JPH0964453A - 半導体レーザの製造方法 - Google Patents

半導体レーザの製造方法

Info

Publication number
JPH0964453A
JPH0964453A JP21320095A JP21320095A JPH0964453A JP H0964453 A JPH0964453 A JP H0964453A JP 21320095 A JP21320095 A JP 21320095A JP 21320095 A JP21320095 A JP 21320095A JP H0964453 A JPH0964453 A JP H0964453A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cleavage
plasma
laser
irradiated
protective film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21320095A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyotake Tanaka
清武 田中
Hideto Adachi
秀人 足立
Isao Kidoguchi
勲 木戸口
Akira Takamori
晃 高森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP21320095A priority Critical patent/JPH0964453A/ja
Publication of JPH0964453A publication Critical patent/JPH0964453A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体レーザ高出力化のための劈開面保護膜
の形成方法を提供する。 【構成】 同一真空容器において、半導体レーザの劈開
面203にプラズマ205を照射することにより劈開面203に
付着した水分と自然酸化膜を除去し、劈開面203を窒化
し、その後劈開面保護膜208を形成する。 【効果】 劈開面203の水分と自然酸化膜を除去するこ
とによりCODレベルが向上し、半導体レーザが高出力化
される。また、劈開面保護膜208の劈開面203への密着力
が向上し、半導体レーザの信頼性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高出力半導体レーザの製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】GaInP/AlGaInP系半導体レーザは、AlGaA
s系半導体レーザに比べて、発振波長が短く、光ディス
クシステムの記録密度の向上が可能なため、実用化され
つつあるが、記録再生型光ディスクシステムなどのピッ
クアップ用光源としては、情報の記録時に高出力が要求
され、半導体レーザの高出力化が求められている。
【0003】半導体レーザの高出力化のためには、光学
損傷(Catastrophic Optical Damage、以下CODと省略す
る)のレベルを向上させなければならない。CODは次の
ような機構で発生する。
【0004】劈開面の自然酸化膜には、高密度の表面準
位が存在し、これが非発光センターを形成するので光を
吸収する。この光吸収により劈開面近傍は発熱し、禁制
帯幅が減少しさらに一層光吸収は増加し、ついには劈開
面が融解し、劈開面の反射率が減少することによりレー
ザ発振は停止する。
【0005】CODレベルの向上の手段の例として端面透
明化構造がある。これはレーザ端面近傍の禁制帯幅をレ
ーザ内部に比べて大きくし光吸収を小さくするものであ
る。
【0006】図7(a)は特開平3-89585号公報に公開され
ている端面透明化構造の実施例を示す断面の模式図であ
る。GaAs基板1上に1.0μmのAlGaInPクラッド層2、0.
05μmのGaInP活性層3、1.0μmのAlGaInPクラッド層
4、GaAsキャップ層5を順次積層し、劈開面7にP→N
置換領域6を具備する。
【0007】図7(b)は、半導体レーザのウエハーをバー
状に劈開したレーザバー8に、電子サイクロトロン共鳴
(ECR)プラズマ装置9を用いてP→N置換処理を行う
製造方法を示す模式図である。10は試料加熱用試料
台、11は原料NH3ガス、12は排気系、13は反応室
である。劈開されたレーザバー8は劈開面を上面にして
試料加熱用試料台10に設置される。劈開されたレーザ
バー8は600℃ないし800℃に加熱することにより表面近
傍のP原子が脱離を始める。これと同時にECRプラズマ
により活性化されたNH3ガスを試料表面に供給すること
により窒素とガリウム、あるいは窒素とインジウムが結
合してP→N置換が起き表面近傍がGaInNおよびAlGaInN
に改質され、レーザ端面近傍の禁制帯幅をレーザ内部に
比べて大きくし光吸収を小さくする。このようにして高
出力半導体レーザ用の劈開面を得ようとしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
工程による高出力半導体レーザ用の製造方法では、P原
子とN原子を置換する際に、劈開されたレーザバー8
を、試料加熱用試料台10に具備されたヒータで600℃な
いし800℃に加熱するので、温度が安定するまでに1時
間程必要とし、この加熱時間がプロセス工程の作業を長
時間化する。また、真空容器内から劈開されたレーザバ
ー8を取り出す際にも、室温程度まで冷却するために同
程度の時間を要する。さらに、劈開されたレーザバー8
を600℃ないし800℃に加熱するので、P原子、In原子の
脱離による結晶性の悪化、AlGaInPクラッド層の不純物
の拡散などが、レーザ特性に悪影響を与えるという問題
点がある。
【0009】また、半導体レーザの電極は、600℃ない
し800℃に加熱すると電気的特性が劣化する恐れがある
ので、電極形成はP→N置換処理の後となる。劈開後の
レーザバー8に電極を形成する製造方法は、レーザウエ
ハーに電極を形成して後に劈開する製造方法に比べて非
常に効率の悪い製造方法であるという問題点もある。
【0010】本発明は、このような従来の高出力半導体
レーザのCODレベルを向上させる製造方法における問題
点を解決するもので、試料加熱用試料台10に具備された
ヒータで600℃ないし800℃に加熱する工程なしに、COD
レベルを向上させる製造方法を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の製造方法は、(1)劈開面保護膜を形成する
前に、劈開面にアルゴンのプラズマを照射し、劈開面に
付着した水分を除去し、前記劈開面が空気中の水分に触
れない状態で同一真空容器内において、劈開面保護膜を
形成する工程、(2)劈開面保護膜を形成する前に、劈
開面に水素のプラズマを照射し、水素のプラズマの還元
作用により自然酸化膜を還元し取り除き、前記劈開面が
空気中の酸素に触れない状態で同一真空容器内におい
て、劈開面保護膜を形成する工程、(3)劈開面保護膜
を形成する前に、前記劈開面にヒドラジンガス、ヒドラ
ジンアルキル化合物ガスのいずれかのプラズマを照射
し、前記のプラズマの還元作用により自然酸化膜を還元
し取り除き、劈開面を窒化し劈開面が空気中の酸素に触
れない状態で、同一真空容器内で、劈開面保護膜を形成
する工程を有している。
【0012】
【作用】本発明の高出力半導体レーザのCODレベルを向
上させる製造方法は、劈開面へのプラズマ照射による加
熱で劈開面に付着した水分を除去する作用と、還元性ガ
スを用いた場合はプラズマ照射による自然酸化膜を除去
する作用と、ヒドラジンガス、ヒドラジンアルキル化合
物ガスのいずれかを用いた場合は、劈開面を窒化する作
用がある。その結果、試料加熱用試料台による加熱をし
なくとも、劈開面に付着した水分を除去し、還元性ガス
を用いた場合は自然酸化膜を除去することができるの
で、プロセス工程の作業時間を短縮し、CODレベルを向
上させることができる。また、劈開面に劈開面保護膜を
形成するので再び水分が付着したり自然酸化膜が形成さ
れず、CODレベルが向下することはない。
【0013】また、ヒドラジンガス、ヒドラジンアルキ
ル化合物ガスのいずれかのプラズマを照射した場合、前
記ガスの還元性は非常に強く、CODレベルが向上する効
果が著しく、劈開面保護膜としてSiNxやAlNなどの窒化
膜を用いた場合、劈開面が窒化されているので劈開面保
護膜の密着性が向上し、高出力半導体レーザの信頼性が
向上する。
【0014】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の第1の実施例を説明する。
図1に実施例に用いたGaInP/AlGaInP系半導体レーザの
断面構造の模式図を示す。
【0015】(100)面を主面とするn型GaAs基板101の表
面にGaInPからなるn型バッファー層102(例えばキャリ
ア密度1×1018cm-3、厚さ0.3μm)、AlGaInPからなるn
型クラッド層103(例えばキャリア密度5×1017cm-3、厚
さ1.0μm)、GaInPからなる活性層104(例えば厚さ500
Å)、AlGaInPからなる第1のp型クラッド層105(例え
ばキャリア密度5×1017cm-3、厚さ1350Å)、p型のGaIn
Pからなるエッチング停止層106(例えばキャリア密度5
×1017cm-3、厚さ100Å)が順次形成される。その上部に
は、AlGaInPからなるリッジ状の第2のp型クラッド層10
7(例えばキャリア密度1×1018cm-3、厚さ0.9μm)とp型
のGaInPからなるコンタクト層108(例えばキャリア密度
1×1018cm-3、厚さ500Å)が形成される。このリッジ状
の第2のp型クラッド層107およびコンタクト層108の両
側はn型GaAs層からなる電流ブロック層110が形成されて
いる。さらにコンタクト層108と電流ブロック層110上に
はp型GaAsからなるキャップ層111(例えばキャリア密度
5×1018cm-3、厚さ3μm)が形成されており、キャップ
層111上にはp電極112、基板101側にはn電極113がそれぞ
れ形成されている。また、前述の活性層104は、GaInPと
AlGaInPからなるMQW構造としてもよい。
【0016】図2は、(a)前述のように作製した半導体
ウエハー201と、(b)半導体ウエハー201のp型AlGaInP第2
クラッド層107のストライプ方向と垂直に劈開したレー
ザバー202と、(c)レーザバー202の劈開面203の自然酸化
膜を除去し、劈開面保護膜を形成する工程と、(d)レー
ザバー202を劈開したレーザチップ207を示した模式図で
ある。
【0017】前述のように作製した半導体ウエハー201
を、半導体ウエハー201のp型AlGaInP第2クラッド層107
のストライプ方向と垂直に劈開すると、レーザバー202
を得る。このレーザバー202を、例えば電子サイクロト
ロン共鳴(以下ECRと省略する)を用いたプラズマ発生
装置204を具備した真空容器206に入れ、レーザバー202
の一方劈開面203に、アルゴンのプラズマ205が照射され
るように配置し、アルゴンのプラズマ205を少なくとも6
0秒照射する。図3はアルゴンのプラズマ205を照射して
60秒後のレーザバー202の深さ方向の温度プロファイル
である。劈開面203の温度は付着した水分を除去できる4
00℃に達しており、短時間で必要な温度が得られること
が分かる。図4はアルゴンのプラズマ205の照射時間と
劈開面203に付着した水分に起因する欠陥の数の関係を
示す。アルゴンのプラズマ205の照射後60秒程で水分に
起因する欠陥が完全に除去されている。前記アルゴンの
プラズマ205の照射後、劈開面保護膜208を形成する。劈
開面保護膜208として例えばSiNxを用いる場合は、例え
ばSiH4を例えば12sccm、例えばN2を例えば18sccm、真空
容器206に供給しレーザバー202の一方劈開面203にSiH4
とN2のプラズマ205を照射するすることによりSiNxを堆
積する。同様に、他方劈開面203にアルゴンのプラズマ2
05が照射されるように配置し、アルゴンのプラズマ205
を少なくとも60秒以上照射し、劈開面203に付着した水
分を除去する。その後、劈開面保護膜208として例えばS
iNxを用いる場合は、例えばSiH4を例えば12sccm、例え
ばN2を例えば18sccm、真空容器206に供給し劈開面203に
SiH4とN2のプラズマ205を照射するすることによりSiNx
を堆積する。最後に劈開面保護膜208と直角に劈開しレ
ーザチップ207を得る。
【0018】前述の本発明の実施例の特徴とするところ
は、劈開面203にアルゴンのプラズマ205を少なくとも60
秒以上照射し、劈開面203に付着した水分を除去するこ
とである。これは従来例で示したように、試料加熱用試
料台10にヒータを具備する必要がなく、また、前記ヒー
タで加熱しないので、加熱時間が不要となりプロセス工
程の時間が短縮される。また、劈開面203に付着した水
分を除去し、前記水分に起因する欠陥を減少させること
により、CODレベルを向上できるので高出力が得られ
る。さらに、劈開面203に付着した水分を除去し、空気
中の水分に触れることなく同一真空容器内で劈開面保護
膜208を形成する工程により、再び劈開面203への水分の
付着を防止するのも特徴である。
【0019】なお劈開面保護膜208は、一方を高い反射
率となる構成とし、さらに高出力化した構造でもよい。
【0020】(実施例2)本発明の第2の実施例におい
ては、実施例1と同様に作製した半導体ウエハー201
を、半導体ウエハー201のp型AlGaInP第2クラッド層107
のストライプ方向と垂直に劈開して、レーザバー202を
得る。このレーザバー202を、例えばECRを用いたプラズ
マ発生装置204を具備した真空容器206に入れ、レーザバ
ー202の一方劈開面203に、水素のプラズマ205が照射さ
れるように配置し、水素のプラズマ205を少なくとも1
時間程照射し、水素プラズマの還元作用により劈開面20
3の自然酸化膜を還元し除去する。このようにして得ら
れた清浄な劈開面203に、劈開面保護膜208を形成する。
実施例1と同様に劈開面保護膜208として例えばSiNxを
用いる場合は、例えばSiH4を例えば12sccm、例えばN2
例えば18sccm、真空容器206に供給しレーザバー202の一
方劈開面203にSiH4とN2のプラズマ205を照射するするこ
とによりSiNxを堆積する。次に他方劈開面203にも同様
に、水素のプラズマ205が照射されるように配置し、水
素のプラズマ205を少なくとも1時間程照射し、水素プ
ラズマの還元作用により劈開面203の自然酸化膜を還元
し除去する。このようにして得られた清浄な劈開面に、
劈開面保護膜208を形成する。劈開面保護膜208として例
えばSiNxを用いる場合は、例えばSiH4を例えば12sccm、
例えばN 2を例えば18sccm、真空容器206に供給しレーザ
バー202の一方劈開面203にSiH4とN2のプラズマ205を照
射するすることによりSiNxを堆積する。最後に劈開面保
護膜208と直角に劈開しレーザチップ207を得る。
【0021】前述の本発明の実施例の特徴とするところ
は、劈開面203に水素のプラズマ205を少なくとも1時間
以上照射し、水素プラズマ205の還元作用により劈開面2
03の自然酸化膜を還元し除去し、空気中の水分に触れる
ことなく同一真空容器内で劈開面保護膜208を形成する
工程である。図5は水素プラズマの照射時間とCODレベ
ルの関係を示す。図5によると、水素のプラズマ205を
少なくとも1時間程照射するとCODレベルに顕著な改善
があることがわかる。これは水素プラズマの還元作用に
より劈開面203の自然酸化膜を還元し除去し、空気中の
酸素に触れることなく同一真空容器内で劈開面保護膜20
8を形成した結果CODレベルが向上したことを示してい
る。
【0022】なお劈開面保護膜208は、一方を高い反射
率となる構成とし、さらに高出力化した構造でもよい。
【0023】また、ECRを用いたプラズマ発生装置204で
はガスの活性化率が高く、紫外線ランプなどの光化学反
応を促進する装置を具備する必要はない。
【0024】(実施例3)本発明の第3の実施例におい
ては、半導体ウエハー201を、p型AlGaInP第2クラッド層
107のストライプ方向と垂直に劈開し、劈開面203を共振
器ミラーとする。このレーザバー202を、例えばECRを用
いたプラズマ発生装置204を具備した真空容器206に入
れ、一方劈開面203に、ヒドラジンガス(N2H4)、ヒドラ
ジンアルキル化合物ガス(モノメチルヒドラジン:(CH3)
HNNH2、ジメチルヒドラジン:(CH3)2NHN2等)のいずれか
のプラズマ205が照射されるように配置し、前記ガスの
プラズマ205を少なくとも10分以上照射し、前記ガスの
還元性により劈開面203の自然酸化膜を還元し除去す
る。さらに前記ガスのN原子により劈開面203を窒化す
る。その後、実施例1と同様に劈開面保護膜208として
例えばSiNxを用いる場合は、例えばSiH4を例えば12scc
m、例えばN2を例えば18sccm、真空容器206に供給し劈開
面203にSiH4とN2のプラズマ205を照射するすることによ
りSiNxを堆積する。同様に、他方劈開面203に前記ガス
のプラズマ205が照射されるように配置し、前記ガスの
プラズマ205を少なくとも10分以上照射し、前記ガスの
還元性により劈開面203の自然酸化膜を還元し除去す
る。さらに前記ガスのN原子により劈開面203を窒化す
る。その後、同様に劈開面保護膜208として例えばSiNx
を用いる場合は、例えばSiH4を例えば12sccm、例えばN2
を例えば18sccm、真空容器206に供給し、劈開面203にSi
H4とN2のプラズマ205を照射するすることによりSiNxを
堆積する。最後に劈開面保護膜208と直角に劈開しレー
ザチップ207を得る。
【0025】前述の本発明の実施例の特徴は、劈開面20
3にヒドラジンガス、ヒドラジンアルキル化合物ガスの
いずれかのプラズマ205を少なくとも10分以上照射し、
前記ガスのプラズマ205の還元作用により劈開面203の自
然酸化膜を還元して除去し、自然酸化膜を取り除くこと
により劈開面203の欠陥が減少し、欠陥の光吸収による
発熱が減少するためCODレベルを向上することである。
特にヒドラジンガス、ヒドラジンアルキル化合物ガスは
非常に強い還元性を有するのでその効果は著しい。図8
にモノメチルヒドラジンのプラズマ205の照射時間とCOD
レベルの関係及び、水素のプラズマ205の照射時間とCOD
レベルの関係を示す。水素のプラズマ205を劈開面203に
照射するとCODレベルが向上するが、モノメチルヒドラ
ジンのプラズマ205を劈開面203に照射すると水素に比べ
て短時間でCODレベルが向上し、その効果は著しいこと
が分かる。また自然酸化膜を除去し、その後空気中の酸
素に触れることなく同一真空容器内で劈開面保護膜208
を形成することで、再び自然酸化膜が生じることをを防
止できる。さらにヒドラジンガス、ヒドラジンアルキル
化合物ガスはN原子を含むので劈開面203を窒化するこ
とができるため、劈開面保護膜208にSiNxやAlNなどの窒
化膜を用いた場合は、劈開面保護膜208の密着力が向上
し半導体レーザの信頼性が向上する。図6は、モノメチ
ルヒドラジンのプラズマを劈開面に照射したときの劈開
面保護膜208の密着力の時間依存性である。10分程前記
ガスのプラズマを照射すると窒化膜の密着性は著しく向
上する。
【0026】なお端面保護膜208は、一方を高い反射率
となる構成とし、さらに高出力化した構造でもよい。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、以下のよ
うな効果を有する。
【0028】本発明の第1の実施例においては、劈開面
保護膜208の形成前に劈開面203にアルゴンのプラズマ20
5を照射することにより、短時間で劈開面203に付着した
水分を除去することができる。さらに、劈開面203には
劈開面保護膜208を形成するので、劈開面203が空気中の
水分に触れない。劈開面203に付着した水分を除去し、
前記水分に起因する欠陥を減少させることにより、COD
レベルを向上できるので高出力が得られる。
【0029】本発明の第2の実施例においては、劈開面
保護膜208の形成前に劈開面203に水素のプラズマ205を
照射することにより、水素ガスのプラズマ205の還元作
用により劈開面203の自然酸化膜を還元して除去し、自
然酸化膜を取り除くことにより劈開面203の欠陥が減少
し、欠陥の光吸収による発熱が減少するためCODレベル
を向上する。さらに、劈開面保護膜208の形成後は、劈
開面203が空気中の酸素に触れないので、自然酸化膜が
形成されず、CODレベルが向上されるので高出力が得ら
れる。
【0030】本発明の第3の実施例においては、劈開面
保護膜208の形成前に劈開面203にヒドラジンガス、ヒド
ラジンアルキル化合物ガスのいずれかのプラズマ205を
照射することにより、前記ガスのプラズマ205の還元作
用により自然酸化膜を還元し除去することにより劈開面
203の欠陥が減少し、欠陥の光吸収による発熱が減少す
るためCODレベルを向上する。また劈開面203を窒化して
いるので、劈開面保護膜208としてSiNxやAlNなどの窒化
膜を用いた場合、密着性が向上する。さらに、劈開面保
護膜208の形成後は、劈開面203が空気中の酸素に触れな
いので、自然酸化膜が形成されず、CODレベルが向上さ
れるので高出力が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に於ける半導体レーザの断面図
【図2】(a)は本発明の実施例に於ける結晶成長した半
導体レーザウエハーの模式図 (b)は本発明の実施例に於けるレーザバーの模式図 (c)は本発明の実施例に於ける劈開面保護膜の製造工程
模式図 (d)は本発明の実施例に於けるレーザチップの模式図
【図3】劈開面からの深さ方向の温度プロファイルを表
す図
【図4】プラズマの照射時間と水分に起因する欠陥の数
の関係を表す図
【図5】注入電流と光出力の関係を表す図
【図6】モノメチルヒドラジンのプラズマの照射時間と
劈開面保護膜の密着強度の関係を表す図
【図7】(a)は従来の実施例に於ける断面図 (b)は試料端面のP→N置換処理を行うECRプラズマCVD装
置を示す図
【図8】モノメチルヒドラジンのプラズマの照射時間と
CODレベルの関係及び水素プラズマの照射時間とCODレベ
ルの関係を表す図
【符号の説明】
1 GaAs基板 2 AlGaInPクラッド層 3 GaInP活性層 4 AlGaInPクラッド層 5 GaAsキャップ層 6 P→N置換領域 7 劈開面 8 劈開されたレーザバー 9 ECRプラズマ発生装置 10 試料加熱用試料台 11 原料NH3ガス 12 排気系 13 反応室 101 n型GaAs基板 102 n型GaInPバッファー層 103 n型AlGaInPクラッド層 104 GaInP活性層 105 p型AlGaInP第1クラッド層 106 p型GaInPエッチング停止層 107 p型AlGaInP第2クラッド層 108 p型GaInPコンタクト層 110 n型GaAs電流ブロック層 111 p型GaAsキャップ層 112 p電極 113 n電極 201 結晶成長した半導体ウエハー 202 レーザバー 203 劈開面 204 プラズマ発生装置 205 プラズマ 206 真空容器 207 レーザチップ 208 劈開面保護膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高森 晃 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体レーザを真空容器内に入れる工程
    と、 前記半導体レーザの劈開面にプラズマを照射する工程
    と、 前記劈開面に劈開面保護膜を形成する工程とを有する半
    導体レーザの製造方法。
  2. 【請求項2】前記プラズマとして不活性ガスのプラズマ
    を用いる請求項1に記載の半導体レーザの製造方法。
  3. 【請求項3】前記不活性ガスとして、アルゴンを用いる
    請求項2に記載の半導体レーザの製造方法。
  4. 【請求項4】前記プラズマとして還元性ガスのプラズマ
    を用いる請求項1に記載の半導体レーザの製造方法。
  5. 【請求項5】前記還元性ガスとして、水素を用いる請求
    項4に記載の半導体レーザの製造方法。
  6. 【請求項6】前記還元性ガスとして、ヒドラジンガス、
    ヒドラジンアルキル化合物ガスのいずれかを用いる請求
    項4に記載の半導体レーザの製造方法。
JP21320095A 1995-08-22 1995-08-22 半導体レーザの製造方法 Pending JPH0964453A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21320095A JPH0964453A (ja) 1995-08-22 1995-08-22 半導体レーザの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21320095A JPH0964453A (ja) 1995-08-22 1995-08-22 半導体レーザの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0964453A true JPH0964453A (ja) 1997-03-07

Family

ID=16635199

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21320095A Pending JPH0964453A (ja) 1995-08-22 1995-08-22 半導体レーザの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0964453A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0898345A2 (en) * 1997-08-13 1999-02-24 Mitsubishi Chemical Corporation Compound semiconductor light emitting device and method of fabricating the same
JPH11121877A (ja) * 1997-08-13 1999-04-30 Mitsubishi Chemical Corp 化合物半導体発光素子
JPH11121876A (ja) * 1997-08-13 1999-04-30 Mitsubishi Chemical Corp 半導体発光素子の製造方法
JPH11233896A (ja) * 1997-12-11 1999-08-27 Mitsubishi Chemical Corp 半導体発光素子の製造方法
JP2000036634A (ja) * 1998-05-11 2000-02-02 Mitsubishi Chemicals Corp 半導体発光素子の製造方法
JP2000164969A (ja) * 1998-11-27 2000-06-16 Matsushita Electronics Industry Corp 半導体レーザの製造方法
WO2002017450A1 (fr) * 2000-08-22 2002-02-28 Mitsui Chemicals Inc. Procede de fabrication de dispositif laser a semiconducteur
US6809344B2 (en) 2002-03-29 2004-10-26 Fujitsu Quantum Devices Limited Optical semiconductor device and method of fabricating the same
JP2004538652A (ja) * 2001-08-09 2004-12-24 コムラーセ アクティエボラーグ 無汚染レーザーミラーおよびそれらの不動態化を得る方法
JP2007027260A (ja) * 2005-07-13 2007-02-01 Toshiba Corp 半導体素子およびその製造方法
CN118174137A (zh) * 2024-05-11 2024-06-11 度亘核芯光电技术(苏州)有限公司 一种去除激光芯片金属电极表面的绕镀膜的方法

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0898345A2 (en) * 1997-08-13 1999-02-24 Mitsubishi Chemical Corporation Compound semiconductor light emitting device and method of fabricating the same
JPH11121877A (ja) * 1997-08-13 1999-04-30 Mitsubishi Chemical Corp 化合物半導体発光素子
JPH11121876A (ja) * 1997-08-13 1999-04-30 Mitsubishi Chemical Corp 半導体発光素子の製造方法
US6744074B2 (en) 1997-08-13 2004-06-01 Mitsubishi Chemical Corporation Compound semiconductor light emitting device and method of fabricating the same
EP0898345A3 (en) * 1997-08-13 2004-01-02 Mitsubishi Chemical Corporation Compound semiconductor light emitting device and method of fabricating the same
JPH11233896A (ja) * 1997-12-11 1999-08-27 Mitsubishi Chemical Corp 半導体発光素子の製造方法
JP2000036634A (ja) * 1998-05-11 2000-02-02 Mitsubishi Chemicals Corp 半導体発光素子の製造方法
JP2000164969A (ja) * 1998-11-27 2000-06-16 Matsushita Electronics Industry Corp 半導体レーザの製造方法
US6703254B2 (en) 2000-08-22 2004-03-09 Mitsui Chemicals, Inc. Method for manufacturing semiconductor laser device
WO2002017450A1 (fr) * 2000-08-22 2002-02-28 Mitsui Chemicals Inc. Procede de fabrication de dispositif laser a semiconducteur
JP2004538652A (ja) * 2001-08-09 2004-12-24 コムラーセ アクティエボラーグ 無汚染レーザーミラーおよびそれらの不動態化を得る方法
US6809344B2 (en) 2002-03-29 2004-10-26 Fujitsu Quantum Devices Limited Optical semiconductor device and method of fabricating the same
US7122393B2 (en) 2002-03-29 2006-10-17 Fujitsu Quantum Devices Limited Optical semiconductor device and method of fabricating the same
JP2007027260A (ja) * 2005-07-13 2007-02-01 Toshiba Corp 半導体素子およびその製造方法
US7773648B2 (en) 2005-07-13 2010-08-10 Kabushiki Kaisha Toshiba Semiconductor device and method for manufacturing the same
CN118174137A (zh) * 2024-05-11 2024-06-11 度亘核芯光电技术(苏州)有限公司 一种去除激光芯片金属电极表面的绕镀膜的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09162496A (ja) 半導体レーザ及びその製造方法
JPH10294531A (ja) 窒化物化合物半導体発光素子
JP2004538652A (ja) 無汚染レーザーミラーおよびそれらの不動態化を得る方法
JPH06232099A (ja) 半導体装置の製造方法,半導体装置の製造装置,半導体レーザの製造方法,量子細線構造の製造方法,及び結晶成長方法
JP2002335053A (ja) 半導体レーザの製造方法、半導体レーザ、半導体装置の製造方法および半導体装置
JP2005079406A (ja) 半導体レーザの製造方法
JP4275405B2 (ja) 半導体レーザ素子の製造方法
US5171706A (en) Method for the production of a semiconductor laser device
JPH0964453A (ja) 半導体レーザの製造方法
JP2003332688A (ja) Iii族窒化物系化合物半導体レーザ
JP2003243764A (ja) 半導体レーザおよびその製造方法
US8194711B2 (en) Nitride semiconductor laser device
JP4836703B2 (ja) 半導体レーザおよびその製造方法
US5208468A (en) Semiconductor laser device with a sulfur-containing film provided between the facet and the protective film
JP2841535B2 (ja) 半導体レーザおよびその製造方法
JP4128898B2 (ja) 半導体素子の製造方法
JP4033626B2 (ja) 半導体レーザ装置の製造方法
JPH1041585A (ja) 3族窒化物半導体レーザダイオードの製造方法
JP2007013057A (ja) 成膜方法および半導体レーザ素子の電極形成方法
JP3196831B2 (ja) 半導体レーザ素子の製造方法
JP3670768B2 (ja) 3族窒化物半導体レーザダイオードの製造方法
JP2002043691A (ja) 窒化物半導体レーザ装置とその製造方法
JP3113443B2 (ja) 半導体レーザ素子の製造方法
JPH05145195A (ja) 面発光半導体レーザ
JPH10107363A (ja) 半導体レーザ素子の製造方法