JP3929531B2 - 貨幣処理装置 - Google Patents
貨幣処理装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3929531B2 JP3929531B2 JP29139396A JP29139396A JP3929531B2 JP 3929531 B2 JP3929531 B2 JP 3929531B2 JP 29139396 A JP29139396 A JP 29139396A JP 29139396 A JP29139396 A JP 29139396A JP 3929531 B2 JP3929531 B2 JP 3929531B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- amount
- money
- overflow
- storage unit
- unit
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、入金時に貨幣を収納し出金時に貨幣を払い出す貨幣収納部、及び入金時に貨幣収納部の満杯になった金種の過剰貨幣を収納するオーバーフロー部を備えた貨幣処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばPOS方式(販売時点販売管理方式)のもとで用いられる貨幣処理装置にあっては、内部の現金在高を管理するために、内部に保有する貨幣の在高を現金在高として記憶し、入金処理時、貨幣収納部が満杯の金種はそれをオーバーフロー部へ収納し、その在高をオーバーフロー部在高として記憶する。各在高は、貨幣の収納・払出に応じて更新される。そして、出金処理を繰り返し、出金用の貨幣が残り少なくなってくると、入金時にオーバーフロー部へ収納した貨幣をオーバーフロー部から取り出すオーバーフロー回収を行った後、その取り出した貨幣を貨幣収納部へ補充するオーバーフロー補充処理を行い、それぞれの処理に応じて現金在高とオーバーフロー部在高を更新し、オーバーフロー部から取り出した貨幣を貨幣収納部に移して出金用の貨幣にする。この場合に問題となるのは、貨幣処理装置の使用者のモラルが高いとは限らないということである。つまり、オーバーフロー部から取り出した貨幣の全額を貨幣収納部に移すべきであるのに、取り出した貨幣の一部をくすねようとする者が現実問題として存在することである。このようにオーバーフロー回収及びオーバーフロー補充があった場合、その前後で現金在高が正しいかどうかのチェックは従来オペレータが行い、正しくなかった場合、営業中に装置運用を停止して原因調査をしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
営業時間中に行うオーバーフロー回収やオーバーフロー補充処理が正しく行われたかどうかは、精算時にチェックする現金在高と装置内の現金との照合チェックでは分かりにくいという問題点があった。また、営業時間中に装置内の現金在高が正しいかどうかをチェックする作業は、オペレーターにとって大きな負担となっていた。現金在高が正しくなかった場合は、営業時間中に装置運用を停止して原因調査を行うので、客を待たせているときは特にオペレータにとって負担となっていた。
【0004】
本発明は上述の事情を考慮してなされたものであり、その目的は、オペレ一夕の負担を軽減し、営業中に装置運用を停止することなく、オーバーフロー回収やオーバーフロー補充の前後で装置内の現金在高が正しかったか否かを、営業時間外にチェックできる貨幣処理装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明にかかる貨幣処理装置は、入金時に貨幣を収納し出金時に貨幣を払い出す貨幣収納部、及び入金時に前記貨幣収納部の満杯になった金種の過剰貨幣を収納するオーバーフロー部を備えた貨幣処理装置において、前記貨幣収納部に保有する貨幣の金種毎及び合計の金額を現金在高として記憶し、前記オーバーフロー部に保有する貨幣の金種毎及び合計の金額をオーバーフロー部在高として記憶し、前記貨幣収納部及び前記オーバーフロー部に保有すべき貨幣の合計金額を所要在高として記憶する記憶部と、入金処理時は前記貨幣収納部へ収納した貨幣枚数に応じて前記記憶部の現金在高及び所要在高を更新すると共に、前記オーバーフロー部へ収納した貨幣があればその収納貨幣に応じて前記オーバーフロー部在高を更新し、出金処理時は前記貨幣収納部から投出した貨幣枚数に応じて前記記憶部の現金在高及び所要在高を更新し、オーバーフロー回収処理時は前記現金在高及びオーバーフロー部在高を更新し、オーバーフロー補充処理時は前記現金在高を更新すると共に前記オーバーフロー部へ収納した貨幣があればその収納枚数に応じて前記オーバーフロー部在高を更新する演算処理手段と、精算処理時に前記現金在高と前記所要在高とを比較し、その比較結果を出力する比較手段と、前記比較手段の比較結果を出力する出力手段とを具備したことを特徴とするものである。
【0006】
出力手段は少なくとも表示部、印字部またはインターフェイス部から構成することができる。
【0007】
【発明の実施の態様】
図2は本発明を適用する貨幣処理装置の外観を示すものである。図2に示す貨幣処理装置20においては、前面上部左方に斜め上向きに紙幣出金口21、表示部22、及び操作部23が設けられ、前面上部右方にジャーナルプリンタ24、及び紙幣入金口25が設けられている。前面下部には紙幣処理ユニットキーホール26、硬貨処理ユニツトキーホール27、硬貨出金口28、硬貨入金口29、オーバーフロー部キーホール30、オーバーフロー部31、及び硬貨リジェクト口32が設けられている。表示部22及びジャーナルプリンタ24は本発明にいう出力手段を構成する。
【0008】
紙幣処理ユニットキーホール26に係合するキーにより図示していない内部の紙幣処理ユニット(図3:紙幣処理部41)が施錠され、硬貨処理ユニツトキーホール27に係合するキーにより同様に内部の硬貨ユニット(図3:硬貨処理部42)が施錠され、オーバーフロー部キーホール30に係合するキーによりオーバーフロー部31が施錠される。これらの各キーを用いない限り、係員が内部の貨幣に直接触れることができないようにしている。また、各取引処理毎に取引データをログし、ユニット等の開閉毎にユニット開閉データをログする。
【0009】
入金処理時は、操作部23で入金の操作を行い、入金が紙幣で行われるか硬貨で行われるかに従い、紙幣入金口25に入金紙幣を投入し、硬貨入金口29に入金硬貨を投入すると、それらを計数して表示部22に計数金額を表示するとともに、正常と判断された紙幣及び(又は)硬貨は、各処理部が満杯にならない限り、紙幣収納部及び硬貨収納部からなる貨幣収納部に収納される。硬貨収納部が満杯になった金種の硬貨はオーバーフロー部31へ収納される。また、異常と判断された紙幣は紙幣出金口21ヘ排出され、異常と判断された硬貨は硬貨リジェクト口32ヘ排出される。出金処理時は、操作部23で出金の操作を行うと、出金紙幣は紙幣収納部から紙幣出金口21ヘ投出され、出金硬貨は硬貨収納部から硬貨出金口28ヘ投出され、出金金額が表示部22に表示される。
【0010】
出金のために用いることの可能な硬貨収納部の硬貨が少なくなってくると、直接には出金硬貨として利用できないオーバーフロー部31内の硬貨を出金用硬貨として利用するために、操作部23でオーバーフロー回収の処理操作を行い、オーバーフロー部キーホール30にキーを挿入することにより解錠して、オーバーフロー部31を引き出し、オーバーフロー部31に収納されている硬貨を取り出し、オーバーフロー部31を元に戻して施錠する。次に、操作部23上でオーバーフロー補充の操作を行い、オーバーフロー回収で取り出した硬貨を硬貨入金口29に投入し、計数して表示部22に計数金額を表示するとともに、正常と判断された硬貨は硬貨収納部に収納し、収納部が満杯になった金種の硬貨は、オーバーフロー部31へ収納され、異常と判断された硬貨は硬貨リジェクト口32ヘ投出する。
【0011】
営業時間終了後、操作部23で精算処理の操作を行い、比較手段17で貨幣処理装置20内に現実に保有している貨幣の在高と計数上の在高(貨幣の現金在高と所要在高)を比較し、両者が一致していれば表示部22に一致している旨を表示すると共に、ジャーナルプリンタ24で一致内容を印字する。一致していなければ、表示部22に不一致である旨を表示すると共に、ジャーナルプリンタ24で不一致内容を印字する。次に、貨幣処理装置20内の貨幣収納部から貨幣を全て投出すると共に、オーバーフロー部31から硬貨を全て取り出し、現実に存在する貨幣の在高と投出前の所要在高とを比較する。両者が不一致であれば、取引データやユニットの開閉ログ等を解析して不一致の原因を調査する。
【0012】
図3は、貨幣処理装置20の機能ブロック図を示すものである。貨幣処理装置20は演算制御部10を含んでおり、この演算制御部10に、紙幣の入出金処理を行う紙幣処理部41、硬貨の入出金処理を行う硬貨処理部42、計数金額等を表示する表示部43、処理を指定しデータを入力する入力部44、計数結果等を印字する印字部45、外部の上位機(例えばPOSシステム)との通信を行うためのインターフェイス部(I/F部)46等が接続されている。ここでは表示部43及び印字部45が表示手段を構成する。演算制御部10はCPUを中心としてメモリ等を含むマイクロコンピュータ・システムとして構成され、それに接続されている各機器の演算制御を司る。紙幣処理部41は紙幣出金口21及び紙幣入金口25を介して行われる紙幣の入出金処理を行う。硬貨処理部42は硬貨出金口28、硬貨入金口29、オーバーフロー部31及び硬貨リジェクト口32を介して行われる硬貨の入出金処理を行う。表示部43は図2の表示部22に対応し、入力部44は操作部23に対応し、印字部45は図2のジャーナルプリンタ24に対応する。
【0013】
演算制御部10は、図1に示すように、紙幣処理部41に含まれる紙幣収納部の在高を管理するための紙幣部在高記憶部11と、硬貨処理部42に含まれる硬貨収納部の在高を管理するための硬貨部在高記憶部12と、硬貨処理部42に含まれるオーバーフロー部31の在高を管理するためのオーバーフロー部在高記憶部13と、紙幣部在高と硬貨部在高とオーバーフロー部在高とを加算したものに等しいものとして計算される貨幣処理装置内の在高を管理するための現金在高記憶部14と、紙幣処理装置20内に保有されているべき在高を管理するための所要在高記憶部15と、各記憶部に接続された演算処理手段16と、記憶部14及び15に接続された比較手段17とを備えている。各在高記憶部11〜15は、図4〜8を参照して説明するように、金種毎の枚数及び金額の記憶部とトータル金額記憶部とから構成され、処理内容に応じて演算処理手段16により金種毎に加減算され更新されると共に、それらの推移の過程がヒストリとして記憶される。
【0014】
演算処理手段16は、紙幣部在高記憶部11に記憶する紙幣部在高に関しては、入金処理時とオーバーフロー補充処理時に紙幣収納部へ収納した紙幣分を加算処理し、出金処理時に紙幣収納部から投出した紙幣分を減算処理する。硬貨部在高記憶部12に記憶する硬貨部在高に関しては、入金処理時とオーバーフロー補充処理時に硬貨収納部へ収納した硬貨分を加算処理し、出金処理時に硬貨収納部から投出した硬貨分を減算処理する。オーバーフロー部在高記憶部13に記憶するオーバーフロー部在高に関しては、入金処理時又はオーバーフロ一補充処理時にオーバーフロー部31へ収納した硬貨分を加算処理し、オーバーフロー回収時にゼロ値にする。このように、オーバーフロー部在高をゼロにするのは、オーバーフロー部31から硬貨を取り出すときは全ての硬貨を取り出すことを前提にしているためである。また、現金在高に関しては、入金処理時に貨幣収納部へ収納した貨幣分とオーバーフロ一部31へ収納した硬貨分を加算処理し、出金処理時に貨幣収納部から投出した貨幣分を減算処理し、オーバーフロー回収処理時にオーバーフロー部在高を減算処理し、オーバーフロ一補充処理時に硬貨収納部へ収納した硬貨分とオ一バーフロー部31へ収納した硬貨分を加算処理する。最後に所要在高に関しては、入金処理時に貨幣収納部へ収納した貨幣分とオーバーフロー部31へ収納した硬貨分を加算処理し、出金処理時に貨幣収納部から投出した貨幣分を減算処理する。
【0015】
図4ないし図8は各記憶部11〜15の記憶内容を示す図である。
紙幣部在高記憶部11は、図4に示すように、紙幣部在高記憶部として、万円紙幣枚数(及び金額)記憶部111と、5千円紙幣枚数(及び金額)記憶部112と、千円紙幣枚数(及び金額)記憶部113と、トータル金額記憶部110とを含んでいる。
【0016】
硬貨部在高記憶部12は、図5に示すように、硬貨部在高記憶部として、500円硬貨枚数(及び金額)記憶部121と、100円硬貨枚数(及び金額)記憶部122と、50円硬貨枚数(及び金額)記憶部123と、10円硬貨枚数(及び金額)記憶部124と、5円硬貨枚数(及び金額)記憶部125と、1円硬貨枚数(及び金額)記憶部126と、トータル金額記憶部120とを含んでいる。
【0017】
オーバーフロー部在高記憶部13は、図6に示すように、オーバーフロー部在高記憶部として、500円硬貨枚数(及び金額)記憶部131と、100円硬貨枚数(及び金額)記憶部132と、50円硬貨枚数(及び金額)記憶部133と、10円硬貨枚数(及び金額)記憶部134と、5円硬貨枚数(及び金額)記憶部135と、1円硬貨枚数(及び金額)記憶部136と、トータル金額記憶部130とを含んでいる。
【0018】
現金在高記憶部14は、図7に示すように、現金在高記憶部として、万円紙幣枚数(及び金額)記憶部141と、5千円紙幣枚数(及び金額)記憶部142と、千円紙幣枚数(及び金額)記憶部143と、500円硬貨枚数(及び金額)記憶部144と、100円硬貨枚数(及び金額)記憶部145と、50円硬貨枚数(及び金額)記憶部146と、10円硬貨枚数(及び金額)記憶部147と、5円硬貨枚数(及び金額)記憶部148と、1円硬貨枚数(及び金額)記憶部149と、トータル金額記憶部140とを含んでいる。
【0019】
所要在高記憶部15は、図8に示すように、所要在高記憶部として、万円紙幣枚数(及び金額)記憶部151と、5千円紙幣枚数(及び金額)記憶部152と、千円紙幣枚数(及び金額)記憶部153と、500円硬貨枚数(及び金額)記憶部154と、100円硬貨枚数(及び金額)記憶部155と、50円硬貨枚数(及び金額)記憶部156と、10円硬貨枚数(及び金額)記憶部157と、5円硬貨枚数(及び金額)記憶部158と、1円硬貨枚数(及び金額)記憶部159と、トータル金額記憶部150とを含んでいる。
【0020】
次に、図9及び図10を参照し、貨幣処理装置20の処理内容の具体例について説明する。
図9は、オーバーフロ一回収で5000円分の硬貨をオーバーフロー部31から取り出し、オーバーフロー回収で取り出した硬貨5000円分をオーバーフロー補充する場合の例を示すものである。
【0021】
<1.営業開始前の各在高>
仮に営業開始前の紙幣部在高、硬貨部在高、オーバーフロー部在高、現金在高、及び所要在高がそれぞれ在高記憶部11〜15のトータル金額記憶部110,120,130,140及び150に、単位を[円]として、
紙幣部在高 … 90,000
硬貨部在高 … 10,000
オーバーフロー部在高 … 0
現金在高 …100,000
所要在高 …100,000
と記憶されているものとする。なお、営業開始前に用意する準備金は、在高記憶部11〜15の記憶値と現実の各貨幣の金額が一致するよう初期装填処理で用意しておくものとする。
【0022】
<2.営業中の売上による各在高の変化>
営業中、1回目の売上により、9,500円の売上入金があり、その入出金の内訳が、万円紙幣×1の入金、500円硬貨×1の釣出金であったとすれば、まず、売上入金の段階で、営業開始前の各在高が演算処理手段16により次のように更新される。
紙幣部在高 …100,000
硬貨部在高 … 10,000
オーバーフロー部在高 … 0
現金在高 …110,000
所要在高 …110,000
次に、釣出金により各在高が、
紙幣部在高 …100,000
硬貨部在高 … 9,500
オーバーフロー部在高 … 0
現金在高 …109,500
所要在高 109,500
と更新される。
【0023】
<3.営業中の以降の売上による各在高の変化>
次に、以降の売上により、最初の売上後の各在高が仮に次のように変化したとする。
紙幣部在高 …185,000
硬貨部在高 … 4,700
オーバーフロー部在高 … 5,000
現金在高 …194,700
所要在高 194,700
この在高状態の後、次の売上として、5,300円の売上入金があり、その入出金の内訳が、5千円紙幣×1及び100円硬貨×3の入金、釣出金ゼロであったとすれば、各在高は次のように更新される。
紙幣部在高 …190,000
硬貨部在高 … 5,000
オーバーフロー部在高 … 5,000
現金在高 …200,000
所要在高 200,000
この場合は、釣出金がゼロであるとしているので、釣出金による各在高の変化はない。
【0024】
<4.オーバーフロー回収による各在高の変化>
上記3の段階の後、オーバーフロー部31から硬貨5,000円分のオーバーフロー回収をしたものとすれば、各在高が次のように変化する。
紙幣部在高 …190,000
硬貨部在高 … 5,000
オーバーフロー部在高 … 0
現金在高 …195,000
所要在高 200,000
この段階では、所要在高の更新は行われない。
【0025】
<5.オーバーフロー補充による各在高の変化>
オーバーフロー回収をした場合、それに伴い同額の5,000円のオーバーフロー補充を硬貨収納部に対してする。これにより、各在高は、
紙幣部在高 …190,000
硬貨部在高 … 10,000
オーバーフロー部在高 … 0
現金在高 …200,000
所要在高 200,000
と変化する。
【0026】
<6.営業中のその後の売上による各在高の変化>
その後の売上により、8,000円の売上入金があり、その入出金の内訳が、万円紙幣×1の入金、千円紙幣×2の釣出金であったとすれば、まず、売上入金の段階で、オーバーフロー補充後の各在高が、
紙幣部在高 …200,000
硬貨部在高 … 10,000
オーバーフロー部在高 … 0
現金在高 …210,000
所要在高 210,000
と更新される。
次に、釣出金により各在高が、
紙幣部在高 …198,000
硬貨部在高 … 10,000
オーバーフロー部在高 … 0
現金在高 …208,000
所要在高 208,000
と更新される。
【0027】
精算処理時は、現金在高記憶部14に記憶されている現金在高と所要在高記憶部15に記憶されている所要在高とを比較手段17により比較することにより、結果的に両者が一致することを確認することができる。既に述べたように、両在高が一致する場合は、表示部43(図2:表示部22)に一致している旨を表示すると共に、印字部45(プリンタ24)で一致内容を印字する。一致していなければ、表示部43(表示部22)に不一致である旨を表示すると共に、印字部45(プリンタ24)で不一致内容を印字する。 図10は、図9の場合に比較して、オーバーフロー補充の金額だけが異なる場合を示すものである。すなわち、オーバーフロー補充をオーバーフロー回収で抜き取った硬貨5000円の内の3000円分しか行わず、その後、売上8000円があった場合を示している。図9の場合に準じて示せば次の通りである。
【0028】
<5′.オーバーフロー補充による各在高の変化>
上記オーバーフロー回収5,000円の後、それより少ない金額の3,000円のオーバーフロー補充を硬貨部に対してしたとすれば、各在高は次のように変化する。
紙幣部在高 …190,000
硬貨部在高 … 8,000
オーバーフロー部在高 … 0
現金在高 …198,000
所要在高 200,000
この段階で現金在高と所要在高とが異なる(現金在高<所要在高)ことに留意すべきである。
【0029】
<6′.営業中の売上3′による各在高の変化>
次に、上記と同様に、8,000円の売上入金があり、その入出金の内訳が、万円紙幣×1の入金、千円紙幣×2の釣出金であったとすれば、まず、売上入金の段階で、オーバーフロー補充後の各在高が次のように変化する。
紙幣部在高 …200,000
硬貨部在高 … 8,000
オーバーフロー部在高 … 0
現金在高 …208,000
所要在高 210,000
次に、釣出金により各在高は次のように変化する。
紙幣部在高 …198,000
硬貨部在高 … 8,000
オーバーフロー部在高 … 0
現金在高 …206,000
所要在高 208,000
【0030】
このように、精算前の現金在高は20万6千円、所要在高は20万8千円となり、精算処理で比較を行うと、硬貨2000円分が不一致(現金在高不足)となっていることが分かる。そこで金種毎の不一致枚数とトータル不一致金額をジャーナルプリンタ24により印字出力する。この印字結果に基づいて、取引データログのオーバーフロー回収処理とオーバーフロー補充処理を分析することにより、不一致の原因を容易に追及することができる。
【0031】
上述の実施の態様では、オーバーフロー部31に硬貨のみが収納されるものとして説明したが、オーバーフロー部31に紙幣のみ、又は紙幣と硬貨の両方を収納できるようにしてもよい。
【0032】
また、上述の実施の態様では、紙幣と硬貨の両方を処理できる貨幣処理装置について述べたが、本発明はそれぞれの専用機すなわち硬貨処理機又は紙幣処理機に対しても適用することができる。
【0033】
さらに、上述の実施の態様では、比較結果の出力手段としての表示手段に比較結果を出力したが、比較結果の出力手段としてのインターフェイス部に比較結果を出力し、外部の表示部、印字部に表示させても良い。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、精算時に現金在高と所要在高を比較することにより釣銭補充のためのオーバーフロー回収及びオーバーフロー補充が正常に行われたか否かをチェックすることができ、比較結果が不一致であればトータル金額や金種毎の枚数がどれだけ違っていたのかをプリンタにより印字出力し、その出力結果に基づいてログ解析をして原因を調査できるので、オペレータの負担を軽減し、営業時間外の精算時に落ち着いて原因調査を行うことができ、原因調査のために営業中に長時間装置運用を停止したりしなくてもよいという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図3の貨幣処理装置における演算制御部の内部構成を示す機能ブロック図。
【図2】本発明による貨幣処理装置の実施の一形態を示す斜視図。
【図3】本発明による貨幣処理装置の機能ブロック図。
【図4】図1の紙幣部在高記憶部の構成を示す図。
【図5】図1の硬貨部在高記憶部の構成を示す図。
【図6】図1のオーバーフロー部在高記憶部の構成を示す図。
【図7】図1の現金在高記憶部の構成を示す図。
【図8】図1の所要在高記憶部の構成を示す図。
【図9】正常な処理を行った時の各記憶部の値の推移を示す図表。
【図10】異常な処理を行った時の各記憶部の値の推移を示す図表。
【符号の説明】
10 演算制御部
11 紙幣部在高記憶部
12 硬貨部在高記憶部
13 オーバーフロー部在高記憶部
14 現金在高記憶部
15 所要在高記憶部
16 演算処理手段
17 比較手段
20 貨幣処理装置
21 紙幣出金口
22 表示部
23 操作部
24 ジャーナルプリンタ
25 紙幣入金口
26 紙幣処理ユニットキーホール
27 硬貨処理ユニツトキーホール
28 硬貨出金口
29 硬貨入金口
30 オーバーフロー部キーホール
31 オーバーフロー部
32 硬貨リジェクト口
41 紙幣処理部
42 硬貨処理部
43 表示部
44 入力部
45 印字部
46 インターフェイス部(I/F部)
Claims (2)
- 入金時に貨幣を収納し出金時に貨幣を払い出す貨幣収納部、及び入金時に前記貨幣収納部の満杯になった金種の過剰貨幣を収納するオーバーフロー部を備えた貨幣処理装置において、
前記貨幣収納部に保有する貨幣の金種毎及び合計の金額を現金在高として記憶し、前記オーバーフロー部に保有する貨幣の金種毎及び合計の金額をオーバーフロー部在高として記憶し、前記貨幣収納部及び前記オーバーフロー部に保有すべき貨幣の合計金額を所要在高として記憶する記憶部と、
入金処理時は前記貨幣収納部へ収納した貨幣枚数に応じて前記記憶部の現金在高及び所要在高を更新すると共に、前記オーバーフロー部へ収納した貨幣があればその収納貨幣に応じて前記オーバーフロー部在高を更新し、出金処理時は前記貨幣収納部から投出した貨幣枚数に応じて前記記憶部の現金在高及び所要在高を更新し、オーバーフロー回収処理時は前記現金在高及びオーバーフロー部在高を更新し、オーバーフロー補充処理時は前記現金在高を更新すると共に前記オーバーフロー部へ収納した貨幣があればその収納枚数に応じて前記オーバーフロー部在高を更新する演算処理手段と、
精算処理時に前記現金在高と前記所要在高とを比較し、その比較結果を出力する比較手段と、
前記比較手段の比較結果を出力する出力手段と
を具備したことを特徴とする貨幣処理装置。 - 請求項1記載の貨幣処理装置において、前記出力手段は少なくとも表示部、印字部またはインターフェイス部からなっていることを特徴とする貨幣処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29139396A JP3929531B2 (ja) | 1996-11-01 | 1996-11-01 | 貨幣処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29139396A JP3929531B2 (ja) | 1996-11-01 | 1996-11-01 | 貨幣処理装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10134227A JPH10134227A (ja) | 1998-05-22 |
JP3929531B2 true JP3929531B2 (ja) | 2007-06-13 |
Family
ID=17768333
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29139396A Expired - Fee Related JP3929531B2 (ja) | 1996-11-01 | 1996-11-01 | 貨幣処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3929531B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6242005B2 (ja) * | 2014-04-28 | 2017-12-06 | ローレル精機株式会社 | 貨幣処理機 |
JP6050845B2 (ja) * | 2015-02-09 | 2016-12-21 | 東芝テック株式会社 | 貨幣収納装置 |
JP2016146128A (ja) * | 2015-02-09 | 2016-08-12 | 東芝テック株式会社 | 貨幣収納装置 |
-
1996
- 1996-11-01 JP JP29139396A patent/JP3929531B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10134227A (ja) | 1998-05-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20110295741A1 (en) | Money management device, money management system, money management method and teller machine | |
JPH01246690A (ja) | 貨幣収納装置 | |
JPH04137093A (ja) | 現金管理装置 | |
WO2006067858A1 (ja) | 貨幣入出金機 | |
KR860000542B1 (ko) | 거래 처리 장치 | |
JP5717542B2 (ja) | 貨幣管理システム | |
JP2007272507A (ja) | 現金処理装置 | |
JP3929531B2 (ja) | 貨幣処理装置 | |
JP4946283B2 (ja) | 現金処理装置 | |
JP2005071015A (ja) | 商品販売データ処理装置 | |
JP4369610B2 (ja) | 金融店舗における現金管理システム | |
JP2001023041A (ja) | 貨幣処理装置 | |
JP6979310B2 (ja) | 貨幣処理装置、貨幣処理システム及び貨幣処理方法 | |
JP4311951B2 (ja) | 貨幣処理装置 | |
US20240054843A1 (en) | Currency processing method and currency processing device | |
JP6277747B2 (ja) | 入出金装置及び入出金プログラム | |
JP7326961B2 (ja) | 現金処理装置 | |
WO2024195798A1 (ja) | 貨幣処理装置及び貨幣処理方法 | |
JP3496902B2 (ja) | 出納処理システムにおける資金準備方法及びそのための収納具 | |
JPH06131527A (ja) | 貨幣両替装置 | |
JPH054068Y2 (ja) | ||
JP2017151671A (ja) | 貨幣処理装置及び貨幣処理方法 | |
JPH0319010Y2 (ja) | ||
JPH1173570A (ja) | 商品販売データ処理装置および方法並びに商品販売データ処理プログラムを記憶したコンピュータで読取可能な記憶媒体 | |
JPH1173580A (ja) | 商品販売データ処理装置および方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060926 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060929 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061128 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070209 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070307 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |