なお評価は次の3段階の基準によっ
た。
【0098】○ ドット及び細線の太りまたは細りがほ
とんどなく、テストチャートをほぼ再現している。。
【0099】△ ドット及び細線の太りまたは細りが若
干認められるが、問題ないレベル。
【0100】× ドット及び細線の太りまたは細りが著
しく、欠損部がある。
【0101】・色調評価 実施例及び比較例それぞれの組成で、赤外吸収剤を含ま
ないトナーを作成し、それを色調標準トナーとした。実
施例および比較例のトナーのフラッシュ定着と、色調標
準トナーのオーブン定着画像との色調を肉眼にて比較
し、赤外線吸収剤による色調への影響を調べた。なお、
評価は次の4段階の基準によった。
【0102】◎ 色調への影響が認められない。
【0103】○ 色調への影響がわずかに認められるが
問題ない。
【0104】△ 色調への影響が認められる。
【0105】× 色調への影響が大きく色調が明らかに
変化している。
【0106】
【表1】
【0107】
【発明の効果】以上述べたように本発明は、重合法によ
ってトナー粒子を得るものであるため、容易に小粒径ト
ナーが得られ、かつ球形状あるいは球に近い形状である
ため流動性が良好で、フラッシュ定着電子写真法のもつ
高解像度が得られると言う特徴を充分発揮できるもので
ある。また本発明においては、トナーに添加される赤外
線吸収剤を、微分散化処理した後添加するものであるか
ら赤外線吸収剤をトナー粒子間および粒子内に均一に微
分散することができる。さらに本発明に用いられる赤外
線吸収剤は波長750〜1100nmに最大吸収波長を
有するものであってキセノンフラッシュ光を効率よく吸
収できる。このため赤外線吸収剤の添加効率が高く、少
量の添加で充分な定着が得られ、経済的にも有利であ
り、色汚染の問題、帯電性への影響もほとんどない。
【0108】さらに本発明による製造方法では、従来の
粉砕法では分散不良を生じ使用困難であった赤外線吸収
剤であっても、微分散化が可能で良好な結果を得ること
ができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合により得られる樹脂粒子を直接ある
    いはさらにこれを凝集処理して得られる粒子を用いてな
    る、少なくとも前記樹脂成分、着色剤および赤外線吸収
    剤を含有する重合トナーであって、前記赤外線吸収剤が
    微分散化処理された後に重合系ないし凝集処理系に添加
    されたものであり、また前記赤外線吸収剤は波長750
    〜1100nmに最大吸収波長を有しており、さらに前
    記赤外線吸収剤の添加量がトナー全重量の0.01重量
    %〜3重量%の範囲にあることを特徴とするフラッシュ
    定着電子写真用重合トナー。
  2. 【請求項2】 前記着色剤が黒色以外の着色剤である請
    求項1に記載のフラッシュ定着電子写真トナー。
  3. 【請求項3】 重合により得られる樹脂粒子を直接ある
    いはさらにこれを凝集処理して得られる粒子を用いてな
    る、少なくとも前記樹脂成分、着色剤および赤外線吸収
    剤を含有する重合トナーの製造方法であって、前記赤外
    線吸収剤を微分散化処理した後に重合系ないし凝集処理
    系に添加するものであり、また前記赤外線吸収剤が波長
    750〜1100nmに最大吸収波長を有しており、さ
    らに前記赤外線吸収剤の添加量をトナー全重量の0.0
    1重量%〜3重量%の範囲とすることを特徴とする非接
    触定着用重合トナーの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記赤外線吸収剤の微分散化処理が重合
    性単量体、溶剤、水系媒体あるいは重合性単量体に溶解
    可能な樹脂に対して行われるものである請求項3に記載
    の非接触定着用重合トナーの製造方法。
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