JP2577924B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2577924B2
JP2577924B2 JP62192788A JP19278887A JP2577924B2 JP 2577924 B2 JP2577924 B2 JP 2577924B2 JP 62192788 A JP62192788 A JP 62192788A JP 19278887 A JP19278887 A JP 19278887A JP 2577924 B2 JP2577924 B2 JP 2577924B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は磁気記録媒体に関し、さらに詳しくは耐久
性に優れた磁気記録媒体に関する。
〔従来の技術〕
一般に、金属もしくはそれらの合金などを真空蒸着、
スパッタリング等によって、ポリエステルフイルムなど
の軟質の基体フイルム上に被着してつくられる磁気記録
媒体は、高密度記録に適した特性を有する反面、磁気ヘ
ッドとの摩擦係数が大きく、摺接時に強磁性金属薄膜層
が摩耗されやすい。
このため、従来から強磁性金属薄膜層上に種々の保護
膜層を設けるなどして耐久性を改善することが行われて
おり、たとえば、プラズマ重合保護膜層を強磁性金属薄
膜層上に設けたり(特開昭57−82229号)、あるいはダ
イヤモンド状カーボンからなる保護膜層を強磁性金属薄
膜層上に設ける(特公昭60−23406号)ことが試みられ
ている。
〔発明が解決しようとする問題点〕 ところが、このようなプラズマ重合保護膜層やダイヤ
モンド状カーボンからなる保護膜層は、単独では充分な
硬度と耐摩耗性を有するものの、靭性が足りないため、
磁気テープやフロッピーディスクなどの軟質な基体を用
いたフレキシブルな磁気記録媒体の保護膜層として適用
した場合、磁気ヘッドの押し付けによる基体の変形に追
従できず、保護膜層が破壊されたり、強磁性金属薄膜層
から剥離されやすいという難点がある。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明はかかる現状に鑑み鋭意研究を重ねた結果な
されたもので、曲げこわさが1kg・mm以下の軟質の非磁
性基体上に強磁性金属薄膜層を形成し、この強磁性金属
薄膜層上に、炭素原子と水素原子を主成分として含み、
かつ水素原子を保護膜層中の全構成原子に対して30〜60
原子%含有させ、さらに酸素原子、ケイ素原子から選ば
れる少なくとも1種以上を、保護膜層中の全構成原子に
対して20原子%以下の含有割合で含有させた保護膜層を
設けることによって、保護膜層の応力歪みを抑制すると
ともに靭性を一段と良好にし、磁気ヘッドの押し付けに
よる基体の変形に柔軟に追従させて、保護膜層の破壊や
強磁性金属薄膜層からの剥離を抑制し、さらに強磁性金
属薄膜層に対する接着性をも改善して、耐久性を充分に
向上させたものである。
この発明において、強磁性金属薄膜層上に被着形成さ
れる保護膜層は、炭素原子と水素原子を主成分とし、か
つ水素原子を保護膜層中の全構成原子に対して30〜60原
子%含有するものであることが好ましく、かかる組成の
保護膜層を50〜1000Åの厚さで強磁性金属薄膜層上に形
成すると、適度に含有される水素原子によって、充分な
硬度と靭性を合わせ持ち、かつ強磁性金属薄膜層との接
着性に優れた保護膜層が得られる。従って、磁気テープ
やフロッピーディスクなどの軟質な基体を用いたフレキ
シブルな磁気記録媒体において、このような保護膜層を
強磁性金属薄膜層上に形成すると、磁気ヘッドの押し付
けによる基体の変形に柔軟に追従し、保護膜層が破壊さ
れたり、強磁性金属薄膜層から剥離したりすることもな
く、耐久性が充分に向上される。
これに対し、炭素原子と水素原子を主成分として含む
保護膜層において、水素原子の含有量が保護膜層中の全
構成原子に対して30原子%より少ないと、保護膜層の靭
性が低下し、脆くなって保護膜層の破壊や剥離が起きや
すくなり、60原子%より多くすると保護膜層が有機高分
子的になり、柔らかくなって耐摩耗性が低下する。ま
た、保護膜層の膜厚は50Åより薄いと充分な保護効果が
得られず、1000Åを超えると保護膜層の歪みが大きくな
って磁気ヘッドとの摺動時に保護膜層の破壊が起きやす
くなるため、50〜1000Åの範囲内にするのが好ましく、
70〜500Åの範囲にするのがより好ましい。
このように炭素原子と水素原子を主成分とし、かつ水
素原子を保護膜層中の全構成原子に対して30〜60原子%
含有する保護膜層は、さらに酸素原子、ケイ素原子から
選ばれる少なくとも1種以上を含有させるのが好まし
く、これらを含有させるとこれらの原子によって保護膜
層の靭性がさらに向上され、保護膜層の破壊や強磁性金
属薄膜層からの剥離が、充分に抑制されて、耐久性がさ
らに一段と向上される。この際、これらの原子は、保護
膜層中の全構成原子に対して20原子%より多く含有させ
ると、保護膜層の耐摩耗性が低下するため、保護膜層中
に全構成原子に対して20原子%以下の含有割合で保護膜
層中に含有させるのが好ましい。
このような保護膜層の形成は、炭化水素化合物のモノ
マーガスを、酸素ガス、シランガスなどとともに用いる
プラズマCVD法やイオンビーム蒸着法によって形成する
か、あるいはグラファイトなどを希ガスと水素ガス、酸
素ガス、シランガスなどとの混合ガス雰囲気下でスパッ
タリングするなどの方法で形成される。
プラズマCVD法やイオンビーム蒸着法で使用する炭化
水素化合物のモノマーガスとしては、たとえば、メタ
ン、エタン、エチレン、ベンゼン、ヘキサン、アセチレ
ンなどが好適なものとして使用され、保護膜層の組成を
制御するため水素ガスを併用することが行われる。ま
た、炭化水素化合物のモノマーガスや水素ガスとともに
酸素ガス、シランガスなどが併用され、炭素原子と水素
原子を主成分とし、酸素原子、ケイ素原子などを含有し
た保護膜層が形成される。
また、スパッタリングに使用するターゲットとして
は、グラファイト、グラッシーカーボン等が好適なもの
として使用される。このスパッタリングは、通常、アル
ゴンガス、ネオンガスなどの希ガス中で高周波を使用し
て行われ、水素原子を含有させるためこれらの希ガスに
水素ガスを混合して行われる。また、さらに酸素原子、
ケイ素原子などを含有させるため、前記の希ガスと水素
ガスの混合ガスに、さらに酸素ガス、シランガスなどを
混合して行なわれる。
強磁性金属薄膜層の形成材料としては、Co、Fe、Ni、
Co−Ni合金、Co−Cr合金、Co−P合金、Co−Ni−P合
金、Fe−Co合金などの強磁性材が使用され、これらの強
磁性材からなる強磁性金属薄膜層は、真空蒸着、イオン
プレーティング、スパッタリング、メッキ等の手段によ
って基体上に被着するなどの方法で形成される。
また、基体としては、次式 E:ヤング率 h:基板厚 σ:ポアソン比 で表される曲げこわさが1kg・mm以下のポリエステルフ
イルム、ポリイミドフイルムなどの合成樹脂フイルム、
さらにアルミニウムフイルム、ステンレスフイルムなど
の金属フイルムなどが使用される。
磁気記録媒体としては、曲げこわさが1kg・mm以下の
非磁性基体上に強磁性金属薄膜層を形成した磁気テー
プ、磁気デイスク、磁気ドラムなど、磁気ヘッドと摺接
する構造の種々の形態を包含する。
〔実施例〕
次に、この発明の実施例について説明する。
実施例1 厚さが10μmのポリエステルフイルム(曲げこわさ3.
5×10-5kg・mm)を真空蒸着装置に装填し、1×10-5
ールの真空下でコバルトを加熱蒸発させてポリエステル
フイルム上に厚さ1000Åのコバルトからなる強磁性金属
薄膜層を形成した。
次いで、第1図に示すプラズマCVD装置を使用し、強
磁性金属薄膜層を形成したポリエステルフイルム1を処
理槽13内下部に配設したRF電極14上に設置した。次い
で、処理槽13に取りつけたガス導入管15からメタンガス
とシランガスとを容積比10:1で混合した混合ガスを50sc
cmの流量で導入してガス圧を0.02トールとした後、RF電
極14に13.56MHzの高周波を0.5W/cm2の電力密度で20秒間
印加して、プラズマCVDを行い、強磁性金属薄膜層上に
厚さ130Åの保護膜層を形成した。なお、第1図中16は
アース電極、17はRF電極14に高周波を印加するための高
周波電源、18は処理槽13を排気するための排気系であ
る。
しかる後、所定の巾に裁断して第2図に示すようなポ
リエステルフイルム1上に強磁性金属薄膜層11および保
護膜層12を順次に積層形成した磁気テープAをつくっ
た。
実施例2 実施例1における保護膜層の形成において、メタンガ
スとシランガスとの混合ガスに代えて、メタンガスと水
蒸気とを容積比3:1で混合した混合ガスを50sccmの流量
で導入し、ガス圧を0.01トールとして0.5W/cm2の電力密
度で高周波を20秒間印加した以外は、実施例1と同様に
して膜厚が160Åの保護膜層を形成し、磁気テープAを
つくった。
比較例1 実施例1における保護膜層の形成において、高周波の
電力密度と印加時間を0.5W/cm2、20秒間から、0.1W/c
m2、2分間に変更した以外は、実施例1と同様にして膜
厚が150Åの保護膜層を形成し、磁気テープをつくっ
た。
比較例2 実施例1における保護膜層の形成において、ガス圧力
と高周波の電力密度と印加時間を0.02トール、0.5W/c
m2、20秒間から、0.005トール、3W/cm2、10秒間に変更
した以外は、実施例1と同様にして膜厚が120Åの保護
膜層を形成し、磁気テープをつくった。
比較例3 実施例1における保護膜層の形成において、高周波の
印加時間を20秒間から5秒間に変更した以外は、実施例
1と同様にして膜厚が30Åの保護膜層を形成し、磁気テ
ープをつくった。
比較例4 実施例1における保護膜層の形成おいて、高周波の印
加時間を20秒間から3分間に変更した以外は、実施例1
と同様にして膜厚が1300Åの保護膜層を形成し、磁気テ
ープをつくった。
比較例5 実施例1における保護膜層の形成において、強磁性金
属薄膜層を形成したポリエステルフイルム1を、RF電極
14上に設置する代わりに、アース電極16を設置した以外
は、実施例1と同様にして膜厚220Åのプラズマ重合保
護膜層を形成し、磁気テープをつくった。
比較例6 実施例1と同様にして強磁性金属薄膜層を形成したポ
リエステルフイルム1をイオンビームスパッタ装置に設
置し、スパッタガスとしてアルゴンガスと水素ガスとを
容積比30:70で混合した混合ガスを使用して、グラファ
イトターゲットのイオンビームスパッタ膜を強磁性金属
薄膜層上に200Å厚で形成し、磁気テープをつくった。
比較例7 実施例1において、保護膜層の形成を省いた以外は、
実施例1と同様にして磁気テープをつくった。
各実施例および比較例で得られた磁気テープについ
て、保護膜層の組成を調べ、耐摩耗性を試験した。ま
た、摩擦係数を測定して走行性を調べた。保護膜層の組
成は、水素原子、炭素原子、酸素原子については、CHN
コーダにより求め、その他の原子については、オージェ
スペクトルにより求めた。また、耐摩耗性はスチル試験
を行い、出力が6dB低下する時間をもってスチル寿命と
して評価した。さらに、摩擦係数は固定ピン摺動試験を
行って測定した。
下記第1表はその結果である。
〔発明の効果〕 上記第1表から明らかなように、実施例1および2で
得られた磁気テープは、いずれも比較例1〜7で得られ
た磁気テープに比し、スチル寿命が長くて摩擦係数が小
さく、このことからこの発明によって得られる磁気記録
媒体は、耐摩耗性および走行性が良好で耐久性に優れて
いることがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図は保護膜層を形成する際に使用するプラズマCVD
装置の一例を示す概略断面図、第2図はこの発明によっ
て得られた磁気テープの部分拡大断面図である。 1……ポリエステルフイルム(非磁性基体)、11……強
磁性金属薄膜層、12……保護膜層、A……磁気テープ
(磁気記録媒体)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】曲げこわさが1kg・mm以下の非磁性基板上
    に強磁性金属薄膜層を形成し、この強磁性金属薄膜層上
    に、炭素原子と水素原子を主成分として含み、かつ水素
    原子を保護膜層中の全構成原子に対して30〜60原子%含
    有させ、さらに酸素原子、ケイ素原子から選ばれる少な
    くとも1種以上を、保護膜層中の全構成原子に対して20
    原子%以下の含有割合で含有させた厚みが50〜1000Åの
    保護膜層を設けたことを特徴とする磁気記録媒体
  2. 【請求項2】保護膜層の厚みが70〜500Åである特許請
    求の範囲第1項記載の磁気記録媒体
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