JPH1111875A - 建設機械 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 建設機械が大型化しても、上ブームと下ブー
ムとの連結部に起伏ロープの接触を防止でき、かつ輸送
時において、高さ制限をクリアすることができる建設機
械のガイドシーブを提供すること。 【解決手段】下ブーム３ａと上ブーム３ｂとの連結部Ａ
１の近傍の上ブーム３ａ背面部にブラケット１２ａを介
してガイドシーブ１２を回転自在に軸支する。ガイドシ
ーブ１２は、上端部が案内する起伏ロープ８が連結部Ａ
１に接触しないような位置に取付けられる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、建設機械のブー
ム、特にクレーンブームにガイドシーブを有する建設機
械に関する。

【０００２】

【従来の技術】図４および図５を用いて従来のガイドシ
ーブを有するクローラクレーンの構成を説明する。

【０００３】図４は、クローラクレーンの構成を示す側
面図、図５は、そのクローラクレーンの輸送時を説明す
る状態説明図である。

【０００４】図４に示すようにクローラクレーンは、履
帯式の走行体１上に旋回可能に載置された旋回体２、旋
回体２に回動自在に連結されたブーム３、ブーム３の頂
部から垂下されるフック４から大略構成される。ブーム
３はラチス構造をなし、基端部が旋回体２にピン軸支さ
れる下ブーム３ａと、下ブーム３ａの先端部にピン連結
される上ブーム３ｂとから構成され、上ブーム３ｂの先
端部に連結されたワイヤロープ５を旋回体２に搭載され
たブーム起伏用ウインチ６により繰り込み、繰り出しを
行うことで起伏動する。フック４は、旋回体２に搭載さ
れた主巻ウインチ７から巻出される主巻ロープ８の繰り
込み、繰り出しにより、上下に移動する。この主巻ロー
プ８は、上ブーム３ｂの先端部に設けられたガイドシー
ブ９、ポイントシーブ１０により案内されてブーム３の
頂部から垂下されることで、スムーズな移動と、ブーム
３への接触を防いでいる。

【０００５】次に以上のように構成されるクローラクレ
ーンの輸送について説明する。

【０００６】図５に示すようにクローラクレーンはトレ
ーラ１１によって輸送されるが、輸送時の高さ制限によ
り、図５に示すようにブーム３を高さ制限値であるＨま
で伏せた姿勢で輸送を行う。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】図４に示すようにガイ
ドシーブ９は、主巻ロープ８が上ブーム３ｂと下ブーム
３ａとの連結部に接触しないよう主巻ロープ８を案内で
きる位置、すなわち上ブーム３ｂの頂部に設けられると
ともに、ガイドシーブ９の外径は案内される主巻ロープ
の太さに基づく許容曲げ半径によって決定される。一
方、クレーンの大型化に伴って吊り上げ能力が大きくな
ると、強度上、図４に示す連結部の寸法Ｌが大きくな
り、また、使用される主巻ロープ８の径も太くなってく
る。そのため、ガイドシーブ９の取付位置を高くしたり
外径を大きくして、主巻ロープ８がブーム連結部に接触
するのを防止するとともに、ガイドシーブ９によって案
内される主巻ロープ８の曲げが許容曲げ半径内に収まる
ようにしている。

【０００８】しかしながら、ガイドシーブ９の外径を大
きくしたり、その取付位置を高くすると、輸送時の高さ
制限に触れるおそれがあるため、その対応が難しい。

【０００９】本発明の目的は、クレーンを大型化して
も、主巻ロープがブーム連結部に接触するのを防止で
き、かつ主巻ロープの曲げが許容曲げ半径内に収まるよ
うに案内できるガイドシーブを有する建設機械を提供す
ることにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】一実施の形態の図１〜３
により説明すると、上述した課題を解決するために本発
明は請求項１に示すように、建設機械本体１，２と、建
設機械本体１，２に回動自在に取付けられる下ブーム３
ａと、下ブーム３ａの先端に連結される上ブーム３ｂ
と、建設機械本体１，２に設けられるウインチ６から繰
り出されて、上ブーム頂部から垂下されるワイヤロープ
８を案内するガイドシーブ１２とを備えた建設機械に適
用され、ガイドシーブ１２を上ブーム３ｂと下ブーム３
ａとの連結部近傍のブーム背面側に配置し、ガイドシー
ブ１２の上端が上ブームと下ブームの連結部Ａ１より上
方へ突出するように設たものである。

【００１１】これにより、本体に設けられたウインチ６
から繰り出されるワイヤロープ８は、連結部Ａ１に接触
することなく、上ブーム頂部に向けて案内される。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図１〜図３
により説明する。図１は、本実施の形態によるガイドシ
ーブを有するクローラクレーンの全体側面図、図２は図
１における要部Ａの拡大図、図３は図１に示すクローラ
クレーンの輸送時の状態を示す状態説明図である。

【００１３】図１において、クローラクレーンは履帯式
の走行体１と、走行体１上に図示しない旋回装置を介し
て旋回可能に設けられる旋回体２と、旋回体２の前方に
回動可能に設けられるラチス構造からなるブーム３とを
有する。ブーム３は基端側が旋回体２に回動可能に軸支
される下ブーム３ａと、下ブーム３ａの他端側にピン２
０（図２参照）により連結される上ブーム３ｂとからな
る。下ブーム３ａの側面形状は基端部に向って先細り形
状とされ、上ブーム３ｂの側面形状は先端部に向って先
細り形状とされる。したがって図２に示すように、ブー
ム３における幅Ｌは、上ブーム３ａと下ブーム３ｂとの
連結部Ａ１、Ａ２間が一番大きくなる。

【００１４】旋回体２上に載置された起伏ウインチ６に
は起伏ロープ５ａが巻回わされる。起伏ロープ５ａの先
端はブライドル３０に掛け回されてＡフレーム頂部に固
定され、ブライドル３０には一端が上ブーム３ｂの先端
部に連結されるペンダントロープ５ｂの他端が連結され
ている。そして、起伏ウインチ６により起伏ロープ５ａ
の繰り出し、繰り込みを行うことで、ブーム３が起伏動
する。

【００１５】旋回体２上に載置された主巻ウインチ７に
は主巻ロープ８が巻回わされる。主巻ロープ８は、主巻
ウインチ７から繰り出され、上ブーム３ａと下ブーム３
ｂとの連結部近傍に設けられる後述するガイドシーブ１
２、および上ブーム３ｂの先端部に設けられるポイント
シーブ１０に案内されて、上ブーム３ｂの先端部から垂
下される。そしてこの主巻ロープ８の先端にフック４を
取り付け、主巻ウインチ７により主巻ロープ８の繰り出
し、繰り込みによりフック４の上げ下げを行う。

【００１６】ガイドシーブ１２は、使用される起伏ロー
プ８の太さ（外径）に基づく許容曲げ半径により外径が
決定され、図２（ａ），（ｂ）に示すように、上ブーム
３ｂにおける下ブーム３ａとの連結部Ａ１近傍、すなわ
ち、上ブーム３ｂの基端部背面に設けられる。すなわ
ち、上ブーム基端部背面の左右の主材３ｂ１上に固着さ
れるブラケット１２ａに軸１２ｂが軸支され、その軸１
２ｂにガイドシーブ１２が回転自在に軸支される。この
状態で、ガイドシーブ１２は、その上端部は連結部Ａ１
から突出し、下端部は上ブーム３ｂ内に収容されて、ガ
イドシーブ１２によって案内される主巻ロープ８が連結
部Ａ１に接触しない位置で、かつ、輸送時制限高さ内に
収まるように位置設定されて取り付けられる。

【００１７】次にこのように構成されるガイドシーブを
有するクローラクレーンの輸送について説明する。

【００１８】前述したように輸送時には、トレーラ１１
上に載置されるクローラクレーンのブーム３を図３に示
す輸送姿勢まで伏せた状態とする。この状態において、
ガイドシーブ１２は、輸送規制高さＨ１内に収容される
とともに、図１の使用状態で主巻ロープ８が上ブーム３
ｂと下ブーム３ａとの連結部Ａ1に接触することが防止
される。また、ガイドシーブ１２の下端部を上ブーム３
ｂ内に収容されるようにしたので、主巻ロープ８の径が
太くなり、それに伴ってガイドシーブ１２の外径が大き
くなっても、前述の主巻ロープ８と連結部Ａ１との接触
を防止しつつ輸送時の高さ制限をクリアし得るようにガ
イドシーブ１２の取付高さを調整することが可能とな
り、シーブ外径の大型化と輸送制限高さ規制との両方の
制約を満足できる。

【００１９】なお、本実施の形態では、クローラクレー
ンについて適用される例を示したが、主巻ロープ先端に
掘削バケットを取り付けてなる掘削機にも本発明を適用
することができる。また、ガイドシーブ１２を上ブーム
３ｂに取付けたが下ブーム３ａの連結部近傍に取付けて
もよい。

【００２０】

【発明の効果】本発明は、以上のように構成したことか
ら、ガイドシーブの取付高さを高くすることなく、ワイ
ヤロープが上ブームと下ブームとの連結部に接触するこ
とを防止できるため、建設機械の大型化に伴ってブーム
連結部の寸法が大きくなっても、ガイドシーブの取付高
さを輸送制限高さ内に収めることができる。

【００２１】さらに、請求項２に示すようにガイドシー
ブをその下端部が上ブームまたは下ブーム内に収容され
るように設ければ、建設機械の大型化に伴って使用され
るワイヤロープの径が太くなることに伴い、使用される
ガイドシーブの外径が大きくなっても、ワイヤロープが
上ブームと下ブームとの連結部に接触することを防止し
つつ、ガイドシーブの取付高さを輸送制限高さ内に収め
るよう取付位置を調整することが容易に行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の建設機械の一実施の形態を示すクロー
ラクレーンの全体側面図である。

【図２】（ａ）は図１に示す要部Ａの拡大図、（ｂ）は
その上面図である。

【図３】図１に示すクローラクレーンの輸送状態を説明
する状態説明図である。

【図４】従来技術におけるガイドシーブを示すクローラ
クレーンの全体側面図である。

【図５】図４におけるクローラクレーンの輸送状態を示
す状態説明図である。

【符号の説明】

２：旋回体 ３：ブーム ３ａ：下ブーム ３ｂ：上ブーム ７：ウインチ ８：起伏ロープ １２：ガイドシーブ １２ａ：ブラケット １２ｂ：軸

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】建設機械本体と、前記建設機械本体に回動
   自在に取付けられる下ブームと、前記下ブームの先端に
   連結される上ブームと、前記建設機械本体に設けられる
   ウインチから繰り出されて、上ブーム頂部から垂下され
   るワイヤロープを案内するガイドシーブとを備えた建設
   機械において、 前記ガイドシーブを前記上ブームと下ブームとの連結部
   近傍のブーム背面側に配置し、前記ガイドシーブの上端
   部が前記上ブームと下ブームとの連結部より上方へ突出
   するように設けたことを特徴とする建設機械。
2. 【請求項２】前記ガイドシーブは、その下端部が上ブー
   ムまたは下ブームの内部に収容されるように設けられる
   ことを特徴とする請求項１に記載の建設機械。
3. 【請求項３】前記上ブームおよび下ブームは骨組構造を
   有するラチスにより構成されることを特徴とする請求項
   １または２に記載の建設機械。