JPH11116883A - クリア型フッ素樹脂塗料 - Google Patents

クリア型フッ素樹脂塗料

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JPH11116883A
JPH11116883A JP29175697A JP29175697A JPH11116883A JP H11116883 A JPH11116883 A JP H11116883A JP 29175697 A JP29175697 A JP 29175697A JP 29175697 A JP29175697 A JP 29175697A JP H11116883 A JPH11116883 A JP H11116883A
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JP
Japan
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meth
group
acrylate
fluororesin
organic solvent
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JP29175697A
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English (en)
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Akihito Iida
晃人 飯田
Hiroshi Inukai
宏 犬飼
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性に優れかつ下地への密着性の良好な塗
膜を形成し、保存安定性に優れたクリア型フッ素樹脂塗
料の提供。 【解決手段】 下記成分(A)〜成分(D)を有機溶剤
に溶解してなるクリア型フッ素樹脂塗料。 (A)フルオロオレフィン単量体単位、(メタ)アクリ
ル酸エステル単量体単位および加水分解性シリル基を有
するラジカル重合性単量体単位を必須構成成分とし、有
機溶剤に可溶な含フッ素共重合体 (B)一分子中にエポキシ基及び加水分解性シリル基を
有する化合物 (C)紫外線吸収剤および/または光安定剤 (D)化学式RC(OR’)3で表されるオルト酸エス
テル類(但し、Rは水素原子、メチル基またはエチル基
であり、またR’は炭素数1 〜3のアルキル基であ
る。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下地への密着性の
良好な塗膜を形成し、保存安定性に優れたクリア型フッ
素樹脂塗料に関するものである。
【0002】
【従来技術およびその問題点】フッ素塗料は長期に渡り
劣化しない塗膜を与え、塗り替えがいらない高性能塗料
として建築、土木、重防食分野に広く用いられている。
このようなフッ素塗料用の樹脂としては、通常水酸基を
含有するフッ素樹脂が使用されているが、常温で強靭な
塗膜を形成するためには硬化剤が必要であり、いわゆる
2液型塗料となる。近年、硬化剤として使用されるイソ
シアネートの毒性が問題視され、イソシアネートを使用
しない1液型のフッ素樹脂の開発が望まれている。加水
分解性シリル基を含有するフッ素樹脂は1液化が可能で
あり、例えば特公平1−16405においては、フルオ
ロオレフィン、ビニルエーテル、及び加水分解性シリル
基を有する単量体の共重合体がイソシアネートフリーの
塗料基材として提案されている。しかし、このフッ素樹
脂から調整した塗料は安定性、下地への密着性などに問
題があった。。下地への密着性を向上させる方法とし
て、塗料中に有機シリケートを配合する方法(特公昭6
3−32826)、塗料中にある種のエポキシ基を有す
るシラン化合物を配合する方法(特公昭63−2502
9)等が提案されている。しかしながら、上記提案の塗
料組成物においても、顔料を含む着色塗料では密着性の
問題は解消されたが、顔料濃度の低い場合やクリア塗料
では、プラスチックまたは金属等に対する密着性がなお
不十分であった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の問
題点を解決すべく鋭意検討した結果、塗料用に用いるフ
ッ素樹脂の構成成分の一つとして、(メタ)アクリル酸
アルキルエステル単量体単位を加えることにより、下地
への密着性が著しく向上することを見出し、本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明における第一発明
は、下記成分(A)〜成分(D)からなるクリア型フッ
素樹脂塗料である。 (A)フルオロオレフィン単量体単位、(メタ)アクリ
ル酸エステル単量体単位および加水分解性シリル基を有
するラジカル重合性単量体単位を必須構成成分とし、有
機溶剤に可溶な含フッ素共重合体 (B)一分子中にエポキシ基及び加水分解性シリル基を
有する化合物 (C)紫外線吸収剤および/または光安定剤 (D)化学式RC(OR’)3で表されるオルト酸エス
テル類(但し、Rは水素原子、メチル基またはエチル基
であり、またR’は炭素数1〜3のアルキル基であ
る。) さらに、第二発明は、上記クリア型フッ素樹脂塗料を用
いて基材を塗工する際に、硬化触媒を併用することを特
徴とする塗工方法である。
【0004】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳し
く説明する。 (A)成分の含フッ素共重合体(以下フッ素樹脂と略
す)は、上記のとおり、フルオロオレフィン単量体単
位、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位および加水
分解性シリル基を有するラジカル重合性単量体単位を必
須構成成分とし、有機溶剤に可溶な含フッ素共重合体で
あり、GPCのポリスチレン換算による分子量が300
0〜500000、好ましくは5000〜30000で
ある。上記フッ素樹脂におけるフルオロオレフィンとし
ては、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエ
チレン、ヘキサフルオロプロピレン、ジクロロジフルオ
ロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデ
ン、フッ化ビニル等が例示される。これらのなかでも、
重合性の面よりテトラフルオロエチレン、クロロトリフ
ルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフル
オロエチレンが好ましく、テトラフルオロエチレン又は
クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレンが
より好ましい。また、上記単量体を複数併用しても良
い。
【0005】(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、
エステル鎖として炭素数1〜20のアルキル基、シクロ
アルキル基、ハロゲン含有アルキル基を有するものが好
ましい。物性を損なわない範囲で、エステル鎖に酸素、
窒素、硫黄などの原子を含んでも良い。化合物を具体的
に例示すると(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)
アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s
−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)ア
クリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)
アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、
(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シ
クロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メ
タ)アクリル酸トリシクロデシニル、(メタ)アクリル
酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸メトキ
シエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、
(メタ)アクリル酸クロロエチル、(メタ)アクリル酸
トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸ペンタフルオ
ロプロピル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類
が挙げられる。これらの中でも、フルオロオレフィンと
の重合性、共重合体の柔軟性などによりメタアクリル酸
エステルよりアクリル酸エステル類の使用が好ましい。
また、これらの単量体は単独または数種類混合して使用
することができる。
【0006】加水分解性シリル基を有するラジカル重合
性単量体としては、例えばビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラ
ン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメ
トキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)
シラン、トリメトキシシリルエチルビニルエーテル、ト
リメトキシシリルブチルビニルエーテル、メチルジメト
キシシリルエチルビニルエーテル、トリメトキシシリル
プロピルビニルエーテル、ビニルトリイソプロペニルオ
キシシラン、ビニルメチルジイソプロペニルオキシシラ
ン、トリイソプロペニルオキシシリルエチルビニルエー
テル、トリイソプロペニルオキシシリルプロピルビニル
エーテル、トリイソプロペニルオキシシリルブチルビニ
ルエーテル、ビニルトリス(ジメチルイミノオキシ)シ
ラン、ビニルトリス(メチルエチルイミノオキシ)シラ
ン、ビニルメチルビス(ジメチルイミノオキシ)シラ
ン、ビニルジメチル(ジメチルイミノオキシ)シラン、
トリス(ジメチルイミノオキシ)シリルエチルビニルエ
ーテル、メチルビス(ジメチルイミノオキシ)シリルエ
チルビニルエーテル、トリス(ジメチルイミノオキシ)
シリルブチルビニルエーテル、γ−(メタ)アクリロイ
ルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシ
シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリ
イソプロペニルオキシシラン等が挙げられる。
【0007】上記フッ素樹脂には、水酸基、エポキシ基
およびカルボキシル基等の官能基を有する単量体が共重
合されていても良く、その使用量は、得られるフッ素樹
脂が脂肪族炭化水素に溶解し得るように、5モル%以下
であることが好ましい。水酸基含有単量体としては、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)ア
クリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸
4−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシエチルビニルエ
ーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、アリル
アルコール、ケイ皮アルコール、Nーメチロール(メ
タ)アクリルアミド、クロトン酸2−ヒドロキシエチ
ル、クロトン酸4−ヒドロキシブチル等の水酸基含有単
量体の他、これらの水酸基を含有する単量体にε−カプ
ロラクタム、エチレンオキシドを開環付加させた化合
物、ならびに(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、クロトン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸とエ
チレングリコール、エチレンオキシド、プロピレングリ
コール、プロピレンオキシド、ブチレングリコール、シ
クロヘキサンジメタノール、グリセリン、トリメチロー
ルプロパン等の多価アルコールとの反応物である単量体
が例示される。エポキシ基を有する単量体としては、
(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエー
テル、グリシジルビニルエーテル等が挙げられる。カル
ボキシル基を有する単量体としては、(メタ)アクリル
酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸等
が挙げられる。
【0008】本発明におけるフッ素樹脂には、物性を損
なわない範囲で上記した以外の単量体が共重合されてい
ても良い。かかる単量体としては、エチレン、プロピレ
ン、イソブチレン、ノルボルネン、ノルボルナジエン等
のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のクロ
ロエチレン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプ
ロン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ヴェオバ−9(シェ
ル化学製)、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、安息香
酸ビニル、ラウリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエス
テル類、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル
等のビニルエーテル類、エチルアリルエーテル、シクロ
ヘキシルアリルエーテル等のアリルエーテル類が例示さ
れる。
【0009】フッ素樹脂における構成単位の好ましい割
合は、全構成単位の合計量を基準にして、(a)フルオ
ロオレフィン単量体単位:10〜70モル%、(b)
(メタ)アクリル酸エステル単量体単位:20〜80モ
ル%、(c)加水分解性シリル基を有するラジカル重合
単量体単位:0.5〜20モル%および(d)その他の
単量体単位:0〜30モル%である。さらに好ましく
は、(a):20〜60モル%、(b):30〜75%
モル%、(c):2〜10モル%および(d):0〜3
0モル%である。また、フッ素樹脂のガラス転移温度
(Tg)は、−20℃〜60℃であることが好まく、1
5〜50℃であることが特に好ましい。
【0010】上記フッ素樹脂は、公知の重合方法により
製造できる。例えば、過酸化物またはアゾ化合物等のラ
ジカル発生型重合開始剤の存在下、前記単量体(a)〜
(c)等を有機溶剤中で、圧力1〜200kg/cm2程度で
共重合させることにより製造できる。溶液重合によって
得られるフッ素樹脂溶液は、そのまま塗料組成物の一部
として使用できる。他方、乳化重合または塊状重合等に
よりフッ素樹脂を製造した場合には、該フッ素樹脂を単
離精製し、塗料用に一般的に用いられる有機溶剤に溶解
し使用することができる。前記溶剤の使用量は、フッ素
樹脂100重量部に当たり20〜200重量%が好まし
い。
【0011】フッ素樹脂を溶解する有機溶剤としては、
トルエン、キシレン、ソルベッソ等の芳香族炭化水素;
ミネラルスピリット、エクロール(エクソン社)ソルベ
ントナフサ等の脂肪族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、酢酸イソブチル等のエステル類;メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチ
ルアミルケトン、エチルアミルケトン等のケトン類;n
−ブタノール、i−プロパノール等のアルコール類;メ
チルセロソルブ、n−ブチルセロソルブ、n−ブチルセ
ロソルブアセテート等のセロソルブ系;プロピレンブリ
コールモノメチルエーテル、プロピレンブリコールモノ
ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート等のプロピレングリコール系溶剤等が挙
げられる。
【0012】本発明における成分(B)の具体例として
は、γ−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシエ
チルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
エメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキ
シシラン、γ−グリシドキシエチルトリイソプロペニル
オキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロ
ペニルオキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイ
イミノオキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリス(ジメチルイミノオキ
シ)シラン等のシランカップリング剤が挙げられる。さ
らに、1分子中に加水分解性シリル基とイソシアネート
基を併せ有する化合物とグリシドールの反応生成物を使
用することもできる。成分(B)の好ましい使用量は、
前記成分(A)100重量部当たり、0.1〜30重量
部である。成分(B)の使用量が0.1重量部未満であ
ると、密着性向上の効果がでない。また、それが30重
量部を越えると塗膜の耐水性が低下する。
【0013】成分(C)である紫外線吸収剤および/ま
たは光安定剤は、含フッ素共重合体の分解の抑制、紫外
線の下地までの到達を制御する効果がある。さらに、こ
の紫外線吸収剤、光安定剤を配合したクリア塗料をステ
ンレスに塗装した場合、ステンレスのサビの発生を防ぐ
効果もある。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系
化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シュウ酸アニリ
ド系化合物、ベンゾトリアジン系化合物等があげられ
る。ベンゾフェノン系化合物の具体例としては、、2−
ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−
4−ブトキシベンゾフェノン、2、4−ジヒドロキシベ
ンゾフェノン等が挙げられる。ベンゾトリアゾール系化
合物としては、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−5’−メチルフェニル)−5−カルボン酸ブチル
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−
メチルフェニル)−5,6−ジクロロベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tブチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−3’,5’−ジ−(1,1−ジメチルベンジル)
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−
メチルフェニル)−5−エチルスルホンベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−メチル−5’−
t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
等が挙げられる。
【0014】蓚酸アニリド系化合物としては、N−(2
−エトキシフェニル)−N’−(4−イソドデシルフェ
ニル)エタンジアミド、N−(2−エトキシフェニル)
−N’−(2−エチルフェニル)エタンジアミド、N
(2−エトキシ−5−t−ブチルフェニル−N’−(2
−エチルフェニル)エタンジアミド等が挙げられる。ベ
ンゾトリアジン系化合物としては、2−(2−ヒドロキ
−4−(2−ヒドロキシ−3−トリデカノキシプロピ
ル)フェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェ
ニル)−1,3,5−トリアジン等があげられる。これ
らの紫外線吸収剤の好ましい添加量は、成分(A)10
0重量部当たり、0.1〜10重量部である。
【0015】本発明においては、上記紫外線吸収剤と共
に、以下に挙げるような光安定剤も使用できる。 光安定剤;2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバ
ケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、8−アセチ
ル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−
1,3,8−トリアザスピロ(4、5)デカン−2,4
−ジオン、ビス(N−オクトキシ−2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)セバケート等。光安定剤
の使用量は、成分(A)100重量部当たり5重量部以
下であることが望ましい。
【0016】成分(D)のオルト酸エステルは、一般式
RC(OR’)3(但し、式中、Rは水素原子、メチル
基またはエチル基であり、R’は炭素数1〜3のアルキ
ル基である)で表される化合物である。かかるオルト酸
エステルの具体例としては、オルト蟻酸トリメチル、オ
ルト蟻酸トリエチル、オルト蟻酸トリプロピル、オルト
酢酸トリメチル、オルト酢酸トリエチル、オルト酢酸ト
リプロピル、オルトプロピオン酸トリメチル、オルトプ
ロピオン酸トリエチル、オルトプロピオン酸トリプロピ
ル等が挙げられる。オルト酸エステルを添加することに
より、本塗料組成物の保存安定性が向上する。好ましい
添加量は、成分(A)および成分(B)の合計量の10
0重量部当たり、0.5〜30重量部である。オルト酸
エステルの使用量が、0.5重量部未満であると、保存
安定性向上の効果はなく(もしくは僅かにあるのみ)、
また、30重量部を越えて使用しても効果は変わらな
い。
【0017】本発明のクリア型フッ素樹脂塗料は、上記
成分(A)〜成分(D)を有機溶剤に溶解したものであ
るが、それを基材に塗工するに際しては、常温下で速や
かに硬化塗膜が得られるよう、硬化触媒を併用すること
が好ましい。硬化触媒としては、ナフテン酸コバルト、
ナフテン酸鉛、オクチル酸カルシウム、オクチル酸鉛、
オクチル酸亜鉛、オクチル酸コバルト、テトラプロピル
チタネート、テトラブチルチタネート、ジブチル錫ジラ
ウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジクロロジブチ
ル錫、ジブチル錫ジアセテート、トリエチル錫モノステ
アレートなどの有機錫化合物が例示される。触媒の使用
量としては、フッ素樹脂100重量部当たり0.001
〜5重量部が適当であり、より好ましくは、0.001
〜1重量部である。
【0018】本発明のフッ素樹脂塗料には、塗膜の耐汚
染性を向上させる目的で、アルコキシシランの部分加水
分解縮合物を添加しても良い。アルコキシシランの部分
加水分解縮合物とは、加水分解性のアルコキシ基を1分
子中に2個以上有するアルコキシシランの自己縮合物で
あり、縮合度は耐汚染性、フッ素樹脂との相溶性から2
〜10程度であることが好ましい。かかる化合物として
は、コルコート社製の商品名ES40(テトラエトキシ
シランの平均約5量体の縮合物)、商品名MS51(テ
トラメトキシシランの平均約4量体の縮合物)等の市販
品も使用できる。さらに、以下に挙げるようなアルコキ
シシランをアルコール性有機溶剤に溶解させ、塩酸また
はp−トルエンスルホン酸等の酸の存在下に、少量の水
を加えた状態で、30〜80℃で1〜8時間加水分解す
る事により得られる部分加水分解物を用いることもでき
る。好ましく使用できるアルコキシシランとしては、テ
トラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプ
ロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジ
メトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン等が挙げられる。フッ素樹脂塗料にお
けるアルコキシシランの部分加水分解物の割合は、フッ
素樹脂100重量部当たり2〜100重量部が好まし
く、さらに好ましくは5〜50重量部である。部分加水
分解物の割合が2重量部以下では耐汚染性は向上せず、
一方50重量部を越える場合には塗膜が脆くなる。
【0019】本発明は、クリア型塗料における下地への
密着性を向上させたものであるが、所望により本発明の
フッ素樹脂塗料に着色顔料等を添加してもよい。顔料と
しては、酸化チタン、べんがら、黄色酸化鉄、焼成顔
料、パール顔料等の無機顔料;アルミフレーク、ステン
レスフレーク等のメタリック顔料;フタロシアニンブル
ー、キナクリドンレッド、イソインドリノン、カーボン
ブラック等の有機顔料が使用できる。また、艶消し剤と
して、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワック
ス、シリカ系艶消し剤を添加することもできる。また、
各種の塗料用添加剤、例えばレベリング剤、スリップ
剤、たれ防止剤、消泡剤、色別れ防止剤、酸化防止剤お
よび熱安定剤等を配合しても良い。また、カラークリア
塗料の顔料分散時には顔料分酸剤を添加してもよい。
【0020】本発明のフッ素樹脂塗料における有機溶剤
としては、前記フッ素樹脂の溶剤として例示したものが
好ましい。その好ましい使用量は、フッ素樹脂塗料の固
形分濃度が20〜70重量%となる程度の量である。塗
料は、スプレー塗装、ロールコーターまたははけ塗り等
によって塗装することができる。被塗布材としては、金
属、プラスチック、木材、紙、セメント系基材が挙げら
れ、それらに直接、あるいは下塗り剤を介して塗装する
ことができる。また、他の塗料の塗膜上にクリアトップ
コートとして用いることもできる。
【0021】以下に、実施例および比較例を挙げて、本
発明を更に具体的に説明する。
【実施例1】クロロトリフルオロエチレン/アクリル酸
シクロヘキシル/ビニルトリメトキシシラン=40/5
6/4(モル%)の構成で、数平均分子量が15000
であるフッ素樹脂の酢酸ブチル溶液(固形分60wt
%)を用いて、以下の配合でクリア塗料を作製した。 F1の酢酸ブチル溶液(固形分60%) 79.4 2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシ フェニル)ベンゾトリアゾール 2.4 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 1.4 オルト蟻酸トリメチル 2.4 キシレン 14.4 ──────────────────────────────────── 計 100.0
【0022】上記フッ素樹脂塗料について、以下の物性
を測定した。 〇保存安定性試験;塗料を密栓のできる瓶に入れ、50
℃で1ケ月保存して塗料液の状態を観察し、その結果を
表1に示した。 〇塗膜性能試験 (1)塗装試験片の製造;塗料液とジブチル錫ジラウレ
ートの1%トルエン溶液(以下硬化触媒溶液という)
を、塗料液/ジブチル錫ジラウレート溶液=10/1の
重量比で混合し、基材ABS板(7×15cm、2m
m厚)および基材赤色アクリルウレタン塗料の塗装さ
れたアルミ板(7×15cm、0.6mm厚)にバーコ
ーターで乾燥膜厚20μmになるよう塗装した。その後
ABS塗装品は80℃で20分乾燥させた。アルミ塗装
品については常温で1週間乾燥させ塗装板を得た。 (2)塗膜性能試験 ・一次密着性:乾燥塗装板について碁盤目密着性試験を
行う。 ・二次密着性:サンシャインウエザメーター2000時
間試験後の板について、碁盤目密着性試験を行う。 ・下地保護性:サンシャインウエザメーターで2000
時間試験した前後の光沢、及び色差を測定し、光沢保持
率および、色差ΔEを算出する。 上記試験の結果は、表2(基材:ABS)および表3
(基材:赤色アクリルウレタン塗装アルミ板)に示し
た。
【0023】
【実施例2】クロロトリフルオロエチレン/アクリル酸
シクロヘキシル/アクリル酸ブチル/ビニルトリメトキ
シシラン=45/40/11/4(モル%)の構成で、
数平均分子量が17000であるフッ素樹脂の酢酸ブチ
ル溶液(固形分60wt%)を用い、以下の配合でクリ
ア塗料を作成した。 F2の酢酸ブチル溶液(固形分60%) 79.4 2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン 2.4 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 1.4 オルト蟻酸トリメチル 2.4 キシレン 14.4 ──────────────────────────────────── 計 100.0 以下、実施例1と同様に塗料の評価試験を行なった。
【0024】
【実施例3】クロロトリフルオロエチレン/アクリル酸
シクロヘキシル/アクリル酸2−メトキシエチル/ビニ
ルトリメトキシシラン=40/40/16/4(モル
%)の構成で、数平均分子量が15000であるフッ素
樹脂の酢酸ブチル溶液(固形分60wt%)を用いる以
外は実施例1と同様の配合でクリア塗料を作成した。
【0025】
【比較例1】クロロトリフルオロエチレン/シクロヘキ
シルビニルエーテル/プロピオン酸ビニル/ビニルトリ
メトキシシラン=46/30/18/6(モル%)の構
成で、数平均分子量が13000であるフッ素樹脂の酢
酸ブチル溶液(固形分60wt%)を用いる以外は,実
施例1と同様の配合でクリア塗料を作成した。
【0026】
【比較例2】実施例1においてγ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシランを用いず、その分キシレン量を追
加した以外は、実施例1と同様の配合で塗料を作成し
た。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【発明の効果】本発明のクリア型フッ素樹脂塗料は、保
存安定性に優れており、かつ該塗料によれば下地への密
着性に優れる塗膜が形成できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分(A)〜成分(D)を有機溶剤
    に溶解してなるクリア型フッ素樹脂塗料。 (A)フルオロオレフィン単量体単位、(メタ)アクリ
    ル酸エステル単量体単位および加水分解性シリル基を有
    するラジカル重合性単量体単位を必須構成成分とし、有
    機溶剤に可溶な含フッ素共重合体 (B)一分子中にエポキシ基及び加水分解性シリル基を
    有する化合物 (C)紫外線吸収剤および/または光安定剤 (D)化学式RC(OR’)3で表されるオルト酸エス
    テル類(但し、Rは水素原子、メチル基またはエチル基
    であり、またR’は炭素数1〜3のアルキル基であ
    る。)
  2. 【請求項2】 上記クリア型フッ素樹脂塗料を用いて基
    材を塗工する際に、硬化触媒を併用することを特徴とす
    る塗工方法。
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