JPH1112416A - スチレン系樹脂組成物を射出成形して成るtvハウジング - Google Patents

スチレン系樹脂組成物を射出成形して成るtvハウジング

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JPH1112416A
JPH1112416A JP9166197A JP16619797A JPH1112416A JP H1112416 A JPH1112416 A JP H1112416A JP 9166197 A JP9166197 A JP 9166197A JP 16619797 A JP16619797 A JP 16619797A JP H1112416 A JPH1112416 A JP H1112416A
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JP
Japan
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halogenated
melting point
styrene resin
resin composition
formula
Prior art date
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Pending
Application number
JP9166197A
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English (en)
Inventor
Keiko Iwata
敬子 岩田
Tomoyuki Fujita
智之 藤田
Kazuyuki Nakamura
一幸 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 難燃性スチレン系樹脂組成物を射出成形して
成るTVハウジングを提供する。 【解決手段】 融点200℃〜260℃であるハロゲン
化合物を難燃剤として含有したスチレン系樹脂組成物を
射出成形して成るTVハウジング。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はTVハウジングに関
する。さらに詳しくは、流動性に優れたスチレン系樹脂
組成物が射出成形されてなる、難燃性、耐衝撃性に優れ
たTVハウジングに関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂は、その優れた成形加工
性、機械特性、電気特性のゆえに、多方面にわたり使用
されている。しかし、一般的に易燃性であるため、OA
機器、家電製品のハウジングおよび電気、電子関係の部
品等に用いられる際には、樹脂の難燃化が必要になる。
難燃性に関してはUL規格等により規制されており、近
年ハロゲン系化合物、リン系化合物を難燃剤として樹脂
に添加する等種々の難燃化の手段が検討されている。
【0003】熱可塑性樹脂であるスチレン系樹脂の用途
の一つであるTVハウジング分野では、大型成形品であ
るため難燃性を有した上に、一定レベルの耐衝撃性、耐
熱性が求められる。又、キャビネットに於いては大部分
が中空成形を使用してるため、ガスが選択的に指定部分
へ導かれること、バックカバーに於いては放熱孔部分に
バリやショートが無い状態で成形できることが必要であ
る。そのためには射出成形時に金型内での樹脂の溶融粘
度が、より低くなっている事が重要である。TVハウジ
ングの分野には、これら全ての要求性能を満たすバラン
スのとれたスチレン系樹脂が求められている。
【0004】樹脂の流動性を改良するためには樹脂への
ミネラルオイルの添加が一般的であるが、多量の添加は
成型品表面への浮き出しや耐熱性の低下、また樹脂に難
燃性が必要とされる場合は難燃性の低下という問題があ
った。その他特開昭63ー72749号公報に難燃剤と
してブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂を使用す
ることが示されている。この化合物の中で分子量の少な
いものは軟化点が低いので難燃性だけでなく、樹脂に流
動性をも付与する事が知られているが、この化合物の欠
点として、ブロム含有量が少ないため目的の難燃性を付
与するためには多量の添加が必要になり、難燃性樹脂の
耐衝撃性が著しく低下することや、耐熱性が著しく低下
するという問題があった。
【0005】その他、スチレン系樹脂の代表的な難燃化
手段としては、デカブロモジフェニルオキサイドを使用
することが特開昭58ー187450号公報に、デカブ
ロモジフェニルエタンを使用することが特開平2ー42
031号公報に示されている。しかしながら、これらの
難燃剤は高融点であるため、難燃樹脂としたときの流動
性の低下や難燃剤の分散不良による衝撃性の低下という
問題があった。またデカブロモジフェニルエタンとブロ
ム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂を併用して使用す
ることが特開平6−73268号公報に示されている
が、流動性と耐衝撃性、耐熱性のバランスをとることが
非常に困難であった。
【0006】また、樹脂の溶融温度で溶融しない難燃剤
と、溶融する難燃剤とを併用して使用することが特開平
5ー179086号公報に示されているが、この技術は
溶融しない難燃剤を溶融する難燃剤で分散させることが
目的であるため、溶融する難燃剤の添加量が少なく流動
性と衝撃性のバランスがTVハウジングのような大型成
型品では不十分である等の問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、流動
性が良く、射出成形の容易なハロゲン化合物を含有した
スチレン系樹脂組成物を射出成形して成る、難燃性と耐
衝撃性と耐熱性とのバランスに優れた、TVハウジング
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
難燃樹脂の耐衝撃性、耐熱性を可能な限り低下させな
い、流動性に優れるスチレン系樹脂組成物を射出成形し
て成るTVハウジングを開発すべく鋭意研究を重ねた。
その結果、融点200℃〜260℃であるハロゲン化合
物の単体または混合物をスチレン系樹脂に添加させ、射
出成形して成る、優れた大型TVハウジングを得ること
ができ、目的を達成することができることを見いだし、
本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、以下の通りである。 1.融点200℃〜260℃であるハロゲン化合物を難
燃剤として含有したスチレン系樹脂組成物を射出成形し
て成るTVハウジング。 2.融点200℃〜260℃であるハロゲン化合物が下
記(1)式または(3)式の単体または混合物である請
求項1記載のスチレン系樹脂組成物を射出成形して成る
TVハウジング。
【0010】
【化7】
【0011】
【化8】
【0012】(式中、Xは塩素原子、臭素原子を表し、
1〜R6は同一または異なる原子または官能基である
が、そのうち少なくとも1つは(2)式で表されるハロ
ゲン化アリール基を含んだ水素原子またはアルキル基、
ハロゲン化アルキル基を示す。lは1〜4の整数、mは
1〜5の整数を示す。l+m=2〜9であり、l+m=
7、8が92%以上である。)
【0013】
【化9】
【0014】(式中、R7、R8、R9、は同一でも異な
っていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン化ア
ルキル基、フェノキシル基、ハロゲン化フェノキシル基
を示す) 3.スチレン系樹脂(A)が100重量部に対して、融
点200℃〜260℃であるハロゲン化合物の単体また
は混合物(B)が1〜40重量部である請求項1、2い
ずれかに記載のスチレン系樹脂組成物を射出成形して成
るTVハウジング。 4.融点200℃以下および/または260℃以上であ
るハロゲン化合物の単体または混合物(B)以外に、融
点200℃未満及び/又は260℃を越えるハロゲン化
合物(C)を(B)の含有量の30%以内含有する請求
項1〜3いずれかに記載のスチレン系樹脂組成物を射出
成形して成るTVハウジング。 5.融点200℃未満及び/又は260℃を越えるハロ
ゲン化合物(C)が下記(4)式で表される分子量50
0〜10000のハロゲン化ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂である請求項4記載のスチレン系樹脂組成物を射
出成形して成るTVハウジング。
【0015】
【化10】
【0016】
【化11】
【0017】
【化12】
【0018】(式中、R10、11は同一または異なって
いてもよく、水素原子、上記(5)式または(6)式で
表される。Xは塩素、または臭素原子を表し、o、p、
q、rは0〜4の整数(但し全てが0になることはな
い)、nは0〜30の整数を示す。また上記(6)式中
のR12は水素原子、またはハロゲン化アリール基を表
す)以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】本発明において、TVハウジングとは、主
に、ブラウン管を取り付けるキャビネット及びそれと組
合わさり、フライバック変圧器等の電子部品を覆うバッ
クカバーの二つの部品を指し、本発明ではブラウン管の
大きさが20インチ以上である大型TVハウジングを指
す。20インチ以上の大型TVハウジングは、キャビネ
ット、バックカバーとも軽量化のために製品の平均肉厚
が2.0〜3.0mmの薄肉設計となっており、この製
品について射出成形で未充填部分が出来ないようにする
には、使用する樹脂に高い流動性が求められる。
【0020】本発明で用いるスチレン系樹脂(A)とし
ては、ハイインパクトポリスチレンが好ましく、ビニル
芳香族重合体よりなるマトリックス中にゴム状重合体が
粒子状に分散してなる重合体をいい、一般的にはゴム状
重合体をビニル芳香族単量体(および不活性溶媒を加え
た液)に溶解し、撹拌か塊状重合、塊状懸濁重合、また
は溶液重合を行い、ゴム状重合体を析出し、粒子化する
ことにより得られるが、重合法に限定されるものではな
い。
【0021】上記のビニル芳香族単量体としては、スチ
レンのほか、o−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、
エチルスチレン、p−ターシャリーブチルスチレン等の
核アルキル置換スチレン、α−メチルスチレン、α−メ
チル−p−メチルスチレン等のα−アルキル置換スチレ
ン、ハロゲン化スチレン等を挙げることができるが、代
表的な物はスチレンである。これらはその2種以上を併
用してもよい。
【0022】また、前記ゴム状重合体としては、ポリブ
タジエン、スチレン・ブタジエン共重合体、ポリイソプ
レン、ブタジエン・イソプレン共重合体、天然ゴム、エ
チレン・プロピレン共重合体を挙げることができるが、
一般的には、ポリブタジエン、スチレン・ブタジエン共
重合体が好ましい。本発明で用いるスチレン系樹脂組成
物を構成するポリスチレン樹脂のマトリックス部分の重
量平均分子量は、強度の関係から12×104〜5×1
5の範囲に調整され、特に15×104〜3×105
範囲が好ましい。この分子量を下回ると強度が急激に低
下し、上回ると流動性が著しく低下する。
【0023】上記ポリスチレン樹脂中のゴム状重合体含
量について特に制約はないが、4〜30重量%が一般的
であり、特に6〜15重量%であるのが好ましい。更に
上記ポリスチレン樹脂のゴム粒子の平均粒子径は、0.
2〜6.0μmの範囲に制御され、特に1.0〜3.0
μmの範囲が好ましい。また、前記のポリスチレン樹脂
中のゲル含量(トルエン不溶分)は、常法の14〜40
重量%に調整されるが、特に20〜35重量%が好まし
い。
【0024】本発明で用いるハロゲン化合物(B)は、
軟化点ではなく融点が200℃〜260℃である必要が
ある。すなわち、スチレン系樹脂を溶融させて実際の射
出成形を行う温度内で融点をもつ必要がある。尚、本発
明における融点とはハロゲン化合物の単体または混合物
を示差熱分析法により昇温速度10℃/分で測定した際
の、吸熱ピーク温度を指す。この融点が200℃以下で
あるとスチレン系樹脂の流動性は向上するが、耐熱性が
著しく低下するため多量の添加は行えず、260℃以上
であると耐熱性は低下しないが、スチレン系樹脂の流動
性が十分ではなく、大型TVハウジング等の射出成形に
適さない。ハロゲン化合物(B)は単体、または併用し
て混合物で用いてもよい。具体例としてはハロゲン化イ
ンダン、ハロゲン化トリアジン、テトラブロモビスフェ
ノールAのカーボネートオリゴマー、ビストリブロモフ
ェノキシエタン等が挙げられる。
【0025】本発明で用いるハロゲン化インダンは、前
記(1)式で表される。アルキル基の具体例としてはメ
チル、エチル、プロピル等があり、ハロゲン化アルキル
基、ハロゲン化アリール基の具体例としてはジブロモエ
チル、ジブロモプロピル、ジブロモフェニル、トリブロ
モフェニル、テトラブロモフェニル、ペンタブロモフェ
ニル等があり、その中でもトリブロモフェニル、テトラ
ブロモフェニル、ペンタブロモフェニルが好ましい。し
かし前記でも述べたように少なくとも1つは(2)式で
表されるハロゲン化アリール基である必要がある。Xは
臭素原子が望ましく、lは1〜4の整数、mは1〜5の
整数、l+m=2〜9であり、l+m=7、8が92%
以上である必要がある。92%よりも少ない場合難燃性
の効果が損なわれる。その他混合物中にはヘキサブロモ
ベンゼンを0.05〜3%含んでいることが必要であ
り、混合物として前記(1)式中のl+m=2〜6、9
である化合物を含んでいてもよい。また製法は特に限定
されるものではない。
【0026】本発明で用いるハロゲン化トリアジンは、
前記(3)式で表される。アルキル基、フェノキシル基
の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、フェノ
キシル、メチルフェノキシル基等があり、ハロゲン置換
のアルキル基、フェノキシル基の具体例としてはジブロ
モエチル、ジブロモプロピル、ジブロモフェノキシル、
トリブロモフェノキシル等があり、その中でもトリブロ
モフェノキシルが好ましい。
【0027】スチレン系樹脂(A)100重量部に対す
る(B)の配合割合は1〜40重量部であり、特に5〜
25重量部であるのが好ましい。40重量部以上ではス
チレン系樹脂の衝撃強度等の物性が損なわれ、1重量部
より少ないと難燃性付与効果が乏しい。また、本発明で
は、200℃未満及び/又は260℃を越える融点、軟
化点をもつハロゲン化合物(C)を(B)の添加量の3
0%以内であれば添加してもよい。30%以上である場
合、本発明の目的である耐熱性と流動性のバランスが損
なわれる。具体例としては、ハロゲン化ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、ハロゲン化ジフェニルエタン、ハロ
ゲン化ジフェニルオキサイド、エチレンビスポリブロモ
フタルイミド、トリス(ブロモネオペンチル)ホスフェ
ート、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビ
スフェノールAの末端誘導体、ヘキサブロモシクロドデ
カン等が挙げられるが、前記(4)式に示した分子量5
00〜10000のハロゲン化ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂が好ましく、さらに、分子量1400で末端が
前記(6)式で表され、R12がトリブロモフェニルであ
る臭素含量58〜62%のハロゲン化ビスフェノールA
型エポキシ樹脂が好ましい。
【0028】さらに、本発明で用いるスチレン系樹脂組
成物は、難燃性の効果を更に高めるために難燃助剤を添
加されていることが好ましい。難燃助剤の具体例として
は、酸化アンチモン、スズ系化合物、モリブデン系化合
物、ジルコニウム系化合物、ホウ素系化合物があげられ
る。詳しくは三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五
酸化アンチモン等の酸化アンチモン、また酸化スズ、水
酸化スズ等のスズ系化合物、酸化モリブデン、モリブデ
ン酸アンモニウム等のモリブデン系化合物、酸化ジルコ
ニウム、水酸化ジルコニウム等のジルコニウム系化合
物、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム等のホウ素系化合
物が挙げられるが、酸化アンチモンを添加することが好
ましく、その中でも特に三酸化アンチモンを添加するこ
とが好ましい。
【0029】スチレン系樹脂(A)100重量部に対す
る配合割合は、融点200℃〜260℃のハロゲン化合
物の単体または混合物(B)1〜30重量部、難燃助剤
として三酸化アンチモン0.5〜10重量部である。1
0重量部以上では樹脂の衝撃強度等の物性が損なわれ、
0.5重量部より少ないと難燃助剤効果が乏しい。さら
に、融点200℃〜260℃のハロゲン化合物の単体ま
たは混合物(B)13〜20重量部、三酸化アンチモン
3〜7重量部が好ましい。
【0030】また、本発明で用いるスチレン系樹脂組成
物は、ポルテトラフルオロエチレン0.01〜0.5重
量部程度の少量を添加することにより、融点200℃〜
260℃のハロゲン化合物の単体または混合物(B)の
添加量を減少させてポリテロラフルオロエチレンを添加
しない場合と同等の難燃性を有する難燃樹脂を得ること
ができる。また同量のハロゲン化合物の添加量でさらに
難燃性を強化することができ、さらに薄肉での難燃性を
もつことができる。
【0031】本発明で用いるスチレン系樹脂組成物の製
造方法は、これらの各成分を所定量配合することによ
り、配合方法は特に制限がなく、ヘンシェルミキサー、
タンブラーミキサー、スーパーミキサー、バンバリーミ
キサー、ニーダー、ロール、単軸押出し機、二軸押出し
機等の方法がある。本発明で用いるスチレン系樹脂組成
物には、本発明の目的を損なわない範囲で他の添加剤、
例えば可塑剤、滑剤、安定剤、紫外線吸収剤、充填剤、
着色剤、補強剤等を添加することができる。
【0032】本発明のスチレン系樹脂組成物を射出成形
して成るTVハウジングは、難燃性を有するスチレン系
樹脂組成物に対し適切な温度、金型温度であれば射出成
形の条件には特に限定されない。例えば、シリンダー温
度210〜24℃で、金型温度30〜50℃で射出成形
されることが好ましく、TVキャビネットではコールド
ランナーで中空部を有するもの、バックカバーではホッ
トランナーで射出成形されるものがより一般的である。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、実施例および比較例を挙げ
て本発明を説明する。なお、種々の難燃化されたスチレ
ン系樹脂の諸性質を下記の方法により測定し評価した。 (1)難燃性: 米国アンダーライターズ・ラボラトリ
ー・インコーポレーション(Underwriters
Loboratories Inc.,U.S.A)
より出版された、UL94安全規格:機器の部品用プラ
スチック材料の燃焼試験の7〜10項目に記載の94V
−2、94V−1、94V−0(以下、V−2、V−
1、V−0と略する)の基準によった。 (2)ビカット軟化点: ASTM−D1525ー87
により測定した。 (3)アイゾット衝撃強度:ASTM−D256−88
により、23℃でノッチ付き試験片を用いて測定した。 (4)射出成形時の流動性(粘度): ロザンド社製キ
ャピラリーレオメーターRH7シリーズを用いシェアレ
イト1000(1/s)時の成形温度200℃、240
℃での粘度を測定した。 (5)成形性: 型締力1300トンの射出成形機に於
いて、平均肉厚2.4mmの29インチTVバックカバ
ー製品(4点ゲート、ホットランナー)をシリンダー温
度230℃、金型温度50℃で成形した時に、製品上の
金型合わせ面に発生するバリの有無によって樹脂の成形
性を評価した。フルショットの製品を得られるだけの射
出圧力をかけて製品を得て、その製品外観を目視で判断
した。製品表面上にバリを生じさせるものは×、バリが
ないものを○と評価した。 (6)梱包落下試験: 29インチTV製品に対して、
以下の手順で落下試験を行い、落下に対する実用強度を
評価した。
【0034】TVキャビネットにブラウン管を取り付
け、更にシャーシ類、電子部品を組み込んだバックカバ
ーと勘合し、TVの完成品を作り上げる。 TV完成品に対して発泡ポリスチレン製の緩衝剤を組
み込み、それを適当な大きさのダンボール箱に入れ、密
閉する。 TV完成品が入ったダンボール箱をコンクリートの床
面上で100cmの高さまで持ち上げる。
【0035】ダンボール箱の1画3陵5面(TV完成
品が逆さまになる方向は除く)をそれぞれ鉛直下方に向
けて、9回連続して床面に落下させる。 9回落下させた後に箱を開封し、TV完成品に於ける
破損個所と状態を調べる。
【0036】
【実施例1〜5】スチレン系樹脂(A)としてゴム含量
10%のハイインパクトポリスチレ、融点200℃〜2
60℃であるハロゲン化合物の単体または混合物(B)
として融点240℃〜250℃のオクタブロモー1,
1,3ートリメチルー3ーフェニルーインダン、融点2
30℃の2、4、6ートリス(2、4、6トリブロモフ
ェノキシ)1、3、5ートリアジン、融点200℃未満
及び/又は260℃を越えるハロゲン化合物(C)とし
て軟化点100℃、分子量1400のブロモ化ビスフェ
ールA型エポキシ樹脂、融点345℃のデカブロモジフ
ェニルエタンを、更に難燃助剤として三酸化アンチモン
を表に示した割合で所定量混合し、2軸押出し機で溶融
混錬(シリンダー設定温度200℃)後、射出成形(シ
リンダー温度200℃、金型温度60℃)して成形片を
作成した。
【0037】得られた成形片を試験片として用いて、そ
れぞれアイゾット衝撃強度、ビカット軟化点、難燃性を
測定した。成形時の流動性を表す粘度は、キャピログラ
フ測定器により、ある一定のシェアレイト下の200
℃、240℃の粘度を測定した。また成形性は、通常の
射出成形でTVバックカバーで成形を行い評価を行っ
た。梱包落下試験については射出成形により得られたT
Vハウジングを用い、評価を行った。その結果を表1に
示す。但し、表に示した配合割合の単位は重量部であ
る。
【0038】
【比較例1〜4】融点200℃未満及び/又は260℃
を越えるハロゲン化合物(C)として軟化点100℃、
分子量1400のブロモ化ビスフェールA型エポキシ樹
脂、融点345℃のデカブロモジフェニルエタンを単独
で用いた(比較例1、2)。また、融点200℃〜26
0℃であるハロゲン化合物の単体または混合物(B)と
併用した場合、(B)の添加量の30%以上の量のビス
フェノールA型エポキシ樹脂を併用した場合(比較例
3、4)に対し、実施例1〜5と同様の評価を行った。
結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】実施例に示すように、本発明のスチレン
系樹脂組成物を射出成形して成るTVハウジングは、従
来のものと較べて、射出成形が容易である上に、難燃
性、耐熱性、耐衝撃性のバランスに優れたTVハウジン
グである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点200℃〜260℃であるハロゲン
    化合物を難燃剤として含有したスチレン系樹脂組成物を
    射出成形して成るTVハウジング。
  2. 【請求項2】 融点200℃〜260℃であるハロゲン
    化合物が下記(1)式または(3)式の単体または混合
    物である請求項1記載のスチレン系樹脂組成物を射出成
    形して成るTVハウジング。 【化1】 【化2】 [式中、Xは塩素原子、臭素原子を表し、R1〜R6は同
    一または異なる原子または官能基であるが、そのうち少
    なくとも1つは(2)式で表されるハロゲン化アリール
    基を含んだ水素原子またはアルキル基、ハロゲン化アル
    キル基を示す。lは1〜4の整数、mは1〜5の整数を
    示す。l+m=2〜9であり、l+m=7、8が92%
    以上である。] 【化3】 [式中、R7、R8、R9、は同一でも異なっていてもよ
    く、水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、フ
    ェノキシル基、ハロゲン化フェノキシル基を示す]
  3. 【請求項3】 スチレン系樹脂(A)が100重量部に
    対して、融点200℃〜260℃であるハロゲン化合物
    の単体または混合物(B)が1〜40重量部である請求
    項1、2いずれかに記載のスチレン系樹脂組成物を射出
    成形して成るTVハウジング。
  4. 【請求項4】 融点200℃〜260℃であるハロゲン
    化合物の単体または混合物(B)以外に、融点200℃
    未満及び/又は260℃を越えるハロゲン化合物(C)
    を(B)の含有量の30%以内含有する請求項1〜3い
    ずれかに記載のスチレン系樹脂組成物を射出成形して成
    るTVハウジング。
  5. 【請求項5】 融点200℃未満及び/又は260℃を
    越えるハロゲン化合物(C)が下記(4)式で表される
    分子量500〜10000のハロゲン化ビスフェノール
    A型エポキシ樹脂である請求項4記載のスチレン系樹脂
    組成物を射出成形して成るTVハウジング。 【化4】 【化5】 【化6】 [式中、R10、R11は同一でも異なっていてもよく、水
    素原子、上記(5)式または(6)式で表される。Xは
    塩素、または臭素原子を表し、o、p、q、rは0〜4
    の整数(但し全てが0になることはない)、nは0〜3
    0の整数を示す。また上記(6)式中のR12は水素原
    子、またはハロゲン化アリール基を表す]
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