JPH111152A - 乗員検知システム及び乗員検知方法 - Google Patents

乗員検知システム及び乗員検知方法

Info

Publication number
JPH111152A
JPH111152A JP9155153A JP15515397A JPH111152A JP H111152 A JPH111152 A JP H111152A JP 9155153 A JP9155153 A JP 9155153A JP 15515397 A JP15515397 A JP 15515397A JP H111152 A JPH111152 A JP H111152A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna electrode
occupant
circuit
dashboard
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9155153A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3322296B2 (ja
Inventor
Takashi Saito
孝志 斎藤
Shinko Ofuji
眞弘 大藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Home Electronics Ltd
NEC Corp
Original Assignee
NEC Home Electronics Ltd
Nippon Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Home Electronics Ltd, Nippon Electric Co Ltd filed Critical NEC Home Electronics Ltd
Priority to JP15515397A priority Critical patent/JP3322296B2/ja
Publication of JPH111152A publication Critical patent/JPH111152A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3322296B2 publication Critical patent/JP3322296B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)
  • Air Bags (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】乗員とダッシュボ−ドとの離隔状況を的確に検
知でき、検知結果に基づいてエアバッグ装置の作動の適
否を制御可能な乗員検知システムを提供すること。 【解決手段】シ−ト1Bに配置した第1のアンテナ電極
5と、ダッシュボ−ドDBに配置した第2のアンテナ電
極7と、第1,第2のアンテナ電極5,7間に微弱電界
を発生させるための発振回路と、この微弱電界に基づい
て流れる変位電流を検出し、電圧に変換する電流・電圧
変換回路と、電流・電圧変換回路の出力信号に基づいて
シ−トに着席している乗員Pとダッシュボ−ドDBとの
離隔距離を検知する制御回路と、衝突に基づいてエアバ
ッグを展開させる機能を有するエアバッグ装置とを具備
し、前記制御回路の検知結果に基づくデ−タをエアバッ
グ装置に送信し、エアバッグ装置のエアバッグを展開可
能な状態又は展開不可能な状態のいずれか一方にセット
するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は乗員検知システム
及び乗員検知方法に関し、特にエアバッグ装置を搭載し
た自動車の助手席における乗員とダッシュボ−ドとの離
隔状況に応じて、エアバッグ装置のエアバッグを展開可
能な状態又は展開不可能な状態に設定し得る乗員検知シ
ステム及び乗員検知方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、エアバッグ装置は自動車の衝突
時に乗員が受ける衝撃を緩和するための装置であって、
自動車の安全性になくてならないものになっており、近
時、運転席のみならず、助手席にも設置されるようにな
っている。
【0003】このエアバッグ装置は、例えば図7に示す
ように、セ−フィングセンサSS1,スクイブSQ1,
電界効果形トランジスタなどの半導体スイッチング素子
SW1の直列回路よりなる運転席側のスクイブ回路と、
セ−フィングセンサSS2,スクイブSQ2,電界効果
形トランジスタなどの半導体スイッチング素子SW2よ
りなる助手席側のスクイブ回路と、電子式加速度センサ
(衝突検出センサ)GSと、電子式加速度センサGSの
出力信号に基づいて衝突の有無を判断し、半導体スイッ
チング素子SW1,SW2のゲ−トに信号を供給する機
能を有する制御回路CCとから構成されている。
【0004】このエアバッグ装置によれば、何らかの原
因に基づき自動車が衝突した場合、セ−フィングセンサ
SS1,SS2はそのスイッチ接点が比較的に小さな加
速度に反応して閉成され、運転席側及び助手席側のスク
イブ回路が動作可能な状態になる。そして、電子式加速
度センサGSからの信号に基づいて制御回路CCが自動
車が確実に衝突したと判断すると、半導体スイッチング
素子SW1,SW2のゲ−トに信号が供給され、同スイ
ッチング素子SW1,SW2がON状態になる。これに
よって、それぞれのスクイブ回路に電流が流れる結果、
スクイブSQ1,SQ2の発熱に起因して運転席側及び
助手席側のエアバッグが展開され、乗員が衝突による衝
撃から保護される。
【0005】ところで、このエアバッグ装置によれば、
例えば図8(a)に示すように、シ−ト1に大人Pが着
席している場合には、衝突時に上述のような乗員の保護
効果が期待できるものである。しかしながら、同図
(b)に示すように、助手席のシ−ト1上に固定したチ
ャイルドシ−ト1Aに幼児SPが後向きに座っている場
合(ear acing nfant eat :以下、RFISと
呼称する)にはエアバッグの展開によって幼児SPへの
悪影響が懸念されることから、仮に自動車が衝突しても
エアバッグが展開しない方が望ましい。又、同図(c)
に示すように、助手席のシ−ト1上に固定したチャイル
ドシ−ト1Aに幼児SPが前向きに座っている場合(
orward acing hild eat :以下、FFCSと呼
称する)にはエアバッグの展開によってエアバッグが子
供SPの顔面を覆うことが懸念されることから、RFI
Sの場合と同様に仮に自動車が衝突してもエアバッグが
展開しない方が望ましいものである。
【0006】従って、従来においては、このような問題
に対応するために、例えば図9に示すようなエアバッグ
装置が提案されている。このエアバッグ装置は、助手席
に乗員が着席しているか否かを検出するセンサSDを設
置し、このセンサSDの検出信号に基づいて制御回路C
Cが助手席への乗員の着席状況を判断し、自動車が衝突
した場合に、エアバッグを展開可能な状態又は展開不可
能な状態のいずれか一方にセットするように構成されて
いる。特に、センサSDとしては、重量を測定する重量
センサを用いるものと、シ−トに着席している乗員をカ
メラで撮影して画像処理により大人Pか子供SPかの判
定を行うものとが提案されている。
【0007】前者の方法によれば、乗員が大人Pか子供
SPかの大まかな判定は可能であり、この結果に基づい
てエアバッグを展開可能な状態又は展開不可能な状態の
いずれか一方にセットし、自動車の衝突時における不測
の事態を回避することができるものの、体重は個人差が
大きく、仮に子供でも大人より重い場合もあり得ること
から、正確性に欠けるのみならず、RFIS,FFCS
のいずれの状態であるかを判断することができないとい
う問題がある。
【0008】又、後者の方法によれば、乗員の着席状
況,乗員が大人Pか子供SPかの判断,チャイルドシ−
トの子供がRFIS,FFCSの状態か否かの判断をか
なり正確に行なうことができるものの、カメラで撮影し
た撮像デ−タを画像処理し各種パタ−ンとの比較判断を
行なわなければならないために、処理装置が複雑かつ高
価になるという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本出願人は、
先に、図10〜図14に示すような乗員検知システムを
提案した。この乗員検知システムは、基本的にはシ−ト
に配置された2つの電極間に発生させた微弱電界(Ele
ctric Field)の乱れを利用するものである。まず、図
10(a)に示すように、電極E1に高周波低電圧を発
生する発振回路10を接続すると共に、電極E2をグラ
ンドに接続すると、電極E1,E2には電極間の電位差
に基づいて電界が発生し、電極E2の側には変位電流I
dが流れる。この状態において、同図(b)に示すよう
に、電界中に物体OBを存在させると、電界に乱れが生
じて電極E2の側には変位電流Idとは異なった変位電
流Id1が流れることになる。殆んどの物体OBは、電
気的にはコンダクタンスとキャパシタンスで表され、グ
ランドとはキャパシタンスを介して結合されることにな
る。
【0010】従って、自動車のシ−トに物体OBが乗っ
ている場合と乗っていない場合とでは、電極E2の側に
流れる変位電流に変化が生ずるものであり、この現象を
利用することにより、シ−トへの乗員の着席状況を検知
することができるものである。特に、電極を増加させる
ことによって、シ−ト上の乗員などを含む物体について
の多くの情報を得ることが可能となり、シ−トへの乗員
の着席状況をより的確に検知することができる。
【0011】この原理を利用した具体的な乗員検知シス
テムについて図11〜図14を参照して説明する。尚、
図7〜図9に示す従来例と同一部分には同一参照符号を
付し、その詳細な説明は省略する。図11は先行技術に
かかるシ−トを示しており、助手席のシ−ト1の表面側
には複数の電極が配置されている。具体的には、着席部
1aには例えば矩形状の電極E1,E2が、背もたれ部
1bにはほぼ同形状の電極E3,E4がそれぞれ離隔し
て配置されている。これらの電極は乗員の座り心地を考
慮して導電性の布地にて形成されているが、糸状の金属
をシ−ト布面に織り込んだり、布面に導電性ペイントを
被着したり、金属板を配置したりして構成することもで
きる。これらの電極E1〜E4は図12(図13)に示
す回路に接続され、組み込まれている。
【0012】図12において、乗員検知システムは、例
えば周波数が100KHz程度で、電圧が10〜12V
程度の高周波低電圧を発生させる発振回路10と、負荷
電流検出回路11と、送信・受信切換回路12と、増幅
機能を有する電流・電圧変換回路13と、バンドパス機
能及びAC−DC変換機能(不要ノイズ除去機能)を有
する検波回路(復調回路)14と、増幅回路15と、オ
フセット変換回路16と、MPUなどの制御回路17
と、エアバッグ装置18とから構成されている。図13
は図12の回路をさらに具体化したものであり、増幅回
路15を、例えばゲインGが1倍及び100倍の第1の
増幅回路15A及び第2の増幅回路15Bから構成する
と共に、第1,第2の増幅回路15A,15Bの出力信
号を選択するアナログ選択回路19が設けられており、
アナログ選択回路19は制御回路17によって制御され
る。
【0013】このシステムにおいて、負荷電流検出回路
11は、例えば回路に直列に接続されたインピ−ダンス
素子例えば抵抗11aと、抵抗11aの端子電圧を増幅
する増幅器11bとから構成されており、発振回路10
から選択された特定の電極に供給される電流(負荷電
流)が検出される。送信・受信切換回路12は、例えば
電極E1〜E4のうち、選択された1つの電極(送信電
極と呼称する)を発振回路10の出力側に接続するため
のスイッチング手段Aa〜Adと、送信電極以外の電極
(受信電極と呼称する)を電流・電圧変換回路13に接
続するためのスイッチング手段Ba〜Bdとから構成さ
れており、それぞれのスイッチング手段の切換は制御回
路17によって制御される。尚、この送信・受信切換回
路12はマルチプレクサ回路にて構成することが望まし
い。電流・電圧変換回路13は、例えば受信電極側に流
れる変位電流を電圧に変換するインピ−ダンス素子例え
ば抵抗13aと、変換された電圧を増幅する増幅器13
bとから構成されており、それぞれの電極E1〜E4に
対応して設けられている。アナログ選択回路19は、例
えば第2の増幅回路15Bの出力側に一斉に選択・接続
される4つのスイッチング手段19aと、第1の増幅回
路15Aの出力側に一斉に選択・接続される4つのスイ
ッチング手段19bとから構成されている。
【0014】このように構成されたシステムは、次のよ
うに動作する。まず、制御回路17からの信号に基づい
て送信・受信切換回路12のスイッチング手段Aaのみ
が発振回路10の出力側に接続され、スイッチング手段
Bb〜Bdが電流・電圧変換回路13に接続されると、
発振回路10から送信電極E1に高周波低電圧が印加さ
れ、受信電極E2〜E4には変位電流が流れる。この電
流は抵抗13aで電圧に変換され、増幅器13bで増幅
されると共に、検波回路14に出力される。一方、送信
電極E1に流れる負荷電流は負荷電流検出回路11によ
って検出され、後述するデ−タR(1,1)として検波
回路14に出力される。この検波回路14では、例えば
100KHz程度の信号がバンドパスされると共に、A
C−DC変換機能に基づいて不要なノイズ成分が除去さ
れ、第1,第2の増幅回路15A,15Bに出力され
る。この第1,第2の増幅回路15A,15Bの出力信
号は、オフセット変換回路16とアナログ選択回路19
との動作によって適宜に選択され、制御回路17に出力
される。例えば検波回路14からの出力信号がフルレン
ジで測定可能な程度の場合にはアナログ選択回路19の
4つのスイッチング手段19bのみが一斉に第1の増幅
回路15Aの出力側に選択・接続される。又、出力信号
が小さくてフルレンジでの微妙な変化の測定が困難な場
合にはアナログ選択回路19の4つのスイッチング手段
19aのみが一斉に第2の増幅回路15Bの出力側に選
択・接続される。そして、制御回路17では第1,第2
の増幅回路15A,15Bからの出力信号がA/D変換
した後、メモリに記憶される。
【0015】次に、制御回路17からの信号に基づいて
送信・受信切換回路12のスイッチング手段Aaを開放
し、スイッチング手段Abのみを発振回路10の出力側
に接続し、スイッチング手段Ba,Bc,Bdを電流・
電圧変換回路13に接続・変更すると、発振回路10か
ら送信電極E2に高周波低電圧が印加され、受信電極E
1,E3,E4には変位電流が流れる。この電流は抵抗
13aで電圧に変換され、増幅器13bで増幅されると
共に、検波回路14に出力される。尚、送信電極E2に
流れる負荷電流は負荷電流検出回路11によって検出さ
れ、後述するデ−タR(2,2)として検波回路14に
出力される。上述と同様に処理されて制御装置17にデ
−タとして記憶される。次いで、スイッチング手段Ac
のみを発振回路10の出力側に接続し、スイッチング手
段Ba,Bb,Bdを電流・電圧変換回路13に接続・
変更すると、発振回路10から送信電極E3に高周波低
電圧が印加され、受信電極E1,E2,E4には変位電
流が流れる。尚、送信電極E3に流れる負荷電流は負荷
電流検出回路11によって検出され、後述するデ−タR
(3,3)として検波回路14に出力される。さらに、
スイッチング手段Adのみを発振回路10の出力側に接
続し、スイッチング手段Ba,Bb,Bcを電流・電圧
変換回路13に接続・変更すると、発振回路10から送
信電極E4に高周波低電圧が印加され、受信電極E1,
E2,E3には変位電流が流れる。これらの変位電流は
抵抗13aで電圧に変換され、増幅器13bで増幅され
ると共に、検波回路14に出力される。尚、送信電極E
4に流れる負荷電流は負荷電流検出回路11によって検
出され、後述するデ−タR(4,4)として検波回路1
4に出力される。上述と同様に処理されて制御装置17
にデ−タとして記憶される。
【0016】そして、制御回路17ではこれらのデ−タ
を演算処理することにより、着席パタ−ンが算出され
る。この制御回路17には、予め各種の着席パタ−ンが
記憶されており、電極E1〜E4における送信電極と受
信電極との各種の組合せに基づくデ−タにより算出され
た着席パタ−ンを予め記憶された着席パタ−ンと比較
し、該当する着席パタ−ンを抽出し、判定する。この制
御回路17では、例えば以下に述べる各種の着席パタ−
ンが判定の対象となる。具体的には、シ−トに乗員が着
席していない空席パタ−ン、チャイルドシ−トに子供が
FFCSの状態で着席しているFFCSパタ−ン、チャ
イルドシ−トに子供がRFISの状態で着席しているR
FISパタ−ン、シ−トに大人が着席しているパ−ソン
パタ−ンであり、それぞれの電極E1〜E4を適宜に選
択して送信電極と受信電極との各種の組合せによって、
一般式R(i,j)で示すデ−タが得られる。尚、一般
式R(i,j)において、i=jは送信デ−タを、i≠
jは受信デ−タを示しており、しかも、iは送信電極
を、jは受信電極を表している。制御回路17ではそれ
ぞれのパタ−ン毎に例えば16個のデ−タを利用して演
算処理が行われ、着席パタ−ンの特徴が抽出される。
【0017】制御回路17において、着席パタ−ンが検
知・特定されると、それに基づく信号がエアバッグ装置
18に送信される。例えば着席パタ−ンが空席,FFC
S,RFISの場合にはエアバッグ装置18に、仮に自
動車が衝突しても、エアバッグが展開しないようにセッ
トするための信号が送信され、それ以外のパタ−ンでは
エアバッグが展開するようにセットするための信号が送
信される。これらの信号はエアバッグ装置18の制御回
路CCに入力され、前者のパタ−ンの場合には衝突時に
助手席側の半導体スイッチング素子SW2にゲ−ト信号
を供給しないようにセットされる。尚、運転席側の半導
体スイッチング素子SW1にはゲ−ト信号が供給され
る。後者のパタ−ンの場合には半導体スイッチング素子
SW1,SW2にゲ−ト信号が供給されるようにセット
される。
【0018】この先行技術によれば、シ−ト1の表面側
には複数の電極E1〜E4が配置されており、選択され
た1つの送信電極と送信電極以外の受信電極との間には
高周波低電圧の印加により微弱電界が発生されているた
めに、受信電極側にはシ−ト1への乗員の着席パタ−ン
に関連する変位電流が流れる。従って、この変位電流の
特徴的なパタ−ンを判断することによって乗員の着席パ
タ−ンを的確に検知することができる。このために、乗
員の着席パタ−ンに応じてエアバッグ装置18のエアバ
ッグを展開可能な状態ないし展開不可能な状態のいずれ
にも設定することができる。
【0019】しかも、シ−ト1には複数の電極が互いに
離隔して配置されているために、送信電極と受信電極と
の組み合せを増加できると共に、得られるデ−タ数も増
加でき、シ−トへの乗員の着席パタ−ンの判断をより正
確に行うことができる。
【0020】又、システムの制御回路には、例えばRF
IS,FFCS,Person,Emptyの着席パタ
−ンに基づいて各電極に流れる電流によって特徴付けら
れる電流パタ−ンが着席パタ−ンとして予め記憶されて
いるために、送信電極と受信電極とを適宜に組み合せる
ことによって得られる受信信号デ−タと予め記憶された
各種の着席パタ−ンとを比較し、該当する記憶着席パタ
−ンを抽出することによって精度よく現実の着席パタ−
ンを検知することができるなどの優れた効果が得られる
ものである。
【0021】しかしながら、近時、エアバッグ装置を搭
載した自動車が例えば障害物などに衝突した際に、エア
バッグ装置のエアバッグが展開しているにも拘らず、助
手席に着席している乗員が例えば顔面などに損傷を受け
ることがあるという不具合が指摘されている。
【0022】これは、図15に示すように、自動車の衝
突による衝撃によって助手席の乗員Pの上半身、特に顔
面がダッシュボ−ドDBにかなり接近している状態(例
えば20cm前後)でエアバッグ装置のエアバッグが展
開した場合には、乗員Pはその顔面に展開して大きく膨
張するエアバッグによって大きな衝撃を受け、上半身が
背もたれ部側に強制的に押し戻されることになる。この
ために、乗員Pはその顔面などに損傷を受け易くなる。
【0023】従って、近時、ユ−ザ−からは、安全性の
観点から乗員のシ−トへの着席の有無を確実に検知でき
るのみならず、衝突などによって乗員がダッシュボ−ド
に接近しすぎている場合でもエアバッグ装置による乗員
の損傷を免れることのできる乗員検知システムが望まれ
ている。
【0024】それ故に、本発明の目的は、シ−トに着席
している乗員とダッシュボ−ドとの離隔状況を的確に検
知でき、検知結果に基づいてエアバッグ装置の作動の適
否を制御可能な乗員検知システム及び乗員検知方法を提
供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、上述
の目的を達成するために、車室内のシ−ト部分に配置し
た第1のアンテナ電極と、このシ−トに対向するダッシ
ュボ−ド部分に配置した第2のアンテナ電極と、第1の
アンテナ電極と第2のアンテナ電極との間に微弱電界を
発生させるための発振回路と、第1のアンテナ電極と第
2のアンテナ電極との間に発生させた微弱電界に基づい
て流れる変位電流を検出し、電圧に変換する電流・電圧
変換回路と、電流・電圧変換回路の出力信号に基づいて
シ−トに着席している乗員とダッシュボ−ドとの離隔距
離を検知する制御回路とを具備したことを特徴とする。
【0026】又、本発明の第2の発明は、車室内のシ−
ト部分に配置した第1のアンテナ電極と、このシ−トに
対向するダッシュボ−ド部分に配置した第2のアンテナ
電極と、第1のアンテナ電極と第2のアンテナ電極との
間に微弱電界を発生させるための発振回路と、第1のア
ンテナ電極と第2のアンテナ電極との間に発生させた微
弱電界に基づいて流れる変位電流を検出し、電圧に変換
する電流・電圧変換回路と、電流・電圧変換回路の出力
信号に基づいてシ−トに着席している乗員とダッシュボ
−ドとの離隔距離を検知する制御回路と、衝突に基づい
てエアバッグを展開させる機能を有するエアバッグ装置
とを具備し、前記制御回路の検知結果に基づくデ−タを
エアバッグ装置に送信し、エアバッグ装置のエアバッグ
を展開可能な状態又は展開不可能な状態のいずれか一方
にセットすることを特徴とする。
【0027】又、本発明の第3の発明は、前記発振回路
は高周波低電圧を発生するように構成されており、第1
のアンテナ電極を高周波低電圧が印加される送信電極と
すると共に、第2のアンテナ電極を受信電極とし、この
送信電極と受信電極との間に、高周波低電圧の印加によ
り、微弱電界を発生させるようにしたことを特徴とし、
第4の発明は、前記第1のアンテナ電極をシ−トの着席
部に配置すると共に、第2のアンテナ電極をダッシュボ
−ド部分に、衝突などによってダッシュボ−ドに接近す
る乗員の少なくとも一部分との対向面積が極力大きくな
るように配置したことを特徴とし、第5の発明は、前記
制御回路は、予め記憶されている乗員とダッシュボ−ド
との許容限度の離隔距離に対応するしきい値デ−タと、
第2のアンテナ電極側に流れる変位電流に基づく、乗員
とダッシュボ−ドとの現実の離隔距離に対応する受信信
号デ−タとを比較することにより、乗員とダッシュボ−
ドとの離隔状況を検知するように制御することを特徴と
し、第6の発明は、前記第1のアンテナ電極側に発振回
路を、第2のアンテナ電極側に微弱電界に基づいて流れ
る変位電流を検出して電圧に変換する電流・電圧変換回
路をそれぞれ接続したことを特徴とする。
【0028】さらに、本発明の第7の発明は、車室内の
シ−ト部分に第1のアンテナ電極を、このシ−トに対向
するダッシュボ−ド部分に第2のアンテナ電極をそれぞ
れ配置し、この第1のアンテナ電極と第2のアンテナ電
極との間に微弱電界を発生させ、微弱電界に基づいて流
れる変位電流を検出し、この変位電流に基づいて乗員と
ダッシュボ−ドとの離隔状況を検知すると共に、この検
知結果に基づくデ−タをエアバッグ装置に送信し、エア
バッグ装置のエアバッグを展開可能な状態又は展開不可
能な状態のいずれか一方にセットすることを特徴とす
る。
【0029】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかる乗員検知シ
ステムの実施例について図1〜図2を参照して説明す
る。尚、本発明の基本原理は、基本的には上述の先行技
術と同様にアンテナ電極の周辺に発生させた微弱電界の
乱れを利用するものであって、具体的にはシ−ト及びダ
ッシュボ−ドに配置した一対のアンテナ電極間に微弱電
界を発生させ、これらのアンテナ電極間に位置する物体
の電気的特性によって受信側のアンテナ電極に流れる変
位電流に基づいて乗員とダッシュボ−ドとの離隔状況を
検知するものであり、図10〜図14に示す先行技術と
同一部分には同一参照符号を付し、その詳細な説明は省
略する。
【0030】図1は本発明にかかる助手席のシ−トを示
しており、このシ−ト1Bは主として着席部1aと背も
たれ部1bとから構成されている。このシ−ト1Bは、
例えば前後にスライド可能なベ−ス2に固定されたシ−
トフレ−ム3と、シ−トフレ−ム3の上部に配置された
クッション材4と、クッション材4の表面に沿って配置
された第1のアンテナ電極5と、第1のアンテナ電極5
を覆うように配置された外装材6とから構成されてい
る。尚、第1のアンテナ電極5はクッション材4の表面
に沿い、かつ着席部1aのほぼ全面に亘って配置するこ
とが望ましい。又、第1のアンテナ電極5は外装材6の
内側の他に、外側に配置することも可能である。
【0031】特に、第1のアンテナ電極5は乗員Pの座
り心地を考慮して導電性の布地にて形成されているが、
例えば糸状の金属をシ−ト布面に織り込んだり、布面に
導電性ペイントを被着したり、金属板を配置したりして
構成することもできる。そして、この第1のアンテナ電
極5はシ−ト1Bの着席部1aの広い面積部分に亘って
配置されており、その一部が後述する制御ユニットに接
続されている。尚、この制御ユニットをシ−ト1B、例
えばシ−トフレ−ム部分に配置して第1のアンテナ電極
5との接続ハ−ネスを短くしたり、或いは第1のアンテ
ナ電極5の一部分を延在させることによってハ−ネスを
省略することもできる。
【0032】一方、シ−ト1Bに対向するフロント側に
はダッシュボ−ドDBが設置されており、シ−ト1Bに
対向するダッシュボ−ド部分には第2のアンテナ電極7
が配置されている。この第2のアンテナ電極7は上述の
第1のアンテナ電極5と同様に構成してダッシュボ−ド
部分に貼着されているが、例えばダッシュボ−ドDBを
構成する樹脂材に第1のアンテナ電極5と同様の構成の
電極を埋め込んだり、インサ−ト成形したり、或いはア
ンテナ配置部分に相当するダッシュボ−ド部分だけを、
樹脂材に導電性粉末を混入・分散させた導電性を有する
樹脂材にて成形したり、さらには導電性ペイントを被着
したりして構成することもできる。特に、この第2のア
ンテナ電極7はダッシュボ−ド部分に、衝突などによっ
てダッシュボ−ドDBに接近する乗員Pの少なくとも一
部分、例えば頭部(特には顔面)との対向面積が極力大
きくなるように配置されている。
【0033】図2において、乗員検知システムは、シ−
ト1Bに配置された第1のアンテナ電極5と、シ−ト1
Bに対向するダッシュボ−ド部分に配置された第2のア
ンテナ電極7と、例えば周波数が100KHz程度,電
圧が6〜12V程度の高周波低電圧を発生させる発振回
路10と、負荷電流検出回路11と、増幅機能を有する
電流・電圧変換回路13と、バンドパス機能を有するフ
ィルタ回路14と、増幅回路15と、MPUなどの制御
回路17と、エアバッグ装置18とから構成されてい
る。尚、上述の制御ユニットは、例えばエアバッグ装置
18を除く回路によって構成される。
【0034】このシステムにおいて、送信電極としての
第1のアンテナ電極5には発振回路10が、負荷電流検
出回路11を介して接続されている。この負荷電流検出
回路11は、例えば回路に直列に接続されたインピ−ダ
ンス素子例えば抵抗11aと、抵抗11aの端子電圧を
増幅する増幅器11bとから構成されており、その出力
信号は制御回路17に取り込まれる。又、受信電極とし
ての第2のアンテナ電極7に接続された電流・電圧変換
回路13は、例えば第2のアンテナ電極側に流れる変位
電流を電圧に変換するインピ−ダンス素子例えば抵抗1
3aと、変換された電圧を増幅する増幅器13bとから
構成されており、その出力信号はフィルタ回路14,増
幅回路15を介して制御回路17に取り込まれる。
【0035】このように構成されたシステムは、次のよ
うに動作する。まず、シ−ト1Bに乗員Pが着席してい
る状態において、第1のアンテナ電極5に発振回路10
から負荷電流検出回路11を介して高周波低電圧が印加
されると、第1のアンテナ電極5と第2のアンテナ電極
7との間には微弱電界が発生する。そして、第2のアン
テナ電極側には乗員Pと第2のアンテナ電極7との離隔
距離に応じた変位電流が流れる。この電流は抵抗13a
で電圧に変換され、増幅器13bで増幅されると共に、
フィルタ回路14に出力される。このフィルタ回路14
では、例えば100KHz程度の信号がバンドパスさ
れ、不要なノイズ成分が除去されて増幅回路15に出力
される。この増幅回路15の出力信号は制御回路17に
出力される。制御回路17では増幅回路15からの出力
信号がA/D変換された後、メモリに記憶される。尚、
第1のアンテナ電極5に流れる負荷電流は負荷電流検出
回路11によって検出され、制御回路17に取り込まれ
る。
【0036】一方、制御回路17には、予め、乗員Pと
ダッシュボ−ドDB(即ち第2のアンテナ電極7)との
許容限度とされる離隔距離(例えば20cm程度)にな
った時に第2のアンテナ電極側に流れる平均的な変位電
流に対応するしきい値(しきい値デ−タ)が格納されて
いる。従って、現実に第2のアンテナ電極側にて検出し
た変位電流に関連する増幅回路15の出力信号が受信信
号デ−タとして制御回路17に取り込まれると、予め制
御回路17に格納されているしきい値デ−タと現実の受
信信号デ−タとが比較(演算処理)されることにより、
乗員Pとダッシュボ−ドDBとの離隔距離の適否が判断
される。
【0037】従って、受信信号デ−タがしきい値デ−タ
より小さければ、乗員Pとダッシュボ−ドDBとの現実
の離隔距離が許容される、例えば20cm以上になって
いると判定されることから、エアバッグ装置18は制御
回路17からの送信信号によって、エアバッグが展開可
能なるようにセットされる。逆に、受信信号デ−タがし
きい値デ−タより大きければ、乗員Pとダッシュボ−ド
DBとの現実の離隔距離が許容限度を超える、例えば2
0cm以下になっていると判定されることから、エアバ
ッグ装置18は制御回路17からの送信信号によって、
エアバッグが展開不可能にセットされる。即ち、制御回
路17からの送信信号はエアバッグ装置18の制御回路
CCに入力され、後者の場合には自動車の衝突時に助手
席側の半導体スイッチング素子SW2にゲ−ト信号を供
給しないようにセットされる。尚、運転席側の半導体ス
イッチング素子SW1にはゲ−ト信号が供給される。前
者の場合には半導体スイッチング素子SW1,SW2に
ゲ−ト信号が供給されるようにセットされる。
【0038】次に、この乗員検知システムの処理フロ−
について図3〜図6を参照して説明する。まず、図3に
示すように、イグニッションスイッチをONにし、スタ
−トする。ステップS1でイニシャライズし、ステップ
S2に進む。ステップS2では制御回路17とエアバッ
グ装置18との通信系にかかる初期診断を行う。ステッ
プS3ではエンジンがスタ−トしたか否かの判断を行
い、エンジンがスタ−トしていると判断した場合にはス
テップS4に進む。スタ−トしていないと判断された場
合には戻る。ステップS4では第1のアンテナ電極(送
信電極)5と第2のアンテナ電極(受信電極)7との間
に発生させた微弱電界に基づいて第2のアンテナ電極側
に流れる変位電流に関連する信号デ−タの受信が行われ
る。そして、ステップS5では取り込んだデ−タに基づ
いて乗員Pとダッシュボ−ドDB(第2のアンテナ電極
7)との現実の離隔距離が判定される。さらに、ステッ
プS6ではステップS5の判定結果に基づき、エアバッ
グ装置(SRS)18との間でSRS通信が行われる。
ステップS6が終了すると、再びステップS4に戻り、
ステップS4からステップS6の処理が繰り返し行われ
る。
【0039】図3における初期診断は、例えば図4に示
すように行われる。まず、ステップSA1では固定デ−
タを制御回路17からエアバッグ装置18の制御回路C
Cに送信する。ステップSA2ではエアバッグ装置18
からの送信デ−タを受信する。そして、ステップSA3
では制御回路17からエアバッグ装置18に送信した固
定デ−タとエアバッグ装置18からの受信デ−タとが一
致するか否かを判断する。それぞれのデ−タが一致する
と判断されると、処理フロ−が継続される。それぞれの
デ−タが一致しないと判断されると、通信系に異状があ
ると判断され、フェ−ルセイフ処理が行われ、例えば警
告灯などが点灯される。尚、この初期診断はエアバッグ
装置18から制御回路17に固定デ−タを送信し、制御
回路17からの送信デ−タをエアバッグ装置18の制御
回路CCにて、その一致性について判断させるようにし
てもよい。
【0040】図3における乗員判定は、例えば図5に示
すように行われる。まず、ステップSB1では着席状態
の乗員Pを介して第2のアンテナ電極側に流れる変位電
流に関連する受信信号デ−タが、制御回路17に予め記
憶されているしきい値デ−タより大きいか小さいかが判
断される。受信信号デ−タがしきい値デ−タより大きい
と判断されると、ステップSB2に進み、エアバッグ装
置18のエアバッグが展開しないようにするためのOF
Fデ−タがセットされると共に、処理フロ−が継続され
る。又、ステップSB1で受信信号デ−タがしきい値デ
−タより小さいと判断されると、ステップSB3に進
み、エアバッグ装置18のエアバッグを展開させるため
のONデ−タがセットされると共に、SRSデ−タ通信
フロ−に継続される。
【0041】図3におけるSRSデ−タ通信は、例えば
図6に示すように行われる。まず、ステップSC1では
乗員検知ユニット側(制御回路17)からエアバッグ装
置側(制御回路CC)に、エアバッグ装置18のエアバ
ッグを展開可能な状態ないし展開不可能な状態にするた
めのONデ−タないしOFFデ−タ及びチェックデ−タ
が送信される。ステップSC2ではエアバッグ装置側か
らの、ONデ−タないしOFFデ−タに対するOKデ−
タないしNGデ−タ及びチェックデ−タを受信し、ステ
ップSC3に進む。ステップSD3では乗員検知ユニッ
ト側からエアバッグ装置側に送信したON/OFFデ−
タ及びチェックデ−タが正常な状態で再びエアバッグ装
置側から乗員検知ユニット側に返信されたか否かが判断
される。正常(通信系に異状がない)と判断されると、
処理フロ−が継続される。通信系に異状があると判断さ
れると、ステップSC4に進み、フェ−ルセ−フタイマ
がゼロになったか否かが判断される。尚、この通信系の
異状検出は、例えば3回に設定されている。従って、フ
ェ−ルセ−フタイマがゼロになったと判断されると、フ
ェ−ルセイフ処理が行われ、例えば警告灯などが点灯さ
れる。又、フェ−ルセ−フタイマがゼロになっていない
と判断されると、ステップSC5に進み、フェ−ルセ−
フタイマのカウントが行われ、処理フロ−が継続され
る。
【0042】一方、ステップSD1ではエアバッグ装置
側(制御回路CC)が乗員検知ユニット側(制御回路1
7)から、エアバッグ装置18のエアバッグを展開可能
な状態ないし展開不可能な状態にするためのONデ−タ
ないしOFFデ−タ及びチェックデ−タを受信する。そ
して、ステップSD2では受信デ−タのチェックが行わ
れ、受信デ−タが正常に受信できているか否かが判断さ
れる。いずれに判断されてもステップSD3に進み、O
Kデ−タないしNGデ−タ及びチェックデ−タが乗員検
知ユニット側に送信される。ステップSD2で通信系に
異状がないと判断されると、ステップSD3のOKデ−
タ送信ステップを経てステップSD4に進む。このステ
ップSD4ではOKデ−タに基づいてエアバッグ装置側
のデ−タが更新される。これによって、エアバッグは展
開可能な状態ないし展開不可能な状態のいずれか一方に
更新セットされる。又、ステップSD2で通信系に異状
があると判断されると、ステップSD3のNGデ−タ送
信ステップを経てステップSD5に進む。このステップ
SD5ではフェ−ルセ−フタイマがゼロになったか否か
が判断される。尚、この通信系の異状検出は、例えば3
回に設定されている。従って、フェ−ルセ−フタイマが
ゼロになったと判断されると、フェ−ルセイフ処理が行
われ、例えば警告灯などが点灯される。又、フェ−ルセ
−フタイマがゼロになっていないと判断されると、ステ
ップSD6に進み、フェ−ルセ−フタイマのカウントが
行われ、処理フロ−が継続される。
【0043】この実施例によれば、シ−ト1Bの表面側
には第1のアンテナ電極5が、このシ−ト1Bに対向す
るダッシュボ−ド部分DBには第2のアンテナ電極7が
それぞれ配置されており、それぞれの間には高周波低電
圧の印加により微弱電界が発生されているために、第2
のアンテナ電極側にはシ−ト1Bに着席している乗員P
の、ダッシュボ−ドDB(第2のアンテナ電極7)に対
する姿勢に応じた変位電流が流れる。従って、この変位
電流の大きさによって、乗員Pとダッシュボ−ドDBと
の現実の離隔距離の適否が容易に検知することができ
る。
【0044】特に、エアバッグ装置18のエアバッグ
は、乗員Pとダッシュボ−ドDBとの離隔距離の適否判
断に基づいて、展開可能な状態ないし展開不可能な状態
のいずれか一方に設定される。例えば乗員Pとダッシュ
ボ−ドDBとの離隔距離が許容されない距離になってい
ると判断されると、エアバッグ装置18のエアバッグは
展開不可能な状態に設定される。従って、仮に自動車が
衝突しても、エアバッグは展開されないために、乗員P
がエアバッグによって二次的な損傷を受けることを回避
できる。
【0045】又、第2のアンテナ電極7はダッシュボ−
ド部分DBに、自動車の衝突などによってダッシュボ−
ドDBに接近する乗員Pの一部分、例えば顔面(頭部)
との対向面積が極力大きくなるように配置されているた
めに、例えば乗員を一種のアンテナとして第2のアンテ
ナ電極側に流れる変位電流のレベル変化を精度よく受信
できる。従って、乗員Pとダッシュボ−ドDBとの現実
の離隔距離を的確に検知することができる。
【0046】さらには、制御回路17には、乗員Pとダ
ッシュボ−ドDBとのしきい値距離に対応する変位電流
に関するしきい値デ−タが予め記憶されているために、
第2のアンテナ電極側からの変位電流に関する受信信号
デ−タとしきい値デ−タとを比較することによって、乗
員Pとダッシュボ−ドDBとの離隔距離の適否を的確に
判断することができる。
【0047】尚、本発明は、何ら上記実施例にのみ制約
されることなく、例えばシ−ト,ダッシュボ−ドに配置
されるアンテナ電極の形状は矩形状の他、円形,楕円
状,四角を除く多角形状に形成することもできる。又、
第1のアンテナ電極はシ−トの着席部の全面に配置する
他、着席部より小さな面積部分に配置することもでき
る。又、負荷電流検出回路の出力信号を制御回路に取り
込んで送信電流のレベル変動を、変位電流に関する受信
信号デ−タの補正に利用することもできるし、負荷電流
検出回路を省略することもできる。発振回路の出力周波
数は車室内などの状況などに応じて100KHz以外に
設定することもできる。さらにはエアバッグ装置は電子
式加速度センサの他に、機械式センサを使用することも
できる。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、シ−ト
の表面側には第1のアンテナ電極が、このシ−トに対向
するダッシュボ−ド部分には第2のアンテナ電極がそれ
ぞれ配置されており、それぞれの間には高周波低電圧の
印加により微弱電界が発生されているために、第2のア
ンテナ電極側にはシ−トに着席している乗員の、ダッシ
ュボ−ド(第2のアンテナ電極)に対する姿勢に応じた
変位電流が流れる。従って、この変位電流の大きさによ
って、乗員とダッシュボ−ドとの現実の離隔距離の適否
が容易に検知することができる。
【0049】特に、エアバッグ装置のエアバッグは、乗
員とダッシュボ−ドとの離隔距離の適否判断に基づい
て、展開可能な状態ないし展開不可能な状態のいずれか
一方に設定される。例えば乗員とダッシュボ−ドとの離
隔距離が許容されない距離になっていると判断される
と、エアバッグ装置のエアバッグは展開不可能な状態に
設定される。従って、仮に自動車が衝突しても、エアバ
ッグは展開されないために、乗員がエアバッグによって
二次的な損傷を受けることを回避できる。
【0050】又、第2のアンテナ電極はダッシュボ−ド
部分に、自動車の衝突などによってダッシュボ−ドに接
近する乗員の一部分との対向面積が極力大きくなるよう
に配置されているために、例えば乗員を一種のアンテナ
として第2のアンテナ電極側に流れる変位電流のレベル
変化を精度よく受信できる。従って、乗員とダッシュボ
−ド部分との現実の離隔距離を的確に検知することがで
きる。
【0051】さらには、制御回路には、乗員とダッシュ
ボ−ドとのしきい値距離に対応する変位電流に関するし
きい値デ−タが予め記憶されているために、第2のアン
テナ電極側からの変位電流に関する受信信号デ−タとし
きい値デ−タとを比較することによって、乗員とダッシ
ュボ−ドとの離隔距離の適否を的確に判断することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる乗員検知システムの車室内部分
を示す図であって、同図(a)は第1,第2のアンテナ
電極の配置状態を示す図、同図(b)はシ−トの要部断
面図。
【図2】本発明にかかる乗員検知システムの回路ブロッ
ク図。
【図3】本発明にかかる乗員検知方式の乗員検知を行う
フロ−チャ−ト。
【図4】図3に示す初期診断のフロ−チャ−ト。
【図5】図3に示す乗員判定のフロ−チャ−ト。
【図6】図3に示すSRS通信のフロ−チャ−ト。
【図7】従来例にかかるエアバッグ装置の回路ブロック
図。
【図8】各種の着席パタ−ンを示す図であって、同図
(a)はシ−トに大人の乗員が着席している状態を示す
図、同図(b)はRFISの状態を示す図、同図(c)
はFFCSの状態を示す図。
【図9】従来例にかかる改良されたエアバッグ装置の回
路ブロック図。
【図10】本発明の前提となる先行技術にかかる乗員検
知システムの基本動作を説明するための図であって、同
図(a)は電極間の電界分布を示す図、同図(b)は電
極間に物体が存在した時の電界分布を示す図。
【図11】先行技術にかかる乗員検知システムのシ−ト
の斜視図。
【図12】先行技術にかかる乗員検知システムの回路ブ
ロック図。
【図13】図12の具体的な回路ブロック図。
【図14】図13に示すエアバッグ装置の詳細な回路ブ
ロック図。
【図15】従来の自動車の助手席への乗員の着席状態を
示す概略図。
【符号の説明】
1B シ−ト 1a 着席部 1b 背もたれ部 2 ベ−ス 3 シ−トフレ−ム 4 クッション材 5 第1のアンテナ電極 6 外装材 7 第2のアンテナ電極 10 発振回路 11 負荷電流検出回路 13 電流・電圧変換回路 14 フィルタ回路 15 増幅回路 17 制御回路 18 エアバッグ装置 DB ダッシュボ−ド SS1,SS2 セ−フィングセンサ SQ1,SQ2 スクイブ SW1,SW2 半導体スイッチング素子 CC 制御回路 GS 電子式加速度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大藤 眞弘 神奈川県横浜市神奈川区新浦島町1丁目1 番地25 日本電気ロボットエンジニアリン グ株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室内のシ−ト部分に配置した第1のア
    ンテナ電極と、このシ−トに対向するダッシュボ−ド部
    分に配置した第2のアンテナ電極と、第1のアンテナ電
    極と第2のアンテナ電極との間に微弱電界を発生させる
    ための発振回路と、第1のアンテナ電極と第2のアンテ
    ナ電極との間に発生させた微弱電界に基づいて流れる変
    位電流を検出し、電圧に変換する電流・電圧変換回路
    と、電流・電圧変換回路の出力信号に基づいてシ−トに
    着席している乗員とダッシュボ−ドとの離隔距離を検知
    する制御回路とを具備したことを特徴とする乗員検知シ
    ステム。
  2. 【請求項2】 車室内のシ−ト部分に配置した第1のア
    ンテナ電極と、このシ−トに対向するダッシュボ−ド部
    分に配置した第2のアンテナ電極と、第1のアンテナ電
    極と第2のアンテナ電極との間に微弱電界を発生させる
    ための発振回路と、第1のアンテナ電極と第2のアンテ
    ナ電極との間に発生させた微弱電界に基づいて流れる変
    位電流を検出し、電圧に変換する電流・電圧変換回路
    と、電流・電圧変換回路の出力信号に基づいてシ−トに
    着席している乗員とダッシュボ−ドとの離隔距離を検知
    する制御回路と、衝突に基づいてエアバッグを展開させ
    る機能を有するエアバッグ装置とを具備し、前記制御回
    路の検知結果に基づくデ−タをエアバッグ装置に送信
    し、エアバッグ装置のエアバッグを展開可能な状態又は
    展開不可能な状態のいずれか一方にセットすることを特
    徴とする乗員検知システム。
  3. 【請求項3】 前記発振回路は高周波低電圧を発生する
    ように構成されており、第1のアンテナ電極を高周波低
    電圧が印加される送信電極とすると共に、第2のアンテ
    ナ電極を受信電極とし、この送信電極と受信電極との間
    に、高周波低電圧の印加により、微弱電界を発生させる
    ようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の乗
    員検知システム。
  4. 【請求項4】 前記第1のアンテナ電極をシ−トの着席
    部に配置すると共に、第2のアンテナ電極をダッシュボ
    −ド部分に、衝突などによってダッシュボ−ドに接近す
    る乗員の少なくとも一部分との対向面積が極力大きくな
    るように配置したことを特徴とする請求項1又は2に記
    載の乗員検知システム。
  5. 【請求項5】 前記制御回路は、予め記憶されている乗
    員とダッシュボ−ドとの許容限度の離隔距離に対応する
    しきい値デ−タと、第2のアンテナ電極側に流れる変位
    電流に基づく、乗員とダッシュボ−ドとの現実の離隔距
    離に対応する受信信号デ−タとを比較することにより、
    乗員とダッシュボ−ドとの離隔状況を検知するように制
    御することを特徴とする請求項1又は2に記載の乗員検
    知システム。
  6. 【請求項6】 前記第1のアンテナ電極側に発振回路
    を、第2のアンテナ電極側に微弱電界に基づいて流れる
    変位電流を検出して電圧に変換する電流・電圧変換回路
    をそれぞれ接続したことを特徴とする請求項1又は2に
    記載の乗員検知システム。
  7. 【請求項7】 車室内のシ−ト部分に第1のアンテナ電
    極を、このシ−トに対向するダッシュボ−ド部分に第2
    のアンテナ電極をそれぞれ配置し、この第1のアンテナ
    電極と第2のアンテナ電極との間に微弱電界を発生さ
    せ、微弱電界に基づいて流れる変位電流を検出し、この
    変位電流に基づいて乗員とダッシュボ−ドとの離隔状況
    を検知すると共に、この検知結果に基づくデ−タをエア
    バッグ装置に送信し、エアバッグ装置のエアバッグを展
    開可能な状態又は展開不可能な状態のいずれか一方にセ
    ットすることを特徴とする乗員検知方法。
JP15515397A 1997-06-12 1997-06-12 乗員検知システム及び乗員検知方法 Expired - Fee Related JP3322296B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15515397A JP3322296B2 (ja) 1997-06-12 1997-06-12 乗員検知システム及び乗員検知方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15515397A JP3322296B2 (ja) 1997-06-12 1997-06-12 乗員検知システム及び乗員検知方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH111152A true JPH111152A (ja) 1999-01-06
JP3322296B2 JP3322296B2 (ja) 2002-09-09

Family

ID=15599697

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15515397A Expired - Fee Related JP3322296B2 (ja) 1997-06-12 1997-06-12 乗員検知システム及び乗員検知方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3322296B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000225917A (ja) * 1999-02-02 2000-08-15 Nissan Motor Co Ltd エアバッグ制御装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000225917A (ja) * 1999-02-02 2000-08-15 Nissan Motor Co Ltd エアバッグ制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3322296B2 (ja) 2002-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6161070A (en) Passenger detection system
JP3346464B2 (ja) 乗員検知システム及び乗員検知方法
US6208249B1 (en) Passenger detection system
US6693440B2 (en) Vehicle occupant proximity seat sensor
JPH1111198A (ja) 乗員検知システム
JP3358517B2 (ja) 乗員検知システム及び乗員検知方法
JP3347071B2 (ja) 乗員検知システム
JP3458323B2 (ja) 乗員検知システム
JP3329370B2 (ja) 乗員検知システム
JP3322296B2 (ja) 乗員検知システム及び乗員検知方法
JP3282659B2 (ja) 乗員検知システム及び乗員検知方法
JP3322297B2 (ja) 乗員検知システム及び乗員検知方法
JPH10236269A (ja) 乗員検知システム
JP3394967B2 (ja) 乗員検知システム
JP3443698B2 (ja) 乗員検知システム及び乗員検知方法
JP3365477B2 (ja) 乗員検知システム及び乗員検知方法
JP3482590B2 (ja) 乗員検知システムにおける乗員検知方法
JP3328875B2 (ja) 乗員検知システム
JPH10236272A (ja) 乗員検知システム
JP3739930B2 (ja) 乗員検知システム及び乗員検知方法
JP3346456B2 (ja) 乗員検知システム
JP3476682B2 (ja) 乗員検知システム及び乗員検知方法
JP3476681B2 (ja) 乗員検知システム及び乗員検知方法
JP3553379B2 (ja) 乗員検知システム及び乗員検知方法
JPH10236271A (ja) 乗員検知システム

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020529

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080628

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090628

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100628

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100628

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110628

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120628

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130628

Year of fee payment: 11

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees