JPH1084162A - 半導体レーザ及びその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ及びその製造方法

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JPH1084162A
JPH1084162A JP23702596A JP23702596A JPH1084162A JP H1084162 A JPH1084162 A JP H1084162A JP 23702596 A JP23702596 A JP 23702596A JP 23702596 A JP23702596 A JP 23702596A JP H1084162 A JPH1084162 A JP H1084162A
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compound semiconductor
semiconductor layer
face
semiconductor laser
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JP23702596A
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English (en)
Inventor
Junichi Hashimoto
順一 橋本
Michio Murata
道夫 村田
Nobuyuki Ikoma
暢之 生駒
Jiro Fukui
二郎 福井
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた特性の半導体レーザ及びその製造方法
を提供する。 【解決手段】 本方法は、レーザ光をその端面から出射
するための化合物半導体層を形成し、プラズマイオンを
照射することにより、この端面に形成される酸化膜を除
去する。さらに、酸化膜の除去された化合物半導体層の
端面に直接接触する反射膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信、光記録及
び光情報処理等の分野で用いられる半導体レーザ及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体レーザは、高出力で長時間
の連続発光を行うことが困難であった。特に、長距離光
通信においては、このような特性を満たす半導体レーザ
があれば、当該半導体レーザを内部に有する光中継器の
数を低減することができるとともに、この半導体レーザ
を交換する必要がなくなる。半導体レーザが高出力で長
時間連続発光できない原因の1つは、高出力時における
光出射端面の溶融破壊にあると考えられている。この故
障は、半導体レーザの高出力連続発光動作中に突然生じ
るため、COD(Catastrophic Optical Damage)と呼
称されている。特に、1.1μm以下の発振波長の半導
体レーザにおいては、CODは頻発する。EDFA(エ
ルビウム添加ファイバ増幅器)に代表される光ファイバ
増幅器用の光源として、発振波長約0.98μmの半導
体レーザが期待されるが、現在の波長1.1μm以下の
半導体レーザでは、上述のように高出力長時間の連続発
光を行うことが困難なため、このような光ファイバ増幅
器を用いた長距離光通信の実用化が阻まれている。
【0003】CODを抑制する手段として、半導体レー
ザ活性層端面と反射膜との間の非発光再結合中心の密度
を低下させたり、或いは、その増殖を抑制することが考
えられる。発振波長の光に対して透明なワイドエネルギ
ーバンドギャップの半導体層をこの端面に形成する所謂
ウインドウ構造は、ワイドエネルギーバンドギャップの
半導体層が端面近傍において非吸収領域として機能する
ため、非発光再結合中心の増殖が抑えられ、端面劣化が
生じにくくなる。また、活性層の端面近傍に電流非注入
領域を設けることで端面へのリーク電流を低減させる構
造も考えれ、このリーク電流の低減により端面における
非発光センターの増殖を防止する。さらに、米国特許第
5144634号に記載されるような厚さ数nmの超薄
膜で端面をコーティングした構造の半導体レーザが考え
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、いずれ
の構造の半導体レーザにおいても、真空中での劈開を必
要としたり、新たな半導体層を端面に設けたりする必要
があり、その製造装置が複雑である。また、このような
方法を用いて製造された半導体レーザの再現性も高くな
い。本発明は、このような課題を解決するためになされ
たものであり、高出力長時間の連続発光を行うことが可
能な半導体レーザ及びそれを実現する簡便で安定な製造
方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る半導体レー
ザの製造方法は、レーザ光をその端面から出射するため
の化合物半導体層を形成する工程と、化合物半導体層の
端面に形成される酸化膜を除去する工程と、酸化膜の除
去された化合物半導体層の端面に直接接触する反射膜を
形成する工程とを備える。従来のいずれの方法において
も、高出力長時間の連続発光を行うことが可能な半導体
レーザが製造できないのは、端面に酸化膜が形成されて
いるためと考えられる。本方法によれば、化合物半導体
層の端面に形成される酸化膜を除去し、当該端面に直接
接触する反射膜を形成するので、良好な特性を有する半
導体レーザを製造することができる。本製造方法によっ
て製造された半導体レーザは、3000時間以上の寿命
を有する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る半導体レーザ
及びその製造方法の一実施の形態について、添付の図面
を用いて説明する。なお、同一要素には同一符号を用
い、重複する説明は省略する。
【0007】図1は、本実施の形態に係る半導体レーザ
の斜視図である。まず、本半導体レーザの構造について
説明する。本半導体レーザは、基板1上に順次積層され
た下部クラッド層2、下部光閉じ込め層3、活性層(化
合物半導体層)4、上部光閉じ込め層5、第1上部クラ
ッド層6、ガイド層8、第2上部クラッド層9及びコン
タクト層10を備え、好ましくは0.9〜1.1μm、
具体的には0.98μmの波長のレーザ光を出射するこ
とが可能である。また、本半導体レーザは、その長手方
向に延びる溝によって分割された電流ブロック層7を、
第1上部クラッド層6とコンタクト層10との間に有す
る。ガイド層8及び第2上部クラッド層9は、電流ブロ
ック層7を分割する溝(以下、分割溝)内に埋設されて
いる。コンタクト層10上面及び基板1下面には、それ
ぞれ、オーミック電極11及び12が形成されている。
【0008】化合物半導体層2〜6の分割溝直下の領
域、及び溝内の層8,9は、共振器を構成し、分割溝長
手方向の両端を含むこれらの層の端面は、共振器両端の
反射端面(結晶劈開面)を構成する。レーザ光の出射さ
れる側の反射端面(以下、出射面)上には、SiN反射
低減膜(以下、反射膜)20が直接接触している。出射
面に対向する反射端面(以下、高反射面)には、多層反
射膜30が直接接触している。多層反射膜30は、誘電
体薄膜31、アモルファスSi膜32、誘電体薄膜3
3、アモルファスSi膜34、誘電体薄膜35、アモル
ファスSi膜36及び誘電体薄膜37から構成されてい
る。
【0009】次に、各構成要素の材料等について説明す
る。基板1は、n型GaAsからなり、100μm程度
の厚みを有する。下部クラッド層2は、n型GaInP
からなり、好ましくは1〜2μm、具体的には1.5μ
mの厚みを有する。下部光閉じ込め層3は、アンドープ
GaInAsPからなり、好ましくは数十nm、具体的
には47nmの厚みを有する。活性層4は、アンドープ
GaInAsからなり、好ましくは数nm、具体的には
8nmの厚みを有する。上部光閉じ込め層5は、アンド
ープGaInAsPからなり、好ましくは数十nm、具
体的には47nmの厚みを有する。第1上部クラッド層
6は、p型GaInPからなり、好ましくは0.3〜
0.5μm、具体的には0.4μmの厚みを有する。ガ
イド層8は、p型GaAsからなり、好ましくは10〜
30nm、具体的には15nmの厚みを有する。第2上
部クラッド層9は、p型GaInPからなり、好ましく
は1〜2μm、具体的には1.1μmの厚みを有する。
コンタクト層10は、p型GaAsからなる。電流ブロ
ック層7は、n型AlGaInPかなり、クラッド層9
と略同等の厚みを有する。誘電体薄膜31,33,3
5,37は、SiNからなる。なお、誘電体薄膜20,
31,33,35,37の材料として、SiNの代わり
に、SiO2又はAl23を用いてもよい。なお、各化
合物半導体層のエネルギーバンドギャップの大きさは、
それぞれの層の材料によって規定される値である。
【0010】次に、本半導体レーザの動作について説明
する。上下の電極11及び12間に電圧を印加し、電流
を供給すると、活性層4の分割溝直下の領域(活性領
域)に、活性層4上部のp型半導体層6側から正孔が、
活性層4下部のn型半導体層2側から電子が注入され
る。これらの注入キャリア密度が反転分布を作るのに必
要な最小値を越えると、誘導放出作用による光利得と共
振器の光損失とが均衡し、レーザ動作が開始される。活
性層4内部で発生したレーザ光は、共振器の反射端面間
を往復しながら増幅され、低反射膜20の形成された側
の出射端面から出射する。
【0011】以上、説明したように、本半導体レーザ
は、レーザ光をその端面から出射するための化合物半導
体層4と、化合物半導体層4の前記端面に直接接触する
反射膜20とを備える。この半導体レーザは、化合物半
導体層4を挟む2つの層を含み、この2つの層は、G
a、In及びPを含む。また、反射膜20は、SiN、
SiO2及びAl23のいずれか1つから選択される材
料を含む。
【0012】さらに、本半導体レーザは、電流が供給さ
れることにより、レーザ光をその端面から出射すること
が可能な化合物半導体層4と、化合物半導体層4の前記
端面に直接接触する反射膜20とを備えており、周囲の
温度50°Cで、レーザ光の出力が常に150mWとな
るように前記電流を供給した場合に、前記電流が一定値
になってからその20%増の値に変化するまでの時間で
規定される寿命は、3000時間以上であった。
【0013】次に、本半導体レーザの製造方法について
説明する。
【0014】図2は、基板1を構成するウエハWの平面
図である。このウエハWは、(100)GaAsウエハ
であり、オリエンテーションフラットOFに垂直な線分
L1及びL2、平行な線分L3及びL8によって囲まれ
る素子形成領域を有する。本ウエハWの素子形成領域に
は、複数の半導体レーザが製造される。まず、このウエ
ハWから、縦列した複数の半導体レーザ中間体から構成
されるチップバーを製造する。以下、この素子形成領域
内の1つの半導体レーザの形成される領域のウエハWの
断面を用いて、このチップバーの製造方法について説明
する。なお、以下の説明において、図2のウエハW上に
複数の素子が形成されたものもウエハWとして説明を行
う。
【0015】図3乃至図5は、図2のウエハWのX−X
矢印断面によって示される半導体レーザ中間体を示す。
上記チップバーの製造は、以下の方法を用いて行う。ま
ず、図3に示すように、基板1(GaAsウエハW)上
に、下部クラッド層2、下部光閉じ込め層3、活性層
4、上部光閉じ込め層5、第1上部クラッド層6、ガイ
ド層8及び第2上部クラッド層9を順次積層する。この
積層は、有機金属気相成長(OMVPE)法を用いて行
う。
【0016】次に、図4に示すように、第2上部クラッ
ド層9及びガイド層8上の所定領域にマスクを形成し、
これらの層9及び8を順次エッチングする。すなわち、
まず、第2上部クラッド層9の露出領域をエッチング液
を用いて逆メサ型にウエットエッチングする。なお、逆
メサが形成されるのは、クラッド層9の結晶面方位に対
するエッチング速度が異なっているためであり、エッチ
ング液の濃度は、このようなエッチングが行われるよう
に、適宜設定すればよい。なお、このエッチング時に、
ガイド層8はエッチングブロック層として機能するの
で、ガイド層8の上側に位置する第2上部クラッド層9
の露出領域のみが選択的にエッチングされる。しかる
後、エッチング液を変えて、ガイド層8の露出領域をエ
ッチングする。このエッチング時には、ガイド層8直下
の第1上部クラッド層6がエッチングブロック層として
機能するので、ガイド層8の露出領域のみが選択的にエ
ッチングされる。
【0017】次に、図5に示すように、エッチングによ
り露出したガイド層8及び第2上部クラッド層9の露出
表面を覆うように、電流ブロック層7を第1上部クラッ
ド層6の上に形成する。電流ブロック層7の堆積は、そ
の上面が、第2上部クラッド層9の上面と一致する程度
まで行う。電流ブロック層7の形成後、第2上部クラッ
ド層9上に形成されたマスクを除去し、コンタクト層1
0を第2上部クラッド層9及び電流ブロック層7上に形
成する。この後、コンタクト層10及び基板1の露出表
面にそれぞれ電極11及び12を蒸着する。最後に、図
2に示したウエハWを、結晶方位に一致する線分L1〜
L8に沿って劈開し、チップバーを製造する。
【0018】図6は、このチップバーの正面図である。
本チップバーは、図2の劈開面L1,、L2、L3、L
4によって囲まれた領域から取り出されたものである。
同図に示すように、このチップバーは、同一構造の半導
体レーザ中間体LD1〜LD5を備えている。
【0019】次に、反射膜20及び30の形成について
説明する。上記チップバーを製造する際の劈開によって
露出した半導体の表面近傍は、大気中の酸素と結合して
酸化する。したがって、半導体レーザ中間体の外表面に
は、自然酸化膜が形成される。
【0020】図7は、図6に示したチップバーのY−Y
矢印断面である。レーザ光の出射面4f及び高反射面4
b上には、自然酸化膜40f及び40bがそれぞれ形成
されている。まず、出射面4f上の自然酸化膜40f
を、Ar原子でスパッタリングすることにより除去す
る。すなわち、図7に示すチップバーをECR(電子サ
イクロトロン共鳴)エッチング(CVD)装置内に導入
し、酸化膜40fにECR装置内で発生するArプラズ
マイオンが照射されるように配置する。この時、プラズ
マを発生させる条件は、ECR装置のチャンバ内の圧力
10-4Torr、Arの流量40sccm、RF周波数
2.35GHz、RF出力500Wである。Arプラズ
マイオンの照射時間は約2時間である。
【0021】図8は、酸化膜40fの除去されたチップ
バーのY−Y矢印断面図である。酸化膜40fの除去
後、このチップバーをECR装置のチャンバから取り出
すことなく、速やかに連続して、反射膜20を出射面4
f上に直接形成する。すなわち、ECR装置をECRプ
ラズマCVD装置として機能させ、110nmの厚みの
SiN反射膜20を出射面4f上に形成する。
【0022】図9は、反射膜20の形成されたチップバ
ーのY−Y矢印断面図である。形成された反射膜20の
波長0.98μmのレーザ光に対する反射率は、好まし
くは10%以下、具体的には3%、厚さ約110nmで
ある。次に、このECR装置を用いて、高反射面4b上
に形成された酸化膜40bを除去する。この除去の方法
は、酸化膜40fを除去した方法と同一であるので、説
明を省略する。
【0023】図10は、酸化膜40bの除去されたチッ
プバーのY−Y矢印断面図である。酸化膜40bの除去
後、このチップバーをECR装置のチャンバから取り出
すことなく、速やかに連続して、反射膜30を高反射面
4b上に直接形成する。すなわち、ECR装置をECR
プラズマCVD装置として機能させ、高反射面4b上
に、130nmの厚みのSiN膜31、64nmの厚み
のアモルファスSi膜32、130nmの厚みのSiN
膜33、64nmの厚みのアモルファスSi膜34、1
30nmの厚みのSiN膜35、64nmの厚みのアモ
ルファスSi膜36、そして、最も外側に保護膜として
50nmの厚みのSiN膜37を順次積層形成する。こ
の工程により、複数の半導体レーザからなるチップバー
が形成される。なお、図11は、完成した半導体レーザ
を備えたチップバーのY−Y矢印断面図である。形成さ
れた反射膜30の波長0.98μmのレーザ光に対する
反射率は、好ましくは90%以上、具体的には93%で
ある。
【0024】最後に、図6に示した劈開面L9〜L12
に沿って各半導体レーザLD1〜LD5を分離すること
により、図1に示した半導体レーザが製造される。
【0025】以上、説明したように、本製造方法は、レ
ーザ光をその端面4fから出射するための化合物半導体
層4を形成する工程と、化合物半導体層4の前記端面4
fに形成される酸化膜40fを除去する工程と、酸化膜
40fの除去された化合物半導体層4の端面4fに直接
接触する反射膜20を形成する工程とを備える。また、
この酸化膜を除去する工程は、化合物半導体層4の端面
4fに原子を照射する工程を含む。さらに、この原子
は、希ガスを含むガスをプラズマ化することにより得ら
れたプラズマイオンであることが好ましい。この希ガス
はArガスであり、且つ、プラズマ化は磁場及びマイク
ロ波の相互作用を利用して行われた場合には、上記特性
を有する半導体レーザを製造することができた。この反
射膜20を形成する工程は、酸化膜40fを除去する工
程の後、化合物半導体層4の端面4fを大気に晒すこと
なく行われることが好ましい。なお、本方法では、レー
ザ出射面における酸化膜の除去が特に有効であると考え
られる。
【0026】なお、本発明は上記に限定されるものでは
なく、ECRプラスマに変えて、ヘリコ波プラズマを用
いても同等の効果を期待することができる。また、マイ
クロ波に変えて13.56MHzのプラズマを用いて
も、同様の効果を期待することができる。さらに、反射
膜の形成をCVD法の代わりにスパッタリング法を用い
ても同等の効果が得られると思われる。さらに、Arガ
スの代わりに、He、Ne等の希ガス或いはこれらのガ
スを主成分とする混合ガスを代わりに用いても同等の効
果が得られると思われる。
【0027】
【実施例】上記製造方法を用いて、図1に示した半導体
レーザを製造した。周囲の温度50°Cで、レーザ光の
出力が常に150mWとなるように光検出器からの出力
を帰還させて、この半導体レーザに電流を流した。この
半導体レーザが発光し始めて、帰還電流が一定値になっ
てから、この電流が20%増の値に変化するまでの時間
を本半導体レーザの寿命と規定する。本半導体レーザの
寿命は、3000時間以上であった。
【0028】なお、酸化膜40f,40bの厚みを調査
した。実際の活性層4の厚みは非常に薄いので、活性層
4と略同一の材料からなるサンプル膜(GaAs)をG
aAs基板上に形成し、このサンプル膜に、ECR装置
を用いて、Arの照射時間以外は、上記製造方法と同一
の条件でArを照射した。なお、サンプル膜の表面が新
たに酸化しないように、Arプラズマ処理を行った後、
この表面に110nmの窒化膜を形成し、以下の測定を
行った。
【0029】図12は、Arプラズマの照射時間(H)
と、サンプル膜に形成された酸化膜(As23)のXP
S強度(任意単位)との関係を示すグラフである。図1
2から明らかなように、照射時間の増加に伴って、酸化
膜の厚みは減少し、照射時間2時間以上で、酸化膜の存
在は認められなくなった。
【0030】図13は、室温でアルゴンレーザ光をサン
プル膜に照射したときの、Arプラズマの照射時間
(H)と、サンプル膜からのフォトルミネッセンスピー
ク強度(任意単位)との関係を示すグラフである。図1
3から明らかなように、Arプラズマの照射時間が2乃
至3時間の間においては、非発光再結合の生じる割合が
著しく低減し、ピーク強度が著しく高くなっている。な
お、Arプラズマの照射時間が3時間を越えると、ピー
ク強度が急激に減少するのは、膜内にダメージが導入さ
れたためと考えられる。なお、本発明に係る半導体レー
ザにおいては、活性層4の材料として、GaInAsを
用いたが、これは、GaAs、GaInP、AlGaI
nP、GaInAsP又はGaInAsN等を代わりに
用いてもよい。また、本発明に係る半導体レーザにおい
ては、クラッド層2、6の材料として、GaInPを用
いたが、AlGaInP又はAlGaAs等を代わりに
用いてもよい。
【0031】
【発明の効果】本発明の製造方法を用いることにより、
COD耐性を向上させ、高出力長時間の連続発光を行う
ことが可能な半導体レーザを製造することができる。ま
た、本方法は、反射膜形成の前処理の一環として簡単に
実施することができるので、通常の半導体レーザプロセ
スとの整合性が高く、生産性、製造コストを損なうこと
がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体レーザの斜視図。
【図2】ウエハの平面図。
【図3】半導体レーザ中間体の断面図。
【図4】半導体レーザ中間体の断面図。
【図5】半導体レーザ中間体の断面図。
【図6】チップバーの正面図。
【図7】チップバーの断面図。
【図8】チップバーの断面図。
【図9】チップバーの断面図。
【図10】チップバーの断面図。
【図11】チップバーの断面図。
【図12】Arの照射時間(H)と酸化膜の強度(任意
単位)との関係を示すグラフ。
【図13】Arの照射時間(H)とPLピーク強度(任
意単位)との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
4…化合物半導体層、4f…端面、40f…酸化膜、2
0…反射膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福井 二郎 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光をその端面から出射するための
    化合物半導体層を形成する工程と、前記化合物半導体層
    の前記端面に形成される酸化膜を除去する工程と、前記
    酸化膜の除去された前記化合物半導体層の前記端面に直
    接接触する反射膜を形成する工程と、を備える半導体レ
    ーザの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記酸化膜を除去する工程は、前記化合
    物半導体層の前記端面に原子を照射する工程を含むこと
    を特徴とする請求項1に記載の半導体レーザの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記原子は、希ガスを含むガスをプラズ
    マ化することにより得られたプラズマイオンであること
    を特徴とする請求項2に記載の半導体レーザの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記希ガスはArガスであり、且つ、前
    記プラズマ化は磁場及びマイクロ波の相互作用を利用し
    て行われることを特徴とする請求項3に記載の半導体レ
    ーザの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記反射膜を形成する工程は、前記酸化
    膜を除去する工程の後、前記化合物半導体層の前記端面
    を大気に晒すことなく行われることを特徴とする請求項
    1に記載の半導体レーザの製造方法。
  6. 【請求項6】 レーザ光をその端面から出射するための
    化合物半導体層と、前記化合物半導体層の前記端面に直
    接接触する反射膜と、を備える半導体レーザ。
  7. 【請求項7】 前記化合物半導体層を挟む2つの層を含
    み、前記2つの層は、Ga、In及びPを含むことを特
    徴とする請求項6に記載の半導体レーザ。
  8. 【請求項8】 前記反射膜は、SiN、SiO2及びA
    23のいずれか1つから選択される材料を含むことを
    特徴とする請求項6に記載の半導体レーザ。
  9. 【請求項9】 電流が供給されることにより、レーザ光
    をその端面から出射することが可能な化合物半導体層
    と、前記化合物半導体層の前記端面に酸化膜を介さずに
    直接接触する反射膜とを備えた半導体レーザであって、
    周囲の温度50°Cで、レーザ光の出力が常に150m
    Wとなるように前記電流を供給した場合に、前記電流が
    一定値になってからその20%増の値に変化するまでの
    時間で規定される寿命が、3000時間以上である半導
    体レーザ。
JP23702596A 1996-09-06 1996-09-06 半導体レーザ及びその製造方法 Pending JPH1084162A (ja)

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