JP2001023041A - 貨幣処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 釣銭の補充についての現金管理における不正
を防ぎ、その現金管理を厳格かつ容易にすることができ
る貨幣処理装置を提供する。 【解決手段】 入金時に貨幣を収納し出金時に貨幣を払
い出す貨幣収納手段と、予め登録されたＩＤコードをも
つ前記カードを前記カードリーダが読み取った場合は、
両替用の出金を許可して、前記貨幣収納手段から出金さ
せ、当該両替用の出金金額を当該ＩＤコードに関連づけ
て前記取引記憶手段に記憶させる釣銭補充出金制御手段
と、両替後の釣銭補充を行うときは、釣銭補充を許可さ
れたＩＤコードをもつ前記カードを前記カードリーダが
読み取った場合に、釣銭入金を許可する釣銭補充入金制
御手段とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えばレジ端末機
のように、小売店等における現金管理に用いられ、入金
時に貨幣を収納し出金時に貨幣を払い出す貨幣収納手段
を備える貨幣処理装置に関し、特に釣銭の補充について
の現金管理を厳格かつ容易にすることができる貨幣処理
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の貨幣処理装置では、通常、キャッ
シュレジスタを用い、先ず始業時に一日の現金の出入り
額を予想して、必要な釣銭を用意する。その釣銭は、オ
ペレータがキャッシュレジスタの現金収納引き出しに収
納する。その後は、商品単価、数量、商品コード、受領
金額等のキー入力と受領現金の収納、釣銭の支払い、レ
シートの手渡し等の通常の料金収納業務が実施される。
また、従来の貨幣処理装置としては、特開平７−２９０
６９号公報に記載されているものであって、キャッシュ
レジスタのところに釣銭補給ワゴンを横付けして、キャ
ッシュレジスタとデータ伝送ケーブルを介して接続し、
釣銭の補給、収納金の回収、両替、締め上げ時の現金計
数を機械により行い、レジ担当者の負担を軽減するもの
がある。

【０００３】また、従来の貨幣処理装置としては、特開
平７−１２９８５９号公報に記載されているものであっ
て、ホストコンピュータと複数のＰＯＳ端末が通信回線
で接続されており、レジ担当者がＰＯＳ端末を操作して
ホストコンピュータに両替の許可をもらい、その許可の
後、両替したい高額紙幣と出金指定金種を入力すると指
定に従い現金が投出されるものがある。両替金が入力さ
れたときには、両替実績データがＰＯＳ端末からホスト
コンピュータに送られる。このときの現金管理は、ＰＯ
Ｓ端末利用者が行う入力であって利用者毎に決められて
いる識別記号の入力による。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
特開平７−２９０６９号公報に記載された貨幣処理装置
では、システム的に規模が大きくなってしまうという問
題点があり、ガソリンスタンドなどアルバイトの店員が
入れ替わり立ち代わりする一方で、レジの台数が多くて
も数台というような小規模店舗においては非合理的なも
のとなる。

【０００５】また、上述の特開平７−１２９８５９号公
報に記載された貨幣処理装置では、ＰＯＳ端末利用者の
識別記号を他人に使われてしまうと、その不正使用を誰
がしたのかを特定することが難しくなるという問題点が
ある。ここで、上述の貨幣処理装置では、ホストコンピ
ュータと複数のＰＯＳ端末とを通信回線で接続するの
で、システムが大掛かりになるといった問題点ももって
いる。

【０００６】本発明は上述のような事情からなされたも
のであり、本発明の目的は、入金時に貨幣を収納し出金
時に貨幣を払い出す貨幣収納手段を備える貨幣処理装置
において、システムを大規模にすることなく釣銭の補充
についての現金管理における不正を防ぎ、その現金管理
を厳格かつ容易にすることができる貨幣処理装置を提供
することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、入金時に貨幣
を収納し出金時に貨幣を払い出す貨幣収納手段を備える
貨幣処理装置に関し、本発明の上記目的は、入金時に貨
幣を収納し出金時に貨幣を払い出す貨幣収納手段と、前
記貨幣収納手段に対する釣銭の補充及び釣銭の出金の指
示を入力する入力手段と、操作者が有するカードが持つ
情報を読み込むカードリーダと、前記カードリーダが読
み込んだ前記カードが持つ情報のうちのＩＤコードを記
憶すると共に、当該カードが持つ情報のうちの当該カー
ドの権限を示すデータを記憶する記憶手段と、前記ＩＤ
コードに関連づけて前記貨幣収納手段における入出金の
履歴を記憶する取引ログ記憶手段と、予め登録されたＩ
Ｄコードをもつ前記カードを前記カードリーダが読み取
った場合は、両替用の出金を許可して、前記貨幣収納手
段から出金させ、当該両替用の出金金額を当該ＩＤコー
ドに関連づけて前記取引記憶手段に記憶させる釣銭補充
出金制御手段と、両替後の釣銭補充を行うときは、釣銭
補充を許可されたＩＤコードをもつ前記カードを前記カ
ードリーダが読み取った場合に、釣銭入金を許可する釣
銭補充入金制御手段と、を備えるようにした、ことによ
って達成される。

【０００８】また、本発明は、前記釣銭補充入金制御手
段は、前記釣銭補充を行うときの前記貨幣収納手段に対
する入金金額が前記釣銭補充出金制御手段の記憶する出
金金額の合計値をオーバーした場合には、当該オーバー
した貨幣を出金口に放出する、ことによってより効果的
に達成される。

【０００９】また、本発明は、前記取引ログ記憶手段に
記憶されている入出金の履歴に基づいて、ＩＤコード毎
に、前記出金金額の合計及び前記入金金額の合計を印字
すると共に、前記出金金額の合計と前記入金金額の合計
とが一致しないときは、当該一致しないことを表示する
マークを印字する印字手段を備えるようにした、ことに
よってより効果的に達成される。

【００１０】また、本発明は、前記カードリーダが読み
取った前記カードのＩＤコードが入出金照合処理を許可
された者を示すＩＤコードか否かを判断し、許可された
者を示すＩＤコードであると判断したときは、当該ＩＤ
コードに基づいて、前記出金金額の合計、前記入金金額
の合計、当該出金金額の合計と当該入金金額の合計との
差額を表示すると共に、当該出金金額の合計と当該入金
金額の合計とが一致しない場合は、当該一致しないこと
を示すマークを印字する印字手段を備えるようにした、
ことによってより効果的に達成される。

【００１１】

【発明の実施の形態】先ず、本実施の形態に係る貨幣処
理装置の概要について説明する。本実施形態は、ＩＤカ
ードリーダ及びジャーナルプリンタを装備したレジ端末
機（貨幣処理装置）の釣銭がなくなったときに、高額金
種（紙幣）の出金を行い、その現金を持ってでて、外部
で（例えば、両替機で）両替を行い再度入金を行うこと
により、釣銭の両替をする場合に適用される。

【００１２】ＩＤカードをもとに両替用現金の出金と入
金とを管理するが、両替をするに当たり先ず両替が許可
されたＩＤカードを貨幣処理装置が読取ることが釣銭の
両替処理実行の条件となる。そして、貨幣処理装置の入
出金の精算するときは、これまた精算することを許可さ
れたＩＤカードが読み取られていることを条件に釣銭補
充入出金ジャーナルを印字する。

【００１３】このとき、入金不足の（持ち出した金額が
戻されていない）ままの場合には、ＩＤ番号に不足を示
すマークをつけて印字する。

【００１４】これらにより、本実施の形態に係る貨幣処
理装置によれば、両替金の管理を別途（出納で）管理す
る必要がなくなり、単なる両替機を配置しておくだけ
で、両替を行った担当者をＩＤコードで確認できると共
に、ジャーナルの印字により両替金の過不足も一目瞭然
となり、両替金についての後の確認処理を簡単に実行す
ることができる。

【００１５】また、本実施の形態に係る貨幣処理装置に
よれば、支払い現金を収納し、釣銭を出金する手段とい
ったいわゆる循環式の貨幣入出金機能を備えているの
で、途中補充用の釣銭を必ず用意しなければならないと
いった釣銭準備業務は不要になると共に、施錠によりド
ロアー内の現金を担当者に触れさせないようにして、常
に両替金の管理について不正を防止することができる。

【００１６】また、ＩＤカードによるＩＤ管理をしてい
るので、両替を行った人と両替内容を特定することがで
き、両替金の管理について不正をしにくい環境を提供す
ることができる。

【００１７】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態
を詳細に説明する。

【００１８】図１は本発明の実施形態に係る貨幣処理装
置を示す外観図である。図１に示す貨幣処理装置２０に
おいては、前面上方部位に表示部２２、タッチパネル式
の操作部２３、ジャーナルプリンタ２４、紙幣入金口２
５、硬貨入金口２９及びカードリーダ３３が設けられ、
前面に紙幣出金口２１、貨幣出金口２８が設けられてい
る。表示部２２、ジャーナルプリンタ２４は本発明にい
う出力手段を構成する。

【００１９】貨幣処理装置２０の内部には、紙幣処理ユ
ニット、硬貨処理ユニットが収容されている。これらは
通常、施錠された状態で使用され、各種キーを用いない
限り、係員が内部の貨幣に直接触れることができないよ
うにしている。また、各取引処理毎に取引データをログ
し、ユニット等の開閉毎にユニット開閉データをログす
る。

【００２０】入金処理時は、操作部２３で入金の操作を
行い、入金が紙幣で行われるか硬貨で行われるかに従
い、紙幣入金口２５に入金紙幣を投入し、硬貨入金口２
９に入金硬貨を投入すると、それらを計数して表示部２
２に計数金額を表示するとともに、正常と判断された紙
幣及び（又は）硬貨は、各処理部が満杯にならない限
り、図示しない紙幣収納部及び硬貨収納部からなる貨幣
収納部に収納される。硬貨収納部が満杯になった金種の
硬貨は図示しないオーバーフロー部へ収納される。ま
た、異常と判断された紙幣は紙幣出金口２１ヘ排出さ
れ、異常と判断された硬貨は硬貨出金口２８ヘ排出され
る。出金処理時は、操作部２３で出金の操作を行うと、
出金紙幣は紙幣収納部から紙幣出金口２１ヘ投出され、
出金硬貨は硬貨収納部から硬貨出金口２８ヘ投出され、
出金金額が表示部２２に表示される。

【００２１】出金のために用いることの可能な硬貨収納
部の硬貨が少なくなってくると、直接には出金硬貨とし
て利用できないオーバーフロー部内の硬貨を出金用硬貨
として利用するために、操作部２３でオーバーフロー回
収の処理操作を行い、図示しないオーバーフロー部キー
ホールにキーを挿入することにより解錠して、オーバー
フロー部３１を引き出し、オーバーフロー部に収納され
ている硬貨を取り出し、オーバーフロー部３１を元に戻
して施錠する。次に、操作部２３上でオーバーフロー補
充の操作を行い、オーバーフロー回収で取り出した硬貨
を硬貨入金口２９に投入し、計数して表示部２２に計数
金額を表示するとともに、正常と判断された硬貨は硬貨
収納部に収納し、この収納により収納部が満杯になった
金種の硬貨は、オーバーフロー部へ再び収納される。

【００２２】営業時間終了後、操作部２３で精算処理の
操作を行い、図示しない比較手段で貨幣処理装置２０内
に現実に保有している貨幣の在高と取引に応じて加減算
される記憶在高の在高（貨幣の現金在高と装置記憶在
高）を比較し、両者が一致していれば表示部２２に一致
している旨を表示すると共に、ジャーナルプリンタ２４
で一致内容を印字する。一致していなければ、表示部２
２に不一致である旨を表示すると共に、ジャーナルプリ
ンタ２４で不一致内容を印字する。次に、貨幣処理装置
２０内の貨幣収納部から貨幣を全て投出すると共に、オ
ーバーフロー部から硬貨を全て取り出し、現実に存在す
る貨幣の在高と投出前の装置記憶在高とを比較する。両
者が不一致であれば、取引データを解析して不一致の原
因を調査する。

【００２３】図２は、貨幣処理装置２０の機能ブロック
図である。貨幣処理装置２０は演算制御部１０を含んで
おり、この演算制御部１０に、紙幣の入出金処理を行う
紙幣処理部４１、硬貨の入出金処理を行う硬貨処理部４
２、計数金額等を表示する表示部４３、処理を指定しデ
ータを入力する入力部４４、計数結果等を印字する印字
部４５、外部の上位機（例えばＰＯＳシステム）との通
信を行うためのインターフェイス部（Ｉ／Ｆ部）４６及
びカードリーダ部３３等が接続されている。ここでは表
示部４３及び印字部４５が表示手段を構成する。演算制
御部１０はＣＰＵを中心として在高を記憶するメモリ等
を含むマイクロコンピュータ・システムとして構成さ
れ、それに接続されている各部の演算制御を司る。紙幣
処理部４１は紙幣出金口２１及び紙幣入金口２５を介し
て行われる紙幣の入出金処理を行う。硬貨処理部４２は
硬貨出金口２８、硬貨入金口２９、オーバーフロー部を
介して行われる硬貨の入出金処理を行う。表示部４３は
図１の表示部２２に対応し、入力部４４は操作部２３に
対応し、印字部４５は図１のジャーナルプリンタ２４に
対応する。

【００２４】図３は、図１に示す貨幣処理装置において
釣銭の補充が必要となった場合の処理、すなわち釣銭補
充出金処理を示すフローチャートである。まず、釣銭の
補充が必要となった場合は、係員が操作部２３の釣銭補
充ボタンを押し（ステップＳ１）、ＩＤカードをカード
リーダ３３に通す（ステップＳ２）。

【００２５】貨幣処理装置２０は、読み取ったカードデ
ータの権限コードに基づき、釣銭補充を許可された者か
否かをチェックする（ステップＳ３）。ここで、許可さ
れた者であると判断した場合は、入金／出金メニューを
表示部２２に表示する（ステップＳ４）。このとき、出
金の設定値を既にオーバーしていた場合は、入金項目の
みを表示するか、あるいは、釣銭補充出金回数が既定値
以上となる場合は、出金を規制し、入金項目のみを選択
可能とする。

【００２６】係員が出金項目を選択した場合は、出金金
額指定画面を表示部２２で表示する（ステップＳ５）。
このとき、一万円札・五千円札・千円札それぞれの出金
可能枚数（在高）を表示する(ステップＳ６)。

【００２７】一万円・五千円・千円のうちの一つの金種
を選択し、両替用の出金金額に相当する枚数を指定する
（ステップＳ７）。さらに係員は、操作部２３の確定ボ
タンを押す（ステップＳ８）。このとき、在高枚数をチ
ェックし、指定枚数がオーバーしている場合は再度枚数
指定待ちとする。

【００２８】貨幣処理装置２０は、指定金額をＩＤデー
タと共に記憶装置に記憶する（ステップＳ９）。また、
貨幣処理装置２０は、ＩＤ番号（担当者Ｎｏ．）と出金
金額及び出金時刻をロギングする。そして、指定金額を
指定された金種で紙幣出金口２１から出金する（ステッ
プＳ１０）。

【００２９】さらに、貨幣処理装置２０は、補充用の出
金ジャーナルをジャーナルプリンタ２４において印字す
る（ステップＳ１１）。図４は、補充用の出金ジャーナ
ル印字の一例を示す説明図である。補充用出金ジャーナ
ルの印字内容としては、補充出金実施時刻、ＩＤ番号、
機械番号、出金前合計金額、指定金種及び出金金額とす
る。

【００３０】ステップＳ１１の補充用出金ジャーナルの
印字をすることで釣銭補充出金処理を終了する。ステッ
プＳ３において釣銭補充を許可された者ではないと判断
した場合は、そこで釣銭補充出金処理を終了する。その
後、係員は、出金した現金を両替機で両替する。

【００３１】図５は、図１に示す貨幣処理装置において
釣銭補充のための入金をする処理、すなわち釣銭補充入
金処理を示すフローチャートである。まず、出金した現
金を両替機で両替した係員は、操作部２３の釣銭補充ボ
タンを押し（ステップＳ２１）、ＩＤカードをカードリ
ーダ３３に通す（ステップＳ２２）。

【００３２】貨幣処理装置２０は、読み取ったカードデ
ータの権限コードに基づき、釣銭補充を許可された者か
否かをチェックする（ステップＳ２３）。ここで、許可
された者であると判断した場合は、入金／出金メニュー
を表示部２２に表示する（ステップＳ２４）。

【００３３】係員が入金項目を選択すると（ステップＳ
２５）、貨幣処理装置２０は、ＩＤ番号に関連させて記
憶してある出金履歴から出金額の合計を計算し（ステッ
プＳ２６）、その出金額の合計を表示部２２に表示する
（ステップＳ２７）。

【００３４】その後、係員は、両替機で両替した釣銭
（紙幣・硬貨）を紙幣入金口２５及び硬貨入金口２９に
セットし（ステップＳ２８）、操作部２３のスタートボ
タンを押す（ステップＳ２９）。

【００３５】貨幣処理装置２０は、入金計数の処理を開
始する（ステップＳ３０）。ここで、入金計数中に出金
合計金額に達した場合は、計数を停止し、オーバー貨幣
がある場合はオーバー分を紙幣出金口２１又は硬貨出金
口２８に放出する。

【００３６】その後、係員は、操作部２３の確定ボタン
を押す（ステップＳ３１）。貨幣処理装置２０は、入金
金額をＩＤデータと共に記憶装置に記憶する（ステップ
Ｓ３２）。ここで、貨幣処理装置２０は、補充入金実施
時刻、ＩＤ番号（担当者Ｎｏ．）、機械番号、入金金
額、各金種小計、入金金額合計及び入出金差額をロギン
グする。

【００３７】さらに、貨幣処理装置２０は、補充用の入
金ジャーナルをジャーナルプリンタ２４において印字す
る（ステップＳ３３）。図６は、釣銭補充用の入金ジャ
ーナル印字の一例を示す説明図である。補充用入金ジャ
ーナルの印字内容としては、補充入金実施時刻、ＩＤ番
号、機械番号、入金金額各金種小計、入金金額合計及び
入出金差額とする。ここで、入出金差額が負のとき、す
なわち出金金額合計が入金金額合計よりも大きいとき
は、図６におけるマーク６１「＊＊」を付けて印字す
る。

【００３８】ステップＳ３３の補充用入金ジャーナルの
印字をすることで釣銭補充入金処理を終了する。ステッ
プＳ２３において釣銭補充を許可された者ではないと判
断した場合は、そこで釣銭補充出金処理を終了する。

【００３９】図７は、図１に示す貨幣処理装置において
釣銭補充をした後の締めの処理、すなわち釣銭補充入出
金照合処理を示すフローチャートである。まず係員は、
操作部２３の締めボタンを押し（ステップＳ４１）、Ｉ
Ｄカードをカードリーダ３３に通す（ステップＳ４
２）。

【００４０】貨幣処理装置２０は、読み取ったカードデ
ータの権限コードに基づき、締めの処理を許可された者
か否かをチェックする（ステップＳ４３）。ここで、許
可された者であると判断した場合は、締め精算のメッセ
ージを表示部２２に表示するとともに、ＩＤ番号別に釣
銭補充用の出金合計及び入金合計、並びに入出金の差額
を計算する(ステップＳ４４)。

【００４１】その後、係員は、操作部２３の確定ボタン
を押す（ステップＳ４５）。貨幣処理装置２０は、ＩＤ
番号別の釣銭補充入出金ジャーナルをジャーナルプリン
タ２４において印字する（ステップＳ４６）。図８は、
釣銭補充入出金ジャーナル印字の一例を示す説明図であ
る。釣銭補充入出金ジャーナルの印字内容としては、締
め時実施時刻、ＩＤ番号、機械番号、出金金額の合計、
入金金額の合計及び入出金の差額とする。ここで、補充
入金金額が不足している場合は、ＩＤ番号に不足を示す
マーク（図８におけるマーク８１）「＊＊」を付けて印
字する。なお、図８に示す印字は、両替分だけ続くこと
となる。

【００４２】次に、本実施形態の貨幣処理装置の補助機
能について説明する。ＩＤカードが持つ情報は、係員毎
に割り当てたＩＤ番号と釣銭補充処理の実行の許否を判
断するときに使用する権限コードから成る。各ＩＤカー
ドについては、システム設定によってＩＤ番号と権限コ
ードを設定することができる。また、外部から通信によ
ってＩＤ番号と権限コードをダウンロードして設定して
もよい。

【００４３】システム設定により、各貨幣処理装置毎に
釣銭補充出金の回数を規制してもよい。また、システム
設定により、各貨幣処理装置毎に機械番号を登録する。
また、システム設定により、ユーザ運用による補充出金
の有効／無効設定を可能とする。これらのシステム設定
は、マネージャ専用キーを用いなければ実行できないも
のとする。あるいはマネージャ専用キーの代わりにマネ
ージャ専用ＩＤカードを用いてもよい。

【００４４】これらにより、本実施形態の貨幣処理装置
によれば、ＩＤカードをもとに両替用現金の出金と入金
とを管理すると共に、両替をするに当たり先ず両替が許
可されたＩＤカードを貨幣処理装置が読取ることが釣銭
の両替処理実行の条件となる。そして、貨幣処理装置の
入出金の精算するときは、これまた精算することを許可
されたＩＤカードが読み取られていることを条件に釣銭
補充入出金ジャーナルを印字する。このとき、入金不足
の（持ち出した金額が戻されていない）ままの場合に
は、ＩＤ番号に不足を示すマークをつけて印字する。し
たがって、本実施形態の貨幣処理装置によれば、出金処
理によって売り上げ金を両替するので、両替金の管理を
別途（出納で）管理する必要がなくなり、すなわち途中
補充しなくてはならなかった釣銭の事前準備が不要とな
り、単なる両替機を配置しておくだけで、両替を行った
係員をＩＤコードで確認できると共に、ジャーナルの印
字により両替金の過不足も一目瞭然となり、両替金につ
いてのあとの確認作業を簡易化しながら、釣銭補充の現
金処理を厳正化することができる。

【００４５】また、本実施の形態に係る貨幣処理装置に
よれば、支払い現金を収納し、釣銭を出金する手段を備
えているので、まえもって途中補充用の釣銭を用意して
おくといった釣銭準備業務は不要になると共に、ドロア
ー内の現金を担当者が触れることができず、常に、両替
金の管理について不正を防止することができる。

【００４６】また、本実施の形態に係る貨幣処理装置に
よれば、ＩＤカードによるＩＤ管理をしており、打ち出
されたジャーナルにより両替を行った人と両替内容を特
定することができ、両替金の管理について不正をしにく
い環境を提供することができる。

【００４７】なお、本発明は、上述の実施形態に限定さ
れるものではなく、例えば、ＰＯＳ端末を上位機とし、
ＩＤカードリーダ及びジャーナルプリンタを装備した紙
幣・硬貨入出金管理機（現金管理機）に適用できる。

【００４８】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、貨幣収納
手段に入金された貨幣を両替用の貨幣として出金するの
で、両替時に係員が貨幣処理装置内から現金を直接取り
出す必要がないと共に、釣銭として補充するための現金
を別途用意しておく必要がなくなり、また、カードが持
つＩＤコードに基づいて両替用の出入金を許可するの
で、現金管理について厳格化を図ることができる貨幣処
理装置を提供することができる。

【００４９】また、本発明によれば、入出金の履歴を記
憶し、出金金額の合計と入金金額の合計とが一致しない
ときは、該一致しないことを表示するマークを印字する
ので、いわゆる締め時における両替金の過不足も一目瞭
然となり、現金管理について厳格化を図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係る貨幣処理装置を示す外
観図である。

【図２】図１に示す貨幣処理装置の機能ブロック図であ
る。

【図３】図１に示す貨幣処理装置おいて釣銭の補充が必
要となった場合の出金処理を示すフローチャートであ
る。

【図４】補充用の出金ジャーナル印字の一例を示す説明
図である。

【図５】図１に示す貨幣処理装置において釣銭補充のた
めの入金処理を示すフローチャートである。

【図６】釣銭補充用の入金ジャーナル印字の一例を示す
説明図である。

【図７】図１に示す貨幣処理装置において釣銭補充をし
た後の締めの処理を示すフローチャートである。

【図８】釣銭補充入出金ジャーナル印字の一例を示す説
明図である。

【符号の説明】

２０ 貨幣処理装置 ２１ 紙幣出金口 ２２ 表示部 ２３ 操作部 ２４ ジャーナルプリンタ ２５ 紙幣入金口 ２８ 硬貨出金口 ２９ 硬貨入金口 ３３ カードリーダ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 入金時に貨幣を収納し出金時に貨幣を払
   い出す貨幣収納手段と、前記貨幣収納手段に対する釣銭
   の補充及び釣銭の出金の指示を入力する入力手段と、操
   作者が有するカードが持つ情報を読み込むカードリーダ
   と、前記カードリーダが読み込んだ前記カードが持つ情
   報のうちのＩＤコードを記憶すると共に、当該カードが
   持つ情報のうちの当該カードの権限を示すデータを記憶
   する記憶手段と、前記ＩＤコードに関連づけて前記貨幣
   収納手段における入出金の履歴を記憶する取引ログ記憶
   手段と、 予め登録されたＩＤコードをもつ前記カードを前記カー
   ドリーダが読み取った場合は、両替用の出金を許可し
   て、前記貨幣収納手段から出金させ、当該両替用の出金
   金額を当該ＩＤコードに関連づけて前記取引記憶手段に
   記憶させる釣銭補充出金制御手段と、 両替後の釣銭補充を行うときは、釣銭補充を許可された
   ＩＤコードをもつ前記カードを前記カードリーダが読み
   取った場合に、釣銭入金を許可する釣銭補充入金制御手
   段と、 を備えることを特徴とする貨幣処理装置。
2. 【請求項２】 前記釣銭補充入金制御手段は、前記釣銭
   補充を行うときの前記貨幣収納手段に対する入金金額が
   前記釣銭補充出金制御手段の記憶する出金金額の合計値
   をオーバーした場合には、当該オーバーした貨幣を出金
   口に放出する請求項１に記載の貨幣処理装置。
3. 【請求項３】 前記取引ログ記憶手段に記憶されている
   入出金の履歴に基づいて、ＩＤコード毎に、前記出金金
   額の合計及び前記入金金額の合計を印字すると共に、前
   記出金金額の合計と前記入金金額の合計とが一致しない
   ときは、当該一致しないことを表示するマークを印字す
   る印字手段を備える請求項１又は２に記載の貨幣処理装
   置。
4. 【請求項４】 前記カードリーダが読み取った前記カー
   ドのＩＤコードが入出金照合処理を許可された者を示す
   ＩＤコードか否かを判断し、許可された者を示すＩＤコ
   ードであると判断したときは、当該ＩＤコードに基づい
   て、前記出金金額の合計、前記入金金額の合計、当該出
   金金額の合計と当該入金金額の合計との差額を表示する
   と共に、当該出金金額の合計と当該入金金額の合計とが
   一致しない場合は、当該一致しないことを示すマークを
   印字する印字手段を備える請求項１又は２に記載の貨幣
   処理装置。