JP2756241B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2756241B2
JP2756241B2 JP31940395A JP31940395A JP2756241B2 JP 2756241 B2 JP2756241 B2 JP 2756241B2 JP 31940395 A JP31940395 A JP 31940395A JP 31940395 A JP31940395 A JP 31940395A JP 2756241 B2 JP2756241 B2 JP 2756241B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体に関す
るものであり、更に詳しくは、記録密度が向上した磁気
記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】磁気記
録媒体は、テープ、ディスク、ドラムあるいはシート等
の形態で汎用されている。このような磁気記録媒体は、
通常、ポリエステルフィルムのような非磁性支持体上
に、磁性粉体及び結合剤を主成分とする磁性塗料を塗布
するか(以下、「塗布型」という)、或いは、蒸着のよ
うな薄膜形成手段により非磁性支持体上に金属薄膜の層
を形成する(以下、「蒸着型」という)ことにより製造
されている。近年においては、磁気記録媒体に対しその
小型化と共に記録の高密度化が要求されるようになり、
かかる要求に応えるために種々の提案がなされている。
【0003】高記録密度の磁気記録媒体を得るために
は、出力特性を高めること及びC/N特性を高める
ことが重要な要因である。
【0004】ここで、出力特性と、残留磁束密度Br、
表面平滑性Rz、磁性層の厚さδ及び保磁力Hcとの間
には以下の関係がある。 出力∝f(Br)−g(Rz)−h(δ/Hc)
【0005】従って、出力特性を高めるためには、
(イ)残留磁束密度Brを高くする、(ロ)表面平滑性
Rzを良好にしてスペーシングロスを減少させる、及び
(ハ)磁性層を薄膜化して保磁力を高くすることが重要
である。
【0006】一方、C/N特性と有効磁性粒子数nとの
間には以下の関係がある。 C/N∝n/√n
【0007】従って、C/N特性を高めるためには、有
効磁性粒子数nの数を増やすことが重要である。有効磁
性粒子数nの数を増やすためには、例えば、磁性層の形
成に積層膜を用いることが有効である。
【0008】そこで、高記録密度の磁気記録媒体を得る
ための要因である、出力特性を高めること及びC/
N特性を高めることに関して、塗布型の磁気記録媒体と
蒸着型の磁気記録媒体とを比較すると、残留磁束密度B
r、表面平滑性Rz、磁性層の厚さδ、保磁力Hc及び
有効磁性粒子数nの何れに関しても、蒸着型の磁気記録
媒体の方が、塗布型の磁気記録媒体よりも優れている。
即ち、高記録密度の磁気記録媒体を得るためには、蒸着
型の磁気記録媒体を用いる方が有利である。
【0009】特に、蒸着型の磁気記録媒体は、磁性層が
コラム構造を有しているので、リングヘッドによる記録
に適しているという点においても、塗布型の磁気記録媒
体よりも有利である。
【0010】蒸着型の磁性層のコラム構造に関しては、
K.Nakamura. 他、IEEE Transactions on Magnetics, Vo
l. Mag-18, No.6, 1077-1079 (1982) に記載されてい
る。しかしながら、かかる文献には、コラムの湾曲率を
特定の値以下とすることについては記載されていない。
【0011】一方、磁気記録媒体の高記録密度化の流れ
のなかで、磁気記録媒体の長手方向の磁気特性に加え
て、垂直方向の磁気特性も良好であることが要求されは
じめている。しかしながら、長手方向の磁気特性と垂直
方向の磁気特性とでは、互いに影響しあうので、双方の
磁気特性を良好にすることは難しい。そこで、長手方向
と垂直方向との磁気特性のバランスがとれた磁気記録媒
体が望まれている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術に鑑み、
本発明は、高密度記録が可能で、特に出力特性及びC/
N特性に優れ且つ長手方向と垂直方向との磁気特性のバ
ランスがとれた磁気記録媒体を提供することを目的とす
る。
【0013】本発明者らは、鋭意研究した結果、蒸着型
の磁気記録媒体において、複数の蒸着膜を積層してなる
磁性層における該蒸着膜のコラムの湾曲率及び膜厚と、
出力特性及びC/N特性とが密接に関係することを知見
した。
【0014】本発明は上記知見に基づきなれさたもので
あり、支持体と、該支持体上に設けられた、2層以上の
金属蒸着膜を積層して成る磁性層とを有する磁気記録媒
体において、上記金属蒸着膜中におけるコラムの湾曲率
がそれぞれ20%以下であり、且つ上記支持体に近い側
の金属蒸着膜ほどそのコラムの湾曲率が、表面に近い側
の金属蒸着膜中におけるコラムの湾曲率よりも大きいこ
とを特徴とする磁気記録媒体を提供することにより、上
記目的を達成したものである。
【0015】本発明の磁気記録媒体の好ましい実施形態
においては、上記支持体に近い側の金属蒸着膜の膜厚
が、表面に近い側の金属蒸着膜の膜厚よりも厚くなされ
ているまた、本発明の磁気記録媒体の好ましい実施形
態においては、コラム傾斜角が20〜80°となされて
いる
【0016】磁気記録においては、磁気記録媒体中に進
入する磁束の量が重要であるが、本発明の磁気記録媒体
においては、磁性層の金属蒸着膜中におけるコラムの形
状を制御することにより、特にリングヘッドを用いた場
合に磁束が進入し易くなり、その結果、出力特性及びC
/N特性が向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気記録媒体につ
いて詳細に説明する。
【0018】本発明の磁気記録媒体は、テープ、ディス
ク、ドラム、シート及びその他の形態で使用されるが、
特に磁気テープの形態で使用されることが好ましく、就
中、リングヘッドによる記録・再生に好適に使用され
る。
【0019】本発明の磁気記録媒体は、支持体と、該支
持体上に設けられた、2層以上の金属蒸着膜を積層して
成る磁性層とを有する。上記支持体としては、公知の磁
性又は非磁性の支持体を特に制限なく用いることができ
る。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポ
リカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミド
イミド、ポリスルフォン、アラミド、芳香族ポリアミド
等の公知の樹脂;アルミニウムや銅等の金属;紙等を使
用することができる。形態は、フィルム、テープ、シー
ト、ディスク、ドラム等の何れでもよい。上記支持体に
は、磁性層を設ける前に、大気中及び/又は真空中にお
いてその表面に予めコロナ放電処理、プラズマ処理、易
接着処理、熱処理、除塵処理、ボンバード処理などを行
うこともできる。上記支持体の好ましい厚さは、1〜3
00μmである。
【0020】次いで、本発明の磁気記録媒体の特徴部分
である、2層以上の金属蒸着膜を積層して成る磁性層に
ついて図1を参照しつつ説明する。ここで、図1は、本
発明の磁気記録媒体の磁性層を構成する金属蒸着膜中の
コラムの状態を表す図であり、図2は、図1におけるコ
ラムの拡大図である。
【0021】図1中、2は上述した支持体であり、5は
支持体2上に設けられた磁性層である。磁性層5は、2
層の金属蒸着膜3及び4から形成されており、該金属蒸
着膜は、コラム1から構成されている。また、6、7及
び8はそれぞれ、後述するように、本発明の磁気記録媒
体に任意に設けられる、保護層、潤滑層及びバックコー
ト層である。
【0022】図1における磁性層5は、2層の金属蒸着
膜3及び4から形成されているが、本発明はかかる態様
に限定されず、上記磁性層は、金属蒸着膜を2層以上積
層して成るものであれば、層の数に特に制限はない。上
記金属蒸着膜が1層のみでは、有効磁性粒子数が小さい
ため、高いC/N特性を得ることができない。
【0023】特に、上記磁性層は、2層又は3層の金属
蒸着膜を積層して成るものであることが好ましい。層の
数が4層以上では、生産性が悪くなる上、全厚を2層又
は3層の磁性層と同じにするためには1層当りの膜厚を
薄くしなければならないが、1層当たりの膜厚を薄くし
すぎると飽和磁束密度(Bs)が低下するおそれがある
ことから、あまり好ましくない。
【0024】上記金属蒸着膜の材料としては、例えばF
e、Co、Ni等の金属の他に、Co−Ni合金、Co
−Pt合金、Co−Ni−Pt合金、Fe−Co合金、
Fe−Ni合金、Fe−Co−Ni合金、Fe−Co−
B合金、Co−Ni−Fe−B合金、Co−Cr合金等
が用いられる。又、Fe−N、Fe−N−O、Fe−
C、Fe−C−Oなども用いられる。なお、上記金属蒸
着膜の形成時に酸化性ガスを供して、上記金属蒸着膜の
表面に、酸化膜からなる保護層を形成することが好まし
い。尚、酸化性ガスとしては例えば、酸素、空気などが
用いられるが酸素が好ましい。
【0025】上記各金属蒸着膜を構成する材料は、同一
であってもよく又は異なっていてもよい。好ましくは、
上記各金属蒸着膜を形成する材料は同一である。
【0026】なお、本発明において、上記金属蒸着膜
は、好ましくは真空蒸着やスパッタリング等の物理的蒸
着法(PVD法)によって形成される。かかる金属蒸着
膜の形成方法の詳細については後述する。
【0027】上記各金属蒸着膜は、そのコラムの湾曲率
が20%以下である。コラムの湾曲率が20%を超える
と、磁束の進入が十分でなくなるので、出力特性及びC
/N特性に優れた磁気記録媒体を得ることができない。
コラムの湾曲率は小さい程好ましい。具体的には、好ま
しい湾曲率は15%以下であり、更に好ましい湾曲率は
10%以下である。ここで、コラムの湾曲率とは、図2
に示すように、コラムの両端間を結ぶ直線の長さBと、
該直線と直交する直線であって、その直交点bとコラム
との交差点aとの距離が最大となるような直線における
a−b間の距離Aとから、以下の式を用いて計算される
値をいう。 湾曲率(%)=(A/B)×100
【0028】なお、図1は、例示として上記金属蒸着層
が2層の場合を示しているが、同図に示すようなコラム
の状態は、例えば、上記金属蒸着層のテープ長手方向縦
断面TEM像から観察することができる。
【0029】上記湾曲率は、上記支持体に近い側の金属
蒸着膜ほどそのコラムの湾曲率が、表面に近い側の金属
蒸着膜中におけるコラムの湾曲率よりも大きい。即ち、
各金属蒸着膜のうち、支持体に最も近い金属蒸着膜の上
記湾曲率が最も大きく、表面に近い金属蒸着膜ほど上記
湾曲率が小さく、且つ、支持体から表面に向かって湾曲
率が漸次減少するように各金属蒸着膜を形成する。この
ような構造にすることによって、表面に近い側の金属蒸
着膜に記録波長の短い、つまり高周波成分の信号を記録
でき、支持体に近い側の金属蒸着膜に記録波長の長い、
つまり低周波成分の信号を記録できるので、周波数特性
を一層向上させることができる。
【0030】また、上記磁性層においては、上記支持体
に近い側の金属蒸着膜ほどその膜厚が、表面(図1にお
ける上記潤滑剤層7側の面)に近い側の金属蒸着膜の膜
厚よりも厚くなっている。即ち、各金属蒸着膜のうち、
上記支持体に最も近い金属蒸着膜の厚さが最も大きく、
表面に近い金属蒸着膜ほど厚さが小さく、且つ、支持体
から表面に向かって厚さが漸次減少するように各金属蒸
着膜を形成する。上記金属蒸着膜の膜厚にかかる勾配を
設けることにより、低域から高域までバランス良く、優
れた特性が得られる。なお、本発明においては、上記金
属蒸着膜のテープ長手方向縦断面の透過型電子顕微鏡
(TEM)観察により、隣り合う上記金属蒸着膜の膜厚
の間に10%以上の差が測定される場合を「膜厚が大き
い」という。上記金属蒸着膜は、高域での出力特性を高
めるために薄いことが望ましいが、低域の出力はある程
度厚い方が好ましいことから、そのバランスを考える
と、具体的には、各金属蒸着膜の厚さが500〜250
0Åであることが好ましく、600〜1500Åである
ことが更に好ましい。
【0031】また、上記磁性層全体の厚さは、1000
〜5000Åであることが好ましく、1200〜300
0Åであることが更に好ましい。該厚さが1000Åに
満たないと磁性層の耐久性が十分でない場合があり、5
000Åを越えると自己減磁が増加する場合があるの
で、上記範囲内とすることが好ましい。
【0032】本発明の磁気記録媒体の好ましい態様にお
いては、上記支持体に近い側の金属蒸着膜のコラムの湾
曲率が、表面に近い側の金属蒸着膜のコラムの湾曲率よ
りも大きく、各金属蒸着膜中におけるコラムの湾曲率が
それぞれ20%以下であり、且つ上記支持体に近い側の
金属蒸着膜の厚さが、表面に近い側の金属蒸着膜の厚さ
よりも大きい。このような構造にすることによっても、
表面に近い側の金属蒸着膜に高周波成分の信号を記録で
き、支持体に近い側の金属蒸着膜に低周波成分の信号を
記録できるので、周波数特性を一層向上させることがで
きる。
【0033】また、本発明の磁気記録媒体の別の好まし
い態様においては、上記支持体に近い側の金属蒸着膜
(下層)中におけるコラムの湾曲率が、表面に近い側の
金属蒸着膜(上層)中におけるコラムの湾曲率の2倍以
上である。上記金属蒸着膜が、例えば上下2層からなる
場合、上記下層中におけるコラムの湾曲率が20%以下
(好ましくは8〜15%)であり、上記上層中における
湾曲率が10%以下(好ましくは5〜10%)である
と、周波数特性がより一層向上するので好ましい。な
お、上記金属蒸着膜が3層以上からなる場合にも、同様
に、それぞれ隣り合う各金属蒸着膜中におけるコラムの
湾曲率が2倍以上異なることが好ましい。
【0034】また、本発明の磁気記録媒体の更に別の好
ましい態様においては、上記金属蒸着膜において、図2
に示す如く、コラムの両端間を結ぶ直線Bとベース面と
のなす角(コラム傾斜角)θが20〜80°である。上
記コラム傾斜角が20°に満たないと、低域(低周波)
での出力は良いが、高域での出力が低く、上記コラム傾
斜角が80°を超えると、逆に、高域(高周波)での出
力は高いが、低域での出力が低くなる場合があるので、
上記範囲内とすることが好ましい。また、上記支持体に
近い側の金属蒸着膜ほどそのコラム傾斜角が、表面に近
い側の金属蒸着膜中におけるコラム傾斜角よりも小さい
ことが更に好ましい。即ち、各金属蒸着膜のうち、上記
支持体に最も近い金属蒸着膜のコラム傾斜角が最も小さ
く、表面に近い金属蒸着膜ほどコラム傾斜角が大きく、
且つ、支持体から表面に向かってコラム傾斜角が漸次増
加するように各金属蒸着膜を形成する。上記磁性層が図
1に示すような上下2層の金属蒸着膜からなる場合、上
記支持体に近い側の金属蒸着膜(下層)中におけるコラ
ム傾斜角は35〜60°であることが更に好ましく、表
面に近い側の金属蒸着膜(上層)中におけるコラム傾斜
角は30〜55°であることが更に好ましい。
【0035】このようにして形成された磁性層は、上記
諸物性を有することに加えて、長手方向の保磁力が10
00〜2500Oeであり且つ垂直方向の保磁力が15
00〜3000Oeであることが好ましい。上述の通
り、磁性層の長手方向及び垂直方向の磁気特性を共に良
好にすることは難しいが、本発明においては、上記金属
蒸着膜中のコラムの湾曲率を20%以下とすることによ
って、磁性層の長手方向の磁気特性と垂直方向の磁気特
性とのバランスがとれ、高密度記録が一層可能となる。
上記保磁力の値は、コラムの湾曲率、ヘッドの透磁率及
び磁気記録媒体の厚さ等により変化するが、長手方向と
垂直方向との保磁力を上記範囲内とすることにより、特
に高域での出力が高くなるので好ましい。特に、長手方
向の保磁力については、該保磁力が1000Oeに満た
ないと出力の低下を招く場合があり、2500Oeを越
えると飽和磁束密度の低下やオーバーライト特性の劣化
を招く場合がある。特に好ましくは、長手方向の保磁力
は1300〜2000Oeであり且つ垂直方向の保磁力
は1700〜2500Oeである。なお、本明細書にお
いて、「長手方向」とは、主として磁気ヘッドの進行方
向を意味し、磁気テープの場合にはテープの長手方向を
含む方向をいう。従って、後述する実施例における長手
方向の保磁力とは、テープの長手方向の保磁力をいう。
また、「垂直方向」とは、磁性層面に対して法線方向を
意味する。
【0036】なお、上記磁性層の形成に先立ち、上記支
持体の表面に上記磁性層の密着性を向上させる為のアン
ダーコート層が設けてもよい。かかるアンダーコート層
は、例えばSiO2 等の粒子を含有させた厚さが0.0
5〜0.5μmの塗膜からなる。かかるアンダーコート
層を用いることにより、上記支持体表面を適度に粗し、
例えば斜め蒸着法により形成される磁性層の密着性を向
上させると共に、上記磁性層の表面粗さを適度なものと
して走行性を改善することができる。
【0037】上述の通り、本発明の磁気記録媒体は、上
記支持体と、その上に設けられた2層以上の金属蒸着膜
を積層して成る磁性層とを有する。即ち、本発明の磁気
記録媒体は、上記支持体上に直接磁性層が設けられてい
てもよく、或いは、上記支持体と上記磁性層との間に任
意の層(例えば、上述のアンダーコート層)が介在して
いてもよい。更には、本発明の磁気記録媒体において
は、図1に示すように、上記磁性層5上に、該磁性層を
保護するための保護層6を設けたり、該保護層上に耐久
性を高めるための潤滑層7を設けてもよい。以下、かか
る保護層及び潤滑層について以下に説明する。
【0038】上記保護層は上記磁性層上に、一般に真空
中で、炭素或いは炭化物、窒化物、特にダイヤモンドラ
イクカーボン、ダイヤモンド、炭化ホウ素、炭化ケイ
素、窒化ホウ素、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミ
ニウム等を成膜することにより形成される。上記保護層
の形成法としては、化学的気相成長法(CVD法)及び
PVD法の何れでもよい。CVD法では特にマイクロ波
を用いたECR(Electron Cyclotron Resonance) 法
や、高周波(RF)を用いた方法が有効である。CVD
法により上記保護層を形成する場合、原料はガス状、液
状及び固体状の何れのものを用いてもよい。
【0039】上記保護層は、ダイヤモンドライクカーボ
ンからなることが好ましい。この場合、ガス状の原料を
用いてダイヤモンドライクカーボンからなる保護層を形
成する場合は、上記ガス状の原料としてメタンとアルゴ
ンとの混合ガス、エタンと水素との混合ガス、又はメタ
ンと水素との混合ガスを用いることが好ましい。また、
液状の原料を用いてダイヤモンドライクカーボンからな
る保護層を形成する場合は、上記液状の原料としてアル
コールや不飽和炭化水素を用いることが好ましい。更に
固体状の原料を用いてダイヤモンドライクカーボンから
なる保護層を形成する場合は、上記固体状の原料として
ナフタリンや高級パラフィンを用いることが好ましい。
なお、この場合に、固体を加熱したり超音波をかけても
よい。
【0040】また、PVD法としては、熱蒸発法、スパ
ッタ法、イオンプレーティング法等が挙げられるが、何
れを用いることもできる。これらの方法のうち、特にス
パッタ法が有効である。スパッタ法によりダイヤモンド
ライクカーボンからなる保護層を形成する場合は、グラ
ファイトのターゲットを用いてメタンとアルゴンとの混
合ガス又はメタンと水素との混合ガス中でスパッタする
ことが好ましい。また、スパッタ法により窒化ケイ素か
らなる保護層を形成する場合は、ケイ素のターゲットを
用いてアルゴンと窒素との混合ガス、アルゴンとアンモ
ニアとの混合ガス、窒素ガス、アンモニアガス、又はア
ンモニアとモノシラン(SiH4 )との混合ガス中でス
パッタすることが好ましい。また、スパッタ法により酸
化アルミニウムからなる保護層を形成する場合は、アル
ミニウムのターゲットを用いてアルゴンと酸素との混合
ガス中でスパッタすることが好ましい。
【0041】上記保護層形成の際の真空度は、CVD法
の場合、10-1〜10-5Torr程度であることが好ま
しく、PVD法の場合、10-4〜10-7Torr程度が
好ましい。また、上記保護層の厚さは特に限定しない
が、10〜300Åであることが好ましく、更に好まし
くは30〜150Åである。
【0042】次に、上記潤滑層について説明する。上記
潤滑層は、超音波発振器を備えた噴霧器(以下、「超音
波噴霧器」という)を用い、潤滑剤を上記磁性層上(上
記磁性層上に上記保護層が形成されている場合には、上
記保護層上)に噴霧して形成することが好ましい。より
詳細には、上記超音波噴霧器は、上記潤滑剤の供給手段
と、該供給手段から供給された上記潤滑剤に超音波を印
加して霧化する手段(超音波発振器)と、霧化された上
記潤滑剤を噴霧するノズルとからなる。また、ノズルタ
イプの噴霧装置を用いてもよい。ノズルタイプの噴霧装
置は、一般に一流体ノズルと呼ばれる装置が使用でき
る。
【0043】超音波噴霧器を使用して潤滑剤を微細な粒
子として噴霧することができるので、高温(200℃以
上)に弱く蒸気圧が低いため、従来空気中での塗布によ
ってのみ潤滑剤層を形成することができたパーフルオロ
ポリエーテル等のフッ素系潤滑剤の真空中での噴霧が可
能となる。なお、従来方法のように、大気中において、
グラビア方式、リバース方式又はダイ塗工方式を用いて
上記潤滑剤を塗布しても良い。
【0044】上記パーフルオロポリエーテルとしては、
分子量2000〜5000のものが好適であり、例えば
「FOMBLIN Z DIAC」〔カルボキシル基変性、アオジモン
ト(株)製〕、「FOMBLIN Z DOL 」〔アルコール変性、
アオジモント(株)製〕の商品名で市販されているもの
が使用できる。これらは末端に水酸基又はカルボキシル
基を有するため、潤滑剤と磁性層との結着を高め得るの
で、好適に用いられる。
【0045】なお、上記潤滑剤以外にも、ベンゼン環、
二重結合、分岐鎖等を含むフッ素系の潤滑剤、脂肪酸系
の潤滑剤、その他の潤滑剤を使用することもできる。こ
れらのうち、上記フッ素系潤滑剤は、脂肪酸系潤滑剤と
比べ耐久性だけでなく耐蝕性も向上させるため、好適に
用いられる。
【0046】また、上記潤滑剤の噴霧にあたっては、上
記潤滑剤をフッ素系不活性溶媒(例えば住友スリーエム
(株)製「フロリナート」等のパーフルオロカーボン、
アオジモント(株)製「ガルデン」等のパーフルオロポ
リエーテル)、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、ア
ルコール系溶媒、ケトン系溶媒等の適当な溶媒に溶解さ
せた0.001〜10重量%程度、特に0.02〜2.
0重量%の溶液として用いることが好ましい。上記潤滑
剤としてパーフルオロポリエーテルを用いる場合、溶媒
としてはパーフルオロカーボンが使用でき、その場合の
濃度は0.001〜1.0重量%程度、特に0.05〜
0.2重量%が好ましい。また、上記潤滑剤の噴霧量
は、磁気記録媒体の用途や潤滑剤の種類等を考慮して適
宜決定すればよいが、形成された潤滑剤層の厚さは5〜
200Å程度となるように調節するのが好ましい。
【0047】更にまた、本発明の磁気記録媒体において
は、支持体の磁性層が形成される面とは反対の面にバッ
クコート層を形成してもよい。該バックコート層は、カ
ーボンブラック等を適当な溶剤に分散させた液を塗布し
て形成してもよいし、金属又は半金属を物理的蒸着法
(PVD)、特に熱蒸発法、スパッタリング法により蒸
着させて形成させてもよい。
【0048】上記バックコート層を塗布により形成する
場合は、粒径10〜100nmのカーボンブラックを、
塩ビ系、ウレタン系又は硝化綿系等のバインダー中に分
散させ、グラビア方式、リバース方式又はダイ塗工方式
等で、乾燥後の厚さが好ましくは0.4〜1.0μmに
なるように塗布する。
【0049】上記バックコート層を蒸着により形成する
場合は、上記金属又は半金属材料としてアルミニウムや
シリコンを用いることが好ましい。また、この場合の上
記バックコート層の厚さは好ましくは0.05〜1.0
μmである。
【0050】なお、上記バックコート層の上には、走行
性や耐久性等を一層向上せしめることを目的として、ト
ップコート層を設けてもよい。
【0051】次に、本発明の磁気記録媒体の製造方法を
その好ましい態様に基づいて説明する。本発明の磁気記
録媒体の製造方法に特に制限はなく、従来公知の方法を
用いることができるが、好ましくは、図3に示すよう
な、斜め蒸着手段を有する連続真空蒸着装置によって製
造される。図3に示す装置は、2つの成膜部を有し、1
回の操作で金属蒸着膜を2層(上層/下層)形成するこ
とができる。
【0052】即ち、圧力1〜10-4〜1×10-6Tor
rの高真空チャンバー10内で、金属蒸着膜を形成する
金属から成る蒸発源12、13を移動可能なルツボ1
4、15中にそれぞれ入れ、電子銃16、17からそれ
ぞれ発生する電子ビーム18、19によって、上記蒸発
源12、13をそれぞれ加熱する。上記ルツボ14、1
5の位置を移動させることによって、コラムの湾曲率を
変えることができる。なお、上記蒸発源12、13の金
属の種類は、上述の通り同一でもよく又は異なっていて
もよい。加熱によって蒸発源12、13から蒸発した金
属を、巻き出しロール20から巻き出された支持体2が
クーリングドラム22上を走行する過程で、該支持体2
上に蒸着させる。なお、この場合、上記蒸発源12の金
属が下層の金属蒸着膜を形成し、上記蒸発源3の金属が
上層の金属蒸着膜を形成する。このようにして2層の金
属蒸着膜が形成された支持体2は、巻き取りロール24
に巻き取られる。なお、28、29及び30は、蒸発し
た金属を所定の位置に蒸着させるための遮蔽板である。
蒸着の際には、酸化性ガス導入管26、27より酸素ガ
ス等の酸化性ガスをそれぞれ導入し、金属蒸着膜中のコ
ラムを分離し、単離化して、保磁力を上げると共に、コ
ラムを微細化してC/N特性を向上させる。
【0053】上記操作において、各金属蒸着膜中のコラ
ムの湾曲率を20%以下にするためには、図3のような
装置を用いて、直線的に支持体を傾斜させて成膜する
か、大口径のキャンロールを用い、入射角を大きくする
などの方法を用いればよい。
【0054】磁性層の形成後には、必要に応じて、上記
保護層及び/又は上記潤滑剤層を上述の方法により上記
磁性層上に設けたり、上記磁性層とは反対の面の支持体
上に上記バックコート層を上述の方法により設ける。
【0055】
【実施例】以下、本発明の磁気記録媒体を実施例によっ
て更に詳細に説明する。なお、かかる実施例は本発明の
範囲を何ら限定するものではない。
【0056】〔実施例1〕図3に示す連続真空蒸着装置
(ルツボ12、13が移動可能)によって磁気記録媒体
を製造した。即ち、圧力1×10-5Torrの真空チャ
ンバー10内において、厚さ9.8μmのポリエチレン
テレフタレート(以下、「PET」という)シートの巻
き出しロール20から巻き出されたPETシートを、ク
ーリングドラム22上を1m/minの速度で走行させ
た。
【0057】電子銃16、17からそれぞれ発生した電
子ビーム18、19によって蒸発源12、13であるC
oをそれぞれ加熱し、これを蒸発させ、PETシート上
に蒸着させた。この際、酸化性ガス導入管26、27か
ら純度99.998%の酸素ガスをそれぞれ35SCC
Mずつ導入した。その結果、PETシート上にCo蒸着
膜を2層積層して成る磁性層を形成した。なお、下層の
Co蒸着膜中におけるコラムの湾曲率は8.5%であ
り、コラム傾斜角は49°であり、その厚さは1500
Åであった。また、上層のCo蒸着膜中におけるコラム
の湾曲率は5.5%であり、コラム傾斜角は55°であ
り、その厚さは1000Åであった。このようにして得
られた磁性層の中心線表面粗さRaは1.6nmであっ
た。
【0058】次いで、上記磁性層の上に、パーフルオロ
ポリエーテル(アオジモント社製「ホンブリン」(商品
名))をコーティングして、厚さ12Åの潤滑剤層を形
成した。更に、PETシートの裏面上に公知のバックコ
ート塗料を乾燥厚さが0.5μmになるように塗布・乾
燥してバックコート層を形成した。
【0059】その後、PETシートを8mm幅にスリッ
トして、8mm幅の磁気テープを得た。
【0060】得られた磁気テープについて、図4に示す
ドラムテスター法によって、周波数5MHz、10MH
z及び20MHzの信号をそれぞれ記録させ、これらを
再生し、後述する比較例1で得られた磁気テープを対照
(0dB)として、出力(dB)及びC/N(dB)を
測定した。加えて、VSM(試料振動型磁力計)を用い
て、上記磁気テープの長手方向の保磁力と上記磁気テー
プの垂直方向の保磁力を測定した。これらの結果を表1
に示す。
【0061】なお、上記ドラムテスター法における使用
ヘッド及びスペクトラムアナライザーの諸元は以下の通
りである。
【0062】・使用ヘッド Hi8mmVCR/EP用ヘッド トラック幅 :15μm ヘッドL値 :0.7μH(10MHz) 実効ギャップ長:0.23μm ・スペクトラムアナライザーRBW:17kHz(ディ
ジタルフィルター使用、従来のアナログフィルターの3
0kHzに相当)
【0063】〔実施例2〕図3中のルツボ12、13を
それぞれ動かし、酸化性ガス導入管26から60SCC
Mの酸素ガスを流し、酸化性ガス導入管27から30S
CCMの酸素ガスを流した以外は、実施例1と同様の操
作によってCo蒸着膜を2層積層して成る磁性層を有す
る磁気テープを得た。なお、下層のCo蒸着膜中におけ
るコラムの湾曲率は19.0%であり、コラム傾斜角は
53°であり、その厚さは700Åであった。また、上
層のCo蒸着膜中におけるコラムの湾曲率は3.2%で
あり、コラム傾斜角は58°であり、その厚さは500
Åであった。このようにして得られた上記磁性層の中心
線表面粗さRaは1.8nmであった。
【0064】このようにして得られた磁気テープについ
て、実施例1と同様の測定を行った。その結果を表1に
示す。
【0065】〔実施例3〕図3中のルツボ12、13を
それぞれ動かし、酸化性ガス導入管26から30SCC
Mの酸素ガスを流し、酸化性ガス導入管27から25S
CCMの酸素ガスを流した以外は、実施例1と同様の操
作によってCo蒸着膜を2層積層して成る磁性層を有す
る磁気テープを得た。なお、下層のCo蒸着膜中におけ
るコラムの湾曲率は12.0%であり、コラム傾斜角は
52°であり、その厚さは1600Åであった。また、
上層のCo蒸着膜中におけるコラムの湾曲率は7.0%
であり、コラム傾斜角は55°であり、その厚さは14
00Åであった。このようにして得られた上記磁性層の
中心線表面粗さRaは1.7nmであった。
【0066】このようにして得られた磁気テープについ
て、実施例1と同様の測定を行った。その結果を表1に
示す。
【0067】〔実施例4〜9〕実施例1における条件に
代えて表1に示す条件を採用した以外は実施例1と同様
の操作によってCo蒸着膜を2層積層して成る磁性層を
有する磁気テープを得た。このようにして得られた磁気
テープにおける各蒸着膜の湾曲率、厚さ及びコラム傾斜
角並びに磁性層の保磁力及び中心線表面粗さRaを表1
に示す。また、かかる磁気テープについて、実施例1と
同様の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0068】〔実施例10〕実施例1における2つの蒸
発源に代えて、3つの蒸発源を用い、表1に示す条件を
採用した以外は実施例1と同様の操作によってCo蒸着
膜を3層(上層、中層及び下層)積層して成る磁性層を
有する磁気テープを得た。このようにして得られた磁気
テープにおける各蒸着膜の湾曲率、厚さ及びコラム傾斜
角並びに磁性層の保磁力及び中心線表面粗さRaを表1
に示す。また、かかる磁気テープについて、実施例1と
同様の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0069】〔比較例1〕図3における右側の成膜部
(蒸発源12、ルツボ14、電子銃16)のみを用い、
酸化性ガス導入管26から52SCCMの酸素ガスを流
した以外は、実施例1と同様の操作によって1層のみの
Co蒸着膜から成る磁性層を有する磁気テープを得た。
なお、Co蒸着膜中におけるコラムの湾曲率は15%で
あり、中心線表面粗さRaは1.6nmであり、その厚
さは2000Åであった。
【0070】このようにして得られた磁気テープについ
て、実施例1と同様の測定を行った。その結果を表1に
示す。
【0071】〔比較例2〕図3中のルツボ12、13を
それぞれ動かし、酸化性ガス導入管26から35SCC
Mの酸素ガスを流し、酸化性ガス導入管27から100
SCCMの酸素ガスを流した以外は、実施例1と同様の
操作によってCo蒸着膜を2層積層して成る磁性層を有
する磁気テープを得た。なお、下層のCo蒸着膜中にお
けるコラムの湾曲率は25%であり、その厚さは100
0Åであった。また、上層のCo蒸着膜中におけるコラ
ムの湾曲率は20%であり、その厚さは3000Åであ
った。このようにして得られた上記磁性層の中心線表面
粗さRaは1.5nmであった。
【0072】このようにして得られた磁気テープについ
て、実施例1と同様の測定を行った。その結果を表1に
示す。
【0073】〔比較例3及び4〕実施例1における条件
に代えて表1に示す条件を採用した以外は実施例1と同
様の操作によってCo蒸着膜を2層積層して成る磁性層
を有する磁気テープを得た。このようにして得られた磁
気テープにおける各蒸着膜の湾曲率、厚さ及びコラム傾
斜角並びに磁性層の保磁力及び中心線表面粗さRaを表
1に示す。また、かかる磁気テープについて、実施例1
と同様の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】表1の結果から明らかな通り、実施例1〜
10で得られた磁気テープは、金属蒸着層が1層のみで
ある比較例1で得られた磁気テープよりも、広周波数領
域にわたって高い出力特性及びC/N特性が得られた。
【0076】これに対して、コラムの湾曲率が20%を
超える金属蒸着層を有する比較例2で得られた磁気テー
プでは、高周波領域ほど出力特性及びC/N特性が低下
することが分かる。
【0077】また、上層の金属蒸着層のコラムの湾曲率
と下層の金属蒸着層のコラムの湾曲率が同じである磁気
テープ(比較例3)や、上層の金属蒸着層のコラムの湾
曲率の方が下層の金属蒸着層のコラムの湾曲率よりも大
きな磁気テープ(比較例4)でも、高周波領域ほど出力
特性及びC/N特性が低下することが分かる。
【0078】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の磁気記録
媒体によれば、磁性層を構成する金属蒸着膜を2層以上
とし且つ該金属蒸着膜中のコラムの湾曲率及び膜厚を制
御することで、出力特性及びC/N特性が向上し、高密
度記録が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の磁性層を構成する金属
蒸着膜中のコラムの状態を表す図である。
【図2】図1におけるコラムの拡大図である。
【図3】本発明の磁気記録媒体を製造するための好まし
い装置を表す図である。
【図4】ドラムテスター法を表す図である。
【符号の説明】
1 コラム 2 支持体 3、4 金属蒸着膜 5 磁性層 6 保護層 7 潤滑剤層 8 バックコート層
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−134317(JP,A) 特開 平3−86913(JP,A) 特開 平5−20666(JP,A) 特開 平5−174355(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/66

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、該支持体上に設けられた、2
    層以上の金属蒸着膜を積層して成る磁性層とを有する磁
    気記録媒体において、上記金属蒸着膜中におけるコラム
    の湾曲率がそれぞれ20%以下であり、且つ上記支持体
    に近い側の金属蒸着膜ほどそのコラムの湾曲率が、表面
    に近い側の金属蒸着膜中におけるコラムの湾曲率よりも
    大きいことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記支持体に近い側の金属蒸着膜の膜厚
    が、表面に近い側の金属蒸着膜の膜厚よりも厚いことを
    特徴とする請求項1の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記支持体に近い側の金属蒸着膜中にお
    けるコラムの湾曲率が、表面に近い側の金属蒸着膜中に
    おけるコラムの湾曲率の2倍以上である、請求項1記
    の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記磁性層の長手方向の保磁力が100
    0〜2500Oeであり、且つ垂直方向の保磁力が15
    00〜3000Oeである、請求項1記載の磁気記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 上記磁性層の厚さが1000〜5000
    Åである、請求項1記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 コラム傾斜角が20〜80°である請求
    1記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 上記支持体に近い側の金属蒸着膜ほどそ
    のコラム傾斜角が、表面に近い側の金属蒸着膜中におけ
    るコラム傾斜角よりも小さい、請求項記載の磁気記録
    媒体。
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