JPH11120894A - 電子注入用陰極およびその製造方法 - Google Patents

電子注入用陰極およびその製造方法

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JPH11120894A
JPH11120894A JP27841197A JP27841197A JPH11120894A JP H11120894 A JPH11120894 A JP H11120894A JP 27841197 A JP27841197 A JP 27841197A JP 27841197 A JP27841197 A JP 27841197A JP H11120894 A JPH11120894 A JP H11120894A
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metal
thin film
nitrogen
electron
electron injection
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JP27841197A
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Yoshio Kishimoto
良雄 岸本
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/80Constructional details
    • H10K50/805Electrodes
    • H10K50/82Cathodes
    • H10K50/826Multilayers, e.g. opaque multilayers
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/10OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED]
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陰極を安定化し、長寿命の素子をつくるこ
と。 【解決手段】 正孔注入用透明電極1を形成した透明基
板2上に、蒸着工程により正孔輸送性有機分子よりなる
正孔輸送層3と電子輸送性有機分子よりなる電子輸送層
4を順次積層する。さらに電子輸送層4の表面に、本発
明の非イオン性有機金属錯体の薄膜5と金属薄膜6とを
積層した電子注入用陰極薄膜を形成して構成される。7
は直流電源である。電子注入用陰極薄膜の界面では効率
的に電子注入が行われて輝度の均一性が向上し、特に低
い駆動電圧での高輝度化が可能になるという作用をす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機発光ダイオー
ドや有機系固体素子や電子管などの電子注入用陰極とそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子注入電極は、仕事関数の小さ
いことが必要なことから、アルカリ金属またはアルカリ
土類金属を含む金属が用いられていた。例えば、有機発
光ダイオードよりなる注入形電場発光デバイスの電子注
入電極としては、仕事関数の小さいMgーAg、Ca、
Ag、Li−Al、Li−Ag、およびAlなどの金属
薄膜電極が、例えば特開昭60−165771号公報や
特開平5−121172号公報などに開示され、一般に
蒸着によって電極が形成されている。
【0003】この有機化合物を構成材料とする注入形電
場発光デバイス(例えば、関連論文アプライド・フィジ
ックス・レターズ、第51巻913頁1987年(Appli
edPhysics Letters,51,1987,P.913.))では、C.W.
Tangらは有機発光層及び電荷輸送層を積層し、それ
にインジウム・ティン・オキサイド(ITO)薄膜の正
孔注入用透明電極とMg−Ag合金よりなる電子注入用
電極よりなる一対の電極を設けて、有機発光ダイオード
を構成している。また、仕事関数の小さい金属薄膜電極
として、Ca、Al−LiおよびAlなどを用いた上記
のような試みもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、仕事関
数の小さいアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む
金属は、反応性が高くすぐ酸化され易いという欠点があ
る上、吸湿性が高く水分と反応して水酸化物を形成し、
強いアルカリ性を示し周囲の材料と反応して劣化させた
りイオンキャリヤとなって電解反応を起こし素子を劣化
させるという問題点があった。これが素子を長寿命にす
る上から問題となっていた。
【0005】そこで、本発明は上記従来の問題点を解決
するもので、仕事関数の小さいアルカリ金属またはアル
カリ土類金属の性質を残したまま、これらの金属を安定
に保つ材料を構成し陰極を安定化することを第1の目的
としている。
【0006】第2の目的は上記電子注入用陰極の具体的
な製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明はアルカリ金属またはアルカリ土類金
属を電子供与体とする非イオン性有機金属錯体の薄膜よ
りなる電子注入用陰極より構成される。これにより、仕
事関数の小さいアルカリ金属またはアルカリ土類金属の
性質を残したまま、陰極を安定化することができる。
【0008】非イオン性有機金属錯体は、Ca、Mg、
Liのいずれかとの、窒素または/および硫黄配位金属
錯体又はアゾメチン金属錯体より構成される。
【0009】このアゾメチン金属錯体は、[M1(D)
n](ただしM1は両性金属元素で、x>0、Dは窒素
または/および硫黄含有パイ電子共役性有機分子よりな
る配位子、nは配位数でn≧1)構造の有機金属錯体で
あり、Ca、Mg、Liのいずれかの金属元素(M2)
と複核金属錯体[(M2)xM1(D)n]構造のアゾメチ
ン金属錯体より構成されるのが望ましい。
【0010】又、上記非イオン性有機金属錯体よりなる
電子注入用陰極の超薄膜と、Al、Zn、Ag、Sn、
Bi、In、Ni、Au、Ptの少なくとも一種を含む
金属薄膜とが積層されてなる構成もあり、これによって
さらに本発明の陰極は安定化される。
【0011】また、第2の目的を達成する本発明の構成
は二つあり、第一の構成は、共蒸着により、窒素または
/および硫黄含有有機化合物と、前記Ca、Mg、Li
のいずれかの活性金属元素とを直接気相反応させ、厚み
20nm以下の、窒素または/および硫黄配位金属錯体
又はアゾメチン金属錯体の薄膜を形成させてなる電子注
入用陰極の製造方法より構成される。これにより、容易
に金属錯体を構成できる。
【0012】第二の構成は、厚み10nm以下の窒素ま
たは/および硫黄含有有機化合物の超薄膜と、Ca、M
g、Liのいずれかの活性金属元素を含む金属合金薄膜
とを直接接触させて形成し、界面に接触反応により窒素
または/および硫黄配位金属錯体又はアゾメチン金属錯
体の薄膜を形成させてなる電子注入用陰極の製造方法よ
り構成される。これにより、上記と同様に容易に金属錯
体を構成できる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明(請求項1)は、アルカリ
金属またはアルカリ土類金属を電子供与体とする非イオ
ン性有機金属錯体の薄膜よりなる電子注入用陰極とする
ことにより、電子の注入を容易にすると共に、電極界面
近傍のアルカリ金属またはアルカリ土類金属元素が上記
錯体を形成することによって電極界面を極めて安定にし
高性能な電子注入を長期間可能にするという作用を有す
る。この錯体は非イオン性であるため、仕事関数は低い
ままで電解反応にも寄与しないという特徴がある。
【0014】即ち、アルカリ金属またはアルカリ土類金
属の錯体化により活性な水酸化物の生成の反応性を弱
め、強アルカリ性を和らげて界面の化学的安定性を高め
るという作用をする。ここで用いるアルカリ金属として
は、リチウムが最も適し、アルカリ土類金属としてはM
g、Caが適している。
【0015】上記のアルカリ金属またはアルカリ土類金
属を電子供与体とする本発明の非イオン性有機金属錯体
は、金属元素と配位子との間に強い結合を持つ錯体では
ないが、例えば専門書である井口洋夫、中田一郎、旗野
昌弘共編「有機半導体」共立出版(1966年)の18
5頁の表6.17に示されている例からも錯体を形成す
ることがわかる。これらからの類推でも本発明の錯体は
低い仕事関数を有する化合物で、安定な電子注入用薄膜
電極の作用をすることが理解できる。
【0016】上記アルカリ金属またはアルカリ土類金属
を含有した金属合金薄膜のアルカリ金属、アルカリ土類
金属の濃度は、その電子注入性能を決める仕事関数や金
属薄膜の成膜性、および電極金属やその界面の安定性な
どから最適値がある。
【0017】本発明(請求項2)は、前記非イオン性有
機金属錯体が、Ca、Mg、Liのいずれかとの、窒素
または/および硫黄配位金属錯体又はアゾメチン金属錯
体よりなる。
【0018】上記窒素または/および硫黄配位金属錯体
とは、窒素または/および硫黄含有化合物を配位子とす
る金属錯体をいい、この窒素含有化合物としてはおもに
複数の芳香環が窒素に結合した芳香族系の第3級ポリア
ミンが用いられる。
【0019】又、窒素含有化合物として含窒素異節環状
化合物も適しており、5員環化合物としてピロール、イ
ミダゾール、トリアゾールなどの各種誘導体(多環誘導
体、置換基付与誘導体など)、6員環化合物としてピリ
ジン、ピリミジン、トリアジンなどの各種誘導体(ナフ
トキノリンのような多環誘導体、置換基付与誘導体な
ど)がある。
【0020】また、このほかにヘテロ元素を含む多くの
芳香族縮合多環化合物が本発明に適しており、具体的に
はカルバゾール類やキノリン類、アクリジン類、フタロ
シアニンなどのポルフリン誘導体、フェナントロリン誘
導体、テトラチオフルバレン類、チオフェン類、ビスマ
レイミド類、シアノキノン類、シアノキノジメタン類な
どがある。
【0021】一方、上記アゾメチン金属錯体とは、アゾ
メチン化合物のアゾメチン結合(−C=N−)にCa、
Mg、Liのいずれかが付加した有機金属錯体で、中で
も芳香族性アゾメチン結合を有する化合物とリチウムと
の錯体が本発明には最も好ましい。このような芳香族ア
ゾメチン化合物には、ピリジン、キノリン、イソキノリ
ン、アクリジンなどの含窒素異節環状化合物がある。
【0022】さらにこれらに置換基を導入した誘導体が
あり、キノリノールなどのオキシ芳香族アゾメチン化合
物もこれに属す。また、上記のような窒素または/およ
び硫黄やアゾメチン構造を導入したクラウンエーテルを
配位子とするクラウンエーテルアルカリ金属錯体なども
これらに属す。
【0023】本発明(請求項3)は、アゾメチン金属錯
体が[M1(D)n]構造の有機金属錯体であり(Dは窒
素または/および硫黄含有パイ電子共役性有機分子より
なる配位子、nは配位数でn≧1)、Ca、Mg、Li
のいずれかの金属元素(M2)と複核金属錯体[(M2)x
1(D)n]構造のアゾメチンリチウム錯体を形成してな
る請求項2記載の電子注入用陰極(M1は両性金属元素
で、x>0)としたものであり、Ca、Mg、Liのい
ずれかの金属元素(M2)と有機金属錯体とが、安定で
電子注入性能の高い複核金属錯体を形成し、電子の注入
作用を高めるという作用をする。
【0024】上記複核金属錯体のM1は両性金属元素
で、Al、Zn、B、Si、Snなどに代表される多く
の元素があり、上記のような複核金属錯体を形成し易い
性質を有する。
【0025】本発明(請求項4)は、窒素または/およ
び硫黄含有パイ電子共役性有機分子よりなる配位子D
が、含窒素異節環状化合物よりなる請求項3項に記載の
電子注入用陰極としたものであり、ピリジン、キノリ
ン、イソキノリン、アクリジンなどの骨格を有する芳香
族アゾメチン化合物やこれらのオキシ誘導体(例えばキ
ノリノールなど)などの含窒素異節環状化合物が本発明
に適しており、これらは電子の授受を繰り返すレドック
ス環境下で高い化学的安定性、電子的安定性(電子の授
受の繰り返し安定性)を有するという作用をする。
【0026】本発明(請求項5)は、上記含窒素異節環
状化合物が、キノリン系、イミダゾール系、トリアゾー
ル系、オキサジアゾール系、オキシキナゾリン系化合物
より選ばれた少なくとも一種を配位子とする有機金属錯
体としたものであり、キノリン系金属錯体は蛍光発光性
並びに電子的(レドックス的)安定性が高く、最も優れ
た具体的材料の一つである。
【0027】本発明に用いられる上記のキノリン系化合
物としては、キノリノール類のほかナフトキノリン類や
キノリン錯体等がある。イミダゾール系化合物として
は、ベンツイミダゾール類やフェニル置換、ジフェニル
置換、ピリジル置換などの芳香族誘導体等が適してい
る。トリアゾール系化合物としては、同様にベンツトリ
アゾール類やフェニル置換、ジフェニル置換、ピリジル
置換等の芳香族誘導体等が適しており、これらと類似の
作用をする類似構造体にトリアジン誘導体がある。オキ
サジアゾール系化合物としては、やはり同様にフェニル
置換、ジフェニル置換、ピリジル置換などの芳香族誘導
体等が適している。オキシキナゾリン系化合物として
は、上記キノリン類と同様に多くの誘導体がある。
【0028】本発明(請求項6)は、上記非イオン性有
機金属錯体よりなる電子注入用陰極の薄膜と、Al、Z
n、Ag、Sn、Bi、In、Ni、Au、Ptの少な
くとも一種を含む金属薄膜とが積層されたものであり、
積層することにより非イオン性有機金属錯体よりなる電
子注入用陰極の機械的強度を補強すると共に、外部から
の酸素や湿気の侵入を妨げる作用をする。
【0029】本発明(請求項7)は、上記金属薄膜が、
Ca、Mg、Liのいずれかを含むものであり、アルカ
リ金属またはアルカリ土類金属元素の中でCa、Mg、
Liが本発明に最も適した金属元素で仕事関数の低い優
れた陰極材料を構成する。
【0030】本発明(請求項8)は、共蒸着により、窒
素または/および硫黄含有有機化合物と、Ca、Mg、
Liのいずれかの活性金属元素とを直接気相反応させ、
厚み20nm以下の、窒素または/および硫黄配位金属
錯体又はアゾメチン金属錯体の薄膜を形成させてなる電
子注入用陰極の製造方法としたものであり、共蒸着によ
る気相反応で容易に錯体を形成させることができる。こ
こでいう窒素または/および硫黄含有有機化合物は有機
金属化合物も含む。
【0031】本発明(請求項9)は、厚み10nm以下
の前記窒素または/および硫黄含有有機化合物の超薄膜
と、Ca、Mg、Liのいずれかの活性金属元素を含む
金属合金薄膜とを直接接触させて形成し、界面に接触反
応により窒素または/および硫黄配位金属錯体又はアゾ
メチン金属錯体の薄膜を形成させてなる電子注入用陰極
の製造方法とすることにより、優れた化学的安定性、電
子的安定性を有する陰極を容易に形成できるという作用
をする。
【0032】本発明の電子注入用陰極を用いたデバイス
の一例として、注入形電場発光デバイスの構成について
述べるならば、電子注入用陰極と正孔注入用透明電極よ
りなる一対の電極間に、電子輸送性有機分子よりなる電
子輸送層と正孔輸送性有機分子よりなる正孔輸送層と蛍
光発光性有機分子とにより構成され、上記のように電子
輸送性有機分子が蛍光発光性を有する場合は有機層二層
で構成されることが多い。しかし、蛍光発光性分子を別
個に加えて3層構造のデバイスとしてもよく、またドー
パントや導電性高分子層などを加えた素子構成も容易に
可能で、これらの構成のいづれにも本発明を用いること
ができる。
【0033】上記の電子輸送性有機分子や正孔輸送性有
機分子には、一般にすでに知られている有機金属系色素
やアミン類などが用いられるが、これらに、例えば、D
PT(diphenyltetracene),BTX(benzotiooxaccen
e)、キナクリドン、ルブレンなどのドーパントを一緒
に加えてさらに効果をあげることも可能である。
【0034】以下、本発明の実施の形態について図1を
用いて説明する。(実施の形態1)図1は本発明の電子
注入用陰極を用いた注入形電場発光デバイスの構成の一
例を示すもので、正孔注入用透明電極1を形成した透明
基板2上に、蒸着工程により正孔輸送性有機分子よりな
る正孔輸送層3と電子輸送性有機分子よりなる電子輸送
層4を順次積層する。
【0035】さらに電子輸送層4の表面に、本発明の非
イオン性有機金属錯体の薄膜5と金属薄膜6とを積層し
た電子注入用陰極薄膜を形成して構成される。7は直流
電源である。電子注入用陰極の非イオン性有機金属錯体
の薄膜5の界面では効率的に電子注入が行われて輝度の
均一性が向上し、特に低い駆動電圧での高輝度化が可能
になるという作用をする。
【0036】
【実施例】次に、本発明の具体例を説明する。
【0037】(実施例1)蒸着装置内に、ITO薄膜よ
りなる正孔注入用透明電極を形成したガラス基板を蒸着
ターゲットとしてセットした。蒸発源の5個の各加熱ボ
ート各々に、正孔輸送性有機分子としてN,N'-bis(3-met
hylphenyl)-N,N'-diphenyl-(1,1'-biphenyl)-4,4'-diam
ine(TPD)、電子輸送性有機分子としてAlq、オキ
サジアゾール誘導体(2-(4-biphenyl)-5-(4-t-butylphe
nyl)-1,3-oxadizole)、アルミニウム金属、リチウム金
属を入れてセットした。
【0038】リチウム金属のボートには、その上に40
0メッシュの金網をかぶせた。ベルジャーを閉め、真空
度を2*10-6Torrまで引いた後、TPDのボート
に電流を流し抵抗加熱して、上記ガラス基板上に蒸着速
度毎秒0.1nm程度の速度で膜厚として80nmのT
PDを蒸着した。次いで、Alqのボートに電流を流し
抵抗加熱して、同じく蒸着速度毎秒0.1nm程度の速
度で膜厚として50nmのAlqを蒸着した。
【0039】次いで、リチウム金属を入れた蒸発源のボ
ートを加熱し、融点近傍で時間をかけて不純物ガスを除
きその蒸発速度をリチウムの別個のもう一つの膜厚セン
サーでモニターしながら蒸発速度が毎秒0.02nm程
度になるように精密な制御をし、オキサジアゾール誘導
体とLiとを同時蒸着し厚み4nmのLiのオキサジア
ゾール金属錯体の超薄膜を形成した。
【0040】さらに、電子注入用薄膜電極として、リチ
ウムの蒸発を膜厚センサーでモニターしながら、続いて
ボートよりAlを蒸発させ両者の蒸発速度を毎秒1.4
nmに一定にした後、同時蒸着によって2wt%のリチウ
ム含有金属合金薄膜を180nmの厚みで蒸着をした。
【0041】こうして得られた板状の注入形電場発光デ
バイスに、直流電圧を印加してその発光特性を測定した
ところ、5V印加で2.5mA/cm2の電流が流れ、1
27cd/m2の均一性の高い輝度が得られた。100
cd/m2での寿命試験で輝度の半減時間は錯体層のな
い素子に比べ、6倍に延びた。
【0042】(実施例2)蒸着装置内に、予めITO薄
膜よりなる正孔注入用透明電極を形成したガラス基板を
蒸着ターゲットとしてセットした。蒸発源の4個の各加
熱ボート各々に、正孔輸送性有機分子としてTPD、電
子輸送性有機分子としてAlq、アルミニウム金属、リ
チウム金属を入れてセットした。リチウム金属のボート
には、その上に400メッシュの金網2枚をかぶせた。
【0043】ベルジャーを閉め、真空度を2*10-6
orrまで引いた後、TPDのボートに電流を流し抵抗
加熱して、上記ガラス基板上に蒸着速度毎秒0.1nm
程度の速度で膜厚として80nmのTPDを蒸着した。
次いで、Alqのボートに電流を流し抵抗加熱して、同
じく蒸着速度毎秒0.1nm程度の速度で膜厚として5
0nmのAlqを蒸着した。
【0044】さらに電子注入用薄膜電極として、リチウ
ム金属を入れた蒸発源のボートを融点近傍温度で16分
間放置し、不純物ガス放出の減少と停止を計測した後、
リチウムボートの温度を少し上昇させ、膜厚センサーで
モニターしながらリチウムの蒸発速度が毎秒0.015
nm程度になるように精密な制御をした。
【0045】続いてAlを蒸発させ両者の蒸発速度を毎
秒1.5nmに一定にした後、同時蒸着によって1.0
wt%のリチウム含有金属合金薄膜を170nmの厚みで
蒸着をした。
【0046】こうして得られた注入形電場発光デバイス
に、直流電圧を印加してその発光特性を測定したとこ
ろ、5V印加で2.0mA/cm2の電流が流れ、96c
d/m2の均一性の高い輝度が得られた。リチウム含有金
属合金薄膜とAlqよりなる電子輸送層との界面を分析
したところ、AlとLiのキノリノール複核金属錯体が
検出された。100cd/m2での寿命試験で輝度の半減
時間は金属錯体層のない素子に比べ4倍に延びた。
【0047】(実施例3)実施例1のオキサジアゾール
誘導体の代わりにイミダゾール誘導体(2,4,5-tripheny
limidazole)を用いて、同様に素子を作製した。
【0048】こうして得られた注入形電場発光デバイス
に、直流電圧を印加してその発光特性を測定したとこ
ろ、5V印加で2.6mA/cm2の電流が流れ、164
cd/m2の均一性の高い輝度が得られた。
【0049】Al−Li合金薄膜電極との界面を分析し
たところ、Liのイミダゾール金属錯体が検出された。
100cd/m2での寿命試験で輝度の半減時間は金属錯
体層のない素子に比べ7倍に延びた。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明は、アルカリ金属又
はアルカリ土類金属を電子供与体とする非イオン性有機
金属錯体の薄膜よりなる電子注入用陰極を構成するとい
う特徴を持ち、上記のように安定な陰極を形成すること
によって、素子を長寿命化し、長期にわたり高い効率を
維持させるという大きな効果を有するものである。
【0051】このように本発明によれば、信頼性に優れ
る仕事関数の小さい電子を注入し易い優れた電子注入用
陰極が得られる。このように本発明は工業的価値の大な
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による電子注入用陰極を
用いた注入形電場発光デバイスの構成の一例を示す図
【符号の説明】
1 正孔注入用透明電極 2 透明基板 3 正孔輸送層 4 電子輸送層 5 非イオン性有機金属錯体の薄膜 6 金属薄膜 7 直流電源

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルカリ金属またはアルカリ土類金属を電
    子供与体とする非イオン性有機金属錯体の薄膜よりなる
    ことを特徴とする電子注入用陰極。
  2. 【請求項2】非イオン性有機金属錯体が、Ca、Mg、
    Liのいずれかとの、窒素または/および硫黄配位金属
    錯体又はアゾメチン金属錯体よりなる請求項1記載の電
    子注入用陰極。
  3. 【請求項3】アゾメチン金属錯体が、[M1(D)n]
    (ただし、M1は両性金属元素で、x>0、Dは窒素ま
    たは/および硫黄含有パイ電子共役性有機分子よりなる
    配位子、nは配位数でn≧1)構造の有機金属錯体であ
    り、Ca、Mg、Liのいずれかの金属元素(M2)と
    複核金属錯体[(M2)xM1(D)n]構造のアゾメチン
    金属錯体よりなる請求項2記載の電子注入用陰極。
  4. 【請求項4】窒素または/および硫黄含有パイ電子共役
    性有機分子よりなる配位子Dが、含窒素異節環状化合物
    よりなる請求項3記載の電子注入用陰極。
  5. 【請求項5】含窒素異節環状化合物が、キノリン系、イ
    ミダゾール系、トリアゾール系、オキサジアゾール系、
    オキシキナゾリン系化合物より選ばれた少なくとも一種
    を配位子とする有機金属錯体である請求項4記載の電子
    注入用陰極。
  6. 【請求項6】非イオン性有機金属錯体よりなる電子注入
    用陰極の超薄膜と、Al、Zn、Ag、Sn、Bi、I
    n、Ni、Au、Ptの少なくとも一種を含む金属薄膜
    とが積層されてなる請求項1記載の電子注入用陰極。
  7. 【請求項7】金属薄膜が、Ca、Mg、Liのいずれか
    を含む請求項6記載の電子注入用陰極。
  8. 【請求項8】共蒸着により、窒素または/および硫黄含
    有有機化合物と、前記Ca、Mg、Liのいずれかの活
    性金属元素とを直接気相反応させ、厚み20nm以下
    の、窒素または/および硫黄配位金属錯体又はアゾメチ
    ン金属錯体の薄膜を形成させてなることを特徴とする電
    子注入用陰極の製造方法。
  9. 【請求項9】厚み10nm以下の窒素または/および硫
    黄含有有機化合物の超薄膜と、Ca、Mg、Liのいず
    れかの活性金属元素を含む金属合金薄膜とを直接接触さ
    せて形成し、界面に接触反応により窒素または/および
    硫黄配位金属錯体又はアゾメチン金属錯体の薄膜を形成
    させてなることを特徴とする電子注入用陰極の製造方
    法。
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