JPH11124536A - 水性コーティング剤 - Google Patents

水性コーティング剤

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JPH11124536A
JPH11124536A JP30941797A JP30941797A JPH11124536A JP H11124536 A JPH11124536 A JP H11124536A JP 30941797 A JP30941797 A JP 30941797A JP 30941797 A JP30941797 A JP 30941797A JP H11124536 A JPH11124536 A JP H11124536A
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JP
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unit
meth
polymer
acrylate
macromonomer
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JP30941797A
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English (en)
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Takashi Tsuda
隆 津田
Mitsutaka Hasegawa
三高 長谷川
Takuya Omura
卓也 大村
Takenao Yamamura
武尚 山村
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 雨筋状汚れが付きにくいかまたは付いても洗
い流され易い被膜を成形し得る水性コーティング剤の提
供。 【解決手段】 下記マクロモノマーに基づく単位を枝ポ
リマーとし、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位お
よび所望によりその他のラジカル重合性単量体単位から
なるビニル重合体を幹ポリマーとするグラフト共重合体
を、水性媒体中に乳化分散させてなる水性コーティング
剤。 マクロモノマー:(a)パーフロロアルキル(メタ)ア
クリレート単位、(b)ポリアルキレングリコールモノ
(メタ)アクリレート単位および(c)その他のラジカ
ル重合性単量体単位からなり、全単量体単位の合計量を
基準にする各単量体単位の割合が、(a)単位;20〜
70重量%、(b)単位;30〜80重量%および
(c)単位;0〜40重量%である重合体の片末端にラ
ジカル重合性基を有する、数平均分子量が1,000〜3
0,000のマクロモノマー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重合体粒子を水性
媒体中に分散させたタイプの水性コーティング剤に関す
るものであり、本発明においては、前記重合体として特
異な構成の枝ポリマーを有するグラフト共重合体を使用
しているため、被膜の表面が大気中の浮遊物質等により
汚れにくいという特長がある。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】昨今の環境意識の高ま
りを反映し、溶剤型の塗料に代えて、人体への有害性が
なくかつ環境汚染のない水性塗料が多く用いられてい
る。しかしながら、水性塗料においては、造膜性を付与
するため樹脂のガラス転移点を低く設定する必要があ
り、結果として水系塗料の塗膜が柔らかく、膜に付着し
た汚れが落ちにくいという問題があった。塗膜の耐候性
や耐汚染性の改良のための一手段として、ブロックポリ
マーやグラフトポリマーを少量添加して塗膜の表面の性
質だけを改質する方法が知られており、例えば溶剤型の
塗料の分野においては、塗膜面に撥水性や耐汚染性を付
与する目的で、パーフロロアルキル基やシリコーンなど
の表面エネルギーが低いポリマーセグメントを持ったグ
ラフトポリマーがしばしば使用される。
【0003】すなわち、特開昭56−163183公報
には、パーフロロ(メタ)アクリレートを70%以上含
有するメタクリレート系重合体を枝セグメントとし、エ
チルアクリレートなどのアルキルアクリレートとヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートの共重合体を幹セグ
メントとするグラフト共重合体からなる撥水撥油剤が開
示されている。また、特開昭57−180680公報に
は、パーフロロアルキル基を枝とし、ジエン系モノマー
共重合体を幹とするグラフト共重合体が、低温での造膜
性に優れた撥水撥油剤になることが記載されており、さ
らに特開平9−67417公報では、特定組成の枝セグ
メントを持ち、泡立ちの少ないフッ素系グラフト共重合
体が開示されている。
【0004】上記の手段によって得られる塗膜表面の性
質は、主に撥水性であるが、撥水性では、前記したガラ
ス転移温度の低い樹脂からなる水性塗料で問題となる、
雨筋状汚れの防止は期待できない。水性塗料におけるか
かる雨筋状汚れの防止のためには、従来、塗膜表面を親
水化するという技術手段が採用されていた。しかしなが
ら、従来の手段による塗膜の親水化では、添加した親水
性物質が雨水などによって容易に脱離するため、長期間
にわたり耐汚染性を維持することは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、雨筋状汚れ
が付きにくいかまたは付いても洗い流され易い被膜を形
成する水性コーティング剤の提供を課題とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、特定の親水性ユニットと疎水性ユニット
とからなる重合体を枝ポリマーとし、被膜形成用に好適
な構成を有するビニル重合体を幹ポリマーとするグラフ
ト共重合体からなる水性コーティング剤によれば、雨筋
状汚れが付きにくい被膜が得られることを見出し、本発
明を完成するに至った。すなわち、本発明は、下記マク
ロモノマーに基づく単位を枝ポリマーとし、(メタ)ア
クリル酸エステル単量体単位および所望によりその他の
ラジカル重合性単量体単位からなる重合体を幹ポリマー
とするグラフト共重合体を、水性媒体中に乳化分散させ
てなる水性コーティング剤である。 マクロモノマー:(a)パーフロロアルキル(メタ)ア
クリレート単位、(b)ポリアルキレングリコールモノ
(メタ)アクリレート単位および(c)その他のラジカ
ル重合性単量体単位からなり、全単量体単位の合計量を
基準にする各単量体単位の割合が、(a)単位;20〜
70重量%、(b)単位;30〜80重量%および
(c)単位;0〜40重量%である重合体の片末端にラ
ジカル重合性基を有する、数平均分子量が1,000〜3
0,000のマクロモノマー。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳しく説明す
る。本発明におけるグラフト共重合体は、マクロモノマ
ーと(メタ)アクリル酸エステル単量体および所望によ
りその他のラジカル重合性単量体からなる単量体混合物
とを共重合することにより得られる。マクロモノマーの
骨格を構成する成分は、前記のとおり、(a)パーフロ
ロアルキル(メタ)アクリレート単位、(b)ポリアル
キレングリコールモノ(メタ)アクリレート単位および
(c)その他のラジカル重合性単量体単位である。
【0008】さらに、マクロモノマーにおける前記
(a)単位、(b)単位および(c)単位の含有割合
は、前記のとおり、これらの単位の合計量を基準にし
て、(a)単位;20〜70重量%、(b)単位;30
〜80重量%および(c)単位;0〜40重量%であ
り、さらに好ましくは、(a)単位;25〜60重量
%、(b)単位;40〜75重量%および(c)単位;
0〜30重量%である。マクロモノマーの骨格部におけ
る前記(a)単位の割合が、20重量%未満であるとコ
ーティング剤として使用した場合に形成される被膜面の
耐汚染性が不十分であり、一方70重量%を越えても被
膜面の耐汚染性が不十分である。(b)単位の割合が、
30重量%未満であってもまた80重量%を越えても被
膜面の耐汚染性が不十分である。また、(c)単位の割
合が40重量%を越えても、被膜面の耐汚染性は不十分
となる。
【0009】本発明においてマクロモノマーは、水性コ
ーティング剤の主成分となるグラフト共重合体の枝ポリ
マーを形成する。コーティング剤が基材に塗布される
と、枝ポリマーは、そこに含まれるパーフロロアルキル
(メタ)アクリレート単位の性質により被膜の表面に現
れるが、それに伴い(b)単位に由来する親水性のポリ
アルキレングリコール単位も被膜表面に現れ、該表面を
親水性にする。上記のようにして、親水化されることに
より、被膜面に耐汚染性が発現すると推察される。
【0010】(a)パーフロロアルキル(メタ)アクリ
レートとしては、炭素数3〜15のパーフロロアルキル
基を有するものが好ましく、炭素数6〜12のパーフロ
ロアルキル基を有するものが更に好ましく、具体的に
は、以下の化学式で表される化合物等が挙げられる。 CF3CH2OCOC(CH3)=CH2 CF3CF2CH2OCOCH=CH2 CF3(CF24CH2OCOC(CH3)=CH2 CF3(CF25(CH22OCOC(CH3)=CH2 CF3(CF26(CH22OCOC(CH3)=CH2 CF3(CF27(CH22OCOCH=CH2 CF3(CF27(CH22OCOC(CH3)=CH2 CF3(CF27(CH24OCOC(CH3)=CH2 (CF32CF (CF25(CH22OCOCH=C
2 (CF32CF (CF26(CH23OCOCH=C
2 (CF32CF (CF28(CH23OCOCH=C
2 (CF32CF (CF210(CH23OCOCH=C
2 (CF32CF (CF26CH2CH(OH)CH2
COCH=CH2
【0011】(b)ポリアルキレングリコールモノ(メ
タ)アクリレートは、ポリアルキレングリコールの片末
端に(メタ)アクリロイル基の結合した化合物であり、
その好ましい数平均分子量は160〜5000である。
上記ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレン
グリコールおよびポリイソプロピレングリコールが好ま
しい。本発明においては、前記のように、グラフト共重
合体の枝ポリマーを形成するポリオキシアルキレン単位
がパーフロロアルキル(メタ)アクリレート単位ととも
に被膜の表面に現れ、表面を親水性にするという現象を
被膜の汚染防止に利用している。従って、上記ポリアル
キレングリコールモノ(メタ)アクリレートと同様な効
果の期待できるポリアルキレングリコール単位とラジカ
ル重合性基を有する化合物、例えばポリアルキレングリ
コールの一方の末端にメトキシ基、エトキシ基またはプ
ロポキシ基のような低級アルコキシ基を有し他方の末端
に(メタ)アクリロイル基を有する化合物を、(b)成
分として使用しても良い。
【0012】(c)その他のラジカル重合性単量体とし
ては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸nブチル、(メタ)アクリ
ル酸iブチル、(メタ)アクリル酸tブチル、(メタ)
アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エ
チルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)
アクリル酸ステアリル、スチレンおよびアクリロニトリ
ル等が挙げられ、これらの単量体は単独で使用しても複
数使用しても良い。これらの中でも、共重合性および得
られるコーティング剤の被膜物性の点から好ましい単量
体は、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸nブチル、(メタ)アクリ
ル酸iブチル、(メタ)アクリル酸tブチル、(メタ)
アクリル酸シクロヘキシルおよび(メタ)アクリル酸2
−エチルヘキシルである。
【0013】上記単量体等を共重合させて得られる重合
体の片末端に、(メタ)アクリロイル基、スチリル基お
よびアリル基等のラジカル重合性基を結合させることに
より、マクロモノマーが合成される。マクロモノマーの
合成方法としては、以下に概要を述べるような方法が採
用できる。まず最初に、メルカプト酢酸やメルカプトプ
ロピオン酸等のカルボキシル基含有メルカプト化合物を
連鎖移動剤として用いる重合系で、マクロモノマーの骨
格を形成させるべき単量体をラジカル重合して、末端に
カルボキシル基を有するプレポリマーを得る。次いで、
該プレポリマーに対してグリシジル(メタ)アクリレー
ト等のエポキシ基含有単量体を付加反応させる方法等に
より、マクロモノマーを合成できる。マクロモノマーの
分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーに
よるポリスチレン換算の数平均分子量で、1000〜3
0,000であり、さらに好ましくは2000〜10,00
0である。マクロモノマーの数平均分子量が1000未
満では、得られるコーティング剤の耐汚染性に劣り、一
方30,000を越えると、マクロモノマーの重合性が劣
り未反応のマクロモノマーがコーティング剤中に多く含
まれる結果、被膜の物性が劣る。
【0014】次に上記マクロモノマーと共重合させる単
量体(以下共重合単量体という)について述べる。共重
合単量体をマクロモノマーと共重合させて得られるグラ
フト共重合体において、幹ポリマー部分が共重合単量体
単位によって形成される。本発明において共重合単量体
としては、(メタ)アクリル酸エステルのみを使用する
か、または(メタ)アクリル酸エステルおよびその他の
ラジカル重合性単量体を併用する。マクロモノマーと共
重合単量体の好ましい共重合割合は、得られるグラフト
共重合体におけるマクロモノマーに由来する枝成分の割
合が、0.1〜20重量%となる割合である。グラフト共
重合体における枝ポリマーの割合が、0.1重量%未満で
あるとグラフト共重合体から形成される被膜の耐汚染性
が不足し易く、一方20重量%を越えると被膜の耐水性
が劣り易い。
【0015】(メタ)アクリル酸エステルの具体例とし
ては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸nブチル、(メタ)アクリ
ル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘ
キシル、(メタ)アクリル酸ラウリルおよび(メタ)ア
クリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸アルキル;
ならびに(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸2ーヒドロキシプロピル、(メタ)
アクリル酸パーフルオロアルキル、グリシジル(メタ)
アクリレートおよび(メタ)アクリル酸N,N−ジエチ
ルアミノエチル等が挙げられる。これらは単独でも使用
できるが、通常は塗膜物性のバランスが取れるよう複数
の種類を併用で使用する。グラフト共重合体の成膜性が
優れる点で、共重合単量体のうちの50重量%以上が
(メタ)アクリル酸エステルであることが好ましい。
【0016】(メタ)アクリル酸エステル以外のラジカ
ル重合性単量体としては、ビニルトリメトキシシラン、
ビニルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキ
シプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリプロポキシ
シラン、ビニルメチルジプロポキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルトリプロポキシシランおよびγ−メタ
クリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン等の加水
分解性シリル基を有する単量体;(メタ)アクリロニト
リル、アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、マレイン
酸または無水マレイン酸、イタコン酸、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレンなど
が挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上組み合
わせて使用できる。
【0017】上記共重合単量体のうち、共重合性および
得られる塗膜の物性の点で、炭素数が1〜8のアルキル
基を有する(メタ)アクリル酸アルキル、加水分解性シ
リル基を有する単量体、スチレン、炭素数が2〜3のア
ルキレン基を有する(メタ)アクリル酸ヒドロキシアル
キル、(メタ)アクリル酸およびグリシジルメタクリレ
ートが好ましい。加水分解性シリル基を有する単量体を
併用することにより、自己硬化性重合体が得られ、かか
る重合体は常温で硬化塗膜に形成する。硬化塗膜を得る
ための他の手段としては、グラフト共重合体としてヒド
ロキシル基含有グラフト共重合体を使用して、それと多
価イソシアネートまたはアミノ樹脂等の硬化剤を組み合
わせる方法やその他の公知の高分子硬化手段がある。
【0018】マクロモノマーと共重合単量体の共重合方
法としては、溶液重合法、水性乳化重合法、水性懸濁重
合等の方法が採用できるが、水性の重合媒体を用いる重
合方法が好ましい。水性重合媒体中で、上記成分を重合
して得られる水性重合体分散体は、そのままで水性コー
ティング剤として使用できる。特に好ましい重合方法
は、ミクロサスペンジョン重合法と称されることがあ
る、ミクロサイズの懸濁粒子を水中に分散させた状態で
重合する方法である。かかる方法によれば、水性媒体中
でマクロモノマーを共重合単量体と均一に共重合させる
ことができ、しかも重合中にグリッドの発生が殆どな
い。ミクロサスペンジョン重合法においては、油溶性ラ
ジカル開始剤を単量体混合物に溶解した溶液を水媒体中
に、粒子径0.02〜2.0μで分散(プレエマルジョ
ン)した後、昇温してそのまま重合させる。通常、重合
温度としては50〜100℃が好ましく、また重合時間
としては3〜10時間が好ましい。さらに水性媒体にお
ける単量体分散粒子の好ましい重量割合は、10〜60
重量%である。
【0019】油溶性ラジカル開始剤としては、20℃の
水に対する溶解度が10重量%以下のものが好ましく、
具体的には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル、メチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、ラウ
ロイルパーオキシド、ベンゾイルパーエオキシド、ジク
ミルパーオキシドおよびt−ブチルパーオキシピバレー
ト等が挙げられる。上記プレエマルジョンを製造する際
には、一般的な水性乳化重合において使用されるアニオ
ン系またはノニオン系等の各種界面活性剤が使用でき
る。得られる水性コーティング剤による被膜の耐水性や
耐候性を向上させる点で、ラジカル重合性基を有する界
面活性剤が好ましい。上記重合により得られるグラフト
共重合体の好ましい数平均分子量は、2000〜500,
000である。
【0020】本発明の水性コーティング剤には、クレ
ー、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、コロイ
ダルシリカ等の充填剤、顔料、染料、成膜助剤、可塑
剤、湿潤・分散・消泡等に用いられる各種界面活性剤、
紫外線吸収剤、抗菌剤および防錆剤等を必要に応じて適
量添加しても良い。加水分解性シリル基を有するグラフ
ト共重合体を使用する場合には、加水分解性シリル基に
よる硬化反応を促進するために、ジブチル錫ラウレート
等の有機錫化合物または酸性化合物を触媒として添加す
ることが好ましい。また、架橋用の官能基としてヒドロ
キシル基を有するグラフト共重合体を使用する場合に
は、多価イシソアネートまたはアミノ樹脂等を硬化剤と
して併用することが好ましい。
【0021】水性コーティング剤を塗布する基材として
は、ガラス、スレート、金属、木材およびプラスチック
等が挙げられる。使用目的では、雨筋汚れの付きにくい
外装用の建築用塗料、耐酸性雨用塗料、防汚性塗料、無
機建材用溌水剤、電気電子部品の防湿コーティング剤、
磁気テープのバックコート剤および繊維処理剤等が挙げ
られる。以下、参考例、実施例および比較例を挙げて本
発明をさらに具体的に説明する。なお、各例における成
分配合の部は、全て重量部である。
【0022】
【参考例1〜3】 (マクロモノマーの合成)攪拌機、2本の滴下ロート、
ガス導入管、温度計および冷却器を備えたフラスコに、
表1記載の単量体混合液30g、連鎖移動剤のメルカプ
トプロピオン酸2.12gおよび酢酸ブチル21gを仕
込み、ガス導入管より窒素を吹き込みながら、内温90
℃に昇温した。その後、一方の滴下ロートから、単量体
混合液70gと酢酸ブチル45gからなる混合液を2時
間かけて滴下すると共に、もう一方の滴下ロートからア
ゾビスイソブチロニトリル1.3gを酢酸ブチル34g
に溶解した溶液を5時間かけて滴下した。その後、さら
に反応を1時間継続した後、重合反応を完了させた。以
上の操作により、連鎖移動剤に由来するカルボキシル基
を分子の片末端に有する重合体の酢酸ブチル溶液を得
た。
【0023】得られた重合体溶液に、ハイドロキノンモ
ノメチルエーテル0.02g、テトラブチルアンモニウ
ムブロマイド1.0gおよびグリシジルメタクリレート
3.0gを添加して、空気を吹き込みながら95℃で7
時間にわたり、重合体末端のカルボキシル基とグリシジ
ルメタクリレートのグリシジル基とを反応させることに
より、末端にメタクリロイル基が導入されたマクロモノ
マーを95%以上の純度で得た。
【0024】
【表1】
【0025】表1に記載した単量体に関する略称は、そ
れぞれ以下の化合物を表す。 FMA :パーフロロオクチルエチルメタクリレー
ト PE−350:ブレンマーPE−350(オキシエチレ
ン単位数が7〜9のポリエチレングリコールモノメタク
リレート)(日本油脂株式会社製) MMA :メチルメタクリレート
【0026】
【実施例1】 (1)単量体エマルジョンの調製 単量体として、MMA;50部、n−ブチルアクリレー
ト;30部、ヒドロキシエチルメタクリレート;10
部、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン;
10部および参考例1のマクロモノマー;0.2部を用
い、以下の原料とともに、ホモミキサーで乳化分散させ
て単量体エマルジョンを調製した。 乳化剤:アルキルフェノールポリオキシエチレン付加物のポリオキシエチレン鎖 の末端にスルホアンモニウム基を有するアニオン性界面活性剤 ───0.7 部 開始剤:アゾビスイソブチロニトリル ───0.33部 水性媒体:脱イオン水 ───60 部 pH緩衝剤:重曹 ───1 部
【0027】(2)重合工程 攪拌機、温度計および冷却器を備えたフラスコに、脱イ
オン水80部、乳化剤2部を仕込み、液温85℃に昇温
した後、攪拌下、上記単量体エマルジョンを3時間かけ
て滴下した。滴下終了後、液温を90℃に昇温し、さら
に1時間重合を継続した後、重合を停止させた。重合
中、液分離またはブロッキングは起こらず、重合は安定
に行なわれた。得られた重合体分散粒子の平均粒径は
0.25μmで、反応液のpHは9.0であった。
【0028】得られた重合体エマルジョン100部当た
り、トリプロピレングリコール n-ブチルエーテル10
部加えて塗料液を調製した。得られた塗料液をバーコー
ターでクロメート処理アルミニウム板上に塗布し、乾燥
後で膜厚16ミクロンの塗膜を形成した。得られた試験
片を23℃、40%RHの雰囲気で2週間養生させた
後、塗膜の物性を測定した。結果は、表2のとおりであ
る。
【0029】
【実施例2】マクロモノマーの共重合割合を0.7部と
した以外はすべて実施例1と同様にして、グラフト共重
合体の水性エマルジョンを得た。該エマルジョンを用
い、実施例1と同様にして塗料液を調製し、該塗料から
形成された塗膜の物性を測定した。結果は、表2のとお
りである。
【0030】
【実施例3〜4】参考例2(実施例3に対応)または参
考例3(実施例4に対応)で得られたマクロモノマーを
0.7部使用する以外はすべて実施例1と同様にして、
グラフト共重合体の水性エマルジョンを得た。以下、同
様に操作をして得られた塗膜の物性を測定した。
【0031】
【比較例1】マクロモノマーを使用しないこと以外、す
べて実施例1と同様にして、グラフト共重合体の水性エ
マルジョンを得た。以下、同様に操作をして得られた塗
膜の物性を測定した。
【0032】
【表2】
【0033】表2記載の各種物性の測定方法は以下のと
おりである。 ・鉛筆硬度:JIS K5400 8.4.2項に記載
の方法に依る。 ・屈曲性 :JIS K5400 8.1項に記載の方
法に準じた方法に依る(直径10mmで評価) 。 ・密着性 :ごばん目(10×10=100個)のカッ
ト後、セロテープ剥離を行い、残存ごばん目数で評価し
た。 ・耐水性 :塗装片を沸騰水中に1時間浸漬した後の外
観によって評価した。 ・対水接触角: (1) 養生後の塗膜と水との接触角をゴニオメーターで測
定した。 (2) 養生後の塗膜を1日水中に浸漬し、乾燥後の塗膜と
水との接触角を測定した。 ・耐汚染性:市販の白色塗料が塗工されたアルミ板を用
い、白色塗膜の上に各例で得られたコーティング剤を実
施例1と同様に塗布して塗膜を形成した。2週間養生し
た後、3ケ月間屋外におき、その間の汚染の状況を色差
計により測定した。初期L値と屋外暴露試験後のL値の
差(−ΔL)によって評価した。
【0034】
【発明の効果】表2における耐汚染性に関するデータか
ら明らかなように、本発明における特異な構成を有する
グラフト共重合体を主成分とする水性コーティング剤に
よれば、耐汚染性に優れる被膜が形成できる。
フロントページの続き (72)発明者 山村 武尚 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記マクロモノマーに基づく単位を枝ポ
    リマーとし、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位お
    よび所望によりその他のラジカル重合性単量体単位から
    なる重合体を幹ポリマーとするグラフト共重合体を、水
    性媒体中に乳化分散させてなる水性コーティング剤。 マクロモノマー:(a)パーフロロアルキル(メタ)ア
    クリレート単位、(b)ポリアルキレングリコールモノ
    (メタ)アクリレート単位および(c)その他のラジカ
    ル重合性単量体単位からなり、全単量体単位の合計量を
    基準にする各単量体単位の割合が、(a)単位;20〜
    70重量%、(b)単位;30〜80重量%および
    (c)単位;0〜40重量%である重合体の片末端にラ
    ジカル重合性基を有する、数平均分子量が1,000〜3
    0,000のマクロモノマー。
  2. 【請求項2】 グラフト共重合体が、幹ポリマーと枝ポ
    リマーの合計量を基準とする枝ポリマーの割合が0.1〜
    20重量%で、幹ポリマーにおける(メタ)アクリル酸
    エステル単量体単位の割合が幹ポリマーを形成する全単
    量体単位の合計量を基準として50重量%以上である請
    求項1記載の水性コーティング剤。
JP30941797A 1997-10-23 1997-10-23 水性コーティング剤 Pending JPH11124536A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006007999A2 (en) * 2004-07-16 2006-01-26 Dsm Ip Assets Bv Aqueous vinyl graft copolymer compositions
JP2013177494A (ja) * 2012-02-28 2013-09-09 Toagosei Co Ltd フッ素系グラフト共重合体及びコーティング剤

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WO2006007999A3 (en) * 2004-07-16 2006-08-17 Dsm Ip Assets Bv Aqueous vinyl graft copolymer compositions
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