JPH11110744A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH11110744A
JPH11110744A JP27425497A JP27425497A JPH11110744A JP H11110744 A JPH11110744 A JP H11110744A JP 27425497 A JP27425497 A JP 27425497A JP 27425497 A JP27425497 A JP 27425497A JP H11110744 A JPH11110744 A JP H11110744A
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JP
Japan
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thin film
carbon
magnetic
recording medium
gas
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JP27425497A
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English (en)
Inventor
Katsumi Endo
克巳 遠藤
Noriyuki Kitaori
典之 北折
Osamu Yoshida
修 吉田
Hirohide Mizunoya
博英 水野谷
Takeshi Miyamura
猛史 宮村
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭素薄膜からなる保護層を有する金属薄膜型
の磁気記録媒体の耐久性と出力特性を向上させる。 【解決手段】 金属薄膜型の磁性層上に形成する保護層
を、ダイヤモンドライクカーボンと炭化水素重合物とか
らなる炭素薄膜から構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体に関
し、更に詳しくは、磁性層上に炭素薄膜からなる保護層
が形成された、耐久性に優れた磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】支持体上に真空中で金属を蒸着等により
付着させてなる、いわゆる金属薄膜型の磁気記録媒体
は、磁性層にバインダーを全く含まないことから磁性材
料の密度を高められるため、高密度記録に有望であると
されている。しかしながら、金属薄膜型の磁気記録媒体
の磁性層は、支持体上に金属が付着しているだけなの
で、そのままでは耐食性、耐久性が悪く、これを向上さ
せる目的でパーフルオロポリエーテル等のフッ素系の潤
滑剤、炭化水素系潤滑剤或いはこれらを併用した潤滑剤
を塗布したり、磁性層上に非磁性物の保護層を設けたり
することが行われてきた。保護層の上には更に前記同様
の潤滑剤が塗布されることもある。保護層としては、例
えば、炭化水素重合膜、ダイヤモンドライクカーボン、
炭化ケイ素、窒化ホウ素、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸
化アルミニウムなどの種々の炭化物、窒化物、酸化物か
ら構成される。中でも特に炭化水素重合膜、ダイヤモン
ドライクカーボンのような炭素薄膜は、硬度や耐食性に
優れ、磁気記録媒体の保護薄膜として注目されている。
前者は防蝕性や走行性、電磁変換特性に優れている点が
指摘されており、例えば特開昭59−154641号公
報には、炭化水素を原料とした炭化水素重合膜を保護膜
とした磁気ディスクが開示されている。また、後者は耐
久性や硬度に優れている点が指摘されており、例えば特
開昭53−143206号公報には、表面に炭素を主成
分とする皮膜を設けた磁気ディスクが開示されている。
【0003】この炭素薄膜を磁性層上に形成する方法と
しては、RF(Radio Frequency:高周波)プラズマCV
D(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長法) 法或
いはECR(Electron Cycrotoron Resonance: 電子サイ
クロトロン共鳴) プラズマCVD法等のようなCVD法
や、イオンプレーティング、イオンビーム蒸着、スパッ
タリングのようなPVD(Physical Vapor Deposition:
物理気相成長法) 法などの方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記C
VD法やPVD法により得られる炭化水素重合膜は磁気
記録媒体の保護層とするには軟らかすぎ、特に近年の高
密度記録用の磁気記録媒体では磁気ヘッドとの摺動速度
に耐えられず、十分な耐久性が得られないことがあっ
た。一方、ダイヤモンドライクカーボン(以下DLCと
言う場合もある)薄膜では逆に硬度が高くなりすぎ、磁
気ヘッドと磁気記録媒体との密着性が損なわれ、出力特
性が低下するという問題があった。特に磁気テープの保
護膜とした場合、この問題は顕著である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究した結果、磁気記録媒体の保護層と
しての炭素薄膜を、特定の構成成分により形成すること
により、適度な硬度と磁気ヘッドとの密着性を有し、耐
久性及び出力特性に優れた磁気記録媒体が得られること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、支持体と、該支持体上に
形成された金属薄膜型の磁性層と、該磁性層上に形成さ
れた炭素薄膜からなる保護層とを有する磁気記録媒体に
おいて、前記炭素薄膜がダイヤモンドライクカーボンと
炭化水素重合物とからなることを特徴とする磁気記録媒
体を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の磁気記録媒体の保護層
は、ダイヤモンドライクカーボンと炭化水素重合物とか
らなるが、かかる炭素薄膜は、下記の方法で作ることが
できる。
【0008】<スパッタリング法>スパッタリング法で
本発明の炭素薄膜を形成するには、例えば図1のような
装置を用いて行うことができる。図1の装置は、真空チ
ャンバ1内で巻き出しロール2から巻き取りロール3へ
と冷却キャンロール4を介してインライン走行される磁
気テープ5を基板として、磁気テープ5に成膜されてい
る磁性層上に保護層として炭素薄膜を成膜するためのも
のである。
【0009】冷却キャンロール4の下方には、スパッタ
リングターゲットとしてグラファイトターゲット6が置
かれ、その下側にはマグネトロンを形成するためのマグ
ネット7が配置されて、カソードが構成されている。カ
ソード周囲のアノード8との間には直流電源9が接続さ
れ、例えば300〜500V程度の直流電圧が印加され
るようになっている。ターゲット6の上方には、プラズ
マ形成のためのガス、例えばアルゴンを導入するガスノ
ズル10が設置されている。この構成により、ガスノズ
ル10から例えばアルゴンガスと炭化水素を導入し、カ
ソード−アノード間に電圧をかけてプラズマを生成し、
走行する磁気テープ5上にスパッタリングを行うと炭素
薄膜を堆積させることができる。なおマグネット7は、
平衡マグネトロン又は非平衡マグネトロンの何れとして
構成することもできる。
【0010】本発明の炭素薄膜をスパッタリング法で形
成する際のポイントは、炭化水素の存在下にスパッタリ
ングを行うことであり、図1の装置では、ガスノズル1
0から炭化水素ガスを導入する。特に炭素数2〜8の炭
化水素を導入することが好ましい。これにより、磁気テ
ープ上にダイヤモンドライクカーボンと炭化水素重合物
の混在する炭素薄膜が得られる。スパッタリング法の場
合、混入させる炭化水素は飽和炭化水素が好ましく、鎖
状飽和炭化水素としてはエタン、プロパンなどのアルカ
ン類が挙げられ、環状飽和炭化水素としてはシクロヘキ
サンなどのシクロアルカン類が挙げられ、これらに水
素、二酸化炭素、窒素などのガス或いはアルゴンなどの
希ガスなど、低反応性ガスを併用することもできる。炭
化水素は特に炭素数2〜8のものが好ましい。炭素数が
1の炭化水素(メタン)は分子量が小さすぎてほとんど
分解してダイヤモンドライクカーボン主体の硬質の炭素
薄膜ができやすい。また、炭素数が8を超える炭化水素
は分子量が大きくなりすぎて分解しにくく、炭化水素重
合物を主体とする軟質の炭素薄膜ができやすい。このた
め、炭素数2〜8の炭化水素を用いることで、ダイヤモ
ンドライクカーボンと炭化水素重合物の混在する炭素薄
膜が得られる。その他のスパッタリング条件は問わな
い。
【0011】<CVD法>本発明の保護層となる炭素薄
膜は、CVD法により形成することもできる。特にEC
RプラズマCVD法が好適である。ECRプラズマCV
D法は、例えば図2に示すような装置により行われる。
図2中、21は真空容器、22は冷却キャン、23はフ
ィルム、24はECR用電磁石、25はプラズマ励起
室、26は矩形導波管、27はマイクロ波電源、28は
石英製窓、29はパワーモニター、30はアイソレータ
ー、31は整合器(スリースタブチューナー)、32は
ガス流量コントローラー、33はターボ分子ポンプ、3
4はメカニカルブースターポンプ、35はロータリーポ
ンプであり、Aはマイクロ波、Bは原料ガスである。図
2の装置は、蒸着型磁気記録媒体の保護層としての炭素
薄膜を形成する装置の一例であり、真空容器21内で冷
却キャン上22を走行する磁性層が形成されたフィルム
23の磁性層上に炭素薄膜が形成される。図2において
は、ECR用電磁石(コイル)24によりプラズマ励起
室25から真空容器21の方向に発散磁界が形成され
る。プラズマ励起室25に接続された矩形導波管26に
よって導かれた2.45GHzのマイクロ波(図中A)
は、石英製窓28を通してプラズマ励起室25に導入さ
れる。プラズマ励起室25に導入された反応ガス(図中
B)はマイクロ波のエネルギーを吸収して高密度、高活
性なプラズマが発生する。コイル24により生じた発散
磁界により、プラズマ中のイオンは真空容器21方向へ
と引き出され、真空容器21内のフィルム23に向けて
照射され、フィルム23の磁性層表面に付着して薄膜が
形成される。
【0012】上記ECRプラズマCVD法により本発明
の炭素薄膜を形成するポイントを以下に説明する。炭素
源としてプラズマにより分解しやすい炭化水素、すなわ
ち不飽和結合を持った不飽和炭化水素と、分解し難い炭
化水素、すなわち飽和結合を持った飽和炭化水素とを混
合してプラズマ励起室25に導入する。ここで、炭化水
素としては、特に炭素数2〜8のものが好ましい。具体
的には、不飽和炭化水素としては、エチレン、アセチレ
ンなどの鎖式不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエンなど
の芳香族炭化水素を用いることができ、反応を損なわな
い限りベンズアルデヒドのような官能基を有する芳香族
炭化水素を用いることもできる。飽和炭化水素はスパッ
タリング法で例示したものが使用できる。不飽和炭化水
素ガスと飽和炭化水素ガスの混合比は、飽和炭化水素ガ
スの体積比が10〜60%であることが好ましい。この
時に、炭素数2〜8の飽和もしくは不飽和の炭化水素ガ
スを50%(体積比)以上含むガスを原料として用いる
ことが特に好ましい。その他の条件は公知のECRプラ
ズマCVD法に準じて行えばよく、通常マイクロ波出力
は500W程度であり、真空度が10-1〜10-4Tor
rとなるように炭素源となるガスを流す。
【0013】本発明の保護層において、ダイヤモンドラ
イクカーボンはグラファイト結合とダイヤモンド結合と
が混在した比較的硬度の高い成分からなり、一般に20
GPa以上、特に22〜25GPaの硬度を有する。一
方「炭化水素重合物」とは、炭化水素のポリマー、オリ
ゴマーが混在し、ダイヤモンドライクカーボンと比べて
比較的硬度の低い成分からなり、一般に20GPa未
満、特に6〜12GPaの硬度を有する。これら成分の
炭素薄膜中の存在量は薄膜硬度計により硬度分布を求め
て確認できる。
【0014】<硬度分布による確認>薄膜硬度計によ
り、炭素薄膜の単位面積(1mm×1mm)中の100
点について下記の条件により硬度を測定する。 ・硬度計:日本電気株式会社製、薄膜硬度計〔型番:M
HA−400〕 ・ダイヤモンド圧子:稜角80°、先端曲率2μm、三
角錐 ・押し込み深さ:30nm ・押し込み速度:2nm/秒 ・測定面積:1mm2
【0015】本発明の炭素薄膜は、上記方法により測定
される硬度が20GPa以上の高硬度の部分はダイヤモ
ンドライクカーボンが主として存在し、20GPa未満
の低硬度の部分は炭化水素重合物が主として存在すると
考える。
【0016】本発明の炭素薄膜はその面積(上記測定法
においては単位面積当たり)の40%以上が硬度20G
Pa以上であることが好ましく、より好ましくは前記面
積比が45〜80%である。この面積比の制御は、例え
ばスパッタリング法の場合、炭化水素ガスの導入量を増
やすことにより硬度20GPa以上の部分の面積を低減
でき、炭化水素ガスの導入量を減らすことにより硬度2
0GPa以上の部分の面積を増加できる。具体的には炭
化水素ガスの導入量を10〜70%(体積比)とするこ
とで、前記面積比が45〜80%の炭素薄膜が得られ
る。また、CVD法の場合、不飽和炭化水素と飽和炭化
水素の混合ガスにおける飽和炭化水素の比率を増やすこ
とにより硬度20GPa以上の部分の面積を低減でき、
飽和炭化水素の比率を減らすことにより硬度20GPa
以上の部分の面積を増加できる。具体的には、飽和炭化
水素の比率を20〜50%(体積比)とすることで、前
記面積比が45〜80%の炭素薄膜が得られる。
【0017】本発明の磁気記録媒体において、炭素薄膜
からなる保護層の厚さは5〜40nmが好ましく、より
好ましくは10〜35nmである。
【0018】本発明の磁気記録媒体は金属薄膜型の磁性
層を有する。金属薄膜型の磁性層を形成する磁性材料と
しては、通常の金属薄膜型の磁気記録媒体の製造に用い
られる強磁性金属材料が挙げられ、例えばCo、Ni、
Fe等の強磁性金属、また、Fe−Co、Fe−Ni、
Co−Ni、Fe−Co−Ni、Fe−Cu、Co−C
u、Co−Au、Co−Y、Co−La、Co−Pr、
Co−Gd、Co−Sm、Co−Pt、Ni−Cu、M
n−Bi、Mn−Sb、Mn−Al、Fe−Cr、Co
−Cr、Ni−Cr、Fe−Co−Cr、Ni−Co−
Cr等の強磁性合金が挙げられる。また、これら金属も
しくは金属合金の窒化物、炭化物、酸化物も好ましい。
【0019】高密度記録のためには磁気記録媒体の磁性
層は、斜め蒸着により基材上に形成することが好まし
い。斜め蒸着の方法は特に限定されず、従来公知の方法
に準ずる。蒸着の際の真空度は10-4〜10-7Torr
程度である。蒸着による磁性層は単層構造でも多層構造
の何れでも良く、特に、酸化性ガスを導入して磁性層表
面に酸化物を形成することにより、耐久性の向上を図る
ことができる。
【0020】なお、本発明においては、磁性層は一層或
いは多層とすることができる。磁性層が一層の場合、そ
の厚さは10〜300nmが好ましい。また、多層の磁
性層を形成する場合、二層では、下層の磁性層の厚さが
10〜200nm、上層の磁性層の厚さが5〜100n
mが好ましく、三層では、下層の磁性層の厚さが10〜
200nm、中間の磁性層の厚さが10〜100nm、
上層の磁性層の厚さが5〜100nmが好ましい。ま
た、磁性層の数は多くても良いが、実用的な範囲として
は二〜五層が適当と考えられる。
【0021】本発明の磁気記録媒体において、支持体と
しては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ
エチレンナフタレート(PEN)のようなポリエステ
ル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン; セルローストリアセテート、セルロースジアセテー
ト等のセルロース誘導体;ポリカーボネート;ポリ塩化
ビニル;ポリイミド;芳香族ポリアミド等のプラスチッ
ク等が使用される。これらの支持体の厚さは3〜50μ
m程度である。
【0022】更に、支持体上にバックコート層を形成す
ることができる。バックコート層は、カーボンブラック
やバインダーを主成分とする厚さ0.2〜1.0μm程
度の塗布型のバックコート層でもよいし、蒸着法、直流
スパッタリング法、交流スパッタリング法、高周波スパ
ッタリング法、直流マグネトロンスパッタリング法、高
周波マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパ
ッタリング法などのメッキ手段により、真空中で金属又
は半金属を支持体に付着させて形成された金属薄膜型の
バックコート層でもよい。後者の場合、バックコート層
として付着する金属としては、いろいろ考えられるが、
Al、Cu、Zn、Sn、Ni、Ag、Coなど及びこ
れらの合金が用いられ、Al、CoやCu−Al合金が
好適である。更に蒸着時に酸化反応、炭化反応等をさせ
た酸化膜、炭化膜などのようにセラミックス化したもの
も好適である。また、バックコート層を形成する半金属
としては、Si、Ge、As、Sc、Sbなどが用いら
れ、Siが好適である。また、更に添加物をドープし、
導電率を向上させることは好ましい。金属薄膜型のバッ
クコート層の厚さは、0.05〜1.0μm程度であ
る。
【0023】また、本発明の磁気記録媒体においては、
本発明の炭素薄膜保護層上に適当な潤滑剤からなる潤滑
剤層を形成することが好ましい。潤滑剤としては、特に
パーフルオロポリエーテル等のフッ素系の潤滑剤の塗料
が好ましく、潤滑剤層の厚さは5〜100Å程度であ
る。潤滑剤としては、例えば-[C(R)F-CF2-O]p-(但し、
R はF,CF3, CH3などの基)、特にHOOC-CF2(OC2F4)p(OCF
2)q-OCF2COOH,F-(CF2CF2CF2O)n-CF2CF2COOH 等のカル
ボキシル基変性パーフルオロポリエーテル、HOCH2-CF
2(OC2F4)p(OCF2)q-OCF2-CH2OH, HO-(C2H4O)m-CH2-(OC2F
4)p(OCF2)q-OCH2-(OCH2CH2)n-OH, F-(CF2CF2CF2O)n-CF2
CF2CH2OH等のアルコール変性パーフルオロポリエーテル
が挙げられる。分子量は500〜50000のものが好
ましい。具体的には、モンテカチーニ社の商品名「FO
MBLIN Z DIAC」や「FOMBLIN Z
DOL」、ダイキン工業社の商品名「デムナムSA」等
がある。なお、本発明においては、バックコート層上に
も上記のような潤滑剤層を形成してもよい。
【0024】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。しかしな
がら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0025】実施例1 厚さ6.5μmのPETフィルム上に、コバルトを斜め
蒸着により200nmの厚みで磁性層を成膜した。この
磁性層は、Hc=1600Oe、角形比=0.87、B
s=5800Gであった。次いで、この磁気テープ原反
5の表面に、図1のスパッタ装置を用い、ターゲット6
としてグラファイトターゲット6を用いたDCマグネト
ロンスパッタリングにより、炭素薄膜を成膜した。ガス
ノズル10からはスパッタガスとして、アルゴンガスと
エタンガスの混合ガス(エタンガスの体積比30%)を
チャンバ内の真空度が4.0×10-4Torrとなるよ
うに導入した。ここで、スパッタ出力は2kWであっ
た。この方法により、磁性層上に厚さ30nmの炭素薄
膜を形成した。上記により得られた炭素薄膜について、
前記の方法で硬度分布を測定し、硬度が20GPa以上
である部分と20GPa未満である部分の面積比を求め
た。その結果を表1に示す。また、炭素薄膜が形成され
たフィルムの磁性層と反対の面にカーボンブラックとバ
インダーとからなる厚さ500nmのバックコート層を
形成した。更に炭素薄膜上に常法により厚さ2nmのパ
ーフルオロポリエーテルからなる潤滑剤層を形成した。
得られたフィルムを8mm巾に裁断し、カセットケース
にローディングし8mmカセットテープを得た。得られ
た8mmカセットテープについて、出力特性及びスチル
耐久性を下記の方法で評価した。その結果を併せて表1
に示す。
【0026】<出力特性>ハイバンド化した8mmビデ
オ(EV−3000、ソニー株式会社製)により出力比
較を行った。なお、このときの出力は、比較例2を基準
(0dB)とする相対評価とした。 <スチル耐久性>20℃、50%RHの条件下でスチル
再生し、出力が3dBまで低下するまでの時間を測定し
た。
【0027】実施例2 実施例1において、スパッタガスとして、エタンガスの
体積比が50%のアルゴンガスとエタンガスの混合ガス
を用いた。それ以外は実施例1と同様にして磁性層上に
厚さ30nmの炭素薄膜を形成し、実施例1と同様にし
て8mmカセットテープを得た。炭素薄膜について実施
例1と同様に面積比を測定し、また、8mmカセットテ
ープについて実施例1と同様に出力特性及びスチル耐久
性を評価した。その結果を併せて表1に示す。
【0028】実施例3 厚さ6.5μmのPETフィルム上に、コバルトを斜め
蒸着により200nmの厚みで磁性層を成膜した。この
磁性層は、Hc=1600Oe、角形比=0.87、B
s=5800Gであった。次いで、磁気テープ原反5を
図2のECRプラズマCVD装置にセットし、この磁気
テープ原反5の磁性層上に厚さ30nmの炭素薄膜から
なる保護層を形成し磁気テープを得た。該装置における
諸条件は、導入マイクロ波出力600W、成膜速度20
m/分とし、原料ガスとしてメタンガスとアセチレンガ
スの混合ガス(メタンガスの体積比30%)をチャンバ
内の真空度が4.0×10-4Torrとなるように導入
した。上記により得られた炭素薄膜について、実施例1
と同様に面積比を測定した。その結果を表1に示す。ま
た、炭素薄膜が形成されたフィルムの磁性層と反対の面
にカーボンブラックとバインダーとからなる厚さ500
nmのバックコート層を形成した。更に炭素薄膜上に常
法により厚さ2nmのパーフルオロポリエーテルからな
る潤滑剤層を形成した。得られたフィルムを8mm巾に
裁断し、カセットケースにローディングし8mmカセッ
トテープを得た。得られた8mmカセットテープについ
て、出力特性及びスチル耐久性を実施例1と同様に評価
した。その結果を併せて表1に示す。
【0029】実施例4 実施例1において、スパッタガスとして、エタンガスの
体積比が85%のアルゴンガスとエタンガスの混合ガス
を用いた。それ以外は実施例1と同様にして磁性層上に
厚さ30nmの炭素薄膜を形成し、実施例1と同様にし
て8mmカセットテープを得た。炭素薄膜について実施
例1と同様に面積比を測定し、また、8mmカセットテ
ープについて実施例1と同様に出力特性及びスチル耐久
性を評価した。その結果を併せて表1に示す。
【0030】比較例1 実施例1において、スパッタガスとして、アルゴンガス
のみを用いた。それ以外は実施例1と同様にして磁性層
上に厚さ30nmの炭素薄膜を形成し、実施例1と同様
にして8mmカセットテープを得た。炭素薄膜について
実施例1と同様に面積比を測定し、また、8mmカセッ
トテープについて実施例1と同様に出力特性及びスチル
耐久性を評価した。その結果を併せて表1に示す。
【0031】比較例2 実施例3において、原料ガスをエタンガスのみとし、チ
ャンバ内の真空度が4.0×10-4Torr(排気真空
度3.0×10-6Torr)となるように導入した。ま
た、導入マイクロ波出力を200Wとし、それ以外は実
施例3と同様にして磁性層上に厚さ30nmの炭素薄膜
を形成した。その後実施例1と同様にして8mmカセッ
トテープを得た。炭素薄膜について実施例1と同様に面
積比を測定し、また、8mmカセットテープについて実
施例1と同様に出力特性及びスチル耐久性を評価した。
その結果を併せて表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、耐
久性と出力特性に優れた金属薄膜型の磁気記録媒体が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用される薄膜形成装置の例を示す略
【図2】本発明に使用される薄膜形成装置の他の例を示
す略図
【符号の説明】
1:真空チャンバ 5:磁気テープ 6:グラファイトターゲット 10:ガスノズル 21:真空容器 22:冷却キャン 23:フィルム 24:ECR用電磁石 25:プラズマ励起室 26:矩形導波管 27:マイクロ波電源 31:整合器(スリースタブチューナー) A:マイクロ波 B:原料ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水野谷 博英 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 宮村 猛史 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、該支持体上に形成された金属
    薄膜型の磁性層と、該磁性層上に形成された炭素薄膜か
    らなる保護層とを有する磁気記録媒体において、前記炭
    素薄膜がダイヤモンドライクカーボンと炭化水素重合物
    とからなることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記炭素薄膜の面積の40%以上が硬度
    20GPa以上である請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記炭素薄膜の面積の45〜80%が硬
    度20GPa以上である請求項1又は2記載の磁気記録
    媒体。
  4. 【請求項4】 前記炭素薄膜が、グラファイトをターゲ
    ットとし、炭素数2〜8の炭化水素の存在下にスパッタ
    リングを行うことにより形成されたものである請求項1
    〜3の何れか1項記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記炭素薄膜が、炭素数2〜8の不飽和
    炭化水素ガスを30〜90%(体積比)以上含む飽和炭
    化水素との混合ガスを原料とするECRプラズマCVD
    法により形成されたものである請求項1〜3の何れか1
    項記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか1項記載の磁気テ
    ープ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101318762B1 (ko) * 2010-04-15 2013-10-17 경북대학교 산학협력단 Dlc 필름 코팅 물품, 그 제조 장치 및 방법

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