JPH11123780A - シングルフェーサ - Google Patents

シングルフェーサ

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JPH11123780A
JPH11123780A JP9289863A JP28986397A JPH11123780A JP H11123780 A JPH11123780 A JP H11123780A JP 9289863 A JP9289863 A JP 9289863A JP 28986397 A JP28986397 A JP 28986397A JP H11123780 A JPH11123780 A JP H11123780A
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JP
Japan
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core paper
roll
lower roll
single facer
air
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JP9289863A
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English (en)
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Hiroshi Ishibuchi
浩 石渕
Hiroyuki Takenaka
裕幸 竹中
Kazukiyo Kono
和清 河野
Makoto Ando
真 安藤
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B31MAKING ARTICLES OF PAPER, CARDBOARD OR MATERIAL WORKED IN A MANNER ANALOGOUS TO PAPER; WORKING PAPER, CARDBOARD OR MATERIAL WORKED IN A MANNER ANALOGOUS TO PAPER
    • B31FMECHANICAL WORKING OR DEFORMATION OF PAPER, CARDBOARD OR MATERIAL WORKED IN A MANNER ANALOGOUS TO PAPER
    • B31F1/00Mechanical deformation without removing material, e.g. in combination with laminating
    • B31F1/36Moistening and heating webs to facilitate mechanical deformation and drying deformed webs
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B31MAKING ARTICLES OF PAPER, CARDBOARD OR MATERIAL WORKED IN A MANNER ANALOGOUS TO PAPER; WORKING PAPER, CARDBOARD OR MATERIAL WORKED IN A MANNER ANALOGOUS TO PAPER
    • B31FMECHANICAL WORKING OR DEFORMATION OF PAPER, CARDBOARD OR MATERIAL WORKED IN A MANNER ANALOGOUS TO PAPER
    • B31F1/00Mechanical deformation without removing material, e.g. in combination with laminating
    • B31F1/20Corrugating; Corrugating combined with laminating to other layers
    • B31F1/24Making webs in which the channel of each corrugation is transverse to the web feed

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 芯紙に対して加湿処理と加熱処理とを施した
後、この芯紙を所定速度で供給することにより、波形加
工時の空気圧を低減できるとともに、所定の段山形状を
維持でき、更に、芯紙のスプリングバックを生じ難くし
て、緩衝能力の高い段ボールシートを製造できるように
する。 【解決手段】 空気加圧段繰り機構112よりも上流側
に設置され、芯紙4に対して加湿処理と加熱処理とを施
す加湿・加熱装置30aと、この加湿・加熱装置30a
による処理を施された芯紙4を所定速度で空気加圧段繰
り機構112へ供給するフィード機構31とをそなえて
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、片面段ボールの連
続的な製造に用いて好適なシングルフェーサに関する。
【0002】
【従来の技術】図12は従来のシングルフェーサの構造
を模式的に示す側断面図、図13は図12の要部を拡大
して示す図であり、図12に示すように、片面段ボール
シートを連続的に製造する従来のシングルフェーサ20
0は、外周面に波形面(段)を形成された上段ロール1
のほかに、下段ロール2および圧力ロール3を基本的な
ロール構成として有している。
【0003】ここで、下段ロール2は、上段ロール1と
芯紙4を挟んで対向する位置に配設され、上段ロール1
と噛み合う段を外周面に形成されている。圧力ロール3
は、下段ロール2の外周において、上段ロール1よりも
下流側位置に、下段ロール2の段頂部に適当なニップ圧
を作用させて当接するように配設されている。また、下
段ロール2には、下段ロール2の外周面に接近した位置
に、下段ロール2の中心軸と平行な複数の横穴10が同
心円上に等ピッチ間隔で削設されており、これらの横穴
10の各端部は、下段ロール2の側端面に当接し下段ロ
ール2との摺動面を介し、これら横穴10のいくつかに
連通する配管系を通じて図示しない空気吸引装置(空気
吸引源)と連結されている。又、下段ロール2の周面に
は、各横穴10に連通する円周状スリット溝11が、下
段ロール2の軸方向に沿って適宜間隔をおいて複数削設
されており、これら横穴10,円周状スリット溝11,
空気吸引装置および配管系により、空気吸引機構が構成
されている。
【0004】すなわち、この空気吸引機構において、図
示しない空気吸引装置を作動させることにより、配管系
と各横穴10とを介して、下段ロール2の周面に形成さ
れている円周状スリット溝11から空気を吸引すること
ができるようになっているのである。さて、上段ロール
1と下段ロール2とは、これらの段ロール1,2の間の
噛み合い部に芯紙4を送り込んで通過させることにより
波形加工(段繰り)し、波形芯紙6に成形するものであ
るが、その際、図示しない空気吸引装置により発生した
吸引力が、各横穴10および各円周状スリット溝11を
介して波形芯紙6を吸引して下段ロール2の段面に密着
させ、更に、下段ロール2は波形芯紙6を密着状態で保
持したまま下段ロール2と圧力ロール3との接合部まで
移送するようになっている。
【0005】さらに、下段ロール2の周面における、上
段ロール1の配設されている位置よりも下流側の位置
で、且つ、圧力ロール3の配設されている位置よりも上
流側の位置には、波形芯紙6の段頂部に糊付けするよう
に糊付けロール7が配設されている。この糊付けロール
7は、糊8に浸って回転するロール7aと当接しながら
回転することにより、常にその円周面全体に糊8を均一
に塗布されるとともに、芯紙4の段山頂部に当接しなが
ら回転することにより、芯紙4の段山頂部に糊8を塗布
するようになっている。
【0006】一方、下段ロール2の周面における、糊付
けロール7が配設されている位置よりも下流側の位置に
は、図示しない加熱装置を備えた圧力ロール3が下段ロ
ール2に当接するように配設されている。又、この圧力
ロール3は、ライナ5を圧力ロール3と下段ロール2と
の間隙に案内するとともに、下段ロール2との間隙にお
いて、ライナ5と糊8を塗布された波形芯紙6とを、図
示しない加熱装置により加熱しながら圧着(貼着)し
て、片面段ボールシート9を形成するようになってい
る。
【0007】このような構成により、芯紙4は、先ず、
上段ロール1によって上段ロール1と下段ロール2との
間隙に案内され、この上段ロール1と下段ロール2との
係合部を通過することにより段繰り(波形加工)され波
形芯紙6に成形される。次に、上段ロール1と下段ロー
ル2との係合部において成形された波形芯紙6は、空気
吸引機構により吸引され下段ロール2の段面に密着した
状態で下段ロール2の回転に従って移送される。
【0008】下段ロール2により移送された波形芯紙6
は、糊付けロール7と下段ロール2との間隙において、
糊付けロール7によりその段頂部に糊8を塗布され、更
に、圧力ロール3と下段ロール2との間隙に移送され
る。圧力ロール3と下段ロール2との間隙において、そ
の段頂部に糊8を塗布された波形芯紙6と、圧力ロール
3により他方向から案内されてきたライナ5とが、図示
しない加熱装置により加熱されながら圧着(貼着)さ
れ、片面段ボールシート9が形成される。なお、形成さ
れた片面段ボールシート9は、次工程へと送られる。
【0009】さて、このような構成からなる従来のシン
グルフェーサ200では、図13に示すように、上段ロ
ール1と下段ロール2との噛み合い部において、芯紙4
を両ロール1,2にそれぞれ形成されている段により段
繰りする際に、両段ロール1,2の段は芯紙4を噛み込
んだ状態で強く圧接し、両段ロール1,2の段の間に
は、数十kgf/cm2 の大きなニップ圧が作用し、更に、両
段ロール1,2の回転に伴い、芯紙4を介して各段どう
しの間で滑りが生じ、噛み合う各段の歯面には、大きな
摩擦力が作用する。
【0010】さらに、両段ロール1,2における噛み合
い直前の歯列も、芯紙4との摺動接触により摩擦される
ため段が磨耗し、このように段繰りの用に供した各段ロ
ール1,2は、一般的に、通常品質の芯紙4を使用した
場合においても0.5〜1年間程度の使用で、取り替え
たり、段の削り直しをしたりする必要がある。このよう
な各段ロール1,2の段の摩擦現象は、芯紙の品質に影
響されるところが大であり、特に灰分等硬質の不純物を
多く含む低質の芯紙を使用した場合では、各段ロール
1,2の段の磨耗はさらに顕著となり、その耐用期間は
さらに短縮し、極端な例では2〜3ヶ月の運転により使
用できなくなることもある。
【0011】また、各段ロール1,2は高価であり、
又、削り直しによる再生も3回程度が限度で、以後は廃
棄処分となるため、各段ロール1,2の耐用期間の延長
について、業界より有効な技術的解決策の出現を希求さ
れている。なお、上述の各段ロール1,2の段の磨耗現
象について詳述すると、上段ロール1の方が、空気吸引
機構により波形芯紙6をその段面に吸着されている下段
ロール2と比べ、その段と芯紙4もしくは波形芯紙6と
の間により多くの摺動摩擦を生じるため、上段ロール1
の段の磨耗の方が下段ロール2の段の磨耗に比べて顕著
である。
【0012】一方、上記課題を解決するため、前述の従
来のシングルフェーサ200における上段ロールの代わ
りに、空気圧により芯紙を下段ロールの周面に形成され
ている段山に押し付けることにより段繰りを行なう、空
気加圧段繰り機構をそなえて構成されたシングルフェー
サが知られている。つまり、このシングルフェーサで
は、前述したシングルフェーサ200における上段ロー
ル1が省略され、段ロールとしては下段ロール2に対応
するもの1本だけがそなえられている。
【0013】このような従来の空気加圧段繰り機構を備
えたシングルフェーサについて図を用いて説明すると、
図14はその模式的な側断面図、図15はその要部(下
段ロール2に空気加圧段繰り機構12を近接させた部
分)を拡大して示す側断面図である。さて、図14に示
すように、従来の空気加圧段繰り機構を備えたシングル
フェーサ210は、前述の図12に示した従来のシング
ルフェーサ200から上段ロール1を取り除き、代わり
に空気加圧段繰り機構12を配設した以外は、ほぼ同一
の構成を有しており、図中、既述の符号と同一の符号
は、同一もしくは略同一の部分を示しているので、その
詳細な説明は省略する。
【0014】空気加圧段繰り機構12は、図15に示す
ように、高圧空気16を導入するノズル本体13と、こ
のノズル本体13の下段ロール2側の端部に、下段ロー
ル2の周面に沿って延在するように配設されたシール板
14と、このシール板14における下段ロール2周面に
対向する面に装着されたシール材15とから構成されて
おり、このシール材15は、下段ロール2の周面上に形
成されている段の、少なくとも二つの段を覆うような周
方向の寸法を有している。
【0015】ノズル本体13は、その空気噴射口13a
における横断面形状がスリット状となるような細長い四
角形であり、その内法の横断面において、長辺は下段ロ
ール2の軸方向長さとほぼ同長であり、又、その短辺は
下段ロール2の段ピッチ程度以上であるように形成され
ている。また、空気加圧段繰り機構12は、図14およ
び図15に示すように、下段ロール2の外周における、
糊付けロール7よりも上流側に、下段ロール2の段頂部
から芯紙4の厚さ寸法相当の間隙を隔てて配設されてお
り、空気加圧段繰り機構12のシール材15と下段ロー
ル2の段頂との間に芯紙4を介在させることにより、ノ
ズル本体13と芯紙4の表側(芯紙4における下段ロー
ル2と対向しない側)の面との間の空間において、空気
の漏れは比較的少なく、ほぼ気密状態が保たれるように
なっている。
【0016】すなわち、図示しない空気供給装置からノ
ズル本体13内に高圧空気16を供給することにより、
ノズル本体13と芯紙4の表側の面との間の空間が高圧
雰囲気に維持され、高い静圧を芯紙4の表側の面に付加
することができるようになっている。このような構成に
より、芯紙4を空気加圧段繰り機構12と下段ロール2
との間隙に供給すると、図15に示すように、空気加圧
段繰り機構12のシール板14およびシール材15と下
段ロール2の段頂との間隙において、ノズル本体13を
介して供給された高圧空気16が、芯紙4を一気に下段
ロール2の段面に押し付け、芯紙4を波形芯紙6に成形
する。
【0017】また、芯紙4(波形芯紙6)の裏面側にお
いて、空気吸引機構が芯紙4(波形芯紙6)の裏面と下
段ロール2の周面との間隙に存在する空気を円周状スリ
ット溝11および横穴10を介して吸引しているため、
芯紙4(波形芯紙6)の裏面と下段ロール2の周面との
間の空間は、常時、負圧状態となり、空気加圧段繰り機
構12から噴射される圧縮空気16による芯紙4の波形
加工を助勢する。
【0018】さらに、空気吸引機構の作用により、成形
された波形芯紙6は下段ロール2の段面に密着状態に吸
引され、波形芯紙6に作用させている応力を取り去った
ときに元の形状に戻ろうとするスプリングバックが抑制
され、更に、下段ロール2の遠心力に抗して、波形芯紙
6は密着状態で保持されたまま、下段ロール2と圧力ロ
ール3との間へ移送されるようになっている。
【0019】なお、以下、前述の上段ロール1を有する
シングルフェーサ200と同様に、波形芯紙6は、下段
ロール2により下段ロール2と圧力ロール3との間へ移
送される過程で、糊付けロール7によりその段頂部に糊
8を塗布された後、圧力ロール3と下段ロール2との間
隙において、圧力ロール3により他方向から案内されて
きたライナ5と、図示しない加熱装置により加熱されな
がら圧着(貼着)され、片面段ボールシート9が形成さ
れる。又、形成された片面段ボールシート9は、次工程
へと送られる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のシングルフェーサ210では、芯紙4の波形
加工時に、芯紙4の表面側から高圧空気16を噴射し
て、その裏面を下段ロール2の段底面に到達させるため
に約3〜5kg/cm2と高い空気圧が必要であり、強力な圧
縮空気供給装置が必要であるとともに、エアーを大量に
消費するという課題がある。
【0021】また、芯紙4の波形加工時に、空気加圧段
繰り機構12と下段ロール2との間隙において、芯紙4
が高圧空気16の噴射を受けて変形を開始してから、そ
の裏面が下段ロール2の段底に到達するまでに若干の時
間を要するため、この芯紙4が下段ロール2の段底面に
到達する前に下段ロール2が回転して次の段の段繰り加
工工程に入ってしまい、図16(図15に対応する側断
面図)に示すように、段繰りされた芯紙4の段山高さ
は、図12に示すシングルフェーサ200を用いて成形
された片面段ボールシートに比べて低くなり、最終的に
生成される段ボールシートにおいて緩衝能力が低くなる
という課題もある。なお、この段山高さが低くなる傾向
は、下段ロール2の回転速度が増加するとともにより顕
著となる。
【0022】つまり、図17(a)は図12に示すシン
グルフェーサ200により成形された片面段ボールシー
ト9の段面形状、図17(b)は図14に示すシングル
フェーサ210により成形された片面段ボールシート9
の段面形状をそれぞれ示す図であるが、これらの図17
(a)および図17(b)に示すように、空気加圧段繰
り機構12により波形加工された後、ライナ5と貼着さ
れて形成された片面段ボールシート9の段山形状は、ス
プリングバックにより崩れ、その段山高さH′は、シン
グルフェーサ200により成形された片面段ボールシー
ト9の段山高さHよりも低くなり、最終的に生成される
段ボールシートにおいて緩衝能力が低くなるという課題
がある。
【0023】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、芯紙に対して加湿処理と加熱処理とを施した
後、この芯紙を所定速度で供給することにより、波形加
工時の空気圧を低減できるとともに、所定の段山形状を
維持でき、更に、芯紙のスプリングバックを生じ難くし
て、緩衝能力の高い段ボールシートを製造できるシング
ルフェーサを提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明のシングルフェーサは、芯紙に空気圧を作用さ
せることによりこの芯紙を波形加工する空気加圧段繰り
機構をそなえ、この空気加圧段繰り機構により波形加工
された芯紙と別途送り込まれるライナとを貼着すること
により片面段ボールシートを形成するものにおいて、空
気加圧段繰り機構よりも上流側に設置され、芯紙に対し
て加湿処理と加熱処理とを施す加湿・加熱装置と、この
加湿・加熱装置による処理を施された芯紙を所定速度で
空気加圧段繰り機構へ供給するフィード機構とをそなえ
たことを特徴としている。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。 (A)本発明の一実施形態の説明 図1は本発明の一実施形態としてのシングルフェーサの
構成を模式的に示す図、図2は図1の要部を示す図であ
り、このシングルフェーサ100は、図1に示すよう
に、図14に示した従来のシングルフェーサ210と同
様に、下段ロール2,圧力ロール3,糊付けロール7,
空気加圧段繰り機構112を有しており、更に、加湿・
加熱装置30aおよびフィード機構31をそなえて構成
されている。なお、図中、既述の符号と同一の符号は同
一もしくはほぼ同一の部分を示しているので、その詳細
な説明は省略する。
【0026】空気加圧段繰り機構112は、シングルフ
ェーサ210に用いられている空気加圧段繰り機構12
を改良したものであり、ノズル本体113,シール板1
14,シール材115および紙送り用ガイド23を有し
て構成されている。この空気加圧段繰り機構112のノ
ズル本体113の空気噴射口113aは、下段ロール2
の軸方向全長にわたるスリットとして構成され、このス
リットが、下段ロール2の軸方向に複数の部分に等分割
されている。これにより、等分割されたスリットの各部
分は、長辺が数百mmで短辺が下段ロール2の段ピッチ程
度の細長い四角形となっている。又、このノズル本体1
13は、図示しない圧縮空気供給装置と連通しており、
高圧空気16を下段ロール2の周面に向けて噴射できる
ようになっている。
【0027】また、ノズル本体113の下段ロール2側
の端部には、ノズル本体113を挟んで、その上流側と
下流側との各位置に、下段ロール2の周面に沿って延在
するように、下段ロール2の軸方向長さとほぼ同長のシ
ール板114が設けられており、更に、このシール板1
14における下段ロール2の周面と対向する側の面には
シール材115が貼着されている。
【0028】なお、このシール材115は、シール板1
14の下段ロール2の周面と対向する側の面にほぼ全面
にわたって貼着されており、下段ロール2の周面上に形
成されている段のうち少なくとも二つの段を覆うような
下段ロール2の周方向の寸法と、芯紙4の紙幅を覆うよ
うな下段ロール2の軸方向の寸法とを有している。更
に、この空気加圧段繰り機構112において、ノズル本
体113が配置されている位置(空気噴射口113aの
位置)よりも上流側には、紙送り用ガイド23が突設さ
れており、芯紙4が、この紙送り用ガイド23を通って
空気加圧段繰り機構112と下段ロール2との間隙へ供
給されるようになっている。
【0029】紙送り用ガイド23は芯紙4を挟んで対向
するように配設された板状のガイドで、芯紙4の幅方向
長さとほぼ等しい奥行きを有しており、図2に示すよう
に、ガイドローラ19およびフィードローラ20と空気
加圧段繰り機構112との間をつなぐように配設されて
いる。また、紙送りガイド23は、下段ロール2の接線
との間に所定の角度θ〔θ≒90−θ0 (なお、θ0
下段ロール2の段山の圧力角)〕を有して配設されてお
り、芯紙4がこの紙送りガイド23に案内されて空気加
圧段繰り機構112と下段ロール2との間隙へ供給され
ることにより、芯紙4は下段ロール2の周面に形成され
ている段山の歯面に沿って段底部まで搬送される。従っ
て、本実施形態の空気加圧段繰り機構112では、従来
のシングルフェーサ210のように芯紙4を下段ロール
2の接線方向から供給する場合(図16参照)よりも、
芯紙4が下段ロール2の段底部にスムーズに到達し、更
に、ガイドローラ19およびフィードローラ20の間隙
を通過した芯紙4が、変形することなく、下段ロール2
と空気加圧段繰り機構12との間隙へフラットな状態で
送り込まれるようになっている。
【0030】上述のような空気加圧段繰り機構112
は、下段ロール2の外周における、糊付けロール7より
も上流側に、下段ロール2の段頂部から芯紙4の厚さ寸
法相当の間隙を隔てて配設されており、この空気加圧段
繰り機構112のシール材115と下段ロール2の段頂
との間に芯紙4を介在させることにより、ノズル本体1
13と芯紙4の表側(芯紙4における下段ロール2と対
向しない側)の面との間の空間において、空気の漏れは
比較的少なく、ほぼ気密状態が保たれるようになってい
る。そして、図示しない空気供給装置からノズル本体1
3内に高圧空気16を供給することにより、ノズル本体
13と芯紙4の表側の面との間の空間が高圧雰囲気に維
持され、高い静圧を芯紙4の表側の面に付加することが
できるようになっている。
【0031】さらに、本実施形態のシングルフェーサ1
00は、芯紙4に対して加湿処理と加熱処理とを施す加
湿・加熱装置30aを有している。この加湿・加熱装置
30aは、加湿装置であるシャワー装置17と加熱装置
である上下一対の加熱ロール18,18とから構成され
ており、それぞれ空気加圧段繰り機構12の紙送り用ガ
イド23よりも上流側に配設されている。
【0032】シャワー装置17は、紙送り用ガイド23
の下流側の、芯紙4を挟んで対向する位置に、それぞれ
芯紙4の幅方向全域にわたって配設され、芯紙4の表裏
面に対して水28を噴射することにより芯紙4の加湿を
行なうものである。また、上下一対の加熱ロール18,
18は、それぞれ、芯紙4の幅長とほぼ同一の軸方向長
さを有しており、紙送り用ガイド23よりも上流側で、
且つ、シャワー装置17よりも下流側において、芯紙4
を挟んで対向するように、芯紙4の進行方向と直交して
配設されている。これら加熱ロール18,18は、その
ロール部を図示しないヒータ等により高温(例えば90
℃以上)に加熱され、芯紙4を挟圧しながら芯紙4の移
動に伴って従回転することにより、芯紙4を加熱するも
のである。
【0033】なお、本実施形態における加湿・加熱装置
30aは、芯紙4の温度が例えば60〜90℃、水分が
例えば6〜9%程度となるように、加熱および加湿処理
を行なう。この調質条件は、芯紙4の塑性変形能を増大
させ、成形力を低減できるように設定されている。ここ
で、芯紙4に対して加湿(水分が6〜9%程度)と加熱
(60〜90℃)とを行なうことにより、芯紙4の加
湿、加熱なし、加熱のみ、加湿のみに比べて成形力が低
減され、塑性変形能が増大することを要素試験の結果を
用いて説明する。
【0034】図3は芯紙4の調質条件によるヤング率の
違いを説明するための図であり、芯紙4に加湿も加熱
も行なわない場合、加熱のみを行なった場合、加湿
のみを行なった場合、および、加湿と加熱とを行なっ
た場合、の各場合について、それぞれ引張り試験を行な
いヤング率を求めたものである。ただし、図3では、
の場合のヤング率を1として〜の各場合のヤング率
を示している。
【0035】この図3に示すように、芯紙4に加湿と
加熱とを行なった場合が、加湿も加熱も行なわない場
合、加熱のみを行なった場合、および、加湿のみを
行なった場合、の各場合と比較して、最もヤング率が低
くなり、芯紙4を成形するために必要とする力を低減で
きる。また、図4(a)〜図4(c)は芯紙4の調質条
件による段山の形状の変化量の違いを説明するための図
である。ここで、図4(a)は段山の形状の変化量Δ
P,ΔHを説明するための図であり、芯紙4に加湿も
加熱も行なわない場合、加熱のみを行なった場合、
加湿のみを行なった場合、加湿と加熱とを行なった場
合、の各場合について、それぞれ段ロールによる段繰り
を行ない、段山ピッチ変化量ΔP、段山高さ変化量ΔH
をそれぞれ測定した結果を、図4(b)および図4
(c)に示す。なお、図4(a)に示すように、段山ピ
ッチ変化量ΔP,段山高さ変化量ΔHのどちらも、値が
小さい方が塑性変形能が大きく段山形状保持性は良いた
め、段繰り直後の段山形状を維持できるといえる。
【0036】図4(b)および図4(c)に示すよう
に、段山の形状の変化量ΔP,ΔHについても、芯紙4
に加湿と加熱とを行なった場合が、加湿も加熱も行
なわない場合、加熱のみを行なった場合、加湿のみ
を行なった場合、の各場合と比較して、最も塑性変形能
が大きく段山形状保持特性が良いため、段繰り直後の段
山形状を維持できる。
【0037】さらに、本実施形態のシングルフェーサ1
00は、加湿・加熱装置30aによる処理を施された芯
紙4を所定速度で空気加圧段繰り機構112へ供給する
フィード機構31を有しており、このフィード機構31
は、フィードローラ20,ガイドローラ19,フィード
ローラ回転用モータ21,フィードローラ用コントロー
ラ22,下段ロール回転用モータ21′および下段ロー
ル用コントローラ22′をそなえて構成されている。
【0038】フィードローラ20は、芯紙4の幅長とほ
ぼ同一の軸方向長さを有しており、加湿装置17および
加熱ロール18よりも下流側で、且つ、空気加圧段繰り
機構112よりも上流側において、フィードローラ20
と平行に配設されたガイドローラ19とともに、芯紙4
を挟圧するように配設されており、これらのフィードロ
ーラ20とガイドローラ19とは、芯紙4を挟んで同期
回転するようになっている。
【0039】また、芯紙4の搬送経路において、その方
向(角度)を変える位置には、ガイドローラ19aが配
設され、このガイドローラ19aが芯紙4を案内しその
搬送方向(角度)を変えて搬送するようになっている。
フィードローラ回転用モータ21はフィードローラ20
を回転駆動するものであり、フィードローラ用コントロ
ーラ22は、フィードローラ回転用モータ21の動作を
制御してフィードローラ20の回転速度を制御するもの
である。
【0040】一方、下段ロール回転用モータ21′は下
段ロール2を回転駆動するものであり、下段ロール用コ
ントローラ22′は、下段ロール回転用モータ21′の
動作を制御するとともに、フィードローラ用コントロー
ラ22に下段ロール2の回転速度情報を送信するもので
ある。さらに、図5は段繰り率について説明すべく下段
ロール2の一部を拡大して示す側段面図であるが、フィ
ードローラ用コントローラ22は、下段ロール用コント
ローラ22′から送信された下段ロール2の回転速度情
報に基づいて段繰り率〔(下段ロール2における1ピッ
チ分の段山に沿った周長(b))÷(下段ロール2にお
ける1ピッチ分の段頂部間の周長(a));図5参照〕
を算出し、フィードローラ20を、下段ロール2の回転
速度よりも段繰り率倍だけ速い回転速度で回転させるよ
うにフィードローラ用モータ21を制御するようになっ
ている。
【0041】すなわち、下段ロール2の回転速度に対し
て、フィードローラ20の回転速度を〔(下段ロール2
の回転速度)×(段繰り率)〕とすることにより、芯紙
4が〔(下段ロール2の回転速度)×(段繰り率)〕の
速度で段繰り部に供給されるため、芯紙4の裏側(下段
ロール2の周面に対向する側)の面は下段ロール2の段
底まで到達し、下段ロール2の段山形状とほぼ同一の形
状に段繰りされるのである。
【0042】本発明の一実施形態としてのシングルフェ
ーサ100は上述のごとく構成されているので、芯紙4
はフィードローラ20により搬送され、先ず、加湿・加
熱装置30aにおいて、シャワー装置17により水28
をその表裏面に噴射されることにより、その水分が6〜
9%程度となるように加湿処理を施された後、加熱ロー
ル18の間隙を通過することにより、その温度が60〜
90℃となるように加熱処理が施される。
【0043】加湿・加熱装置30aにより加湿・加熱処
理を施された芯紙4は、更に、フィードローラ20によ
り搬送され、空気加圧段繰り機構112の紙送り用ガイ
ド23に案内され、下段ロール2の段周面と空気加圧段
繰り機構112との間隙に所定の角度θで供給される。
なお、芯紙4がフィードローラ20により供給される際
の搬送速度は、前述した通り下段ロール2の回転速度よ
りも段繰り率倍だけ速い速度となるようにフィードロー
ラ用コントローラ22およびコントローラ22′により
制御される。
【0044】空気加圧段繰り機構112と下段ロール2
との間隙に供給された芯紙4は、空気加圧段繰り機構1
12のシール板114およびシール材115と下段ロー
ル2の段周面との間隙において、ノズル本体113を介
して供給された高圧空気16により一気に下段ロール2
の段面に押し付けられ、波形芯紙6に成形される。ま
た、芯紙4(波形芯紙6)の裏面側(下段ロール2の段
周面と対向する側)において、空気吸引機構が芯紙4
(波形芯紙6)の裏面と下段ロール2の周面との間隙に
存在する空気を円周状スリット溝11および横穴10を
介して吸引しているため、芯紙4(波形芯紙6)の裏面
と下段ロール2の周面との間の空間は、常時、負圧状態
となり、空気加圧段繰り機構112から噴射される圧縮
空気16による芯紙4の波形加工を助勢するとともに、
成形された波形芯紙6を下段ロール2の段面に密着状態
に吸引し、波形芯紙6に作用させている応力を取り去っ
たときに元の形状に戻ろうとするスプリングバックを抑
制する。
【0045】さらに、下段ロール2はその周面に発生す
る吸引力により、その遠心力に抗して波形芯紙6を密着
状態で保持したまま、波形芯紙6を下段ロール2と圧力
ロール3との間へ移送する。波形芯紙6は、下段ロール
2により下段ロール2と圧力ロール3との間へ移送され
る途中で、糊付けロール7と下段ロール2との間隙にお
いて、糊付けロール7によりその段頂部に糊8を塗布さ
れた後、その段頂部に糊8を塗布された波形芯紙6と、
圧力ロール3によって他方向から案内されてきたライナ
5とが、圧力ロール3と下段ロール2との間隙におい
て、図示しない加熱装置により加熱されながら圧着(貼
着)され、片面段ボールシート9が形成される。なお、
形成された片面段ボールシート9は、次工程へと送られ
る。
【0046】このように、本発明の一実施形態としての
シングルフェーサ100によれば、芯紙4は、加湿・加
熱装置30aにおいて、先ず、シャワー装置(加湿装
置)17によりその表裏面にそれぞれ水分を付与された
直後、加熱ロール18により、芯紙4の表裏面が加熱さ
れることにより、芯紙4の塑性変形能が増大するため、
片面段ボールシート9として成形された後のスプリング
バックが抑制され、波形芯紙6の波形がスプリングバッ
クにより崩れ、最終的に生成される段ボールシートにお
いて緩衝能力が低くなることがなく、緩衝能力が高い片
面段ボールシート9を製造することができる。
【0047】また、加湿・加熱装置30aにおいて、シ
ャワー装置(加湿装置)17によりその表裏面にそれぞ
れ水分を付与された後、加熱ロール18により、芯紙4
の表裏面が加熱されることにより、芯紙4の成形力が低
減されるため、空気加圧段繰り機構112におけるエア
ー段繰り時の空気圧を低減することができる。また、本
シングルフェーサ100によれば、芯紙4をフィードロ
ーラ20により空気加圧段繰り機構112に供給する際
に、フィードローラ20の回転速度が、下段ロール2の
回転速度よりも、段繰り率(段ロール段山に沿った一周
分長さを段ロール外周(一周分)で割った値)倍だけ速
く回転するようにフィードローラ用コントローラ22お
よびフィードローラ用モータ21により駆動,制御して
いることから、空気段繰り加工時に必要とされる空気圧
を低減することができる。
【0048】さらに、本シングルフェーサ100によれ
ば、芯紙4が、紙送り用ガイド23により所定の角度θ
〔θ≒90−θ0 (なお、θ0 =下段ロール2の段山の
圧力角)〕を有して空気加圧段繰り機構112と下段ロ
ール2との間隙へ供給されることにより、芯紙4が下段
ロール2の段底部にスムーズに到達し、空気加圧段繰り
機構112におけるエアー段繰り時の空気圧を低減する
ことができ、更に、空気加圧段繰り機構112における
芯紙4のエアー段繰り時に、芯紙4がエアー段繰りの加
工速度に対して遅れて供給されることがなく、成形遅れ
を防止できるので、波形加工された波形芯紙6の段山高
さが低くなることがなく、緩衝能力が高い片面段ボール
シート9を製造することができる。
【0049】(B)第1変形例の説明 図6は本発明の一実施形態としてのシングルフェーサの
第1変形例の構成を模式的に示すもので、この図6に示
すように、第1変形例のシングルフェーサ110は、図
1に示すシングルフェーサ100における加湿・加熱装
置30aを加湿・加熱装置30bに変更したものであ
り、その他の部分は図1に示すシングルフェーサ100
とほぼ同様に構成されている。なお、図6中、既述の符
号と同一の符号は同一もしくはほぼ同一の部分を示して
いるので、その説明は省略する。
【0050】さて、第1変形例のシングルフェーサ11
0も、図6に示すように、下段ロール2,糊付けロール
7,圧力ロール3,空気加圧段繰り機構112等をそな
えて構成されているが、これらの構造は図1に示すシン
グルフェーサ100と同様である。さて、図1に示すシ
ングルフェーサ100における加湿・加熱装置30aで
は、高速に移動する芯紙4の表裏面へシャワー装置17
から水28を噴射することにより芯紙4への加湿処理を
行なうようになっているが、このようなシャワー装置1
7による加湿処理においては、図7に示すように、芯紙
4が高速移動することにより、芯紙4の表面付近には、
芯紙4の移動方向とは逆の向きの空気の流れが発生し、
あたかも芯紙4の表面に空気の幕(エアーカーテン)が
生じたような現象が発生する。
【0051】このため、シャワー装置17より芯紙4へ
水28を噴射する際に、芯紙4の表面付近に発生するエ
アーカーテンのため、芯紙4に水分が付着しにくくな
り、更に、芯紙4の搬送速度が上がるほど、芯紙4の表
面付近に発生するエアーカーテンの影響は大きくなり、
芯紙4に付着する水分量が少なくなるおそれがある。そ
こで、第1変形例のシングルフェーサ110は、加湿装
置である上下一対の水付けロール24,24と加熱装置
である上下一対の加熱ロール18,18とからなる加湿
・加熱装置30bを、空気加圧段繰り機構112の紙送
り用ガイド23よりも下流側に配設して構成されてい
る。
【0052】上下一対の水付けロール24,24は、そ
れぞれ、芯紙4の幅長とほぼ同一の軸方向長さを有して
おり、紙送り用ガイド23の下流側において、芯紙4を
挟んで対向する位置で芯紙4を挟圧するように、芯紙4
に進行方向に直交して配設されている。各水付けロール
24は、水28に浸したロール24aと当接しながら回
転することにより、常にその円周面全体に水28が均一
に塗布され、更に、常に芯紙4に当接しながら回転する
ことにより、芯紙4を加湿するようになっている。
【0053】また、紙送り用ガイド23よりも上流側
で、且つ、シャワー装置17よりも下流側には、シング
ルフェーサ100における加湿・加熱装置30aと同様
の、上下一対の加熱ロール18,18が配設されてい
る。なお、第1変形例における加湿・加熱装置30b
も、芯紙4に対して、その温度が例えば60〜90℃、
水分が6〜9%程度となるように、加熱および加湿処理
を行なう。
【0054】第1変形例のシングルフェーサ110は上
述のごとく構成されているので、図1に示すシングルフ
ェーサ100と同様に、芯紙4はフィードローラ20に
より搬送され、先ず、加湿・加熱装置30bにおいて、
水付けローラ24により水28をその表裏面に塗布され
ることにより、その水分が6〜9%程度となるように加
湿処理を施された後、加熱ロール18の間隙を通過する
ことにより、その温度が60〜90℃となるように加熱
処理が施される。
【0055】このとき、水付けロール24,24を用い
て芯紙4に加湿することにより、芯紙4の搬送速度に影
響されることなく、適量の水分を芯紙4に付着させるこ
とができる。加湿・加熱装置30bにより加湿・加熱処
理を施された芯紙4は、以降、前述のシングルフェーサ
100と同様にして波形芯紙6に加工された後、片面段
ボールシート9に成形され、次工程へと送られる。
【0056】このように、第1変形例のシングルフェー
サ110によれば、上述したシングルフェーサ100と
同様の作用効果が得られるほか、芯紙4は、加湿・加熱
装置30bにおいて、水付けロール24を用いて芯紙4
に加湿することにより、芯紙4の搬送速度に影響される
ことなく、適量の水分を芯紙4に付着できるので、芯紙
4の搬送速度を上げることができ、高速運転が可能とな
り、生産性を向上させることができる。
【0057】(C)第2変形例の説明 図8は本発明の一実施形態としてのシングルフェーサの
第2変形例の構成を模式的に示すもので、この図8に示
すように、第2変形例のシングルフェーサ120は、図
1に示すシングルフェーサ100における加湿・加熱装
置30aを、加湿・加熱装置30cに変更したものであ
り、その他の部分は図1に示すシングルフェーサ100
と同様である。なお、図8中、既述の符号と同一の符号
は同一もしくはほぼ同一の部分を示しているので、その
説明は省略する。
【0058】さて、第2変形例のシングルフェーサ12
0も、図8に示すように、下段ロール2,糊付けロール
7,圧力ロール3,空気加圧段繰り機構112等をそな
えて構成されているが、これらの構造は図1に示すシン
グルフェーサ100と同様である。第2変形例のシング
ルフェーサ120は、スチーム装置25からなる加湿・
加熱装置30cを有して構成されている。このスチーム
装置25は、その内部空間に高温の水蒸気を充満させ、
その空間を通過する芯紙4に加湿処理と加熱処理とを施
すものである。又、このスチーム装置25においては、
このスチーム装置25を通過した直後における芯紙4の
温度が例えば60〜90℃で、水分が例えば6〜10%
程度となるよう、スチームの調整が行なわれている。
【0059】第2変形例のシングルフェーサ120は上
述のごとく構成されているので、図1に示すシングルフ
ェーサ100と同様に、芯紙4はフィードローラ20に
より搬送され、先ず、加湿・加熱装置30cをなすスチ
ーム装置25によりその水分が6〜9%程度、その温度
が60〜90℃となるように加湿処理と加熱処理とが同
時に施される。
【0060】加湿・加熱装置30cにより加湿・加熱処
理を施された芯紙4は、以降、前述のシングルフェーサ
100と同様にして波形芯紙6に加工された後、片面段
ボールシート9に成形され、次工程へと送られる。この
ように、第2変形例のシングルフェーサ120によれ
ば、上述したシングルフェーサ100と同様の作用効果
が得られるほか、加湿・加熱装置30cをなすスチーム
装置25により、芯紙4に、加湿処理と加熱処理とを同
時に行なうことができるので、加湿装置と加熱装置とを
それぞれ別々に配設する必要がなく、装置をコンパクト
化することができる。
【0061】(D)第3変形例の説明 図9は本発明の一実施形態としてのシングルフェーサの
第3変形例の構成を模式的に示すもので、この図9に示
すように、第3変形例のシングルフェーサ130は、図
1に示すシングルフェーサ100における圧力ロール3
に代えて加圧ベルト機構40をそなえるほか、空気加圧
段繰り機構112の周囲をパーシャルエンクロージャ2
9で覆ったものであり、その他の部分は図1に示すシン
グルフェーサ100と同様である。なお、図9中、既述
の符号と同一の符号は同一もしくはほぼ同一の部分を示
しているので、その説明は省略する。
【0062】さて、第3変形例のシングルフェーサ13
0も、図9に示すように、下段ロール2,糊付けロール
7,空気加圧段繰り機構112,加湿・加熱装置30a
等をそなえて構成されているが、これらの構造は図1に
示すシングルフェーサ100と同様である。ここで、第
3変形例のシングルフェーサ130は、図9に示すよう
に、ベルト加圧機構40を有しており、このベルト加圧
機構40は、ベルトロール27,27′間に、加圧ベル
ト26を無端状に装架することにより構成されている。
【0063】このベルト加圧機構40は、下段ロール2
における空気加圧段繰り機構112が配設されている位
置よりも下流側において、その加圧ベルト26が下段ロ
ール2に当接するように配設されており、この加圧ベル
ト26は下段ロール2の回転に伴ってベルトロール2
7,27′の外周に沿って案内されるようになってい
る。
【0064】また、パーシャルエンクロージャ29は、
防音材等からなる板状の部材を組み合わせて構成される
もので、空気加圧段繰り機構112の周囲に配設するこ
とにより、段繰り時等に空気加圧段繰り機構112から
発生する騒音を遮断するものである。第3変形例のシン
グルフェーサ130は上述のごとく構成されているの
で、芯紙4はフィードローラ20により搬送され、先
ず、加湿・加熱装置30aにおいて、シャワー装置17
により水28をその表裏面に噴射されることにより、そ
の水分が6〜9%程度となるように加湿処理を施された
後、加熱ロール18の間隙を通過することにより、その
温度が60〜90℃となるように加熱処理が施される。
【0065】加湿・加熱装置30aにより加湿・加熱処
理を施された芯紙4は、更に、フィードローラ20によ
り搬送され、空気加圧段繰り機構112の紙送り用ガイ
ド23に案内され、下段ロール2の段周面と空気加圧段
繰り機構112との間隙において段繰りされ、波形芯紙
6に成形される。また、波形芯紙6は、下段ロール2の
周面に発生する吸引力により、その遠心力に抗して下段
ロール2の周面に密着状態で保持されたまま移送され、
糊付けロール7と下段ロール2との間隙において、糊付
けロール7によりその段頂部に糊8を塗布され、更に、
下段ロール2と加圧ベルト機構40との間隙へ移送され
る。
【0066】この下段ロール2と加圧ベルト機構40と
の間隙において、その段頂部に糊8を塗布された波形芯
紙6と、加圧ベルト機構40によって他方向から案内さ
れてきたライナ5とが、図示しない加熱装置により加熱
されながら圧着(貼着)され、片面段ボールシート9が
形成される。なお、形成された片面段ボールシート9
は、次工程へと送られる。
【0067】このように、第3変形例のシングルフェー
サ130によれば、上述したシングルフェーサ100と
同様の作用効果が得られるほか、空気加圧段繰り機構1
12がパーシャルエンクロージャ29により覆われてい
るので、段繰り時の騒音を低減できるとともに、波形芯
紙6とライナ5とを貼着する際に、弾力性のある加圧ベ
ルト26と下段ロール2との間で貼着するため、貼着時
の騒音を大幅に低減でき、更に、片面段ボールシート9
のライナ5側に下段ロール2の押し付け力によるプレス
マークが生じることがなく、高品質の片面段ボールシー
ト9を製造することができる。
【0068】(E)第4変形例の説明 図10は本発明の一実施形態としてのシングルフェーサ
の第4変形例の構成を模式的に示すもので、この図10
に示すように、第4変形例のシングルフェーサ140
は、図6に示すシングルフェーサ110における圧力ロ
ール3を加圧ベルト機構40に変更したものであり、そ
の他の部分は図6に示すシングルフェーサ110と同様
である。なお、図10中、既述の符号と同一の符号は同
一もしくはほぼ同一の部分を示しているので、その説明
は省略する。
【0069】さて、第4変形例のシングルフェーサ14
0も、図10に示すように、下段ロール2,糊付けロー
ル7,空気加圧段繰り機構112,加湿・加熱装置30
b等をそなえて構成されており、これらの構造は図1に
示すシングルフェーサ100とほぼ同一であり、更に、
このシングルフェーサ140は、図9に示すシングルフ
ェーサ130と同様にベルト加圧機構40も有してお
り、このベルト加圧機構40の構造はシングルフェーサ
130と同様である。
【0070】第4変形例のシングルフェーサ140は上
述のごとく構成されているので、芯紙4はフィードロー
ラ20により搬送され、先ず、加湿・加熱装置30bに
おいて、水付けローラ24により水28をその表裏面に
塗布されることにより、その水分が6〜9%程度となる
ように加湿処理を施された後、加熱ロール18の間隙を
通過することにより、その温度が60〜90℃となるよ
うに加熱処理が施される。
【0071】加湿・加熱装置30bにより加湿・加熱処
理を施された芯紙4は、以降、前述の第4実施形態と同
様にして波形芯紙6に加工された後、加圧ベルト機構4
0と下段ロール2との間において片面段ボールシート9
として形成され、次工程へと送られる。このように、第
4変形例のシングルフェーサ140によれば、上述した
シングルフェーサ100と同様の作用効果が得られるほ
か、波形芯紙6とライナ5とを貼着する際に、弾力性の
ある加圧ベルト26と下段段ロール2の間で貼着するた
め、貼着時の騒音を大幅に低減できる。又、片面段ボー
ルシート9のライナ5側に段ロール2の押し付け力によ
るプレスマークが生じることがなく、高品質の片面段ボ
ールシート9を製造することができる。更に、芯紙4
は、加湿・加熱装置30bにおいて、水付けロール24
を用いて芯紙4に加湿することにより、芯紙4の搬送速
度に影響されることなく、適量の水分を芯紙4に付着で
きるので、芯紙4の搬送速度を上げることができ、高速
運転が可能となり、生産性を向上させることができる。
【0072】(F)第5変形例の説明 図11は本発明の一実施形態としてのシングルフェーサ
の第5変形例の構成を模式的に示すもので、この図11
に示すように、第5変形例のシングルフェーサ150
は、図8に示すシングルフェーサ120における圧力ロ
ール3を加圧ベルト機構40に変更したものであり、そ
の他の部分は図1に示すシングルフェーサ100と同様
である。なお、図11中、既述の符号と同一の符号は同
一もしくはほぼ同一の部分を示しているので、その説明
は省略する。
【0073】さて、第5変形例のシングルフェーサ15
0も、図11に示すように、下段ロール2,糊付けロー
ル7,空気加圧段繰り機構112,加湿・加熱装置30
c等をそなえて構成されており、これらの構造は図8に
示すシングルフェーサ120と同様であり、更に、この
シングルフェーサ140は、図9に示すシングルフェー
サ130と同様にベルト加圧機構40も有しており、こ
のベルト加圧機構40の構造はシングルフェーサ130
におけるものと同様である。
【0074】第5変形例のシングルフェーサ150は上
述のごとく構成されているので、シングルフェーサ12
0と同様に、芯紙4はフィードローラ20により搬送さ
れ、先ず、加湿・加熱装置30cをなすスチーム装置2
5によりその水分が6〜9%程度、その温度が60〜9
0℃となるように加湿処理と加熱処理とが同時に施され
る。
【0075】加湿・加熱装置30cにより加湿・加熱処
理を施された芯紙4は、以降、前述の第4実施形態と同
様にして波形芯紙6に加工された後、加圧ベルト機構4
0と下段ロール2との間において片面段ボールシート9
として形成され、次工程へと送られる。このように、第
5変形例のシングルフェーサ150によれば、上述した
シングルフェーサ100と同様の作用効果が得られるほ
か、波形芯紙6とライナ5とを貼着する際に、弾力性の
ある加圧ベルト26と下段段ロール2の間で貼着するた
め、貼着時の騒音を大幅に低減でき、又、片面段ボール
シート9のライナ5側に段ロール2の押し付け力による
プレスマークが生じることがなく、高品質の片面段ボー
ルを製造することができる。更に、加湿・加熱装置30
cをなすスチーム装置25により、芯紙4に、加湿処理
と加熱処理とを同時に行なうことができるので、加湿装
置と加熱装置とをそれぞれ別々に配設する必要がなく、
装置をコンパクト化することができる。
【0076】(G)その他 なお、上述した実施形態では、空気加圧段繰り機構11
2のノズル本体113の空気噴射口113aでは、下段
ロール2の軸方向全長にわたるスリットが、細長い四角
形の複数部分に分割されているが、本発明は、それに限
定されるものではなく、空気加圧段繰り機構112のノ
ズル本体113の空気噴射口113a(横断面形状)
を、長辺が下段ロール2の軸方向長さとほぼ同長で短辺
が下段ロール2の段ピッチよりも少し長い程度の大きさ
に開口した1つのスリットとして構成してもよいし、ノ
ズル本体113の空気噴射口113aの横断面形状は、
長円,楕円,円でもよい。
【0077】さらに、上述したシングルフェーサ130
においては、パーシャルエンクロージャ29が設けられ
ているが、それに限定されるものではなく、他の変形例
においてパーシャルエンクロージャ29を設けてもよ
い。
【0078】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のシングル
フェーサによれば、空気加圧段繰り機構よりも上流側
に、芯紙に対して加湿処理と加熱処理とを施す加湿・加
熱装置をそなえたことにより、芯紙の塑性変形能が増大
するため、波形芯紙に成形された後のスプリングバック
が抑制され、片面段ボールシートの波形がスプリングバ
ックにより崩れて最終的に生成される段ボールシートに
おいて緩衝能力が低くなることがなく、又、芯紙の成形
力が低減されるため、空気加圧段繰り機構における芯紙
の波形加工時に必要とされるの空気圧を大幅に低減する
ことができる。
【0079】また、加湿・加熱装置による処理を施され
た芯紙を所定速度で空気加圧段繰り機構へ供給するフィ
ード機構をそなえたことによっても、芯紙をスムーズに
波形加工することができ、空気加圧段繰り機構における
芯紙の波形加工時に必要とされるの空気圧を大幅に低減
することができる。さらに、加湿・加熱装置による処理
を施された芯紙を所定速度で空気加圧段繰り機構へ供給
するフィード機構をそなえたことにより、空気加圧段繰
り機構における芯紙の波形加工時に、芯紙が波形加工の
加工速度に対して遅れて供給されることがなく、成形遅
れを防止することができ、波形加工された芯紙の段山高
さが低くなることがなく、緩衝能力が高い片面段ボール
シートを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのシングルフェーサ
の構成を模式的に示す図である。
【図2】図1の要部を示す図である。
【図3】芯紙の調質条件によるヤング率の違いを説明す
るための図である。
【図4】(a)〜(c)はいずれも芯紙の調質条件によ
る段山の形状の変化量の違いを説明するための図であ
る。
【図5】段繰り率について説明すべく下段ロールの一部
を拡大して示す側断面図である。
【図6】本発明の一実施形態としてのシングルフェーサ
の第1変形例の構成を模式的に示す図である。
【図7】芯紙の部分拡大図である。
【図8】本発明の一実施形態としてのシングルフェーサ
の第2変形例の構成を模式的に示す図である。
【図9】本発明の一実施形態としてのシングルフェーサ
の第3変形例の構成を模式的に示す図である。
【図10】本発明の一実施形態としてのシングルフェー
サの第4変形例の構成を模式的に示す図である。
【図11】本発明の一実施形態としてのシングルフェー
サの第5変形例の構成を模式的に示す図である。
【図12】従来のシングルフェーサの構造を模式的に示
す側断面図である。
【図13】図12の要部を拡大して示す図である。
【図14】従来の他のシングルフェーサの構造を模式的
に示す側断面図である。
【図15】従来の他のシングルフェーサの要部を拡大し
て示す側断面図である。
【図16】従来の他のシングルフェーサの要部を拡大し
て示す側断面図である。
【図17】(a),(b)はそれぞれ図12および図1
4に示すシングルフェーサにより成形された片面段ボー
ルシートの段面形状を示す図である。
【符号の説明】
2 下段ロール 3 圧力ロール 4 芯紙 5 ライナ 6 波形芯紙 7 糊付けロール 8 糊 9 片面段ボール 10 横穴 11 スリット溝 112 空気加圧段繰り機構 113 ノズル本体 114 シール板 115 シール材 16 高圧空気 17 シャワー装置(加湿装置) 18 加熱ロール(加熱装置) 19,19a ガイドローラ 20 フィードローラ 21 フィードローラ用モータ 21′ 下段ロール用モータ 22 フィードローラ用モータのコントローラ 22′ 下段ロール用モータのコントローラ 23 紙送り用ガイド板 24 水付けロール(加湿装置) 25 スチーム装置(加湿・加熱装置) 26 加圧ベルト 27,27′ ベルト用ロール 28 水 29 パーシャルエンクロージャ 30a〜30c 加湿・加熱装置 31 フィード機構 40 加圧ベルト機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 真 広島県三原市糸崎町5007番地 三菱重工業 株式会社三原製作所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯紙に空気圧を作用させることにより該
    芯紙を波形加工する空気加圧段繰り機構をそなえ、該空
    気加圧段繰り機構により波形加工された該芯紙と別途送
    り込まれるライナとを貼着することにより片面段ボール
    シートを形成するシングルフェーサにおいて、 該空気加圧段繰り機構よりも上流側に設置され、該芯紙
    に対して加湿処理と加熱処理とを施す加湿・加熱装置
    と、 該加湿・加熱装置による処理を施された該芯紙を所定速
    度で該空気加圧段繰り機構へ供給するフィード機構とを
    そなえたことを特徴とする、シングルフェーサ。
JP9289863A 1997-10-22 1997-10-22 シングルフェーサ Withdrawn JPH11123780A (ja)

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