JPH10219459A - プラズマcvd装置およびこれを用いた磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

プラズマcvd装置およびこれを用いた磁気記録媒体の製造方法

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JPH10219459A
JPH10219459A JP2791597A JP2791597A JPH10219459A JP H10219459 A JPH10219459 A JP H10219459A JP 2791597 A JP2791597 A JP 2791597A JP 2791597 A JP2791597 A JP 2791597A JP H10219459 A JPH10219459 A JP H10219459A
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JP
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substrate
film
reaction tube
plasma cvd
magnetic recording
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JP2791597A
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English (en)
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Kazuyuki Usuki
一幸 臼杵
Masataka Ota
正孝 太田
Makoto Nagao
信 長尾
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プラズマインジェクションCVD装置の成膜膜
厚の幅方向分布を単純な方法で改善した装置を提供し、
かつこれを用いて磁気記録媒体の保護膜を製造するこ
と。 【解決手段】円筒形の反応管に原料ガスを導入しながら
高周波バイアスを印加して原料ガスを活性化させ、原料
ガス導入部と連続搬送される基板にバイアスを印加する
ことによって活性種を基板に連続的に堆積させるプラズ
マCVD装置において、基板と反応管出口の間に活性種
を通過させると共に基板に活性種を均一に堆積させる機
能を有した形状である開口部を平板に設けた整流板が配
備されていることを特徴とするプラズマCVD装置。前
記プラズマCVD装置および強磁性金属薄膜を設けた磁
気記録媒体を基板として用い、基板に負バイアスを印加
することによって、強磁性金属薄膜上に保護膜を形成す
ることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】プラズマCVD装置とこれを
用いた磁気記録媒体用保護膜の作成方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ビデオテープやハードデスクに代表され
る磁気記録媒体においては、記録密度を高めるため、強
磁性金属薄膜を磁性層とする媒体が市販されるようにな
ってきた。このような金属薄膜型の磁気記録媒体におい
ては、一般的に磁性膜上に非常に薄い保護膜を形成して
耐磨耗性を改善し、さらにその上に潤滑剤を塗布して滑
り性を高めることによって、十分な信頼性を確保してい
る。
【0003】このような保護膜といては、カーボン保護
膜が最も一般的に使用されている。これはカーボン保護
膜が非常に薄い膜厚で十分な耐磨耗性を有し、摺動部材
に焼き付きを生じ難いためである。このカーボン保護膜
の製造方法として、ハードディスクにおいては、スパッ
タ法が一般的であるが、ビデオテープ等の連続成膜を行
う必要のある製品ではより成膜速度の高いプラズマCV
Dを用いる方法が多数提案されている。中でもプラズマ
インジェクションCVD(PI−CVD)法は成膜速度
が非常に高く、得られる炭素保護膜も硬質かつピンホー
ルが少ない良質な保護膜が得られると報告されている
(例えば、特開昭61−130487、特開昭63−2
79426、特開平3−113824等)。
【0004】このプラズマインジェクションCVD法と
はプラズマ化した原料ガスをバイアスおよび圧力差を利
用して基板上に吹き付け、基板上に薄膜を形成する方法
であり、成膜速度が高くかつ良質な薄膜を得ることがで
き、かつ連続成膜が可能であるという特徴を有する。図
6にプラズマインジェクションCVD法を用いた連続成
膜装置の概略図を示す。強磁性金属薄膜を形成した基板
(磁気記録媒体)14を巻きだしローラー2に設置し、
回転ローラー5および成膜キャン4を経由して巻き取り
ローラー3に巻き取る。この際、強磁性金属薄膜に接す
る回転ローラーに基板バイアス電源13からバイアスを
印加することによって、強磁性金属薄膜に基板バイアス
を発生させる。励起コイル7を巻き付けた反応管6(例
えば、石英反応管)内にガス導入管9から導入される原
料ガス(例えばメタン)と必要に応じてキャリアガス
(例えば、アルゴン)を導入し、励起コイル7に高周波
電源10からの高周波電力を印加する事によって原料ガ
スをプラズマ化する。反応管内にはメッシュ状アノード
電極8を設け、基板バイアスとアノードバイアス電源1
2からのアノードバイアスによってプラズマ中のイオン
種を加速させて基板上に吹き付ける。また同時に反応管
内外の圧力差によってプラズマは基板方向に流れる。こ
れらのプラズマ流によって基板上に原料ガスに相応した
薄膜が形成される。
【0005】しかしながら、この方法の問題点の一つは
円筒状の反応管を用いるため、図5に示すように基板の
搬送方向(矢印)に対して垂直方向、即ち、基板の幅方
向において、プラズマとの接触時間が異なるため、言い
換えれば反応管の中心部と端部とでプラズマの通過濃度
が異なるため、反応管中心部で厚く、反応管端部で薄く
なるように成膜量が異なる、つまり幅方向の膜厚分布が
生じることであった。
【0006】この問題を解決するには基板幅より十分に
大きい直径の反応管を使用するか、複数の反応管を基板
幅方向に並べるか、反応管の出口を変形させ、プラズマ
流を幅方向により均一にしなければならない。このよう
な方法では装置が大がかりかつ複雑になり、生産性に問
題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はプラズマイン
ジェクションCVD装置の成膜膜厚の幅方向分布を単純
な方法で改善した装置を提供し、かつこれを用いて磁気
記録媒体の保護膜を製造しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は、円筒形の反
応管に原料ガスを導入しながら高周波バイアスを印加し
て原料ガスを活性化させ、原料ガス導入部と連続搬送さ
れる基板にバイアスを印加することによって活性種を基
板に連続的に堆積させるプラズマCVD装置において、
基板と反応管出口の間に活性種を通過させると共に基板
に活性種を均一に堆積させる機能を有した形状である開
口部を平板に設けた整流板が配備されていることを特徴
とするプラズマCVD装置、及び前記プラズマCVD装
置および強磁性金属薄膜を設けた磁気記録媒体を基板と
して用い、基板に負バイアスを印加することによって、
強磁性金属薄膜上に保護膜を形成することを特徴とする
磁気記録媒体の製造方法により解決される。
【0009】本発明のプラズマCVD装置は、基板と反
応管の間に活性種を均一に堆積させる機能を有した形状
である開口部を有する整流板を設けたことを特徴とする
もので、基板の幅方向の膜厚差を低減することができ、
このプラズマCVD装置を強磁性金属薄膜型磁気記録媒
体の保護膜形成用に用いることにより、有効成膜幅を拡
大することができる。
【0010】本発明でいう活性種とは、原料ガスからプ
ラズマ化され、かつ基板に堆積される活性種を言う。整
流板の開口部は、上記機能を有すれば特に制限はない
が、平板に円と2個の矩形を該矩形の各々の長辺が互い
に平行であって、かつ各々の長辺の一つのみが、円と2
点で交わり各々の他の長辺は該円の外部となるように描
いた時の外周部をくり抜いた形状で、前記円の直径は、
ほぼ反応管の直径以上であることが好ましい。また、整
流板は該長辺が基板の搬送方向と同方向で該整流板の中
心が反応管の軸と一致するように配備されることが好ま
しい。
【0011】以下、添付図を参照して具体的に本発明を
説明する。つまり本発明では、図1に示すように反応管
6と基板14の間にプラズマの整流板15を設置するこ
とを特徴としている。この整流板15の形状の好ましい
具体的を図示すると、図2に示すものが挙げられる。図
2は図1のおいて基板から反応管6の軸方向に見た整流
板の平面図である。この整流板15は、平板16に円形
の円形窓17と矩形の逃げ窓18からなる開口部19を
設けたものである。円形窓17は、反応管6の直径とほ
ぼ同じかまたは若干大きめの円形である。逃げ窓17
は、基板搬送方向に対して垂直な方向(基板の幅方向)
に平行であって、円形窓の円弧の接線の延長線が矩形の
短辺に一致乃至ほぼ一致するように円形窓の両脇に設け
られている。本発明の整流板15は、この逃げ窓に向か
ってプラズマを流出させるように機能するため、成膜し
た薄膜膜厚の幅方向分布を大幅に改善することができ
る。本発明の整流板はじゃま板を設置する場合と異な
り、成膜速度を低下させることが無い。つまり、反応管
中央部に対応する基板の成膜速度を低下させることな
く、反応管端部に対応する基板の成膜速度を大幅に増加
させることができるのである。
【0012】図2を用いてさらに好ましい実施形態につ
いて説明する。まず整流板15を形成する平板16の材
質としては、特に限定されず、プラスチックなどの樹脂
や金属ともに使用可能であり、ローラの曲面に沿って平
行になるような弾性を有しているのが好ましい。ただ
し、金属を使用する場合には金属は電気的に浮かした状
態が好ましく、基板同様のバイアスを印加してしまうと
放電が発生する場合がある。整流板の厚みは、好ましく
は0.1〜1.0mm程度である。
【0013】円形窓17が反応管直径より小さい場合は
プラズマの流れが阻害され、均一な幅方向分布が得られ
なくなる。またあまり大きすぎると逃げ窓18の効果が
減少し、整流板が無い場合とほぼ同じ幅方向分布となっ
てしまう。従って、円形窓17の円部分の直径は反応管
直径に対し、1.0〜1.3倍の範囲であることが好ま
しい。
【0014】一方、両脇の逃げ窓18は、あまり小さす
ぎるとプラズマ流出の効果が減少し、逃げ窓が無い場合
と大差ない幅方向分布となるため、幅は反応管直径に対
して0.1倍以上、長さは反応管直径に対して0.7倍
以上であることが好ましく、幅0.2倍、長さ1.2倍
近傍で最も良好な膜厚分布を得ることができる。また、
円形窓と逃げ窓の連結部に存在する突起20(4個あ
る)の存在は非常に重要であり、この部分が存在しない
と良好な膜厚分布は得られない。この突起はプラズマを
幅方向に押し出す作用を有しているものと考えられる。
【0015】この整流板と基板及び反応管先端の位置関
係は、反応管から基板に向かって十分にプラズマが吹き
付けているクリアランスを設定した上で、基板と反応管
のほぼ中央部に整流板を設置することが好ましく、整流
板が反応管先端もしくは基板にあまり近接しすぎると、
プラズマ流が乱れてしまう。整流板の設置における姿勢
は、開口部がプラズマ流に対して垂直もしくはそれに近
い状態で、かつ逃げ窓18の長辺が基板の搬送方向と同
方向であることが好ましい。整流板の設置方法は、特に
制限はなく適当な保持部材により固定することができ
る。
【0016】本発明で作成する保護膜としてはシリカ、
アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化コバルト、酸化
ニッケルなどの酸化物、窒化チタン、窒化ケイ素、窒化
ホウ素などの窒化物、炭化ケイ素、炭化クロム、炭化ホ
ウ素等の炭化物、グラファイト、無定型カーボンなどの
炭素からなる保護膜があげられるが、特に好ましくは一
般にダイヤモンドライクカーボンと呼ばれる硬質の非晶
質カーボンである。
【0017】この硬質炭素膜はビッカース硬度で100
0Kg/mm2 以上、好ましくは2000Kg/mm2
以上の硬質の炭素膜である。また、その結晶構造はアモ
ルファス構造であり、かつ非導電性である。そして、本
願発明におけるダイヤモンド状炭素膜の構造をラマン光
分光分析によって測定した場合には、1520〜156
0cm-1にピークが検出されることによって確認するこ
とができる。炭素膜の構造がダイヤモンド状構造からず
れてくるとラマン光分光分析により検出されるピークが
上記範囲からずれるとともに、炭素膜の硬度も低下す
る。
【0018】この硬質炭素保護膜を作成するための原料
としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン等のアル
カン、あるいはエチレン、プロピレン等のアルケン、ま
たはアセチレン等のアルキンをはじめとした炭素含有化
合物を用いることができる。また、必要に応じてアルゴ
ンなどのキャリアガスや膜質改善のための水素や窒素な
どの添加ガスを加えることができる。
【0019】硬質炭素保護膜の膜厚が厚いと電磁変換特
性の悪化や磁性層に対する密着性の低下が生じ、膜厚が
薄いと耐磨耗性が不足するために、膜厚2.5〜20n
mが好ましく、とくに好ましくは5〜10nmである。
また、この硬質炭素保護膜と基板となる強磁性金属薄膜
の密着性を改善するために、あらかじめ強磁性金属薄膜
表面を不活性ガスでエッチングしたり、酸素等の反応性
ガスプラズマにさらして表面改質する事もできる。
【0020】更に、硬質炭素保護膜上に付与する潤滑剤
との密着をさらに向上させる目的で硬質炭素保護膜表面
を酸化性もしくは不活性気体によって表面処理しても良
い。次に本発明を用いて磁気記録媒体を製造しようとす
る場合の好ましい実施形態について説明する。本発明に
よって製造できる磁気記録媒体は、支持体が可撓性支持
体であるビデオテープなどの磁気テープ、フロッピーデ
ィスク等の磁気ディスクがあげられる。これらに共通す
る層構成としては、支持体の少なくとも一方の面に下塗
り膜、強磁性金属薄膜、本発明による保護膜、潤滑膜が
この順に積層された構成である。
【0021】本発明に用いられる可撓性非磁性支持体と
しては、厚さ3〜100μmのポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリア
ミド、ポリアミドイミド等のフイルム等が使用できる。
またフイルムの内部にフィラーを含有し、フイルム表面
に凹凸を形成したものでもよい。本発明においては支持
体上に耐熱性を付与し、表面性を制御するための下塗り
膜を作成してもよい。下塗り膜は耐熱性の樹脂を用いる
ことが好ましく、この樹脂としては、ポリイミド、ポリ
アミド、シリコン樹脂など一般的な耐熱性樹脂が使用で
きる。
【0022】中でもシリコン樹脂は作成しやすく、耐ブ
ロッキング性に優れるため好適である、この様なシリコ
ン樹脂はメチルトリエトキシシランや3−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン等のオルガノシラン化合物
を出発材料としたゾルゲル法によって、支持体上に下塗
り溶液を塗布、乾燥することで作成できる。下塗り膜に
は表面性を制御するためにフィラーを混入させても良
く、好ましくは単分散の球状シリカフィラーであり、作
成した下塗り膜表面の突起高さは、30nm以下が好ま
しい。
【0023】また、下塗り膜と支持体の密着性が不足の
場合には、シランカップリング剤などの添加剤による支
持体の表面処理や酸素プラズマ、アルゴンプラズマ、紫
外線照射、電子線照射、火炎などによる支持体の表面処
理を施すことができる。本発明の磁気記録媒体の製造方
法において保護膜が設けられる強磁性金属薄膜(以下、
磁性膜ともいう)は従来より公知の真空蒸着膜、スパッ
タ膜が使用できる。
【0024】磁性膜をスパッタ法で作成する場合、組成
としては、コバルトを主体とした従来より公知の金属ま
たは合金が挙げられ、具体的にはCo−Cr、Co−N
i−Cr、Co−Cr−Ta、Co−Cr−Pt、Co
−Cr−Ta−Pt、Co−Cr−Pt−Si、Co−
Cr−Pt−B等が使用できる。特に優れた電磁変換特
性を得るためにCo−Cr−Ta、Co−Cr−Ptが
好ましい。磁性膜の厚みは、10〜300nmとするの
が望ましい。
【0025】また、この場合、磁性膜の静磁気特性を改
善するための下地膜を設けることが好ましく、この下地
膜の組成としては、従来より公知の金属または合金など
が挙げられ、具体的にはCr、V、Ti、Ta、W、S
i等またはこれらの合金が使用でき、中でもCr、Cr
−Tiが特に好ましい。この下地膜の厚みとしては5n
m〜500nmであり、好ましくは10nm〜200n
mである。
【0026】また、スパッタ法で磁性膜を作成する場合
には、基板を加熱した状態で成膜する事が磁性膜の静磁
気特性の面から好ましく、そのときの温度は100℃〜
200℃前後である。磁性膜を真空蒸着法で作成する場
合、組成としてはコバルトを主体とした従来より公知の
金属または合金が挙げられ、具体的にはCo、CoN
i、CoFeなどを酸素雰囲気中で蒸着し、膜中に酸素
を含んだものが使用できる。特に電磁変換特性を改善す
るため磁性膜を構成する金属原子の90%以上、さらに
好ましくは95%以上はコバルトであるCo−O、また
はCo−Oを含有するCo−Fe等が好ましい。磁性膜
の厚みは、100〜300nmとするのが望ましく、さ
らに望ましくは120〜200nmである。
【0027】また、強磁性金属薄膜は電磁変換特性を改
善するため重層構成としたり、非磁性下地層や中間層を
有していても良い。本発明の磁気記録媒体において、走
行耐久性および耐食性を改善するため、上記磁性膜もし
くは保護膜上に潤滑剤や防錆剤を付与することが好まし
い。添加する潤滑剤としては公知の炭化水素系潤滑剤、
フッ素系潤滑剤、極圧添加剤などが使用できる。
【0028】炭化水素系潤滑剤としてはステアリン酸、
オレイン酸等のカルボン酸類、ステアリン酸ブチル等の
エステル類、オクタデシルスルホン酸等のスルホン酸
類、リン酸モノオクタデシル等のリン酸エステル類、ス
テアリルアルコール、オレイルアルコール等のアルコー
ル類、ステアリン酸アミド等のカルボン酸アミド類、ス
テアリルアミン等のアミン類などが挙げられる。
【0029】フッ素系潤滑剤としては上記炭化水素系潤
滑剤のアルキル基の一部または全部をフルオロアルキル
基もしくはパーフルオロポリエーテル基で置換した潤滑
剤が挙げられる。パーフルオロポリエーテル基としては
パーフルオロメチレンオキシド重合体、パーフルオロエ
チレンオキシド重合体、パーフルオロ−n−プロピレン
オキシド重合体(CF2 CF2 CF2O)n 、パーフル
オロイソプロピレンオキシド重合体(CF(CF3 )C
2O)n またはこれらの共重合体等である。また、末
端や分子内に水酸基、エステル基、カルボキシル基など
の極性官能基を有する化合物が摩擦力を低減する効果が
高く好適である。またこの分子量は500〜5000、
好ましくは1000〜3000である。それ以下では揮
発性が高く、また潤滑性も低い。またこれ以上では粘度
が高くなるため、スライダーとディスクが吸着しやす
く、走行停止やヘッドクラッシュなどを発生しやすくな
る。このパーフルオロポリエーテルの具体例としてはア
ウジモンド社からFOMBLIN、デュポン社からKR
YTOXなどの商品名で市販されている。
【0030】極圧添加剤としてはリン酸トリラウリル等
のリン酸エステル類、亜リン酸トリラウリル等の亜リン
酸エステル類、トリチオ亜リン酸トリラウリル等のチオ
亜リン酸エステルやチオリン酸エステル類、二硫化ジベ
ンジル等の硫黄系極圧剤などが挙げられる。上記潤滑剤
は単独もしくは複数を併用して使用される。これらの潤
滑剤を磁性膜もしくは保護膜上に付与する方法としては
潤滑剤を有機溶剤に溶解し、ワイヤーバー法、グラビア
法、スピンコート法、ディップコート法等で塗布する
か、真空蒸着法によって付着させればよい。
【0031】本発明で使用できる防錆剤としてはベンゾ
トリアゾール、ベンズイミダゾール、プリン、ピリミジ
ン等の窒素含有複素環類およびこれらの母核にアルキル
側鎖等を導入した誘導体、ベンゾチアゾール、2−メル
カプトンベンゾチアゾール、テトラザインデン環化合
物、チオウラシル化合物等の窒素および硫黄含有複素環
類およびこの誘導体等が挙げられる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を説明するが、
本発明はこれに限定されない。 実施例1 幅150mm、厚み63μmで最大突起粗さが0.01
μmのポリエチレンナフタレートフィルムの両面に3−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリ
エトキシシラン、塩酸、アルミニウムアセチルアセトネ
ートをエタノールに溶解した溶液をグラビアコート法で
塗布した後、100℃で乾燥し、引き続き170℃で1
0秒間焼成して重合硬化させ、実質的に突起の存在しな
い厚み1μmの下塗り膜を作成した。このフィルムをス
パッタ装置に設置し、基板温度を150℃に加熱しなが
ら、DCマグネトロンスパッタ法でCr−Ti下地膜を
60nm成膜し、さらに引き続きCo−Cr−Pt磁性
膜を30nm成膜し、磁性膜を作成した。この磁性膜は
両面に成膜した。
【0033】引き続き、図1に示したプラズマインジェ
クションCVD装置(反応管内径90mmφ)におい
て、上記原反を巻き出しローラーに設置し、反応管先端
−基板間距離22mmとし、基板から10mmの位置に
図3に示した整流板Aを設置した。次に真空槽を排気
し、3×10-5Torrとした後、ガス導入管よりアセ
チレンガス500sccm、アルゴンガス50sccm
を導入し、反応管内を0.02Torrとした。この状
態で反応管の励起コイルに13.56MHzの高周波を
450Wの電力で印加し、原料ガスをプラズマ化した。
基板には−400V、アノード電極には+500Vのバ
イアスを印加した。この状態で原反を搬送速度0.1m
/minで搬送し、カーボン保護膜を形成した。このカ
ーボン膜の膜厚を幅方向について触針式の表面粗さ計で
計測し、膜厚の幅方向分布を求めた。
【0034】実施例2 整流板の形状を図3のBに変更したものとし、実施例1
と同様に試料を作成し、膜厚の幅方向分布を評価した。 比較例1〜3 整流板の形状を図3のC、Dに変更したものをそれぞれ
比較例1〜2とし、整流板を用いなかったものを比較例
3として、実施例1と同様に試料を作成し、膜厚の幅方
向分布を評価した。
【0035】膜厚の幅方向分布の評価結果を図4に示
す。本発明の整流板Aを用いた試料は、反応管直径とほ
ぼ同じ幅に渡って膜厚分布が均一になっていることがわ
かる。またその膜厚の最大値も整流板を用いない場合の
最大値とほぼ同じであり、端部の成膜速度が大幅に向上
していることがわかる。 実施例3 幅150mm、厚み10μmで一方の表面に粒子径13
nmのフィラーを8×107 個/mm2 の密度で付与し
たポリエチレンナフタレートフィルムの両面に、基板温
度を0℃に冷却しながら電子ビームによる真空蒸着法で
Co−O膜を200nm成膜し、磁性膜を作成した。
【0036】引き続き、図1に示したプラズマインジェ
クションCVD装置(反応管内径90mmφ)におい
て、上記原反を巻き出しローラーに設置し、反応管先端
−基板間距離22mmとし、基板から10mmの位置に
図3に示した整流板Aを設置した。次に真空槽を排気
し、3×10-5Torrとした後、ガス導入管よりエチ
レンガス150sccm、アルゴンガス50sccmを
導入し、反応管内を0.01Torrとした。この状態
で反応管の励起コイルに13.56MHzの高周波を4
50Wの電力で印加し、原料ガスをプラズマ化した。基
板には−400V、アノード電極には+500Vのバイ
アスを印加した。この状態で原反を搬送速度2.6m/
minで搬送し、中心部の膜厚が10nmとなるように
カーボン保護膜を形成した。
【0037】次にこの保護膜とは反対の面にカーボンブ
ラックと樹脂結合剤からなるバックコート層を形成し、
さらに保護膜上にリン酸モノラウリルエステルおよびパ
ーフルオロオクタン酸ステアリルエステルの混合物がそ
れぞれ3mg/m2 となるように塗布した後、8mm幅
に裁断し、ビデオテープを作成した。このビデオテープ
のうち幅方向中心付近のものをAとし、幅方向に中心か
らおよそ40mmの位置から切り出したテープをBとし
た。
【0038】これらについてオージェ分光法で深さ方向
の元素分析を行い、Coが出現するまでの時間からカー
ボン保護膜の膜厚を算出した。またそれぞれのテープに
ついて23℃、10%RH以下の環境下、8mmVTR
(富士写真フイルム社製FUJIX M6)でスチル耐
久性を評価した。この評価はまずカラーバーパターンを
記録し、この状態からスチルモードとし、FR出力が初
期に対して−6dBに減衰するまでの時間で評価した。
なお、このときの走行張力は20g/8mmとして、加
速試験とした。
【0039】比較例4 整流板を用いなかったものを比較例4として、実施例2
同様に試料を作成し、カーボン保護膜の膜厚とスチル耐
久性を評価した。評価結果を表1に示す。本発明を用い
た場合には中心部および中心から40mm外側の両方の
テープについてカーボン保護膜膜厚は同じであり、かつ
スチル耐久性にも差がみられない。一方、比較例では中
心部については本発明とほぼ同様であるが、中心から4
0mm外側ではカーボン保護膜の膜厚が非常に薄く、ス
チル耐久性も不十分となることがわかる。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように本発
明を用いることによって、特性を劣化させることなく、
非常に簡便にプラズマインジェクションCVD法の有効
成膜幅を拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のCVD装置の構成の概略を示す図であ
る。
【図2】図1のおいて基板から反応管6の軸方向に見た
整流板の平面図である。
【図3】整流板A〜Dの各種開口部の形状を示した平面
図である。
【図4】実施例、比較例における膜厚の幅方向分布の評
価結果を示すグラフである。
【図5】従来のCVD装置における膜厚の幅方向分布を
説明するための図である。
【図6】従来のCVD装置の構成の概略を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 真空槽 2 巻き出しローラー 3 巻き取りローラー 4 成膜キャン 5 回転ローラー 6 反応管 7 励起コイル 8 メッシュ状アノード電極 9 ガス導入管 10 高周波電源 11 アース 12 アノードバイアス 13 基板バイアス電源 14 基板(磁気記録媒体) 15 整流板 16 平板 17 円形窓 18 逃げ窓 19 開口部 20 突起

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒形の反応管に原料ガスを導入しなが
    ら高周波バイアスを印加して原料ガスを活性化させ、原
    料ガス導入部と連続搬送される基板にバイアスを印加す
    ることによって活性種を基板に連続的に堆積させるプラ
    ズマCVD装置において、基板と反応管出口の間に活性
    種を通過させると共に基板に活性種を均一に堆積させる
    機能を有した形状である開口部を平板に設けた整流板が
    配備されていることを特徴とするプラズマCVD装置。
  2. 【請求項2】 該整流板の開口部は、平板に円と2個の
    矩形を該矩形の各々の長辺が互いに平行であって、かつ
    各々の長辺の一つのみが、円と2点で交わり各々の他の
    長辺は該円の外部となるように描いた時の外周部をくり
    抜いた形状で、前記円の直径は、ほぼ反応管の直径以上
    であり、該整流板は該長辺が基板の搬送方向と同方向で
    該整流板の中心が反応管の軸と一致するように配備され
    ることを特徴とする請求項1記載のプラズマCVD装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のプラズマCVD装置およ
    び強磁性金属薄膜を設けた磁気記録媒体を基板として用
    い、基板に負バイアスを印加することによって、強磁性
    金属薄膜上に保護膜を形成することを特徴とする磁気記
    録媒体の製造方法。
JP2791597A 1997-02-12 1997-02-12 プラズマcvd装置およびこれを用いた磁気記録媒体の製造方法 Pending JPH10219459A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001323380A (ja) * 2000-03-09 2001-11-22 Canon Inc 堆積膜形成方法および堆積膜形成装置
JP2011520029A (ja) * 2008-03-12 2011-07-14 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド 動的な(移動する基板の)プラズマ処理のための線状のプラズマ源

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