JPH11115479A

JPH11115479A - 自動車用外側スライド開閉式窓ガラス

Info

Publication number: JPH11115479A
Application number: JP32192997A
Authority: JP
Inventors: Hiroyuki Kato; 宏之加藤
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1997-10-16
Filing date: 1997-10-16
Publication date: 1999-04-27

Abstract

(57)【要約】【目的】自動車に於ける後席側面窓ガラスの外側スライ
ド式開閉方法を提供する。【構成】スイング開閉用レバー（１）先端に伸縮式ステ
ー（３）基部を設置して一方を後席側面窓ガラス（２）
後部と連結、前部上下に取り付けるローラー（４）がガ
イドレール（１５）にはまり合い、これを制動させるロ
ーラーストッパー（１２）作動機構を内蔵した取っ手
（１３）が付帯する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は自動車における後席側
面窓ガラスの開閉方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、主として箱型形状を成し、ス
ライドドアを有するレジャー用多目的自動車の後席側面
窓ガラスは単位当たりの面積が大きく、ほとんどが上下
昇降による開閉手段をもたないため、ガラス後端のみが
僅かに外側へ開く方式が広く用いられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】これら現行車両に於い
ては、空気抵抗軽減もしくはデザイン上の理由等によっ
て段差が大きい引き違い窓の採用が減少しており、この
ため充分な自然風の流入が期待できないから、後席着座
者への良好な換気性が得られ難く、結果として車酔いを
生じさせる一因となったり、停車中に車外との会話にも
不自由するといった使用者にとって快適とは言い難い状
況が発生してしまう。本発明は以上の諸問題を解決する
事を目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】既存の後席窓ガラススイ
ング開閉用レバーの基本構造を応用し、これに伸縮式ス
テー（３）と、ローラー（４）、ガイドレール（１
５）、ローラーストッパー（１２）を作動させる機構を
内蔵する取っ手（１３）を組み合わせ、使用者が任意の
位置まで後席側面窓ガラス（２）のスライド開口が出来
るようにした機構を用いる。

【０００５】

【発明の実施の形態】後席側面窓ガラス（２）後端上下
あるいは中央一か所相当位置の室内に設置されたスイン
グ開閉用レバー（１）の全閉ロック状態（１６）を解除
し、基部と先端に作動角を制限されるヒンジ（１８，１
９）が付いた伸縮式ステー（３）と共に室外側に向かっ
て後席側面窓ガラス（２）後端部分を押し出し、開口ロ
ック状態（１７）で固定する。この後席側面窓ガラス
（２）前端にはヒンジ（２０）を付帯するローラー
（４）と、同様にヒンジ（２１）に接続する取っ手（１
３）が取り付けられているから、その時点で後席側面窓
ガラス（２）は後部が室外に向かい一定角で開口した状
態になる。次に後席側面窓ガラス（２）前端上下もしく
は片方に設けられた取っ手（１３）の握り部分（５，
６）をそれぞれ取っ手（１３）縦中心線に向け押し込
む。取っ手（１３）に内蔵され、握り部分（５，６）に
接合するアームＡ，Ｂ（２２，２３）には一部がコイル
状に巻かれたバネ（７，８）の端がそれぞれに接続し、
そのバネ（７，８）の反対端は取っ手（１３）内部構造
体に接続しながらアームＡ，Ｂ（２２，２３）がはめ込
まれた支点としてのヒンジ（２４，２５）にバネ（７，
８）のコイル状部分が取り付けられており、更にスリッ
ト（２６，２７）の一部は互いに交差かつ重なり合って
いて先端がフック状に加工されたロッド（９）がアーム
Ａ，Ｂ（２２，２３）を束ねるようにして両スリット
（２６，２７）にひっ掛けられているから、アームＡ，
Ｂ（２２，２３）それぞれが重なり合ったまま、絞り込
まれるように大きく円弧を描くと、通常スリット（２
６，２７）下部にあったロッド（９）はこの動きに連
れ、車体鉛直上方に向かって引き上げられて行く。［図
４］に於いて作用を↑印で示すように、ロッド（９）の
反対端はローラーストッパー（１２）頂部（１０）に取
付られたコイルスプリング（１１）の中を貫通し、ロー
ラーストッパー（１２）に接続しているので、ロッド
（９）の上昇と伴にテンション用のコイルスプリング
（１１）も縮み、ローラーストッパー（１２）もローラ
ー（４）から離れ上昇する。

【０００６】ローラーストッパー（１２）は通常、バネ
（７，８）とコイルスプリング（１１）の張力によっ
て、凸型に加工されたローラー（４）の突起部分を上方
から挟み込むように押さえ付け、かつ［図４］に示す網
線部分に制動性の高い材質をもって接し、ローラー
（４）が回転してガイドレール（１５）に沿い、意に反
して車体前後方向に動こうとするのを規制しているが、
上記の理由によってローラーストッパー（１２）が上方
に引き上げられた場合、制動を解除されたローラー
（４）の動きを規制する力は無くなり、従って使用者が
握り部分（５，６）を押し込みつつ、取っ手（１３）を
掴んだまま後席側面窓ガラス（２）を後方へ移動させよ
うとする力に呼応し、伸縮式ステー（３）もまた伸長す
るため、後席側面窓ガラス（２）全体を任意位置まで開
口することが可能となる。

【０００７】なお、任意位置まで後席側面窓ガラス
（２）をスライドさせ、使用者がその時点で握り部分
（５，６）を離した場合、バネ（７，８）は自身の張力
によって通常の状態に戻ろうとするので、スリット（２
６，２７）にひっ掛けられているロッド（９）はアーム
Ａ，Ｂ（２２，２３）の通常位置へ回帰しようとする動
きに合わせ下方に向け押し下げられ、これに伴いロッド
（９）に接続したローラーストッパー（１２）も下方に
向け押し下げられる。これによって［図４］の↑印で作
用を示す通り、再びローラーストッパー（１２）は、ロ
ーラー（４）の突起部側面とガイドレール（１５）に接
する以外の回転部分上面に接触して制動性を発揮しなが
ら、後席側面窓ガラス（２）が前後方向へ動き出そうと
するのを規制するから、以上によって後席側面窓ガラス
（２）の任意位置に於ける開口面積固定化が実現する。

【０００８】次に後席側面窓ガラス（２）を全閉状態に
する場合を説明する。握り部分（５，６）を押し込む
と、前記した通りローラーストッパー（１２）はローラ
ー（４）から離れる訳だから、後席側面窓ガラス（２）
が車体前方向へ動こうとする力を規制するものは無くな
る。従って全閉状態に向かって動かそうとする力に呼応
し、伸縮式ステー（３）もまた縮み始めるから、全閉位
置で握り部分（５，６）を離し、加えてスイング開閉用
レバー（１）の開口ロック状態（１７）を解除、そのレ
バー（１）ごと伸縮式ステー（３）と後席側面窓ガラス
（２）後部を室内側へ引き込み、レバー（１）を全閉ロ
ック状態（１６）にすればその時点で後席側面窓ガラス
（２）の全閉が実現する。その際、取っ手（１３）の最
適位置にスライド式つまみ（２８）等を設け、それに連
動するロックピン（２９）とボディー（１４）側に設置
するロックホール（３０）を用い、全閉、あるいは全開
時もしくは両者に於ける、より確実なロック状態を実現
させる方法も考えられる。

【０００９】伸縮式ステー（３）には、自動車用伸縮ラ
ジオアンテナとして多用される多段ロッド式を適切な摩
擦抵抗値をもって応用するか、もしくは低バネ定数の小
型筒式ダンパーを使用し、ピストンロッドの伸縮をステ
ーとして利用する方法があるが、後者の場合、スイング
開閉用レバー（１）先端の伸縮式ステー（３）基部を取
り付けるアームの長さを車体前方向へ相対的に延長し、
シリンダー部分の収納スペースを確保する必要がある。

【００１０】本発明の機構を用いた後席側面窓ガラス
（２）の開口可能な面積は当然、ガイドレール（１５）
の長さ及び伸縮式ステー（３）の全伸長によって規制さ
れるから、後席側面窓ガラス（２）面積の大小もしくは
車体構造、製造工程上の理由等で全閉あるいは全開のど
ちらかに於いてのみ使用することを前提とした場合、握
り部分（５，６）やローラーストッパー（１２）を廃
し、替わりにスライド式つまみ（２８）、ロックピン
（２９）、ロックホール（３０）でその機能を代用する
事も可能である。その際、支持剛性向上のためのアーム
を後席側面窓ガラス（２）前端に付加しても良い。

【００１１】

【実施例】これを使用する時は全閉された後席側面窓ガ
ラス（２）後端に設置されたスイング開閉用レバー
（１）の全閉ロック状態（１６）を解除し、このレバー
（１）を開口ロック状態（１７）で固定、取っ手（１
３）の握り部分（５，６）を押し込みながら後席側面窓
ガラス（２）全体を任意の場所までスライドさせ、その
位置で握り部分（５，６）を離すことによって、後席側
面窓ガラス（２）の開口面積が設計範囲に於いて無条件
に選択可能となる機構を用いる。

【００１２】

【発明の効果】本発明は以上説明したように構成される
から、以下に述べる効果を奏する。容易な操作手順で後
席側面窓ガラス（２）が開口可能となる事によって換気
性が大幅に向上し、特に後席着座者が陥り易い閉塞感の
防止にも役立つ。また、本発明による構成部分は後席側
面窓ガラス（２）室内側に隠れて集中するため、車外か
らは容易に視認出来ず、従って自動車デザイン上の美観
が損なわれる事も無い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の使用状態を示す斜視図

【図２】本発明の一部上面図

【図３】本発明の使用状態を示す一部上面図

【図４】本発明の一部縦断面図

【図５】本発明の一部側面縦断面図

【符号の説明】

１スイング開閉用レバー２後席側面窓ガラス３伸縮式ステー４ローラー５，６握り部分７，８バネ９ロッド１２ローラーストッパー１３取っ手１４ボディー１５ガイドレール

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】スイング開閉用レバー（１）を後席側面窓
ガラス（２）後部相当位置の室内側に設け、スイング開
閉用レバー（１）外側先端部分に伸縮式ステー（３）の
基部を設置、一方を後席側面窓ガラス（２）後部室内側
に連結、この後席側面窓ガラス（２）前部室内側上下に
ヒンジ機能を付帯するローラー（４）と、握り部分
（５、６）を離すことによってバネ（７，８）の張力が
ロッドに作用、この力がローラー（４）に対して制動性
を発揮するローラーストッパー（１２）や、これを機能
させる取っ手（１３）が後席側面窓ガラス（２）前端に
取り付けられ、以上の上下ローラー（４）部分が各々ボ
ディー（１４）側に設けられたガイドレール（１５）に
はまり合う、自動車用外側スライド開閉式窓ガラス。