JPH11110612A - 現金管理機能付き自動取引機および現金管理システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明は、取引利用した売上げデータと装置
内部の各部の保有金額とを計数管理して現金を正確に管
理する現金管理機能付き自動取引機および現金管理シス
テムの提供を目的とする。 【解決手段】この発明は、入金時に投入口に投入された
現金を計数して収納し、出金時に内部の現金処理部また
は金庫から現金を計数して放出する現金管理機能付き自
動取引機であって、上記現金処理部と金庫の一方または
双方の取扱い規制を解除する解除情報を設定した解除情
報設定手段を備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えば駅務の自
動券売機で使用されるような現金管理機能付き自動取引
機に関し、さらに詳しくは自動取引機で取扱われる現金
の計数管理を確実にしてセキュリティ性を高めた現金管
理機能付き自動取引機および現金管理システムに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】一般に、自動取引機で入出金利用される
現金の管理に際しては、売上げデータのみを管理してお
り、入出金して装置内部に収納した保有現金は、後に係
員が計数機を用いて計数処理し、これと売上げデータが
一致するか否かを照合して確認している。

【０００３】しかし、このような係員作業に頼って現金
を照合管理しているため、保有現金と売上げデータに差
異が発生したときは、いつ差異が生じたか不明で、また
その発生原因の追及が困難なため信頼性に乏しく、係員
の不正行為を完全に阻止するような現金管理手段の開発
が望まれていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】そこでこの発明は、取
引利用した売上げデータと装置内部の各部の保有金額と
を計数管理して現金を正確に管理する現金管理機能付き
自動取引機および現金管理システムの提供を目的とす
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
入金時に投入口に投入された現金を計数して収納し、出
金時に内部の現金処理部または金庫から現金を計数して
放出する現金管理機能付き自動取引機であって、上記現
金処理部と金庫の一方または双方の取扱い規制を解除す
る解除情報を設定した解除情報設定手段を備えたことを
特徴とする。

【０００６】請求項２記載の発明は、個別に異ならせて
記録した識別情報と、金庫のセット時に同金庫の識別情
報を電気的に接続して照合確認する照合確認手段とを備
えた金庫であることを特徴とする。

【０００７】請求項３記載の発明は、金庫のセット時に
同金庫の電気的接合不良を判定する判定手段を備えた照
合確認手段であることを特徴とする。

【０００８】請求項４記載の発明は、現金処理部から移
し替え金額を指定して金庫に移送する移送手段を備えた
ことを特徴とする。

【０００９】請求項５記載の発明は、現金処理部に指定
金額を残して残りの全額を金庫に移し替える移し替え手
段を備えたことを特徴とする。

【００１０】請求項６記載の発明は、入金時に投入口に
投入された現金を計数して収納し、出金時に内部の現金
処理部または金庫から現金を計数して放出する現金管理
システムであって、上記現金処理部の収納金額情報と、
金庫の収納金額情報と、売上げ情報とを集計して照合管
理する照合管理手段を備えたことを特徴とする。

【００１１】請求項７記載の発明は、照合管理手段の照
合時に照合異常が発生したとき、警報を発する警報手段
を備えた現金管理システムであることを特徴とする。

【００１２】

【作用】この発明によれば、自動取引機に現金が投入さ
れたとき、投入された現金を計数して現金処理部または
金庫に収納し、出金時に内部の現金処理部または金庫か
ら現金を計数して放出することにより入出金取引金額を
計数管理し、このようにして現金を保有する現金処理部
か金庫の一方または双方の取扱い規制を係員が解除情報
設定手段により解除操作すれば、この解除情報が付与さ
れた係員が現金を取扱い操作する。

【００１３】また、金庫の取扱いに際しては、金庫毎に
個別に異ならせた識別情報を記録しており、金庫のセッ
ト時に同金庫の識別情報を照合確認手段により電気的に
接続して特定の金庫であることを照合確認する。

【００１４】さらに、この金庫のセット時に、同金庫の
電気的接合不良があれば、これを判定手段が判定する。
また、現金処理部から現金を金庫に移し替えるときは、
金額を指定して移送手段の移送作用により移し替える。

【００１５】同じく、現金処理部から現金を金庫に移し
替えるときは、移し替え手段が現金処理部に指定金額を
残して残りの全額を金庫に移し替える。また、運用金額
を照合する際、現金処理部の収納金額情報と金庫の収納
金額情報と売上げ情報とを集計して照合管理手段が照合
管理する。この照合管理手段の照合時に照合異常が発生
したとき、警報手段が警報を発する。

【００１６】

【発明の効果】この結果、自動取引機は内部の現金処理
部と金庫について個別に計数管理するため、これらを係
員が取扱ったときは、その旨を日常業務において特定で
きる。

【００１７】また、現金処理部か金庫の一方または双方
を取扱うには係員がＩＤコードやパスワード等の解除情
報を入力操作しなければ取扱うことができない現金管理
構成のため、収納金額情報と売上げ情報との間に差異が
発生したとき、その発生原因を論理的に追及して解明で
き、それゆえ係員の誤操作や不正行為を解消して信頼性
が高くなり、係員による現金トラブルを確実に抑制する
ことができる。

【００１８】また、金庫毎に専用の金庫ＩＤコード等の
個別の識別情報を持たせて識別できるため、金庫別の現
金管理ができる。さらに、金庫のセット時に同金庫の識
別情報を電気的に接続して照合確認するようにすれば、
セット動作に連動して金庫の現金管理ができ、また金庫
を取扱った解除情報から係員も特定できる。

【００１９】さらに、この金庫のセット時に、同金庫の
電気的接合不良があれば、これを判定してその旨を知ら
せることができるため、正常なセット操作を確実にして
誤動作を回避することができる。

【００２０】また、現金処理部から現金を金庫に移し替
える際は、金額を指定して移し替えることができるた
め、現金処理部および金庫の収納金額を考慮した最適な
金額を移し替えることができる。同じく、現金処理部か
ら現金を金庫に移し替える際は、現金処理部に指定金額
を残して残りの全額を金庫に移し替えることができるた
め、自動取引機の運用に必要な金額を残して運用維持を
図りながら収納処理できる。

【００２１】また、運用金額を照合する際は、現金処理
部の収納金額情報と金庫の収納金額情報と売上げ情報と
を集計して照合管理することができるため、係員による
不正報告や人手による誤照合を回避することができ、ま
たこの照合時に照合異常が発生したとき警報を発するよ
うに設定すれば、直ちに照合異常が判明して、その原因
を解明することができる。

【００２２】

【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図１は鉄道等の駅務に設置される現金管理機能
付き自動券売機１１を示し、この現金管理機能付き自動
券売機１１は、同機前面の接客パネル１２に、案内表示
器１３と、購入選択ボタン１４…と、硬貨投入口１５
と、紙幣挿入口１６と、カード挿入口１７と、券放出口
１８と、受皿１９等を配置して、顧客の券購入操作を許
容し、この券購入操作に基づいて発券動作し、このとき
に投入された紙幣または硬貨の現金を装置内部に受入れ
て収納し、釣銭が必要あれば釣銭を放出している。

【００２３】また、同機背面側の内部には図示しない係
員パネルを配設して、係員による現金の補充、回収、点
検作業等の取扱い操作を許容している。

【００２４】図２は硬貨の補充回収時に着脱利用される
収納カセット２１を示し、この収納カセット２１は正面
に硬貨を出入れ操作する正面扉２２と、配線接続用の配
線プラグ２３を設け、背面にカセットＩＤ番号表示部２
４と取っ手２５を設け、上面に硬貨を上方より落下させ
て受入れる受入れ口２６と、そのシャッタ２７およびシ
ャッタ自動ロック機構２８を備えている。図中、２９は
上面シャッタ操作キー、３０は正面シャッタ操作キーを
示す。

【００２５】図３は現金管理機能付き自動券売機１１の
現金管理システムを示し、これは現金管理機能付き自動
券売機１１の通信装置３１と集計機３２の通信装置３３
とを無線で通信接続して、自動券売機の売上げデータ
と、その自動券売機に内蔵されている現金処理装置３４
の収納金額データと、硬貨や紙幣の各収納カセット２１
の収納金額データとを集計機３２に送信し、これらのデ
ータを集計機３２が集計管理して照合確認し、このよう
な照合操作を自動券売機毎に行って、各自動券売機１１
の現金３５を管理している。

【００２６】この場合、自動券売したときに取扱われる
投入金額は現金処理装置３４または収納カセット２１に
収納され、現金処理装置３４からは釣銭が放出される。
このように変動する現金処理装置３４と収納カセット２
１の収納金額については個別に計数管理して、自動券売
機の現時点の各位置に分配されている収納金額を正確に
計数管理する。この計数管理データが自動券売機１１の
制御部および集計機３２の制御部で記憶更新されてデー
タ管理される。

【００２７】また、現金処理装置３４と収納カセット２
１に収納されている現金を取扱い許容された係員には係
員ＩＤコードとパスワードとの解除情報が予め設定され
ており、この解除情報を入力操作しなければ取扱うこと
ができないため、解除情報を入力して係員が取扱ったと
きは、取扱い日時や取扱い金額に加えて取扱い者を日常
業務において特定できる。

【００２８】また、係員が自動券売機１１から収納カセ
ット２１を取外して集計機３２にセットし、ここで収納
カセット２１の現金を計数チェックしたとき、自動券売
機の収納金額データと売上げデータとの間に差異が発生
すると、その発生原因をそれまでに入力された解除情報
や計数管理データから論理的に追及して正確に解明する
ことができる。従って、係員の誤操作や不正行為が即座
に判明するため係員の不正抑制効果が確実に得られ、信
頼性が高くなり係員による現金トラブルを確実に抑制す
ることができる。

【００２９】さらに、自動券売機１１…毎に現金処理装
置３４と収納カセット２１の収納金額を個別に計数管理
するため、現金処理装置３４から現金を収納カセット２
１に移し替える必要性が生じた場合は、移し替えに適し
た金額を指定して移し替えることができる。また、自動
券売機１１を運用維持する必要最小限の金額を現金処理
装置３４に残して、残りの全額を収納カセット２１に移
し替えて現金を他の用途に有効利用することもできる。

【００３０】図４は集計機３２の制御回路ブロック図を
示し、ＣＰＵ４１はＲＯＭ４２に格納されたプログラム
に沿って各回路装置を制御し、その制御データをＲＡＭ
４３で読出し可能に記憶する。

【００３１】ＣＰＵ４１は遠隔位置で各自動券売機１１
…のデータを集計管理するだけでなく、収納カセット２
１が集計機３２にセットされたとき、同カセット２１に
設けた配線プラグ２３が集計機３２のコネクタソケット
４４に接続対応して電気的に接続される。このため、収
納カセット２１を装着すると同時に、集計機３２のカセ
ットＩＤ情報判定部４５が同カセットのＩＤ番号を識別
して収納カセットを特定する。

【００３２】また、ＣＰＵ４１は収納カセット２１のセ
ット時に、機械的だけでなく電気的にも接続されるため
同カセットの識別情報をセット動作に連動して照合確認
できる。このため、セットした収納カセット２１を直ち
に特定してデータ管理でき、また収納カセットを取扱っ
た係員の解除情報から係員を的確に特定できる。

【００３３】さらに、この収納カセット２１のセット時
に、同カセットの電気的接合不良があれば、これを電気
的接合判定部４６で判定して、その旨を係員に知らせる
ことができるため、誤セット操作を確実に回避すること
ができる。

【００３４】また、集計機３２で売上げデータを照合確
認する際は、収納カセットが装着されていた自動券売機
１１のデータを照合する。これは現金処理装置３４の収
納金額データと、収納カセット２１の収納金額データ
と、売上げデータとを、売上げデータ照合部４７で照合
する。このとき、異常があれば、この集計時点で異常を
検出する。従って、係員による不正報告を抑制し、また
係員による誤照合を回避することができる。また、ブザ
ー等の警報器４８を併設しておけば、照合異常が発生し
たときに警報を発して直ちに照合異常が判明する。

【００３５】ところで、ＲＡＭ４３にはカセット照合テ
ーブル４９を設定しており、このカセット照合テーブル
４９は、例えば集計機３２で取扱われる個数のカセット
通信番号１〜１６の内、１〜１２をカセットＩＤ情報識
別用に設定し、１３〜１６をカセット接合不良識別用お
よび悪用検知識別用に設定し、これらの設定された照合
値にカセットＩＤ番号、係員ＩＤコード、パスワードが
一致するか否かで、特定のカセットを照合確認し、また
同カセットの電気的接合状態の適否および係員による誤
計数や悪用の有無を識別することができる。

【００３６】そして、係員による適正なＩＤコードやパ
スワード等の解除情報が係員パネルに入力されると、こ
の収納カセット２１のロックが解除されて内部の現金の
取扱いが許容され、係員は正面扉２２を開口して現金を
補充操作または回収操作する。

【００３７】上述のように、現金管理機能付き自動券売
機は内部の現金処理装置と収納カセットについて個別に
計数管理することができるため、自動券売機の現時点の
各位置に分配されている収納金額を正確に計数管理する
ことができる。従って、係員が取扱ったときは、その旨
を正確に特定できる。また、現金処理装置や収納カセッ
トを取扱う係員は係員ＩＤコードやパスワード等の解除
情報を入力操作しなければ取扱うことができない現金管
理構成のため、収納金額データと売上げデータとの間に
差異が発生したときは、その発生原因を論理的に追及し
て解明できる。それゆえ、係員の誤操作や不正行為を解
消して信頼性が高くなり、係員による現金トラブルを確
実に抑制することができる。

【００３８】また、収納カセット毎に個別のカセットＩ
Ｄ番号を持たせて識別できるため、カセット別の現金管
理ができ、さらに収納カセットのセット時に同カセット
の識別情報を電気的に接続して照合確認するため、セッ
ト動作に連動して収納カセットの現金管理ができ、また
収納カセットを取扱った解除情報から係員も特定でき
る。さらに、この収納カセットのセット時に、同カセッ
トの電気的接合不良があれば、これを判定してその旨を
知らせることができるため、正常なセット操作を確実に
行うことができ、誤動作を完全に回避することができ
る。

【００３９】また、現金処理装置から現金を収納カセッ
トに移し替える際は、移し替え金額を指定して移し替え
ることができるため、現金処理装置および収納カセット
の収納金額を考慮した最適な金額を移し替えることがで
きる。同じく、現金処理装置に指定金額を残して、残り
の全額をカセットに移し替えることができるため、自動
券売機の運用に必要な金額を残して運用維持を図りなが
ら移し替えができる。

【００４０】また、売上げデータを照合する際は、現金
処理装置の収納金額データと収納カセットの収納金額デ
ータと売上げデータとを集計して照合管理することがで
きるため、係員による不正報告を抑制し、また係員によ
る誤照合を回避することができ、さらにこの照合時に照
合異常が発生すれば、警報器で警報出力するため、直ち
に照合異常が判明し、履歴データから異常原因を容易に
解明することができる。

【００４１】この発明と、上述の実施例の構成との対応
において、この発明の現金管理機能付き自動取引機は、
実施例の現金管理機能付き自動券売機１１に対応し、以
下同様に、現金処理部は、現金処理装置３４に対応し、
金庫は、収納カセット２１に対応し、解除情報は、係員
ＩＤコードやパスワードに対応し、解除情報設定手段
は、カセット照合テーブル４９に対応し、識別情報は、
カセットＩＤ情報に対応し、照合確認手段は、カセット
ＩＤ情報判定部４５に対応し、判定手段は、電気的接合
判定部４６に対応し、移送手段および移し替え手段は、
ＣＰＵ４１に対応し、照合管理手段は、売上げデータ照
合部４７に対応し、警報手段は、警報器４８に対応する
も、この発明は請求項に示される技術的思想に基づいて
応用することができ、上述の一実施例の構成のみに限定
されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の現金管理機能付き自動券売機の一例
を示す外観斜視図。

【図２】この発明の現金管理機能付き自動券売機に内蔵
される収納カセットの外観斜視図。

【図３】この発明の現金管理システムの制御回路ブロッ
ク図。

【図４】この発明の集計機の制御回路ブロック図。

【符号の説明】

１１…現金管理機能付き自動券売機 １５…硬貨投入口 １６…紙幣挿入口 ２１…収納カセット ２３…配線プラグ ２４…カセットＩＤ番号表示部 ３２…集計機 ３４…現金処理装置 ３５…現 金 ４１…ＣＰＵ ４４…コネクタソケット ４５…カセットＩＤ情報判定部 ４６…電気的接合判定部 ４７…売上げデータ照合部 ４８…警報器 ４９…カセット照合テーブル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 建之 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オ ムロン株式会社内 (72)発明者 柴田 俊之 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オ ムロン株式会社内

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】入金時に投入口に投入された現金を計数し
   て収納し、出金時に内部の現金処理部または金庫から現
   金を計数して放出する現金管理機能付き自動取引機であ
   って、上記現金処理部と金庫の一方または双方の取扱い
   規制を解除する解除情報を設定した解除情報設定手段を
   備えた現金管理機能付き自動取引機。
2. 【請求項２】金庫は、個別に異ならせて記録した識別情
   報と、金庫のセット時に同金庫の識別情報を電気的に接
   続して照合確認する照合確認手段とを備えた請求項１記
   載の現金管理機能付き自動取引機。
3. 【請求項３】照合確認手段は、金庫のセット時に同金庫
   の電気的接合不良を判定する判定手段を備えた請求項２
   記載の現金管理機能付き自動取引機。
4. 【請求項４】現金処理部から移し替え金額を指定して金
   庫に移送する移送手段を備えた請求項１記載の現金管理
   機能付き自動取引機。
5. 【請求項５】現金処理部に指定金額を残して残りの全額
   を金庫に移し替える移し替え手段を備えた請求項１記載
   の現金管理機能付き自動取引機。
6. 【請求項６】入金時に投入口に投入された現金を計数し
   て収納し、出金時に内部の現金処理部または金庫から現
   金を計数して放出する現金管理システムであって、上記
   現金処理部の収納金額情報と、金庫の収納金額情報と、
   売上げ情報とを集計して照合管理する照合管理手段を備
   えた現金管理システム。
7. 【請求項７】照合管理手段の照合時に照合異常が発生し
   たとき、警報を発する警報手段を備えた請求項６記載の
   現金管理システム。