JPH11116625A - プラスチック光学材料 - Google Patents

プラスチック光学材料

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JPH11116625A
JPH11116625A JP28821597A JP28821597A JPH11116625A JP H11116625 A JPH11116625 A JP H11116625A JP 28821597 A JP28821597 A JP 28821597A JP 28821597 A JP28821597 A JP 28821597A JP H11116625 A JPH11116625 A JP H11116625A
Authority
JP
Japan
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meth
monomer
optical material
acrylate
atom
Prior art date
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Pending
Application number
JP28821597A
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English (en)
Inventor
Takanori Fujita
隆範 藤田
Hideji Ichikawa
秀二 市川
Masaru Matsushima
勝 松島
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NOF Corp
Original Assignee
NOF Corp
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Publication date
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 無色透明性、耐衝撃性、耐熱性、耐溶剤性な
どの物性を維持しつつ、屈折率に優れたプラスチック光
学材料を提供する。 【解決手段】 プラスチック光学材料は、下記一般式
(1) 【化1】 (但し、式中R1は水素原子又はメチル基であり、R2
炭素数2〜6のアルキレン基である。R3は水素原子、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜6のアル
キル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基である。R4
水素原子又は炭素数1〜6であるアルキル基である。ま
たXは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又は炭素数1〜
4のアルキル基;mは0、1又は2の整数である。)で
表される(メタ)アクリル系単量体を単独重合又は、他
の重合可能な単量体を併用して共重合することによって
形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、眼鏡用プラスチ
ックレンズなどとして好適に使用される耐衝撃性に優
れ、且つ屈折率にも優れたプラスチック光学材料に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、眼鏡レンズの分野においては、無
機ガラスに代わって有機ガラスが広く用いられている。
有機ガラスが用いられる理由は、有機ガラスが耐衝撃
性、軽量性、成形性および染色性に優れているからであ
る。
【0003】このような有機ガラスとしては、ポリメチ
ルメタクリレ−ト、ポリジエチレングリコ−ルビスアリ
ルカ−ボネ−ト、ポリスチレン、ポリカ−ボネ−トなど
が使用されている。
【0004】また、最近では特公平6−93041号公
報に下記一般式(2)
【0005】
【化2】 (但し、R5は水素原子又はメチル基;R6は炭素数2〜
6のアルキレン基)で示されるビスフェノ−ルAのアク
リル酸誘導体のモノマ−を用いた光学用樹脂が開示され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ポリメチル
メタクリレ−トは、アッベ数が58と大きく優れている
ものの、屈折率が1.49程度と低く強度の近視のため
のレンズを作製する場合、レンズのコバを厚くしなけれ
ばならないという問題がある。
【0007】ポリジエチレングリコ−ルビスアリルカ−
ボネ−トは、耐衝撃性に優れ、さらにアッベ数も58と
大きい。しかし、比重が1.33程度と比較的大きく、
またポリメチルメタクリレ−トと同様に屈折率が1.4
9程度と低いため、強度の近視のためのレンズを作製す
る場合、レンズのコバを厚くしなければならない。
【0008】また、ポリスチレンは屈折率が1.59と
高く、比重が1.05と小さく優れているが、耐熱性、
耐候性およびハ−ドコ−ト皮膜の密着性に劣っているう
えにアッベ数も31と小さい。
【0009】また、特公平6−93041号公報のビス
フェノ−ルAのアクリル酸誘導体のモノマ−を重合して
なる成形物では、カ−ボネ−ト基が導入されていること
で耐衝撃性が改善されているが、屈折率は1.55であ
るために十分とは云えない。
【0010】本発明は、前記の従来技術の問題に着目し
てなされたものである。その目的とするところは、耐熱
性および耐衝撃性などの物性を維持しつつ、高い屈折率
を有するプラスチック光学材料を提供することにある。
【0011】アッベ数とは分散の程度を表す指数であ
る。分散とは可視光線領域における屈折率の分布状態で
あり、分散が小さいとは領域内での屈折率の差が小さい
ことであり、色収差が起こりにくいことを意味する。通
常この分散の大きさはその逆数とも云えるアッベ数を用
いて表現される。すなわち、分散が大きいときはそのア
ッベ数は小さい値を示し、逆に分散が小さいときはその
アッベ数は大きくなりレンズとして優れている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(1)
【0013】
【化3】 (但し、式中R1は水素原子又はメチル基であり、R2
炭素数2〜6のアルキレン基である。R3は水素原子、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜6のアル
キル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基である。R4
水素原子又は炭素数1〜6であるアルキル基である。ま
たXは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又は炭素数1〜
4のアルキル基;mは0、1又は2の整数である。)で
表される(メタ)アクリル系単量体の単独重合体又は該
単量体を必須成分とする共重合体からなるプラスチック
光学材料である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明を具体化した実施
形態について詳細に説明する。新規なプラスチック光学
材料は前記一般式(1)で表される(メタ)アクリル系
単量体の単独重合体又は該単量体を必須成分とする共重
合体からなるものである。そして単独重合体又は該単量
体を必須成分とする共重合体の原料となる前記一般式
(1)で表される(メタ)アクリル系単量体において、
1は水素原子又はメチル基、R2は炭素数2〜6、好ま
しくは炭素数2〜4のアルキレン基である。 R3は水
素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、好ましくは
水素原子、塩素原子、臭素原子であり、又は炭素数1〜
6、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数
1〜6、好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基であ
る。R4は水素原子又は炭素数1〜6、好ましくは炭素
数1〜3のアルキル基である。 Xは塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子、、好ましくは塩素原子、臭素原子であ
り、又は炭素数1〜4のアルキル基である。mは0、1
又は2の整数である。これらの官能基は適宜選択、組合
わされることによって種々の化合物を例示しうる。それ
らの代表的な化合物を下記に例示すると
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】
【化7】
【0019】
【化8】
【0020】等が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。この前記一般式(1)で表される(メタ)
アクリル系単量体の合成方法は、例えば(メタ)アクリ
レ−トのクロルギ酸エステル体とジフェノ−ル体とを塩
基存在下で有機溶媒中にて反応させることによって合成
される。また別法としてジフェノ−ルのクロルギ酸エス
テル体と(メタ)アクリレ−トのアルコ−ル体とを塩基
存在下で有機溶媒中にて反応させることによっても合成
される。
【0021】本発明のプラスチック光学材料は、前記一
般式(1)で表される(メタ)アクリル系単量体を単独
重合又は、他の重合可能な単量体を併用して共重合する
ことによって得られる。
【0022】本発明において、前記一般式(1)で表さ
れる(メタ)アクリル系単量体と併用できる他の重合可
能な単量体としては、公知の重合性モノマ−例えば、ビ
ニル芳香族単量体としてはスチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、エチルスチレン、p−クロロスチ
レン、o−クロロスチレン、クロロメチルスチレン、p
−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、ジビニルベン
ゼン、ジビニルビフェニル、ビニルフェノ−ル、ビニル
ナフタレン、ビニルカルバゾ−ル、ビニルピリジン、ビ
ニルチオフェン、ビニルフラン等を使用することができ
る。
【0023】更に、他の単量体の例としては、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、(メタ)ア
クリル酸、メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メ
タ)アクリレ−ト、イソプロピル(メタ)アクリレ−
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、グリシ
ジル(メタ)アクリレ−ト、テトラヒドロフリル(メ
タ)アクリレ−ト、メチルトリグリコ−ル(メタ)アク
リレ−ト、n−ブトキシエチル(メタ)アクリレ−ト、
メトキシジエチレングリコ−ル(メタ)アクリレ−ト、
メトキシテトラエチレングリコ−ル(メタ)アクリレ−
ト、フェノキシエチル(メタ)アクリレ−ト、フェノキ
シプロピル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレ−ト、アリル(メタ)アクリレ−ト、フェ
ニル(メタ)アクリレ−ト、ベンジル(メタ)アクリレ
−ト、p−クロルフェニル(メタ)アクリレ−ト、p−
クロルベンジル(メタ)アクリレ−ト、p−ブロモフェ
ニル(メタ)アクリレ−ト、p−ブロモベンジル(メ
タ)アクリレ−ト、ナフチル(メタ)アクリレ−ト、
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)ア
クリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、2−ヒドロ
キシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、
エチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、1,6−
ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、1,3−ブ
チレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ジエチレン
グリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ポリエチレングリ
コ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、プロピレングリコ−ル
ジ(メタ)アクリレ−ト、ジプロピレングリコ−ルジ
(メタ)アクリレ−ト、ポリプロピレングリコ−ルジ
(メタ)アクリレ−ト、グリセリンジ(メタ)アクリレ
−ト、3−アクリロイルグリセリンモノメタクリレ−
ト、トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレ−
ト、ペンタエリスリト−ルテトラ(メタ)アクリレ−
ト、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフ
ェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(2−(メタ)
アクリロイルオキシ)エトキシフェニル]プロパン、
2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシジエト
キシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)
アクリロイルオキシトリエトキシフェニル]プロパン、
2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシテトラ
エトキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メ
タ)アクリロイルオキシヘキサエトキシフェニル]プロ
パン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシ
プロピルオキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4
−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル]
プロパン、2,2−ビス[4−(3−(メタ)アクリロ
イルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニ
ル]プロパン、ビスフェノ−ルS−ジ(メタ)アクリレ
−ト、ビスフェノ−ルケトンジ(メタ)アクリレ−ト、
ビスフェノ−ルスルフィドジ(メタ)アクリレ−ト、ビ
スフェノ−ルA−ジグリシジル(メタ)アクリレ−ト、
ジエチレングリコ−ルビスアリルカ−ボネ−ト、ジイソ
プロピルフマレ−ト、ジイソプロピルマレ−ト、ジアリ
ルフマレ−ト、ジアリルマレ−ト、ジベンジルフマレ−
ト、ジベンジルマレ−ト、ジベンジルメサコネ−ト、無
水マレイン酸、無水イタコン酸、フタル酸ジアリル、イ
ソフタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、シアヌル
酸アリル、イソシアヌル酸アリル、ナフタレンジカルボ
ン酸ジアリル、アリルメタクリレ−ト等があげられる。
これらの単量体は、単独又は混合物として使用される。
前記単量体の中では、(メタ)アクリロイル基を有する
単量体は、アッベ数を向上させるのに有効である。ま
た、スチリル基を有する単量体は、屈折率を向上させる
のに有効である。
【0024】共重合体において、本発明の一般式(1)
で表される(メタ)アクリル系単量体と上記各種単量体
との組成比は、所望の光学材料に要求される光学特性、
機械的特性及び製造の際要求される重合条件等により異
なるため一律には限定できないが、前記の一般式(1)
で表される(メタ)アクリル系単量体が10重量%以
上、好ましくは20重量%以上となるようにするのが望
ましい。かかる量より少ない場合、得られる共重合体
は、アッベ数、耐衝撃性および屈折率の向上効果は得ら
れない。
【0025】次に、所定形状の光学材料成形物を調製す
るためには、例えば加熱硬化法と活性エネルギ−線硬化
法がある。加熱硬化法は、前述の単量体と重合開始剤を
混合して単量体混合物を調製し、これを所望とする金型
内に流し込んで加熱硬化させる方法により行われる。
【0026】その際用いられる重合開始剤としては、1
0時間半減期温度が通常30〜120℃、好ましくは4
0〜100℃のアゾ系重合開始剤又は有機過酸化物が使
用される。この重合開始剤は1種又は2種以上が用いら
れる。この重合開始剤のうちアゾ系重合開始剤として
は、例えば2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリ
ル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カル
ボニトリル)、ジメチル 2,2’−アゾビス(イソブ
チレ−ト)等が好ましい。
【0027】また有機過酸化物としては、過酸化ベンゾ
イル、ジイソプロピルパ−オキシジカ−ボネ−ト、ジ−
n−プロピルパ−オキシジカ−ボネ−ト、ビス(4−t
−ブチルシクロヘキシル)パ−オキシジカ−ボネ−ト、
t−ブチルパ−オキシイソプロピルカ−ボネ−ト、t−
ブチルパ−オキシベンゾエ−ト、t−ブチルパ−オキシ
−2−エチルヘキサノエ−ト、t−ブチルパ−オキシネ
オデカノエ−ト、ジ−t−ブチルパ−オキサイド、1,
1’−ビス(t−ブチル パ−オキシ)3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン等が好ましい。
【0028】この重合開始剤の使用量は、単量体組成物
中0.05〜5重量%が好適で、0.1〜4重量%がさ
らに好適である。この使用量が0.05重量%未満の場
合は単量体の硬化が不十分で、得られる成形物の物性が
低下し、5重量%を越える場合は硬化反応の制御が困難
となり、成形物表面にクラックが生じ易くなるので好ま
しくない。
【0029】また、硬化反応時には、酸素による硬化速
度の低下や成形物の着色を防ぐため、不活性ガスたとえ
ば窒素、ヘリウム、二酸化炭素等で置換もしくはその雰
囲気下で行うことが望ましい。硬化温度および硬化時間
は、使用する硬化剤(重合開始剤)により異なるが、2
0〜130℃の範囲で5〜48時間とするのが好まし
い。硬化時間の短縮、硬化反応の完結および未反応の硬
化剤の分解処理を目的として適時昇温することができ
る。例えば、使用する硬化剤の10時間半減期温度より
約30℃低い温度から徐々に昇温し、最終的には使用す
る硬化剤の10時間半減期温度より約30℃高い温度で
硬化を完結させる。
【0030】このような加熱硬化により得られる成形物
には内部歪みが存在するので、好ましくは100〜14
0℃、さらに好ましくは110〜130℃で加熱し、3
0分以上6時間未満、好ましくは1〜4時間アニ−リン
グ処理を行うのが良い。また単量体組成物の粘度が低い
場合、あるいは硬化収縮の大きい場合には予め予備重合
を行った後に所望の金型内に仕込んで硬化させることが
できる。
【0031】一方、活性エネルギ−線硬化法は、単量体
と増感剤を型内に仕込み、紫外線や電子線などの活性エ
ネルギ−線を照射して硬化させる方法により行われる。
増感剤としては、例えばベンゾフェノン、4−フェニル
ベンゾフェノン、4−フェノキシベンゾフェノン、2,
2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジ
メチルケタ−ル等があげられる。これらは単独又は混合
物として用いられる。
【0032】増感剤の使用量は、単量体組成物中0.0
1〜1重量%が好ましく、0.02〜0.5重量%がさ
らに好ましい。使用量が0.01重量%未満の場合には
単量体の重合が不十分となり、得られる成形物の物性が
低下する。1重量%を越える場合は重合反応の制御が困
難となり、成形物に着色や表面クラックが生じ易くなる
ので好ましくない。
【0033】硬化反応時には、酸素による硬化速度の低
下や成形物の着色を防ぐため、不活性ガスたとえば窒
素、ヘリウム、二酸化炭素等で置換もしくはその雰囲気
下で行うことが望ましい。活性エネルギ−線としては、
波長200〜600nm程度の範囲のものが好ましい。
また、その線源としてはケミカルランプ、キセノンラン
プ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、金属ハロゲンランプ等が
あげられる。さらに硬化成形物の内部歪みを除去するた
めに加熱硬化法と同様のアニ−リング処理を施すのが好
ましい。
【0034】この発明では、加熱硬化法と活性エネルギ
−線硬化法を併用することができる。すなわち単量体に
重合開始剤および増感剤を混合し、重合開始剤による加
熱予備重合を行った後、所望の型内に仕込み活性エネル
ギ−線による重合を行う。逆に活性エネルギ−線による
重合を行った後に、加熱重合によって重合を完結するこ
とができる。
【0035】この発明においては、単量体組成物に必要
に応じて染料、顔料等の着色剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、各種安定剤、帯電防止剤、フォトクロミック化合
物、蛍光増白剤、内部離型剤、重合度調製剤等を添加す
ることができる。
【0036】この発明においては、光学材料用成形物は
前記単量体を加熱硬化法又は活性エネルギ−線硬化法で
型内で重合すると同時に所定形状に成形することにより
得られる。あるいは、この光学材料用成形物は単量体を
加熱硬化法又は活性エネルギ−線硬化法により予備重合
した後に型内でさらに重合して所定形状に成形すること
により得られる。さらに、光学材料用成形物は単量体を
加熱硬化法又は活性エネルギ−線硬化法により重合して
一定形状の成形物を得、この成形物をレンズ形状に切削
研磨することにより得られる。
【0037】また成形物の表面にハ−ドコ−ト皮膜を設
け、表面の耐磨耗性をさらに向上させることができる。
このハ−ドコ−ト剤の塗布は、硬化終了後の成形物又は
ハ−ドコ−ト皮膜の密着性を向上させるためにプライマ
−液が塗布された成形物に対して行われる。プライマ−
液としては、ポリウレタンやメラミン等の溶液が用いら
れる。塗布方法としては、デッピング法、スピンコ−ト
法、フロ−コ−ト法、スプレ−法等が採用される。
【0038】さらに、成形物表面に反射防止膜を設け、
表面反射を抑制することによって可視光線透過率を高め
ることができる。
【0039】
【実施例】以下に、実施例および比較例を挙げてこの発
明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例
により何ら限定されるものではない。また、以下の説明
で用いる単量体の略記号を下記に示す。MONO−1は
前記式(3)の化合物を示す。MONO−2は前記式
(4)の化合物を示す。MONO−Rは前記一般式
(2)においてR5がメチル基、R6がエチレン基である
化合物を示す。
【0040】ST:スチレン BZ:ベンジルメタクリレ−ト CS:4−クロロスチレン BP:2,2−ビス[4−(2−メタクリロイルオキ
シ)エトキシフェニル]プロパン
【0041】合成例1(MONO−1の合成) 窒素雰囲気下、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−フェニルエタン180g(0.620mo
l)のジクロロメタン2リットル溶液に、トリエチルア
ミン346ml(2.48mol)、2−(クロロカル
ボニルオキシ)エチルメタクリレ−ト245g(1.2
7mol)を加え0℃にて1時間反応させた。反応液に
水1リットルを加えて抽出操作を行い、その有機層を1
%水酸化ナトリウム水溶液、水、0.35%塩酸水溶液
さらに水にて洗浄操作を行った。この有機層を硫酸マグ
ネシウム濾過した後、減圧濃縮することによりMONO
−1を368g(0.611mol)を得た。また次に
記載の各同定分析により前記式(3)に示した化合物
(MONO−1)であることを確認した。
【0042】純度(液体クロマトグラフィ−):98.
6% マススペクトルの分子イオンピ−ク(m/e):602 赤外線吸収スペクトル(cm-1、CHCl3):1763(O
-CO-O-)、1720(C-CO-O-)、1637(CH2=CCH3
-)
【0043】合成例2(MONO−2の合成) 窒素雰囲気下、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−(4−ブロモフェニル)エタン225g
(0.609mol)のジクロロメタン2リットル溶液
に、トリエチルアミン340ml(2.44mol)、
2−(クロロカルボニルオキシ)エチルメタクリレ−ト
241g(1.25mol)を加え0℃にて1時間反応
させた。反応液に水1リットルを加えて抽出操作を行
い、その有機層を1%水酸化ナトリウム水溶液、水、
0.35%塩酸水溶液さらに水にて洗浄操作を行った。
この有機層を硫酸マグネシウム濾過した後、減圧濃縮す
ることによりMONO−2を405g(0.594mo
l)を得た。また次に記載の各同定分析により前記式
(4)に示した化合物(MONO−2)であることを確
認した。
【0044】純度(液体クロマトグラフィ−による):
98.3% マススペクトルの分子イオンピ−ク(m/e):680
(M+)、682(M++2) 赤外線吸収スペクトル(cm-1、CHCl3):1765(O
-CO-O-)、1718(C-CO-O-)、1636(CH2=CCH3
-)
【0045】次に、上記で合成された各々単量体を用い
て重合を行い、所定形状の光学材料用成形物を調製し
た。尚、その諸物性を以下に示す方法により測定し評価
した。 屈折率、アッベ数:アッベ屈折率計(アタゴ(株)社製
2T)を用いて、成形物の屈折率およびアッベ数を測定
した。 耐衝撃性:成形物(直径8cm、厚さ1.8mm)に1
27cmの高さより45gの鋼球を落下して割れなかっ
たものを○、割れたものを×とした。 耐熱性:成形物を130℃の乾燥機中に2時間放置した
後、目視および「フィルム配向ビュア−」(商品名、ユ
ニチカリサ−チラボ社製)にて成形物を観察した。変
形、割れ、表面劣化、着色等の変化が全く認められない
ものを○、いずれかが認められたものを×とした。 耐溶剤性:成形物をアセトン中に2時間放置した後、成
形物に変形、割れ、着色等の変化が認められないものを
○、認められたものを×とした。
【0046】実施例1 MONO−1を20g、t−ブチルパ−オキシ−2−エ
チルヘキサノエ−ト0.2g混合し、直径8cmの二枚
のガラスとシリコ−ン製ガスケットとからなるレンズ注
型鋳型に注入した。それらを恒温槽中で70℃にて12
時間加熱し、さらに100℃にて4時間加熱した。加熱
硬化後、型から硬化した成形物を取り出し、120℃に
て4時間アニ−リング処理を行った。その成形物の屈折
率、アッベ数、耐衝撃性、耐熱性、耐溶剤性の物性を測
定し、その結果を表1に示した。
【0047】実施例2〜8 実施例1において、単量体としてMONO−1の代わり
に、MONO−1に他の単量体を配合したもの、MON
O−2に他の単量体を配合したものを各々用いて、実施
例1と同様にして、熱硬化成形、アニ−リングを行っ
た。その成形物の屈折率、アッベ数、耐衝撃性、耐熱
性、耐溶剤性の物性を測定し、その結果を表1に示し
た。
【0048】
【表1】
【0049】合成例3(MONO−Rの合成) 1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニ
ルエタンの代わりに2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパンを用い、また2−(クロロカルボニルオ
キシ)エチルメタクリレ−トの代わりに2−(クロロカ
ルボニルオキシ)エチルメタクリレ−トを用いる他は合
成例1に準じてMONO−Rを合成した。
【0050】比較例 1〜3 実施例1において、単量体としてMONO−1の代わり
にMONO−R、スチレン、ベンジルメタクリレ−トを
各々用いて、実施例1と同様にして、熱硬化成形、アニ
−リングを行った。その成形物の屈折率、アッベ数、耐
衝撃性、耐熱性、耐溶剤性の物性を測定し、その結果を
表1に示した。
【0051】尚、実施例1〜8、比較例1〜3のいずれ
の成形物においても着色は認められず、無色透明であっ
た。表1から明らかなように、実施例のものは屈折率及
び他の物性を全て満足するが、比較例1は屈折率が1.
55と低く、比較例2及び3は耐衝撃性、耐熱性及び耐
溶剤性等の物性が劣っている。
【0052】
【発明の効果】本発明の(メタ)アクリル系単量体の
(共)重合体から得られる光学材料は、無色透明性、ア
ッベ数、耐衝撃性、耐熱性、耐溶剤性などの物性を維持
しつつ、屈折率が1.57以上という優れた性能を具備
している。屈折率が1.57以上を有しているプラスチ
ック光学材料としては、従来にない特性を有するもので
ある。従って、プラスチック光学材料として、メガネレ
ンズ等を提供することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (但し、式中R1は水素原子又はメチル基であり、R2
    炭素数2〜6のアルキレン基である。R3は水素原子、
    塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜6のアル
    キル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基である。R4
    水素原子又は炭素数1〜6であるアルキル基である。ま
    たXは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又は炭素数1〜
    4のアルキル基;mは0、1又は2の整数である。)で
    表される(メタ)アクリル系単量体の単独重合体又は該
    単量体を必須成分とする共重合体からなるプラスチック
    光学材料。
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