JPH11121876A - 半導体発光素子の製造方法 - Google Patents
半導体発光素子の製造方法Info
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- JPH11121876A JPH11121876A JP22429298A JP22429298A JPH11121876A JP H11121876 A JPH11121876 A JP H11121876A JP 22429298 A JP22429298 A JP 22429298A JP 22429298 A JP22429298 A JP 22429298A JP H11121876 A JPH11121876 A JP H11121876A
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Abstract
面での界面準位密度を長期間にわたって安定に抑制し、
しかも、不活性化層の拡散が起こった際にも安定に動作
する半導体発光素子を、簡便な製造方法で実現可能とす
る。 【解決手段】 基板上に、第一導電型クラッド層、活性
層及び第二導電型クラッド層を含む化合物半導体層が形
成されてなり、共振器構造を有する半導体発光素子の製
造方法において、基板上に化合物半導体層を順次結晶成
長した後、劈開により共振器端面を形成し、次いで、該
端面に真空中でプラズマ照射し、当該プラズマ照射した
面上に引き続き真空中で不活性化層を形成することを特
徴とする。
Description
に半導体レーザの製造方法に関するもので、本発明の製
法は光ファイバー増幅器用励起光源、光情報処理用の光
源等の、高出力、長寿命の両立を要求される用途の半導
体レーザに好適に利用される。またスパールミネッセン
トダイオード等のLEDで、光の出射端が端面により形
成されているもの、また、面発光レーザ等への応用も可
能である。
術の進展には目ざましい物がある。例えば、光磁気ディ
スクによる高密度記録、光ファイバーネットワークによ
る双方向通信と枚挙に暇がない。例えば、通信分野にお
いては、今後のマルチメディア時代に本格的に対応する
大容量の光ファイバー伝送路とともに、その伝送方式に
対する柔軟性を持つ信号増幅用のアンプとして、Er3+
等の希土類をドープした光ファイバー増幅器(EDF
A)の研究が各方面で盛んに行なわれている。そして、
EDFAのコンポーネントとして不可欠な要素である、
高効率な励起光源用の半導体レーザの開発が待たれてい
る。
源の発振波長は原理的に3種類存在し、800nm、9
80nm、1480nmである。このうち増幅器の特性
から見れば980nmでの励起が、利得、ノイズ等を考
慮すると最も望ましいことが知られている。このような
980nmの発振波長を有するレーザは励起光源として
高出力であることと長寿命であるという相反する特性を
満足することを望まれている。さらにこの近傍の波長、
たとえば890−1150nmにおいてはSHG光源、
レーザプリンタ用の熱源としての要求もあり、その他種
々の応用面においても高出力で信頼性の高いレーザの開
発がまたれている。
間書き込み、読み出しを目的として半導体レーザの、高
出力化、短波長化が進んでおり、従来の780nm発振
波長のLDに関しては高出力化が強く望まれており、ま
た、630−680nm帯のLDの開発も各方面で精力
的に行われている。これら、レーザ実現のために欠かせ
ない高出力、高信頼性の両立のアプローチとしては、例
えば、端面近傍の活性層領域のバンドギャップを発振波
長に対して透明になるようにし、前述の端面近傍での光
吸収をおさえる方法が種々提案されている。これら構造
のレーザは一般に窓構造レーザあるいはNAM(non Ab
sorbing Mirror)構造レーザと呼ばれており、高出力を
必要とする際には非常に効果的である。
な問題解決法も提起されている。これによれば、汚染の
ない端面を形成し、これに半導体端面との反応、又はそ
れ自体が拡散を起こさない物質で、かつ、酸素を含有し
ない物質をパッシベーション層あるいは、その一部とし
て形成する製法が効果的だとされれいる。また、上記特
開平3−101183号公報に類する公知文献として、
L.W.Tuet al.,(In-vacuum cleaving and coating
of semiconductor laser facets using silicon
and a dielectric、 J.Appl.Phys.80(11) 1 DEC. 19
96)がある。これによれば、Si/AlOx構造をレーザ
端面にコーティングする際に真空中で劈開すると、劈開
面でのキャリアの再結合速度が遅くなり、初期的なCO
Dレベルがあがることが記載されている。
界強度を下げるために、共振器方向に存在する定在波の
腹の部分が端面部分と一致しないように、Siをコーテ
ィング膜と半導体との界面に1/4波長分挿入する技術
も知られている。
傍の半導体レーザでは、50−100mW程度の光出力
において2年程度の連続使用に耐える半導体レーザ及び
その製造方法はすでに開発されているが、より高い光出
力における動作では急速な劣化がおこり、信頼性は不十
分である。これは780nm帯、630−680nm帯
のLDにおいても事情は同様であり、高出力時の信頼性
確保は特にGaAs基板を用いた系の半導体レーザ全体
の課題である。
にさらされるレーザ光の出射端面の劣化に起因するもの
がある。GaAs/AlGaAs系半導体レーザでもよ
く知られているように、端面近傍には多数の表面準位が
存在するが、これらの準位がレーザ光を吸収するため、
一般的に端面近傍の温度はレーザ内部の温度よりも高く
なり、この温度上昇がさらに端面近傍のバンドギャップ
を狭くし、さらにレーザ光を吸収しやすくするといった
正帰還がおきると説明されている。この現象は瞬時に大
電流を流した際に観測される端面破壊いわゆるCOD(c
atastrophic Optical Damage)として知られ、また長
期に通電試験した際のCODレベルの低下に伴う素子の
突然劣化は多くの半導体レーザ素子において共通の問題
となっている。これら課題の解決の試みは上記の様に精
力的に行われてはいるが、まだ技術的に不十分である。
とえば、レーザ端面上に発振波長に対して透明な半導体
材料をエピタキシャル成長させる製造方法がある。この
方法ではレーザをいわゆるバーの状態にして端面へエピ
タキシャル成長を行うために、この後に行う電極工程が
非常に煩雑なものとなってしまう。また、Znあるいは
Si等をレーザの端面近傍の活性層に不純物として意図
的に熱拡散又はイオン打ち込みをさせる方法で、上記活
性層を無秩序化させる方法も種々提案されている。これ
らの公知文献としては特開平2−45992号公報、特
開平3−31083号公報、特開平6−302906号
公報等をあげることができる。
純物拡散はレーザ素子のエピタキシャル方向から基板方
向に向かって行われるため、拡散深さの制御性、また共
振器方向に対する横方向拡散の制御性に問題があり安定
した作製は難しい。また、イオン打ち込みの場合には高
エネルギーのイオンが端面から導入されるため、たとえ
アニール処理を施した後もLD端面にダメージが残存し
がちである。また不純物導入を行なった領域での抵抗の
低下に伴う無効電流の増加はレーザのしきい値電流や駆
動電流を増加させる等の問題があった。
3号公報に開示の、汚染のない端面を形成し、これに半
導体端面との反応、又はそれ自体が拡散を起こさない物
質で、酸素を含有しない物質をパッシベーション層ある
いは、その一部として形成する製法の技術問題点は以下
のとおりである。一般に大気中等の例えばクリーンルー
ム内での作業よっては、劈開時に端面に発生する、例え
ば、Ga−O、またAs−O等の非発光再結合中心の生
成を抑制する効果はなく、この点で、前記特許が開示し
ている具体的<汚染のない端面の形成方法>は第1クレ
ームに記載のとおり、劈開したその場で不活性化層を形
成することが不可欠となり、この具体的実現可能な環境
は第10クレームにあるとおり真空中での劈開のみであ
る。しかし、これは大気中での一般的劈開に比較して、
非常に煩雑な装置と作業が要求される。また、一般的に
第11クレームから第14クレームに開示されているド
ライエッチングによって形成される端面は、劈開によっ
て形成される端面と比較して多くの非発光再結合中心を
形成し、長寿命を要求されるLDの作製方法としては適
さない。
のとしてSi、又はアモルファスSiがあげられている
が、一般に全く拡散を起こさない物質は存在せず、特に
高出力、高温下で長時間駆動することを前提とする様な
半導体レーザでは、前記特許で開示されたパッシベーシ
ョン材料の拡散が懸念される。また、上記、L.W.Tu et
al.,(In-vacuum cleaving and coating of semi
conductor laser facets using silicon and a
dielectric、 J.Appl.Phys.80(11) 1 DEC. 1996)で
は、Si/AlOx構造をレーザ端面にコーティングす
る際に真空中で劈開すると、劈開面でのキャリアの再結
合速度が遅くなり、初期的なCODレベルがあがるとあ
るが、長期の信頼性に関する記述はなく、コーティング
とLD構造の関連についても述べられていない。
界強度を下げるために、共振器方向に存在する定在波の
腹の部分が端面部分と一致しないように、Siをコーテ
ィング膜と半導体との界面に1/4波長分挿入する技術
においては、一般の半導体レーザが実現されている波長
帯、特に高出力LDが望まれている400−1600n
mにおいては、Siそのものが光の吸収体として作用し
てしまうため、端面での温度上昇がデバイスの劣化を加
速してしまう可能性がある。
こなわれたもので、その目的は、半導体レーザ等の半導
体発光素子端面での界面準位密度を長期間にわたって安
定に抑制し、しかも、不活性化層のLD駆動中の拡散が
起こった際にも安定に動作する半導体レーザを提供す
る、簡便な製造方法の実現であり、これは、すなわち、
端面での劣化を抑えた、高出力と長寿命を両立させた高
性能の半導体レーザの提供に他ならない。
題を解決すべく鋭意検討した結果、基板上に、第一導電
型クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層を含む
化合物半導体層が形成されてなり、共振器構造を有する
半導体発光素子の製造方法において、基板上に化合物半
導体層を順次結晶成長した後、劈開により共振器端面を
形成し、次いで、該端面に露出した、基板、第一導電型
クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層等の端面
を構成する要素、特に活性層近傍に真空中でプラズマ照
射し、当該プラズマ照射した面上に引き続き真空中で不
活性化層を形成する製造方法で作製された半導体発光素
子が、簡便な製法であるにもかかわらず、従来技術をは
るかにしのぐレベルで高出力、長寿命を両立することを
見い出し、本発明に到達した。
電型クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層を含
む化合物半導体層が形成されてなり、共振器構造を有す
る半導体発光素子の製造方法において、基板上に化合物
半導体層を順次結晶成長した後、劈開により共振器端面
を形成し、次いで、該端面に真空中でプラズマ照射し、
当該プラズマ照射した面上に引き続き真空中で不活性化
層を形成することを特徴とする半導体発光素子の製造方
法に存する。
本発明の半導体発光素子の製造方法は、基板上に、少な
くとも第一導電型クラッド層、活性層及び第二導電型ク
ラッド層を積層し、対向する二つの端面によって共振器
構造を形成してなる化合物半導体発光素子の製造方法で
あって、基板上に化合物半導体層を順次結晶成長した
後、劈開により共振器端面を形成し、次いで、該端面に
真空中でプラズマ照射し、当該プラズマ照射した面上に
引き続き真空中で不活性化層を形成することを特徴とす
る半導体発光素子の製造方法であれば、特にその素子等
の構造は限定されないが 、以下に具体的製造方法の1
例として、屈折率導波構造を有し、第二導電型クラッド
層が第一のそれと第二のそれの二層に分かれ、第二導電
型第二クラッド層と電流ブロック層とで電流注入領域を
形成し、さらに電極との接触抵抗を下げるためのコンタ
クト層をもつ構造の半導体レーザを作製し本発明を適用
した場合について説明する。
構造の製法はたとえば堀江らの特開平8−130344
号公報に記載のレーザが相当し、この類のレーザは光通
信に用いられる光ファイバー増幅器用の光源、また、情
報処理用の大規模光磁気メモリーのピックアップ光源と
して用いられ、活性層、またクラッド層等の層構成、ま
た材料構成等の違いによって、さらに様々な用途への応
用が可能である。
ピタキシャル構造の一例としてグルーブ型の半導体レー
ザを構成した模式的一例である。基板(1)としては所
望の発振波長、格子整合性、意図的に活性層等に導入さ
れる歪等の点からInP、GaAs、GaN、InGa
As、Al2O3等の単結晶基板が使用される。Al2O3
の様に場合によっては誘電体基板も使用可能である。本
発明で実施される形態としてはInP基板、GaAs基
板が、V族としてAs、P等を含むIII-V族半導体発光
素子に対して格子整合性の観点から望ましく、V族とし
てAsを含む場合には最も好適にはGaAs基板が使用
される。
半導体発光素子のなかでもV族として窒素等を含む材料
に使用されることがある。基板はいわゆるジャスト基板
だけではなく、エピタキシャル成長の際の結晶性を向上
させる観点から、いわゆるオフ基板(miss oriented su
bstrate)の使用も可能である。これはステップフロー
モードでの良好な結晶成長を促進する効果をもち、広く
使われている。オフ基板は0.5度から2度程度の傾斜
を持つものが広く用いられるが、量子井戸構造を構成す
る材料系によっては10度前後の傾斜とすることもあ
る。
成長技術を利用した、発光素子の作り込みの準備とし
て、化学エッチング、熱処理等をされる場合もある。バ
ッファ層(2)は、基板バルク結晶の不完全性を緩和
し、結晶軸を同一にしたエピタキシャル薄膜の形成を容
易にするために基板上に成長することが好ましい。バッ
ファ層(2)は、基板(1)と同一の化合物で構成する
のが好ましく、基板がGaAsの場合は通常、GaAs
が使用される。しかし、超格子層をバッファ層に使用す
ることも広く行われており、同一の化合物で形成されな
い場合もある。一方誘電体基板を用いた場合には必ずし
も基板と同一の物質ではなく、その所望の発光波長、デ
バイス全体の構造から、適宜、基板と異なった材料が選
ばれる場合もある。
活性層(4)の平均的屈折率より小さな屈折率を有する
材料で構成され、所望の発振波長を実現するために準備
される基板(1)、バッファ層(2)、活性層(4)等
により適宜材料が規定される。例えば基板(1)として
GaAsが使用され、バッファ層(2)もGaAsの際
にはAlGaAs系材料、InGaAs系材料、AlG
aInP系材料、InGaP系材料等が用いられる。ま
た場合によってはクラッド層全体を超格子構造にするこ
とも可能である。
料、構造等によらずに効果があるが、まず導電型につい
ては、P型であったほうが好ましい。P型のドーパント
としては、Zn、C、Be、Mg等既知のものを母材と
成長方法に照らして適宜選択すればよく、好ましくはB
e及び/又はC、最も好ましくはBeである。一般的に
半導体のバンドギャップは、例えばHeterostructure L
asers (H.C.Casey,Jr. M.B.Panish著 Academic Pres
s 1978 P.157)に記載のとおり、ホール濃度が高い物
質ほどそれが小さくなる傾向にある。例えば、GaAs
の場合には、そのバンドギャップをEg(eV)、P型
のキャリア濃度をP(cm-3)として Eg=1.424−1.6×10-8×P1/3 であることが示されている。本発明の1つの特徴は不活
性化層(14)としてレーザ端面と誘電体界面に挿入さ
れる物質が、長期のレーザ駆動中、特に高出力動作中に
拡散を起こした際、n型の不純物として活性層(4)中
等に徐々に導入され、補償効果によって実効的なホール
濃度の低下を引き起こす点にある。これは半導体端面近
傍、言い替えれば不活性化層(14)がLD駆動と共
に、構成する一部の元素が拡散されていく部分のバンド
ギャップを増大させる事を意味し、端面での光の吸収を
抑制する働きをすることが期待される。この点でP型の
活性層が望ましい。
(4)はIn及び/又はGaを含む系、より好ましくは
Inを含む系、最も好ましくはIn及びGaを含む系が
望ましい。これは結晶成長の際にいわゆる秩序化が起こ
りやすい材料系であって、不活性化層(14)としてレ
ーザ端面と誘電体の界面に挿入される物質が、長期のレ
ーザ駆動中に上記の様に拡散する際に、端面近傍の無秩
序化を引き起こすことも期待されるからである。一般に
材料の無秩序化はバンドギャップの増加をもたらすた
め、これはキャリアの補償効果と相まって、さらなる端
面の光吸収を長期的に抑制していくこととなる。
ては、具体的には、AlGaAs系材料、InGaAs
系材料、InGaP系材料、AlGaInP系材料等、
中でも、InXGa1-xAs(0<x<1)又は(Alx
Ga1-x)yIn1-yP(0<x,y<1)を含むことが
望ましく、特に量子井戸構造をとっていることが無秩序
化をする観点で望ましい。これら材料の選択は所望する
発振波長によって規定されるのが普通である。
光素子の発振波長λ(nm)がほぼ決定されるが、該発
振波長λ(nm)は、Si吸収端より短波長であること
が好ましい。また、活性層(4)は構造として、単一の
層からなる通常のバルク活性層でもよいが、単一量子井
戸(SQW)構造、二重量子井戸(DQW)構造、多重
量子(MQW)構造等の量子井戸構造が目的に応じて採
用される。そして、量子井戸構造には、通常、光ガイド
層が併用され、必要に応じて量子井戸の分離のために障
壁層が併用される。活性層の構造としては、量子井戸の
両側に光ガイド層を設けた構造(SCH構造)、光ガイ
ド層の組成を徐々に変化させることにより屈折率を連続
的に変化させた構造(GRIN−SCH構造)等を採用
することが出来る。光ガイド層の材料としてはAlGa
As系材料、InGaAs系材料、InGaP系材料A
lGaInP系材料等、活性層にあわせ選択が可能であ
る。
た超格子とすることも可能である。
してはSiが望ましい。これは一般的に端面発光型デバ
イスで共振器を構成する面となる(110)面、また面
発光レーザ等で出射端となる(100)面からの拡散で
n型のドーパントとなりうるからであり、さらに、上記
活性層(4)の材料として好適に利用されるAlGaA
s系材料、InGaAs系材料、InGaP系、AlG
aInP系材料を無秩序化をすることが可能だからであ
る。
(8)は第一導電型クラッド層(3)同様、一般的には
活性層(4)の平均的屈折率より小さな屈折率を有する
材料で構成され、基板(1)、バッファ層(2)、活性
層(4)等により適宜材料が規定される。例えば基板
(1)としてGaAsが使用され、バッファ層(2)も
GaAsの際にはAlGaAs系材料、InGaAs系
材料、AlGaInP系材料、InGaP系材料等が用
いられる。
(6)、(7)及びキャップ層(10)が記載されてい
るが、これらの層は、本発明の好ましい態様において採
用され、電流注入領域の作り込みを精密かつ容易に行う
のに有効である。第二エッチング阻止層(6)が例え
ば、AlaGa1-aAs(0≦a≦1)材料にて構成され
る場合には、通常はGaAsが好適に使用される。これ
はMOCVD法等で第二導電型第二クラッド層(8)等
を、特に、AlGaAs系で再成長させる際に結晶性よ
く積層することができるためである。第二エッチング阻
止層(6)の厚さは通常2nm以上が好ましい。
a1-b P(0≦b≦1)で表される層が好適であり、本
発明のようにGaAsを基板として使用した際は、通常
歪みのない系でb=0.5が用いられる。第一エッチン
グ阻止層(7)の厚さは通常5nm以上であり、好まし
くは10nm以上である。5nm未満であると、膜厚の
乱れ等により、エッチングを阻止することができなくな
ってしまう可能性がある。一方膜厚によっては歪み系を
用いることもでき、b=0、b=1等を用いることも可
能である。
いて電流ブロック層(9)の保護層として用いられると
同時に第二導電型第二クラッド層(8)の成長を容易に
するために用いられ、素子構造を得る前に、一部又は全
て除去される。電流ブロック層(9)としては、文字通
り電流をブロックして実質的に流さないことが必要であ
るので、その導電型は第一導電型クラッド層(3)と同
一かあるいはアンドープとすることが好ましく、また、
たとえばAlGaAs系で電流ブロック層(9)を形成
する場合であれば、AlyGa1-yAs(0<y≦1)か
らなる第二導電型第二クラッド層(8)より屈折率が小
さいことが好ましい。すなわち、電流ブロック層(9)
がAlzGa1-zAs(0≦z≦1)であれば、したがっ
て混晶比としてはz>yになることが好ましい。
は、通常、活性層(4)の屈折率以下とされる。又、第
二導電型第二クラッド層(8)は通常第一導電型クラッ
ド層(3)及び第二導電型第一クラッド層(5)と同一
とされる。また、本発明の好ましい態様のひとつとし
て、第二導電型第一クラッド層(5)、第二導電型第二
クラッド層(8)及び電流ブロック層(9)の全てを同
一組成の同一材料系で構成することが挙げられる。その
場合、第一エッチング阻止層(7)によって実効屈折率
差が形成され、また、キャップ層(10)を完全には除
去しない場合においては、第一エッチング層(7)に加
えてキャップ層(10)によっても実効屈折率差が形成
される。この様な層構成を採ることにより、第二導電型
第二クラッド層(8)及び電流ブロック層(9)のそれ
ぞれの界面における材料又は組成の不一致に起因する諸
問題を回避することができ、非常に好ましい。
極(12)との接触抵抗率を下げるため等の目的でコン
タクト層(11)を設けるのが好ましい。コンタクト層
(11)は、通常、GaAs材料にて構成される。この
層は通常電極との接触抵抗率を低くするためにキャリア
濃度を他の層より高くすることが行われる。また、通
常、バッファ層(2)の厚さは0.1〜3μm、第一導
電型クラッド層(3)の厚さは0.5〜3μm、活性層
(4)の厚さは量子井戸構造の場合1層当たり0.00
05〜0.02μm、第二導電型第一クラッド層(5)
の厚さは0.05〜0.3μm第導電型第二クラッド層
(8)の厚さは0.5〜3μm、キャップ層(10)の
厚さは0.005〜0.5μm、電流ブロック層(9)
の厚さは0.3〜2μmの範囲から選択される。
(12)、(13)を形成して構成される。電極(1
2)は、p型の場合、コンタクト層(11)表面に例え
ばTi/Pt/Auを順次に蒸着した後、アロイ処理す
ることによって形成される。一方、電極(13)は、基
板(1)の表面に形成され、n型電極の場合、例えばA
uGe/Ni/Auを順次に蒸着した後、アロイ処理す
ることによって形成される。
を劈開していわゆるレーザバーの状態とするが、本発明
では必ずしも一般的にいって繁雑な真空中での劈開工程
を必要としない。常圧の大気中あるいは窒素雰囲気中で
の劈開においても、端面での非発光再結合中心となる前
記第一導電型クラッド層(3)、活性層(4)、第二導
電型クラッド層(5)、(8)、さらには端面に露出さ
れる基板(1)、電流ブロック層(9)、コンタクト層
(11)等の構成要素である各元素の中で、共振器ミラ
ー近傍に位置する元素の内の、少なくともひとつの酸化
物及び/又は窒化物等、特に酸化物の状態で存在するも
のを以下の処理によって除去することが可能だからであ
る。
ある。特に希ガスをイオン化したプラズマ照射、特にA
rプラズマの照射は効果的である。さらに好適にはこの
Arプラズマの照射エネルギーを25eVから300e
V程度、より好ましくは25eVから100eVの低エ
ネルギー範囲で用いる事によって、半導体端面へのダメ
ージを過度に与えることなく、非発光再結合中心となる
これら酸化物、窒化物等の除去が実現可能である。この
処理は、例えば、不純物のイオン打ち込み等の従来技術
に比較して非常に低いエネルギーでの処理であるため、
端面へのダメージ導入をおさえた形でプロセス出来る点
が優れているといえる。酸化物の端面からの除去という
観点では特にAs−Oの除去には効果的である。またG
a−O等についても同様の効果がある。
酸化物の形態では存在しないかどうかを分析する方法と
しては、例えばXPS(X-ray Photo-electron Spectr
oscopy X線光電子分光法)がある。これは各元素の化
学結合状態を知る上で非常に有益な手段であって、100
μm×100μm程度の大きさに絞ったX−線を、レーザ
端面に照射し、この結果発生する光電子をエネルギー分
光することでレーザ端面を構成する各元素の化学的結合
状態を確認できる。この時に、光電子検出器のサンプル
表面となす角度を変化させることで、表面近傍の情報の
みを得ることも容易に行うことが出来る。また、一般の
レーザは後述の通り誘電体、あるいは誘電体と半導体の
対によるコーティングが端面に施されているため、上記
XPS測定の前に種々のエッチング法を用いて、分析に
適した厚みまで、コーティング膜を薄くすることが行わ
れるのが普通である。また、2nm程度の薄いコーティ
ング膜が形成されているレーザに関しては、この様なエ
ッチング等の処理をすることなく半導体レーザ端面の分
析も可能である。
照射効果は上記酸化物あるいは場合によっては窒化物の
除去にとどまらない。前述のとおり活性層の望ましい形
態として、量子井戸を形成し、特にその材料系がAlG
aAs系材料、InGaAs系材料、InGaP系材
料、AlGaInP系材料等の際には、駆動中の不活性
化層(14)の拡散、例えばSiの拡散ではなく、レー
ザの作製工程中に端面近傍を無秩序化でき、かつ高抵抗
化している端面を作りこめる効果がある。これはレーザ
作製初期での端面近傍のバンドギャップの増大と、端面
近傍の高抵抗化、すなわち端面での光吸収の抑制と、破
壊しやすい端面への電流注入の抑制効果を意味し、レー
ザのさらなる長寿命化が期待できる。
面近傍のバンドギャップを広げて発振波長λに対して透
明化する効果もあり、不活性化層(14)がLD駆動中
に拡散しながら、さらに、端面近傍のバンドギャップを
広げていく効果と相まって、高出力、長寿命の素子を実
現するものである。本発明方法は、共振器端面、即ち劈
開面へのプラズマ照射を特徴とするが、より詳しくは、
該端面に露出し、該端面を形成する第一導電型クラッド
層、活性層及び第二クラッド層には少なくともプラズマ
を照射することが好ましく、通常は、他の層も含めた端
面全面にプラズマを照射する。またプラズマ照射は、1
0-3Torr以下程度、好ましくは10-4Torr以下、最も好
ましくは10-5Torr以下程度の真空中で行う。
る。これは端面発光型のレーザの場合に広く用いられる
が、面発光レーザの様に共振器が結晶成長過程で作製さ
れる場合もある。
板の方位によって異なる。例えば、好適に利用される名
目上(100)(nominally (100))と結晶学的に
等価な面をもつ基板を使用し端面発光型レーザ等の素子
を形成する際には、(110)もしくはこれと結晶学的
に等価な面が共振器を形成する面となるが、前述のオフ
基板(miss oriented substrate)を使用した際には、そ
の傾斜させた方向と共振器方向の関係によっては端面が
共振器方向と90°をなさない場合もある。たとえば
(100)基板から、(1−10)方向にむけて角度を
2°傾けた基板を使用した際には端面も2度傾く事とな
る。
半導体発光素子の端面に形成され、端面を構成する元素
が結合すると非発光再結合中心を形成してしまう、たと
えば酸素等の元素との化学反応を防止する層である。不
活性化層は、少なくとも端面を形成する第1導電型クラ
ッド層、活性層及び第2導電型クラッド層を被覆する様
に形成されるが、通常は、端面全体を被覆する様に形成
される。
真空中でプラズマ照射後、引き続き真空中、即ち、10
-3Torr以下程度の真空中、好ましくは10-6Torr以下程
度、最も好ましくは10-7Torr以下程度の高真空中で形
成される。不活性化層の材料としては、Si、Ge、
S、Se等が挙げられるが、中でもSiを含むことが好
ましく、50原子%以上のSiを不活性化層に含むこと
が好ましい。
着される元素は活性層中に拡散した際にn型の不純物と
なるものが望ましく、好適には前述のとおりSiが利用
される。Siはその製法によって構造、特徴が結晶学的
に異なるが、単結晶、多結晶、アモルファスのいずれの
場合についても効果が認められる。特に好適には高真空
中で低製膜レートで形成されたアモルファスSiが利用
される。一般的にSiの吸収端はその膜質によって異な
るが、約2μm以上の波長に対しては透明であり、吸収
はないと考えられる。逆に約2μmよりも短い波長にた
いしては、Siの屈折率NはN=n+ikとなりnは屈
折率の実数部分、kは消散係数であり、nは約3.5で
ある。
p(nm)は0.2(nm)より厚いことが望ましい。
しかし、一方極端に厚い膜厚、例えば100nm等も適
さない場合がある。不活性化層(14)の望ましい厚み
は、下限はそれ自体が膜として存在するための要件から
規定され、また上限は、活性層から出射される光がSi
によって吸収される効果とのバランスで決定される。す
なわち端面が全面不活性化膜で覆われる要件と、Siの
吸収による端面の温度上昇の両面の効果がSiを端面に
堆積させた場合には考えられるわけであり、この望まし
い範囲は本発明者らの実験結果では、 0.2(nm)<Tp(nm)<λ/8n(nm)・・・・・(I) (ただし、式(I)中、λは半導体発光素子の発振波長
を、nは該不活性化層の波長λにおける屈折率の実数部
分を表す。)であることを確認している。但し0.2n
m以下の厚みの場合にも効果は確認されている。
る不活性化層(14)の上に、積層された誘電体又は誘
電体及び半導体の組合せからなるコーティング層(1
5)(16)を有することが重要である。特に望ましく
は端面へのイオン照射、不活性化層(14)の形成、そ
してコーティング層(15)(16)の形成は連続して
真空中で行う。これは主には半導体レーザからの光の取
りだし効率を上げるための目的と、さらなる端面の保護
を行うという2つの目的で行われる。特に、高出力を得
るためには発振波長に対して低反射率をもつコーティン
グを前端面に施し、後端面に対しては高い反射率のそれ
を施す、非対称コーティングが広く用いられる。
ることが出来、AlOx、TiOx、SiOx、SiN、
Si及びZnSからなる群から選ばれる1種又は2種以
上の組合せることが好ましいが、低反射コーティングと
してはAlOx、TiOx、SiOx等が、また高反射コ
ーティングとしてはAlOx/Siの多層膜、TiOx/
SiOxの多層膜等が用いられる。それぞれの膜厚は所
望の反射率を実現するために調整される。しかし、一般
的には低反射コーティングとしてはAlOx、TiOx、
SiOx等がその波長λでの屈設率の実数部分をnとし
てλ/4n近傍の膜厚になるように調整されるのが一般
的である。また、高反射多層膜もそれを構成する各材料
がλ/4n近傍になるように調整され、さらにこの対を
目的に応じて積層する手法が好適である。
おいてはいわゆるIAD(Ion Assisted Depositio
n)法が好適に用いられる。これはコーティング材料の
真空蒸着と同時に、あるエネルギーをもったイオンを照
射する方法であって、特に希ガスによるイオン照射が好
適である。さらには希ガスのなかでもArイオンによる
IADは前記コーティング材料の膜質向上に多大な効果
がある。特にArイオンの照射の最適な条件は、25e
Vから300eV程度、より好ましくは50eVから2
00eV程度の低エネルギー範囲で用いる事であり、こ
れによって、半導体端面へのダメージを与えずにコーテ
ィングが可能である。また、10-3Torr以下、より好ま
しくは10-4Torr以下、最も好ましくは10-5Torr以下
程度の真空中で行うのがよい。
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。 (実施例1)図2に示すグルーブ型のレーザ素子を以下
の通り製造した。
As基板(1)の(100)面上に、MBE法にて、バ
ッファ層(2)として1μmの厚さのキャリア濃度1×
10 18cm-3のn型GaAs層、第一導電型クラッド層
(3)として1.5μmの厚さのキャリア濃度1×10
18cm-3のn型Al0.35Ga0.65As層、次いで厚さ2
4nmのアンドープのGaAs光ガイド層上に厚さ6n
mのアンドープIn0. 2Ga0.8Asの単一量子井戸(S
QW)、さらにその上に厚さ24nmのアンドープGa
As光ガイド層を有する活性層(4)、第二導電型第一
クラッド層(5)として厚さ0.1μm、キャリア濃度
1×1018cm-3のp型Al0.35Ga0. 65As層、第2
エッチング阻止層(6)として厚さ10nm、キャリア
濃度1×1018cm-3のp型GaAs層、第1エッチン
グ阻止層(7)として厚さ20nm、キャリア濃度5×
1017cm-3のn型In0.49 Ga0.51P層、電流ブロ
ック層(9)として厚さ0.5μm、キャリア濃度5×
1017cm-3のn型Al0. 39Ga0.61As層、キャップ
層(10)として厚さ10nm、キャリア濃度1×10
18cm-3のn型GaAs層、を順次積層した。
分に窒化シリコンのマスクを設けた。この場合に、窒化
シリコンマスクの開口部の幅は1.5μmとした。第1
エッチング阻止層をエッチングストップ層としてエッチ
ングを行い、電流注入領域部分のキャップ層(10)と
電流ブロック層(9)を除去した。この時用いたエッチ
ャントは、硫酸(98wt%)、過酸化水素(30wt
%水溶液)及び水を体積比で1:1:5で混合したもの
を用い、25℃で30秒間行なった。
%)を1:6で混合したエッチング液に2分30秒間浸
漬して窒化シリコン層を除去し、更に第2エッチング阻
止層をエッチングストップ層として、電流注入領域部分
の第1エッチング阻止層をエッチング除去した。この時
用いたエッチャントは、塩酸(35wt%)と水を2:
1に混合したものであり、温度は25℃、時間は2分間
とした。
クラッド層(8)としてキャリア濃度1×1018cm-3
のp型Al0.35Ga0.65As層を埋め込み部分(電流注
入領域部分)で1.5μmの厚さになるよう成長させ、
最後に電極との良好な接触を保つためのコンタクト層
(11)として、厚さ7μm、キャリア濃度1×1019
cm-3のp型GaAs層を成長させレーザ素子を形成し
た。このレーザ素子の電流注入領域の幅W、即ち、第二
導電型第二クラッド層の、第二エッチング阻止層との界
面における幅は、2.2μmであった。
極(13)としてAuGeNi/Auを、またp−側電
極(12)にはTi/Pt/Auを蒸着させ400℃で
アロイを5分間行いウエハーを完成させた。続いて、大
気中で、共振器長700μmのレーザバーの状態に劈開
して(110)面を露出させ、Arプラズマ発生装置を
持つ真空チャンバーのなかにレーザバーをいれた。3×
10-5Torrの真空中で、平均エネルギー60eV、電流
密度150μA/cm2のArプラズマを1分間端面
(劈開面)に照射した。連続して、2×10-7Torrの真
空中で通常の電子ビーム蒸着法を用いてアモルファスS
iを2nm端面に堆積させてSi不活性化層(14)を
形成した。さらに連続的にAlOx膜を発振波長980
nmにおいて前端面の反射率が2.5%になるように1
65nm製膜し、コーティング層(15)を形成した。
AlOx製膜時には4×10-5Torrの真空中でIAD法
により、平均エネルギー120eV、電流密度200μ
A/cm2のArプラズマをAlOxの端面への供給と同
時に照射した。
屈折率は、その実数部分が約3.4であることを確認し
ている。
レーザバーを真空チャンバーから取りだした。後端面側
においても前端面側と全く同様にしてArプラズマ照射
及びSi不活性化層(14)の形成を行い、さらに連続
して、AlOx膜を170nm/アモルファスSiを6
0nm/AlOx膜を170nm/アモルファスSiを
60nmと連続した4層のコーティング層(16)を形
成し、反射率92%の後端面を作製した。なお、AlO
x膜の製膜は、前端面側と同様のIAD法により、アモ
ルファスSiの製膜は、前端面側と同様の電子ビーム蒸
着法により行なったこのレーザバーの1サンプルを端面
分析用としてXPS測定を行なった。この際に光電子の
とりだし角度は75度とし半導体レーザ端面の状態を観
測した。この結果通常大気に一度さらされてしまったG
aAs(110)面に存在するGa−O、As−Oとも
まったく検出されなかった。
として1デバイスを取り出し、前端面のAlOx層とS
i層をフッ酸系のエッチャントで取り除いた後真空分析
装置に入れ、電子エネルギー損失分光法を用いて活性層
の前端面近傍のバンドギャップを測定した。電子エネル
ギー損失分光法はサンプル表面近傍(最大分析深さ1.
5nm程度)のみの情報を得る分析法であるため、バル
ク領域の物性値に影響されることなくレーザ端面のバン
ドギャップを測定する有力な手法である。100nmφ
程度に絞った1000eVの電子線をレーザ端面の活性
層付近に照射し、表面酸化層の奥で半導体そのものの端
面から1nmの深さの領域から回折した損失電子のエネ
ルギーを分析したところ、バンド間遷移に起因する損失
ピークから、InGaAs量子井戸層端面近傍のバンド
ギャップが1.5eV、GaAs光ガイド層端面近傍の
バンドギャップが1.65eVと測定された。フォトル
ミネッセンス測定から求めた室温のInGaAs量子井
戸活性層の量子準位間のエネルギーギャップは1.29
eVであり、GaAsのバンドギャップは1.41eV
であることから、Arプラズマ照射によって端面近傍の
バンドギャップが広がり、端面は発振波長に対して透明
である事を確認した。
サブマウント上にのせ、窒素雰囲気中でパッケージし
た。デバイスの平均的初期特性としては25℃で閾値電
流が23mAであり、350mA、250mWでキンク
が観測された。この集団に対して寿命試験を行なった。
200mW、50℃で加速試験をした結果、図3に示す
通り2000hrs経過した時点での突然死はなく安定
な動作が確認された。
鏡(TEM)で観察するためのサンプルに加工し、その
端面近傍の活性層付近と、バルクの様子を比較した。こ
の結果、Arプラズマ照射された端面近傍において、活
性層付近の結晶性が崩れ、無秩序化が起こっていること
が確認された。
前端面側と同様のIAD法により形成したSiO x膜を
200nm/TiOxを120nm/SiOx膜を200
nm/TiOxを120nm/SiOx膜を200nm/
TiOxを120nmと連続した6層とし、反射率88
%の後端面とした以外は前記実施例1と全く同様にして
レーザバーを作製した。
として前記実施例1と全く同様にしてXPS測定を行っ
たところ、Ga−O、As−Oともまったく検出されな
かった。また、このレーザバーから分析用サンプルとし
て1デバイスを取り出し、前記実施例1と同様に損失電
子のエネルギーを分析したところ、バンド間遷移に起因
する損失ピークから、InGaAs量子井戸層端面近傍
のバンドギャップが1.5eV、GaAs光ガイド層端
面近傍のバンドギャップが1.65eVと測定された。
フォトルミネッセンス測定から求めた室温のInGaA
s量子井戸活性層の量子準位間のエネルギーギャップは
1.29eVであり、GaAsのバンドギャップは1.
41eVであることから、Arプラズマ照射によって端
面近傍のバンドギャップが広がり、端面は発振波長に対
して透明である事を確認した。
ンプルとは別に、寿命試験用サンプルとして5デバイス
を取り出し、放熱用サブマウント上にのせ、窒素雰囲気
中でパッケージした。デバイスの平均的初期特性として
は25℃で閾値電流が25mAであり、359mA、2
40mWでキンクが観測された。この集団に対して行な
った200mW、50℃での寿命試験結果では、図4の
通り、2000hrs経過した時点での突然死はなく安
定な動作が確認された。
く同様にしてTEMで観察したところ、Arプラズマ照
射された端面近傍において、活性層付近の結晶性が崩
れ、無秩序化が起こっていることが確認された。
不活性化層(14)の形成及びそれに先立つArプラズ
マ照射を行わず、かつコーティング層(15)及び(1
6)の形成をIAD法を用いずに、通常の電子ビーム蒸
着法を用いて行なった以外は、前記実施例と全く同様に
したところ、デバイスの平均的初期特性としては、実施
例と同様に25℃で閾値電流が23mAであり、350
mA、250mWでキンクが観測されたが、寿命試験に
おいては、100hrs経過するまでに10デバイスす
べてが図5の様に突然死した。
析、電子エネルギー損失分光分析、及びTEM観察を行
い、端面にGa−Oが存在すること、量子井戸層及び光
ガイド層のバンドギャップは端面近傍でもバルク領域と
同様であること、さらには、端面近傍の結晶の外観はバ
ルク領域の単結晶と同様であることを確認した。 (比較例2)前端面及び後端面とも、Si不活性化層の
形成を行わなかった以外は前記実施例1と全く同様にし
たところ、デバイスの平均的初期特性としては25℃で
閾値電流が23mAであり、350mA、250mWで
キンクが観測された。これは実施例1と同様の結果であ
った。しかし、このデバイス10個の集団に対してを行な
った寿命試験(200mW、50℃)は2000hrs
経過した時点での突然死が、図6の通り、6デバイス確
認された。また劣化速度も実施例1より大きくなってし
まった。
不活性化層の形成に先立つArプラズマ照射を行わなか
った以外は、前記実施例1と全く同様にしたところ、デ
バイスの平均的初期特性としては25℃で閾値電流が2
3mAであり、350mA、250mWでキンクが観測
された。これは実施例1と同様の結果であった。しか
し、実施例1と同数の10デバイスの集団に対してを行
なった寿命試験(200mW、50℃)は図7の様に、
250hrs経過した時点ですべてのデバイスが突然死
した。
析、電子エネルギー損失分光分析、及びTEM観察を行
い、端面にGa−Oが存在すること、量子井戸層及び光
ガイド層のバンドギャップは端面近傍でもバルク領域と
同様であること、さらには、端面近傍の結晶の外観はバ
ルク領域の単結晶と同様であることを確認した。 (比較例4)前端面及び後端面とも、Si不活性化層の
形成及びそれに先立つArプラズマ照射を行わなかった
以外、前記実施例2と全く同様にしたところ、電子エネ
ルギー損失分光法により測定したInGaAs量子井戸
活性層端面のバンドギャップは1.28eVと、フォト
ルミネッセンスで測定したバルク領域の値とほぼ同じで
あった。また、寿命試験の結果は図8に示すとおり、1
00hrs経過した時点で5デバイスすべてが突然死し
た。
析及びTEM観察を行い、端面にGa−Oが存在するこ
と、及び端面近傍の結晶の外観はバルク領域の単結晶と
同様であることを確認した。
子端面での界面準位密度を長期間にわたって安定に抑制
し、しかも、不活性化層(14)の拡散が起こった際に
も安定に動作する半導体発光素子を、簡便な製造方法で
実現可能とするものであり、多大な工業的利益を提供す
るものである。
ら見た断面説明図である。
00mW一定出力、50℃)の結果である。
00mW一定出力、50℃)の結果である。
00mW一定出力、50℃)の結果である。
00mW一定出力、50℃)の結果である。
00mW一定出力、50℃)の結果である。
00mW一定出力、50℃)の結果である。
4:活性層 5:第二導電型第一クラッド層 6:第
二エッチング阻止層 7:第一エッチング阻止層 8:第二導電型第二クラッド層 9:電流ブロック層
10:キャップ層 11:コンタクト層 12:電極
13:電極 14:不活性化層 15:コーティング層
16:コーティング層
Claims (22)
- 【請求項1】 基板上に、第一導電型クラッド層、活性
層及び第二導電型クラッド層を含む化合物半導体層が形
成されてなり、共振器構造を有する半導体発光素子の製
造方法において、基板上に化合物半導体層を順次結晶成
長した後、劈開により共振器端面を形成し、次いで、該
端面に真空中でプラズマ照射し、当該プラズマ照射した
面上に引き続き真空中で不活性化層を形成することを特
徴とする半導体発光素子の製造方法。 - 【請求項2】 前記劈開を常圧で行うことを特徴とする
請求項1記載の半導体発光素子の製造方法。 - 【請求項3】 前記劈開を大気中もしくは窒素雰囲気中
で行うことを特徴とする請求項1又は2記載の半導体発
光素子の製造方法。 - 【請求項4】 前記不活性化層を構成する材料を活性層
に拡散させた際にn型の不純物となる材料で構成するこ
とを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の半
導体発光素子の製造方法。 - 【請求項5】 前記不活性化層をSiを含む材料で構成
することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記
載の半導体発光素子の製造方法。 - 【請求項6】 前不活性化層を、その厚みTp(nm)
が下記式(I)で表される範囲となる様に形成すること
を特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の半導
体発光素子の製造方法。 0.2(nm)<Tp(nm)<λ/8n(nm)・・・・・(I) (ただし、式(I)中、λは半導体発光素子の発振波長
を、nは該不活性化層の波長λにおける屈折率の実数部
分を表す。) - 【請求項7】 前記プラズマ照射が18族元素のプラズ
マ照射であることを特徴とする請求項1ないし8のいず
れかに記載の半導体発光素子の製造方法。 - 【請求項8】 前記18族元素がArであることを特徴
とする請求項7記載の半導体発光素子の製造方法。 - 【請求項9】 照射するArプラズマのエネルギーが2
5eV以上300eV以下であることを特徴とする請求
項8記載の半導体発光素子の製造方法。 - 【請求項10】 前記不活性化層の形成後、その表面に
更に誘電体又は誘電体及び半導体の組合せからなるコー
ティング層を形成することを特徴とする請求項1ないし
9のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法。 - 【請求項11】 前記コーティング層を、不活性化層の
形成後、引き続き真空中で形成することを特徴とする請
求項10記載の半導体発光素子の製造方法。 - 【請求項12】 前記コーティング層を形成する際、真
空中で、端面に対するコーティング層の原料供給とプラ
ズマ照射を同時に行うことを特徴とする請求項10又は
11記載の半導体発光素子の製造方法。 - 【請求項13】 前記プラズマ照射が18族元素のプラ
ズマ照射であることを特徴とする請求項12記載の半導
体発光素子の製造方法。 - 【請求項14】 前記18族元素がArであることを特
徴とする請求項13記載の半導体発光素子の製造方法。 - 【請求項15】 照射するArプラズマのエネルギーが
25eV以上300eV以下であることを特徴とする請
求項14記載の半導体発光素子の製造方法。 - 【請求項16】 前記コーティング層が、AlOx、T
iOx、SiOx、SiN、Si及びZnSからなる群か
ら選ばれる1種又は2種以上の組合せからなることを特
徴とする請求項10ないし15のいずれかに記載の半導
体発光素子の製造方法。 - 【請求項17】 前記コーティング層が、低反射コーテ
ィング層及び高反射コーティング層を含むことを特徴と
する請求項10ないし16のいずれかに記載の半導体発
光素子の製造方法。 - 【請求項18】 前記低反射コーティング層がAlOx
を含み、前記高反射コーティング層がAlOx及びSi
を含むことを特徴とする請求項17記載の半導体発光素
子の製造方法。 - 【請求項19】 前記活性層がIn及び/又はGaを含
むことを特徴とする請求項1なし18のいずれかに記載
の半導体発光素子の製造方法。 - 【請求項20】 前記活性層がAlxGa1-xAs(0≦
x≦1)、InxGa1-xAs(0≦x≦1)又は(Al
xGa1-x)yIn1-yP(0≦x,y≦1)からなること
を特徴とする請求項19記載の半導体発光素子の製造方
法。 - 【請求項21】 前記活性層の導電型をp型とすること
をを特徴とする請求項1ないし20のいずれかに記載の
半導体発光素子の製造方法。 - 【請求項22】 共振器端面が(110)面又はそれと
結晶学的に等価な面であることを特徴とする請求項1な
いし21のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方
法。
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