JPH10223979A - 半導体レーザ - Google Patents
半導体レーザInfo
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Abstract
問題のない半導体レーザを工業的有利に提供する。 【解決手段】 半導体基板上に第一導電型クラッド層、
活性層および第二導電型クラッド層を有する半導体レー
ザにおいて、共振器を形成する少なくとも一つの端面近
傍であって、活性層の端部に窒化された領域を有するこ
とを特徴とする半導体レーザ。
Description
るものである。本発明のレーザは光ファイバー増幅器用
励起光源、光情報処理用の光源等の、高出力、長寿命の
両立を要求される用途に好適に利用される。
術の進展には目ざましい物がある。例えば、光磁気ディ
スクによる高密度記録、光ファイバーネットワークによ
る双方向通信と枚挙に暇がない。例えば、通信分野にお
いては、今後のマルチメディア時代に本格的に対応する
大容量の光ファイバー伝送路とともに、その伝送方式に
対する柔軟性を持つ信号増幅用のアンプとして、Er3+
等の希土類をドープした光ファイバー増幅器(EDF
A)の研究が各方面で盛んに行なわれている。そして、
EDFAのコンポーネントとして不可欠な要素である、
高効率な励起光源用の半導体レーザの発明が待たれてい
る。
源の発振波長は原理的に3種類存在し、800nm、9
80nm、1480nmである。このうち増幅器の特性
から見れば980nmでの励起が、利得、ノイズ等を考
慮すると最も望ましいことが知られている。このような
980nmの発振波長を有するレーザは励起光源として
高出力であることと長寿命であるという相反する特性を
満足することを望まれている。さらにこの近傍の波長、
たとえば890−1200nmにおいてはSHG光源、
レーザプリンタ用の熱源としての要求もあり、その他種
々の応用面においても高出力で信頼性の高いレーザの開
発がまたれている。
度の光出力において2年程度の連続使用に耐える半導体
レーザが開発されているが、より高い光出力における動
作では急速な劣化がおこり、信頼性は不十分である。こ
の原因のひとつは、非常に高い光密度にさらされるレー
ザ光の出射端面の劣化に起因するものである。GaAs
/AlGaAs系 GaAs/InGaAlP系の半導
体レーザでもよく知られているように、レーザ端面近傍
には多数の表面準位が存在するが、これらの準位がレー
ザ光を吸収するため、一般的に端面近傍の温度はレーザ
内部の温度よりも高くなり、この温度上昇がさらに端面
近傍のバンドギャップを狭くし、さらにレーザ光を吸収
しやすくするといった正帰還がおきると説明されてい
る。この現象は瞬時に大電流を流した際に観測される端
面破壊いわゆるCOD(catastrophic Optical Damag
e)、また長期に通電試験した際のCODレベルの低下に
伴う素子の突然劣化として多くの半導体レーザ素子にお
いて共通の問題となっている。
近傍の活性層領域のバンドギャップを発振波長に対して
透明になるようにし、前述の端面近傍での光吸収をおさ
える方法が種々提案されている。これらの構造のレーザ
は一般に窓構造レーザあるいはNAM(non Absorbing
Mirror)構造レーザと呼ばれており、高出力を必要とす
る際には非常に効果的である。
レーザ端面に発光波長に対して透明な半導体材料をエピ
タキシャル成長させる方法や、ZnあるいはSi等をレ
ーザの端面近傍の活性層に不純物として意図的に拡散さ
せ、無秩序化させる種々の方法等が提案されている。
発光波長に対して透明な半導体材料をエピタキシャル成
長させる方法では、レーザをいわゆるバーの状態にして
端面へのエピタキシャル成長を行うために、この後に行
う電極工程が非常に煩雑なものとなってしまう。Znあ
るいはSi等をレーザの端面近傍の活性層に不純物とし
て意図的に拡散させ、無秩序化させる方法の場合は、一
般にこの拡散はレーザ素子のエピタキシャル方向から基
板方向に向かって行われるため、拡散深さの制御性、ま
た共振器方向に対する横方向拡散の制御性に問題があり
安定した作成は難しい。また拡散を行った領域での抵抗
の低下に伴う無効電流の発生がレーザのしきい値電流や
駆動電流を増加させる等の問題があった。
なわれたもので、その目的は、簡便な方法で作製可能
な、無効電流等の無い、高性能の窓構造を有する半導体
レーザを提供することにある。
題を解決すべく鋭意検討した結果、N2プラズマを、半
導体レーザの共振器を形成する端面側から照射して当該
端面を処理すると、不純物を拡散する場合の様な拡散深
さの制御性や共振器方向に対する横方向拡散の制御性の
問題なく、また、端面にエピタキシャル成長を行う場合
の様に電極形成が困難になるといった問題もなく、容易
に端面を透明化でき、しかも端面近傍の抵抗が下がって
無効電流が流れるといった問題もなく、ひいては、高出
力、長寿命を両立させた半導体レーザとなし得ることを
見出し、本発明に到達した。
に第一導電型クラッド層、活性層および第二導電型クラ
ッド層を有する半導体レーザにおいて、共振器を形成す
る少なくとも一つの端面近傍であって、活性層の端部に
窒化された領域を有することを特徴とする半導体レーザ
に存する。
る。本発明半導体レーザは、半導体基板上に第一導電型
クラッド層、活性層および第二導電型クラッド層を有
し、端面を共振器構造として利用する半導体レーザであ
れば、その構造の詳細は特に限定されないが、以下に、
具体的構造の一例として、屈折率導波機構を有し、第二
導電型クラッド層が第一、第二の二層に分かれ、第二導
電型第二クラッド層と電流ブロック層とで電流注入領域
を形成する構造の半導体レーザについて説明する。その
様な半導体レーザは、光通信に用いられる光ファイバー
増幅器用の励起光源として望まれる、活性層にInGa
As量子井戸を含む発振波長980nm近傍、即ち、9
00〜1200nm、より好ましくは900〜1100
nmのレーザの構造として好ましい。
ピタキシャル構造の一例としてグルーブ型の半導体レー
ザを構成した模式的一例である。本発明の半導体レーザ
において、半導体基板としては、通常、所謂III−V族
化合物単結晶基板(ウエハ)が使用される。III−V族
化合物単結晶基板は、周期律表の第IIIb族元素と第Vb
族元素との化合物のバルク結晶から切り出して得られ
る。ウエハの材料としては、GaP、GaAs、InP
等の群から、目的とする波長、活性層の材料、望まれる
光出力等によって適宜選択される。活性層にInGaA
s量子井戸を含む場合は、特にGaAsが好適に使用さ
れる。
完全性を緩和し、結晶軸を同一にしたエピタキシャル薄
膜の形成を容易にするために設けることが好ましい。バ
ッファ層(2)は、基板(1)と同一の化合物で構成す
るのが好ましく、活性層にInGaAs量子井戸を含
み、GaAs基板が用いられた場合は、通常、GaAs
が使用される。
活性層(4)の平均的屈折率より小さな屈折率を有する
材料で構成され、バッファ層(2)としてGaAsを使
用した場合は、通常、AlGaAs系材料(AlV Ga
1-V As)またはIn0.49Ga0.51Pが使用される。A
lGaAs系材料については、その混晶比は、屈折率が
上記の条件を満足する様に適宜選択される。
れない。例えば、Asおよび/またはPをV族として含
む化合物半導体の場合には、窒化の効果のみで、端面近
傍に、窓構造を形成することができる。また、活性層に
窒素を含む様なIII-V族化合物半導体の場合にも、より
窒化されることによって同様の効果が期待できる。活性
層が、量子井戸構造を有する場合には、単一量子井戸
(SQW)構造、二重量子井戸(DQW)構造、多重量
子(MQW)構造等を適宜採用することができ、通常、
光ガイド層が併用され、必要に応じて量子井戸の分離の
ために障壁層が併用されるが、自然超格子を形成しない
様な材料によって構成される量子井戸構造の場合にも、
障壁層と量子井戸層のミキシングを引起こすことができ
るのでN2プラズマ照射の効果は十分に期待できる。こ
の場合、活性層全体の厚さに対して量子井戸の厚さが薄
い程、端面処理の効果が顕著になる傾向がある。
長や出力などによって、適宜選択される。少なくともI
nまたはGaを含む材料は、自然超格子を形成する傾向
があり、この観点から、この種の材料は、成膜条件によ
っては秩序化しやすいということもできる。このためN
2プラズマ照射による無秩序化の効果が大きいので、よ
り透明化しやすい。具体的には、GaAs材料、AlG
aAs系材料、InGaAs系材料、InGaAsP系
材料、InGaAlP系材料等が挙げられ、好ましくは
InおよびGaを含む材料、最も好ましくは、InqG
a1-qAs(0<q<1)の様なIn、GaおよびAs
を含む材料からなる活性層を有する980nm近傍、即
ち、890〜1200nm程度の発光波長の半導体レー
ザに対して好適に作用する。また、障壁層の組成として
は、Alx Ga1-x As(0≦x≦1)が好ましい。
層(4)の平均的屈折率よりも小さな屈折率を有する材
料で構成される。そして、第二導電型第一クラッド層
(5)の屈折率と、第一導電型クラッド層(3)のそれ
とは通常同一とされる。従って、第二導電型第一クラッ
ド層(5)の材料としては、第一導電型クラッド層
(3)と同様の材料が使用され、その混晶比は、第一導
電型クラッド層(3)と通常同一とされる。
びキャップ層が記載されているが、これらの層は、本発
明の好ましい態様において採用され、電流注入領域分の
作り込みを精密かつ容易に行うのに有効である。第二エ
ッチング阻止層(6)は、AlaGa1-aAs(0≦a≦
1)材料にて構成されるが通常はGaAsが好適に使用
される。これはMOCVD法等で第二導電型第二クラッ
ド層等を再成長させる際に結晶性よく積層することがで
きるためである。第二エッチング阻止層(6)の厚さは
通常2nm以上が好ましい。
a1-b P(0≦b≦1)で表される層が好適であり、G
aAsを基板として使用した際は、通常歪みのない系で
b=0.49が用いられる。第一エッチング阻止層の厚
さは通常5nm以上であり、好ましくは10nm以上で
ある。5nm未満であると、膜厚の乱れ等により、エッ
チングを阻止することができなくなってしまう可能性が
ある。一方膜厚によっては歪み系を用いることもでき、
b=0、b=1等を用いることも可能である。
いて電流ブロック層(9)の保護層として用いられると
同時に第二導電型第二クラッド層(8)の成長を容易に
するために用いられ、素子構造を得る前に、一部または
全て除去される。電流ブロック層(9)としては、文字
通り電流をブロックして実質的に流さないことが必要で
あるので、その導電型は第一導電型クラッド層(3)と
同一かあるいはアンドープとすることが好ましく、ま
た、通常第二導電型第一クラッド層(5)と同様の材料
からなる第二導電型第二クラッド層(8)より屈折率が
小さいことが好ましい。通常、電流ブロック層(9)は
AlzGa1-zAs(0<z≦1)からなり、したがって
混晶比としては第二導電型第二クラッド層(8)がAl
vGa1-vAs材料の場合はz≧v、In0.49Ga0.51P
の場合にはx<0.45かつz>0.5になることが好
ましい。また、上述の障壁層との関係では、x<v≦z
とすることが好ましい。
極の接触抵抗率を下げるため等の目的でコンタクト層
(11)を設けるのが好ましい。コンタクト層(11)
は、通常、GaAs材料にて構成される。この層は通常
電極との接触抵抗率を低くするためにキャリア濃度を他
の層より高くすることが行われる。また、通常、バッフ
ァ層(2)の厚さは0.1〜1μm、第一導電型クラッ
ド層(3)の厚さは0.5〜3μm、活性層(4)を構
成する量子井戸、光ガイド層および障壁層は、各層1層
当たり0.0002〜0.2μm、第二導電型第一クラ
ッド層(5)の厚さは0.05〜0.4μm第導電型第
二クラッド層(8)の厚さは0.5〜3μm、キャップ
層(10)の厚さは0.005〜0.5μm、電流ブロ
ック層(9)の厚さは0.3〜2μm、コンタクト層の
厚さは0.3〜10μmの範囲から選択される。
(12)、(13)を形成して構成される。電極(1
2)は、p型の場合、コンタクト層(11)表面に例え
ばTi/Pt/Auを順次に蒸着した後、アロイ処理す
ることによって形成される。一方、電極(13)は、基
板(1)の表面に形成され、n型電極の場合、基板
(1)表面に例えばAuGe/Ni/Auを順次に蒸着
した後、アロイ処理することによって形成される。
ハは、劈開してレーザーバーに分割し、共振器を形成す
る少なくとも1つの端面に、窒化された領域を形成す
る。例えば、それには真空中でN2プラズマを照射す
る。この場合、活性層だけでなく、半導体基板、第一導
電型クラッド層、第二導電型クラッド層等他の半導体層
も窒化される。本発明では、この様に、電極形成後に端
面処理するので、即ち、端面を露出させるための劈開前
のウエハに電極を形成することができるので、例えば、
端面に半導体層を形成して透明化する場合と比べ、劈開
後のレーザーバーのひとつひとつに電極を形成するとい
う煩雑な工程が不要となるので製造上も有利である。
V以上500eV以下が好ましい。5eV未満だとN2
プラズマ照射の効果が十分でなく、レーザの長期間にわ
たる定格出力動作下での突然劣化の問題が解決できない
場合がある。エネルギーが500eVを越えると、無秩
序化が激しく起こりすぎ、レーザの破壊が起こり、初期
特性における最大出力の低下につながる場合がある。ま
た、このとき、N2プラズマ照射の好ましい条件は、電
流密度で1μA/cm2〜1mA/cm2、時間は15秒
〜30分である。
を行うこともできる。通常、光を取り出す前端面には単
層のAlOx膜、SiOx膜、SiNx膜等を成膜して低
反射面とし、後端面にはAlOx/α−Si、SiOx/
TiOx等を複数層成膜して高反射面とすることが行わ
れる。このとき、好ましい反射率は前端面側で0.5〜
20%、より好ましくは2〜10%、後端面側で50〜
98%、より好ましくは85〜95%である。本発明に
おいては、かかる端面の非対称コーティングを、N2照
射に引き続き、真空を破らずに行うことが好ましい。端
面非対称コーティングされたレーザーバーは、チップ単
位に分割され、レーザーダイオード(LD)として利用
される。
る。端面とその近傍の領域15が、N2イオン照射によ
って形成された窒化された領域であり、ワイドバンドギ
ャップ化されている。また、活性層に量子井戸を含む場
合にはこれによって端面近傍の量子井戸は無秩序化さ
れ、また、ワイドバンドギャップ化もされている。この
ため両端面近傍はレーザの発振波長において透明化され
ている。また図1中、15で表される部分においては、
各層がN2プラズマに曝されるている場合には、キャリ
アが不活性化されて高抵抗化されており、電流が流れに
くいため両端面において電流非注入となっており無効電
流等による素子の特性の低下が少ない。
る少なくとも一つの端面近傍であって、活性層の端部に
窒化された領域を有し、かかる半導体レーザは、例え
ば、共振器を形成する少なくとも一つの端面にN2プラ
ズマを当該端面側から照射することにより容易に製造で
きる。その場合、窒化された領域は、同時に高抵抗化さ
れ、即ち、同一層内で隣接するN2プラズマ照射の影響
がない部分よりも抵抗が高く、かつ量子井戸を含む活性
層においては無秩序化もされている。この様な半導体レ
ーザは、いわゆる窓構造を非常に簡便に、安定して作製
でき、しかも、同時に高抵抗領域を作製することで無効
電流等の問題も生じないので、高出力で長寿命な半導体
レーザダイオードを容易に実現できる。
するグルーブ型の半導体レーザにかかわるものだが、本
発明は、リッジ型の半導体レーザ、利得導波型機構を有
するレーザ等その構成にかかわらず、本願特許請求の範
囲に記載した特徴を備える限り、いかなる半導体レーザ
にも同様に適用できる。
するが、本発明は、その要旨を越えない限り、下記実施
例により限定されるものではない。 (実施例1)図2に示すグルーブ型のレーザ素子を以下
の通り製造した。
As基板(1)上に、MBE法にて、バッファ層(2)
として1μmの厚さのキャリア濃度1×1018cm-3の
n型GaAs層、第一導電型クラッド層(3)として2
μmの厚さのキャリア濃度1×1018cm-3のn型Al
0.35Ga0.65As層、次いで、厚さ24nmのアンドー
プGaAs光ガイド層、厚さ6nmのアンドープIn
0.2 Ga0.8 As量子井戸層、厚さ10nmのアンドー
プGaAs障壁層、厚さ6nmのアンドープIn 0.2 G
a0.8 As量子井戸層および厚さ24nmのアンドープ
GaAs光ガイド層を順次積層してなる二重量子井戸
(DQW)構造を有する活性層(4)、第二導電型第一
クラッド層(5)として厚さ0.1μm、キャリア濃度
1×1018cm-3のp型Al0.35Ga0.65As層、第2
エッチング阻止層(6)として厚さ10nm、キャリア
濃度1×1018cm-3のp型GaAs層、第1エッチン
グ阻止層(7)として厚さ20nm、キャリア濃度5×
1017cm-3のn型In0.49Ga0.51 P層、電流ブロ
ック層(9)として厚さ0.5μm、キャリア濃度5×
1017cm-3のn型Al0.4Ga0.6As層、キャップ層
(10)として厚さ10nm、キャリア濃度1×1018
cm-3のn型GaAs層、を順次積層した。
に窒化シリコンのマスクを設けた。この場合に、窒化シ
リコンマスクの開口部の幅は1.5μmとした。第1エ
ッチング阻止層をエッチングストップ層としてエッチン
グを行い、電流注入領域部分のキャップ層(10)と電
流ブロック層(9)を除去した。この時用いたエッチャ
ントは、硫酸(98wt%)、過酸化水素(30wt%
水溶液)及び水を体積比で1:1:5で混合したものを
用い、25℃で30秒間行った。
%)を1:6で混合したエッチング液に2分30秒間浸
漬して窒化シリコン層を除去し、更に第2エッチング阻
止層をエッチングストップ層として、電流注入領域部分
の第1エッチング阻止層をエッチング除去した(図
7)。この時用いたエッチャントは、塩酸(35wt
%)と水を2:1に混合したものであり、温度は25
℃、時間は2分間とした。
クラッド層(8)としてキャリア濃度1×1018cm-3
のp型Al0.35Ga0.65As層を埋め込み部分(電流注
入領域部分)で2μmの厚さになるよう成長させ、最後
に電極との良好な接触を保つためのコンタクト層(1
1)として、厚さ3μm、キャリア濃度1×1019cm
-3のp型GaAs層を成長させレーザ素子を形成した。
このレーザ素子の電流注入領域の幅W、即ち、第二導電
型第二クラッド層の、第二導電型第一クラッド層との界
面における幅は、2.2μmであった。
AuGe/Ni/Auを順次蒸着した後、400℃、5
分間アロイを行なって電極を形成した後に、レーザをい
わゆるバーの状態にし真空中で両端面に平均のエネルギ
ーとして100eV、イオン電流密度として20μA/
cm2のN2プラズマを2分間ずつ照射した。この後にN
2プラズマ処理の際の真空を破らずに、引き続き、前端
面に1層のアルミナを、後端面にアルミナ/非晶質シリ
コン/アルミナ/非晶質シリコンの4層を成膜し、5%
/90%の非対称コーティングを行なった。その結果得
られた素子の初期の電流光出力特性を図3に示す。25
℃における閾値電流は21mAであった。また、200
mW出力、70℃におけるAPCモードでの寿命試験結
果を図4に示す。さらに、作製したレーザの一つを端面
の状態を分析するためのサンプルとするために、前端面
のコ−ティングをフッ酸系のエッチング液で約50Å残
してエッチングし、XPS(X線光電子分光法)を用い
て半導体レーザ端面の元素の結合状態を調べた。入射X
線は100μm×100μmに絞り、レーザ端面全体の
平均的情報を拾った。また光電子の取り出し角度は75
度とした。Gaのピークを確認したところ、Ga−As
のピーク、メタルGaのピークと共にGaの窒化物のピ
ークを、ピーク分離した結果、確認した。 (比較例1)N2プラズマ照射を行わなかった以外は、
実施例1と全く同様にした。初期の電流光出力特性図5
に示す。25℃における閾値電流は21mAであった。
また、200mW出力、70℃におけるAPCモードで
の寿命試験結果を図6に示す。
近傍が窒化されており、かつ端面近傍は、抵抗が下がる
こともないので、無効電流によるロス等の問題なく、高
出力、長寿命である等優れた特性を有する。本発明の半
導体レーザの製造方法は、共振器を形成する少なくとも
ひとつの端面にN2プラズマを照射するという簡便な方
法で、無効電流によるロス等の問題のない、高出力、長
寿命の半導体レーザを容易に製造できる。
ら見た断面説明図である。
性を示すグラフである。
力、70℃におけるAPCモードでの寿命試験の結果を
示すグラフである。
性を示すグラフである。
0℃におけるAPCモードでの寿命試験の結果を示すグ
ラフである。
ッド層 4:活性層5:第二導電型第一クラッド層
6:第二エッチング阻止層 7:第1エッチング阻止層
8:第二導電型第二クラッド層 9:電流ブロック層
10:キャップ層 11:コンタクト層 12:電極
13:電極 14:破壊 15:窒化領域
Claims (7)
- 【請求項1】 半導体基板上に第一導電型クラッド層、
活性層および第二導電型クラッド層を有する半導体レー
ザにおいて、共振器を形成する少なくとも一つの端面近
傍であって、活性層の端部に窒化された領域を有するこ
とを特徴とする半導体レーザ。 - 【請求項2】 活性層の端部以外に、共振器を形成する
少なくとも一つの端面近傍であって、半導体基板、第一
導電型クラッド層および第二導電型クラッド層の端部も
窒化された領域となっていることを特徴とする請求項1
記載の半導体レーザ。 - 【請求項3】 窒化された領域が、高抵抗化されている
ことを特徴とする請求項1または2記載の半導体レー
ザ。 - 【請求項4】 活性層が量子井戸を含み、窒化された領
域が、活性層においては無秩序化されていることを特徴
とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体レーザ。 - 【請求項5】 窒化された領域が、N2プラズマ照射に
より形成されたものであることを特徴とする請求項1〜
4のいずれかに記載の半導体レーザ。 - 【請求項6】 照射するN2プラズマが、5eV以上
500eV以下のエネルギーを有するN2プラズマであ
ることを特徴とする請求項5記載の半導体レーザ。 - 【請求項7】 端面に反射防止膜および/または高反射
膜を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに
記載の半導体レーザ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33404397A JPH10223979A (ja) | 1996-12-05 | 1997-12-04 | 半導体レーザ |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32521196 | 1996-12-05 | ||
JP8-325211 | 1996-12-05 | ||
JP33404397A JPH10223979A (ja) | 1996-12-05 | 1997-12-04 | 半導体レーザ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10223979A true JPH10223979A (ja) | 1998-08-21 |
Family
ID=26571765
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP33404397A Pending JPH10223979A (ja) | 1996-12-05 | 1997-12-04 | 半導体レーザ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10223979A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7852898B2 (en) | 2007-09-28 | 2010-12-14 | Panasonic Corporation | Semiconductor laser device and method for manufacturing the same |
-
1997
- 1997-12-04 JP JP33404397A patent/JPH10223979A/ja active Pending
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