JPH11109578A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料および画像形成方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料および画像形成方法

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JPH11109578A
JPH11109578A JP28282297A JP28282297A JPH11109578A JP H11109578 A JPH11109578 A JP H11109578A JP 28282297 A JP28282297 A JP 28282297A JP 28282297 A JP28282297 A JP 28282297A JP H11109578 A JPH11109578 A JP H11109578A
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JP
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silver halide
silver
group
mol
color
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Application number
JP28282297A
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English (en)
Inventor
Akihito Yokozawa
晶人 横沢
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 迅速処理性、処理安定性に優れ、かつ色再現
性の改良されたハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供
する。 【解決手段】 支持体上にイエローカプラー含有ハロゲ
ン化銀乳剤層、マゼンタカプラー含有ハロゲン化銀乳剤
層、シアンカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層をそれぞれ
少なくとも一層有するハロゲン化銀カラー写真感光材料
において、該シアンカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層の
少なくとも一層に特定のピロロトリアゾール系シアンカ
プラーおよび塩化銀含有率95モル%以上のアスペクト
比3以上のハロゲン化銀平板粒子を含有し、更に該平板
粒子各々の体積の20%以内の粒子表面部分に粒子中の
銀1モル当たり0.1〜5.0モル%の臭化銀および/
または0.1〜2.0モル%の沃化銀を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】本発明はハロゲン化銀カラー感光材料およ
び画像形成方法に関するものであり、より詳しくは迅速
処理性、処理安定性に優れ、かつ色再現性の改良された
ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびこのハロゲン化
銀カラー写真感光材料を用いた画像形成方法に関する。
【0003】
【従来の技術】今日広く普及しているカラー写真は、感
光材料自身および現像処理技術の進歩によってますます
迅速にかつ簡易に入手出来るようになってきた。特にカ
ラープリント分野においては、カラーラボと呼ばれる大
量生産用の高速プリンタや大型処理機器等を設置した生
産拠点による集中処理方式や、店頭に設置されたミニラ
ボと呼ばれる小型のプリンタプロセッサを用いた分散処
理方式などの発達により、多様な目的に応じた生産が行
われている。近年では、高塩化銀乳剤を用いた感光材料
とその処理方法が実用化されており、カラープリントを
より迅速に、より簡易に入手出来るようになってきてい
る。迅速処理については、米国特許第4,840,87
8号に塩化銀含有率の高いハロゲン化銀乳剤を用いたカ
ラー写真感光材料を実質的に亜硫酸イオンおよびベンジ
ルアルコールを含有しない発色現像液で処理する技術が
開示されている。
【0004】こうした処理の迅速化とともにカラープリ
ント品質の向上が図られてきた。プリント品質として
は、色再現性が重要な品質である。カラープリントにお
いては、シアンカプラーとして、フェノールまたはナフ
トール系カプラーが一般に用いられている。しかしなが
ら、これらのカプラーから形成される色素は緑色光吸収
領域に好ましくない吸収を有するために感光材料の色再
現性を低下させるという問題を有している。この問題を
解決する手段として米国特許第4,728,596号、
同4,873,183号、欧州特許第249453A2
号等にヘテロ環化合物をカプラーとして用いることが提
案されている。しかしこれらのカプラーはカップリング
活性が低い等の致命的な問題を抱えていた。これらの問
題を克服したカプラーとして欧州特許第481197A
1号記載のピロロアゾール環が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記の従
来知見に基づきシアン色再現性の向上のためにピロロア
ゾール系のシアンカプラーを検討した。その結果、シア
ンの色再現性が確かに改良され、更に、処理液の変動に
よるシアン発色濃度変化も小さくなることが分かった。
しかし、同時にイエローおよびマゼンタ画像中へのシア
ン混色が増加することが分かった。これはイエローがグ
リーン味に、マゼンタがブルー味になることであり、色
再現上問題であった。この混色は、ピロロアゾール系シ
アンカプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層とイエロー
カプラーあるいはマゼンタカプラー含有ハロゲン化銀乳
剤層との間にある非発色性親水性コロイド層の親水性コ
ロイド塗設量を多くすることで低減できるが、同時にラ
ンニング処理前後のイエローおよびマゼンタ発色濃度変
化が大きくなるという新たな問題を生じた。従って、本
発明の目的は、迅速処理性、ランニング処理前後におけ
る処理安定性に優れ、かつ色再現性の改良されたハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料を提供することである。また
本発明の目的は、迅速に、高品質で、品質の安定したカ
ラー写真画像を形成しうる画像形成法を提供することで
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討した
ところ、下記の手段により本発明の目的が達成されるこ
とを見い出した。 (1)支持体上にイエローカプラー含有ハロゲン化銀乳
剤層、マゼンタカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層、シア
ンカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層をそれぞれ少なくと
も一層有するハロゲン化銀カラー写真感光材料におい
て、該シアンカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層の少なく
とも一層に下記一般式(I)で表されるシアンカプラー
および塩化銀含有率95モル%以上で、平均アスペクト
比3以上のハロゲン化銀平板粒子を含有し、更に該平板
粒子各々の体積の20%以内の粒子表面部分に粒子中の
銀1モル当たり0.1〜5.0モル%の臭化銀および/
または0.1〜2.0モル%の沃化銀を含有することを
特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0007】
【化2】
【0008】(一般式(I)においてR1 、R2 はそれ
ぞれ独立にアルキル基またはアリール基を表し、R3
4 、R5 はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基また
はアリール基を表し、Zは飽和環を形成するのに必要な
非金属原子群を表し、R6 は置換基を表し、Xはヘテロ
環基、置換アミノ基またはアリール基を表し、Yは水素
原子または発色現像過程で離脱する基を表す。) (2)前記平板粒子が{100}面を主平面として有す
ることを特徴とする(1)項に記載のハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料。 (3)前記イエローカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層お
よびマゼンタカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層の少なく
とも一層に塩化銀含有率95モル%以上の{100}面
を主平面として有する平均アスペクト比3以上のハロゲ
ン化銀平板粒子を含有することを特徴とする(1)また
は(2)項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。 (4)ハロゲン化銀カラー感光材料を走査露光し、その
後発色現像する画像形成方法において、該ハロゲン化銀
カラー感光材料が(1)、(2)または(3)項に記載
のハロゲン化銀カラー感光材料であることを特徴とする
画像形成方法。
【0009】本発明のシアンカプラーを用いることのみ
では、シアン色再現性の改良と同時にイエローおよびマ
ゼンタ色再現性の悪化を生じることは前述の通りであ
る。本発明のシアンカプラーを含むハロゲン化銀乳剤層
に、粒子表面部分の臭化銀または沃化銀含有量を規定し
た(更に好ましくは{100}面を主平面として有す
る)高塩化銀平板粒子を含有させることで、処理安定性
を損なうことなくイエローおよびマゼンタ色再現性の悪
化が抑制された(ハロゲン化銀カラー写真感光材料を発
明するに至った。{100}面を主平面として有する高
塩化銀平板粒子については、特開平6−337489
号、同6−337490号および同6−337507号
等に記載されているが、本発明のシアンカプラーを用い
た場合に特有のイエローおよびマゼンタ色再現性の悪化
を抑えることは、前述の従来知見からは全く予想できな
いものであった。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明を更に詳細に説明す
る。本発明に用いられるカプラーについて詳しく述べ
る。一般式(I)においてR1 〜R5 で表されるアルキ
ル基は、炭素数1〜36の直鎖、分岐、環状のアルキル
基であり、好ましくは炭素数1〜22の直鎖、分岐、環
状のアルキル基であり、特に好ましくは炭素数1〜8の
直鎖もしくは分岐のアルキル基であり、例えばメチル、
エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、t
−アミル、t−オクチル、デシル、ドデシル、セチル、
ステアリル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシルが挙
げられる。
【0011】一般式(I)においてR1 〜R5 で表され
るアリール基は、炭素数6〜20のアリール基であり、
好ましくは炭素数6〜14のアリール基であり、特に好
ましくは炭素数6〜10のアリール基であり、例えばフ
ェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−フェナント
リルが挙げられる。一般式(I)におけるR1 〜R5
アルキル又はアリール基であるが、これらはさらに置換
基を有していてもよい。このような置換基としてはアル
キル基又はアリール基に置換しうるものであれば特に制
限はないが、例えばアルコキシ基、ハロゲン、アリール
基、アルキル基などがあげられる。
【0012】一般式(I)においてZで表される飽和環
を形成するのに必要な非金属原子群は、5〜8員環を形
成するのに必要な非金属原子群であり、この環は置換さ
れていてもよく、飽和環であっても不飽和環であっても
よく、環を形成する非金属原子は炭素原子、酸素原子、
窒素原子、硫黄原子が挙げられるが、好ましくは6員環
飽和炭素環であり、特に好ましくは4位が炭素数1〜2
4のアルキル基で置換されたシクロヘキサン環である。
Zで表わされる非金属原子群で形成される飽和環上に置
換していてもよい置換基としては特に制限はないが、例
えば置換または無置換のアルキル基またはアリール基な
どがあげられる。
【0013】一般式(I)においてR6 で表される置換
基は、例えば、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素
原子、臭素原子)、脂肪族基(例えば、炭素数1〜36
の直鎖または分岐鎖アルキル基、アラルキル基、アルケ
ニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアル
ケニル基で、詳しくは例えばメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、t−ブチル、トリデシル、t−アミ
ル、t−オクチル、2−メタンスルホニルエチル、3−
(3−ペンタデシルフェノキシ)プロピル、3−{4−
{2−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フ
ェノキシ〕ドデカンアミド}フェニル}プロピル、2−
エトキシトリデシル、トリフルオロメチル、シクロペン
チル、3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシプロピ
ル))、アリール基(炭素数6〜36のアリール基であ
り例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4
−ジ−t−アミルフェニル、4−テトラデカンアミドフ
ェニル、2−メトキシフェニル)、ヘテロ環基(炭素数
1〜36のヘテロ環基であり例えば、2−フリル、2−
チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリ
ル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキ
シ基、アミノ基、アルコキシ基(炭素数1〜36の直
鎖、分岐鎖または環状のアルコキシ基であり例えば、メ
トキシ、エトキシ、ブトキシ、2−メトキシエトキシ、
2−ドデシルオキシエトキシ、2−メタンスルホニルエ
トキシ)、アリールオキシ基(炭素数6〜36のアリー
ルオキシ基であり例えば、フェノキシ、2−メチルフェ
ノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノ
キシ、3−t−ブチルオキシカルバモイルフェノキシ、
3−メトキシカルバモイル)、アシルアミノ基(炭素数
2〜36のアシルアミノ基であり例えば、アセトアミ
ド、ベンズアミド、テトラデカンアミド、2−(2,4
−ジ−t−アミルフェノキシ)ブタンアミド、4−(3
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミ
ド、2−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)
フェノキシ}デカンアミド)、アルキルアミノ基(炭素
数1〜36のアルキルアミノ基であり例えば、メチルア
ミノ、ブチルアミノ、ドデシルアミノ、ジエチルアミ
ノ、メチルブチルアミノ)、アニリノ基(炭素数6〜3
6のアニリノ基であり例えば、フェニルアミノ、2−ク
ロロアニリノ、2−クロロ−5−テトラデカンアミノア
ニリノ、2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルア
ニリノ、N−アセチルアニリノ、2−クロロ−5−{2
−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ドデ
カンアミド}アニリノ)、ウレイド基(炭素数2〜36
のウレイド基であり例えば、フェニルウレイド、メチル
ウレイド、N,N−ジブチルウレイド)、スルファモイ
ルアミノ基(炭素数1〜36のスルファモイルアミノ基
であり例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミ
ノ、N−メチル−N−デシルスルファモイルアミノ)、
アルキルチオ基(炭素数1〜36のアルキルチオ基であ
り例えば、メチルチオ、オクチルチオ、テトラデシルチ
オ、2−フェノキシエチルチオ、3−フェノキシプロピ
ルチオ、3−(4−t−ブチルフェノキシ)プロピルチ
オ)、アリールチオ基(炭素数6〜36のアリールチオ
基であり例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t
−オクチルフェニルチオ、3−ペンタデシルフェニルチ
オ、2−カルボキシフェニルチオ、4−テトラデカンア
ミドフェニルチオ)、アルコキシカルボニルアミノ基
(炭素数2〜36のアルコキシカルボニルアミノ基であ
り例えば、メトキシカルボニルアミノ、テトラデシルオ
キシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(炭素数1
〜36のアルキル及びアリールスルホンアミド基であり
例えば、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミ
ド、オクタンスルホンアミド、ヘキサデカンスルホンア
ミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホン
アミド、オクタデカンスルホンアミド、2−メトキシ−
5−t−ブチルベンゼンスルホンアミド)、カルバモイ
ル基(炭素数1〜36のカルバモイル基であり例えば、
N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイ
ル、N−(2−ドデシルオキシエチル)カルバモイル、
N−メチル−N−ドデシルカルバモイル、N−{3−
(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル}カル
バモイル)、スルファモイル基(炭素数1〜36のスル
ファモイル基であり例えば、N−エチルスルファモイ
ル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−(2−ド
デシルオキシエチル)スルファモイル、N−エチル−N
−ドデシルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファ
モイル)、スルホニル基(炭素数1〜36のアルキル及
びアリールスルホニル基であり例えば、メタンスルホニ
ル、オクタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエ
ンスルホニル)、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜
36のアルコキシカルボニル基であり例えば、メトキシ
カルボニル、ブチルオキシカルボニル、ドデシルオキシ
カルボニル、オクタデシルオキシカルボニル)、ヘテロ
環オキシ基(炭素数1〜36のヘテロ環オキシ基であり
例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−
テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例えば、フェ
ニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイル
アミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイ
ルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(炭素数2〜36の
アシルオキシ基であり例えば、アセトキシ)、カルバモ
イルオキシ基(炭素数1〜36のカルバモイルオキシ基
であり例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フ
ェニルカルバモイルオキシ)、シリルオキシ基(炭素数
3〜36のシリルオキシ基であり例えば、トリメチルシ
リルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリール
オキシカルボニルアミノ基(炭素数7〜36のアリール
オキシカルボニルアミノ基であり例えば、フェノキシカ
ルボニルアミノ)、イミド基(炭素数4〜36のイミド
基であり例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミ
ド、3−オクタデセニルスクシンイミド)、ヘテロ環チ
オ基(炭素数1〜36のヘテロ環チオ基であり例えば、
2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−
1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチ
オ)、スルフィニル基(炭素数1〜36のスルフィニル基
であり例えば、ドデカンスルフィニル、3-ペンタデシル
フェニルスルフィニル、3−フェノキシプロピルスルフ
ィニル)、アルキル、アリール若しくは複素環オキシカ
ルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブトキシカ
ルボニル、ドデシルオキシカルボニル、オクタデシルオ
キシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、2−ペン
タデシルオキシカルボニル)、アルキル、アリール若し
くは複素環オキシカルボニルアミノ基(例えばメトキシ
カルボニルアミノ、テトラデシルオキシカルボニルアミ
ノ、フェノキシカルボニルアミノ、2,4−ジ−tert−
ブチルフェノキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド
基(例えばメタンスルホンアミド、ヘキサデカンスルホ
ンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスル
ホンアミド、オクタデカンスルホンアミド、2−メトキ
シ−5−tert−ブチルベンゼンスルホンアミド)、カル
バモイル基(例えばN−エチルカルバモイル、N,N−
ジブチルカルバモイル、N−(2−ドデシルオキシエチ
ル)カルバモイル、N−メチル−N−ドデシルカルバモ
イル、N−〔3−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキ
シ)プロピル〕カルバモイル)、スルファモイル基(例
えばN−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルス
ルファモイル、N−(2−ドデシルオキシエチル)スル
ファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルファモイ
ル、N,N−ジエチルスルファモイル)、ホスホニル基
(例えばフェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホ
ニル、フェニルホスホニル)、スルファミド基(例えば
ジプロピルスルファモイルアミノ)、イミド基(例えば
N−サクシンイミド、ヒダントイニル、N−フタルイミ
ド、3−オクタデセニルスクシンイミド)、アゾリル基
(例えばイミダゾリル、ピラゾリル、3−クロロ−ピラ
ゾール−1−イル、トリアゾリル)、ヒドロキシ基、シ
アノ基、カルボキシ基、ニトロ基、スルホ基、無置換の
アミノ基などが挙げられる。
【0014】R6 として好ましくは、アルキル基、アリ
ール基、ヘテロ環基、シアノ基、ニトロ基、アシルアミ
ノ基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイル
アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキ
シカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイ
ル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカ
ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オ
キシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アリ
ールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チ
オ基、スルフィニル基、ホスホニル基、アシル基、アゾ
リル基を挙げることができる。更に好ましくはアルキル
基、アリール基であり、より好ましくはアルキル基で置
換されたアリール基である。この置換アリール基として
は、炭素数4以上のアルキル基でp位に置換されたフェ
ニル基を挙げることができる。
【0015】Xは、ヘテロ環、置換アミノ基、もしくは
アリール基を表し、ヘテロ環としては、窒素原子、酸素
原子、またはイオウ原子を有する5〜8員環で炭素数1
〜36のものが好ましい。更に好ましくは、窒素原子で
結合した5員または6員環で、そのうち6員環が特に好
ましい。具体例として、イミダゾール、ピラゾール、ト
リアゾール、ラクタム化合物、ピペリジン、ピロリジ
ン、ピロール、モルホリン、ピラゾリジン、チアゾリジ
ン、ピラゾリンなどが挙げられ、好ましくはモルホリ
ン、ピペリジンが挙げられ、特にモルホリンが好まし
い。置換アミノ基の置換基としては、脂肪族基、アリー
ル基若しくはヘテロ環基が挙げられる。脂肪族基として
は、先に挙げたR6 の置換基が挙げられ、更にこれら
は、シアノ基、アルコキシ基(例えばメトキシ)、アル
コキシカルボニル基(例えばエトキシカルボニル)、ク
ロル、水酸基、カルボキシル基等で置換されていても良
い。置換アミノ基としては、1置換よりも2置換の方が
好ましい。アリール基としては、炭素数6〜36のもの
が好ましく、更に単環がより好ましい。具体例として
は、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2−メチルフ
ェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2−メトキ
シフェニル、4−メトキシフェニル、2,6−ジクロロ
フェニル、2−クロロフェニル、2,4−ジクロロフェ
ニル等が挙げられる。Xがヘテロ環基又はアリール基の
場合はそれらは置換基を有していてもよい。このような
置換基としては特に制限はないが、例えば、アルキル
基、ハロゲン、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基
などがあげられる。
【0016】Yは、水素原子もしくは発色現像過程で脱
離する基で、例えばYで表される離脱基としては、特開
昭61−228444号公報等に記載されている様なア
ルカリ条件下で、離脱しうる基や特開昭56−1337
34号公報に記載されている様な現像主薬との反応によ
り、カップリングオフする置換基が挙げられるが、好ま
しくはYは、水素原子の場合である。
【0017】一般式(I)で表されるカプラーは、R6
が一般式(I)で表されるカプラー残基を含有していて
二量体以上の多量体を形成していたり、R6 が高分子鎖
を含有していて単重合体(単独重合体)若しくは共重合
体を形成していてもよい。高分子鎖を含有している単重
合体若しくは共重合体とは一般式(I)で表されるカプ
ラー残基を有する付加重合体エチレン型不飽和化合物の
単独もしくは共重合体が典型例である。この場合、一般
式(I)で表されるカプラー残基を有するシアン発色繰
り返し単位は重合体中に1種類以上含有されていてもよ
く、共重合成分としてアクリル酸エステル、メタクリル
酸エステル、マレイン酸エステル類の如き芳香族一級ア
ミン現像薬の酸化生成物とカップリングしない非発色性
のエチレン型モノマーの1種または1種以上を含む共重
合体であってもよい。以下に本発明に用いられるカプラ
ー具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0018】
【化3】
【0019】
【化4】
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】
【化9】
【0025】
【化10】
【0026】本発明に用いられる一般式(I)で表わさ
れる化合物は、公知の方法、例えば、特開平5−255
333号、同5−202004号、同7−48376
号、同9−189988号に記載の方法にて合成する事
ができる。
【0027】本発明に用いられるシアンカプラーを含有
する層としては、支持体上の親水性コロイド層である他
特に限定はない。一般的な感光材料は支持体上に青感性
ハロゲン化銀乳剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層および
赤感性ハロゲン化銀乳剤層を少なくとも一層ずつこの順
で塗設して構成することができるが、これと異なる順序
であってもよい。また、赤外感光性ハロゲン化銀乳剤層
を前記の感光性乳剤層の少なくとも一つの代わりに用い
ることもできる。これらの感光性乳剤層には、それぞれ
の波長域に感度を有するハロゲン化銀乳剤と感光する光
と補色の関係にある色素を形成するカラーカプラーを含
有させることで減色法の色再現を行うことができる。但
し、感光性乳剤とカラーカプラーの発色色相とは、上記
のような対応を持たない構成としてもよい。本発明にお
いてシアンカプラーを感光材料に適用する場合には、特
に赤感性ハロゲン化銀乳剤層に使用することが好まし
い。本発明においてシアンカプラーの感光材料中の含有
量は、同一層中のハロゲン化銀1モル当り1×10-3
1モルが適当であり、好ましくは2×10-3〜3×10
-1モルである。
【0028】本発明において、前記の本発明のシアンカ
プラーを親水性コロイド層中に含有させる方法として
は、公知の種々の方法が利用できる。通常、オイルプロ
テクト法として公知の水中油滴分散法により添加するこ
とができる。即ち、カプラーをリン酸エステル、フタル
酸エステル、脂肪酸エステル、アミドなどの高沸点有機
溶媒および低沸点の補助溶媒中に溶解した後、界面活性
剤を含むゼラチン水溶液中に分散させる方法である。
【0029】本発明に使用される、ハロゲン化銀平板粒
子の塩化銀含有率は95モル%以上であり、97モル%
以上がより好ましく、98モル%以上が最も好ましい。
本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は少なくとも分散媒と
上記のハロゲン化銀粒子を含有するハロゲン化銀乳剤で
ある。平板粒子とはアスペクト比(直径/厚さ)が1.
2以上のものをいい、平均アスペクト比とは、乳剤中に
含まれる平板粒子のアスペクト比の平均値を意味する。
この平板状粒子の平均アスペクト比は、3以上、好まし
くは3.5以上、より好ましくは4〜25、更に好まし
くは4〜7である。ここで直径とは、粒子の投影面積と
等しい面積を有する円の直径を指すものとする。また、
厚さは平板状粒子の主平面間の距離を指す。該平板状ハ
ロゲン化銀粒子の直径は、10μm以下が好ましく、
0.2〜5μmがより好ましく、0.2〜3μmが更に
好ましい。また厚さは0.7μm以下が好ましく、0.
01〜0.3μmがより好ましく、0.03〜0.2μ
mが更に好ましい。該平板状粒子の粒子サイズ分布は単
分散であることが好ましく、変動係数は40%以下が好
ましく、20%以下がより好ましい。該乳剤中の全ハロ
ゲン化銀粒子の投影面積の合計の10%以上、好ましく
は85〜100%、より好ましくは60〜100%が平
板状ハロゲン化銀粒子である。ここで言う投影面積とは
ハロゲン化銀粒子を互いに重ならない状態で、かつ平板
状粒子は主平面が基板面と平行になる状態で基板上に配
置したときの粒子の投影面積を指す。また、主平面とは
1つの平板状粒子において2つの平行な2つの最大外表
面を指す。該平板状粒子の主平面としては{111}面
を有するもの、{100}面を有するもの等を用いるこ
とが出来るが{100}面を有するものがより好まし
い。{100}面を有する平板状粒子の割合いとして
は、乳剤中の全ハロゲン化銀粒子の投影面積の合計の8
0〜100%が好ましく、より好ましくは90〜100
%、更に好ましくは95〜100%である。
【0030】本発明において{100}面を主平面とし
て有する塩化銀含有率95%以上の平板状粒子は、欧州
特許第0,534,395A1号明細書第7項53行目
〜第19項35行目、あるいは特願平4−214109
号の明細書段落番号0006〜0024に記載された方
法でも調製することができるが、特開平6−33748
9号の明細書段落番号0016〜0018に記載された
粒子の中心部にハロゲンギャップを形成する方法で調製
できる。本発明において処理安定性をより向上するため
には、特開平8−339044号請求項に記載のハロゲ
ン化銀の{100}面の形成を促進する部分が1分子中
に2個以上共有結合した有機化合物A0、および/ある
いはアルコール基を1分子中に2基以上有する有機化合
物B0 (ただしA0 およびB0 はゼラチンおよびタンパ
ク質を除く)の存在下で粒子を成長させることが好まし
い。更に好ましくは、粒子の中心部にハロゲンギャップ
を持たず、前記化合物の存在下で粒子を成長して得た平
板粒子である。
【0031】本発明に使用される高塩化銀平板粒子は平
板粒子形成のための1つの手法である粒子中心部へのハ
ロゲン組成ギャップ形成とは別に、粒子各々の20%以
内の粒子表面部分の臭化銀含有率が粒子全体の銀1モル
当たり0.1〜5.0モル%、好ましくは0.15〜
2.0モル%、更に好ましくは0.2〜2.0モル%、
および/または粒子各々の20%以内の粒子表面部分の
沃化銀含有率が0.1〜2.0モル%、好ましくは0.
15〜1.0モル%、更に好ましくは0.2〜0.7モ
ル%の沃化銀を含有する。上記平板粒子各々の20%以
内の粒子表面部分とは、硝酸銀等の銀溶液およびハロゲ
ン化銀微粒子等の銀含有微粒子を添加して粒子成長を行
う過程において、添加する全銀量の最後に添加する全銀
量の20%以内の銀量で形成される粒子の部分のことを
示す。平板粒子の成長は、粒子の各々の面の成長速度が
異なるため、20%以内の粒子表面部分の厚さが各々の
面に対して通常均一ではない。上記20%以内の粒子表
面部分は、主平面よりも主平面以外の面の方が厚く、ま
た主平面以外の複数の面で厚さが異なることもある。上
記粒子表面部分の臭化銀あるいは沃化銀含有領域は層状
であっても、また粒子表面全体を覆わずに局在していて
も良い。局在する場合、この局在相は上記の制約の範囲
内ならば粒子内部にあることができ、また粒子表面のコ
ーナー、エッジあるいは面状にあることができる。更に
粒子表面部分の臭化銀あるいは沃化銀含有領域は層状の
領域および局在相を同時に有しても良い。粒子表面部分
の臭化銀あるいは沃化銀含有領域とその周りの領域との
境界部は、明確な境界であっても、ハロゲン組成差によ
って混晶を形成して不明確な境界であってもよく、また
積極的に連続的な構造変化を持たせたものであってもよ
い。
【0032】乳剤粒子のハロゲン組成は粒子間で異なっ
ていても等しくてもよいが、粒子間で等しいハロゲン組
成を有する乳剤を用いると、各粒子の性質を均質にする
ことが容易である。本発明において、前記の高塩化銀平
板粒子は、本発明のシアンカプラーを含む層に含有され
ることが必要であり、更にマゼンタカプラー含有層およ
び/またはイエローカプラー含有層の少なくとも一層に
含有されることが好ましい。
【0033】本発明に用いられるハロゲン化銀平板粒子
のハロゲン組成は粒子間で異なっていても等しくても良
いが、粒子間で等しいハロゲン組成を有する乳剤を用い
ると、各粒子の性質を均質にすることが容易である。ま
た、広いラチチュードを得る目的で、感度の異なる単分
散乳剤を同一層にブレンドして使用することや、重層塗
布することも好ましく行われる。
【0034】本発明において、感光性乳剤層に用いられ
る前記高塩化銀平板粒子以外のハロゲン化銀粒子として
は、迅速処理に適した塩化銀含有率が95モル%以上の
塩化銀、塩臭化銀、塩沃化銀もしくは塩沃臭化銀よりな
るものを好ましく用いられる。ここで、沃化銀含有率は
1モル%以下が好ましく、0.2%以下がより好まし
い。本発明に用いる平板粒子以外のハロゲン化銀粒子に
は、沃化銀富有相を付与することが好ましく、臭化銀富
有相を付与することが更に好ましい。ハロゲン化銀粒子
の臭化銀富有相は、粒子頂点近傍に、臭化銀富有相中の
全臭化銀含有率において、少なくとも10モル%以上の
局在相をエピタキシャル成長させてつくることか好まし
い。本発明における「頂点の近傍」とは、好ましくは投
影された立方体や立方体に準ずる正常晶の塩(臭)化銀
粒子の面積と同一面積の円の直径の1/3、より好まし
くは、1/5の長さを一辺とし、粒子の頂点(立方体も
しくは、立方体とみなした正常晶粒子の稜の交点)をそ
の1つの角とする正方形の面積内である。臭化銀富有相
の臭化銀含有率は合計で10モル%以上であることが好
ましいが、臭化銀含有率が高すぎると感光材料に圧力が
加えられたときに減感を引き起こしたり、処理液の組成
の変動によって感度、階調が大きく変化してしまうなど
の写真感光材料にとって好ましくない特性が付与されて
しまう場合がある。臭化銀富有相の臭化銀含有率は、こ
れらの点を考慮に入れて、10〜60モル%の範囲が好
ましく、20〜50モル%の範囲が最も好ましい。臭化
銀富有相の臭化銀含有率は、X線回折法(例えば、日本
化学会編「新実験化学口座6、構造解析」丸善に記載さ
れている)などを用いて分析することができる。臭化銀
富有相は、本発明のハロゲン化銀粒子を構成する全銀量
の0.1〜5モル%の銀から構成されていることが好ま
しく、0.2〜4モル%の銀から構成されていることが
更に好ましい。ハロゲン化銀粒子の沃化銀富有相の形成
方法、局在相中の沃化銀含有率、その好ましい範囲など
も、上記の臭化銀富有相の場合と同様である。
【0035】前記高塩化銀平板乳剤以外のハロゲン化銀
乳剤の調製工程は、一般によく知られているように、水
溶性銀塩と水溶性ハロゲン化物の反応によるハロゲン化
銀粒子形成工程、脱塩工程および化学熟成工程よりな
る。臭化銀富有相の付与は前記工程のうちハロゲン化銀
ホスト粒子の形成に引き続いて行うことができるが、脱
塩工程より後であることが好ましく、脱塩工程後から化
学熟成工程終了までの時期がより好ましい。臭化銀富有
相中には、IrCl6 2- 等の第VIII族金属錯イオンを含
有させることが好ましい。また、ハロゲン化銀乳剤粒子
の臭化銀富有相にイリジウム化合物を含有させる場合、
該富有相は、ハロゲン化銀粒子調製時に添加する全イリ
ジウムの少なくとも50モル%とともに沈積されること
が好ましい。富有相が、添加する全イリジウムの少なく
とも80モル%とともに沈積されることが更に好まし
く、添加する全イリジウムと共に沈積されることが最も
好ましい。ここで該富有相をイリジウムとともに沈積す
るとは、富有相を形成するための銀あるいはハロゲンの
供給と同時、供給の直前、または供給の直後にイリジウ
ム化合物を供給することを言う。ハロゲン化銀ホスト粒
子よりも平均粒径が小さく、しかも臭化銀含有率が高い
ハロゲン化銀微粒子を混合した後、熟成することによっ
て、臭化銀富有相を形成する場合、ホスト粒子表面より
も臭化銀含有率が高いハロゲン化銀微粒子に予めイリジ
ウム塩を含有させておくことがより好ましい。
【0036】本発明に用いる前記高塩化銀平板粒子以外
のハロゲン化銀粒子は、外表面に(100)面を持つも
のであっても、(111)面を持つものであっても、あ
るいはその両方の面を持つものであっても、さらにはよ
り高次の面を含むものであってもよいが、主として、
(100)面からなる立方体、あるいは14面体が好ま
しい。ハロゲン化銀粒子の大きさは、通常用いられる範
囲内であればよいが、平均粒径が0.1μm〜1.5μ
mである場合が好ましい。粒径分布は、多分散であって
も単分散であってもよいが、単分散である方が好まし
い。単分散の程度を表す粒子サイズ変動係数は、統計学
上の標準偏差(s)と平均粒子サイズ(d)との比(s
/d)で0.2以下が好ましく、0.15以下がさらに
好ましい。
【0037】前記高塩化銀平板粒子以外のハロゲン化銀
粒子の形状は、立方体や14面体の他に8面体のような
規則的な(regular)結晶形を有するもの、球
状、{111}面を主平面として有する板状等のような
変則的な(irregular)結晶形を有するもの、
あるいはこれらの複合形を有するものを用いることがで
きる。また、種々の結晶形を有するものの混合したもの
からなっていても良い。これらの中でも上記規則的な結
晶形を有する粒子を50重量%以上、好ましくは70重
量%以上、より好ましくは90重量%以上含有するのが
よい。本発明に用いる塩臭化銀乳剤は、P.Glafk
ides著 Chimieet Phisique P
hotogfaphique(Paul Montel
社刊、1967年)、G.F.Duffin著 Pho
tographicEmulsion Chemist
ry(Focal Press社刊、1966年)、
V.L.Zelikman et a1著 Makin
g andCoating Photographic
Emulsion(FocalPress社刊、19
64年)等に記載された方法を用いて調製することがで
きる。即ち、酸性法、中性法、アンモニア法等のいずれ
でもよく、また可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応さ
せる形式としては、片側混合法、同時混合法、及びそれ
らの組み合わせなどのいずれかの方法を用いても良い。
粒子を銀イオン過剰の雰囲気の下において形成させる方
法(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。同時混
合法の1つの形式として、ハロゲン化銀の生成する液相
中のpAgを一定に保つ方法、即ち所謂コントロールド
・ダブルジェット法を用いることもできる。この方法に
よると、結晶形が規則的で粒子サイズが均一に近いハロ
ゲン化銀乳剤を得ることができる。
【0038】本発明に用いられる前記高塩化銀平板粒子
以外のハロゲン化銀乳剤粒子のハロゲン組成は粒子間で
異なっていても等しくても良いが、粒子間で等しいハロ
ゲン組成を有する乳剤を用いると、各粒子の性質を均質
にすることが容易である。また、広いラチチュードを得
る目的で、感度の異なる単分散乳剤を同一層にブレンド
して使用することや、重層塗布することも好ましく行わ
れる。
【0039】本発明において、高照度短時間露光適性を
与えるために周期律第VIII族金属イオンをハロゲン化銀
粒子中に含有させることが好ましく、金属イオンはハロ
ゲン化銀粒子の形成中に金属錯体の形で、分散媒(ゼラ
チンあるいは保護コロイド性を有するポリマー)溶液
中、ハロゲン化物溶液中、銀塩溶液中あるいはその他の
水溶液中に存在させることでハロゲン化銀粒子中に含有
せしめることが出来る。また、ホスト粒子表面より臭化
銀含有率の高いハロゲン化銀微粒子を添加することで臭
化銀局在相を形成させる場合には、金属イオンをあらか
じめ含有させた微粒子を用いることにより臭化銀局在相
中に選択的に金属イオンを含有させることが好ましい。
本発明において、本発明のシアンカプラーを含有する層
中の高塩化銀平板粒子には周期律第VIII族金属イオンを
含有することが好ましい。これらの金属イオンとして
は、例えば鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジ
ウム、イリジウムおよび白金が挙げられる。好ましくは
鉄あるいはルテニウムが用いられる。鉄あるいはルテニ
ウムはハロゲン化銀粒子の体積の50%以下の表面層に
その他のハロゲン化銀粒子の部分より多くなるように集
中して含有させることがより好ましい。粒子体積の50
%以下とは、粒子1個の体積の50%以下の体積に相当
する表面部分を指す。この表面部分は、更に好ましくは
40%以下であり、20%以下がより好ましい。本発明
の平板粒子において、粒子体積の50%以下とは、硝酸
銀等の銀溶液およびハロゲン化銀微粒子等の銀含有微粒
子を添加して粒子成長を行う過程において、添加する全
銀量の最後に添加する全銀量の50%以内の銀量で形成
される粒子の部分のことを示す。平板粒子の成長は、粒
子各々の面の成長速度が異なるため、上記粒子体積の5
0%以下の部分の厚さが各々の面に対して通常均一では
ない。上記粒子体積の50%以下の部分は、主平面より
も、主平面以外の面で厚く、また主平面以外の複数の面
で厚さが異なることもある。
【0040】また、本発明に用いる第VIII族金属イオン
は1種類だけでなく、2種類以上用いることが好まし
い。本発明においては鉄とイリジウム、あるいはルテニ
ウムとイリジウムを併用することが好ましい。乳剤粒子
に臭化銀局在相を有する場合には、臭化銀局在相にイリ
ジウムイオンの一部または全部を含有させることが好ま
しい。鉄、ルテニウムおよびイリジウムをハロゲン化銀
粒子に含有させる場合に用いられる化合物の具体例を以
下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0041】(鉄化合物)ヒ酸鉄(II)、臭化鉄(I
I)、炭酸鉄(II)1水和物、塩化鉄(II)、クエン酸
鉄(II)、フッ化鉄(II)、ギ酸鉄(II)、グルコン酸
鉄(II)、水酸化鉄(II)、沃化鉄(II)、乳酸鉄(I
I)、シュウ酸鉄(II)2水和物、コハク酸鉄(II)、
硫酸鉄(II)7水和物、チオシアン酸鉄(II)3水和
物、硝酸鉄(II)6水和物、硝酸鉄(II)アンモニウ
ム、塩基性酢酸鉄(III)、アルブミン酸鉄(III)、酢酸
鉄(III)アンモニウム、臭化鉄(III)、塩化鉄(III)、
クロム酸鉄(III)、クエン酸鉄(III)、フッ化鉄(II
I)、ギ酸鉄(III)、グリセロ・リン酸鉄(III)、水酸化
鉄(III)、酸性リン酸鉄(III)、硝酸鉄(III)9水和
物、リン酸鉄(III)、ピロリン酸鉄(III)、ピロリン酸
鉄(III)ナトリウム、チオシアン酸鉄(III)、硫酸鉄
(III)9水和物、硫酸鉄(III)アンモニウム、硫酸鉄
(III)グアニジニウム、クエン酸鉄(III)アンモニウ
ム、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム3水和物、ペンタ
シアノアンミン鉄(II)カリウム、エチレンジニトリロ
四酢酸鉄(III)ナトリウム、へキサシアノ鉄(III)酸カ
リウム。
【0042】(ルテニウム化合物)フッ化ルテニウム
(VI)、塩化ルテニウム(IV)5水和物、へキサクロロ
ルテニウム(IV)酸カリウム、塩化ルテニウム(III)、
臭化ルテニウム(III)、沃化ルテニウム(III)、ヘキサ
アンミンルテニウム(III)臭化物、クロロペンタアンミ
ンルテニウム(III)塩化物、ヘキサアンミンルテニウム
(II)塩化物、へキサシアノルテニウム(II)酸カリウ
ム3水和物。
【0043】(イリジウム化含物)へキサクロロイリジ
ウム(IV)酸カリウム、へキサブロモイリジウム(IV)
酸カリウム、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸アンモニ
ウム、臭化イリジウム(III)4水和物、沃化イリジウム
(III)、へキサクロロイリジウム(III)酸カリウム3水
和物、ヘキサブロモイリジウム(III)酸カリウム、トリ
ス(オキサラト)イリジウム(III)酸カリウム4水和
物、ヘキサシアノイリジウム(III)酸カリウム、塩化イ
リジウム(II)。
【0044】これらの化合物の中でも、特にヘキサシア
ノ鉄(II)酸塩、へキサシアノ鉄((III)酸塩、ヘキサ
シアノルテニウム(II)酸塩、へキサクロロイリジウム
(IV)酸塩、へキサブロモイリジウム(IV)酸塩、ヘキ
サクロロイリジウム(III)酸塩およびヘキサブロモイリ
ジウム(III)酸塩が好ましく用いられる。これら第VIII
族金属イオンの添加量は目的に応じて広範囲にわたる
が、ハロゲン化銀1モルに対して10-9〜10-3モルが
好ましい。より好ましくはハロゲン化銀1モルに対して
10-8〜5×10-4モルである。
【0045】周期律第VIII族金属イオン以外にも銅、
金、亜鉛、カドミウムあるいは鉛などの金属が含まれて
も良い。これらの金属は目的に応じて第VIII族金属が含
まれる層(相)に共存させてもよいし、第VIII族金属が
含まれない層(相)に含有させてもよい。これらの金属
イオンの添加量は目的に応じて広範囲にわたるが、一般
にハロゲン化銀1モルに対して10-9〜10-2モルが好
ましい。
【0046】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は通
常、化学増感及び分光増感を施される。化学増感法につ
いては、不安定硫黄化合物の添加に代表される硫黄増
感、金増感に代表される貴金属増感、セレン増感、テル
ル増感あるいは還元増感等を単独もしくは併用して用い
ることができる。化学増感に用いられる化合物について
は、特開昭62−215272号公報の第18頁右下欄
〜第22頁右上欄に記載のものが好ましく用いられる。
【0047】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は、当業
界で知られる金増感を施したものが、高感度を得ること
ができる点や処理依存性がより少ない点で好ましく用い
ることができる。金増感を施すには、塩化金酸もしくは
その塩、チオシアン酸金類あるいはチオ硫酸金類等の化
合物を用いることができる。これらの化合物の添加量は
場合に応じて広範に変わり得るがハロゲン化銀1モル当
たり5×10-7〜5×10-3モル、好ましくは1×10
-6〜1×10-4モルである。これらの化合物の添加時期
は、化学増感が終了するまでに行われる。本発明におい
ては、金増感を他の増感法、例えば硫黄増感、セレン増
感、テルル増感、還元増感あるいは金化合物以外を用い
た貴金属増感等と組み合わせることも好ましく行われ
る。
【0048】本発明に係わる感光材料には、画像のシャ
ープネス等を向上させる目的で親水性コロイド層に欧州
特許EP0,337,490A2号の第27〜76頁に
記載の、写真処理により脱色可能な染料(中でもオキソ
ノール系染料)を該感光材料の680nmにおける光学
反射濃度が0.50以上になるように添加するのが好ま
しい。本発明においては、水溶性染料の代わり或いは水
溶性染料と併用して、処理で脱色可能な着色層が用いら
れる。処理で脱色可能な着色層は、乳剤層に直かに接し
てもよく、ゼラチンやハイドロキノンなどの処理混色防
止剤を含む中間層を介して接するように配置されていて
も良い。この着色層は、着色された色と同種の原色に発
色する乳剤層の下層(支持体側)に設置されることが好
ましい。各原色毎に対応する着色層を全て個々に設置す
ることも、このうちに一部のみを任意に選んで設置する
ことも可能である。また、複数の原色域に対応する着色
を行った着色層を設置することも可能である。着色層の
光学反射濃度は、露光の際に分光感度が極大値となる波
長において光学濃度値が0.2以上3.0以下であるこ
とが好ましい。更に好ましくは、0.5以上2.5以
下、特に0.8以上2.0以下が好ましい。
【0049】本発明に用いられるハロゲン化銀写真感光
材料には、その他にも従来公知の写真用素材や添加剤を
使用できる。例えば反射支持体を用いる場合には、支持
体のラミネート層の耐水性樹脂層中には蛍光増白剤を含
有するのが好ましい。また、蛍光増白剤は感材の親水性
コロイド層中に分散してもよい。蛍光増白剤として、好
ましくは、ベンゾオキサゾール系、クマリン系、ピラゾ
リン系が用いることができ、更に好ましくは、ベンゾオ
キサゾリルナフタレン系及びベンゾオキサゾリルスチル
ベン系の蛍光増白剤である。使用量は、特に限定されな
いが、好ましくは1〜100mg/m2 である。耐水性
樹脂に混合する場合の混合比は、好ましくは樹脂に対し
て0.0005〜3重量%であり、更に好ましくは0.
001〜0.5重量%である。前記の反射型支持体やハ
ロゲン化銀乳剤、更にはハロゲン化銀粒子中にドープさ
れる異種金属イオン種、ハロゲン化銀乳剤の保存安定剤
またはカブリ防止剤、化学増感法(増感剤)、分光増感
法(分光増感剤)、本発明のシアンカプラーと併用する
ことのできるシアンカプラー、マゼンタ、イエローカプ
ラーおよびその乳化分散法、色像保存性改良剤(ステイ
ン防止剤や褪色防止剤)、染料(着色層)、ゼラチン
種、感材の層構成や感材の被膜pHなどについては、表
1〜5の特許に記載のものが本発明に好ましく適用でき
る。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
【0055】本発明に用いうる防菌・防黴剤としては特
開昭63−271247号に記載のものが有用である。
【0056】本発明に係わる感光材料は、通常のネガプ
リンターを用いたプリントシステムに使用される以外
に、陰極線(CRT)を用いた走査露光方式にも適して
いる。陰極線管露光装置は、レーザーを用いた装置に比
べて、簡便でかつコンパクトであり、低コストになる。
また、光軸や色の調整も容易である。画像露光に用いる
陰極線管には、必要に応じてスペクトル領域に発光を示
す各種発光体が用いられる。例えば赤色発光体、緑色発
光体、青色発光体のいずれか1種、あるいは2種以上が
混合されて用いられる。スペクトル領域は、上記の赤、
緑、青に限定されず、黄色、橙色、紫色或は赤外領域に
発光する蛍光体も用いられる。特に、これらの発光体を
混合して白色に発光する陰極線管がしばしば用いられ
る。感光材料が異なる分光感度分布を有する複数の感光
性層を持ち、陰極線管も複数のスペクトル領域の発光を
示す蛍光体を有する場合には、複数の色を一度に露光、
即ち陰極線管に複数の色の画像信号を入力して管面から
発光させてもよい。各色ごとの画像信号を順次入力して
各色の発光を順次行わせ、その色以外の色をカットする
フィルムを通して露光する方法(面順次露光)を採って
も良く、一般には、面順次露光の方が、高解像度の陰極
線管を用いることができるため、高画質化のためには好
ましい。
【0057】本発明の感光材料に露光を施す際には半導
体レーザー、ガスレーザー等の高照度光源を用いること
もできる。また、システムをよりコンパクトで、安価な
ものにするために半導体レーザーを使用するか、又は半
導体レーザーあるいは半導体レーザーを励起光源に用い
た固体レーザ一と非線形光学結晶を組み合わせた第2高
調波発生光源(SHG)を使用することが好ましい。特
にコンパクトで、安価、更に寿命が長く、安定性が高い
装置を設計するためには、半導体レーザーの使用が好ま
しく、露光光源の少なくとも一つは半導体レーザーを使
用することが好ましい。本発明においてレーザー光源を
用いる場合、レーザービームの波長は、感光材料の分光
極大にょり、任意に設定できる。また、本発明における
1画素当たりの露光時間としては10-4秒以下が好まし
く、10-6秒以下がより好ましい。10-12 秒以上が好
ましい。
【0058】前記した高照度露光光源を使用する場合、
本発明の感光材料の分光感度極大は、使用する高照度露
光用光源の波長により設定することができる。感光材料
の取扱い性や一般の感光材料との共用性から、本発明の
感光材料の分光感度極大は、青、緑、赤の可視領域にす
ることが特に好ましい。半導体レーザーを励起光源に用
いた固体レーザーあるいは半導体レーザーと非線形光学
結晶を組み合わせて得られるSHG光源では、レーザー
の発振波長を半分にできるので、青色光、緑色光が得ら
れる。従って、感光材料の分光感度極大は通常の青、
緑、赤の3つの領域に持たせることが可能である。
【0059】上記レーザー光源を用いて走査露光する場
合、実効ビーム径は、特開平5−19423号4頁左下
欄の記載と全く同様の方法で求められる。すなわち、感
光材料に対して、形成する画像の中の最高発色濃度を与
えるに足るレーザー光強度の50%の出力のレーザー光
のビームを用いて一本の線分を露光し、発色現像処理を
施して線状の発色像を得る。この発色像をミクロ濃度計
をもちいて該線分の垂直方向に濃度プロファイルを測定
する。このプロファイルの最高濃度Dmaxの1/5に
対応する濃度D1/5の線幅をもって実効ビーム径とす
る。本発明の走査露光における実効ビーム径は、200
μm以下であるが、好ましくは10μm〜180μmで
あり、更に好ましくは20μm〜150μmである。走
査露光におけるレーザービームの形状は、特に限定され
るものではない。レーザービームの径は、レーザービー
ムに垂直な断面の強度が中心軸上の強度の1/e2 (約
13.5%)に低下する周縁部の径をいう。本発明で適
用される走査露光において、レーザービームの径は実効
ビーム径の範囲を満足できれば特に限定されるものでは
ないが、200μm以下であり、好ましくは10μm〜
150μmであり、更に好ましくは、20μm〜100
μmである。
【0060】走査露光における走査ピッチは、ラスタ
(レーザービームの軌跡)の間隔で定義され、レーザー
ビームが円である場合には、ビームの中心の間隔で表さ
れる。本発明においては、実効ビーム径が画像走査ピッ
チよりも大きいことが好ましい。具体的には、下記数式
において、ラスタ間重なり幅は下記の数式の関係にある L:重なり幅、d:実効ビーム径、p:走査ピッチ L=d−p 上記式により、本発明の走査ピッチは0.25μm〜1
90μmが好ましく、2μm〜80μmが最も好まし
い。また、ラスタ間の重なり幅は、本発明において特に
限定されるものではないが、画像ムラや色飛びなどを防
ぐ上で、実効ビーム径の5%〜95%の範囲であり、好
ましくは15%〜85%、更に好ましくは20%〜80
%の範囲である。
【0061】レーザービーム走査は、感光材料を円筒形
のドラムに巻き付け、これを高速で回転することで主走
査をおこない、光源を円筒の軸方向に徐々に移動させる
ことで副走査を行う方法、所謂ドラムスキャニングでも
おこなうことができるが、レーザービームを高速で回転
する多面体状の鏡面(ポリゴンミラー)に入射させるこ
とで主走査を行い、これと垂直な方向に感光材料を移動
させることで副走査を行う方法がより好ましい。ポリゴ
ンミラーの面数は、特に制限はないが、2〜36面が好
ましく、なかでも6〜14面が好ましい。ポリゴンミラ
ーの安定な回転数としては4000〜36000rpm
の範囲が好ましい。この回転数に鏡面の面数を乗じると
時間当たりの走査本数が算出できる。
【0062】また本発明に係わる感光材料を処理するに
は、特開平2−207250号の第26頁右下欄1行目
〜34頁右上欄9行目、及び特開平4−97355号の
第5頁左上欄17行目〜18頁右下欄20行目に記載の
処理素材や処理方法が好ましく適用できる。また、この
現像液に使用する保恒剤としては、前記の表に掲示した
特許に記載の化合物が好ましく用いられる。また、本発
明の感光材料に対して、画像情報の読み取りから露光お
よび処理を行う装置としては、特開平8−16238号
の第5頁〜12頁や図1〜2に記載されたデジタル写真
プリンタを好ましく用いることができる。特に画像記録
部の光ビームの強度変調には従来よく知られており、ま
た容易に入手できる音響光学素子を用いるのが好まし
い。
【0063】
【実施例】次に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説
明する。 実施例1 乳剤の調製 赤感光性乳剤の調製 石灰処理ゼラチンの5.5%水溶液700mlに塩化ナ
トリウム2.5gを加え、N,N−ジメチルイミダゾリ
ジン−2−チオン(1%水溶液)を0.8ml添加し溶
液Iを調製した。この溶液I中に硝酸銀を0.14モル
含む水溶液(溶液II)と塩化ナトリウム0.15モルを
含む水溶液(溶液 III)とを激しく撹拌しながら59℃
で添加、混合した。添加終了後、48℃に降温し、引き
続き硝酸銀を0.99モル含む水溶液(溶液IV)と塩化
ナトリウム1.05モルを含む水溶液(溶液V)とを激
しく撹拌しながら48℃で添加、混合した。更に硝酸銀
を0.28モル含む水溶液(溶液VI)と塩化ナトリウム
0.30モルを含む水溶液(溶液 VII)とを激しく撹拌
しながら48℃で添加、混合した。また、上記溶液VII
中にフェロシアン化カリウムを4.0×10-5ずつ共存
させ、ハロゲン化銀1モル当たり2.82×10-5モル
乳剤粒子中に含有せしめた。48℃で5分間保った後、
降温し、脱塩および水洗を施した。更に、石灰処理ゼラ
チン113gを加え、pH、pAgを調節し、赤感光性
増感色素Gをハロゲン化銀1モル当たり1.9×10-5
モル加え分光増感を施した後、チオシアン酸カリウム水
溶液と塩化金酸カリウム水溶液を添加し、更にトリエチ
ルチオ尿素を添加して最適に金硫黄増感を施し、更に塩
臭化銀微粒子(Cl:Brが7:3、平均粒子サイズが
0.05μm、微粒子の銀量1モル当たり2×10-4
ルのヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウムを含む)
をハロゲン化銀1モル当たり0.10モル%添加し、引
き続き上記塩臭化銀微粒子とはヘキサクロロイリジウム
(IV)酸カリウムを含まないこと以外は同様の塩臭化銀
微粒子をハロゲン化銀1モル当たり0.17モル%添加
して乳剤粒子表面に臭化銀局在相を形成させた。得られ
た赤感光性塩臭化銀乳剤をR1とした。R1のハロゲン
化銀は粒子辺長の平均値が0.55μm、粒子サイズ分
布の変動係数が0.09の立方体粒子であった。
【0064】
【化11】
【0065】赤感光性塩臭化銀乳剤R1とは(溶液II)
と(溶液 III)の添加速度を変えることで粒子サイズを
変え、更に粒子表面積当たり同じとなるように赤感光性
増感色素の添加量を変えることで赤感光性乳剤R1’を
調製した。R1’のハロゲン化銀は粒子辺長の平均値が
0.40μm、粒子サイズ分布の変動係数が0.09の
立方体粒子であった。
【0066】石灰処理ゼラチンの2.1%水溶液130
0mlに塩化ナトリウムおよび1N硝酸を加え40℃で
pHを4.5、pAgを7.0に合わせ溶液を調製し
た。この溶液中に硝酸銀を0.23モル含む水溶液
(溶液)と塩化ナトリウム0.23モルを含む水溶液
(溶液)とを激しく撹拌しながら40℃で添加、混合
した。添加終了後、温度を40℃に保ったまま1N硝酸
を添加しpHを3.5に合わせ、更にポリビニルアルコ
ール(クラレ(株)製、重合度500、ケン化度98.
5以上)を1.7ml添加して15分間撹拌した。75
℃に昇温し、塩化ナトリウムおよび1N硝酸を加えてp
Hを3.5、pAgを6.4に合わせ引き続き硝酸銀を
0.90モル含む水溶液(溶液)と塩化ナトリウム
0.90モルを含む水溶液(溶液)とを激しく撹拌し
ながらpAgを6.4に保ったまま75℃で添加、混合
した。溶液中の硝酸銀を0.16モル添加したところ
でN,N−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン(1%
水溶液)を1.1ml添加した。更に硝酸銀を0.28
モル含む水溶液(溶液)と塩化ナトリウム0.28モ
ルを含む水溶液(溶液)とを激しく撹拌しながらpA
gを6.4に保ったまま75℃で添加、混合した。ま
た、上記溶液中にフェロシアン化カリウムを4.0×
10-5モルずつ共存させ、ハロゲン化銀1モル当たり
2.82×10-6モル乳剤粒子中に含有せしめた。75
℃で5分間保った後、降温し、脱塩および水洗を施し
た。更に、石灰処理ゼラチン106gを加え、pH、p
Agを調節し、赤感光性増感色素Gを粒子表面積当たり
赤感光性乳剤R1と同量加え分光増感を施した後、チオ
シアン酸カリウム水溶液と塩化金酸カリウム水溶液を添
加し、更にトリエチルチオ尿素を添加して最適に金硫黄
増感を施し、更に塩臭化銀微粒子(Cl:Brが7:
3、平均粒子サイズが0.05μm、微粒子の銀量1モ
ル当たり2×10-4モルのヘキサクロロイリジウム(I
V)酸カリウムを含む)をハロゲン化銀1モル当たり
0.10モル%添加し、引き続き上記塩臭化銀微粒子と
はヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウムを含まない
こと以外は同様の塩臭化銀微粒子をハロゲン化銀1モル
当たり0.17モル%添加して乳剤粒子表面に臭化銀局
在相を形成させた。得られた赤感光性塩臭化銀乳剤をR
2とした。赤感光性塩臭化銀乳剤R2とは(溶液)の
塩化ナトリウムの一部を等モルのヨウ化カリウムに変え
る、あるいはヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウム
を含まない塩臭化銀微粒子の添加量を変える以外は同様
にして赤感光性塩臭化銀乳剤R3〜R18を調製した。
R2〜R18のハロゲン化銀は各々{100}面を主平
面として有する平板粒子であり、主平面の辺長の平均値
は0.90μm、平均アスペクト比(主平面の円相当径
/厚さ)が10、粒子サイズ分布の変動係数が0.18
であった。赤感光性塩臭化銀乳剤R2〜R18に対して
(溶液)と(溶液)の添加速度を変えることおよび
ポリビニルアルコールの添加量を調節することで粒子サ
イズを変え、更に粒子表面積当たり同じとなるように赤
感光性増感色素の添加量を変えることで各々赤感光性乳
剤R2’〜R18’を調製した。R2’〜R18’のハ
ロゲン化銀は各々{100}面を主平面として有する平
板粒子であり、主平面の辺長の平均値は0.66μm、
平均アスペクト比が10、粒子サイズ分布の変動係数が
0.19であった。
【0067】赤感光性乳剤R1に対して、粒子形成時の
溶液IIと溶液 IIIの添加速度を変えることで粒子サイズ
を変え、塩臭化銀微粒子の塩化銀と臭化銀の含有率を変
えることおよび/または添加量を変えることで臭化銀局
在相中の臭化銀量およびヘキサクロロイリジウム(IV)
酸カリウムの量を変え、更に赤感光性増感色素の代わり
に緑感光性増感色素D、E、Fまたは青感光性増感色素
A、B、Cを加えることにより、それぞれ緑感光性乳剤
G1、G1’および青感光性乳剤B1、B1’を調製し
た。G1、G1’、B1、B1’は粒子辺長の平均値が
各々0.51μm、0.38μm、0.72μm、0.
58μm、粒子サイズ分布の変動係数が0.07〜0.
09の立方体粒子であった。R1〜R18、G1、G
2、B1、B2に対してR1’〜R18’、G1’、G
2’、B1’、B2’の臭化銀および沃化銀含有量は各
々同じである。
【0068】
【化12】
【0069】
【化13】
【0070】試料(101)の調製 ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面にコロ
ナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム塩を含むゼラチン下塗り層を設け、更に種々の
写真構成層を塗布した。写真構成層を塗設する側のポリ
エチレンラミネート層にはK−1およびK−2をそれぞ
れ3mg/m2 、12mg/m2 、酸化チタンを18.
8wt%ずつ含有させた。
【0071】
【化14】
【0072】下記に示す写真構成層を塗布して多層ハロ
ゲン化銀カラー感光材料(101)を調製した。 第5層塗布液調製 シアンカプラー(ExC)100.0g、UV吸収剤
(UV−2)15.2g色像安定剤(Cpd−7)3
0.0g、色像安定剤(Cpd−8)20.0g、色像
安定剤(Cpd−16)45.5g、色像安定剤(Cp
d−17)31.5g、色像安定剤(Cpd−18)4
5.5g、色像安定剤(Cpd−19)31.5、色像
安定剤(Cpd−20)1.2g、色像安定剤(Cpd
−21)1.2g溶媒(Solv−9)65.5gおよ
び酢酸エチル80gに溶解し、この溶液をドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム6.0gを含む20%ゼラチ
ン水溶液600mlに乳化分散させて乳化分散物C−1
を調製した。前記の乳化分散物C−1と赤感光性乳剤R
1およびR1’を混合溶解し、下記に示す組成となるよ
うに第5層塗布液を調製した。
【0073】第1層から第4層、第6層および第7層の
塗布液も第5層塗布液と同様の方法で調整した。各層の
ゼラチン硬化剤としては1−オキシ−3,5−ジクロロ
−s−トリアジンナトリウム塩を用いた。また、各層に
Cpd−12とCpd−13をそれぞれ全量が25.0
mg/m2 、50.0mg/m2 となるように添加し
た。また第5層には下記の化合物を3.5mg/m2
加した。
【0074】
【化15】
【0075】また青感光性乳剤層、緑感光性乳剤層およ
び赤感光性乳剤層に対し、1−(5−メチルウレイドフ
ェニル)−5−メルカプトテトラゾールをそれぞれハロ
ゲン化銀1モル当たり8.8×10-4モル、3.0×1
-3モル、2.8×10-3モルずつ添加した。また青感
光性乳剤層および緑感光性乳剤層に対し、4−ヒドロキ
シ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン
をそれぞれハロゲン化銀1モル当たり8.0×10-5
ル、1.5×10-4モルずつ添加した。またイラジエー
ション防止染料として、下記に示す染料を第2層、第4
層および第6層に分割して添加した。
【0076】
【化16】
【0077】(層構成)以下に各層の組成を示す。数字
は塗布量(g/m2 )を表す。ハロゲン化銀乳剤は銀換
算塗布量を示す。 支持体 第一層側のポリエチレン樹脂層中に酸化チタン(18.
8wt%)と青味染料(群青)、K−1(3mg/m
2 )およびK−2(12mg/m2 )を含む。 第一層(青感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤B1 0.14 塩臭化銀乳剤B1’ 0.14 ゼラチン 1.22 イエローカブラー(ExY) 0.79 色像安定剤(Cpd−1) 0.08 色像安定剤(Cpd−2) 0.04 色像安定剤(Cpd−3) 0.08 色像安定剤(Cpd−5) 0.01 溶媒(Solv−1) 0.13 溶媒(Solv−5) 0.13
【0078】第二層(混色防止層) ゼラチン 0.90 混色防止剤(Cpd−4) 0.08 溶媒(Solv−1) 0.10 溶媒(Solv−2) 0.15 溶媒(Solv−3) 0.25 溶媒(Solv−7) 0.03 第三層(緑感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤G1 0.07 塩臭化銀乳剤G1’ 0.07 ゼラチン 1.45 マぜンタカプラー(ExM) 0.16 紫外線吸収剤(UV−2) 0.16 色像安定剤(Cpd−2) 0.03 色像安定剤(Cpd−5) 0.10 色像安定剤(Cpd−6) 0.01 色像安定剤(Cpd−7) 0.08 色像安定剤(Cpd−8) 0.01 溶媒(Solv−3) 0.13 溶媒(Solv−4) 0.39 溶媒(Solv−6) 0.26
【0079】第四層(混色防止層) ゼラチン 0.68 混色防止剤(Cpd−4) 0.06 溶媒(Solv−1) 0.07 溶媒(Solv−2) 0.11 溶媒(Solv−3) 0.18 溶媒(Solv−7) 0.02 第五層(赤感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤R1 0.10 塩臭化銀乳剤R1’ 0.10 ゼラチン 1.10 シアンカプラー(ExC) 0.33 UV吸収剤(UV−2) 0.05 色像安定剤(Cpd−7) 0.10 色像安定剤(Cpd−8) 0.07 色像安定剤(Cpd−16) 0.15 色像安定剤(Cpd−17) 0.10 色像安定剤(Cpd−18) 0.15 色像安定剤(Cpd−19) 0.10 色像安定剤(Cpd−20) 0.004 色像安定剤(Cpd−21) 0.004 溶媒(Solv−9) 0.22 第六層(紫外線吸収層) ゼラチン 0.48 紫外線吸収剤(UV−1) 0.38 色像安定剤(Cpd−5) 0.01 色像安定剤(Cpd−7) 0.05 溶媒(Solv−8) 0.05 第七層(保護層) ゼラチン 0.90 ポリビニルアルコールのアクリル変性 共重合体(変性度17%) 0.05 流動パラフィン 0.02 色像安定剤(Cpd−11) 0.01
【0080】
【化17】
【0081】
【化18】
【0082】
【化19】
【0083】
【化20】
【0084】
【化21】
【0085】
【化22】
【0086】
【化23】
【0087】試料(101)に対して、第5層のシアン
カプラー種を変え、カプラー塗布量および塩臭化銀塗布
量を下記に示すように変更する以外は同様にして試料
(102)を作製した。数字は塗布量(g/m2 )を表
す。 塩臭化銀乳剤R1 0.06 塩臭化銀乳剤R1’ 0.06 シアンカプラー(1) 0.12 また、試料(102)に対して第2層および第4層中の
ゼラチン塗布量を各々1.5倍して1.35g/m2
よび1.02g/m2 に変えること以外は同様にして試
料(103)を、試料(101)に対して第5層の赤感
光性乳剤R1/R1’に代えてR2/R2’を用い、更
に第5層の銀塗布量を変更すること以外は同様にして試
料(104)を調製した。試料(102)に対して第5
層の赤感光性乳剤種および/あるいはシアンカプラー種
を変更し、更に第5層の銀塗布量を変更すること以外は
同様にして試料(105)〜(121)を作製した。こ
れらの試料の第5層中の乳剤の組成、カプラー種および
銀塗布量を表6に示す。
【0088】
【表6】
【0089】評価方法 (感度、Dmax )試料(101)に対して、以下の露
光、処理を行った。赤色フィルターを介して感光計(富
士フイルム(株)製 FWH型、光源の色温度3200
K)を使用して、露光量250CMS、露光時間1/1
0秒でセンシトメトリー用階調露光を与えた後、更に下
記の処理を行った。
【0090】 処理工程 温 度 時 間 補充液* タンク容量 カラー現像 38.5℃ 45秒 120ml 5000ml 漂白定着 30〜35℃ 45秒 リンス(1) 30〜35℃ 20秒 リンス(2) 30〜35℃ 20秒 リンス(3) 30〜35℃ 20秒 乾 燥 70〜80℃ 60秒 *補充量は感光材料1m2 当り (リンスは(3)→(1)への3タンク向流方式とした)
【0091】各処理液の組成は以下の通りである。 カラー現像液 タンク液 補充液 水 700ml 700ml トリイソプロピレン(β)スルホン酸 ナトリウム 0.1g 0.1g エチレンジアミン四酢酸 2.5g 3.0g 1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6− ジスルホン酸2ナトリウム塩 0.5g 0.5g トリエタノールアミン 9.0g 12.0g 塩化カリウム 5.0g − 臭化カリウム 0.02g − 炭酸カリウム 27.0g 27.0g 蛍光増白剤(WHITEX4、住友化学製) 1.0g 3.0g 亜硫酸ナトリウム 0.1g 0.1g ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナート エチル)ヒドロキシルアミン 8.5g 11.0g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミド エチル)−3−メチル−4−アミノアニリン 硫酸塩 5.0g 9.5g 水を加えて 1000ml 1000ml pH(25℃) 10.0 11.0
【0092】 漂白定着液(タンク液と補充液は同じ) 水 600ml チオ硫酸アンモニウム(700g/リットル) 100ml 亜硫酸ナトリウム 30g エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム 55g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 5g 臭化アンモニウム 40g 硝酸(67%) 30g 水を加えて 100ml pH(25℃)(酢酸及びアンモニウム水にて) 5.8 リンス液(タンク液と補充液は同じ) イオン交換水(カルシウム、マグネシウムは各々3ppm以下)
【0093】処理済みの試料(101)の発色濃度を測
定をすることでシアン発色層に対応するセンシトメトリ
ーを得た。得られたセンシトメトリーにおいて、発色濃
度1.2を与える露光量を読みとり、その逆数を感度
(S)とした。試料(101)の感度を100としたと
きの相対感度で評価を行い、この値が大きいほど感度が
高いことを示す。試料(102)〜(121)について
も試料(101)と同様に露光、処理を行いセンシトメ
トリーを得、相対感度を同様にして求めた。また、得ら
れたセンシトメトリーより発色濃度の最大値を求めD
max とした。 (色再現性)色再現性を評価するために、赤色フィルタ
ーを介して発色濃度が1.2となる露光を与え上記処理
を施した。処理後のサンプルの反射スペクトルを測定
し、波長540nmおよび620nmにおける反射濃度
D(540nm)およびD(620nm)を得、この比
D(540nm)/D(620nm)を求めた。この値
が小さいほどシアン画像中のマゼンタ成分が少なく色再
現上優れていることを示す。 (処理混色)試料(101)に対して、青色フィルター
を介して感光計(富士フイルム(株)製 FWH型、光
源の色温度3200K)を使用して、露光量250CM
S、露光時間1/10秒でセンシトメトリー用階調露光
を与えた後、上記の処理を行った。ただし、試料の処理
を行う前にFuji Color Paper Sup
er FA 9をグレー濃度が0.6となるように露光
し、80m2 ランニング処理した。得られたセンシトメ
トリーにおいて、イエロー発色濃度2.0のときのシア
ン濃度を読みとり、未露光部分の処理後のシアン濃度を
引いた値をイエロー中のシアン混色とした。上記評価の
青色フィルターを緑色フィルターに変更する以外は同様
にしてセンシトメトリーを得、マゼンタ発色濃度2.0
のときのシアン濃度を読みとり、未露光部分の処理後の
シアン濃度を引いた値をマゼンタ中のシアン混色とし
た。評価は試料(101)で求めた混色を100とした
ときの相対値を用いて行った。この値が小さい方が混色
が少ないことを表す。 (ランニング処理前後の発色濃度変動)
【0094】試料(101)に対して、赤色フィルター
を介して感光計(富士フイルム(株)製 FWH型、光
源の色温度3200K)を使用して、露光量250CM
S、露光時間1/10秒でセンシトメトリー用階調露光
を与えた後、前述の処理(ランニング処理無し)を行っ
た。また、同様の露光を施した後、Fuji Colo
r Paper Super FA 9をグレー濃度が
0.6となるように露光し、80m2 ランニング処理し
た後の処理液を用いること以外は同様の処理を行った。
ランニング無しの処理で得られたセンシトメトリーから
シアン濃度1.2となる露光量を求め、ランニング後の
処理で得られたセンシトメトリーからこの露光量におけ
るシアン濃度(Dc )を得た。(1.2−Dc )をシア
ンの処理変動の値とした。上記処理において、赤色フィ
ルターを緑色フィルターに、および赤色フィルターを青
色フィルターに変更すること以外は同様にして各々マゼ
ンタおよびイエローに対応するセンシトメトリーを得
た。上記と同様にしてマゼンタ濃度(Dm )およびイエ
ロー濃度(Dy )を求め、(1.2−Dm )および
(1.2−Dy )を各々マゼンタおよびイエローの処理
変動の値とした。処理変動の値が0に近い程ランニング
処理前後の発色濃度変動が小さいことを表す。評価結果
を表7に示す。
【0095】
【表7】
【0096】表7において、試料(101)と(10
2)の比較より本発明のシアンカプラーを用いることで
シアン画像の色再現性が良化し、更にランニング処理前
後での発色濃度変動が小さくなる。しかし、同時に処理
混色が悪化することが明らかである。試料(102)と
(103)の比較より、上記処理混色の悪化は混色防止
層(第2層および第4層)のゼラチン塗布量を増やすこ
とで改良できるが、同時にマゼンタおよびイエローの処
理変動耐性が極端に悪化してしまう。試料(101)、
(102)および(104)〜(121)の比較より、
シアン画像の色再現性、処理混色の低減および処理耐性
の改良を満足するのは本発明のシアンカプラーと平板粒
子を組み合わせた場合であることが分かる。さらに、本
発明のシアンカプラーと平板粒子を組み合わせた場合、
そのままでは低感であるが、平板粒子の表面部分のハロ
ゲン組成を規定した本発明の範囲の平板粒子を用いるこ
とで感度低下を抑制したまま本発明の効果を有効に引き
出すことがわかる。
【0097】実施例2 赤感光性乳剤R2に対して、溶液および溶液の添加
速度を変え、ポリビニルアルコールの添加量を調節する
ことで粒子サイズを変え、ヘキサクロロイリジウム(I
V)酸カリウムを含まない塩臭化銀微粒子の添加量を変
えることで臭化銀局在相中の臭化銀量を変え、更に赤感
光性増感色素の代わりに緑感光性増感色素D、E、Fま
たは青感光性増感色素A、B、Cを加えること以外同様
にして、それぞれ緑感光性乳剤G2、G2’および青感
光性乳剤B2、B2’を調製した。ただし緑感光性増感
色素D、E、Fまたは青感光性増感色素A、B、Cの添
加量は、各々粒子表面積当たり緑感光性乳剤G1あるい
は青感光性乳剤B1と同量となるように変更した。G
2、G2’、B2、B2’は各々(100)面を主平面
として有する平板粒子であり、主平面の辺長の平均値は
各々0.84μm、0.62μm、1.17μm、0.
94μm、平均アスペクト比(主平面の円相当径/厚
さ)が9〜10、粒子サイズ分布の変動係数が0.17
〜0.20であった。G2、B2に対してG2’、B
2’の臭化銀含有量は各々同じである。実施例1の試料
(108)に対して第3層および/または第1層に用い
る乳剤を代え、更に第3層および/または第1層の塗布
銀量を変更すること以外は同様にして試料(201)〜
(203)を調製した。これらの試料の乳剤の組成およ
び各層の銀塗布量を表8に示す。
【0098】
【表8】
【0099】試料(108)および(201)〜(20
3)に対して、実施例1の(感度、Dmax )の評価方法
において、赤色フィルターを緑色フィルターあるいは青
色フィルターに変更すること以外は同様にしてマゼンタ
発色層あるいはイエロー発色層に対応する感度およびD
max の値を得た。更に実施例1と同様に評価を行った。
評価結果を表9に示す。
【0100】
【表9】
【0101】表9において、試料(108)、(20
1)〜(203)の比較からシアンカプラー含有層に加
えて、マゼンタカプラー含有層および/またはイエロー
カプラー含有層に平板粒子を用いることで処理混色が更
に低減し、ランニング処理前後の発色濃度変動も更に小
さくなることが明らかである。
【0102】実施例3 実施例1および2においてなされた露光を以下のレーザ
ー走査露光に代えること以外は同様にして評価を行い、
実施例1および2と同様の効果を得た。 (露光方法)走査露光装置の露光部分について以下に詳
しく説明する。光源としては、半導体レーザーGaAl
As(発信波長808.5nm)を励起光源としたYA
G固体レーザー(発信波長946nm)を反転ドメイン
構造を有するLiNbO3 のSHG結晶により波長変換
して取り出した473nm、半導体レーザーGaAlA
s(発信波長808.7nm)を励起光源としたYVO
4 固体レーザー(発信波長1064nm)を反転ドメイ
ン構造を有するLiNbO3 のSHG結晶により波長変
換して取り出した532nmおよび、AlGaInP
(発信波長680nm:松下電産製タイプNo.LN9
R20)をそれぞれB光、G光および、R光として用い
た。各波長のレーザー光を外部変調器を用いて光量を変
調し、回転多面体に反射させることにより、走査方向に
対して垂直に移動する塗布サンプル上に順次走査露光し
た。この走査露光は、300dpiで行い、1画素当た
りの平均露光時間は8×10-8秒であった。半導体レー
ザーは、温度による光量変化を抑えるために、ベルチェ
素子を用いて温度を一定に保った。
【0103】
【発明の効果】本発明ハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、迅速処理性、ランニング処理前後における処理安定
性が優れ、かつ色再現性が改良されている。したがって
本発明の画像形成方法により迅速に高品質で品質の安定
したカラー写真画像を形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03C 7/407 G03C 7/407

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上にイエローカプラー含有ハロゲ
    ン化銀乳剤層、マゼンタカプラー含有ハロゲン化銀乳剤
    層、シアンカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層をそれぞれ
    少なくとも一層有するハロゲン化銀カラー写真感光材料
    において、該シアンカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層の
    少なくとも一層に下記一般式(I)で表されるシアンカ
    プラーおよび塩化銀含有率95モル%以上で、平均アス
    ペクト比3以上のハロゲン化銀平板粒子を含有し、更に
    該平板粒子各々の体積の20%以内の粒子表面部分に粒
    子中の銀1モル当たり0.1〜5.0モル%の臭化銀お
    よび/または0.1〜2.0モル%の沃化銀を含有する
    ことを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。 【化1】 (一般式(I)においてR1 、R2 はそれぞれ独立にア
    ルキル基またはアリール基を表し、R3 、R4 、R5
    それぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基
    を表し、Zは飽和環を形成するのに必要な非金属原子群
    を表し、R6 は置換基を表し、Xはヘテロ環基、置換ア
    ミノ基またはアリール基を表し、Yは水素原子または発
    色現像過程で離脱する基を表す。)
  2. 【請求項2】 前記平板粒子が{100}面を主平面と
    して有することを特徴とする請求項1に記載のハロゲン
    化銀カラー写真感光材料。
  3. 【請求項3】 前記イエローカプラー含有ハロゲン化銀
    乳剤層およびマゼンタカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層
    の少なくとも一層に塩化銀含有率95モル%以上の{1
    00}面を主平面として有する平均アスペクト比3以上
    のハロゲン化銀平板粒子を含有することを特徴とする請
    求項1または2に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材
    料。
  4. 【請求項4】 ハロゲン化銀カラー感光材料を走査露光
    し、その後発色現像する画像形成方法において、該ハロ
    ゲン化銀カラー感光材料が請求項1、2または3に記載
    のハロゲン化銀カラー感光材料であることを特徴とする
    画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7598026B2 (en) 2001-12-28 2009-10-06 Fujifilm Corporation Image forming method using a silver halide color photographic light-sensitive material, and silver halide color photographic light-sensitive material

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