JP2005243933A - 電気二重層キャパシタ - Google Patents

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Abstract

【課題】体積当たりの静電容量が大きく、かつ、充放電サイクルの繰り返し、或いは一定電圧の長時間連続印加によっても静電容量の低下が少ない、耐久性に優れた電気二重層キャパシタを提供する。
【解決手段】活性炭を主体とする電極材を用いて構成される分極性電極を有する電気二重層キャパシタ。該活性炭はやしがら活性炭とアルカリ賦活炭とを含む混合物よりなり、該混合物のBET比表面積は1900〜2400m/g、平均細孔径は1.85〜2.20nmであり、該混合物中に含まれるやしがら活性炭の割合は30〜70重量%以下である。

Description

本発明は、電気二重層キャパシタに関する。詳しくは、やしがら活性炭とアルカリ賦活炭との混合物を分極性電極の電極材として用いた、高い静電容量を有し、耐久性にも優れた高特性電気二重層キャパシタに関する。
近年、地球環境対策の点から、自動車分野において燃費のより一層の向上、排気ガスのより一層の浄化のための開発が行われている。この開発の取り組みの一環として、ハイブリッド自動車、電気自動車の技術開発が進められている。これらの技術開発に関連して駆動系パワーアシスト或いはエネルギー回生の用途に、電気二重層キャパシタの実用化が注目されている。電気二重層キャパシタは、分極性電極と電解液との界面に形成される電気二重層に電荷を蓄積することを原理としており、鉛蓄電池、ニッケル水素二次電池等の二次電池と比べて大電流による急速充放電ができることが長所である。分極性電極の材料としては、界面が大きく、かつ導電性に優れる点から、通常、活性炭が用いられる。
ハイブリッド自動車、電気自動車用途の電気二重層キャパシタには、体積当たりの静電容量(F)が高いことのみならず、長時間使用時の耐久性、即ち、充放電サイクルを繰り返し、或いは電圧の連続印加が長時間続いても静電容量の低下がより少ないことが求められており、多くの技術的課題を残している。
従来、キャパシタとしてのエネルギー密度を上げるために、活性炭を主体とする多孔性電極、集電体、及びセパレータの厚さを適正化したり(特開平11−317332号公報)、アルミニウムを含浸した活性炭の複合電極を分極性電極とする(特表平10−509560号公報)等の電極作製技術が提案されている。
一方、電気二重層キャパシタの電極材料に、活性炭に代表される炭素質物質を使用することが、特公昭60−15138号公報、特開昭63−187614号公報、特開平1−321620号公報、特開平3−180013号公報、特公平6−56827号公報、特公平4−44407号公報、特公平4−70770号公報等に提示されている。
このうち、特開平1−321620号公報には、粉末活性炭を1000℃で熱処理したものをキャパシタ用電極材として用いることが示され、また、特開平3−180013号公報では、活性炭の含有酸素量を25〜35重量%とすることにより、電気二重層キャパシタの静電容量を向上させることが可能であるとしているが、いずれの公報においても用いる活性炭の種類や物性については記載されていない。
特公平4−70770号公報では、平均細孔径が1.5nm(15Å)以上の活性炭をキャパシタ用電極材として用いたものが温度特性に優れるとされている。
繊維状炭素については、特公昭60−15138号公報にフェノール系繊維を炭化したのち賦活処理して得た繊維状炭素がキャパシタ用電極材として適していることが示され、特公平6−56827号公報には、表面の酸性官能基の濃度が1.0ミリ当量/g以下の炭素繊維又は炭素粉末をキャパシタ用電極材として用い、500m/g以上の比表面積のものが好ましいこと、具体的にはフェノール樹脂系活性炭繊維を用いることが記載されている。また、特公平4−44407号公報では、特定のフェノール樹脂発泡体を炭化、賦活処理したものをキャパシタ用電極材として用いることが記載されている。
しかし、特公昭60−15138号公報、特公平6−56827号公報及び特公平4−44407号公報などに記載されたフェノール樹脂系材料を炭化した後、賦活処理して得られる活性炭は、比表面積に関しては後述する本発明におけるものとほぼ同等ではあるが、一般に賦活原料となるフェノール樹脂系炭素化物が、均一な非晶質炭素であるため、これを賦活して得られる活性炭に形成される細孔の大部分は細孔直径が15Å以下となる。そのため、平均細孔径は通常18Å以下程度と、本発明における平均細孔径よりも小さく、5.0〜30.0nmの比較的大きい細孔領域には実質的な細孔分布を有さないものである。
特公昭60−15138号公報に記載されたフェノール樹脂を原料とした活性炭炭素繊維織布は、粉末活性炭を成型又は塗布して得られる電極と比較し、電気抵抗が小さいというのが特長であり、その意味では高出力が期待できて好ましい。しかしながら、その電極の嵩密度が小さく、体積当たりの静電容量が小さいという欠点があった。
また、特開平3−180013号公報に記載された、多量の酸素を含有する活性炭を電極材に使用した電気二重層キャパシタでは、充放電時に抵抗増加等による大幅な容量低下が起こるため、耐久性に大きな課題がある。
上述のような従来公知の活性炭を用いた電極材において、その電極作製法を改善することにより電極の内部抵抗を低減し、出力密度をある程度増加させることは可能であるが、高いエネルギー密度を有し、かつ耐久性に優れた電気二重層キャパシタ用活性炭電極は依然として提供されていないのが現状である。
特開平11−317332号公報 特表平10−509560号公報 特公昭60−15138号公報 特開昭63−187614号公報 特開平1−321620号公報 特開平3−180013号公報 特公平6−56827号公報 特公平4−44407号公報 特公平4−70770号公報
本発明は、体積当たりの静電容量が大きく、かつ、充放電サイクルの繰り返し、或いは一定電圧の長時間連続印加によっても静電容量の低下が少ない、耐久性に優れた電気二重層キャパシタを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の原料を適切な条件下で賦活処理することにより得られた複数の活性炭、より具体的には耐久性の向上に有効なやしがら活性炭と静電容量の向上に有効なアルカリ賦活炭とを混合して用いることにより、適切な細孔分布、比表面積、表面状態、及び優れた電気化学特性を有する分極性電極とすることができ、それによって体積当たりの静電容量が大きく、かつ耐久性に優れる電気二重層キャパシタを実現し得ることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は、活性炭を主体とする電極材を用いて構成される分極性電極を有する電気二重層キャパシタにおいて、該活性炭が、やしがらを原料とするやしがら活性炭と、アルカリ賦活炭とを含む混合物よりなり、該混合物のBET比表面積が1900m/g以上2400m/g以下で、平均細孔径が1.85nm以上2.20nm以下であり、該混合物中に含まれるやしがら活性炭の割合が30重量%以上70重量%以下であることを特徴とする電気二重層キャパシタにある。
上記特定の物性を満たすやしがら活性炭とアルカリ賦活炭との混合物を電極材として用いた分極性電極を有する電気二重層キャパシタにおいては、活性炭の嵩密度が高く、かつ活性炭の細孔中に存在する電解液の電解質イオン、溶媒分子のイオン導電性が大きく、大電流での充放電であっても、十分に高い出力を発現することが可能で、活性炭の細孔のサイズ等、細孔構造が適切であるため体積当たりの静電容量が大きく、また、活性炭の炭素構造が安定であるため耐久性に優れる。
また、特に、後述の如く、活性炭に存在する含酸素量を適切な量に調節し、かつ、非水系電解液中における活性炭電極の自然電位を適切な範囲に調節することにより、電気二重層キャパシタの耐久性をより向上させることが可能である。
ところで、電気二重層キャパシタの使用方法は、通常、放電後は急速に充電を行うことが多く、従って、電気二重層キャパシタの「耐久性」は、一定の電圧を長時間連続付加した場合の静電容量の変化率で比較されることが多い。例えば、加速的な耐久性評価の指標として、70℃において2.8Vの電圧を連続印加した場合の500時間以上での容量変化率の場合、電気二重層キャパシタの組み立て方法等により一概には言えないが、500時間後での静電容量が15%よりも多く減少する(容量変化率:−15%)ことは実用上好ましくない。
本発明によれば、上記構成を採用することにより、後述の実施例の結果からも明らかなように、この容量変化率を15%以下に抑えることができる。
本発明において用いるやしがら活性炭は、やしがらを炭化後、水蒸気賦活して得られ、BET表面積が2000m/g以上2500m/g以下で、平均細孔径が1.95nm以上2.20nm以下であることが好ましい。また、アルカリ賦活炭は、樹脂を原料とし、BET表面積が1800m/g以上2400m/g以下で、平均細孔径が1.75nm以上2.00nm以下であることが好ましい。
また、これらやしがら活性炭とアルカリ賦活炭との混合物の平均粒子径は2μm以上30μm以下であることが好ましい。
本発明によれば、やしがら活性炭とアルカリ賦活炭とを所定割合で混合してなる、特定のBET表面積と平均細孔径を有する混合物を分極性電極の電極材として用いることにより、当該電極材が適切な細孔分布、比表面積、表面状態、及び電気化学特性を有するものとなり、体積当たりの静電容量が大きく、かつ、充放電サイクルの繰り返し、或いは一定電圧の長時間連続印加によっても静電容量の低下が少ない、耐久性に優れた電気二重層キャパシタが提供される。
以下、本発明の電気二重層キャパシタの実施の形態を詳細に説明する。
まず、本発明の電気二重層キャパシタの分極性電極を構成する材料について説明する。
本発明に係る分極性電極は、活性炭を主体とする電極材を用いて構成されたものであって、この活性炭が、やしがらを原料とする活性炭(やしがら活性炭)と、原料をアルカリ賦活して得られるアルカリ賦活炭とを含み、やしがら活性炭の含有量が30重量%以上70重量%以下で、特定のBET比表面積と平均細孔径を有する混合物(以下、この混合物を「混合活性炭」と称す場合がある。)により構成される。
本発明で用いるやしがら活性炭は、やしがらを炭化後、好ましくは、水蒸気賦活して得られ、このやしがら活性炭のBET表面積は2000m/g以上2500m/g以下で、平均細孔径は1.95nm以上2.20nm以下であることが好ましい。
通常、やしがら以外の活性炭の原料としては、石油系ピッチ、石油コークス、タールピッチを紡糸した繊維、合成高分子、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、液晶高分子、プラスチック廃棄物、廃タイヤ等多種多様のものが挙げられるが、例えばフェノール樹脂を活性炭の原料とした場合、2000m/g以上の比表面積を有するものを得ることは可能であるが、平均細孔径を本発明における上記好適範囲に調節することは困難であり、結果として、本発明で規定する物性を満たす混合活性炭を得ることができなくなる。
やしがらを炭化後、賦活する際の賦活法としては、通常、ガス賦活法が行われる。ガス賦活法は、炭化された原料を高温で水蒸気、炭酸ガス、酸素、その他の酸化ガスなどと接触反応させることにより活性炭を生成させる方法である。本発明で用いるやしがら活性炭の製法に関しては特に制限されず、生成した活性炭が前記物性を満足する限り、いずれの方法も採用し得るが、これらの賦活法のうち、水蒸気賦活法で得られる活性炭が、得られる電気二重層キャパシタの耐久性に優れ、かつ製造コストも安い特長を有することから、賦活法としては水蒸気賦活法が有利である。
水蒸気賦活法によるやしがら活性炭は、やしがらを粉砕・調粒したものを、不活性雰囲気中で炭化処理(乾留)して得られたやしがらチャーを、800℃以上、好ましくは850℃以上、より好ましくは900℃以上であって、1300℃以下、好ましくは1200℃以下、より好ましくは1100℃以下で、30体積%以上100体積%以下の水蒸気ガス雰囲気を含む窒素、アルゴン、燃焼排ガス等の不活性ガス中で熱処理することにより得ることができる。この賦活処理後は必要に応じて粉砕、整粒する。
賦活処理前のやしがら、あるいはやしがらチャー、及び賦活処理して得られた活性炭を、塩酸、硝酸、硫酸等の酸水溶液中で洗浄して、炭素中に含まれる金属不純物、灰分等を除去したものも本発明に好適なやしがら活性炭に含まれる。また、賦活処理後のやしがら活性炭を、窒素、アルゴン、ヘリウム、キセノン等の不活性雰囲気下で、500℃以上、好ましくは700℃以上であって、2500℃以下、好ましくは1500℃以下で熱処理し、不要な表面官能基を除去したり、炭素の結晶性を発達させて電子伝導性を増加させても良い。
このようにして得られるやしがら活性炭の形状には特に制限はなく、破砕状、粒状、顆粒状、繊維状、フェルト状、織物状、シート状等各種の形状のものをいずれも使用することができるが、電極化しやすい点から、粒状(粉末状)であることが好ましい。粒状のやしがら活性炭の場合、得られる電極の嵩密度の向上、内部抵抗の低減という点で、その平均粒子径は30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。また、平均粒子径の下限は2μm以上であることが好ましい。
一方、アルカリ賦活炭は、原料にアルカリ賦活薬品を均等に含浸させて、不活性ガス雰囲気中で加熱し、薬品の脱水及び酸化反応により活性炭を得る方法で得られたものである。使用されるアルカリ賦活薬品としては、りん酸ナトリウム、塩化カルシウム、硫化カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸カルシウム等が挙げられ、これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
本発明で用いるアルカリ賦活炭は、樹脂を原料とし、かつ、BET表面積が1800m/g以上2400m/g以下で、平均細孔径が1.75nm以上2.00nmで以下あることが好ましい。
通常、アルカリ賦活炭の原料としては、やしがら、石油系ピッチ、石油コークス、石炭、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、液晶高分子、プラスチック廃棄物、フェノール樹脂を含む廃材廃タイヤ等多種多様のものが挙げられるが、樹脂を原料とするものが好ましい。原料としての樹脂は、そのまま用いても良く、硬化させて用いても良く、更に炭化して用いても良いが、歩留まりが高い点で、樹脂を硬化させた後炭化させたものを用いるのが好ましい。特に、原料の樹脂の中では、フェノール樹脂を硬化させたもの、又はフェノール樹脂を30重量%以上含む廃材を原料としたものが、本発明で規定する物性を満たす混合活性炭を得やすい点で好ましい。
生成した活性炭が前記特性を満足する限り、アルカリ賦活薬品は上記に限られないが、水酸化カリウムを用いて賦活されたアルカリ賦活炭が、得られる電気二重層キャパシタの静電容量及び耐久性に優れていることから有利である。
本発明で用いるアルカリ賦活炭は、例えば以下の方法で得られる。即ち、まず、樹脂をそのまま、又は樹脂の硬化物を粉砕・調粒したものを水酸化カリウム等のアルカリ賦活薬品の粉末又は粒状の固体、又は水酸化カリウム等のアルカリ賦活薬品の水溶液と混合した後、窒素ガス等の不活性ガス中にて、400℃以上、好ましくは500℃以上、より好ましくは650℃以上、950℃以下、好ましくは900℃以下、より好ましくは850℃以下で熱処理した後、得られた生成物を水で洗浄後、乾燥し、その後必要に応じて粉砕、整粒する。ここで、原料に対する水酸化カリウム等のアルカリ賦活薬品の混合倍率は1倍以上、好ましくは5倍以上、10倍以下、好ましくは5倍以下である。この混合倍率が1倍未満では比表面積が小さくなり、静電容量が低くなる傾向にあり、10倍を超えると比表面積を大きくする効果はなく、嵩密度が低くなる傾向にあるので、体積あたりの静電容量が低下する傾向にある。
アルカル賦活前の原料、及び賦活処理して得られたアルカリ賦活炭を、前記のやしがら活性炭の場合と同様に塩酸、硝酸、硫酸等の酸水溶液中で洗浄して、炭素中に含まれる金属不純物、灰分等を除去したものも本発明に好適なアルカリ賦活炭に含まれる。
賦活処理後のアルカリ賦活炭を、窒素、アルゴン、ヘリウム、キセノン等の不活性雰囲気下で、500℃以上、好ましくは700℃以上、2500℃以下、好ましくは1500℃以下で熱処理し、不要な表面官能基を除去したり、炭素の結晶性を発達させて電子伝導性を増加させても良い。
このようにして得られるアルカリ賦活炭の形状には特に制限はなく、破砕状、粒状、顆粒状、繊維状、フェルト状、織物状、シート状等各種の形状のものをいずれも本発明に使用することができるが、電極化しやすい点から、粒状(粉末状)であることが好ましい。粒状のアルカリ賦活炭の場合、得られる電極の嵩密度の向上、内部抵抗の低減という点で、その平均粒子径は30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。また、平均粒子径の下限は2μm以上であることが好ましい。
このようなやしがら活性炭とアルカリ賦活炭を混合して得られる混合活性炭が本発明の電気二重層キャパシタの分極性電極として用いられる。やしがら活性炭とアルカリ賦活炭の混合方法は特に限定されず、電極を作製する前に湿式又は乾式混合しても良く、後述のバインダー、導電材と混合する際に同時に混合しても良い。また、前記のやしがら活性炭、アルカリ賦活炭を作製する際に、賦活後、洗浄、不活性雰囲気中での熱処理、又は粉砕等の後処理を行う前に、やしがら活性炭とアルカリ賦活炭を混合して同時に後処理を行っても良い。
やしがら活性炭とアルカリ賦活炭の混合物よりなる混合活性炭中に含まれるやしがら活性炭の割合は、30重量%以上、好ましくは35重量%以上、特に好ましくは40重量%以上で、70重量%以下、好ましくは65重量%以下、特に好ましくは60重量%以下である。やしがら活性炭の割合が30重量%より少ない場合、得られる電気二重層キャパシタの体積当たりの静電容量が比較的大きくなるものの、耐久性が低下し、70重量%より多いと体積当たり静電容量が小さくなり好ましくない。実用上、アルカリ賦活炭よりもやしがら活性炭の割合の多い方が得られる電気二重層キャパシタの耐久性が高くなる点で好ましい。
なお、本発明に係る混合活性炭は、上記やしがら活性炭とアルカリ賦活炭とを混合してなるものであり、実質的にはやしがら活性炭とアルカリ賦活炭とで構成されるが、やしがら活性炭とアルカリ賦活炭の製造工程や混合工程等において不可避的に混入する不純物等が多少含まれていても良い。
この混合活性炭の比表面積は大きすぎると嵩密度が低下して、得られる電気二重層キャパシタの単位体積当たりの出力が低下するので、窒素吸着法によるBET法により求めたBET比表面積は2400m/g以下であることを必須とし、好ましくは2350m/g以下であり、より好ましくは2300m/g以下である。また、比表面積が小さすぎても得られる電気二重層キャパシタの単位重量当たりの出力が低下することから、窒素吸着法によるBET法により求めたBET比表面積は1900m/g以上であることを必須とし、好ましくは1950m/g以上であり、より好ましくは2000m/g以上である。
また、本発明に係る混合活性炭の平均細孔径が小さすぎると、大電流下における充放電時に細孔内での電解イオンの拡散抵抗によると思われる電気抵抗が増加するため高出力用途には適さず、他方、大きすぎると、活性炭の嵩密度が低下し、得られる電気二重層キャパシタの単位体積当たりの静電容量が低下するため好ましくない。従って、平均細孔径は1.85nm(18.5Å)以上であることを必須とし、好ましくは1.87nm(18.7Å)以上、より好ましくは1.90nm(19.0Å)以上であり、2.20nm(22.0Å)以下であることを必須とし、好ましくは2.17nm(21.7Å)以下、より好ましくは2.15nm(21.5Å)以下である。
また、本発明に係る混合活性炭の全細孔容積は0.75cm/g以上、特に0.8cm/g以上で、1.3cm/g以下、特に1.2cm/g以下であることが好ましく、この全細孔容積が0.75cm/g未満では体積あたり、及び重量あたりの静電容量が小さく、1.3cm/gを超えると重量あたりの静電容量は若干増加傾向を示すが、嵩密度が低下し、結果として体積あたりの静電容量が小さくなる場合がある。
また、本発明に係る混合活性炭は、非水系電解液を用いた電気二重層キャパシタにおいて、該電解液中での自然電位、即ち、この混合活性炭を用いて製造された正極の自然電位が、リチウム電極(Li/Li)を対極とした場合、2.85V以上、特に2.90V以上であることが好ましく、3.08V以下、特に3.06V以下であることが好ましい。この自然電位が大きすぎると、例えば、活性炭を正極として組み立てた電気二重層キャパシタに2.5V以上を印加した場合、正極の充電後の電位が約4.3V(対Li/Li)となり、電解液の酸化分解電位(4.3V以上)に達するので、その結果、電解液の分解反応が生じ、電気二重層キャパシタの耐久性は低下する。なお、自然電位が2.85Vより小さいものは、上記の製法においては、通常得られない。
なお、本発明における正極の炭素質電極の自然電位測定は、通常の電気化学的手法を用いて行われる。非水系電解液での電位測定は、水溶液での標準水素電極のような電位基準は厳密には定義されていないが、実際には、銀−塩化銀電極、白金電極、リチウム電極等の電極を用いて一般に広く行われており、本発明においても同様な方法で測定可能である。具体的な測定方法は後述の実施例に示す通りである。
また、活性炭中に含まれる酸素量は電気二重層キャパシタの耐久性に影響を及ぼすので、本発明に係る混合活性炭の含酸素量は適切な量に調節することが好ましい。本発明では、混合活性炭1g当たりの含酸素量は1mg以上が好ましく、より好ましくは2mg以上であり、20mg以下が好ましく、より好ましくは10mg以下である。
ここで、含酸素量とは、真空中又はアルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中で、活性炭を1000℃付近で熱処理し、その際に発生した分解ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)を定量し、これらの分子に含まれる酸素量を総和で示す値である。ここで、熱分解温度が1000℃付近であることから、この酸素量は、活性炭中の含酸素官能基、即ち、カルボキシル基、フェノール基、ケトン類等に相当しており、言い換えれば、本発明における含酸素量とは、活性炭中に含まれる含酸素官能基の総量を示す指標であると言える。
混合活性炭1g中の含酸素量が上記範囲を超えて多すぎると、得られる電気二重層キャパシタの充放電時にセル内に含酸素官能基の分解又は電解液との反応によると推定されるガス発生による電気抵抗の増加が生じ、キャパシタの耐久特性は低下するために好ましくない。また上記範囲より少なすぎると、電極作製時に電極用結着剤との親和性が低下し、結果として電極の嵩密度が低下することにより、単位体積当たりの出力が低下するので好ましくない。
このような混合活性炭を用いて電気二重層キャパシタを作製する場合について、以下に述べる。
本発明に係る混合活性炭を主体とする電極材を用いて構成される分極性電極は、常法により製造され、主に混合活性炭とバインダーから形成されるが、電極に導電性を付与するために、更に導電性物質(導電剤)を添加しても良い。混合活性炭は、従来より知られている方法により成形することが可能である。例えば、混合活性炭とアセチレンブラック等の導電剤の混合物に、ポリテトラフルオロエチレン等のバインダーを添加、混合した後、プレス成形することにより成形体として得ることができる。また、混合活性炭に比較的軟化点の高い石炭ピッチをバインダーとして添加、混合後、成形したものを、不活性雰囲気中でバインダーの熱分解温度以上まで焼成して成形体を得ることもできる。更に、導電剤、バインダーを用いず、混合活性炭のみを焼結して分極性電極とすることも可能である。また、このような分極性電極の成形に当たり、必要に応じて集電体を用い、集電体上に電極を成形することもできる。
本発明に係る分極性電極は、薄い塗布膜、シート状又は板状の成形体、更には複合物からなる板状成形体のいずれであっても良い。
なお、バインダーとの混合に先立ち、混合活性炭を所望の粒状に粉砕することもできるが、混合活性炭を比較的大粒径のままバインダーと混合して一緒に粉砕し、混合スラリー又はドライな粉砕物として得ることもできる。
分極性電極に用いられる導電剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、天然黒鉛、熱膨張黒鉛、炭素繊維、酸化ルテニウム、酸化チタン、アルミニウム、ニッケル等の金属ファイバーからなる群より選ばれる少なくとも1種の導電剤が好ましい。少量で効果的に導電性が向上する点で、アセチレンブラック及びケッチェンブラックが特に好ましく、混合活性炭との配合量は、混合活性炭の嵩密度により異なるが、多すぎると混合活性炭の割合が減り容量が減少するため、混合活性炭の重量の5重量%以上、特に10重量%以上で、50重量%以下、特に30%重量%以下とするのが好ましい。
バインダーとしては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシセルロース、メチルセルロース、フルオロオレフィン共重合体架橋ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリイミド、石油ピッチ、石炭ピッチ、フェノール樹脂のうちの少なくとも1種以上を用いるのが好ましい。バインダーを用いる場合、その配合量は混合活性炭に対して0.5重量%以上、特に1重量%以上で、30重量%以下、特に10重量%以下とすることが好ましい。バインダーの配合量が多過ぎると電極の電気抵抗値が高くなるため、静電容量が低下し、少ないと活性炭を電極体に成形することができない。
集電体を用いる場合、集電体の材質としては、電気化学的及び化学的な耐食性を有するものであればよく、特に限定するものではないが、例えば、正極としてはステンレス、アルミニウム、チタン、タンタル等が挙げられ、負極としては、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、銅等が好適に使用される。
電気二重層キャパシタの電解液としては、非水系電解液が好ましい。非水系電解液の溶質としては、R、R(ただし、RはC2n+1で示されるアルキル基:n=1〜4)、トリエチルメチルアンモニウムイオン等で示される第4級オニウムカチオンと、BF4−、PF6−、ClO4−、SbF6−又はCFSO3−等のアニオンとを組み合わせた塩、或いは、これらのアニオンに対してカチオンがリチウムイオンであるリチウム塩などを用いることができる。リチウム塩としては、LiBF,LiClO,LiPF,LiSbF,LiAsF,LiCFSO,LiC(CFSO,LiB(C,LiCSO,LiC17SO,LiN(CFSOから選ばれる1つ以上の物質が好ましい。特に、電気導電性、安定性、及び低コスト性という点から、カチオンとしてR(ただし、RはC2n+1で示されるアルキル基:n=1〜4)及びトリエチルメチルアンモニウムイオンと、アニオンとしてのBF4−、PF6−、ClO4−、又はSbF6−を組み合わせた塩が好ましい。
非水系電解液中の溶質濃度は電気二重層キャパシタの特性が十分引き出せるように、0.3モル/リットル以上、特に0.7モル/リットル以上が好ましく、2.0モル/リットル以下、特に1.9モル/リットル以下が好ましい。この濃度範囲であれば、高い電気導電性が得られ、好ましい。特に、−20℃以下の低温で充放電する際、2.0モル/リットルを超える濃度では、電解液の電気導電性が低下し好ましくない。また、0.3モル/リットル未満の濃度では室温下、低温下とも電気電導度が小さく好ましくない。
非水系電解液の溶媒は特に限定するものではないが、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、スルホラン、メチルスルホラン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、N−メチルオキサゾリジノン、ジメチルスルホキシド、及びトリメチルスルホキシドから選ばれる1種類以上からなる有機溶媒が好ましい。電気化学的及び化学的安定性、電気伝導性に優れる点から、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、スルホラン、メチルスルホラン、γ−ブチロラクトンから選ばれる1種類以上の有機溶媒が特に好ましい。ただし、エチレンカーボネート等の高融点溶媒は、単独では低温下では固体となるため使用できず、プロピレンカーボネート等との低融点溶媒との混合溶媒とする必要がある。
電解液としては特にトリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート(EtMeNBF)又は、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(EtNBF)のプロピレンカーボネート溶液が好ましく、EtMeNBFの濃度としては0.7モル/リットル以上1.5モル/リットル以下が好ましく、EtNBFの濃度としては0.5モル/リットル以上1モル/リットル以下が好ましい。
なお、非水系電解液中の水分は、高い耐電圧が得られるように200ppm以下、更には50ppm以下とすることが好ましい。
以下、本発明を具体的な実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
[活性炭の製造及び物性測定]
(1)やしがら活性炭の製造
やしがらチャー(50g)を、水蒸気を含む窒素ガスを流通させたロータリーキルンに入れ、水蒸気賦活を行うことにより、やしがら活性炭(試料1〜3)をそれぞれ製造した。賦活温度、賦活時間、及び窒素ガス中の水蒸気濃度は下記表1に示す通りである。得られた賦活物を、塩酸中で洗浄後、脱塩水で繰り返し水洗した。水洗後、賦活物を乾燥し、乾燥後、これらの賦活物を粉砕して平均粒径が15μmのやしがら活性炭の粉末(試料1〜3)を得た。
(2)アルカリ賦活炭の製造
粒径約10mmのフェノール樹脂硬化物の粉砕物10gを水酸化カリウム50重量%水溶液60g(水酸化カリウム/原料重量比=3.0)と混合して得た混合物を、ニッケル製容器に入れた後、窒素ガス気流下、電気式加熱炉で室温から800℃まで加熱処理した。得られた熱処物を脱塩水で粒径に粉砕した後、塩酸中で洗浄後、脱塩水で繰り返し水洗した。水洗後、賦活物を乾燥し、窒素ガス気流中、850℃で熱処理した後、粉砕して平均粒径が8μmのアルカリ賦活炭の粉末(試料A)を得た。
また、水酸化カリウム/原料重量比を2.0、1.5とした以外は試料Aと同様な方法で、各々試料B、試料Cを得た。
(3)活性炭の物性測定
得られた活性炭粉末のBET比表面積、及び全細孔容積は、ソープトマチック1800型(ファイソン社製)を用い、該活性炭粉末の液体窒素温度における各相対圧力下での窒素ガスの各平衡吸着量を測定して得られる活性炭の吸着等温線より算出した。
活性炭粉末の平均細孔径は、活性炭の細孔形状を円柱状に仮定し、上記の窒素ガスの吸着等温線から求めた全細孔容積とBET比表面積から算出した。
活性炭中の含有酸素量は、以下のようにして求めた。
約1gの活性炭粉末を入れた石英硝子製反応管を約1000℃に加熱し、その際に発生したガスをガスクロマトグラフ分析装置に注入し、発生ガス中のCO及びCO成分を定量した。定量したCO及びCO中の各々の酸素量の和を求め、活性炭1g当たりの含有酸素量を算出した。
以上のようにして求めたやしがら活性炭及びアルカリ賦活炭の各試料の物性値を、その製造条件と共に表−1,2に示した。
Figure 2005243933
実施例1〜5、比較例1〜3
<電気二重層キャパシタの作製>
上記活性炭製造例で得られたやしがら活性炭(試料1,2,3)及びアルカリ賦活炭(試料A,B,C)を表2に示す組み合わせで、表2に示す重量混合比となるよう、乳鉢中で混合し、混合活性炭の粉末を調製した。
得られた混合活性炭について、前述の活性炭の物性測定方法と同様にして各種物性を測定し、結果を表2に示した。また、後述の方法で、活性炭の自然電位測定を行い、結果を表2に示した。
次に、混合活性炭80重量%、アセチレンブラック10重量%、ポリテトラフルオロエチレン10重量%からなる混合物を混練した後、錠剤成型器(日本分光社製)を用い、油圧プレスで直径10mm、厚さ0.5mmとなるように50kgf/cmの圧力で加圧成形して円盤状の成型体を得、これを正極成型体とした。同様にして成型体を更に1枚作製し、これを負極成型体とした。得られた2枚の成型体を0.1torr(13.3Pa)以下の真空中、300℃で3時間乾燥した。乾燥した2枚の成型体を窒素ガス雰囲気中のドライボックス中に移した後、正・負極の成型体を電解液である、1.3モル/リットル濃度のトリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート((CCHNBF)のプロピレンカーボネート溶液に真空含浸した。次に、ポリエチレン製セパレータを介して、電解液を含浸させた正極成型体及び負極成型体を対向させた後、これらをステンレス製コインセル中にかしめ封じて、コインセル型電気二重層キャパシタを得た。
得られた電気二重層キャパシタについて、以下の方法で性能の評価を行い、結果を表2に示した。
<静電容量の測定(初期性能)>
得られたコインセル型電気二重層キャパシタを25℃の恒温漕中で、HJ−201型充放電試験装置(北斗電工社製)にて2.5Vの電圧を印加後、電流密度20mA/cmの定電流で放電した。得られた放電曲線の2.5Vから1.0Vの間の勾配から初期の静電容量(F)を求めた。
<耐久性の測定(容量変化率)>
得られたコインセル型電気二重層キャパシタを70℃の恒温漕中で、HJ−201型充放電試験装置(北斗電工社製)にて2.8Vの電圧を印加後、電流密度10mA/cmの定電流で放電した。得られた放電曲線から初期の静電容量(F)を求めた。次に、2.8Vを500時間連続印加した後、放電して、耐久性試験後の静電容量(F)を求め、初期静電容量に対する耐久性試験後の静電容量の変化率(%)を算出した。
<活性炭の自然電位測定>
上記の混合活性炭粉末80重量%、アセチレンブラック10重量%、ポリテトラフルオロエチレン10重量%からなる混合物を混練した後、錠剤成型器(日本分光社製)を用い、油圧プレスで直径10mm,厚さ0.5mmとなるように50kgf/cmの圧力で加圧成形して円盤状の成型体を得た。この成型体を0.1torr(13.3Pa)以下の真空中、300℃で3時間乾燥した。乾燥後の活性炭電極と直径10mmに打ち抜いた厚さ0.5mmの金属リチウム箔をポリエチレン製セパレータ(三菱化学社製)を介して対向させた後、活性炭電極と金属リチウム箔を外側から集電体である白金板で挟み込みこんだ。更に集電体、活性炭電極、セパレータがよく接触するように一番外側から2枚の厚さ5mmで4個のボルト孔をもつテフロン板で挟み込んだ後、これを1モル/リットル濃度のLiBFのプロピレンカーボネート溶液が入ったビーカーに浸漬した。次に、活性炭電極側と金属リチウム箔側の集電体の間に電位差計を介して結線して、活性炭電極の自然電位(VvsLi/Li)を測定した。
Figure 2005243933
表2より、電極材としてやしがら活性炭とアルカリ賦活炭との混合活性炭を用いた本発明の電気二重層キャパシタは、静電容量が大きく、また、耐久性に優れることが分かる。
これに対して、やしがら活性炭のみを用いた実施例1では、容量変化率は小さいが静電容量が低い。また、アルカリ賦活炭のみを用いた比較例2では、静電容量は大きいが容量変化率が大きい。やしがら活性炭とアルカリ賦活炭とを混合して用いても、比表面積及び平均細孔径が本発明の規定範囲より小さい比較例3では、静電容量も容量変化率も良好な結果が得られない。
静電容量が高く、耐久性にも優れる本発明の電気二重層キャパシタは、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種用途に有用である。

Claims (4)

  1. 活性炭を主体とする電極材を用いて構成される分極性電極を有する電気二重層キャパシタにおいて、
    該活性炭が、やしがらを原料とするやしがら活性炭とアルカリ賦活炭とを含む混合物よりなり、
    該混合物のBET比表面積が1900m/g以上2400m/g以下で、平均細孔径が1.85nm以上2.20nm以下であり、
    該混合物中に含まれるやしがら活性炭の割合が30重量%以上70重量%以下であることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  2. 該やしがら活性炭が、やしがらを炭化後、水蒸気賦活して得られ、かつ、該やしがら活性炭のBET表面積が2000m/g以上2500m/g以下で、平均細孔径が1.95nm以上2.20nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電気二重層キャパシタ。
  3. 該アルカリ賦活炭が、樹脂を原料とし、かつ、該アルカリ賦活炭のBET表面積が1800m/g以上2400m/g以下で、平均細孔径が1.75nm以上2.00nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気二重層キャパシタ。
  4. 該混合物の平均粒子径が2μm以上30μm以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
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