JPH11121908A - プリント配線板とその製造方法 - Google Patents

プリント配線板とその製造方法

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JPH11121908A
JPH11121908A JP27616197A JP27616197A JPH11121908A JP H11121908 A JPH11121908 A JP H11121908A JP 27616197 A JP27616197 A JP 27616197A JP 27616197 A JP27616197 A JP 27616197A JP H11121908 A JPH11121908 A JP H11121908A
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JP
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insulating layer
printed wiring
wiring board
photosensitive resin
layer
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JP27616197A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Kojima
啓之 児嶋
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性や耐屈曲性を低下させることなしに、
また工程数の増加やすすの問題を生じることなしに、た
とえばパッド孔などが、導体回路と同レベルで微細かつ
高精度に形成されたプリント配線板と、その製造方法と
を提供する。 【解決手段】 絶縁層12を、その上に積層した感光性
樹脂の層20を所定のパターンに露光処理し、ついで現
像処理して形成したマスク2を用いた反応性イオンエッ
チングによりパターン形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なプリント配
線板と、その製造方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえばパーソナルコンピュータ、ビデ
オカメラ、携帯電話その他、各種電子機器の分野で、プ
リント配線板が広く利用されている。通常のプリント配
線板は、所定のパターンを有する導体回路と、当該導体
回路を保護する絶縁層とを備えており、このうち絶縁層
としては一般に、ポリエステルなどの合成樹脂からなる
フィルムや、あるいは熱硬化型のソルダーレジストを塗
布し、焼き付けて形成した層などが用いられている。
【0003】また、とくに溶融はんだに対する耐熱性
(はんだ耐熱性)や、屈曲に対する耐性(耐屈曲性)な
どを考慮して、ポリイミド、ポリアミドイミドなどの、
高耐熱性でしかも可とう性を有する合成樹脂からなるフ
ィルムも、上記絶縁層として好適に使用される。プリン
ト配線板の端部や途中の位置などには、導体回路を外部
と接続するために、当該導体回路に達するパッド孔や、
導体回路を所定の長さにわたって露出させた端子部など
が、プリント配線板の用途に応じて適宜、形成される。
またプリント配線板の取付け用、肉抜き用などのため
に、プリント配線板を貫通する貫通孔やスリットなど
も、用途に応じて適宜、形成される。
【0004】かかる構造のプリント配線板は、たとえば
上記のパッド孔や端子部などに対応する部分をプレス抜
きしたフィルム(カバーフィルム)を、導体回路が形成
されたフィルム(ベースフィルム)上に貼り合わせる
か、またはベースフィルム上にソルダーレジストを塗布
する際にスクリーン印刷法などを利用することで、絶縁
層を、パッド孔などを有する形状にパターン形成するこ
とより製造される。
【0005】貫通孔やスリットを形成する場合は、ベー
スフィルムにも、プレス抜きなどによって孔を形成すれ
ばよい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上に述べた各種の電子
機器類の、いわゆる軽薄短小化の傾向にともなって近
時、プリント配線板についても、より一層の小型化、高
密度化が進行しつつあり、それにともなって導体回路の
線幅やピッチが、数十〜数百μmオーダーに微細化され
る傾向にある。
【0007】ところが、前述した従来のプリント配線板
の構成および製造方法では、かかる微細化と、それにと
もなって要求される高精度化に対応できなくなりつつあ
るのが現状である。すなわちカバーフィルムをプレス抜
きする方法では、パッド孔などをプレス加工によって形
成する際の寸法誤差と、カバーフィルムをベースフィル
ム上に貼り合わせる際の寸法誤差とが累積されるため、
場合によっては全体の寸法誤差が、前記のように微細化
された導体回路の線幅やピッチを超えてしまい、パッド
孔や端子部が導体回路からずれてしまったり、カバーフ
ィルムとベースフィルムの孔がずれて貫通孔やスリット
が貫通しなかったりして、全く用をなさなくなるといっ
た問題を生じるおそれがある。
【0008】またとくにパッド孔は、上記のように微細
化された導体回路の線幅やピッチに合わせた口径とピッ
チに形成する必要があるが、プレス加工にて形成できる
パッド孔の口径およびピッチの下限値はいずれも400
μm程度であって、それより微細な加工は実質的に不可
能である。同様に、ソルダーレジストをスクリーン印刷
する方法では、印刷用のスクリーンの寸法誤差に、当該
スクリーンをベースフィルム上に重ねて印刷を行う際の
寸法誤差が累積されるために、やはり前述した位置ずれ
の問題が生じるおそれがある。また、かかるスクリーン
印刷法でも、形成できるパッド孔の口径およびピッチの
下限値はいずれも400μm程度であって、それより微
細な加工は実質的に不可能である。
【0009】そしてこれらのことが、プリント配線板の
小型化、高密度化を妨げる原因の一つとなっている。そ
こでカバーフィルムや熱硬化型のソルダーレジストに代
えて、感光性ソルダーレジストを使用したいわゆるフォ
トリソグラフ法により、絶縁層を、パッド孔などを有す
る形状にパターン形成する方法が検討されている。
【0010】すなわち、感光性ソルダーレジストをベー
スフィルム上に塗布して形成した層を、パッド孔などを
有する絶縁層の形状に対応したパターンに露光したのち
現像して、上記パッド孔などに対応した不要部分を選択
的に除去することで、パターン形成された絶縁層が形成
される。かかる方法によれば、パッド孔などを、光の回
折などを生じない範囲で、微細かつ高精度に加工するこ
とが可能である。
【0011】しかし、感光性ソルダーレジストのベース
となる樹脂は、たとえばアクリル樹脂やエポキシ樹脂な
どであって、耐熱性や耐屈曲性の点で、前記のポリイミ
ド系樹脂などに及ばないという問題がある。エキシマレ
ーザーや炭酸ガスレーザーなどを用いたレーザー加工に
よれば、ポリイミド系樹脂などにも加工が可能であるた
め、耐熱性や耐屈曲性の問題は解決できる。
【0012】しかしレーザー加工は、基本的に1カ所ず
つの加工を順次繰り返すものであるため、パッド孔など
の数が増加するほど、それに比例して工程数が増加して
加工時間が長くなるという問題がある。またレーザー加
工においては、常圧下、レーザーの熱によって樹脂のフ
ィルムを炭化して除去するので、多量のすす(炭化物)
が発生し、それが加工後の露出した導体回路の表面に残
留して、次工程での、導体回路の表面へのはんだめっき
や金めっきなどの際にピンホールの原因となって、めっ
きの品質を低下させるおそれがあり、これを防止すべく
レーザー加工後に、すすを除去するデスミア工程が必要
になるという問題もある。
【0013】本発明の目的は、感光性ソルダーレジスト
を用いた場合のように耐熱性や耐屈曲性を低下させるこ
となしに、またレーザー加工のように工程数の増加やす
すの問題を生じることなしに、たとえばパッド孔や端子
部、貫通孔、スリットなどが、導体回路と同レベルで微
細かつ高精度に形成されたプリント配線板と、その製造
方法とを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、本発明のプリント配線板は、絶縁層が、その上に積
層した感光性樹脂の層を所定のパターンに露光処理し、
ついで現像処理して形成されたマスクを用いた反応性イ
オンエッチングによりパターン形成されていることを特
徴とするものである。
【0015】また本発明のプリント配線板の製造方法
は、絶縁層の上に感光性樹脂の層を積層し、この感光性
樹脂の層を所定のパターンに露光処理し、ついで現像処
理してマスクを形成したのち、このマスクを用いた反応
性イオンエッチングにより、上記絶縁層をパターン形成
する工程を有することを特徴とするものである。かかる
本発明によれば、感光性樹脂の層からフォトリソグラフ
法によって形成された、微細かつ高精度なマスクを用い
た反応性イオンエッチングによりパッド孔などをパター
ン形成しており、しかも反応性イオンエッチングでは、
当該マスクから露出した絶縁層を、反応性ガスの低温プ
ラズマ中の、主として絶縁層の表面と直交する方向性を
持ったイオンによって、サイドエッチングを生じること
なしに、マスクのパターンどおりに精度よくエッチング
できるので、やはり光の回折などを生じない範囲で微細
かつ高精度の加工が可能である。
【0016】また反応性イオンエッチングによれば、ポ
リイミド系樹脂からなる絶縁層などにも加工ができるの
で、感光性ソルダーレジストを用いた場合のように、プ
リント配線板の耐熱性や耐屈曲性などを低下させるおそ
れもない。さらに反応性イオンエッチングでは、上記の
パターン形成を基本的に1工程でできる上、後述するよ
うにすすなどの残留が少ないので、前述したレーザー加
工のような問題を生じるおそれもない。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明を、その実施の形態
の一例を示す図面を参照しつつ説明する。まず、図1
(a) 〜(d) の例について説明する。なおこの例は、図1
(d) に示すように絶縁層12を、左右の導体回路11の
うち左側の導体回路11に達するパッド孔12aを有す
る形状にパターン形成する場合を示している。
【0018】この例の製造方法を実施するには、まず図
1(a) に示すように、いずれもパターン形成されていな
い2層の絶縁層12、13間に、導体回路11が挟まれ
た、3層構造のプリント配線板1を用意する。かかる3
層構造のプリント配線板1は、従来公知の種々の方法に
て製造することができる。
【0019】すなわちまず、導体回路11のもとにな
る、銅箔などの金属製の箔と、絶縁層13との積層体を
用意して、この積層体のうち箔をエッチングして導体回
路11を形成するか、または絶縁層13の片面に、マス
クを用いた気相成長法や湿式めっき法、導電性ペースト
を用いた印刷法などによって直接に、導体回路11を形
成する。
【0020】上記のうち前者の方法で使用される積層体
は、箔の片面に、絶縁層13のもとになる樹脂材料また
はその前駆体を含む塗布液を塗布して乾燥させるか、あ
るいは上記の樹脂材料またはその前駆体を含むフィルム
をラミネートしたのち、必要に応じて焼き付けることに
より形成される。また上記のフィルムや、後者の方法で
使用される絶縁層13は、当該絶縁層13のもとになる
樹脂材料またはその前駆体を含む成形材料を、押出成形
などによってフィルム状にしたのち、やはり必要に応じ
て焼き付けることにより形成される。
【0021】つぎに絶縁層13の、導体回路11が形成
された面に、絶縁層12のもとになる樹脂材料またはそ
の前駆体を含む塗布液を塗布して乾燥させるか、あるい
は上記の樹脂材料またはその前駆体を含むフィルムをラ
ミネートしたのち、必要に応じて焼き付けることによっ
て絶縁層12が形成されて、図1(a) に示した3層構造
のプリント配線板1がえられる。
【0022】上記のうち導体回路11を構成する金属と
しては、前記銅の他、銀、ニッケル、アルミニウムなど
の金属や、これら金属の合金などがあげられる。導体回
路11の厚みはとくに限定されず、通常のプリント配線
板の場合と同程度、つまり5〜50μm程度が好まし
い。また絶縁層12、13を構成する樹脂としては、た
とえばポリエステル、ガラスエポキシ樹脂、フェノール
樹脂などの汎用の樹脂の中から、反応性イオンエッチン
グによりエッチング加工が可能な種々の樹脂が使用可能
であるが、とくに前述したようにポリイミド、ポリアミ
ドイミドなどのポリイミド系の樹脂が、耐熱性、耐屈曲
性の点で好適に使用される。絶縁層12、13の厚みも
とくに限定されず、通常のプリント配線板の場合と同程
度、つまり5〜50μm程度が好ましい。
【0023】つぎに、上記3層構造のプリント配線板1
のうち上側の絶縁層12の表面に、感光性樹脂のフィル
ムを加熱および/または加圧してラミネートするか、あ
るいは感光性樹脂を含む塗布液を、スピンコート法など
によって塗布して乾燥させることによって、感光性樹脂
の層20を形成する。この際、この例では、図1(c) に
破線で示すように、反応性イオンエッチングによって絶
縁層12とともにエッチングされて徐々に厚みが減少す
る、感光性樹脂の層20からなるマスク2が、反応性イ
オンエッチングの終了時点で、同図にみるように絶縁層
12上に残留するように、当該絶縁層12上に積層する
感光性樹脂の層20の厚みを設定する。
【0024】かかる設定とした場合、後述するようにエ
ッチング終了後に、マスク2を除去する工程が必要とな
るが、当該マスク2で覆われた絶縁層12の表面がエッ
チングによって荒らされないため、良好な状態を維持で
きるという利点がある。なお感光性樹脂の層20の厚み
は、感光性樹脂と、絶縁層12を構成する樹脂とのエッ
チング速度の比などを考慮して設定される。
【0025】たとえば上記両樹脂のエッチング速度がほ
ぼ同じである場合には、感光性樹脂の層20の厚みを、
絶縁層12の、エッチング加工する厚み(たとえばパッ
ド孔12aの深さなど)よりも大きくすればよい。ただ
し、感光性樹脂の層20の厚みがあまりに大きいとき
は、パターン形成のための露光時に、光の回り込みが大
きくなって、パターン形成の精度が低下するなどの問題
を生じるおそれがあるので、両樹脂のエッチング速度が
ほぼ同じ場合の、上記層20の厚みは、絶縁層12の、
エッチング加工する厚みのおよそ250%以下程度であ
るのが好ましい。
【0026】感光性樹脂としては、従来公知の種々のも
のがいずれも使用可能である。すなわち感光性樹脂は、 露光処理によって露光された部分は硬化反応する
が、未露光の部分は未硬化であるため、この未露光の部
分が現像処理によって選択的に除去される、いわゆるネ
ガ−ポジ型のものと、 その逆に、露光処理によって露光された部分が現像
処理によって選択的に除去される、いわゆるポジ−ポジ
型のものとに大別されるが、本発明ではこのいずれの型
の感光性樹脂を使用してもよい。
【0027】つぎに上記感光性樹脂の層20上に、前述
したように左側の導体回路11に達するパッド孔12a
などがパターン形成されたフィルムを重ねて露光する
か、あるいはレーザー光を、上記パッド孔12aなどの
パターン形状にあわせて走査して露光したのち、感光性
樹脂の現像剤(たとえば未硬化の感光性樹脂を溶解しう
る溶剤など)を用いて現像処理して、図1(b) に示すよ
うに、上記の露光パターンに対応したパターンを有する
マスク2を形成する。
【0028】つぎに、上記マスク2を形成したプリント
配線板1を、反応性イオンエッチング装置のエッチング
室内に装填して、反応性イオンエッチングにより、図1
(c)に示すように、絶縁層12のうちマスク2で覆われ
ずに露出した部分を、左側の導体回路11に達するまで
エッチングする。反応性イオンエッチングは、プリント
配線板1を装填したエッチング室内を、到達真空度0.
01torr以下程度まで減圧したのち反応性ガスを導
入し、この反応性ガスに、周波数13.56MHz、出
力0.2〜2.0W/cm2 程度の高周波電界を印加し
て反応性ガスの低温プラズマを発生させて、前述したよ
うにこの低温プラズマ中のイオンによって、絶縁層12
をエッチングするものである。
【0029】かかる反応性イオンエッチングにおいて
は、前記のごとく反応性ガスの低温プラズマ中の、主と
して絶縁層の表面と直交する方向性を持ったイオンによ
って、サイドエッチングを生じることなしに、マスクの
パターンどおりに精度よくエッチングすることができ
る。また反応性イオンエッチングは、上記のように減圧
下で行われるので、すすなどが発生しても、それが加工
後の露出した導体回路の表面に残留するのが抑制され
る。
【0030】反応性ガスとしては酸素ガス、または酸素
と4フッ化炭素との混合ガスなどがあげられ、とくに後
者の混合ガスが好適に使用される。かかる混合ガスにお
いては、低温プラズマ中で生じた酸素のイオンが樹脂を
酸化させて、二酸化炭素、一酸化炭素、水などに分解
し、4フッ化炭素のイオンが、かかる酸化分解によって
生じるすすを分解するため、すすの残留をさらに抑制す
ることができる。
【0031】そして、エッチングが終了したプリント配
線板1をエッチング室から取り出してマスク2を除去す
ると、図1(d) に示すように、絶縁層12が、左右の導
体回路11のうち左側の導体回路11に達するパッド孔
12aを有する形状にパターン形成されたプリント配線
板1が完成する。マスク2の除去には種々の方法が考え
られるが、絶縁層12の表面が荒らされないようにする
ためには、たとえば酸素ガスなどの反応性ガスのプラズ
マを利用したプラズマアッシングなどの過酷な処理より
も、薬液によるマスク2のはく離処理などが好ましい。
マスク2をはく離する薬液としては、感光性樹脂の種類
にもよるが、たとえば水酸化ナトリウム水溶液などのア
ルカリ水溶液が、好適に使用される。
【0032】つぎに、図2(a) 〜(d) の例について説明
する。この例も、先の例と同様に、図2(d) に示すよう
に絶縁層12を、左右の導体回路11のうち左側の導体
回路11に達するパッド孔12aを有する形状にパター
ン形成する場合を示している。この例の製造方法を実施
するために、図2(a) に示すように、いずれもパターン
形成されていない2層の絶縁層12、13間に導体回路
11が挟まれた、3層構造のプリント配線板1を用意す
る点、ならびにかかるプリント配線板1の絶縁層12上
に感光性樹脂の層20を形成し、露光したのち現像処理
して、図2(b)に示すように、上記の露光パターンに対
応したパターンを有するマスク2を形成する点も、先の
例と同様である。
【0033】この例の、先の例との相違点は、マスク2
を構成する感光性樹脂として、ケイ素を添加したものを
使用して、当該マスク2に、反応性イオンエッチングに
対する耐性を付与した点にある。すなわち感光性樹脂中
に添加されたケイ素は、反応性イオンエッチングの際に
低温プラズマ中で生じた酸素のイオンと反応して、シリ
カ類似の、絶縁層12を構成する樹脂などと比べてエッ
チング速度が著しく小さい、つまり反応性イオンエッチ
ングに対して耐性を有する化合物を生成する。しかもこ
の反応は、主としてマスク2の表面近傍で進行するた
め、当該マスク2の表面に、図2(c) に示すように、上
記の化合物を多量に含有する耐性層21が形成される。
【0034】このためこの例においては、マスク2のエ
ッチング速度が、上記耐性層21の機能によって、絶縁
層12のエッチング速度と比べてほぼ無視できる程度に
小さく抑制されるので、感光性樹脂の層20の厚みを、
先の例に比べて著しく小さくすることができる。具体的
には、感光性樹脂の層20の厚みを、絶縁層12の、エ
ッチング加工する厚み(たとえばパッド孔12aの深さ
など)のおよそ10%程度としても、絶縁層12の表面
の保護のために、反応性イオンエッチングの終了時点
で、絶縁層12の表面にマスク2を残留させることがで
きる。
【0035】上記のように感光性樹脂の層20の厚みが
小さいと、パターン形成のための露光時に光の回り込み
が小さくなるため、マスク2の、より一層の微細化、高
精度化が可能となるという利点がある。ケイ素の添加量
は、感光性樹脂の層の総量中に占める濃度で表して、1
〜30重量%である。
【0036】ケイ素の添加量が上記の範囲未満では、当
該ケイ素による、上述した感光性樹脂の耐性を向上させ
る効果が十分にえられない。また逆に、上記の範囲を超
えた場合には、マスク2が強固なシリカ層となってしま
って、アルカリ水溶液などを用いて絶縁層12から除去
するのが容易でなくなる。かかる、ケイ素が添加された
感光性樹脂としては、たとえば日立化成(株)製のRU
−1600Pや、富士写真フィルム(株)製のFH−S
Pなどがあげられる。
【0037】エッチングが終了したプリント配線板1を
エッチング室から取り出して、先の例と同様に、たとえ
ばアルカリ水溶液などを使用してマスク2を除去する
と、図2(d) に示すように、絶縁層12が、左右の導体
回路11のうち左側の導体回路11に達するパッド孔1
2aを有する形状にパターン形成されたプリント配線板
1が完成する。
【0038】つぎに、図3(a) 〜(c) の例について説明
する。この例も、先の2つの例と同様に、図3(c) に示
すように絶縁層12を、左右の導体回路11のうち左側
の導体回路11に達するパッド孔12aを有する形状に
パターン形成する場合を示している。この例の製造方法
を実施するために、図3(a) に示すように、いずれもパ
ターン形成されていない2層の絶縁層12、13間に導
体回路11が挟まれた、3層構造のプリント配線板1を
用意する点、ならびにかかるプリント配線板1の絶縁層
12上に感光性樹脂の層20を形成し、露光したのち現
像処理して、図3(b)に示すように、上記の露光パター
ンに対応したパターンを有するマスク2を形成する点
も、先の2つの例と同様である。
【0039】この例の、先の2つの例との相違点は、図
3(c) に示すように、反応性イオンエッチングの終了時
点で、マスク2として用いた感光性樹脂の層20が絶縁
層12上に残留しないように、当該感光性樹脂の層20
の厚みを設定する点にある。かかる設定とした場合に
は、前述したようにマスク2が全てエッチングされてな
くなったあとの絶縁層12の表面が、エッチングによっ
て荒らされるおそれがあるものの、マスク2を除去する
工程が不要となる分、生産性や生産コストを向上できる
という利点がある。
【0040】感光性樹脂の層20の厚みは、先の図1の
例の場合と同様に、感光性樹脂と、絶縁層12を構成す
る樹脂とのエッチング速度の比などを考慮して設定され
る。たとえば両樹脂のエッチング速度がほぼ同じである
場合には、感光性樹脂の層20の厚みを、絶縁層12
の、エッチング加工する厚み(たとえばパッド孔12a
の深さなど)よりも小さくすればよい。
【0041】ただし、感光性樹脂の層20の厚みがあま
りに小さいときは、マスク2が全てエッチングされてな
くなったあとの絶縁層12の表面が、図3(c) に破線で
示すようにエッチングされる量が多くなりすぎて、絶縁
層12の厚みが不足したり、絶縁層12の表面が過剰に
荒らされたりするおそれがあるので、両樹脂のエッチン
グ速度がほぼ同じ場合の、上記層20の厚みは、絶縁層
12の、エッチング加工する厚みのおよそ80%以上程
度であるのが好ましい。とくに、マスク2が全てエッチ
ングされてなくなった直後に、絶縁層12の所定量のエ
ッチングが完了するように、感光性樹脂の層20の厚み
を設定するのが最も理想的である。
【0042】上記3つの例の何れの構成を採用するか
は、プリント配線板に要求される品質などに応じて、適
宜選択すればよい。つぎに、図4(a) 〜(d) の例につい
て説明する。この例は、図4(d) に示すように絶縁層1
2および13を、導体回路11のない位置で、両者を貫
通する貫通孔1a有する形状にパターン形成する場合を
示している。
【0043】この例の製造方法を実施するために、図4
(a) に示すように、いずれもパターン形成されていない
2層の絶縁層12、13間に導体回路11が挟まれた、
3層構造のプリント配線板1を用意する点、ならびにか
かるプリント配線板1の絶縁層12上に感光性樹脂の層
20を形成し、露光したのち現像処理して、図4(b)に
示すように、上記の露光パターンに対応したパターンを
有するマスク2を形成する点は、先の3つの例と同様で
ある。
【0044】感光性樹脂の層20は、前述した図1(a)
〜(d) の例と同様に、反応性イオンエッチングの終了時
点で、図4(c) にみるように絶縁層12上に残留するよ
うに、その厚みが設定される。つまり感光性樹脂と、絶
縁層12を構成する樹脂とのエッチング速度がほぼ同じ
である場合には、感光性樹脂の層20の厚みが、絶縁層
12、13の合計の厚みよりも大きく設定される。
【0045】ただし、感光性樹脂の層20の厚みがあま
りに大きくなりすぎると、前述したようにパターン形成
のための露光時に、光の回り込みが大きくなって、パタ
ーン形成の精度が低下するなどの問題を生じるおそれが
あるので、その場合には、前記図2(a) 〜(d) の例のよ
うに、感光性樹脂にケイ素を添加して感光性樹脂の層2
0の厚みを小さくすればよい。
【0046】エッチングが終了したプリント配線板1を
エッチング室から取り出して、先の例と同様に、たとえ
ばアルカリ水溶液などを使用してマスク2を除去する
と、図4(d) に示すように、絶縁層12、13が、導体
回路11のない位置で、両者を貫通する貫通孔1aを有
する形状にパターン形成されたプリント配線板1が完成
する。
【0047】なお、絶縁層12の表面が多少荒れてもよ
いのであれば、図3(a) 〜(c) の例のように、感光性樹
脂の層20がエッチング終了時点で絶縁層12の表面に
残らないように、その厚みを小さく設定してもよい。そ
の場合には、いうまでもなくマスク2の除去工程は省略
される。プリント配線板1の外形を所定の平面形状にパ
ターン化するには、上記各例において、その工程がすべ
て終了した段階で、全体を一度に型抜きしてもよく、あ
るいは以上で説明した各層の形成工程のいずれかの段階
で、とくにパッド孔などをパターン形成する工程におい
て、同時にパターン形成してもよい。
【0048】その他、本発明の要旨を変更しない範囲
で、種々の変更を施すことができる。かかる本発明の製
造方法で製造されたプリント配線板は、前述したように
パーソナルコンピュータ、ビデオカメラ、携帯電話その
他、各種電子機器の分野で、種々の用途に使用可能であ
る。とくに前述したように、導体回路や絶縁層が微細か
つ高精度に加工された点を利用して、パーソナルコンピ
ュータの記憶装置として広く使用される磁気ディスク装
置の、磁気ヘッド支持部材のうち、ばね弾性を有する薄
板にて形成されたヘッドサスペンションの先端部に実装
される磁気ヘッドへの配線を形成すべく、当該ヘッドサ
スペンションの表面に貼着されるプリント配線板などに
好適に使用することができる。
【0049】これは上記のヘッドサスペンションが、そ
のばね弾性を利用して、磁気ヘッドを、0.1μm以下
という極めて微小な範囲でディスクから浮上させる必要
があり、ばね弾性にばらつきを生じないためには、その
表面に貼着されるプリント配線板の重量や寸法などが、
できるだけ厳密に管理されている必要があるからであ
る。
【0050】
【実施例】以下に本発明を、実施例、比較例に基づいて
説明する。 実施例1 厚み18μmの銅箔の片面に、ポリイミド樹脂の前駆体
であるポリアミド酸と、そのイミド化の触媒である脱水
剤とを含む溶液〔デュポン社製のMLワニス〕を塗布
し、乾燥させたのち焼き付けて、厚み25μmの、下側
の絶縁層13を形成した。
【0051】つぎに、上記の銅箔を所定のパターンにエ
ッチングして導体回路11を形成したのち、絶縁層13
の、導体回路11が形成された表面に、上記と同じデュ
ポン社製のMLワニスを塗布し、乾燥させたのち焼き付
けて、厚み25μmの、上側の絶縁層12を形成して、
図1(a) に示す3層構造のプリント配線板1を作製し
た。
【0052】つぎに上記プリント配線板1の、上側の絶
縁層12の表面に、感光性樹脂のドライフィルム〔旭化
成(株)製のサンフォート、厚み45μm〕をラミネー
トして感光性樹脂の層20を形成し、ついでこの層上
に、パッド孔などがパターン形成されたフィルムを重ね
た状態で露光したのち、上記ドライフィルムの専用現像
液によって現像して、図1(b) に示すマスク2を形成し
た。
【0053】つぎに上記のプリント配線板1を、反応性
イオンエッチング装置のエッチング室内に装填し、到達
真空度0.01torrまで減圧したのち、酸素と4フ
ッ化炭素とを流量比80:20の割合で混合した反応性
ガスを導入して、エッチング室内の圧力を0.1tor
rに調整した。そして反応性ガスに、周波数13.56
MHz、出力0.2W/cm2 の高周波電界を印加して
反応性ガスの低温プラズマを発生させて、反応性イオン
エッチングにより、絶縁層12の、マスク2から露出し
た部分を、図において左側の導体回路11に達するまで
選択的に除去した。
【0054】エッチング室から取り出したプリント配線
板1を観察したところ、図1(c) にみるように、絶縁層
12の表面にマスク2が残っていたので、その全体を水
酸化ナトリウム水溶液に浸漬して、残っていたマスク2
をはく離、除去し、水洗したのち乾燥させて、図1(d)
に示すパッド孔12aなどを有するプリント配線板を製
造した。
【0055】実施例2 下側の絶縁層13となる厚み25μmのポリイミドフィ
ルムと、厚み18μmの銅箔との積層体〔新日鉄化学
(株)製のエスパネックス〕を用意し、この積層体のう
ち銅箔を所定のパターンにエッチングして導体回路11
を形成した。つぎに、上記絶縁層13の、導体回路11
が形成された表面に、溶剤可溶型のポリイミド樹脂〔イ
ミテック(株)製のP84〕の溶液をスピンコート法に
よって塗布したのち乾燥させて、厚み10μmの、上側
の絶縁層12を形成して、図1(a) に示す3層構造のプ
リント配線板1を作製した。
【0056】つぎに上記プリント配線板1の、上側の絶
縁層12の表面に、感光性樹脂のドライフィルム〔旭化
成(株)製のサンフォート、厚み25μm〕をラミネー
トして感光性樹脂の層20を形成し、ついでこの層上
に、パッド孔などがパターン形成されたフィルムを重ね
た状態で露光したのち、上記ドライフィルムの専用現像
液によって現像して、図1(b) に示すマスク2を形成し
た。
【0057】つぎに上記のプリント配線板1を、反応性
イオンエッチング装置のエッチング室内に装填し、到達
真空度0.1torrまで減圧したのち、酸素と4フッ
化炭素とを流量比90:10の割合で混合した反応性ガ
スを導入して、エッチング室内の圧力を0.1torr
に調整した。そして反応性ガスに、周波数13.56M
Hz、出力0.3W/cm2 の高周波電界を印加して反
応性ガスの低温プラズマを発生させて、反応性イオンエ
ッチングにより、絶縁層12の、マスク2から露出した
部分を、図において左側の導体回路11に達するまで選
択的に除去した。
【0058】エッチング室から取り出したプリント配線
板1を観察したところ、やはり図1(c) にみるように、
絶縁層12の表面にマスク2が残っていたので、その全
体を水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して、残っていたマ
スク2をはく離、除去し、水洗したのち乾燥させて、図
1(d) に示すパッド孔12aなどを有するプリント配線
板を製造した。
【0059】実施例3 実施例1で製造したのと同じ構成、同じ厚みの、図3
(a) に示す3層構造のプリント配線板1を作製し、この
プリント配線板1の上側の絶縁層12の表面に、感光性
樹脂のドライフィルム〔旭化成(株)製のサンフォー
ト、厚み20μm〕をラミネートして感光性樹脂の層2
0を形成し、ついでこの層上に、パッド孔などがパター
ン形成されたフィルムを重ねた状態で露光したのち、上
記ドライフィルムの専用現像液によって現像して、図3
(b) に示すマスク2を形成した。
【0060】つぎに上記のプリント配線板1を、反応性
イオンエッチング装置のエッチング室内に装填し、到達
真空度0.01torrまで減圧したのち、酸素と4フ
ッ化炭素とを流量比70:30の割合で混合した反応性
ガスを導入して、エッチング室内の圧力を0.1tor
rに調整した。そして反応性ガスに、周波数13.56
MHz、出力0.3W/cm2 の高周波電界を印加して
反応性ガスの低温プラズマを発生させて、反応性イオン
エッチングにより、絶縁層12の、マスク2から露出し
た部分を、図において左側の導体回路11に達するまで
選択的に除去した。
【0061】エッチング室から取り出したプリント配線
板1を観察したところ、図3(c) にみるように、絶縁層
12の表面にはマスク2が残っていなかったので、この
時点をもって、同図に示すパッド孔12aなどを有する
プリント配線板の完成とした。 実施例4 実施例1で製造したのと同じ構成、同じ厚みの、図2
(a) に示す3層構造のプリント配線板1を作製し、この
プリント配線板1の上側の絶縁層12の表面に、20重
量%のケイ素が添加された感光性樹脂〔前出の富士写真
フィルム(株)製のFH−SP〕の溶液をスピンコート
法によって塗布したのち乾燥させて、厚み3μmの感光
性樹脂の層20を形成し、ついでこの層上に、パッド孔
などがパターン形成されたフィルムを重ねた状態で露光
したのち、上記感光性樹脂の専用現像液によって現像し
て、図2(b) に示すマスク2を形成した。
【0062】つぎに上記のプリント配線板1を、反応性
イオンエッチング装置のエッチング室内に装填し、到達
真空度0.01torrまで減圧したのち、酸素と4フ
ッ化炭素とを流量比90:10の割合で混合した反応性
ガスを導入して、エッチング室内の圧力を0.2tor
rに調整した。そして反応性ガスに、周波数13.56
MHz、出力0.4W/cm2 の高周波電界を印加して
反応性ガスの低温プラズマを発生させて、反応性イオン
エッチングにより、絶縁層12の、マスク2から露出し
た部分を、図において左側の導体回路11に達するまで
選択的に除去した。
【0063】エッチング室から取り出したプリント配線
板1を観察したところ、図2(c) にみるように、絶縁層
12の表面にマスク2が残っていたので、その全体を水
酸化ナトリウム水溶液に浸漬して、残っていたマスク2
をはく離、除去し、水洗したのち乾燥させて、図2(d)
に示すパッド孔12aなどを有するプリント配線板を製
造した。
【0064】実施例5 厚み18μmの銅箔の片面に、前出のデュポン社製のM
Lワニスを塗布し、乾燥させたのち焼き付けて、厚み2
5μmの、下側の絶縁層13を形成した。
【0065】つぎに、上記の銅箔を所定のパターンにエ
ッチングして導体回路11を形成したのち、絶縁層13
の、導体回路11が形成された表面に、上記と同じデュ
ポン社製のMLワニスを塗布し、乾燥させたのち焼き付
けて、厚み15μmの、上側の絶縁層12を形成して、
図4(a) に示す3層構造のプリント配線板1を作製し
た。
【0066】つぎに上記プリント配線板1の、上側の絶
縁層12の表面に、感光性樹脂のドライフィルム〔旭化
成(株)製のサンフォート、厚み50μm〕をラミネー
トして感光性樹脂の層20を形成し、ついでこの層上
に、貫通孔などがパターン形成されたフィルムを重ねた
状態で露光したのち、上記ドライフィルムの専用現像液
によって現像して、図4(b) に示すマスク2を形成し
た。
【0067】つぎに上記のプリント配線板1を、反応性
イオンエッチング装置のエッチング室内に装填し、到達
真空度0.01torrまで減圧したのち、酸素と4フ
ッ化炭素とを流量比80:20の割合で混合した反応性
ガスを導入して、エッチング室内の圧力を0.2tor
rに調整した。そして反応性ガスに、周波数13.56
MHz、出力0.4W/cm2 の高周波電界を印加して
反応性ガスの低温プラズマを発生させて、反応性イオン
エッチングにより、絶縁層12および13の、マスク2
から露出した部分を、貫通するするまで選択的に除去し
た。
【0068】エッチング室から取り出したプリント配線
板1を観察したところ、図4(c) にみるように、絶縁層
12の表面にマスク2が残っていたので、その全体を水
酸化ナトリウム水溶液に浸漬して、残っていたマスク2
をはく離、除去し、水洗したのち乾燥させて、図4(d)
に示す貫通孔1aなどを有するプリント配線板を製造し
た。
【0069】実施例6 絶縁層13の、導体回路11が形成された表面に、熱硬
化型のエポキシ樹脂系ソルダーレジストを塗布し、乾燥
させたのち焼き付けて、厚み15μmの上側の絶縁層1
2を形成したこと以外は実施例5と同様にして、図4
(d) に示す貫通孔1aなどを有するプリント配線板を製
造した。
【0070】比較例1 厚み18μmの銅箔の片面に、前出のデュポン社製のM
Lワニスを塗布し、乾燥させたのち焼き付けて、厚み2
5μmのベースフィルムを形成し、ついで上記の銅箔を
所定のパターンにエッチングして導体回路を形成した。
【0071】一方、厚み25μmのポリイミドフィルム
の片面に、厚み30μmのエポキシ樹脂系接着剤の層を
積層したものを、金型を用いたプレス抜きによって、パ
ッド孔などを有する形状にパターン形成してカバーレイ
フィルムを作成した。そして前記ベースフィルムの、導
体回路が形成された表面に、上記のカバーレイフィルム
を、接着剤層を下にして貼り合わせたのち、熱プレスに
よって接着して、導体回路に達するパッド孔などを有す
るプリント配線板を製造した。
【0072】比較例2 厚み18μmの銅箔の片面に、前出のデュポン社製のM
Lワニスを塗布し、乾燥させたのち焼き付けて、厚み2
5μmのベースフィルムを形成し、ついで上記の銅箔を
所定のパターンにエッチングして導体回路を形成した。
【0073】そしてこのベースフィルムの、導体回路が
形成された表面に、スクリーン印刷法によって、感光性
ソルダーレジスト〔日本ポリテック(株)製のNPR−
80〕を塗布し、乾燥させたのち、導体回路に達するパ
ッド孔などを有する形状に露光、現像し、さらに焼き付
けて、上記の形状にパターン形成された絶縁層を形成し
て、プリント配線板を製造した。
【0074】上記各実施例、比較例で製造したプリント
配線板について、以下の試験を行って、その特性を評価
した。
【0075】最小口径および加工精度の測定 各実施例、比較例のプリント配線板を、パッド孔または
貫通孔の口径を違えて製造して、その状態を顕微鏡によ
って観察した。そして、パッド孔または貫通孔の状態が
良好であった最小の口径を測定した。また、導体回路に
達するパッド孔を形成した実施例1〜4、比較例1、2
については、当該パッド孔と導体回路との位置の誤差
を、貫通孔を形成した実施例5、6については、当該貫
通孔と、隣接する導体回路との位置の誤差を、それぞれ
測定した。
【0076】耐熱性試験 溶融はんだの温度を300℃に設定したはんだ槽に、各
実施例、比較例のプリント配線板をそれぞれ5分間、浸
漬したのち引き上げて、ふくれ、はがれ、ただれ等の有
無を観察した。そしてこれらの不良が全くみられなかっ
たものを耐熱性良好(○)、いずれか一つでも上記の不
良がみられたものを耐熱性不良(×)として評価した。
【0077】以上の結果を表1に示す。
【0078】
【表1】
【0079】表1より、各実施例で製造したプリント配
線板はいずれも、比較例1、2のものに比べて微小な口
径のパッド孔や貫通孔が高精度に形成されているととも
に、とくに上下両絶縁層をポリイミド系樹脂にて形成し
たものは、耐熱性も良好であることが確認された。 比較例3 ケイ素の添加量を0.5重量%としたこと以外は実施例
4と同様にして、同じ厚みの感光性樹脂の層20からな
るマスク2を形成して、同条件で反応性イオンエッチン
グを行ったところ、マスク2がエッチング開始直後に消
失して、絶縁層12をパターン形成することができなか
った。
【0080】比較例4 ケイ素の添加量を40重量%としたこと以外は実施例4
と同様にして、同じ厚みの感光性樹脂の層20からなる
マスク2を形成して、同条件で反応性イオンエッチング
を行ったところ、絶縁層12をパターン形成することは
できたが、マスク2が強固なシリカ層となっており、水
酸化ナトリウム水溶液を用いてはく離、除去することが
できなかった。
【0081】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、
感光性ソルダーレジストを用いた場合のように耐熱性や
耐屈曲性を低下させることなしに、またレーザー加工の
ように工程数の増加やすすの問題を生じることなしに、
たとえばパッド孔や端子部、貫通孔、スリットなどが、
導体回路と同レベルで微細かつ高精度に形成されたプリ
ント配線板と、その製造方法とを提供しうるという特有
の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】同図(a) 〜(c) はそれぞれ、本発明のプリント
配線板の製造方法の、実施の形態の一例における各工程
を示す断面図であり、同図(d) は、かかる製造方法で製
造されたプリント配線板の一例を示す断面図である。
【図2】同図(a) 〜(c) はそれぞれ、本発明のプリント
配線板の製造方法の、実施の形態の他の例における各工
程を示す断面図であり、同図(d) は、かかる製造方法で
製造されたプリント配線板の他の例を示す断面図であ
る。
【図3】同図(a)(b)はそれぞれ、本発明のプリント配線
板の製造方法の、実施の形態のさらに他の例における各
工程を示す断面図であり、同図(c) は、かかる製造方法
で製造されたプリント配線板のさらに他の例を示す断面
図である。
【図4】同図(a) 〜(c) はそれぞれ、本発明のプリント
配線板の製造方法の、実施の形態のさらに他の例におけ
る各工程を示す断面図であり、同図(d) は、かかる製造
方法で製造されたプリント配線板のさらに他の例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 プリント配線板 11 導体回路 12、13 絶縁層 12a パッド孔 1a 貫通孔 2 マスク 20 感光性樹脂の層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁層を備えたプリント配線板であって、
    当該絶縁層が、その上に積層した感光性樹脂の層を所定
    のパターンに露光処理し、ついで現像処理して形成され
    たマスクを用いた反応性イオンエッチングによりパター
    ン形成されていることを特徴とするプリント配線板。
  2. 【請求項2】反応性イオンエッチングにより、絶縁層
    に、導体回路に達するまたはプリント配線板を貫通する
    通孔が形成されている請求項1記載のプリント配線板。
  3. 【請求項3】絶縁層の上に感光性樹脂の層を積層し、こ
    の感光性樹脂の層を所定のパターンに露光処理し、つい
    で現像処理してマスクを形成したのち、このマスクを用
    いた反応性イオンエッチングにより、上記絶縁層をパタ
    ーン形成する工程を有することを特徴とするプリント配
    線板の製造方法。
  4. 【請求項4】反応性イオンエッチングの終了時点で、マ
    スクとして用いた感光性樹脂の層が絶縁層上に残留する
    ように、当該絶縁層上に積層する感光性樹脂の層の厚み
    を設定するか、または感光性樹脂の層として、ケイ素
    を、当該層の総量中に占める濃度で表して1〜30重量
    %の範囲で添加して、反応性イオンエッチングに対する
    耐性を付与したものを使用するとともに、反応性イオン
    エッチングの終了後に絶縁層上に残留した感光性樹脂の
    層を、絶縁層に影響しない薬液を用いてはく離する請求
    項3記載のプリント配線板の製造方法。
  5. 【請求項5】反応性イオンエッチングの終了時点で、マ
    スクとして用いた感光性樹脂の層が絶縁層上に残留しな
    いように、当該絶縁層上に積層する感光性樹脂の層の厚
    みを設定する請求項3記載のプリント配線板の製造方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011065062A1 (ja) * 2009-11-30 2011-06-03 シャープ株式会社 フレキシブル回路基板およびその製造方法
JP2013030564A (ja) * 2011-07-27 2013-02-07 Ajinomoto Co Inc プリント配線板の製造方法
JP2015510439A (ja) * 2013-02-22 2015-04-09 チョー ヨン イルCHO, Yong Il 輸液注入装置の加温器用ヒーターモジュールおよびその製造方法
JP2016092307A (ja) * 2014-11-07 2016-05-23 株式会社アルバック 樹脂基板の加工方法

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