JPH11121285A - 電気二重層キャパシター - Google Patents

電気二重層キャパシター

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JPH11121285A
JPH11121285A JP9281515A JP28151597A JPH11121285A JP H11121285 A JPH11121285 A JP H11121285A JP 9281515 A JP9281515 A JP 9281515A JP 28151597 A JP28151597 A JP 28151597A JP H11121285 A JPH11121285 A JP H11121285A
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oxide
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 非水系電解液と両極に分極性電極体を用いた
印加電圧が2. 5V以上の電気二重層キャパシターにお
いて、前記電解液の溶媒がプロピレンカーボネートとエ
チレンカーボネートの混合物を主体とし,かつ,分極性
電極体の該電解液中での自然電位がLi/Li + を対極とし
た場合,1.7 V以上2.7 V以下であること特徴とする電
気二重層キャパシター。 【効果】 長時間電圧印加時の耐久性及び充放電サイク
ル耐久性に優れた電気二重層キャパシターを提供でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、充放電サイクル耐
久性、及び電圧印加時の耐久性にすぐれた電気二重層キ
ャパシターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気二重層キャパシターは、分極性電
極、電解液、セパレータ、及び集電体からなる大電流で
の充放電が可能な電気化学素子であり、電気自動車、補
助電源等の用途に有望である。そのために、急速充放電
が可能であり、長時間電圧印加時の耐久性及び充放電サ
イクル耐久性に優れた電気二重層キャパシターの実現が
望まれている。
【0003】キャパシターの単セルに蓄積されるエネル
ギーは、1/2 ・C・V2 で算出され、Cは単セル当たり
の容量(F)、Vは単セルに印加可能な電圧(V)であ
る。印加可能電圧Vは、その値の二乗がエネルギーに反
映されるため、エネルギー密度の向上にはキャパシター
に印加する電圧を上げるの効果的であるが、大きな電圧
では電解液の分解が起こる。
【0004】そのため、従来の電気二重層キャパシター
の単位セルあたりの耐電圧は、非水系電解液の電気二重
層キャパシターの場合、約2.4Vであり(特開平7-145001
号公報)、2.5V以上の高電圧で使用すると、内部直列抵
抗の増加あるいは静電容量の減少が短時間で発生する。
そこで、正負側の電極、セパレータ、電解液、容器等を
詳細に検討し、2.5 V〜2.8 Vの電圧を印加することが
試みられている。電極の改良については、例えば、フェ
ノール樹脂、石油コークス等をKOH 賦活して得られる活
性炭を用いた電極を不活性雰囲気中で熱処理して耐久性
は向上するさせる方法や、原料を選定した結果、フェノ
ール樹脂、フラン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂の場
合に耐久性がわずかに向上したこと(特開平8-162375号
公報)、キャパシターの集電体に多孔質アルミニウムを
用いて耐久性向上を図る手法(特開平8-339941号公報)
等が知られている。
【0005】また、非水系電解液については、代表的電
解液であるテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボ
レートのプロピレンーカーボネート溶液より耐電圧を向
上させるために電解液の溶媒をスルホランとする方法が
知られている(特開平9-205041号公報).
【0006】
【発明が解決すべき課題】しかしながらこれらの例は、
いずれの程度の差こそあれ満足すべきものではなかっ
た。電極については、例えば前述の、フェノール樹脂、
石油コークス等をKOH 賦活して得られる活性炭を用いた
電極を不活性雰囲気中で熱処理する方法では、同時に初
期静電容量も小さくなるという問題があった。また、特
開平8-162375号公報、特開平8-339941号公報の方法で
は、根本的には耐久性を改善することはできないと言っ
てよい。また、電解液については、前述のスルホランを
溶媒とした電解液の電気伝導率及び誘電率は、ともにプ
ロピレンーカーボネートより小さいため静電容量が低下
するという問題がありキャパシターの小型化、大容量化
には問題があった.
【0007】従来の電気二重層キャパシターに用いられ
た活性炭電極では2.5Vを越える高電圧の連続印加によっ
て、ガス発生あるいは分極性電極上への反応生成物の付
着が発生していた。これが、原因となって、著しい内部
抵抗の増加あるいは静電容量の減少を起こすという欠点
を有していた。また、電解液については、前述のスルホ
ランを溶媒とした電解液の電気伝導率及び誘電率は、と
もにプロピレンーカーボネートより小さいため静電容量
が低下するという問題がありキャパシターの小型化、大
容量化には問題があった.
【0008】そこで、本発明者らは、特願平9 −183670
号において、炭素質電極にアルカリ金属等の金属、また
は無機物を添加して自然電位を任意に調節して充電時の
電位を、電解液の高電位側(酸化側)の実質的な分解開
始電圧以下にすることにより、電解液の分解が抑制さ
れ、電気二重層キャパシターの印加可能電圧、及び耐久
性が改善できることを提案している。
【0009】これについて簡単に説明する。代表的な非
水系の電解液である4 級アルキルアンモニウム塩のプロ
ピレンカーボネート溶液の実質的に炭素質物質からなる
電極を用いた場合、電解液の酸化側の分解開始電圧は4.
4 V(対Li/Li + )付近であると言われている。一方、
通常の活性炭電極の自然電位は3V(対Li/Li + )付近で
あり、キャパシターの印加電圧が2.8Vの場合、充電後の
正極側の分極は約1.4 Vとなり、酸化側の電位は4.4V
(対Li/Li + )以上を示し、電解液の電気化学的分解が
おこると考えられる。その結果、従来の活性炭電極を用
いた場合は、その電解液の分解により発生するガス等に
より容量は低下するため、長期間使用した場合に耐久性
に問題であった。現行の電気二重層キャパシターの印加
電圧2.5V以上で使用した場合、耐久性が低いのはキャパ
シターの正極、負極の電位変化と電解液の分解電圧との
関係にある。従って、特願平9−183670号の発明
では活性炭電極の自然電位を下げることにより、充電後
の正極側の電位が電解液の酸化分解開始電圧以下とし、
耐久性の改善に効果を得た。しかしながら高容量かつ高
い耐久性を示す、炭素質電極の自然電位と非水系電解液
組成の適切な組み合わせについては不明であった。
【0010】
【発明が解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記の課題を検討すべく鋭意検討した結果、印加電圧が
2.5V以上の電気二重層キャパシターにおいて、アルカリ
金属等の金属を添加して自然電位を調節した分極性電極
体と高電気伝導率、高耐電圧の電解液でかつ電極体中の
電極中との金属または無機物と反応が起こらない電気化
学的に安定な電解液との組み合わることにより、高容量
かつ耐久性に優れた電気二重層キャパシターが得られる
ことを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明の
目的は、2.5 V以上の高電圧印加時の耐久性及び充放電
耐久性に優れ、かつ静電容量の大きい電気二重層キャパ
シターを提供することにあり、かかる目的は、電解液の
溶媒をプロピレンカーボネートとエチレンカーボネート
の混合物を主体とし、かつ、分極性電極体の自然電位を
1.7 V以上2.7 V以下(対Li/Li + )にすることにより
容易に達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明を最大の特徴は、電解液の溶媒をプロピレンカー
ボネートとエチレンカーボネートの混合物を主体とし、
かつ、分極性電極体の自然電位を1.7 V以上2.7 V以下
(対Li/Li + )にすることにより、2.5V以上の高電圧印
加時に、高い静電容量を示し、かつ長時間電圧印加時の
耐久性及びサイクル耐久性が大幅に改善される点にあ
る。
【0012】具体的には、本発明は、非水系電解液と両
極に分極性電極体を用いた印加電圧が2. 5V以上の電
気二重層キャパシターにおいて、前記電解液の溶媒がプ
ロピレンカーボネートとエチレンカーボネートの混合物
を主体とし、かつ、分極性電極体の該電解液中での自然
電位が1.7 V以上2.7 V以下(Li/Li + )とするもので
ある。
【0013】本発明における分極性電極体の自然電位の
測定は、通常の電気化学的手法を用いて行われる。非水
系での電位測定は、水溶液での標準水素電極のような電
位基準は厳密には定義されていないが、実際には、銀-
塩化銀電極、白金電極、リチウム電極等の電極を用いて
一般に広く行われている。本発明においても同様な方法
で測定可能である。
【0014】本発明で用いる分極性電極体としては、特
に炭素質電極が好ましい。しかしながら純粋な炭素で
は、自然電位が1.7 V以上2.7 V以下の範囲にならない
ため、何らかの調節が必要となる。炭素質電極の自然電
位を1.7 V以上2.7 V以下(対Li/Li + )に調節する方
法は特に限定しないが、無機物(金属を含む)から選ば
れる少なくとも1 つ以上の物質を添加するのが好まし
い。無機物については、ルテニウム酸化物、白金酸化
物、オスミウム酸化物、イリジウム酸化物、スズ酸化
物、マンガン酸化物、チタン酸化物、バナジウム酸化
物、クロム酸化物、ストロンチウム酸化物、タングステ
ン酸化物、コバルト酸化物、ニッケル酸化物、亜鉛酸化
物、カドミウム酸化物、銅酸化物、鉄酸化物、ニオブ酸
化物、モリブデン酸化物、レニウム酸化物、ロジウム酸
化物、リチウム酸化物、希土類酸化物、ルテニウム複合
酸化物、白金複合酸化物、オスミウム複合酸化物、イリ
ジウム複合酸化物、スズ複合酸化物、マンガン複合酸化
物、チタン複合酸化物、バナジウム複合酸化物、クロム
複合酸化物、ストロンチウム複合酸化物、タングステン
複合酸化物、コバルト複合酸化物、ニッケル複合酸化
物、亜鉛複合酸化物、カドミウム複合酸化物、銅複合酸
化物、鉄複合酸化物、ニオブ複合酸化物、モリブデン複
合酸化物、レニウム複合酸化物、ロジウム複合酸化物、
リチウム複合酸化物、希土類複合酸化物、から選ばれた
少なくとも1 つ以上の金属酸化物または複合酸化物から
なる半導体酸化物あるいは導電性酸化物を用いることも
可能であるが、金属を用いるのが簡便でより効果的であ
る。無機物の状態については、イオン化していてもそう
でなくても、電極体の自然電位が変化すれば特に問わな
い。炭素質電極の自然電位を1.7 V以上2.7 V以下(対
Li/Li + )に調節するには卑な金属を炭素質電極中に導
入することにより可能である。特に、炭素質物質より自
然電位の低いリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジ
ウム、セシウム等のアルカリ金属元素、カルシウム、マ
グネシウム等のアルカリ土類金属、及びイットリウム、
ネオジウム等の希土金属を含む物質が好ましく、特に、
最も卑な電位を示すリチウム元素を含む物質がより好ま
しい。リチウムを含む物質としては、特に限定するもの
ではないが、例えば、リチウム−アルミニウム合金、リ
チウム−マグネシウム合金等のリチウムを含む合金、リ
チウム金属間化合物、リチウムを含むマンガン酸化物、
コバルト酸化物、ニッケル酸化物、バナジウム酸化物等
の複合酸化物、リチウムを含む硫化チタン、セレン化ニ
オブ、硫化モリブデン等のカルコゲナイト、リチウムを
含む炭素から選ばれる少なくとも1つ以上の物質を用い
ることが好ましい。
【0015】これらの無機物を、特に限定するものでは
ないが、電気化学的手法、化学的手法、物理的手法等に
より電極体に添加することが可能である。例えば、簡便
な方法の一つとして、正極側に非常に卑な電位をもつ金
属リチウムまたはリチウムを含む物質からなるリチウム
含有電極、炭素質電極、セパレータ及び非水系電解液で
構成される電気化学セルにおいて、リチウム含有電極と
炭素質電極を短絡またはリチウム含有電極を正極、炭素
質電極を負極として充電することにより炭素質電極中に
リチウムを導入させることができる。また、炭素質電極
中のリチウムの含有量は、炭素質物質の嵩密度、比表面
積、表面性状等により異なるが0.01重量%以上2重量%
以下程度となる。
【0016】こうして得た金属または無機物が添加され
た炭素質電極を両極に用いて、電気二重層キャパシター
を組み立てる。金属等を添加する前の炭素質物質の電極
には、電気二重層キャパシターを大容量とするために比
表面積の大きな活性炭を用いるのが好ましい。活性炭の
比表面積は大きすぎると嵩密度が低下してエネルギー密
度が低下するので、200 m2/g以上、3000m2/g以下が好ま
しく、さらに好ましくは300 m2/g以上、2300m2/g以下で
ある。活性炭の原料としては、植物物系の木材、のこく
ず、ヤシ殻、パルプ廃液、化石燃料系の石炭、石油重質
油、あるいはそれらを熱分解した石炭および石油系ピッ
チ、タールピッチを紡糸した繊維、合成高分子、フェノ
ール樹脂、フラン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化
ビニリデン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、液
晶高分子、プラスチック廃棄物、廃タイヤ等多種多用で
ある。これらの原料を炭化後、賦活するが、賦活法は、
ガス賦活と薬品賦活に大別される。ガス賦活法は、薬品
賦活が化学的な活性化であるのに対して、物理的な活性
化ともいわれ、炭化された原料を高温で水蒸気、炭酸ガ
ス、酸素、その他の酸化ガスなどと接触反応させて、活
性炭が得られる。薬品賦活法は、原料に賦活薬品を均等
に含侵させて、不活性ガス雰囲気中で加熱し、薬品の脱
水および酸化反応により活性炭を得る方法である。使用
される薬品としては、塩化亜鉛、りん酸、りん酸ナトリ
ウム、塩化カルシウム、硫化カリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウ
ム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸カルシウム等
がある。活性炭の製法に関しては、上記に各種あげた
が、特に問わない。活性炭はの形状は、破砕、造粒、顆
粒、繊維、フェルト、織物、シート状等各種の形状があ
るが、いずれも本発明に使用することができる。これら
の活性炭のうち、KOH を用いた薬品賦活で得られる活性
炭は、水蒸気賦活品と比べて容量が大きい傾向にあるこ
とから、特に好ましい。
【0017】賦活処理後の活性炭を、窒素、アルゴン、
ヘリウム、キセノン等の不活性雰囲気下で、500 〜2500
℃、好ましくは700 〜1500℃で熱処理し、不要な表面官
能基を除去したり、炭素の結晶性を発達させて電子伝導
性を増加させても良い。さらに、アンモニア、水素、水
蒸気、二酸化炭素、酸素及び空気を含むガス中で活性炭
を加熱処理することにより炭素骨格中に水素、酸素、窒
素等のヘテロ原子を導入したり、表面官能基を導入し
て、自然電位を制御してもよい。
【0018】粒状の活性炭の場合、電極の嵩密度の向
上、内部抵抗の低減という点で、平均粒子径は30μm以
下が好ましい。活性炭を主体とする分極性電極は、活性
炭、導電剤とバインダーから構成される。分極性電極
は、従来より知られている方法により成形することが可
能である。例えば、活性炭とアセチレンブラックの混合
物に、ポリテトラフルオロエチレンを添加・混合した
後、プレス成形して得られる。また、導電剤、バインダ
ーを用いず、活性炭のみを焼結して分極性電極とするこ
とも可能である。電極は、薄い塗布膜、シート状または
板状の成形体、さらには複合物からなる板状成形体のい
ずれであっても良い。
【0019】分極性電極に用いられる導電剤として、ア
セチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブ
ラック、天然黒鉛、熱膨張黒鉛、炭素繊維、酸化ルテニ
ウム、酸化チタン、アルミニウム、ニッケル等の金属フ
ァイバーからなる群より選ばれる少なくとも一種の導電
剤が好ましい。少量で効果的に導電性が向上する点で、
アセチレンブラック及びケッチェンブラックが特に好ま
しく、特に分極性電極として活性炭を用いた場合、配合
量は、活性炭の嵩密度により異なるが多すぎると活性炭
の割合が減り容量が減少するため、活性炭の重量の5 〜
50%、特には10〜30%程度が好ましい。バインダーとし
ては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリ
デン、カルボキシメチルセルロース、フルオロオレフィ
ン共重合体架橋ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリ
アクリル酸、ポリイミド、石油ピッチ、石炭ピッチ、フ
ェノール樹脂のうち少なくとも1種類以上用いるのが好
ましい。
【0020】集電体は電気化学的及び化学的に耐食性が
あればよく、特に限定するものではないが、例えば、正
極ではステンレス、アルミニウム、チタン、タンタルが
あり、負極では、ステンレス、ニッケル、銅等が好適に
使用される。非水系電解液の溶質は特に限定するもので
はないが、R4 + 、R4 + (ただし、RはC n H
2n+1 で示されるアルキル基)、トリエチルメチルアン
モニウムイオン等でなる第4級オニウムカチオン及び、
リチウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属カチ
オンと、BF4 - 、PF6 - 、ClO4 - 、またはCF3SO3 - なる
アニオンとを組み合わせた塩を使用するのが好ましい。
これらの塩の非水系電解液中の濃度は電気二重層キャパ
シターの特性が十分引き出せるように、0.1 〜2.5モル/
リットル、特に、0.3 〜2.0 モル/リットルが好まし
い。
【0021】非水系電解液の溶媒はプロピレンカーボネ
ートとエチレンカーボネートの混合溶媒を主体とするも
のを使用する。プロピレンカーボネートとエチレンカー
ボネートの混合比は特に限定しないが、プロピレンカー
ボネートの体積1に対し、エチレンカーボネートは体積
0.1 以上4 以下が好ましい。また、電解液の電気伝導
性、電気化学的安定性、及び化学的安定性を向上させる
ために、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネー
トの混合溶媒に、ブチレンカーボネート、ジメチルカー
ボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボ
ネート、スルホラン、メチルスルホラン、γ−ブチロラ
クトン、γ−バレロラクトン、N-メチルオキサゾリジノ
ン、ジメチルスルホキシド、トリメチルスルホキシド、
アセトニトリル、プロピオニトリルから選ばれる1種類
以上の有機溶媒を添加してもよい。高い耐電圧が得られ
るように、非水系電解液中の水分は200ppm以下、さらに
は50ppm 以下が好ましい。
【0022】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例で説明する
が、本発明は以下の実施例により限定されない。 (実施例1)はじめに、炭素質電極の自然電位調節方法
について述べる。KOH 賦活処理して得られたフェノール
樹脂系活性炭粉末(比表面積1900m2/g、平均粒子径10μ
m)80重量%、アセチレンブラック10重量%、ポリテト
ラフルオロエチレン10重量%からなる混合物を混練した
後、日本分光製錠剤成型器を用い、油圧プレスで直径10
mm、厚さ0.5mm となるように50kgf/cm2 の圧力で加
圧成形して円盤状の成型体を得た。この成型体を0.1tor
r 以下の真空中、300 ℃で3 時間乾燥し電極体とした。
この方法で作製した2 枚の電極の間に三菱化学製ポリエ
チレン製セパレータを入れた後、集電体に使う白金板2
枚で全体を挟み込み、さらに集電体、活性炭電極、セパ
レータがよく接触するように一番外側から2枚の厚さ5
mmで4個のボルト孔をもつテフロン板で挟み込んで、オ
ープンセル型キャパシターを組み立てた。こうして得た
オープンセル型キャパシターと白金板の先端に金属リチ
ウム箔を圧着することにより作製したリチウム極をビー
カー内の1 モル/リットルの濃度のLiBF44のプロピレン
カーボネート溶液中に浸漬させた。次に、リチウム極と
活性炭電極をリード線でつなぎ、約1時間短絡させた。
短絡させた後、活性炭電極とリチウム極との間に電圧計
を接続して測定した活性炭電極の自然電位は、2.26V
(対Li/Li + )であった。
【0023】次に、電気二重層キャパシターの作製方法
について述べる。上記の方法で得た自然電位2.26V の活
性炭電極2枚に1 モル/リットルの濃度の(C2H5)4NBF4
のプロピレンカーボネート+エチレンカーボネート(体
積混合比1+1)溶液を充分に含浸させたものを各々正
極、負極とし、ポリエチレンセパレータを両極間に配置
して図1に示すようなコイン型セルを組立てることによ
り電気二重層キャパシターを得た。この場合容器が集電
体となっている。得た電気二重層キャパシターに、北斗
電工製充放電装置「HJ201-B 」を用いて、室温下で2.8
Vの電圧を1時間印加した後、1.16mAで定電流放電して
求めた初期の静電容量は、1.90Fであった。電圧印加条
件下におけるキャパシターの長期的な作動信頼性を加速
的に評価するため、このキャパシターを70℃の恒温槽に
入れて2.8Vの電圧を印加した500時間経過後の静電容量
の変化率は−2.8 %を示した。
【0024】(実施例2)リチウム極と活性炭極の短絡
処理を30分間行った以外は実施例1と同様な電気二重層
キャパシターを構成した。活性炭電極の自然電位は、2.
58V を示した。電気二重層キャパシターの初期の静電容
量は1.88Fであった。500 時間後の静電容量変化率は-
2.7%を示した。
【0025】(比較例1)電気二重層キャパシターの電
解液を1 モル/リットルの濃度の(C2H5)4NBF4 のプロピ
レンカーボネート溶液とした以外は実施例1と同様な電
気二重層キャパシターを構成した。電気二重層キャパシ
ターの初期の静電容量は1.79Fであった。500 時間後の
静電容量変化率は-5.0%を示した。
【0026】(比較例2)電気二重層キャパシターの電
解液を1 モル/リットルの濃度の(C2H5)4NBF4 のプロピ
レンカーボネート溶液とした以外は実施例2と同様な電
気二重層キャパシターを構成した。電気二重層キャパシ
ターの初期の静電容量は1.81Fであった。500 時間後の
静電容量変化率は-4.4%を示した。
【0027】(比較例3)リチウム極と活性炭極の短絡
処理を行わない以外は実施例1と同様な電気二重層キャ
パシターを構成した。活性炭電極の自然電位は、3.05V
を示した。得た電気二重層キャパシターの初期の静電容
量は1.89Fであった。500 時間後の静電容量変化率は-1
3 %を示した。
【0028】(比較例4)リチウム極と活性炭極の短絡
処理を行わなず、かつ電気二重層キャパシターの電解液
を1 モル/リットルの濃度の(C2H5)4NBF4 のプロピレン
カーボネート溶液とした以外は実施例1と同様に電気二
重層キャパシターを構成した。活性炭電極の自然電位
は、3.05V を示した。得た電気二重層キャパシターの初
期の静電容量は1.83Fであった。500 時間後の静電容量
変化率は-23 %を示した。
【0029】(比較例5)電気二重層キャパシターの電
解液を1 モル/リットルの濃度の(C2H5)4NBF4 のスルフ
ォラン+エチレンカーボネート(体積混合比1+1)溶
液とした以外は実施例2と同様な電気二重層キャパシタ
ーを構成した。電気二重層キャパシターの初期の静電容
量は1.55Fと低い値を示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で用いたコイン型セルの模式
図である。
【符号の説明】 1 ステンレス製容器のケース 2 活性炭成型体 3 ガスケット 4 セパレータ 5 活性炭成型体 6 ステンレス製容器の上蓋

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非水系電解液と両極に分極性電極体を用
    いた電気二重層キャパシターにおいて、前記電解液の溶
    媒がプロピレンカーボネートとエチレンカーボネートの
    混合物を主体とし、かつ、該分極性電極体が、該電解液
    中での自然電位としてLi/Li + を対極とした場合、1.7
    V以上2.7 V以下であることを特徴とする電気二重層キ
    ャパシター。
  2. 【請求項2】 該分極性電極体が実質的に炭素質物質
    と、無機物から選ばれる少なくとも1つ以上の物質から
    なることを特徴とする請求項1記載の電気二重層キャパ
    シター。
  3. 【請求項3】 該炭素質物質が活性炭であることを特徴
    とする請求項2記載の電気二重層キャパシター。
  4. 【請求項4】 該分極性電極体にアルカリ金属、アルカ
    リ土類金属、及び希土類金属から選ばれる少なくとも1
    つ以上の物質を含む請求項1乃至3のいずれか記載の電
    気二重層キャパシター。
  5. 【請求項5】 該分極性電極体にリチウムを含む請求項
    1乃至4のいずれか記載の電気二重層キャパシター。
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