JPH11116886A - 低汚染性水性塗料組成物 - Google Patents

低汚染性水性塗料組成物

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JPH11116886A
JPH11116886A JP9288427A JP28842797A JPH11116886A JP H11116886 A JPH11116886 A JP H11116886A JP 9288427 A JP9288427 A JP 9288427A JP 28842797 A JP28842797 A JP 28842797A JP H11116886 A JPH11116886 A JP H11116886A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大気中の塵埃や油性物質の吸着、蓄積による
塗膜表面の汚染が少ない水性塗料組成物の提供。 【解決手段】 (i)4級アンモニウムシリケートの水性
ゾル中のSiO2固形分100重量部に対し、(ii)アクリル
系樹脂エマルション(固形分)30〜400重量部を含有する
低汚染性水性塗料組成物であって、前記アクリル系樹脂
エマルション(ii)の最低造膜温度が15℃以上であること
を特徴とする水性塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性の塗料組成物
に関する。さらに詳細には、大気中の塵埃や油性物質の
吸着、蓄積による塗膜表面の汚染が少ない、低汚染性水
性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物を保護し、かつその外観を良くす
るために、塗料が塗装される。塗膜には耐候性や意匠性
などの性能に加えて、その美観を維持するための機能と
して耐汚染性や汚染除去性を有することが望まれてい
る。また、塗料としては、使用条件下における環境汚染
や作業者の人体に対する危険を低減するために、水性で
あることが好ましい。
【0003】塗膜の耐汚染性を改善する試みとして、表
面エネルギーを低下させて汚染物質の吸着を抑制し除去
洗浄も容易にすることが、例えば、特開昭50―142628号
公報や特開平6―2444号公報に開示されている。しかし
ながら、塗膜の表面エネルギーを低下させて低極性表面
にした場合、排気ガス中に含まれるカーボンのような非
極性の汚染物質が選択的に吸着され、雨水によって流去
せずに蓄積し、しかも建築物表面を雨水が一定の筋道で
流れやすくなるために、汚れの状態が不均一で目立ちや
すくなるという欠点を有する。
【0004】また、塗膜を親水性にして水濡れを良くす
ることで、雨水が塗膜と汚染物質との界面に浸透して汚
染物質を洗い流しやすくすることも検討されている。例
えば、特開平6―179790号公報には、含フッ素ビニル共
重合体の側鎖や末端にカルボン酸塩やスルフォン酸塩の
ような塩構造を形成している基を導入して塗膜の帯電性
を下げると同時に親水化することが開示されている。ま
た、特開平4―370176号公報には、ポリアルキレンオキ
サイドのような親水性セグメントとポリシロキサンのよ
うな疎水性セグメントを含むセグメント化ポリマーを塗
料に含むことで、塗膜表層にセグメント化ポリマーが配
向して親水化することが開示されている。さらに、国際
公開WO94/06870号公報や特開平6―145453号公報、特
開平9―31401号公報には、アルコキシシラン化合物を塗
料に含むことで、その加水分解縮重合反応によって塗膜
表層を親水化することが開示されている。
【0005】しかしながら、これらの親水化手法を水性
塗料へ適用して、例えば、特開平6―179790号公報に準
じて、低汚染性を発現するのに必要な程度まで塩構造を
形成する基を樹脂骨格に導入すると、塗膜の耐水性が低
下してしまう。また、セグメント化ポリマーやアルコキ
シシランなどの親水化成分を水性塗料に添加する場合に
は、塗料の安定性と親水化成分の塗膜表層への配向を両
立することが困難である等、上述の親水化手法では低汚
染性の水性塗料を実現するのは難しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、大気
中の塵埃や油性物質の吸着、蓄積による塗膜表面の汚染
が少ない、低汚染性の水性塗料組成物を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】塗膜表層を親水化する親
水化成分と水性樹脂材料の組み合わせに関して検討した
結果、塗料組成物中に、4級アンモニウムシリケートの
水性ゾルと特定の要件を満たすアクリル系樹脂エマルシ
ョンを含有することにより、その塗膜が良好な耐汚染性
を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。即
ち、本発明は、(i)式:
【化3】 (NR12342O・xM2O・ySiO2 (I) (式中、R1〜R4は、同一または異なって、炭素数1〜2
0のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、あるい
は式:−(R5O)aH(式中、R5は、炭素数2または3の
アルキレン基であり、およびaは、2〜15の整数であ
る。)で表される炭素数30以下のハイドロポリオキシア
ルキレン基であり、Mは、アルカリ金属であり、並びに
xおよびyは、各成分の相対量を表し、xは0〜2の数、
yは0.5〜50の数を表す。)で表される4級アンモニウ
ムシリケートの水性ゾル中のSiO2固形分100重量部に
対して、(ii)アクリル系樹脂エマルション固形分30〜40
0重量部を含有する低汚染性水性塗料組成物であって、
前記アクリル系樹脂エマルション(ii)の最低造膜温度が
15℃以上、より好ましくは30℃以上であることを特徴と
する低汚染性水性塗料組成物を提供する。
【0008】
【発明の効果】本発明は、塗料組成物中に(i)4級アン
モニウムシリケートの水性ゾルと(ii)特定の要件を満た
すアクリル系樹脂エマルションを含有することにより、
形成される塗膜の表層を親水化にでき、その結果、大気
中の塵埃や油性物質の吸着、蓄積による汚染をより少な
くできる。塗料組成物中のアクリル系樹脂エマルション
(ii)の最低造膜温度を15℃以上とすることで、形成され
る塗膜中での4級アンモニウムシリケートの分散が向上
し、塗膜表層の親水化が可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の塗料組成物中には、(i)4級アンモニウムシリ
ケートの水性ゾルと、(ii)最低造膜温度が15℃以上、よ
り好ましくは30℃以上であるアクリル系樹脂エマルショ
ンを包含する。本発明の塗料組成物中での使用に適した
4級アンモニウムシリケートの水性ゾルとしては、例え
ば、日産化学よりQAS-25(SiO2固形分25%)およびQ
AS-40(SiO2固形分40%)という商品名で、または日
本化学工業からアンモニウムシリケート17804(SiO2
固形分40%)およびアンモニウムシリケート88J3(Si
2固形分20%)という商品名で市販されているものが
挙げられる。
【0010】上記一般式(I)中、R1〜R4は、同一ま
たは異なって、炭素数1〜20のアルキル基(例えば、メ
チル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、ドデシ
ル、シクロヘキシル、ベンジル基等)、炭素数1〜20の
ヒドロキシアルキル基(例えば、ヒドロキシメチル、ヒ
ドロキシエチル、ヒドロキシブチル基等)、または式:
−(R5O)aH(式中、R5は、炭素数2または3のアルキ
レン基(すなわち、エチレン基またはプロピレン基)で
あり、およびaは、2〜15の整数、好ましくは2〜5であ
る。)で表される炭素数30以下のハイドロポリオキシア
ルキレン基である。4級アンモニウムカチオン部位[上
記一般式(I)中、(NR1234)部位]の例とし
ては、例えば、テトラメチルアンモニウムイオン、テト
ラエチルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウ
ムイオン、メチルトリエタノールアンモニウムイオン、
ベンジルトリメチルアンモニウムイオンなどが挙げられ
る。また、式(I)中のMは、ナトリウム、カリウム、
リチウムなどのアルカリ金属が挙げれ、同一化合物中に
これらアルカリ金属を1種または2種含んでよい。一般
式(I)中、xは0〜2、yは0.5〜50を示す。式中のM
で表されるアルカリ金属は、塗料組成物に調製した後、
可溶性塩として残存して、形成された塗膜内に未だ残存
すると塗膜の白華やクラック発生の要因と成り得る。し
たがって、上記化合物中のアルカリ金属の量は、化合物
の組成比としてx=0〜2が好ましいが、出来る限り少な
く、0に近い値にするのがより好ましい。
【0011】本発明で使用する、最低造膜温度が15℃以
上、より好ましくは30℃以上のアクリル系樹脂エマルシ
ョン(ii)は、オールアクリル共重合樹脂エマルション、
スチレン・アクリル共重合樹脂エマルション、酢酸ビニ
ル・アクリル共重合樹脂エマルション、ベオバ・アクリ
ル共重合樹脂エマルション等から選択することができる
が、界面活性剤を乳化剤として通常の乳化重合法で合成
されるオールアクリル共重合樹脂エマルションやスチレ
ン・アクリル共重合樹脂エマルションが本発明に最も適
している。
【0012】また、界面活性剤を用いないソープフリー
重合法や、界面活性剤の代わりにポリビニルアルコール
や水溶性アクリル樹脂、水性ポリウレタン樹脂などの水
性高分子を用いて乳化重合することにより合成されるエ
マルションも使用できる。
【0013】一般に、前記エマルションの最低造膜温度
は、樹脂のガラス転移温度や分子量、エマルション粒子
径などの影響を受けるので、モノマー組成や乳化剤種、
乳化重合条件などによってこれらを適宜設定すれば、最
低造膜温度を15℃以上に調整することが可能である。本
発明では、特に、架橋性モノマー(A)とこれと共重合
可能なモノマー(B)を乳化重合し、エマルション粒子
を内部架橋させることによって最低造膜温度を15℃以
上、より好ましくは30℃以上とする。本発明の塗料組成
物の最低造膜温度の上限は、100℃である。
【0014】本発明のアクリル系樹脂エマルションを生
成するために使用する架橋性モノマー(A)としては、
例えば、炭素−炭素不飽和結合を1分子中に2つ以上有
するものが使用できる。具体例としては、ジビニルベン
ゼン、アリルメタクリレート、エチレングリコールジア
クリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジ
エチレングリコールジメタクリレート、グリセリントリ
アクリレート、グリセリンジメタクリレート、ヘキサン
ジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジメタクリ
レート、ブタンジオールジメタクリレート、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパ
ントリメタクリレートなどが挙げられる。
【0015】また、架橋性モノマー(A)として、式:
【化4】―SiR6 b(OR7)3-b (II) (式中、R6およびR7は、同一または異なって、炭素数
1〜5のアルキル基、並びにbは0〜2の数である。)で表
される加水分解性シリル基および炭素−炭素不飽和結合
を共に1分子中に有するモノマーを使用してもよい。こ
の場合、上記4級アンモニウムシリケートの水性ゾル中
のSiO2部位と(i)とアクリル系樹脂エマルション(ii)
の間で結合が形成されるので特に好ましい。ただし、上
記モノマーを架橋性モノマー(A)として使用する場
合、乳化重合中にシリル基を加水分解縮合して内部架橋
させるために、pHが2〜4の酸性条件で乳化重合するの
が望ましい。
【0016】上記の、加水分解性シリル基および炭素−
炭素不飽和結合を共に1分子中に有するモノマーの具体
例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、アリル
トリメトキシシラン、デセニルトリメトキシシラン、4
―ビニルフェニルトリメトキシシラン、γ―アクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ―メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ―メタクリロキシプロピ
ルトリエトキシシラン、γ―アクリロキシプロピルトリ
ブトキシシラン、γ―メタクリロキシプロピルメチルジ
メトキシシランなどが挙げられる。
【0017】架橋性モノマー(A)と共重合可能なモノ
マー(B)としては、通常の乳化重合に使用されるモノ
マーであってよく、例えば、不飽和芳香族化合物(例え
ば、スチレン)、不飽和酸(例えば、アクリル酸、メタ
クリル酸)、不飽和酸のアルキルエステル(エチルアク
ルレート、ブチルアクリレート、エチルヘキシルアクリ
レート、ヒドロキシエチルアクルレート、ヒドロキシブ
チルアクルレート、メチルメタクリレート、ブチルメタ
クリレート、エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘ
キシルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、ヒドロキシプロピルメタクリレート)などが挙げら
れ、これらを1種または2種以上使用してよい。
【0018】架橋性モノマー(A)の配合量は、得られ
るアクリル系樹脂エマルションの最低造膜温度を15℃以
上、より好ましくは30℃以上にするのに必要な量を配合
すればよいが、全モノマー組成の内、0.5〜30重量%配
合するのが好ましい。
【0019】前記架橋性モノマー(A)と共重合可能な
モノマー(B)として、アクリル酸やメタクリル酸等の
不飽和酸を配合する場合、得られるアクリル系樹脂エマ
ルションの固形分の酸価が40以下になるようにその配合
量を制限することが好ましい。アクリル系樹脂エマルシ
ョンの固形分の酸価が40を越えると、造膜過程で4級ア
ンモニウムシリケートが凝集して塗膜の光沢が低下した
り、白化することがあるため好ましくない。
【0020】本発明の低汚染性水性塗料組成物は、常温
または加熱下で乾燥することによって、大気中の塵埃や
油性物質の吸着、蓄積による塗膜表面の汚染が少ない、
低汚染性の塗膜を形成し得る。このような本発明の塗料
組成物は、(i)4級アンモニウムシリケートの水性ゾル
のSiO2固形分100重量部に対して、(ii)前記アクリル
系樹脂エマルションを固形分で30〜400重量部配合す
る。アクリル系樹脂エマルションの配合量が30重量部未
満であると、十分な造膜性が得られないために、塗膜に
クラックが発生する限界膜厚が小さくなるなどの不具合
が生じる。他方、アクリル系樹脂エマルションの配合量
が400重量部を越えると、塗膜の親水化成分である4級
アンモニウムシリケートが少ないため、塗膜表層が親水
化せず、そのため十分な低汚染性を発現できない。
【0021】本発明のアクリル系樹脂エマルションの最
低造膜温度は、15℃以上と規定するのみであって、その
最低造膜温度による塗膜の耐汚染性向上における具体的
なメカニズムは未だ明白ではない。しかしながら、本発
明者らは、最低造膜温度の異なる様々なエマルションを
含有する同様の塗料組成物の塗膜を分析した結果、最低
造膜温度が高いエマルションを含む塗料組成物ほど、そ
の塗膜中における4級アンモニウムシリケートの分散状
態が向上する(すなわち、分散度が高くなる)ことが判
った。更に、上記エマルションを含む塗料組成物におい
ては、その塗膜表層にも4級アンモニウムシリケート粒
子が分布しているため、塗膜表面に4級アンモニウムシ
リケート粒子が露出する。このことは、最低造膜温度の
高いエマルションにおいて、エマルション粒子の塑性変
形が生じ難いことに起因すると考えられる。すなわち、
上記塗料組成物においては、乾燥および造膜過程でも、
その粒子性が長く保持されると考えられる。その結果、
4級アンモニウムシリケート粒子は、乾燥および造膜過
程で塗膜表面から塗膜内部に移行したり、互いに凝集し
たりすることなく、塗膜全体に分布し、塗膜表面にも露
出し得るものと考えられる。
【0022】本発明の低汚染性水性塗料組成物は、必要
に応じ、上記(i)と(ii)アクリル系樹脂エマルション以
外に、着色顔料、体質顔料などの各種充填材、分散剤、
増粘剤、タレ止め剤、並びに消泡剤などの各種添加剤、
更に有機溶剤などを配合してもよい。また、塗膜の耐汚
染性を低下させない範囲で、水性樹脂エマルションや水
溶性樹脂などの通常の水性塗料の結合材として使用され
る樹脂成分や水性架橋剤を配合してもよい。
【0023】本発明の低汚染性水性塗料組成物は、建材
に通常用いられる被塗物に塗装して、塗膜を形成でき
る。そのような塗装方法としては、刷毛塗りやスプレー
塗装、ローラー塗装、ディップ塗装などの通常の塗装方
法が使用できる。前記被塗物としては、コンクリートも
しくはセメント系基材、ケイ酸カルシウムおよびその他
の窯業系基材、または鉄、アルミニウム、ステンレス
鋼、もしくはその他の金属基材、あるいはガラス、紙、
木材などが挙げられる。
【0024】本発明の塗料組成物は、上記被塗物に塗装
した後、常温で放置するか、または30〜180℃、好まし
くは50〜150℃で1〜60分間、加熱乾燥させることによ
り、低汚染性の塗膜とすることができる。
【0025】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を説明するが、
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。以下
の実施例中の部は、特に断りのない限り、重量部を表
す。最初に、以下の製造例1〜8に従って、アクリル系
樹脂エマルションを製造した。製造例1 レベノールWZ(花王(株)製 界面活性剤)4部を、
イオン交換水50部に溶解させた。これに、メチルメタク
リレート62.8部、エチルヘキシルアクリレート36.2部お
よびアクリル酸1部から成るモノマー混合物を加えて撹
拌し、モノマープレエマルション154部を調製した。反
応容器中に、先ず、イオン交換水40部、レベノールWZ
1部を仕込み、窒素雰囲気下で80℃に加熱した。ここ
に、10%過硫酸アンモニウム水溶液3部を添加した後、
モノマープレエマルションと1%過硫酸アンモニウム水
溶液20部をそれぞれ、反応容器の別々の口から3時間か
けて滴下して乳化重合をおこなった。滴下後、さらに80
℃で1時間加熱撹拌した後、室温まで冷却し、アンモニ
ア水溶液とイオン交換水を添加して、pH=8、固形分
濃度を35%に調整した。このエマルションの最低造膜温
度は29℃であった。
【0026】製造例2 モノマーの配合をスチレン15部、メチルメタクリレート
26.7部、エチルヘキシルアクリレート44.3部、アクリル
酸1部、エチレングリコールジメタクリレート13部に変
えた以外は、製造例1に従って内部架橋させたエマルシ
ョンを調製した。このエマルションの最低造膜温度は42
℃であった。
【0027】製造例3 アクアロンRN-20(第一工業製薬(株)製 反応性界面
活性剤)4部とアクアロンHS-10(第一工業製薬(株)製
反応性界面活性剤)2部を、イオン交換水100部に溶解
させた。これに、シクロヘキシルメタクリレート57.1
部、エチルヘキシルアクリレート34.4部、アクリル酸1
部、γ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン7.
5部から成るモノマー混合物を加えて撹拌し、モノマー
プレエマルション206部を調製した。反応容器中に、先
ず、イオン交換水50部を仕込み、窒素雰囲気下で80℃に
加熱した。ここに、プレエマルション10部と10%過硫酸
アンモニウム水溶液3部を添加した後、残りのモノマー
プレエマルションと1%過硫酸アンモニウム水溶液20部
をそれぞれ、反応容器の別々の口から3時間かけて滴下
してpH=2〜3の酸性条件で乳化重合をおこなった。滴
下後、さらに80℃で1時間加熱撹拌した後、室温まで冷
却し、アンモニア水溶液とイオン交換水を添加して、p
H=8、固形分濃度を35%に調整した。このエマルショ
ンの最低造膜温度は35℃であった。
【0028】製造例4 反応容器中に、先ず、イソプロピルアルコール40部を仕
込み、窒素雰囲気下で80℃に加熱した。ここに、スチレ
ン20部、n-ブチルアクリレート36.7部、ヒドロキシエ
チルアクリレート10部、アクリル酸8.3部、アクアロンH
S-10(第一工業製薬(株)製 反応性界面活性剤)20
部、γ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン3
部、およびアゾビスイソ酪酸ジメチル3部からなるモノ
マー混合物を3時間かけて滴下して重合をおこなった。
滴下後、80℃で1時間加熱攪拌した後、アゾビスイソ酪
酸ジメチル1部をイソプロピルアルコール15部に溶解し
て添加し、さらに80℃で2時間加熱撹拌した。別の反応
容器に、上記の操作で得られたアクリル樹脂のイソプロ
ピルアルコール溶液38.2部とトリエチルアミン2.8部を
仕込み、室温で撹拌しながらイオン交換水159部を徐々
に滴下した。窒素雰囲気下で80℃に加熱し、10%過硫酸
アンモニウム水溶液3部を添加した後、スチレン20部、
メチルメタクリレート32.3部、n-ブチルアクリレート4
4.7部、γ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン3部からなるモノマー混合物と、1%過硫酸アンモニウ
ム水溶液20部をそれぞれ、反応容器の別々の口から3時
間かけて滴下してpH=2〜3の酸性条件で乳化重合をお
こなった。滴下後、さらに80℃で1時間加熱撹拌した
後、室温まで冷却し、アンモニア水溶液とイオン交換水
を添加して、pH=8、固形分濃度を35%に調整した。
このエマルションの最低造膜温度は27℃であった。
【0029】製造例5 反応容器中に、先ず、ネオタンUE―1 100部(東亞合成
(株)製 水性ポリウレタン樹脂)122.4部とイオン交
換水130部を仕込み、窒素雰囲気下で80℃に加熱した。
これに、シクロヘキシルメタクリレート39.7部、エチル
ヘキシルアクリレート39.3部、アクリル酸1部、エチレ
ングリコールジメタクリレート20部から成るモノマー混
合物と、アゾビスシアノ吉草酸1部とジメチルエタノー
ルアミン0.5部をイオン交換水50部に溶解した水溶液51.
5部をそれぞれ、反応容器の別々の口から3時間かけて滴
下して乳化重合をおこなった。滴下後、さらに80℃で1
時間加熱撹拌した後、室温まで冷却し、イオン交換水を
添加して固形分濃度を35%に調整した。このエマルショ
ンの最低造膜温度は52℃であった。
【0030】製造例6 モノマーの配合をメチルメタクリレート51.4部、エチル
ヘキシルアクリレート47.6部、アクリル酸1部に変えた
以外は、製造例1と同様にしてエマルションを調製し
た。このエマルションの最低造膜温度は5℃以下であっ
た。
【0031】製造例7 製造例2のモノマーの配合からエチレングリコールジメ
タクリレートを除いたこと以外は製造例2と同様にして
エマルションを調製した。このエマルションの最低造膜
温度は5℃以下であった。
【0032】製造例8 製造例3に従って、アクアロンRN-20(第一工業製薬
(株)製 反応性界面活性剤)4部とアクアロンHS-10
(第一工業製薬(株)製 反応性界面活性剤)2部を、
イオン交換水100部に溶解させた。これに、シクロヘキ
シルメタクリレート57.1部、エチルヘキシルアクリレー
ト34.4部、アクリル酸1部、γ―メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン7.5部、トリエチルアミン1.4部か
ら成るモノマー混合物を加えて撹拌し、モノマープレエ
マルション207.4部を調製した。反応容器中に、先ず、
イオン交換水50部とトリエチルアミン0.1部を仕込み、
窒素雰囲気下で80℃に加熱した。ここに、プレエマルシ
ョン10部と10%過硫酸アンモニウム水溶液3部を添加し
た後、残りのモノマープレエマルションと1%過硫酸ア
ンモニウム水溶液20部をそれぞれ、反応容器の別々の口
から3時間かけて滴下した。滴下の途中で適宜、反応液
のpHを調べ、トリエチルアミンを添加してpH=6〜8
の中性条件に調整しながら乳化重合をおこなった。滴下
後、pHを調整しながらさらに80℃で1時間加熱撹拌し
た後、室温まで冷却し、イオン交換水を添加して固形分
濃度を35%に調整した。このエマルションの最低造膜温
度は5℃以下であった。
【0033】実施例1〜5および比較例1〜4 上記製造例1〜8で製造したアクリル系樹脂エマルショ
ンと、市販の4級アンモニウムシリケートの水性ゾル
[商品名:QAS-25(SiO2固形分お=25%)およびQAS
-40(SiO2固形分=40%)、いずれも日産化学工業
(株)製]を用い、表1に記載した配合で水性白色塗料
組成物(PVC=20)を調製した。各塗料をエアスプレー
により、あらかじめ水性シーラー(日本ペイント(株)
製ニッペウルトラシーラーII)を塗布した厚さ5mmのス
レート板に、塗布量100〜150g/m2になるように塗装し
た。表1に記載の条件で乾燥させた後、以下手順に従っ
て耐汚染性についての各種性能評価を行った。
【0034】性能評価 (1)促進汚染試験 吹き付け降雨汚染促進試験機(スガ試験機(株)製)を
用いて、塗膜を有するスレート板(寸法10cm×15cm)
に、降雨ノズルより雨滴を落下させながら人工粉塵を5
分間噴射した後、さらに10分間雨滴を落下させるという
操作を1サイクルとし、これを3サイクル繰り返して、乾
燥した。乾燥後の塗膜の外観を未試験の塗膜(ブラン
ク)と比較して汚染状態を目視観察した。
【0035】(2)バクロ試験 水平面に対して10度に傾斜し、かつ長さ30cmで深さ3mm
の溝が3mmピッチで刻まれた屋根を有する架台に、屋根
に降った雨が塗膜の表面に筋状に流れ落ちるように、塗
膜を有するスレート板(寸法:10cm×30cm 厚さ5mm)
を垂直に取り付け、その状態で3ヶ月間曝露した後、塗
膜の外観を未試験の塗膜(ブランク)と比較して汚染状
態を目視観察した。
【0036】上記性能評価試験(1)および(2)において、
目視観察により塗膜外観の状態を、以下の5段階の評価
基準に従って評点化した。各結果を表1にまとめる。評価基準 5点:ほとんど汚染が認められない。 4点:塗膜の一部に僅かな汚染が認められる。 3点:筋状の汚染が薄く僅かに認められる。 2点:筋状の汚染が認められる。 1点:濃い筋状の汚染が認められる。
【0037】
【表1】
【0038】表1中の各符号はそれぞれ、 1)日産化学工業(株)製、SiO2固形分=25% 2)日産化学工業(株)製、SiO2固形分=40% 3)石原産業(株)製、酸化チタン 4)堺化学(株)製、沈降性硫酸バリウム 5)ビックケミー(株)製、顔料分散剤 を表す。
【0039】
【発明の効果】塗料組成物中に、4級アンモニウムシリ
ケートの水性ゾルと特定の要件を満たすアクリル系樹脂
エマルションを含有することにより、大気中の塵埃や油
性物質の吸着、蓄積による塗膜表面の汚染が少ない塗膜
が得られる。塗料組成物中のアクリル系樹脂エマルショ
ン(ii)の最低造膜温度を15℃以上とすることで、4級ア
ンモニウムシリケート粒子の分散性が向上し、得られる
塗膜の表面に4級アンモニウムシリケート粒子を露出さ
せることができる。また、前記アクリル系樹脂エマルシ
ョン(ii)の固形分中の酸価が40以下であるため、塗膜の
光沢が低下せず、更には固形分の凝集による白化が生じ
ない。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)式: 【化1】 (NR12342O・xM2O・ySiO2 (I) (式中、R1〜R4は、同一または異なって、炭素数1〜2
    0のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、あるい
    は式:−(R5O)aH(式中、R5は、炭素数2または3の
    アルキレン基であり、およびaは、2〜15の整数であ
    る。)で表される炭素数30以下のハイドロポリオキシア
    ルキレン基であり、Mは、アルカリ金属であり、並びに
    xおよびyは、各成分の相対量を表し、xは0〜2の数、
    yは0.5〜50の数を表す。)で表される4級アンモニウ
    ムシリケートの水性ゾル中のSiO2固形分100重量部に
    対し、(ii)アクリル系樹脂エマルション(固形分)30〜40
    0重量部を含有する低汚染性水性塗料組成物であって、
    前記アクリル系樹脂エマルション(ii)の最低造膜温度が
    15℃以上であることを特徴とする水性塗料組成物。
  2. 【請求項2】 アクリル系樹脂エマルション(ii)が、架
    橋性モノマー(A)と、前記モノマー(A)と共重合可
    能なモノマー(B)を乳化重合して得られる、内部架橋
    させたエマルションである請求項1記載の水性塗料組成
    物。
  3. 【請求項3】 架橋性モノマー(A)が、炭素−炭素不
    飽和結合を1分子中に2つ以上有するモノマーである請
    求項2記載の水性塗料組成物。
  4. 【請求項4】 架橋性モノマー(A)が式: 【化2】―SiR6 b(OR7)3-b (II) (式中、R6およびR7は、同一または異なって、炭素数
    1〜5のアルキル基、並びにbは0〜2の数である。)で表
    される加水分解性シリル基および炭素−炭素不飽和結合
    を共に1分子中に有するモノマーであり、これと共重合
    可能なモノマー(B)を酸性条件下で乳化重合する請求
    項2記載の水性塗料組成物。
  5. 【請求項5】 アクリル系樹脂エマルション(ii)の固形
    分中の酸価が40以下である請求項1記載の水性塗料組成
    物。
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