JPH11116871A - インクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録方法

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JPH11116871A
JPH11116871A JP28413197A JP28413197A JPH11116871A JP H11116871 A JPH11116871 A JP H11116871A JP 28413197 A JP28413197 A JP 28413197A JP 28413197 A JP28413197 A JP 28413197A JP H11116871 A JPH11116871 A JP H11116871A
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ink
water
soluble
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ink jet
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JP28413197A
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Hiroshi Ito
弘 伊藤
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 混色ブリードを防止する為のインクに多くの
種類の着色剤を使用することを可能になり、単色の印字
品質と混色ブリードの品質を両立して向上したインクジ
ェット記録方法と提供すること。 【解決手段】 本発明のインクジェット記録方法は、ア
ルギン酸等の多糖類、染料あるいは顔料、グリセリン等
の保湿剤、水からなる第一のインクと低級アルコール等
の浸透性有機溶剤、硫酸ナトリウム等の1価カチオンを
含む水溶性塩類、染料あるいは顔料、保湿剤、水からな
るる第二のインクのインクセットを用いてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録方法に関するものであり、さらに複数色のインク液滴
を記録媒体に付着して画像を形成するインクジェット記
録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、静電吸引方
式、空気圧送方式、加熱発泡時の圧力を利用した方式、
圧電素子の電気的変形を利用した方式などのインクを吐
出する方法によりインク小滴を発生させ、さらにこのイ
ンク小滴を記録紙に付着して画像形成を行なっている。
この記録方式は、静かな動作、低コスト、印字品質、カ
ラー対応性等の特徴により、近年急速に普及している。
【0003】普及に伴って、黒インク単色の印字品質や
黒インクとカラーインク間の混色ブリードは、更なる品
質向上が求められている。
【0004】単色の印字品質を向上する方法として紙の
多価カチオンによりゲル化するアルギン酸塩を添加する
手法が特開平6−184477号公報、ペクチン酸やペ
クチンをインクに添加する手法が特開平1−20348
3号公報等に提案されている。また、これらのゲル化成
分を添加したインクの混色ブリードを低減する方法が、
特開平8−209049号公報に提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平8−20904
9号公報に記載されている方法は、ゲル形成種として
0.1〜1wt%のアルギン酸ナトリウムを含む組成物
とゲル化開始剤として0.1〜10wt%のカルシウム
カチオンを含む組成物を組み合わせている。これらの2
種の組成物が接すると、界面でゲル化反応が生じて組成
物同士の混合が抑えられて、混色ブリードが低減する。
【0006】ゲル化開始剤を含む組成物は、カルシウム
カチオン等の多価カチオンと共にC.I.Acid R
ed 18、C.I.Acid Yellow 23等
のアニオン性解離基を有する染料を溶解して含んでい
る。しかしならが、アニオン性解離基を有する染料は、
多価カチオンと共存すると多くの場合は不溶性塩を形成
して水に不溶になる。これらの不溶性塩は、例えばC.
I.Pigment Red 57のようにカルシウム
レーキの水不溶性顔料として利用されている。
【0007】このように、ゲル化開始剤を含む組成物に
用いることができる染料は多価カチオンと共存しても不
溶化しないことが求められ、材料の選択範囲が極めて狭
いという問題点がある。
【0008】従って本発明はこれらの課題を解決するも
ので、混色ブリードを防止する為のインクに多くの種類
の着色剤を使用することを可能にするものであり、更に
単色の印字品質と混色ブリードの品質を両立して向上し
たインクジェット記録方法と提供することを目的として
いる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録方法は、複数色のインク液滴を記録媒体に付着して
画像を形成するインクジェット記録方法において、カル
ボキシル基を有する水溶性多糖類、インク中に溶解ある
いは分散する着色剤、保湿剤、水とを少なくとも含んで
なる第一のインクと、水溶性の浸透性有機溶剤、1価カ
チオンを含む水溶性塩類、インク中に溶解あるいは分散
する着色剤、保湿剤、水とを少なくとも含んでなる第二
のインクを少なくとも含むインクセットを用いることを
特徴とする。
【0010】本発明のインクジェット記録方法は、前記
水溶性多糖類が、アルギン酸類あるいはペクチン類から
選ばれることを特徴とする。
【0011】本発明のインクジェット記録方法は、前記
着色剤がアルカリ可溶性の水溶性染料から選ばれること
を特徴とする。
【0012】本発明のインクジェット記録方法は、前記
着色剤がアルカリ性で分散した顔料から選ばれることを
特徴とする。
【0013】本発明のインクジェット記録方法は、前記
保湿剤が、蒸気圧が純水よりも小さい水溶性有機溶剤お
よび、または尿素誘導体、糖類から選ばれることを特徴
とする。
【0014】本発明のインクジェット記録方法は、低級
モノおよびポリオール類、モノおよびポリグリコールエ
ーテル類のいずれから選ばれる化合物を含むことを特徴
とする。
【0015】本発明のインクジェット記録方法は、前記
第二のインクに、更にノニオン性界面活性剤を添加する
ことを特徴とする。
【0016】本発明のインクジェット記録方法は、前記
第一のインクに、さらに浸透促進剤を含むことを特徴と
する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録方法
は、複数色のインク液滴を記録媒体に付着して画像を形
成するインクジェット記録方法において、カルボキシル
基を有する水溶性多糖類、インク中に溶解あるいは分散
する着色剤、保湿剤、水とを少なくとも含んでなる第一
のインクと、水溶性の浸透性有機溶剤、1価カチオンを
含む水溶性塩類、インク中に溶解あるいは分散する着色
剤、保湿剤、水とを少なくとも含んでなる第二のインク
を少なくとも含むインクセットを用いることを特徴とし
ている。
【0018】従来、カルボキシル基を有する水溶性多糖
類、例えばアルギン酸塩やペクチン類を含む第一のイン
クに対しては、混合により急激にゲル化する多価カチオ
ンを第二のインクに添加してインク同士の混合を抑え、
混色ブリードを低減していた。しかし、第二のインクに
1価カチオンを添加しても、混色ブリードを抑える事は
まったく出来なかった。これは、1価カチオンは水溶性
多糖類と水溶性の塩を作り、不溶化しないことによって
いる。
【0019】これに対して本発明は、カルボキシル基を
有する水溶性多糖類を添加した第一のインクに対して、
第二のインクに1価カチオンと共に水溶性の浸透性有機
溶剤を同時に添加する事により、インク同士の混合を抑
えることが可能となったものである。
【0020】本発明に用いるカルボキシル基を有する水
溶性多糖類は、分子中にカルボキシル基を含んだ5もし
くは6炭糖類の重合体であり、好ましくは、アルギン酸
類、ペクチン類である。
【0021】水溶性多糖類の分子量は、3,500〜5
0,000の範囲にあるものが好ましい。分子量がこの
範囲にあることで、十分なゲル化形成能とインクジェッ
ト記録に利用可能な適度な粘度、例えば20℃で15セ
ンチポイズ以下のインク組成物を得る事ができる。
【0022】水溶性多糖類の添加量は、0.05%〜
0.75%の範囲が好ましい。添加量がこの範囲であれ
ば、十分なゲル化形成能とインクジェット記録に利用可
能な適度な粘度のインク組成物を得る事ができる。
【0023】水溶性多糖類は、具体的にはアルギン酸類
としてAlginic acidsodium sal
t(Aldrich chemical社製、カタログ
番号18094−7)、ダックアルギンNSPLL(商
品名、紀文フードケミファ(株)製)、ダックアルギン
SL−20(商品名、紀文フードケミファ(株)製)、
低メトキシペクチン類あるいはペクチン酸類としてLM
−104AS(商品名、The Copenhagen
Pectin Factory社製)、Purple
Ribbon Pure(商品名、Obipekti
n社製)、Polygalacturon acid
(Sigma Chemical社、カタログ番号P3
889)、 Polygalacturon aci
d,Potassium salt(Sigma Ch
emical社、カタログ番号P7276)等が挙げら
れる。なお、本発明に用いることが可能な水溶性多糖類
は、ここに記載したものに限定されるものでなく、本要
件に該当するものであれば、いずれも用いることができ
る。
【0024】本発明のインク中に溶解あるいは分散する
着色剤は、インク組成物中では溶解あるいは分散してお
り、かつインクジェト記録装置にて印刷した後は記録媒
体上で印刷物に多数の色を与えるものである。
【0025】着色剤は、インク組成物全重量に対して
0.5〜20wt%の範囲で添加することが望ましい。
0.5wt%以上であれば、インクジェット記録方式に
より印刷した印刷物は充分な光学濃度を示すことができ
る。20wt%以下であれば、インクジェット記録方式
に適当な粘度に調整しやすい。
【0026】本発明の好ましい形態によれば、インク中
に溶解する着色剤として、アルカリ可溶性の水溶性染料
が用いられる。ここで、アルカリ可溶性とは、アルカリ
性の媒体に溶解する有色物質を指しており、分子中に含
まれる水溶性基が酸性または塩基性の解離性基、あるい
は非解離性の官能基、さらにそれらを複数種含むもので
あっても良い。また、アルカリに溶解するのであれば酸
性溶液に溶解する有色物質であってもよい。
【0027】これらの中で染料は、水に溶解する有機性
有色物質であり、カラーインデックスにおいて酸性染
料、直接染料、反応染料、可溶性建染染料または食品用
色素に分類されているものが有用である。また、中性の
水に不溶であってもアルカリ水に可溶であれば、カラー
インデックスにおいて油溶染料、塩基性染料に分類され
る着色剤を用いることもできる。
【0028】さらには、カラーインデックスにおいて顔
料に分類されるものであっても、アルカリ可溶であれば
染料と同様に用いることができる。
【0029】染料およびアルカリ可溶性顔料は、具体的
には黄色系としては、C.I.アシッドイエロー1、
3、11、17、19、23、25、29、36、3
8、40、42、44、49、59、61、70、7
2、75、76、78、79、98、99、110、1
11、127、131、135、142、162、16
4、165、C.I.ダイレクトイエロー1、8、1
1、12、24、26、27、33、39、44、5
0、58、85、86、87、88、89、98、11
0、132、142、144、C.I.リアクティブイ
エロー1、2、3、4、6、7、11、12、13、1
4、15、16、17、18、22、23、24、2
5、26、27、37、42、C.I.フードイエロー
3、4、C.I.ソルベントイエロー15、19、2
1、30、109、C.I.ピグメントイエロー23等
が挙げられる。
【0030】また、赤色系としては、C.I.アシッド
レッド1、6、8、9、13、14、18、26、2
7、32、35、37、42、51、52、57、7
5、77、80、82、85、87、88、89、9
2、94、97、106、111、114、115、1
17、118、119、129、130、131、13
3、134、138、143、145、154、15
5、158、168、180、183、184、18
6、194、198、209、211、215、21
9、249、252、254、262、265、27
4、282、289、303、317、320、32
1、322、C.I.ダイレクトレッド1、2、4、
9、11、13、17、20、23、24、28、3
1、33、37、39、44、46、62、63、7
5、79、80、81、83、84、89、95、9
9、113、197、201、218、220、22
4、225、226、227228、229、230、
231、C.I.リアクティブレッド1、2、3、4、
5、6、7、8、11、12、13、15、16、1
7、19、20、21、22、23、24、28、2
9、31、32、33、34、35、36、37、3
8、39、40、41、42、43、45、46、4
9、50、58、59、63、64、C.I.ソルビラ
イズレッド1、C.I.フードレッド7、9、14、
C.I.ピグメントレッド41、48、54、57、5
8、63、68、81等が挙げられる。
【0031】また、青色系としては、C.I.アシッド
ブルー1、7、9、15、22、23、25、27、2
9、40、41、43、45、54、59、60、6
2、72、74、78、80、82、83、90、9
2、93、100、102、103、104、112、
113、117、120、126、127、129、1
30、131、138、140、142、143、15
1、154、158、161、166、167、16
8、170、171、182、183、184、18
7、192、199、203、204、205、22
9、234、236、249、C.I.ダイレクトブル
ー1、2、6、15、22、25、41、71、76、
77、78、80、86、87、90、98、106、
108、120、123、158、160、163、1
65、168、192、193、194、195、19
6、199、200、201、202、203、20
7、225、226、236、237、246、24
8、249、C.I.リアクティブブルー1、2、3、
4、5、7、8、9、13、14、15、17、18、
19、20、21、25、26、27、28、29、3
1、32、33、34、37、38、39、40、4
1、43、44、46、C.I.ソルビライズバットブ
ルー1、5、41、C.I.バットブルー29、C.
I.フードブルー1、2、C.I.ベイシックブルー
9、25、28、29、44、C.I.ピグメントブル
ー1、17等が挙げられる。
【0032】更に、黒色系としては、C.I.アシッド
ブラック1、2、7、24、26、29、31、48、
50、51、52、58、60、62、63、64、6
7、72、76、77、94、107、108、09、
110、112、115、118、119、121、1
22、131、132、139、140、155、15
6、157、158、159、191、C.I.ダイレ
クトブラック17、19、22、32、38、51、5
6、62、71、74、75、77、94、105、1
06、107、108、112、113、117、11
8、132、133、146、154、168、C.
I.リアクティブブラック1、3、4、5、6、8、
9、10、12、13、14、18、C.I.ソルビラ
イズバットブラック1C.I.フードブラック2等が挙
げられる。
【0033】また、インク中に分散する着色剤として、
アルカリ性で分散した顔料が用いられる。これらは、カ
ラーインデックスにおいて顔料に分類されるものを、分
散剤によりアルカリ性のpH域で分散安定化したもの、
あるいは、顔料表面に官能基を付与する処理を行って分
散したものから用いられる。
【0034】ここで、分散剤はスチレン−アクリル酸樹
脂、スチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル樹脂、
スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−マレイン酸半エ
ステル樹脂、アクリル酸−アクリル酸エステル樹脂、イ
ソブチレン−マレイン酸樹脂、ロジン変性マレイン酸樹
脂等を用いることができる。
【0035】顔料の分散は、従来から知られている方法
にて行うことができる。上述の分散剤と顔料をアルカリ
性の水中に混合して、ボールミル、サンドミル、アトラ
イター、ロールミル、アジテーターミル、ヘンシェルミ
キサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、ジェッ
トミル、オングミルなどの分散機を用いて分散し、顔料
の平均粒子径を25〜1000nm、好ましくは50〜
250nmに調製する。さらに、目詰まりの原因となる
粗大粒子や異物を取り除くために、金属フィルターやメ
ンブランフィルターなどを用いた濾過あるいは遠心分離
を行なうのが好ましい。
【0036】顔料は、具体的には黒色系としては、カー
ボンブラック類、C.I.ピグメントブッラク1が挙げ
られる。黄色系としては、C.I.ピグメントイエロー
1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、1
3、14、15、16、17、65、83が挙げられ
る。また、赤色系としては、C.I.ピグメントレッド
1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、1
2、13、14、15、16、17、18、19、2
1、22、23、30、31、32、37、38、3
9、40、49、50、51、52、53、55、6
0、64、83、87、88、89、90、112、1
14、123、163等が挙げられる。青色系として
は、C.I.ピグメントブルー2、3、15、16、2
2、25等が挙げられる。更に、顔料表面に官能基を付
与する処理を行って分散したものとして、マイクロジェ
ットC−type CW1およびCW2(商品名、オリ
エント化学工業株式会社製)等を用いることもできる。
【0037】これらの着色剤は単独、あるいは複数種混
合して用いることができる。なお、本発明に用いること
が可能な着色剤は、ここに記載したものに限定されるも
のでなく、本要件に該当するものであれば、いずれも用
いることができる。
【0038】本発明に用いる保湿剤は、インク組成物の
水分の蒸発を抑制して、吐出安定性を向上するために用
いられ、強い親水性の化合物や吸湿性、潮解性を有する
化合物から選ばれる。より好ましくは、蒸気圧が純水よ
りも小さい水溶性有機溶剤および、または尿素誘導体、
糖類から選ばれる。
【0039】蒸気圧が純水よりも小さい水溶性有機溶剤
としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、
グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ジエチ
レングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アル
コール類、アセトニルアセトン等のケトン類、γ−ブチ
ロラクトン、リン酸トリエチル等のエステル類、フルフ
リルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、
チオジグリコール、2−ピロリドン、N−メチルピロリ
ドン等が望ましい。
【0040】また、尿素誘導体としては、尿素、メチル
尿素類、エチル尿素類、エチレン尿素類、プロピレン尿
素類、チオ尿素類等を添加することができる。
【0041】さらに糖類としては、マルチトール、ソル
ビトール、グルコノラクトン、マルトース等が好まし
い。
【0042】保湿剤は、インク組成物全量に対して5〜
50%の範囲で添加することがより好ましい。5%以上
であれば、インクジェット記録に用いることが可能な保
湿性を得ることができる。また、50%以下であれば、
インクジェット記録に利用可能な適度な粘度以下のイン
ク組成物を得る事ができる。
【0043】本発明の第二のインクに用いる水溶性の浸
透性有機溶剤は、インクの表面張力を低下して記録媒体
へのインクの浸透を促進し、インク乾燥時間を短縮する
ために用いられるものである。更に、1価カチオンとの
併用により、第一のインクのカルボキシル基を有する水
溶性多糖類のゲル化を生じさせ、第一のインクと第二の
インクの混合を抑制して混色ブリードを低減する為に添
加される。
【0044】本発明の浸透性有機溶剤は、好ましくは低
級モノおよびポリオール類、モノおよびポリグリコール
エーテル類のいずれから選ばれる。これらであれば、1
価カチオンとの併用により、本発明のインクセットにお
いて十分なゲル化形成能をえることができる 具体的には、低級モノおよびポリオール類としてエタノ
ール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタ
ノール、2−ブタノール、イソブタノール、tert−
ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3
−ペンタノール、tert−ペンタノール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−
ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオ
ール等が用いられる。また、モノおよびポリグリコール
エーテル類としてエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレ
ングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロ
ピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テト
ラエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられ
る。
【0045】浸透性有機溶剤の添加量は、好ましくは3
〜30%の範囲である。この範囲であれば、インクジェ
ット記録に利用可能な適度な粘度以下のインク組成物を
得る事ができる。
【0046】本発明の第二のインクには、更にノニオン
性界面活性剤としてサーフィノール61、82、10
4、440、465、485(以上いずれも商品名、エ
ア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社製)、ニッサン
ノニオンK−211、K−220、P−213、E−2
15、E−220、S−215、S−220、HS−2
20、NS−212、NS−220(以上いずれも商品
名、日本油脂株式会社製)等を添加する事も可能であ
る。これらは、浸透性有機溶剤と併用する事により、わ
ずかな粘度上昇のみで浸透性を大幅に増すことが可能と
なる。
【0047】ノニオン性界面活性剤の添加量は特に限定
されないが、好ましくは0.05〜2.5%の範囲であ
る。この範囲であれば、インクジェット記録に利用可能
な適度な粘度以下のインク組成物を得る事ができる。
【0048】本発明の第二のインクに添加する1価カチ
オンを含む水溶性塩類は、浸透性有機溶剤との併用によ
り、第一のインクのカルボキシル基を有する水溶性多糖
類のゲル化を生じさせ、第一のインクと第二のインクの
混合を抑制して混色ブリードを低減する為に添加され
る。具体的には、ナトリウム、カリウム、アンモニウム
カチオン等が挙げられる。十分なゲル化をより少ない添
加量で得るために、ナトリウムあるいはカリウムカチオ
ンを含む水溶性塩類をもちいることがより好ましい。
【0049】1価カチオンを含む水溶性塩類としては、
炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、
硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化
カリウム、燐酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、p−トル
エンスルホン酸ナトリウム、p−トルエンスルホン酸カ
リウムが挙げられる。
【0050】1価カチオンを含む水溶性塩類の添加量
は、カチオン換算で0.25%〜2.5%が好ましい。
この範囲であれば、浸透性有機溶剤と併用することによ
り十分なゲル化形成能を得ることができる。
【0051】本発明に用いる水は、イオン交換水、限外
濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水をいず
れも用いることができる。また、紫外線照射、又は過酸
化水素添加などにより滅菌した水を用いると、インク組
成物を長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防
止することができるので好適である。
【0052】本発明の第一のインクには、さらに浸透促
進剤を含むことも可能である。
【0053】浸透促進剤は、上述の水溶性の浸透性有機
溶剤を用いることができる。
【0054】第一のインクに対する浸透性有機溶剤の添
加量は、数秒以上の長い乾燥時間のインク、いわるゆ緩
浸透インクとする場合は、0〜4%の範囲で添加するこ
とができる。乾燥時間が1秒未満のインク、いわゆる超
浸透インクでは5〜15%の範囲で添加することができ
る。また、超浸透インクの場合は、浸透性有機溶剤が着
色剤の対イオンと共同でインク中の水溶性多糖類をゲル
化させないために、着色剤の対イオンをアンモニウムあ
るいはリチウムカチオン、あるいは2−アミノエタノー
ル、2−(ジメチルアミノ)エタノール、2−(ジエチ
ルアミノ)エタノール、ジエタノールアミン、N−ブチ
ルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノ
メチルプロパノール、またはトリイソプロパノールアミ
ン等のモノ−、ジ−あるいはトリ−低級ヒドロキシアル
キルアミン類等の有機アミン類にすることが好ましい。
【0055】インクには、さらに必要に応じてインクジ
ェット記録用水性インクに一般的に用いられている助剤
を添加することもできる。
【0056】必要に応じて加える助剤としては、グアニ
ジン酸塩、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム等の
ヒドロトロピー剤、防カビ剤、EDTA等のキレート
剤、防腐剤、防錆剤等が挙げられる。インクを帯電する
インクジェット記録方式に使用する場合は、塩化リチウ
ム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム等の無機塩類か
ら選ばれる比抵抗調製剤を添加する。
【0057】
【実施例】
<顔料分散液の調整> (イエロー顔料分散液)着色剤としてダイニチファスト
イエローGR(商品名、大日精化工業株式会社、C.
I.ピグメントイエロー2)20gと分散剤としてジョ
ンクリル682(商品名、ジョンソンポリマー株式会
社、スチレン−アクリル酸樹脂)5g、水酸化リチウム
1.5g、超純水73.5gを混合して、コロイドミル
にて4時間分散して、イエロー顔料分散液を調整した。
【0058】(マゼンタ顔料分散液)着色剤としてピン
ク6G(商品名、野間化学工業株式会社、C.I.ピグ
メントレッド81)20gと分散剤としてジョンクリル
682(商品名、ジョンソンポリマー株式会社、スチレ
ン−アクリル酸樹脂)5g、水酸化リチウム1.5g、
超純水73.5gを混合して、コロイドミルにて4時間
分散して、マゼンタ顔料分散液を調整した。
【0059】(シアン顔料分散液)着色剤としてダイニ
チシアニンブルーB(商品名、大日精化工業株式会社、
C.I.ピグメントブルー15)20gと分散剤として
ジョンクリル682(商品名、ジョンソンポリマー株式
会社、スチレン−アクリル酸樹脂)5g、水酸化リチウ
ム1.5g、超純水73.5gを混合して、コロイドミ
ルにて4時間分散して、シアン顔料分散液を調整した。
【0060】<評価方法> (単色印字品質)インクジェット記録方式のプリンター
としてMJ−930C(商品名、セイコーエプソン株式
会社製)にインクを充填して、中性普通紙としてゼロッ
クス−P、ゼロックス−4024(いずれも商品名、富
士ゼロックス株式会社製)、酸性普通紙としてEPP
(商品名、セイコーエプソン株式会社製)、再生紙とし
てゼロックス−R(商品名、富士ゼロックス株式会社
製)、やまゆり(商品名、本州製紙株式会社製)に印刷
を行った。10ポイントの文字をスーパーファインモー
ドで印刷して、その滲みの度合いから印字品質レベルを
判定した。
【0061】判断基準は、表1に示す通りである。
【0062】
【表1】
【0063】(混色ブリード)インクジェット記録方式
のプリンターとしてMJ−930C(商品名、セイコー
エプソン株式会社製)にインクを充填して、普通紙とし
てゼロックス−P、ゼロックス−4024(いずれも商
品名、富士ゼロックス株式会社製)、再生紙としてゼロ
ックス−R(商品名、富士ゼロックス株式会社製)、や
まゆり(商品名、本州製紙株式会社製)に印刷を行っ
た。カラーのベタ印刷上に黒インクの文字をスーパーフ
ァインモードで印刷して、黒インクの滲みの度合いから
印字品質レベルを判定した。判断基準は、表1に示す通
りである。
【0064】<インクセットの調製> (実施例1) 第一のインクの調整 超純水50gにカルボキシル基を有する水溶性多糖類と
してペクチン酸のPolygalacturon ac
id,Potassium salt(Sigma C
hemical社、カタログ番号P7276)0.3g
とペクチン酸の溶解を促進する為にアミノメチルプロパ
ノール2gを混合して、攪拌しながら溶解した。続い
て、保湿剤としてグリセリン10gとジエチレングリコ
ール5gを溶解して、さらに着色剤としてカーボンブラ
ック分散液#0542(商品名、御国色素製、着色剤濃
度20wt%)25gを加えて攪拌しながら分散した。
さらに超純水を全量が100gになるまで加え、水酸化
リチウムにより分散液のpHを9に調整した。この溶液
を2時間攪拌した後、孔径約5μmのステンレス製メッ
シュフィルターにて濾過して第一のインクを調製した。
【0065】第二のインクの調整 着色剤としてプロジェトイエロー1G(商品名、ゼネカ
株式会社製、C.I.ダイレクトイエロー132、着色
剤濃度7.5wt%)40gに保湿剤としてグリセリン
10gとジエチレングリコール10g、および浸透剤と
してトリエチレングリコールモノブチルエーテル10g
を加えて攪拌しながら溶解した。1価カチオンとして無
水硫酸ナトリウム2gと超純水を全量が100gになる
まで加え、さらに水酸化ナトリウムにより水溶液のpH
を9.5に調整した。この溶液を2時間攪拌した後、孔
径約5μmのステンレス製メッシュフィルターにて濾過
して第二のインクを調製した。
【0066】(実施例2)実施例1に対して第二のイン
クの着色剤をニッポンファストレッドBB(商品名、住
友化学工業株式会社製、C.I.ダイレクトレッド3
1)3.5gに変更する以外は同様な方法でインクを調
製した。
【0067】(実施例3)実施例1に対して第二のイン
クの着色剤をカヤラスターコイズブルーGL(商品名、
日本化薬株式会社製、C.I.ダイレクトブルー86)
3.5gに変更する以外は同様な方法でインクを調製し
た。
【0068】(実施例4) 第一のインクの調整 超純水50gにカルボキシル基を有する水溶性多糖類と
してペクチン酸のPolygalacturon ac
id(Sigma Chemical社、カタログ番号
P3889)0.6gを加え、アンモニア水によりpH
を9に調整しながら、攪拌・溶解した。続いて、保湿剤
としてグリセリン10gと2−ピロリドン10gを溶解
して、さらに着色剤としてダイレクトファストブラック
AB(商品名、住友化学工業株式会社製、C.I.ダイ
レクトブラック32)2gを加えて、攪拌しながら溶解
した。さらに超純水を全量が100gになるまで加え、
アンモニア水により分散液のpHを9に調整した。この
溶液を2時間攪拌した後、孔径約5μmのステンレス製
メッシュフィルターにて濾過して第一のインクを調製し
た。
【0069】第二のインクの調整 超純水50gに保湿剤としてグリセリン15g、浸透剤
としてトリエチレングリコールモノブチルエーテル3g
とtert−ペンタノール2g、1価カチオンとして塩
化ナトリウム1.5gを加えて、攪拌しながら水溶液を
調整した。前記水溶液に着色剤としてダイニチファスト
イエローGR(商品名、大日精化工業株式会社、C.
I.ピグメントイエロー2)を含むイエロー顔料分散液
25gを2時間かけて攪拌しながら徐々に加えて、さら
に超純水を全量が100gになるまで加え、水酸化ナト
リウムにより分散液のpHを9.5に調整した。この溶
液を2時間攪拌した後、孔径約5μmのステンレス製メ
ッシュフィルターにて濾過して第二のインクを調製し
た。
【0070】実施例1から4のインクセットについて、
インクジェット記録方式のプリンターとしてMJ−93
0C(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用いて
印刷して、第一のインクの単色印字品質と第一のインク
と第二のインク間の混色ブリードのレベルを判定した。
結果は、いずれも特に良好から限度内であった。
【0071】(実施例5)実施例1に対して第一のイン
クのカルボキシル基を有する水溶性多糖類をアルギン酸
としてダックアルギンNSPLL(商品名、紀文フード
ケミファ(株)製)0.3g、着色剤をカーボンブラッ
ク表面に官能基を付与する処理を行って分散したマイク
ロジェットC−type CW2(商品名、オリエント
化学工業株式会社製)3gに変更する以外は同様な方法
でインクを調製した。
【0072】(実施例6)実施例1に対して第一のイン
クのカルボキシル基を有する水溶性多糖類を低メトキシ
ペクチンとしてLM−104AS(商品名、The C
openhagen Pectin Factory社
製)0.2g、着色剤をマイクロジェットC−type
CW2(商品名、オリエント化学工業株式会社製)3
gに変更する以外は同様な方法でインクを調製した。
【0073】(実施例7)実施例1に対して第一のイン
クのペクチン酸添加量を0.1g、着色剤をマイクロジ
ェットC−type CW2(商品名、オリエント化学
工業株式会社製)3gに変更する以外は同様な方法でイ
ンクを調製した。
【0074】実施例5から7のインクセットについて、
インクジェット記録方式のプリンターとしてMJ−93
0C(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用いて
印刷して、第一のインクの単色印字品質と第一のインク
と第二のインク間の混色ブリードのレベルを判定した。
結果は、いずれも特に良好から良好であり、カルボキシ
ル基を有する水溶性多糖類が、アルギン酸類あるいはペ
クチン類であれば、いずれも本発明のインクの要件に好
ましいインクセットを調製できた。結果を表2にまとめ
て示す。
【0075】(実施例8) 第一のインクの調整 超純水50gにカルボキシル基を有する水溶性多糖類と
してペクチン酸のPolygalacturon ac
id(Sigma Chemical社、カタログ番号
P3889)0.7gを加え、アンモニア水によりpH
を9に調整しながら、攪拌・溶解した。続いて、保湿剤
としてグリセリン10gと2−ピロリドン10gを溶解
して、さらに着色剤としてダイレクトファストブラック
AB(商品名、住友化学工業株式会社製、C.I.ダイ
レクトブラック32)2gを加えて、攪拌しながら溶解
した。さらに超純水を全量が100gになるまで加え、
アンモニア水により水溶液のpHを9に調整した。この
溶液を2時間攪拌した後、孔径約5μmのステンレス製
メッシュフィルターにて濾過して第一のインクを調製し
た。
【0076】第二のインクの調整 超純水50gに着色剤としてカヤラスターコイズブルー
GL(商品名、日本化薬株式会社、C.I.ダイレクト
ブルー86)3.5gを加えて、攪拌しながら溶解し
た。さらに、保湿剤としてグリセリン10gとジエチレ
ングリコール10g、および浸透剤としてトリエチレン
グリコールモノブチルエーテル10gを加えて攪拌しな
がら溶解した。1価カチオンとして塩化ナトリウム5g
と超純水を全量が100gになるまで加え、さらに水酸
化ナトリウムにより水溶液のpHを9.5に調整した。
この溶液を2時間攪拌した後、孔径約5μmのステンレ
ス製メッシュフィルターにて濾過して第二のインクを調
製した。
【0077】(実施例9)実施例8に対して第一のイン
クの着色剤をニグロシンNB(商品名、住友化学工業株
式会社製、C.I.アシッドブラック2)2gに、第二
のインクの着色剤をニッポンファストレッドBB(商品
名、住友化学工業株式会社製、C.I.ダイレクトレッ
ド31)3.5gとする以外は同様な方法でインクを調
製した。
【0078】実施例8と9のインクセットについて、イ
ンクジェット記録方式のプリンターとしてMJ−930
C(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用いて印
刷して、第一のインクの単色印字品質と第一のインクと
第二のインク間の混色ブリードのレベルを判定した。結
果は、いずれも良好から限度内であり、第一のインクあ
るいは第二のインクの着色剤が染料であっても本発明の
インクの要件に好ましいインクセットを調製できた。結
果を表2にまとめて示す。
【0079】(実施例10) 第一のインクの調整 実施例5の第一のインクと同様に調製した。
【0080】第二のインクの調整 超純水50gに保湿剤としてグリセリン15g、浸透剤
としてトリエチレングリコールモノブチルエーテル3g
とtert−ペンタノール2g、1価カチオンとして塩
化ナトリウム1.5gを加えて、攪拌しながら水溶液を
調整した。前記水溶液に着色剤としてピンク6G(商品
名、野間化学工業株式会社、C.I.ピグメントレッド
81)を含むマゼンタ顔料分散液25gを2時間かけて
攪拌しながら徐々に加えて、さらに超純水を全量が10
0gになるまで加え、水酸化ナトリウムにより分散液の
pHを9.5に調整した。この溶液を2時間攪拌した
後、孔径約5μmのステンレス製メッシュフィルターに
て濾過して第二のインクを調製した。
【0081】(実施例11)実施例10に対して、第二
のインクの着色剤にダイニチシアニンブルーB(商品
名、大日精化工業株式会社、C.I.ピグメントブルー
15)を含むシアン顔料分散液を用いる以外は同様な方
法でインクを調製した。
【0082】実施例10と11のインクセットについ
て、インクジェット記録方式のプリンターとしてMJ−
930C(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用
いて印刷して、第一のインクの単色印字品質と第一のイ
ンクと第二のインク間の混色ブリードのレベルを判定し
た。結果は、いずれも特に良好であり、第一のインクあ
るいは第二のインクの着色剤が顔料であっても本発明の
インクの要件に好ましいインクセットを調製できた。結
果を表2にまとめて示す。
【0083】(実施例12) 第一のインクの調整 実施例1に対して、保湿剤をグリセリン10gとジエチ
レングリコール5gからグリセリン15gに変更する以
外は同様な方法でインクを調製した。
【0084】第二のインクの調整 実施例1に対して、保湿剤をグリセリン10gとジエチ
レングリコール10gからグリセリン20gに変更する
以外は同様な方法でインクを調製した。
【0085】(実施例13)実施例12に対して、保湿
剤をグリセリン10gと尿素10gに変更する以外は同
様な方法でインクを調製した。
【0086】(実施例14)実施例12に対して、保湿
剤をグリセリン10gとマルチトール5g、マルトース
gに変更する以外は同様な方法でインクを調製した。
【0087】実施例12と14のインクセットについ
て、インクジェット記録方式のプリンターとしてMJ−
930C(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用
いて印刷して、第一のインクの単色印字品質と第一のイ
ンクと第二のインク間の混色ブリードのレベルを判定し
た。結果は、いずれも特に良好から限度内であり、保湿
剤が蒸気圧が純水よりも小さい水溶性有機溶剤、尿素誘
導体、糖類から選ぶことにより本発明のインクの要件に
好ましいインクセットを調製できた。結果を表2にまと
めて示す。
【0088】(実施例15) 第一のインクの調整 実施例5の第一のインクと同様に調製した。
【0089】第二のインクの調整 着色剤としてプロジェトイエロー1G(商品名、ゼネカ
株式会社製、C.I.ダイレクトイエロー132、着色
剤濃度7.5wt%)40gに保湿剤としてグリセリン
10gとジエチレングリコール10g、および浸透剤と
してtert−ペンタノール5gを加えて攪拌しながら
溶解した。1価カチオンとして塩化ナトリウム2.5g
と超純水を全量が100gになるまで加え、さらに水酸
化ナトリウムにより水溶液のpHを9.5に調整した。
この溶液を2時間攪拌した後、孔径約5μmのステンレ
ス製メッシュフィルターにて濾過して第二のインクを調
製した。
【0090】(実施例16)実施例15に対して、浸透
剤を1,5−ペンタンジオール15gに変更する以外は
同様な方法でインクを調製した。
【0091】実施例15と16のインクセットについ
て、インクジェット記録方式のプリンターとしてMJ−
930C(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用
いて印刷して、第一のインクの単色印字品質と第一のイ
ンクと第二のインク間の混色ブリードのレベルを判定し
た。結果は、いずれも特に良好から良好であり、浸透剤
が低級モノおよびポリオール類、モノおよびポリグリコ
ールエーテル類のいずれかであれば本発明のインクの要
件に好ましいインクセットを調製できた。結果を表2に
まとめて示す。
【0092】(実施例17) 第一のインクの調整 実施例5の第一のインクと同様に調製した。
【0093】第二のインクの調整 実施例1に対して、浸透剤のトリエチレングリコールモ
ノブチルエーテル10gを5gに減らし、さらにノニオ
ン性界面活性剤としてサーフィノール465(商品名、
エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社製)0.8g
を加える以外は同様な方法でインクを調製した。
【0094】(実施例18)実施例17に対して、ノニ
オン性界面活性剤としてニッサンノニオンNS−212
(商品名、日本油脂株式会社製)1%に変更する以外は
同様な方法でインクを調製した。
【0095】実施例17と18のインクセットについ
て、インクジェット記録方式のプリンターとしてMJ−
930C(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用
いて印刷して、第一のインクの単色印字品質と第一のイ
ンクと第二のインク間の混色ブリードのレベルを判定し
た。結果は、いずれも特に良好から良好であり、第二の
インクにさらにノニオン性界面活性剤を添加しても本発
明のインクの要件に好ましいインクセットを調製でき
た。結果を表2にまとめて示す。
【0096】(実施例19)着色剤としてダイレクトフ
ァストブラックD(商品名、日本化薬株式会社製、C.
I.ダイレクトブラック17)10%水溶液を調製し
て、塩酸を滴下して染料を沈殿させた。沈殿した染料を
遠心分離して、水酸化リチウム1%溶液100gに溶解
した。この溶液に塩酸を加えて染料を沈殿させる工程
と、水酸化リチウム水溶液に溶解する工程を3回繰り返
して対イオンをリチウム化したC.I.ダイレクトブラ
ック17を得た。
【0097】第一のインクの調整 超純水30gにカルボキシル基を有する水溶性多糖類と
してペクチン酸のPolygalacturon ac
id(Sigma Chemical社、カタログ番号
P3889)0.7gを加え、ペクチン酸の溶解を促進
する為に水酸化リチウム0.05gを混合して、攪拌し
ながら溶解した。続いて、保湿剤としてグリセリン10
gと浸透剤としてtert−ペンタノール6gを加えて
樹脂水溶液を調製した。超純水40gにリチウム化した
C.I.ダイレクトブラック17を6g加え、攪拌しな
がら溶解して染料水溶液を作成した。樹脂水溶液に染料
水溶液を30分かけて徐々に加え、攪拌しながら溶解し
た。さらに超純水を全量が100gになるまで加え、水
酸化リチウムにより分散液のpHを9.5に調整した。
この溶液を2時間攪拌した後、孔径約5μmのステンレ
ス製メッシュフィルターにて濾過して第一のインクを調
製した。
【0098】第二のインクの調整 実施例1の第二のインクと同様に調製した。
【0099】(実施例20) 第一のインクの調整 超純水30gにカルボキシル基を有する水溶性多糖類と
してペクチン酸のPolygalacturon ac
id(Sigma Chemical社、カタログ番号
P3889)0.7gを加え、ペクチン酸の溶解を促進
する為に水酸化リチウム0.05gを混合して、攪拌し
ながら溶解した。続いて、保湿剤としてグリセリン10
gと浸透剤としてtert−ペンタノール6gを加えて
樹脂水溶液を調製した。超純水40gに着色剤としてカ
ーボンブラックのマイクロジェットC−type CW
2(商品名、オリエント化学工業株式会社製)6gと水
酸化リチウム0.05gを加えて、攪拌しながら顔料分
散液を調製した。樹脂水溶液に顔料分散液を2時間かけ
て徐々に加え、攪拌しながら分散した。さらに超純水を
全量が100gになるまで加え、水酸化リチウムにより
分散液のpHを9.5に調整した。この溶液を2時間攪
拌した後、孔径約5μmのステンレス製メッシュフィル
ターにて濾過して第一のインクを調製した。
【0100】第二のインクの調整 実施例1の第二のインクと同様に調製した。
【0101】実施例19と20のインクセットについ
て、インクジェット記録方式のプリンターとしてMJ−
930C(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用
いて印刷して、第一のインクの単色印字品質と第一のイ
ンクと第二のインク間の混色ブリードのレベルを判定し
た。結果は、いずれも特に良好から良好であり、第一の
インクにさらに浸透剤を添加して、いわゆる超浸透イン
クとしても本発明のインクの要件に好ましいインクセッ
トを調製できた。結果を表2にまとめて示す。
【0102】<比較例> (比較例1)実施例1の第二のインクの無水硫酸ナトリ
ウムを硝酸マグネシウム六水和物に変更する以外は同様
な方法で調製した。
【0103】(比較例2)実施例4の第二のインクの塩
化ナトリウムを硝酸マグネシウム六水和物に変更する以
外は同様な方法で調製した。
【0104】比較例1と2のインクは、1価カチオンの
代わり多価カチオンを添加したものである。いずれのイ
ンク共に、硝酸マグネシウムを添加した段階で着色剤と
推定される析出物が発生して、インクを作成する事がで
きなかった。
【0105】上記実施例及び比較例の結果を表2にまと
めて示す。
【0106】
【表2】
【0107】
【発明の効果】以上述べた様に本発明によれば、複数色
のインク液滴を記録媒体に付着して画像を形成するイン
クジェット記録方法において、カルボキシル基を有する
水溶性多糖類、インク中に溶解あるいは分散する着色
剤、保湿剤、水とを少なくとも含んでなる第一のインク
と、水溶性の浸透性有機溶剤、1価カチオンを含む水溶
性塩類、インク中に溶解あるいは分散する着色剤、保湿
剤、水とを少なくとも含んでなる第二のインクを少なく
とも含むインクセットを用いることにより、混色ブリー
ドを防止する為のインクに多くの種類の着色剤を使用す
ることが可能となり、単色の印字品質と混色ブリードの
品質を両立して向上したインクジェット記録方法と提供
することが可能となった。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数色のインク液滴を記録媒体に付着し
    て画像を形成するインクジェット記録方法において、カ
    ルボキシル基を有する水溶性多糖類、インク中に溶解あ
    るいは分散する着色剤、保湿剤、水とを少なくとも含ん
    でなる第一のインクと、水溶性の浸透性有機溶剤、1価
    カチオンを含む水溶性塩類、インク中に溶解あるいは分
    散する着色剤、保湿剤、水とを少なくとも含んでなる第
    二のインクを少なくとも含むインクセットを用いること
    を特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 【請求項2】 前記水溶性多糖類が、アルギン酸類ある
    いはペクチン類から選ばれることを特徴とする請求項1
    に記載のインクジェット記録方法。
  3. 【請求項3】 前記着色剤がアルカリ可溶性の水溶性染
    料から選ばれることを特徴とする請求項1〜2のいずれ
    か1項に記載のインクジェット記録方法。
  4. 【請求項4】 前記着色剤がアルカリ性で分散した顔料
    から選ばれることを特徴とする請求項1〜2いずれか1
    項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 【請求項5】 前記保湿剤が、蒸気圧が純水よりも小さ
    い水溶性有機溶剤および、または尿素誘導体、糖類から
    選ばれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項
    に記載のインクジェット記録方法。
  6. 【請求項6】 前記浸透性有機溶剤が、低級モノおよび
    ポリオール類、モノおよびポリグリコールエーテル類の
    いずれから選ばれる化合物を含むことを特徴とする請求
    項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方
    法。
  7. 【請求項7】 前記第二のインクに、更にノニオン性界
    面活性剤を添加することを特徴とする請求項1〜6いず
    れか1項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 【請求項8】 前記第一のインクに、さらに浸透促進剤
    を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載
    のインクジェット記録方法。
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JP28413197A Withdrawn JPH11116871A (ja) 1997-10-16 1997-10-16 インクジェット記録方法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001294786A (ja) * 2000-04-14 2001-10-23 Seiko Epson Corp 水溶性インク、およびそれを用いたインクジェット記録装置
JP2003335988A (ja) * 2002-05-22 2003-11-28 Sharp Corp 水性インクとインクジェット用記録液及び記録方法
JP2012017400A (ja) * 2010-07-07 2012-01-26 Sii Printek Inc インクジェット用インク組成物

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