JPH11124794A - 紙塗工用樹脂及びそれを用いた紙塗工用組成物 - Google Patents

紙塗工用樹脂及びそれを用いた紙塗工用組成物

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JPH11124794A
JPH11124794A JP28683297A JP28683297A JPH11124794A JP H11124794 A JPH11124794 A JP H11124794A JP 28683297 A JP28683297 A JP 28683297A JP 28683297 A JP28683297 A JP 28683297A JP H11124794 A JPH11124794 A JP H11124794A
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JP28683297A
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Satoru Iwata
岩田  悟
Mayumi Narushima
真弓 成嶋
Hiroya Kaihara
寛哉 貝原
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Japan PMC Corp
Original Assignee
Japan PMC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インキ受理性、耐水性、ドライピック強度を
バランスよく向上した紙塗工用樹脂及びそれを含有する
紙塗工用組成物、ホルムアルデヒドの発生のない紙塗工
用樹脂、及びその紙塗工用樹脂を含有した紙塗工用組成
物を提供する。 【解決手段】(a)ポリアルキレンポリアミンと、
(b)α, β−不飽和単量体と、(c)尿素類の反応生
成物、並びに、化合物(a)と、化合物(b)と、化合
物(c)及び(D)脂肪族カルボン酸の反応生成物、並
びにこれらの紙塗工用樹脂と顔料及びバインダーとを含
有する紙塗工用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙塗工用樹脂及び
それを用いた紙塗工用組成物に関し、さらに詳しくは、
紙塗工用組成物に添加する樹脂である紙塗工用樹脂、及
びこの紙塗工用樹脂を添加した紙塗工用組成物に関す
る。本発明は、特に、インキ受理性、ウェットピックを
バランス良く向上させる紙塗工用樹脂及びその紙塗工用
樹脂を含有してなる紙塗工用組成物に関する。また、ホ
ルムアルデヒドの発生のない紙塗工用樹脂及びその紙塗
工用樹脂を含有してなる紙塗工用組成物に関するものを
含む。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】印刷用紙
として広く用いられている塗工紙は、従来より、クレ
ー、炭酸カルシウム等の顔料やラテックス、澱粉等のバ
インダーを主成分とする組成物を原紙に塗工することに
よって製造されている。近年、高速化、精密化、及び多
色化等に代表される印刷技術の目ざましい進歩に伴なっ
て、この塗工紙に、より高度な印刷適性が要求されるよ
うになってきた。特に、オフセット印刷においては、印
刷時のインキの着肉状態を示すインキ受理性、及び湿し
水に対する耐水性の向上が強く要求されている。
【0003】このような要求に応えるべく、紙塗工用組
成物に添加して塗工紙に上記特性を付与することを目的
とする樹脂として、ポリアルキレンポリアミン−尿素−
アルデヒド樹脂、ポリアミド−尿素−アルデヒド樹脂、
アミン−エピハロヒドリン樹脂等の各種の樹脂が開発さ
れてきた。これらの樹脂については、例えば、特公昭4
4−11667号、特公昭55−11797号公報、特
公昭56−28929号公報、特公昭59−32597
号公報、特公昭61−42931号公報、特開昭62−
101621号、特開平1−77696号公報及び特開
平2−216297号公報において提案されている。
【0004】また、特公平4−57797号公報におい
ては、ポリアルキレンポリアミン、脂環式アミノ化合
物、二塩基性カルボン酸系化合物、及び尿素の縮合生成
物に、さらにアルデヒド類又はエピハロヒドリン等を反
応させて得られる水溶性樹脂が提案されている。
【0005】特開平7−305298号公報には、イン
キ受理性に優れ、塗工組成物の粘度特性の変化も少な
く、さらにホルマリンの発生しない紙塗工用樹脂並びに
紙塗工用組成物を提供することを目的に、(a)(I)ポリア
ルキレンポリアミンと脂肪族系モノカルボン酸との反応
縮合生成物、(II) ポリアルキレンポリアミン、二塩基
性カルボン酸系化合物及び脂肪酸系モノカルボン酸との
反応縮合生成物及び(III)アルキレンジアミン又はポリ
アルキレンポリアミンから選ばれる1種以上と、(b) ア
クリル酸エステル又はメタクリル酸エステルから選ばれ
る1種以上との付加縮合生成物に脂肪族系モノカルボン
酸を反応させて得られる縮合生成物からなる群から選ば
れる1種以上を主成分とする紙塗工用樹脂が開示されて
いる。
【0006】特開平8−13391号公報には、紙に対
して優れた印刷適性および印刷効果を付与することがで
きる塗工組成物を提供することを目的に、(I) 顔料、(I
I)水性バインダー、(III) 少なくとも(a) アルキレンジ
アミン又はポリアルキレンポリアミン、(b) 尿素類、及
び(c) アルデヒド類、エピハロヒドリン類及びα,γ−
ジハロ−β−ヒドリン類から選ばれる水溶性樹脂(A)
と、(x) α,β−不飽和カルボン酸系化合物、及び(y)
1級又は2級アミノ化合物の二成分を反応させて得られ
るアミド化合物(B) との混合物又は反応物である樹脂成
分を含有する紙用塗工組成物が開示されている。
【0007】特開平9−87996号公報には、特開平
8−13391号公報における「(x) α,β−不飽和カ
ルボン酸系化合物」を「α,β−不飽和ニトリル化合
物」に代えた外は特開平8−13391号公報の請求項
に記載の樹脂成分と同じ樹脂成分を含有する紙塗工用組
成物が開示されている。
【0008】しかしながら、これらの従来技術はいずれ
もインキ受理性、耐水性、ドライピック強度をバランス
良く向上せしめる点については十分でなく、例えば、イ
ンキ受理性を著しく向上させるものはドライピック強度
の低下が大きい、あるいは塗工液粘度を著しく増粘させ
ると言う問題がある。逆に、ドライピック強度の低下を
抑えるように工夫されたものはインキ受理性向上効果や
耐水性向上効果が不十分であると言う問題がある。
【0009】そこで本発明はこのような従来技術の問題
点を解決した紙塗工用樹脂、及びこの紙塗工用樹脂を含
有する紙塗工用組成物を提供することを目的とする。
【0010】また、従来の紙塗工用樹脂はホルムアルデ
ヒド、又は有機ハロゲン化合物で変性した樹脂が大半を
占め、このような樹脂を使用する場合は、ホルムアルデ
ヒドや発癌性の高いとされる低分子有機ハロゲン化合物
が、塗工作業中の樹脂、又は得られた塗工紙から発生す
るという問題があった。
【0011】しかも、従来、検討、提案されてきた樹脂
は、インキ受理性及びウェットピックを向上させるため
には、ホルムアルデヒドは必要不可欠であった。
【0012】そこで本発明の一つの目的は、塗工紙のイ
ンキ受理性及びドライピックをバランス良く向上させ、
ホルムアルデヒドの発生のない、従来技術の問題点を解
決した紙塗工用樹脂、及びこの紙塗工用樹脂を添加した
紙塗工用組成物を提供することにある。本発明の他の目
的は、ホルムアルデヒドを使用するにしても、インキ受
理性、耐水性、ドライピック強度をバランス良く向上さ
せることのできる紙塗工用樹脂及びこの紙塗工用樹脂を
添加した紙塗工用組成物を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明は、(a)ポリアルキレンポリアミンと(b)
α,β−不飽和単量体と(c)尿素類との反応生成物を
含有することを特徴とする紙塗工用樹脂であり、(a)
ポリアルキレンポリアミンと(b)α,β−不飽和単量
体と(c)尿素類と(D)脂肪族カルボン酸との反応生
成物を含有することを特徴とする紙塗工用樹脂であり、
(a)ポリアルキレンポリアミンと(b)α,β−不飽
和単量体と(c)尿素類と(e)アミノ基及び/または
アミノ基と反応し得る官能基を有する炭素環式化合物と
の反応生成物を含有することを特徴とする紙塗工用樹脂
であり、(a)ポリアルキレンポリアミンと(b)α,
β−不飽和単量体と(c)尿素類と(D)脂肪族カルボ
ン酸と(e)アミノ基及び/またはアミノ基と反応し得
る官能基を有する炭素環式化合物との反応生成物を含有
することを特徴とする紙塗工用樹脂であり、(a)ポリ
アルキレンポリアミンと(b)α,β−不飽和単量体と
(c)尿素類と(d)長鎖脂肪族二塩基酸系化合物と
(f)アルデヒド類及び/又はエピハロヒドリン類との
反応生成物を含有することを特徴とする紙塗工用樹脂で
あり、(a)ポリアルキレンポリアミンと(b)α,β
−不飽和単量体と(c)尿素類と(d)長鎖脂肪族二塩
基酸系化合物と(e)アミノ基及び/またはアミノ基と
反応し得る官能基を有する炭素環式化合物と(f)アル
デヒド類及び/又はエピハロヒドリン類との反応生成物
を含有することを特徴とする紙塗工用樹脂であり、前記
いずれかの紙塗工用樹脂と、顔料と、接着剤とを含有す
ることを特徴とする紙塗工用組成物である。
【0014】
【発明の実態の形態】
1. 紙塗工用樹脂 本発明の紙塗工用樹脂は、(I) (a)ポリアルキレン
ポリアミン(以下「化合物(a)」という。)と、
(b)α,β−不飽和単量体(以下「化合物(b)」と
いう。)と、(c)尿素類(以下「化合物(c)」とい
う。)とを反応させて得られる反応生成物、(II) 化
合物(a)と、化合物(b)と、化合物(c)と、
(D)脂肪族カルボン酸(以下「化合物(D)」とい
う。)とを反応させて得られる反応生成物、(III) 化
合物(a)と、化合物(b)と、化合物(c)と、
(e)アミノ基及び/またはアミノ基と反応し得る官能
基を有する炭素環式化合物(以下「化合物(e)」とい
う。)とを反応させて得られる反応生成物、(IV) 化
合物(a)と、化合物(b)と、化合物(c)と、化合
物(D)と、化合物(e)とを反応させて得られる反応
生成物、(V) 化合物(a)と、化合物(b)と、化
合物(c)と、長鎖脂肪族二塩基酸系化合物(以下、化
合物(d)と称する。)と、(f)アルデヒド類及び/
又はエピハロヒドリン類(以下「化合物(f)」とい
う。)とを反応させて得られる反応生成物、(VI) 化合
物(a)と、化合物(b)と、化合物(c)と、化合物
(d)と、化合物(e)と、化合物(f)とを反応させ
て得られる反応生成物の少なくとも1つを含有すること
を特徴とする紙塗工用樹脂である。
【0015】ここで注目されることは、前記(I) 〜(IV)
の反応生成物はアルデヒド類及びエピハロヒドリンのい
ずれをも使用していないことである。
【0016】前記の紙塗工用樹脂としては、化合物
(a)と、化合物(b)と、化合物(c)と、化合物
(D)と、化合物(e)との反応生成物(IV)が特に好ま
しい。
【0017】1.1 化合物(a)、(b)、(c)、
(D)、(d)、(e)、(f) 以下、上記化合物(a)〜(f)について詳しく説明す
る。
【0018】1.1.1 化合物(a) 化合物(a)は、ポリアルキレンポリアミンである。
【0019】このポリアルキレンポリアミンとしては、
アミノ基を複数有し、複数のアミノ基の少なくとも2個
のアミノ基がアミド結合可能であり、かつアルキレン基
を1以上備えている限りこの発明に適用可能である。こ
のポリアルキレンポリアミンは、たとえば、以下の式
(1)で示すことができる。
【0020】
【化1】
【0021】ただし、前記式(1)中、R1 、R2 、R
3 、R4 及びR5 は、それぞれ水素原子、アルキル基、
アリル基及びアリール基のいずれであっても良いが、両
末端のアミノ基及び分子鎖中に結合するアミノ基の少な
くとも2個のアミノ基はアミド結合可能な水素原子を有
する。このような条件を満たす限り、R1 、R2 、R
3 、R4 及びR5 はそれぞれ同一であっても相違する基
であっても良い。式中のpは、1〜10、好ましくは2
〜8、更に好ましくは2〜5であり、qは0〜10、好
ましくは1〜8、更に好ましくは1〜5であり、rは1
〜10、好ましくは2〜8、更に好ましくは2〜5であ
る。
【0022】前記式(1)のR1 、R2 、R3 、R4
びR5 の何れかがアルキル基であるとき、そのアルキル
基は炭素数が1〜15、特に炭素数1〜10であるのが
好ましい。前記式(1)のR1 、R2 、R3 、R4 及び
5 の何れかがアリール基であるとき、そのアリール基
はナフチル基等の縮合芳香環を有する基であっても、フ
ェニル基等の単芳香環を有する基であっても良い。
【0023】ポリアルキレンポリアミンとしては、少な
くとも2個の1級アミノ基と少なくとも1個の2級アミ
ノ基を分子中に有する化合物が好ましい。このような化
合物としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテ
トラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロ
ピルアミン、3−アザヘキサン−1,6−ジアミン、
4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等が挙げら
れる。これらの化合物の中ではポリエチレンポリアミン
が好ましく、中でもジエチレントリアミン及びトリエチ
レンテトラミンが工業的な面で有利である。
【0024】化合物(a)として用いられるポリアルキ
レンポリアミンには、更に、アルキレン基の両末端に、
アミド結合可能なアミノ基が結合したアルキレンジアミ
ンも包含される。
【0025】アルキレンジアミンとしては、エチレンジ
アミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、
ドデカメチレンジアミンを挙げることができる。これら
の化合物のなかでは、炭素数が1〜10個であるアルキ
レンジアミン、例えば、エチレンジアミン、プロピレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジ
アミンが好ましく、中でもエチレンジアミンが好まし
い。
【0026】なお、前記アルキレンジアミンにおいて
は、アルキレン基の両末端に結合する2個のアミノ基は
1級アミノ基及び2級アミノ基よりなる群から選択され
る少なくとも一種であり、2個のアミノ基は同一であっ
ても相違していてもよい。アルキレンジアミンにおける
アミノ基が2級アミノ基であるときには、その窒素原子
に結合する置換基は、アルキル基、アリル基、アリール
基のいずれであってもよい。本発明においては、両末端
に結合する両アミノ基は1級アミノ基であることが好ま
しい。
【0027】前記ポリアルキレンポリアミンは1種類の
みを用いても良いし、2 種類以上を組み合わせても良い 1.1.2 化合物(b) 化合物(b)としては、アミノ基が求核付加を行える炭
素−炭素二重結合を有し、さらに反応条件によりアミノ
基と反応する官能基を有する化合物を挙げることができ
る。
【0028】例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、桂皮酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、シトラコン酸等のα,β−不飽和カル
ボン酸、また、前記α,β−不飽和カルボン酸のエステ
ル類であるアクリル酸エチル、アクリル酸メチル、メタ
クリル酸メチル、桂皮酸エチル等のα,β−不飽和カル
ボン酸エステルが挙げられる。また、塩化アクリロイ
ル、塩化メタアクリロイル等のα,β−不飽和カルボン
酸塩化物、アクリルアミド、メタアクリルアミド等の
α,β−不飽和アミド、アクリロニトリル、メタアクリ
ロニトリル等のα,β−不飽和ニトリル、並びにアクリ
ル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル等のα,β−
不飽和カルボン酸と炭素環を含むアルコールとのエステ
ル等が挙げられる。
【0029】前記α,β−不飽和単量体は1種類のみを
用いても良いし、2種類以上を組み合わせても良い。化
合物(b)としては、これらの化合物のうちで、α,β
−不飽和カルボン酸及びその誘導体、並びにα,β−不
飽和ニトリルが好ましい。α,β−不飽和カルボン酸の
誘導体としてエステル誘導体及びアミド誘導体を挙げる
ことができる。α,β−不飽和カルボン酸の中でもマレ
イン酸、イタコン酸、フマル酸、アクリル酸が好まし
い。α,β−不飽和カルボン酸エステルの中でも、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸プロピル等の(メタ)アクリル酸エ
ステルが好ましい。α,β−不飽和カルボン酸アミドの
中でもアクリルアミドが好ましい。
【0030】1.1.3 化合物(c) 化合物としては、尿素、チオ尿素、グアニル尿素、メチ
ル尿素及びジメチル尿素などの尿素類を挙げることがで
きる。これらの化合物の中では、工業的見地から尿素が
特に好ましい。
【0031】1.1.4 化合物(D)及び化合物
(d) 化合物(D)としては、脂肪族モノカルボン酸、脂肪族
二塩基性カルボン酸及び化合物(d)を用いることがで
きる。
【0032】脂肪族モノカルボン酸としては炭素数2〜
20の脂肪族モノカルボン酸が用いられる。このような
脂肪族モノカルボン酸としては、例えば酢酸、プロピオ
ン酸、酪酸、吉草酸、ピバリン酸、カプロン酸、カプリ
ル酸、カプリン酸、オクチル酸、2−エチルヘキシル
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸等の脂肪族飽和モノカルボン酸、オレイン酸、リ
ノール酸、リノレン酸のような脂肪族不飽和モノカルボ
ン酸を用いることができる。
【0033】二塩基性カルボン酸としては、コハク酸、
グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、リノール酸のダ
イマー酸等を用いることができる。
【0034】化合物(d)すなわち長鎖脂肪族二塩基酸
系化合物としては、長鎖アルキル基又は長鎖アルケニル
基に結合する、隣接する2つの炭素原子のそれぞれにカ
ルボキシル基が結合した二塩基酸化合物及びその誘導体
を挙げることができる。
【0035】このような化合物としては、例えばオレフ
ィンとマレイン酸及び/又は無水マレイン酸の反応から
得られるアルケニル無水コハク酸を挙げることができ
る。これらのアルケニル無水コハク酸の内では、炭素数
6〜30であるオレフィンとマレイン酸及び/又は無水
マレイン酸の反応から得られるアルケニル無水コハク酸
が好ましい。
【0036】ここで、オレフィンはα−オレフィンであ
ってもβ以降の位置に不飽和結合を1個又は2個以上有
するオレフィン化合物であってもよく、その炭素数は6
〜30、好ましくは6〜20、更に好ましくは6〜18
のオレフィンが挙げられ、直鎖状あるいは分岐状の化合
物も使用でき、またそれらの混合物でも良い。
【0037】アルケニルコハク酸類を製造するには、例
えば、上記オレフィンにマレイン酸及び/又は無水マレ
イン酸を加え、100〜250℃で1〜6時間反応する
ことにより得られる。
【0038】アルケニル無水コハク酸としては、例えば
以下のような構造式で示されるような化合物が含まれ、
アルケニルコハク酸はこれが開環したものである。
【0039】
【化2】
【0040】式中、Rはアルケニル基を示す。
【0041】又、アルケニル無水コハク酸を水添して得
られるアルキル無水コハク酸も同様に反応に用いられ
る。
【0042】更に、化合物(D)として、脂肪族モノカ
ルボン酸、脂肪族二塩基性カルボン酸及び長鎖脂肪族二
塩基酸系化合物のモノエステル化合物及び/又はジエス
テル化合物を用いることができる。
【0043】前記モノエステル化合物及びジエステル化
合物としては、例えば、脂肪族モノカルボン酸、脂肪族
二塩基性カルボン酸及び長鎖脂肪族二塩基酸系化合物
と、メタノール若しくはエタノール等の低級1 級アルコ
ールとのエステル、又は長鎖脂肪族二塩基酸系化合物
と、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリ
メチレングリコール若しくはブチレングリコール等のグ
リコール類、グリセリン又はペンタエリトリトール等の
多価アルコールとのエステル等が挙げられる。
【0044】これらの脂肪族カルボン酸は1種を単独で
使用しても、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
中でも、アルケニル無水コハク酸やアルキル無水コハク
酸等の長鎖脂肪族二塩基酸系化合物が特に好ましい。
【0045】1.1.5 化合物(e) 化合物(e)としては、炭素環式アミノ化合物、炭素環
式エポキシ化合物、炭素環式イソシアネート化合物、炭
素環式カルボキシル化合物を用いることができる。これ
らの炭素環式化合物は、1種類を単独で使用しても良
く、2 種以上を組み合わせて使用しても良い。化合物
(e)としては、これらの化合物のうちで特に炭素環式
アミノ化合物が好ましい。
【0046】1.1.5.a 炭素環式アミノ化合物 炭素環式アミノ化合物としては例えば、脂環式アミノ化
合物、芳香族アミノ化合物、及び脂環式アミノ化合物と
芳香族アミノ化合物との混合物等が用いられる。
【0047】脂環式アミノ化合物としては、シクロヘキ
シルアミン、ジシクロヘキシルアミン、1,3−ジアミ
ノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、
4,4' −ジアミノ−3,3' −ジメチル−ジシクロヘ
キシルメタン、4,4' −ジアミノ−3,3' −ジメチ
ル−シクロヘキシル、イソホロンジアミン、1,3−ビ
ス−(アミノメチル)シクロヘキサン、N−シクロヘキ
シル−1,3−プロピレンジアミン、2,5−(2,
6)−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘ
プタン、オクタヒドロ−4,7−メタノインデン−1
(2),5(6)−ジメタンアミン、2,2' −ビス−
(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス−(4−
アミノシクロヘキシル)メタン、4,4' −オキシビス
(シクロヘキシルアミン)、4,4' −スルホンビス
(シクロヘキシルアミン)、1,3,5−トリアミノシ
クロヘキサン、2,4' −ジアミノ−3,3' ,5,
5' −テトラアルキルジシクロヘキシルアルカン、及び
4,4' −ジアミノ−3,3' ,5,5' −テトラアル
キルジシクロヘキシルアルカン等の脂環式アミノ化合
物、並びにアニリン、ベンジルアミン、メタフェニレン
ジアミン、パラフェニレンジアミン、オルトフェニレン
ジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェ
ニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、ナフタレ
ンジアミン、トルイジン、ナフチルアミン、m−アミノ
フェノール、トリレンジアミン、メトキシアニリン、4
−アミノピリジン、キシリレンジアミン、N−メチルベ
ンジルアミン、及びp−アミノベンジルメチルアミン等
の芳香族アミノ化合物を挙げることができる。
【0048】これらの炭素環を有するアミノ化合物は1
種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用し
ても良い。中でも、脂環式アミノ化合物が好ましく、特
にイソホロンジアミン、1,3−ビス−(アミノメチ
ル)シクロヘキサン、N−シクロヘキシルプロピレンジ
アミン、2,5−(2,6)−ビス(アミノメチル)ビ
シクロ[2.2.1]ヘプタン、オクタヒドロ−4,7
−メタノインデン−1(2),5(6)−ジメタノアミ
ンが好ましい。
【0049】1.1.5.b 炭素環式エポキシ化合物 炭素環式エポキシ化合物としては例えば、芳香族エポキ
シ化合物、脂環式エポキシ化合物、及び芳香族エポキシ
化合物と脂環式エポキシ化合物との混合物等が用いられ
る。
【0050】芳香族エポキシ化合物としては、芳香環に
直接または間接にエポキシ基が結合した化合物を挙げる
ことができ、具体的にはフェニルグリシジルエーテル、
ビスフェノールAジグリシジルエーテル、N,N−ジグ
リシジルアニリン、レゾルシンジグリシジルエーテル、
スチレンオキシドが挙げられる。
【0051】脂環式エポキシ化合物としては、脂肪族環
に直接または間接にエポキシ基が結合した化合物等を挙
げることができ、具体的には、シクロヘキセンオキシ
ド、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ビス(3,4−
エポキシシクロヘキシル)アジペ−ト、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノ−ルジグリシジルエ−テル等が挙げら
れる。
【0052】これらの炭素環を有するエポキシ化合物は
1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用
しても良い。中でも、スチレンオキシド、シクロヘキセ
ンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ビスフェノ
ールAジグリシジルエーテル及び1,4−シクロヘキサ
ンジメタノ−ルジグリシジルエ−テルが特に好ましい。
【0053】1.1.5.c 炭素環式イソシアネート
化合物 炭素環式イソシアネート化合物としては例えば芳香族イ
ソシアネート化合物、脂環式イソシアネート化合物、及
び芳香族イソシアネート化合物と脂環式イソシアネート
化合物との混合物等が用いられる。
【0054】芳香族イソシアネート化合物としては、フ
ェニルイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジ
フェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシア
ネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメ
タントリイソシアネート、トリス(イソシアナトフェニ
ル)チオフォスフェート、フェニレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、ジアニシジンジイソ
シアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ト
シルイソシアネートが挙げられる。
【0055】脂環式イソシアネート化合物としては、脂
肪族環とイソシアナト基を少なくとも1個有する化合物
である。例えば、シクロヘキシルイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、4,4' −ジシクロヘキシル
メタンジイソシアネート、3−(2' −イソシアナトシ
クロヘキシル)プロピルイソシアネート、イソプロピリ
デンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ビス(イ
ソシアナトメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
【0056】これらの炭素環を有するイソシアネート化
合物は1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせ
て使用しても良い。特に、イソホロンジイソシアネート
が好ましい。
【0057】1.1.5.d 炭素環式カルボキシル化
合物 炭素環式カルボキシル化合物としては、例えば芳香族カ
ルボキシル化合物、脂環式カルボキシル化合物、及び芳
香族カルボキシル化合物と脂環式カルボキシル化合物と
の混合物等が用いられる。
【0058】芳香族カルボキシル化合物としては、安息
香酸、ナフトエ酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸等が挙げられる。又、これらのモノカルボン酸及び
ポリカルボン酸だけでなく、これらのモノカルボン酸、
又はポリカルボン酸のエステル及び酸無水物のいずれも
用いることができる。
【0059】脂環式カルボキシル化合物としては、シク
ロヘキシルカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、シ
クロヘキシル酢酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒド
ロフタル酸、シクロヘキサン−1,3−または−1,4
−ジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、3−ま
たは4−メチルテトラヒドロフタル酸、3−または4−
メチルヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−または4−メチル
テトラヒドロ無水フタル酸、3−または4−メチルヘキ
サヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
【0060】更に、上記炭素環式カルボン酸のエステル
及び酸無水物のいずれも用いることができる。
【0061】炭素環式カルボン酸エステルとしては、例
えば、前記芳香族カルボン酸又は脂環式カルボン酸と、
メタノール若しくはエタノール等の低級1級アルコール
とのエステル及び前記芳香族カルボン酸又は脂環式カル
ボン酸と、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、トリメチレングリコール若しくはブチレングリコー
ル等のグリコール類、グリセリン又はペンタエリトリト
ール等の多価アルコールとのエステルが挙げられる。
【0062】これらの炭素環を有するカルボキシル化合
物は1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて
使用しても良い。中でも、フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸及びテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフ
タル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水
フタル酸が特に好ましい。
【0063】1.1.6 化合物(f) 化合物(f)は、アルデヒド類、又はエピハロヒドリン
類から選ばれる少なくとも1種類の化合物であり、効果
面からアルデヒド類が好ましい。
【0064】アルデヒド類としては、例えばホルムアル
デヒド、アセトアルデヒドやプロピルアルデヒドのよう
なアルキルアルデヒド類、グリオキザール、プロパンジ
アールやブタンジアールのようなアルキルジアルデヒド
類などが挙げられる。工業的あるいは効果の面からホル
ムアルデヒドおよびグリオキザールが好ましい。これら
のアルデヒド類は、それぞれ単独で用いることもできる
し、又2種以上組み合わせて用いることもできる。
【0065】エピハロヒドリン類としては、エピクロロ
ヒドリン及びエピブロモヒドリン等、並びに1,3−ジ
クロロ−2−プロパノール等のエピハロヒドリンのハロ
ゲン化水素付加物のようなα,γ−ジハロ−β−ヒドリ
ン等を挙げることができる。中でもエピクロロヒドリン
が好ましい。
【0066】1.2 紙塗工用樹脂の製造方法 本発明の紙塗工用樹脂(I)の製造においては、化合物
(a)〜(c)を反応させる順序に制限はなく、任意の
順序で反応させることができる。
【0067】例えば、先ず化合物(a)と化合物(b)
とを混合して20〜200℃に0.5〜15時間加熱
し、更に化合物(c)を加えて80〜200℃に0.5
〜10時間加熱することにより脱アンモニア反応させる
という手順で反応を行うことができる。
【0068】更に、先ず化合物(a)と化合物(c)と
を混合して80〜200℃に加熱しながら0.5〜10
時間かけて脱アンモニア反応させ、これに化合物(b)
を加えて20〜200℃に0.5〜15時間加熱させる
ことによっても本発明の紙塗工用樹脂(I)が得られ
る。
【0069】本発明の紙塗工用樹脂(II)の製造におい
ては、化合物(a)〜(D)を反応させる順序には特に
制限はなく、任意の順序で反応させることができる。
【0070】例えば、先ず化合物(a)と化合物(b)
とを混合して20〜200℃に0.5〜15時間加熱
し、その後、化合物(D)を加えて60〜200℃に
0.5〜5時間加熱する。その後に化合物(c)を加え
て80〜200℃に加熱しながら0.5〜10時間かけ
て脱アンモニア反応させるという手順で反応を行うこと
ができる。
【0071】又、先ず化合物(a)と化合物(D)を加
えて60〜200℃に0.5〜5時間加熱した後、化合
物(b)を加えて20〜200℃に0.5〜15時間加
熱した後、更に化合物(c)を加えて80〜200℃に
0.5〜10時間かけて脱アンモニア反応させるという
手順で反応を行っても良い。
【0072】又、先ず化合物(a)と化合物(b)とを
加えて20〜200℃に0.5〜15時間加熱した後
に、化合物(c)を加えて80〜200℃に加熱しつつ
0.5〜10時間かけて脱アンモニア反応させ、更に、
化合物(D)を加えて60〜200℃に0.5〜5時間
加熱するという手順で反応を行っても良い。
【0073】更に、先ず化合物(a)と化合物(D)を
加えて60〜200℃に0.5〜5時間加熱した後に、
化合物(c)を加えて80〜200℃で0.5〜10時
間かけて脱アンモニア反応させ、更に、化合物(b)を
加えて20〜200℃に0.5〜15時間加熱するとい
う手順で反応を行っても良い。
【0074】本発明の紙塗工用樹脂(III)の製造におい
ては、化合物(a)〜(c)及び化合物(e)を反応さ
せる手順には特に制限はなく、任意の順序で反応させる
ことができる。
【0075】例えば、先ず化合物(a)と化合物(b)
とを混合して20〜200℃に0.5〜15時間加熱し
た後に、化合物(e)を加えて60〜200℃に0.5
〜5時間加熱する。更に化合物(c)を加えて80〜2
00℃に0.5〜10時間かけて脱アンモニア反応させ
るという手順で反応を行うことができる。
【0076】又、先ず化合物(a)と化合物(e)を加
えて60〜200℃に0.5〜5時間加熱した後に、化
合物(b)を加えて20〜200℃に0.5〜15時間
加熱した後に、更に化合物(c)を加えて80〜200
℃で0.5〜10時間かけて脱アンモニア反応させると
いう手順で反応を行うことができる(ただし、化合物
(e)が炭素環式アミノ化合物の場合を除く)。
【0077】又、先ず化合物(a)と化合物(b)とを
混合して20〜200℃に0.5〜15時間加熱した後
に、化合物(c)を加えて80〜200℃で0.5〜1
0時間かけて脱アンモニア反応させ、更に、化合物
(e)を加えて60〜200℃で0.5〜5時間反応を
行うという手順で反応を行っても良い。
【0078】更に、先ず化合物(a)と化合物(e)を
加えて60〜200℃に0.5〜5時間加熱した後に、
化合物(c)を加えて80〜200℃で0.5〜10時
間かけて脱アンモニア反応させ、更に、化合物(b)を
加えて20〜200℃で0.5〜15時間反応を行うと
いう手順で反応を行っても良い(但し、化合物(e)が
炭素環式アミノ化合物の場合を除く)。
【0079】本発明の紙塗工用樹脂(IV)の製造におい
ては、化合物(a)、(b)、(c)、(D)、(e)
を反応させる手順には特に制限はなく、任意の順序で反
応させることができる。
【0080】例えば、先ず化合物(a)と化合物(b)
とを混合して20〜200℃に0.5〜15時間加熱し
た後に、化合物(D)と化合物(e)とをさらに加えて
60〜200℃に0.5〜5時間加熱する。更に化合物
(c)を加えて80〜200℃で0.5〜10時間かけ
て脱アンモニア反応させるという手順で反応を行うこと
ができる。
【0081】又、先ず化合物(a)、化合物(D)及び
化合物(e)を混合して60〜200℃に0.5〜5時
間加熱した後に、化合物(b)を加えて20〜200℃
に0.5〜15時間加熱し、更に化合物(c)を加えて
80〜200℃で0.5〜10時間かけて脱アンモニア
反応させるという手順で反応を行うことができる。
【0082】又、先ず化合物(a)と化合物(b)とを
混合して20〜200℃に0.5〜15時間加熱した後
に、化合物(c)を加えて80〜200℃で0.5〜1
0時間かけて脱アンモニア反応させ、更に、化合物
(D)と化合物(e)とを加えて60〜200℃で0.
5〜5時間反応を行うという手順で反応を行っても良
い。
【0083】又、先ず化合物(a)、化合物(D)及び
化合物(e)を混合して60〜200℃に0.5〜5時
間加熱した後に、化合物(c)を加えて80〜200℃
で0.5〜10時間かけて脱アンモニア反応させ、更
に、化合物(b)を加えて20〜200℃で0.5〜1
5時間反応を行うという手順で反応を行っても良い。
【0084】更に、先ず化合物(a)と化合物(b)と
を混合して20〜200℃に0.5〜15時間加熱した
後に、化合物(D)を加えて60〜200℃に0.5〜
5時間加熱し、さらに化合物(c)を加えて80〜20
0℃で0.5〜10時間かけて脱アンモニア反応を行
い、更に、化合物(e)を加え60〜200℃で0.5
〜5時間反応を行うという手順で反応を行うことができ
る。
【0085】化合物(D)として化合物(d)を用いて
これらの方法によって得られた紙塗工用樹脂(II)又は
(IV)を必要に応じて水または有機溶媒に溶解させ、こ
れに化合物(f)を反応させることにより本発明の紙塗
工用樹脂(V)又は(VI)が得られる。
【0086】化合物(f)を反応させる条件は、アルデ
ヒド類のホルムアルデヒド、グリオキザール等の場合
は、好ましくはpHを7以下、より好ましくはpHを3
〜6に調整した後、40〜90℃で1〜10時間反応を
行う。又、pH8〜12のアルカリ性下で先ず反応を行
い、その後pHを7以下、より好ましくはpHを3〜6
に調整して反応を続ける方法も好ましい。アルカリ性下
での反応は40〜90℃で0.5〜5時間、又酸性下で
の反応は40〜90℃で0.5〜5時間行うことが好ま
しい。
【0087】エピハロヒドリン類のエピクロロヒドリ
ン、α,γ−ジハロ−β−ヒドリン等の場合は、好まし
くはpH5以上、より好ましくはpH6〜9の条件下
で、温度30〜90℃、好ましくは40〜85℃で、1
〜10時間反応を行う。
【0088】化合物(a)〜(f)の仕込みの比率は以
下の通りである。
【0089】化合物(b)は、仕込み原料の1級アミノ
基及び2級アミノ基の合計量1モルに対して0.01〜
0.6モルの範囲が好ましく、特に0.015〜0.4
モルの範囲が好ましい。化合物(b)を上記の範囲以上
用いると得られる紙塗工用樹脂が著しく増粘することが
ある。
【0090】化合物(c)は、仕込み原料の1級アミノ
基及び2級アミノ基の合計量1モルに対して0.1〜
1.2モルの範囲が好ましく、特に0.3〜1.0モル
の範囲が好ましい。化合物(c)を上記の範囲以上用い
ると得られる紙塗工用樹脂の安定性が劣ることがある。
【0091】化合物(D)及び化合物(d)は、仕込み
原料の1級アミノ基及び2級アミノ基の合計量1モルに
対して0.01〜0.9モルの範囲が好ましく、特に
0.015〜0.3モルの範囲が好ましい。化合物
(D)を上記の範囲よりも多く用いると得られる紙塗工
用組成物が著しく増粘することがある。
【0092】化合物(e)は、仕込み原料の1級アミノ
基及び2級アミノ基の合計量1モルに対して0.01〜
0.5モルの範囲が好ましく、特に0.01〜0.2モ
ルの範囲が好ましい。化合物(e)を上記の範囲よりも
多く用いると得られる紙塗工用樹脂の粘度が著しく増粘
したり、得られる紙塗工用組成物が著しく増粘すること
がある。
【0093】化合物(f)は、仕込み原料の1級アミノ
基及び2級アミノ基の合計量1モルに対して0.01〜
0.9モルの範囲が好ましく、特に0.03〜0.3モ
ルの範囲が好ましい。化合物(f)を上記の範囲よりも
多く用いると得られる紙塗工用樹脂の粘度が著しく増粘
する。
【0094】また、化合物(a)〜(f)の比率を上記
の範囲未満にすると十分な印刷適性向上効果が得られな
いことがある。
【0095】なお、前記「1級アミノ基及び2級アミノ
基の合計量」は、化合物(e)として、1級アミノ基も
2級アミノ基も有しない炭素環式化合物を用いた場合
は、化合物(a)が1級アミノ基のみを有するときは化
合物(a)が有する1級アミノ基の合計量を意味し、化
合物(a)が2級アミノ基のみを有するときは化合物
(a)が有する2級アミノ基の合計量を意味し、化合物
(a)が1級アミノ基及び2級アミノ基の両方を有する
場合には化合物(a)が有する1級アミノ基及び2級ア
ミノ基の合計モル数を意味する。
【0096】前記「1級アミノ基及び2級アミノ基の合
計量」は、化合物(e)として1級アミノ基及び2級ア
ミノ基のいずれか一方のみを有する炭素環式化合物を用
いた場合は、化合物(a)が1級アミノ基のみを有する
ときは、化合物(a)が有する1級アミノ基の合計モル
数と、化合物(e)が有する1級アミノ基又は2級アミ
ノ基の合計モル数との和を意味し、化合物(a)が2級
アミノ基のみを有するときは、化合物(a)が有する2
級アミノ基の合計モル数と、化合物(e)が有する1級
アミノ基又は2級アミノ基の合計モル数との和を意味
し、化合物(a)が1級アミノ基及び2級アミノ基の両
方を有する場合には、化合物(a)が有する1級アミノ
基及び2級アミノ基の合計モル数と、化合物(e)が有
する1級アミノ基又は2級アミノ基の合計モル数との和
を意味する。
【0097】前記「1級アミノ基及び2級アミノ基の合
計量」は、化合物(e)として1級アミノ基及び2級ア
ミノ基の両方を有する炭素環式化合物を用いた場合は、
化合物(a)が1級アミノ基のみを有するときは、化合
物(a)が有する1級アミノ基の合計モル数と、化合物
(e)が有する1級アミノ基及び2級アミノ基の合計モ
ル数との和を意味し、化合物(a)が2級アミノ基のみ
を有するときは、化合物(a)が有する2級アミノ基の
合計モル数と、化合物(e)が有する1級アミノ基及び
2級アミノ基の合計モル数との和を意味し、化合物
(a)が1級アミノ基及び2級アミノ基の両方を有する
場合には、化合物(a)が有する1級アミノ基及び2級
アミノ基の合計モル数と、化合物(e)が有する1級ア
ミノ基及び2級アミノ基の合計モル数との和を意味す
る。
【0098】紙塗工用樹脂(I)〜(IV)のアミン価
は、50〜400の範囲が好ましく、特に90〜200
の範囲が好ましい。紙塗工用樹脂(V)、及び(VI)の
アミン価は、好ましくは5〜300であり、特に30〜
150の範囲が好ましい。紙塗工用樹脂のアミン価が上
記の範囲より低い場合は、十分な印刷適性向上効果が得
られないことがあり、紙塗工用樹脂のアミン価が上記の
範囲よりも高い場合には、得られる紙塗工用組成物が著
しく増粘することがある。
【0099】2. 紙塗工用組成物 本発明の紙塗工用組成物は、前記紙塗工用樹脂の他に、
顔料及びバインダーを含有する組成物であって、通常は
懸濁液または分散液の形態を取っている。
【0100】前記顔料としては、クレー、タルク、重質
炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、サチンホワイ
ト、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウ
ム、亜硫酸カルシウム、合成シリカ、酸化亜鉛等の無機
顔料及びスチレン系ポリマー、尿素系ポリマー等の有機
顔料を用いることができる。これらの顔料のうち1種類
または2種類以上を混合して使用することができる。こ
れらの中でもクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カ
ルシウム、サチンホワイトを組み合わせて用いるのが好
ましい。
【0101】また、バインダーとしては、水性バインダ
ーが好ましい。水性バインダーとしては、澱粉、酸化澱
粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、酵素変性澱粉、
アルファー化澱粉、及びカチオン化澱粉等の澱粉類、ア
ルギン酸ソーダ、グアーガム、ローカストビーンガム、
カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、酵母タンパク、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、及びメチルセルロース等の天然高分子化合物及びそ
の誘導体、スチレン−ブタジエン系樹脂ラテックス、
(メタ)アクリレート−ブタジエン系樹脂ラテックス、
(メタ)アクリレート系樹脂ラテックス、スチレン−マ
レイン酸系樹脂ラテックス、エチレン−酢酸ビニル系樹
脂ラテックス等の合成高分子化合物ラテックス、並びに
ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアミ
ン、及びポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン等の
水溶性の高分子化合物等が挙げられる。
【0102】本発明の紙塗工用組成物には、上記の顔
料、水性バインダーのほか分散剤、滑剤、増粘剤、減粘
剤、消泡剤、抑泡剤、防腐剤、防カビ剤、保水剤、蛍光
増白剤、染料、導電剤、pH調節剤などの各種助剤も必
要に応じて適宜に配合することができる。更に、この発
明の目的を阻害しない範囲で、従来から使用されている
紙塗工用樹脂を併用することもできる。
【0103】本発明の紙塗工用組成物中の、紙塗工用樹
脂、顔料、及びバインダーの割合は、顔料100重量部
に対して、紙塗工用樹脂は、0.05〜5重量部、好ま
しくは0.1〜3重量部であり、バインダーは、5〜5
0重量部、好ましくは10〜30重量部である。尚、紙
塗工用樹脂、顔料、及びバインダーの割合は、すべて固
形分として計算した割合である。
【0104】本発明の紙塗工用組成物を調製するには、
例えば顔料を分散剤とともに水中に分散させ、これに前
記のバインダー、及び必要に応じて粘度調節剤等の助剤
を加え、更に、本発明の紙塗工用樹脂を加えて攪拌し、
そして更に必要に応じてpH調整剤でpHを調節する。
尚、本発明の紙塗工用樹脂は、粉末の状態で加えても良
く、又、溶液もしくは分散液の状態で添加してもよい。
【0105】本発明の紙塗工用組成物を、公知の方法で
原紙の表面に塗工し、これを乾燥することにより、塗工
紙を製造することができる。
【0106】前記原紙としては、填料として炭酸カルシ
ウム等を使用した中性抄造紙、タルク等を使用した酸性
抄造紙等の種々の上質紙、中質紙、中性ないし酸性で抄
造された種々の板紙、その他無機質繊維を含んだシート
合成紙等に好適に使用される。
【0107】又、本発明の紙塗工用組成物を塗工した塗
工紙はインクジェット用紙、情報用紙、及びPPC用紙
として好適に使用される。
【0108】本発明の紙塗工用組成物はブレ−ドコータ
ー、エアーナイフコーター、バーコーター、ロールコー
ター、サイズプレスコーター、ドクターコーター、ブラ
シコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、キ
ャストコーター、チャンプレックスコーター等の通常用
いられる塗工装置によって原紙表面に塗工される。又、
オンマシンコーティング及びオフマシンコーティングの
いずれの塗工法も適用でき、一層塗工にも多層塗工にも
適用できる。更に片面塗工、両面塗工のいずれにも適用
可能である。
【0109】塗工後の乾燥は、例えばガスヒーター、電
気ヒーター、蒸気加熱ヒーター、赤外線ヒーター、熱風
加熱ヒーター等、通常用いられる装置によって行うこと
ができる。乾燥後の原紙は、必要に応じてスーパーカレ
ンダー、水カレンダー、グロスカレンダー等の仕上げ装
置に通して光沢を付与することができる。
【0110】
【実施例】以下に示す実施例を用いて本発明を具体的に
説明する。特に断りがない場合は、部及び%は、それぞ
れ重量部、重量%を意味する。
【0111】(実施例1)温度計、リービッヒ冷却器お
よび攪拌棒を備えた四つ口フラスコに、トリエチレンテ
トラミン219.3g(1.5モル)を仕込み、アクリ
ル酸エチル50.1g(0.5モル)を1時間かけて滴
下し、80℃で1時間、さらに180℃で2時間攪拌し
ながら生成するエタノールを系外に除去した。
【0112】続いて、リービッヒ冷却器を還流冷却器に
交換し、150℃まで冷却し、尿素141.1g(2.
35モル)を加え、150℃で4.5時間脱アンモニア
反応を行った。これに水を加え、98%硫酸でpH7.
5に調整し、固形分濃度60%の水溶性樹脂の水溶液を
得た。これを水溶性樹脂Aとする。水溶性樹脂Aのアミ
ン価は148であった。
【0113】(実施例2)表1に記載している化合物
(a)、化合物(b)および化合物(c)を表1に記載
している仕込み比で反応を行う以外は実施例1と同様な
方法で、水溶性樹脂Bを得た。
【0114】(実施例3)温度計、還流冷却器および攪
拌棒を備えた四つ口フラスコに、トリエチレンテトラミ
ン219.3g(1.5モル)を仕込み、アクリロニト
リル53.1g(1モル)を1時間かけて滴下し、80
℃で1時間、さらに180℃で2時間攪拌した。そのの
ち、150℃まで冷却し、尿素123.1g(2.05
モル)を加え、150℃で5時間脱アンモニア反応を行
った。これに水を加え、98%硫酸でpH7.5に調整
し、固形分濃度60%の水溶性樹脂の水溶液を得た。こ
れを水溶性樹脂Cとする。水溶性樹脂Cのアミン価は2
00であった。
【0115】(実施例4)実施例1と同様の反応容器に
ジエチレントリアミン206.3g(2モル)を仕込
み、アクリル酸エチル25.0g(0.25モル)を1
時間かけて滴下し、80℃で1時間攪拌したのちアジピ
ン酸73.1g(0.5モル)を加え、180℃で2時
間攪拌しながら生成するエタノールと水を系外に除去
し、酸価14の樹脂を得た。続いて、リービッヒ冷却器
を還流冷却器に交換し、150℃まで冷却し、尿素11
1.1g(1.85モル)を加え、150℃で3時間脱
アンモニア反応を行った。これに水を加え、98%硫酸
でpH7.5に調整し、固形分濃度60%の水溶性樹脂
の水溶液を得た。これを水溶性樹脂Dとする。水溶性樹
脂Dのアミン価は185であった。
【0116】(実施例5)実施例1と同様の反応容器に
トリエチレンテトラミン219.3g(1.5モル)を
仕込み、アクリル酸エチル50.1g(0.5モル)を
1時間かけて滴下し、80℃で1時間、さらに180℃
で2時間攪拌しながら生成するエタノールを系外に除去
した。そののち、150℃まで冷却し、プロピレンのテ
トラマーと無水マレイン酸との反応により得られる分岐
‐ドデセニル無水コハク酸(以下、分岐‐ドデセニル無
水コハク酸と称する。)66.6g(0.25モル)を
15分かけて添加し、180℃まで昇温し、180℃で
1時間、生成する水を除去しながら脱水反応を行い、酸
価4の樹脂を得た。続いて、リービッヒ冷却器を還流冷
却器に交換し、150℃まで冷却し、尿素132.1g
(2.2モル)を加え、150℃で5時間脱アンモニア
反応を行った。これに水を加え、98%硫酸でpH7.
5に調整し、固形分濃度60%の水溶性樹脂の水溶液を
得た。これを水溶性樹脂Eとする。水溶性樹脂Eのアミ
ン価は130であった。
【0117】(実施例6,7)表1に記載している化合
物(a)、化合物(b)、化合物(c)及び化合物
(D)を表1に記載している仕込み比で反応を行う以外
は実施例5と同様な方法で、水溶性樹脂F、Gを得た。
【0118】(実施例8)実施例3と同様の反応容器
に、トリエチレンテトラミン219.3g(1.5モ
ル)を仕込み、アクリロニトリル26.5g(0.5モ
ル)を1時間かけて滴下し、80℃で1時間、さらに1
80℃で2時間攪拌した。そののち、60℃まで冷却
し、還流冷却器をリービッヒ冷却器に交換しプロピオン
酸18.5g(0.25モル)を15分かけて添加し、
180℃まで昇温し、180℃で1時間、生成する水を
除去しながら脱水反応を行い、酸価12の樹脂を得た。
続いて、リービッヒ冷却器を還流冷却器に交換し、15
0℃まで冷却し、尿素135.1g(2.25モル)を
加え、150℃で5.5時間脱アンモニア反応を行っ
た。これに水を加え、98%硫酸でpH7.5に調整
し、固形分濃度60%の水溶性樹脂の水溶液を得た。こ
れを水溶性樹脂Hとする。水溶性樹脂Hのアミン価は1
34であった。
【0119】(実施例9)実施例1と同様の反応容器
に、トリエチレンテトラミン219.3g(1.5モ
ル)とオクタヒドロ−4,7−メタノインデン−1
(2),5(6)−ジメタンアミン48.6g(0.2
5モル)を仕込み、アクリル酸エチル50.1g(0.
5モル)を1時間かけて滴下し、80℃で1時間、さら
に180℃で2時間攪拌しながら生成するエタノールを
系外に除去した。続いて、リービッヒ冷却器を還流冷却
器に交換し、150℃まで冷却し、尿素156.2g
(2.6モル)を加え、150℃で5.5時間脱アンモ
ニア反応を行った。これに水を加え、98%硫酸でpH
7.5に調整し、固形分濃度60%の水溶性樹脂の水溶
液を得た。これを水溶性樹脂Iとする。水溶性樹脂Iの
アミン価は150であった。
【0120】(実施例10)実施例1と同様の反応容器
にトリエチレンテトラミン219.3g(1.5モル)
を仕込み、アクリル酸エチル50.1g(0.5モル)
を1時間かけて滴下し、80℃で1時間、さらに180
℃で2時間攪拌しながら生成するエタノールを系外に除
去した。そののち、150℃まで冷却し、テトラヒドロ
無水フタル酸38.0g(0.25モル)を15分かけ
て添加し、180℃まで昇温し、180℃で1時間、生
成する水を除去しながら脱水反応を行い、酸価5の樹脂
を得た。続いて、リービッヒ冷却器を還流冷却器に交換
し、150℃まで冷却し、尿素135.1g(2.25
モル)を加え、150℃で6時間脱アンモニア反応を行
った。これに水を加え、98%硫酸でpH7.5に調整
し、固形分濃度60%の水溶性樹脂の水溶液を得た。こ
れを水溶性樹脂Jとする。水溶性樹脂Jのアミン価は1
26であった。
【0121】(実施例11)実施例3と同様の反応容器
に、ジエチレントリアミン206.3g(2モル)を仕
込み、アクリロニトリル26.5g(0.5モル)を1
時間かけて滴下し、80℃で1時間、さらに180℃で
2時間攪拌した。そののち、60℃まで冷却し、シクロ
ヘキセンオキシド49.1g(0.5モル)を15分か
けて添加し、120℃まで昇温し、120℃で1時間反
応を行った。そののち、150℃まで昇温し、尿素14
1.1g(2.35モル)を加え、150℃で6時間脱
アンモニア反応を行った。これに水を加え、98%硫酸
でpH7.5に調整し、固形分濃度60%の水溶性樹脂
の水溶液を得た。これを水溶性樹脂Kとする。水溶性樹
脂Kのアミン価は140であった。
【0122】(実施例12)実施例3と同様の反応容器
に、トリエチレンテトラミン219.3g(1.5モ
ル)を仕込み、アクリロニトリル13.3g(0.25
モル)を1時間かけて滴下し、80℃で1時間、さらに
180℃で2時間攪拌した。そののち、60℃まで冷却
し、イソホロンジイソシアネート22.3g(0.1モ
ル)を15分かけて添加し、80℃まで昇温し、80℃
で2時間反応を行った。続いて、150℃まで昇温し、
尿素144.1g(2.4モル)を加え、150℃で5
時間脱アンモニア反応を行った。これに水を加え、98
%硫酸でpH7.5に調整し、固形分濃度60%の水溶
性樹脂の水溶液を得た。これを水溶性樹脂Lとする。水
溶性樹脂Lのアミン価は140であった。
【0123】(実施例13)実施例1と同様の反応容器
に、トリエチレンテトラミン219.3g(1.5モ
ル)とオクタヒドロ−4,7−メタノインデン−1
(2),5(6)−ジメタンアミン29.2g(0.1
5モル)を仕込み、アクリル酸エチル20.0g(0.
2モル)を1時間かけて滴下し、80℃で1時間攪拌し
た。さらに、150℃まで昇温し、150℃でn‐オク
テニル無水コハク酸31.5g(0.15モル)を15
分かけて添加し、180℃まで昇温し、180℃で1時
間、生成する水及びエタノールを除去しながら反応を行
い、酸価3の樹脂を得た。続いて、リービッヒ冷却器を
還流冷却器に交換し、150℃まで冷却し、尿素15
0.2g(2.5モル)を加え、150℃で2.5時間
脱アンモニア反応を行った。これに水を加え、98%硫
酸でpH7.5に調整し、固形分濃度60%の水溶性樹
脂の水溶液を得た。これを水溶性樹脂Mとする。水溶性
樹脂Mのアミン価は151であった。
【0124】(実施例14)実施例1と同様の反応容器
に、トリエチレンテトラミン219.3g(1.5モ
ル)とオクタヒドロ−4,7−メタノインデン−1
(2),5(6)−ジメタンアミン29.2g(0.1
5モル)を仕込み、アクリル酸エチル50.1g(0.
5モル)を1時間かけて滴下し、80℃で1時間、さら
に180℃で2時間攪拌しながら生成するエタノールを
系外に除去した。そののち、150℃まで冷却し、15
0℃で分岐‐ドデセニル無水コハク酸66.6g(0.
25モル)を15分かけて添加し、180℃まで昇温
し、180℃で1時間、生成する水を除去しながら脱水
反応を行い、酸価5の樹脂を得た。続いて、リービッヒ
冷却器を還流冷却器に交換し、150℃まで冷却し、尿
素141.1g(2.35モル)を加え、150℃で3
時間脱アンモニア反応を行った。これに水を加え、98
%硫酸でpH7.5に調整し、固形分濃度60%の水溶
性樹脂の水溶液を得た。これを水溶性樹脂Nとする。水
溶性樹脂Nのアミン価は125であった。
【0125】(実施例15)実施例1と同様の反応容器
に、トリエチレンテトラミン219.3g(1.5モ
ル)とオクタヒドロ−4,7−メタノインデン−1
(2),5(6)−ジメタンアミン48.6g(0.2
5モル)を仕込み、150℃まで昇温した。150℃で
n‐オクテニル無水コハク酸52.6g(0.25モ
ル)を15分かけて添加し、180℃まで昇温し、18
0℃で1時間、生成する水を除去しながら脱水反応を行
い、酸価5の樹脂を得た。そののち、40℃まで冷却
し、アクリル酸エチル50.1g(0.5モル)を1時
間かけて滴下し、80℃で2時間反応を行った。続い
て、リービッヒ冷却器を還流冷却器に交換し、150℃
まで昇温し、尿素138.1g(2.3モル)を加え、
150℃で4.5時間脱アンモニア反応を行った。これ
に水を加え、98%硫酸でpH7.5に調整し、固形分
濃度60%の水溶性樹脂の水溶液を得た。これを水溶性
樹脂Oとする。水溶性樹脂Oのアミン価は162であっ
た。
【0126】(実施例16)実施例1と同様の反応容器
にトリエチレンテトラミン219.3g(1.5モル)
を仕込み、アクリル酸エチル50.1g(0.5モル)
を1時間かけて滴下し、80℃で1時間、さらに180
℃で2時間攪拌しながら生成するエタノールを系外に除
去した。そののち、150℃まで冷却し、分岐‐ドデセ
ニル無水コハク酸66.6g(0.25モル)とテトラ
ヒドロ無水フタル酸15.2g(0.1モル)を30分
かけて添加し、180℃まで昇温し、180℃で1時
間、生成する水を除去しながら脱水反応を行い、酸価6
の樹脂を得た。続いて、リービッヒ冷却器を還流冷却器
に交換し、150℃まで冷却し、尿素129.1g
(2.15モル)を加え、150℃で5時間脱アンモニ
ア反応を行った。これに水を加え、98%硫酸でpH
7.5に調整し、固形分濃度60%の水溶性樹脂の水溶
液を得た。これを水溶性樹脂Pとする。水溶性樹脂Pの
アミン価は132であった。
【0127】(実施例17)実施例3と同様の反応容器
に、トリエチレンテトラミン219.3g(1.5モ
ル)とオクタヒドロ−4,7−メタノインデン−1
(2),5(6)−ジメタンアミン48.6g(0.2
5モル)を仕込み、アクリロニトリル26.5g(0.
5モル)を1時間かけて滴下し、80℃で1時間、さら
に180℃で2時間攪拌した。そののち、150℃まで
冷却し、還流冷却器をリービッヒ冷却器に交換しn−オ
クテニル無水コハク酸52.6g(0.25モル)を1
5分かけて添加し、180℃まで昇温し、180℃で1
時間、生成する水を除去しながら脱水反応を行い、酸価
2の樹脂を得た。続いて、リービッヒ冷却器を還流冷却
器に交換し、150℃まで冷却し、尿素144.1g
(2.4モル)を加え、150℃で4.5時間脱アンモ
ニア反応を行った。これに水を加え、98%硫酸でpH
7.5に調整し、固形分濃度60%の水溶性樹脂の水溶
液を得た。これを水溶性樹脂Qとする。水溶性樹脂Qの
アミン価は132であった。
【0128】(実施例18、19)表2に記載している
化合物(a)、化合物(b)、化合物(c)、化合物
(D)及び化合物(e)を表2に記載している仕込み比
で、実施例18ではプロピオン酸を60℃で、実施例1
9ではアジピン酸を100℃で加える以外は実施例17
と同様な方法で、水溶性樹脂R,Sを得た。
【0129】(実施例20)実施例3と同様の反応容器
に、ジエチレントリアミン206.3g(2モル)を仕
込み、アクリロニトリル13.3g(0.25モル)を
1時間かけて滴下し、80℃で1時間、さらに180℃
で2時間攪拌した。そののち、60℃まで冷却し、シク
ロヘキセンオキシド24.5g(0.25モル)を15
分かけて添加し、120℃まで昇温し、120℃で1時
間反応を行った。そののち、還流冷却器をリービッヒ冷
却器に交換し150℃まで昇温した。150℃でn‐オ
クテニル無水コハク酸21.0g(0.1モル)を15
分かけて添加し、180℃まで昇温し、180℃で1時
間、生成する水を除去しながら脱水反応を行い、酸価2
の樹脂を得た。続いて、リービッヒ冷却器を還流冷却器
に交換し、150℃まで冷却し、尿素144.1g
(2.4モル)を加え、150℃で4.5時間脱アンモ
ニア反応を行った。これに水を加え、98%硫酸でpH
7.5に調整し、固形分濃度60%の水溶性樹脂の水溶
液を得た。これを水溶性樹脂Tとする。水溶性樹脂Tの
アミン価は148であった。
【0130】(実施例21)実施例1と同様の反応容器
にジエチレントリアミン206.3g(2モル)を仕込
み、メタクリル酸メチル25.0g(0.25モル)を
1時間かけて滴下し、80℃で1時間、さらに180℃
で2時間攪拌しながら生成するメタノールを系外に除去
した。そののち、60℃まで冷却し、プロピオン酸1
4.8g(0.2モル)を15分かけて添加し150℃
まで昇温し、テトラヒドロ無水フタル酸76.1g
(0.5モル)を15分かけて添加し、180℃まで昇
温し、180℃で1時間、生成する水を除去しながら脱
水反応を行い、酸価5の樹脂を得た。続いて、リービッ
ヒ冷却器を還流冷却器に交換し、150℃まで冷却し、
尿素135.1g(2.25モル)を加え、150℃で
3.5時間脱アンモニア反応を行った。これに水を加
え、98%硫酸でpH7.5に調整し、固形分濃度60
%の水溶性樹脂の水溶液を得た。これを水溶性樹脂Uと
する。水溶性樹脂Uのアミン価は130であった。
【0131】(実施例22)実施例1と同様の反応容器
にトリエチレンテトラミン219.3g(1.5モル)
を仕込み、アクリル酸エチル20.0g(0.2モル)
を1時間かけて滴下し、80℃で1時間、さらに180
℃で2時間攪拌しながら生成するエタノールを系外に除
去した。そののち、150℃まで昇温し、n−オクテニ
ル無水コハク酸21.0g(0.1モル)を15分かけ
て添加し、180℃まで昇温し、180℃で1時間、生
成する水を除去しながら脱水反応を行い、酸価2の樹脂
を得た。続いて、リービッヒ冷却器を還流冷却器に交換
し、尿素294.3g(4.9モル)及び水81.2g
を加え、110〜120℃で3時間脱アンモニア反応を
行った。これに水を116.1g加え、98%硫酸でp
H4に調整し、37%ホルマリン水溶液81.2g
(1.0モル)を加え、80℃で2時間反応を行った。
反応終了後、30%水酸化ナトリウム水溶液にてpH
7.5に調整した。これに水を加えて、固形分濃度60
%の水溶性樹脂の水溶液を得た。これを水溶性樹脂Vと
する。水溶性樹脂Vのアミン価は131であった。
【0132】(実施例23)実施例3と同様の反応容器
に、トリエチレンテトラミン219.3g(1.5モ
ル)を仕込み、アクリロニトリル26.5g(0.5モ
ル)を1時間かけて滴下し、80℃で1時間、さらに1
80℃で2時間攪拌した。そののち、還流冷却器をリー
ビッヒ冷却器に交換し150℃まで冷却した。分岐‐ド
デセニル無水コハク酸66.6g(0.25モル)を1
5分かけて添加し、180℃まで昇温し、生成する水を
除去しながら脱水反応を行い、酸価5の樹脂を得た。続
いて、リービッヒ冷却器を還流冷却器に交換し、尿素2
61.3g(4.35モル)及び水87.4gを加え、
110〜120℃で3時間脱アンモニア反応を行った。
これに水を124.9gとエピクロロヒドリン74.0
g(0.8モル)を加え、80℃で2時間反応を行っ
た。反応終了後、98%硫酸にてpH7.5に調整し
た。これに水を加えて、固形分濃度60%の水溶性樹脂
の水溶液を得た。これを水溶性樹脂Wとする。水溶性樹
脂Wのアミン価は31であった。
【0133】(実施例24)表3に記載している化合物
(a)、化合物(b)、化合物(c)、化合物(d)及
び化合物(f)を表3に記載している仕込み比で、実施
例24ではn−オクテニル無水コハク酸を150℃で加
える以外は実施例22と同様な方法で合成を行い、水溶
性樹脂Xを得た。
【0134】(実施例25)実施例1と同様の反応容器
にトリエチレンテトラミン219.3g(1.5モル)
とオクタヒドロ−4,7−メタノインデン−1(2),
5(6)−ジメタンアミン29.2g(0.15モル)
を仕込み、アクリル酸エチル20.0g(0.2モル)
を1時間かけて滴下し、80℃で1時間、さらに180
℃で2時間攪拌しながら生成するエタノールを系外に除
去した。そののち、150℃まで冷却し、n−オクテニ
ル無水コハク酸21.0g(0.1モル)を15分かけ
て添加し、180℃まで昇温し、180℃で1時間、生
成する水を除去しながら脱水反応を行い、酸価30の樹
脂を得た。続いて、リービッヒ冷却器を還流冷却器に交
換し、尿素309.3g(5.15モル)及び水88.
3gを加え、110〜120℃で2.5時間脱アンモニ
ア反応を行った。これに水を126.1g加え、98%
硫酸でpH4に調整し、37%ホルマリン水溶液81.
2g(1.0モル)を加え、80℃で2時間反応を行っ
た。反応終了後、30%水酸化ナトリウム水溶液にてp
H7.5に調整した。これに水を加えて、固形分濃度6
0%の水溶性樹脂の水溶液を得た。これを水溶性樹脂Y
とする。水溶性樹脂Yのアミン価は85であった。
【0135】(実施例26)実施例1と同様の反応容器
にトリエチレンテトラミン219.3g(1.5モル)
を仕込み、アクリル酸エチル50.1g(0.5モル)
を1時間かけて滴下し、80℃で1時間、さらに180
℃で2時間攪拌しながら生成するエタノールを系外に除
去した。そののち、150℃まで冷却し、分岐‐ドデセ
ニル無水コハク酸26.6g(0.1モル)とテトラヒ
ドロ無水フタル酸45.6g(0.3モル)を30分か
けて添加し、180℃まで昇温し、180℃で1時間、
生成する水を除去しながら脱水反応を行い、酸価3の樹
脂を得た。続いて、リービッヒ冷却器を還流冷却器に交
換し、尿素255.3g(4.25モル)及び水87.
3gを加え、110〜120℃で2.5時間脱アンモニ
ア反応を行った。これに水を124.6g加え、98%
硫酸でpH4に調整し、37%ホルマリン水溶液16.
2g(0.2モル)を加え、80℃で2時間反応を行っ
た。反応終了後、30%水酸化ナトリウム水溶液にてp
H7.5に調整した。これに水を加えて、固形分濃度6
0%の水溶性樹脂の水溶液を得た。これを水溶性樹脂Z
とする。水溶性樹脂Zのアミン価は89であった。
【0136】(実施例27)実施例3と同様の反応容器
に、トリエチレンテトラミン219.3g(1.5モ
ル)とオクタヒドロ−4,7−メタノインデン−1
(2),5(6)−ジメタンアミン48.6g(0.2
5モル)を仕込み、アクリロニトリル5.3g(0.1
モル)を1時間かけて滴下し、80℃で1時間、さらに
180℃で2時間攪拌した。そののち、還流冷却器をリ
ービッヒ冷却器に交換し150℃まで冷却した。n‐オ
クテニル無水コハク酸21.0g(0.1モル)を15
分かけて添加し、180℃まで昇温し、生成する水を除
去しながら脱水反応を行い、酸価3の樹脂を得た。続い
て、リービッヒ冷却器を還流冷却器に交換し、尿素31
8.3g(5.3モル)及び水91.9gを加え、11
0〜120℃で2.5時間脱アンモニア反応を行った。
これに水を131.2gとエピクロロヒドリン148.
1g(1.6モル)を加え、80℃で2時間反応を行っ
た。反応終了後、98%硫酸にてpH7.5に調整し
た。これに水を加えて、固形分濃度60%の水溶性樹脂
の水溶液を得た。これを水溶性樹脂aとする。水溶性樹
脂aのアミン価は39であった。
【0137】(実施例28)実施例1と同様の反応容器
に、トリエチレンテトラミン219.3g(1.5モ
ル)を仕込み、メタクリル酸メチル20.0g(0.2
モル)を1時間かけて滴下し、80℃で1時間、さらに
180℃で2時間攪拌しながら生成するメタノールを系
外に除去した。そののち、60℃まで冷却し、シクロヘ
キセンオキシド9.8g(0.1モル)を15分かけて
添加し、120℃まで昇温し、120℃で1時間反応を
行った。そののち、150℃まで昇温し、n−オクテニ
ル無水コハク酸52.6g(0.25モル)を15分か
けて添加し、180℃まで昇温し、180℃で1時間、
生成する水を除去しながら脱水反応を行い、酸価2の樹
脂を得た。続いて、リービッヒ冷却器を還流冷却器に交
換し、尿素279.3g(4.65モル)及び水86.
2gを加え、110〜120℃で2.5時間脱アンモニ
ア反応を行った。これに水を123.1g加え、98%
硫酸でpH4に調整し、37%ホルマリン水溶液48.
7g(0.6モル)を加え、80℃で2時間反応を行っ
た。反応終了後、30%水酸化ナトリウム水溶液にてp
H7.5に調整した。これに水を加えて、固形分濃度6
0%の水溶性樹脂の水溶液を得た。これを水溶性樹脂b
とする。水溶性樹脂bのアミン価は95であった。
【0138】尚、表1〜3における略号は、次の意味を
有する。
【0139】DETA:ジエチレントリアミン TETA:トリエチレンテトラミン EA :アクリル酸エチル AN :アクリロニトリル MMA :メタクリル酸メチル OSA :n-オクテニル無水コハク酸 DSA :プロピレンのテトラマーと無水マレイン酸と
の反応により得られる分岐−ドデセニル無水コハク酸 AA :アジピン酸 PA :プロピオン酸 TCD :オクタヒドロ−4,7 −メタノインデン−1
(2),5(6) −ジメタンアミン NBDA: 2,5(2,6) −ビス(アミノメチル)ビシクロ
[2.2.1 ]ヘプタン THPA:テトラヒドロ無水フタル酸 CHO :シクロヘキセンオキシド IPDI:イソホロンジイソシアネート F :ホルマリン Epi :エピクロロヒドリン また、樹脂のアミン価は、電位差自動滴定装置を用い変
曲点を測定し、変曲点間の滴定量からアミン価を計算し
た。
【0140】試料約1gを精秤し、水50mlを加えて
溶解させ、NaOH水溶液でpH12に調整したのち、
1/2規定塩酸液を用い電位差自動滴定装置により滴定
する。次式よりアミン価を計算する。
【0141】 アミン価=(V×F×0. 5×56.1)/S 但し、V:1/2規定塩酸液の滴定量(ml) F:1/2規定塩酸液の力価 S:採取した試料の固形分量(g)。
【0142】また、樹脂の酸価は試料約1gを精秤し、
6ppmフェノールフタレインが入ったイソプロピルア
ルコール溶液を加えて溶解させ、1/2規定水酸化カリ
ウム溶液を用いて滴定する。次式により酸価を計算す
る。
【0143】酸価=(V×F×0. 5×56.1)/S 但し、V:1/2規定水酸化カリウム溶液の滴定量(m
l) F:1/2規水酸化カリウム溶液の力価 S:採取した試料の固形分量(g)。
【0144】(比較例1)温度計、還流冷却器、及攪拌
棒を備えた四つ口フラスコにジエチレントリアミン20
6.3g(2モル)及び尿素60.1g(1モル)を仕
込み、150℃で2時間脱アンモニア反応を行った。続
いて尿素252.3g(4.2モル)及び水120gを
加えて、115℃で5時間脱アンモニア反応を行った。
これに水を加えて70%水溶液とし、37%ホルマリン
水溶液81.2g(1モル)を加え、98%硫酸でpH
5に調整し、80℃で3時間反応を行った。反応終了
後、30%水酸化ナトリウム水溶液にてpH7に調整
し、水を加えて固形分濃度60%の水溶性樹脂を得た。
これを水溶性樹脂αとする。
【0145】(比較例2)温度計、還流冷却器、及び攪
拌棒を備えた四つ口フラスコにトリエチレンテトラミン
292.5g(2モル)、アジピン酸146.1g(1
モル)、及び尿素60.1g(1モル)を仕込み、15
5℃で3時間脱アンモニア反応及び脱水アミノ化反応を
行った。続いて尿素300g(5モル)及び水180g
を加えて、115℃で5時間脱アンモニア反応を行っ
た。これに水を加えて70%水溶液とし、37%ホルマ
リン水溶液162.3g(2モル)を加え、98%硫酸
でpH5に調整し、80℃で3時間反応を行った。反応
終了後、30%水酸化ナトリウム水溶液にてpH7に調
整し、水を加えて固形分濃度60%の水溶性樹脂を得
た。これを水溶性樹脂βとする。
【0146】(比較例3)温度計、リービッヒ冷却器及
び攪拌棒を備えた四つ口フラスコにジエチレントリアミ
ン103.2g(1モル)を仕込み、150℃まで昇温
した。150℃で分岐- ドデセニル無水コハク酸66.
6g(0.25モル)を15分かけて添加し、180℃
まで昇温し、180℃で1時間、生成する水を除去しな
がら脱水反応を行った。続いて、リービッヒ冷却器を還
流冷却器に交換し、150℃まで冷却し、尿素66.1
g(1.1モル)を加え、150℃で2.5時間脱アン
モニア反応を行った。これに水を加えて98%硫酸でp
H7.5に調整し、固形分濃度60%の水溶性樹脂の水
溶液を得た。これを水溶性樹脂γとする。
【0147】(比較例4)温度計、リービッヒ冷却器及
び攪拌棒を備えた四つ口フラスコにトリエチレンテトラ
ミン146.2g(1.0モル)及び尿素30.0g
(0.5モル)を仕込み、150℃で5時間脱アンモニ
ア反応を行った。その後、アジピン酸73.1g(0.
5モル)を仕込み、150℃に保って5時間脱水アミノ
化反応を行った。続いて、130℃間で冷却し、尿素1
20.1g(2.0モル)を仕込み、120℃で2時間
脱アンモニア反応を行った。その後、270gの水を加
えた。さらに37%ホルマリン60.9g(0.75モ
ル)を仕込み、硫酸でpH4に調整し、80℃で2時間
反応を行った。その後、30%水酸化ナトリウム水溶液
でpH6.5に調整し、固形分濃度50%の水溶性樹脂
を得た。これを水溶性樹脂δ1とする。
【0148】温度計、リービッヒ冷却器及び攪拌棒を備
えた四つ口フラスコにヘキサメチレンジアミン87.2
g(0.75モル)及び水71.5gを仕込み、40〜
50℃に保ちつつアクリロニトリル79.6g(1.5
モル)を2時間かけて滴下し、さらに80℃で4時間反
応させて、固形分濃度50%の水溶性樹脂を得た。これ
を水溶性樹脂δとする。
【0149】(比較例5)温度計、リービッヒ冷却器及
び攪拌棒を備えた四つ口フラスコにアクリル酸メチル1
37.8g(1.6モル)を仕込み、攪拌しながらエチ
レンジアミン24g(0.4モル)を加え、80℃で1
時間保ち、次いで、エチレンジアミン96.2g(1.
6モル)を加え、ゆっくりと140℃に迄加熱し、生成
メタノールが留出してしまうまで140℃に保った。そ
の後、50℃迄冷却し、酢酸78.8g(1.3モル)
を、反応系中に100℃を越えないように攪拌しなが
ら、ゆっくりと加えた。徐々に加熱して約150℃で脱
水反応が始まり、さらに300℃迄加熱し、所定量の反
応水が留出した後に、反応を終了させた。これに水を加
えて30%硫酸でpH7.0に調整し、固形分濃度50
%の水溶性樹脂を得た。これを水溶性樹脂εとする。
【0150】・紙塗工用樹脂の製品粘度 B形粘度計((株)東京計器製:型式BM型)を用い
て、25℃、60rpmにて紙塗工用樹脂の粘度を測定
した。
【0151】・紙塗工用樹脂の製品pH ガラス電極式水素イオン濃度計(東京電波工業(株)
製)を用いて紙塗工用樹脂の製品pHを測定した。
【0152】(実施例29〜56) <紙塗工用組成物の調製>実施例1〜28で得られた紙
塗工用樹脂(樹脂A〜b)の水溶液、比較例1〜5で得
られた紙塗工用樹脂(樹脂α〜γ、δ、ε)の水溶液を
用いて、顔料、接着剤、及び分散剤を下記に示した割合
で配合して紙塗工用組成物を調製し、次いで、固形分濃
度が62%、pHが9.0 となるように、水及び30
%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、固形分濃度及びp
Hを調整した。
【0153】 <顔料> クレー:ウルトラホワイト90(米国エンゲルハルト・ミネラルズ社製) ・・・60重量部 炭酸カルシウム:FMT−90(株式会社ファイマテック製) ・・・40重量部 <接着剤> ラテックス:JSR−T2076M(日本合成ゴム株式会社製) ・・・11重量部 澱粉:日食MS−4600(日本食品化工株式会社製)・・・ 4重量部 <その他> 分散剤:アロンT−40(東亜合成株式会社製) ・・・0.1重量 部 <紙塗工用樹脂> 樹脂A〜b、α〜γ,δ,ε ・・・0.5重量部 この紙塗工用組成物のB形粘度及びハイシェアー粘度を
測定した。さらに、この紙塗工組成物を坪量80g/m
2 上質紙の片面に、ワイヤーバーを用いて、塗工量が1
5g/m2 となるように塗布し、塗工後直ちに130℃
にて10秒間熱風乾燥した。次いで、温度20℃、相対
湿度65%にて、18時間調湿し、さらに、ロール温度
60℃、線圧50kg/cmの条件で4回カレンダー処
理を行い、塗工紙を得た。得られた塗工紙は、温度20
℃、相対湿度65%にて、24時間調湿後、インキ受理
性、ウェットピック、ドライピックの評価に共した。結
果を表4に示した。
【0154】各試験方法は次の通りである。
【0155】・紙塗工用組成物のB形粘度 B形粘度計((株)東京計器製:形式BM型)を用い
て、25℃、60rpmにて、調製直後の紙塗工組成物
の粘度を測定した。
【0156】・ハイシェアー粘度 紙塗工用組成物を調製した直後に、ハーキュレス型ハイ
シェアー粘度計を使用して、25℃においてボブFで回
転数4400rpm、スイープ時間5秒の条件で測定し
た。
【0157】・インキ受理性A法 RI印刷試験機(石川島産業機械(株)製:RI−1
型)を使用し、塗工面を給水ロールで湿潤させた後に印
刷して、インキの受理性を肉眼で観察し判定した。判定
は、優5〜劣1であり、数値が大きいほどインキの受理
性はよいことを示す。
【0158】・インキ受理性B法 RI印刷試験機(石川島産業機械(株)製:RI−1
型)を使用し、インキに水を練り込めながら印刷して、
インキの受理性を肉眼で観察し判定した。判定は、優5
〜劣1であり、数値が大きいほどインキの受理性はよい
ことを示す。
【0159】・ウェットピック RI印刷試験機(石川島産業機械(株)製:RI−1
型)を使用し、塗工面を給水ロールで湿潤させた後に印
刷して、紙剥け状態を肉眼で観察し判定した。判定は、
優5〜劣1であり、数値が大きいほど紙剥けが少なく、
良好であることを示す。
【0160】・ドライピック RI印刷試験機(石川島産業機会(株)製:RI−1
型)を使用し、印刷して、紙向け状態を肉眼で観察し判
定した。判定は、優5〜劣1であり、数値が大きいほど
紙向けが少なく、良好であることを示す。
【0161】前記実施例1〜12、実施例13〜21、
実施例22〜28において得られた樹脂とその樹脂を得
るのに使用された化合物名及びその量と、樹脂のアミン
価と製品粘度とを表1、表2及び表3に示す。また、表
4及び表5には、実施例1〜28において得られた樹
脂、化合物の種類とその量、1,2級アミノ基に対する
モル比とを示す。
【0162】表6には、前記実施例及び比較例で得られ
た樹脂を含有する紙塗工用組成物の前記評価結果を示す
【0163】
【表1】
【0164】
【表2】
【0165】
【表3】
【0166】
【表4】
【0167】
【表5】
【0168】
【表6】
【0169】
【0170】
【発明の効果】本発明によると、塗工紙のインキ受理
性、耐水性及びドライピック強度をバランス良く向上さ
せる紙塗工用組成物及びその紙塗工用組成物に好適な紙
塗工用樹脂を提供することができる。
【0171】本発明によると、ホルムアルデヒドを使用
せずともホルムアルデヒドを用いたのと同等もしくは同
等以上のインキ受理性、耐水性及びドライピック強度を
有する紙塗工用組成物及びその紙塗工用組成物に好適な
紙塗工用樹脂を提供することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ポリアルキレンポリアミンと(b)
    α,β−不飽和単量体と(c)尿素類との反応生成物を
    含有することを特徴とする紙塗工用樹脂。
  2. 【請求項2】(a)ポリアルキレンポリアミンと(b)
    α,β−不飽和単量体と(c)尿素類と(D)脂肪族カ
    ルボン酸との反応生成物を含有することを特徴とする紙
    塗工用樹脂。
  3. 【請求項3】(a)ポリアルキレンポリアミンと(b)
    α,β−不飽和単量体と(c)尿素類と(e)アミノ基
    及び/またはアミノ基と反応し得る官能基を有する炭素
    環式化合物との反応生成物を含有することを特徴とする
    紙塗工用樹脂。
  4. 【請求項4】(a)ポリアルキレンポリアミンと(b)
    α,β−不飽和単量体と(c)尿素類と(D)脂肪族カ
    ルボン酸と(e)アミノ基及び/またはアミノ基と反応
    し得る官能基を有する炭素環式化合物との反応生成物を
    含有することを特徴とする紙塗工用樹脂。
  5. 【請求項5】(a)ポリアルキレンポリアミンと(b)
    α,β−不飽和単量体と(c)尿素類と(d)長鎖脂肪
    族二塩基酸系化合物と(f)アルデヒド類及び/又はエ
    ピハロヒドリン類との反応生成物を含有することを特徴
    とする紙塗工用樹脂。
  6. 【請求項6】(a)ポリアルキレンポリアミンと(b)
    α,β−不飽和単量体と(c)尿素類と(d)長鎖脂肪
    族二塩基酸系化合物と(e)アミノ基及び/またはアミ
    ノ基と反応し得る官能基を有する炭素環式化合物と
    (f)アルデヒド類及び/又はエピハロヒドリン類との
    反応生成物を含有することを特徴とする紙塗工用樹脂。
  7. 【請求項7】前記請求項1〜6のいずれかに記載の紙塗
    工用樹脂と、顔料と、接着剤とを含有することを特徴と
    する紙塗工用組成物。
JP28683297A 1997-10-20 1997-10-20 紙塗工用樹脂及びそれを用いた紙塗工用組成物 Withdrawn JPH11124794A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009263843A (ja) * 2008-03-31 2009-11-12 Arakawa Chem Ind Co Ltd 湿潤紙力剤

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