JPH08122984A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびカラー画像形成方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびカラー画像形成方法

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JPH08122984A
JPH08122984A JP27866594A JP27866594A JPH08122984A JP H08122984 A JPH08122984 A JP H08122984A JP 27866594 A JP27866594 A JP 27866594A JP 27866594 A JP27866594 A JP 27866594A JP H08122984 A JPH08122984 A JP H08122984A
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color
silver halide
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JP27866594A
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English (en)
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Kentaro Okazaki
賢太郎 岡崎
Masahiro Asami
正弘 浅見
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 赤色の彩度が高く肌のざらつき感の少ないプ
リントが得られるハロゲン化銀カラー写真感光材料を提
供する。 【構成】 支持体上に少なくともイエロー色素形成層、
マゼンタ色素形成層およびシアン色素形成層を含む写真
構成層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料におい
て、塗布銀量の合計が0.7g/m2 以下であり、該マ
ゼンタ色素形成層の少なくとも一層が塩化銀含有率90
モル%以上の実質的に沃化銀を含まない塩化銀もしくは
塩臭化銀からなるハロゲン化銀乳剤粒子と、一般式(M
−I)で示されるマゼンタ色素形成カプラーの少なくと
も一種とを含有している。さらに、このハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料は前記写真構成層のいずれかの層に5
20から580nmに吸収極大を有する油溶性染料の少
なくとも一種を含有する。一般式(M−I)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラー写真感光材料に関
するものであり、特に迅速処理が可能であって、肌色の
調子再現性とその安定性に優れたプリントを提供できる
カラー写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、広く普及しているカラー写真の特
にカラープリントの生産においては、大量生産用の高速
プリンタや大型処理機器等を設置したカラーラボと呼ば
れる生産拠点における集中処理方式や、店頭に設置され
たミニラボと呼ばれる小型のプリンタプロセッサを用い
た分散処理方式などによる生産が行われている。これら
のいずれのプリント生産においても、近年の技術開発は
「いかに迅速にプリントを生産できるか」という側面に
重点が置かれてきた。すなわち高塩化銀乳剤を用いたカ
ラープリント用感光材料(カラー印画紙)およびそれを
用いたカラー画像形成方法の実用化により、カラー印画
紙が露光された後、処理液に入ってから現像処理が終了
し乾燥するまでの時間、所謂dryto dryが4分
間で終了する処理ステップが市場の主流を占めるように
なった。一方、銀塩写真の特徴である「高画質」をさら
にレベルアップし、電子写真方式あるいは感熱転写方式
などの競合する画像形成システムに対する優位性を確実
なものにすることも重要な技術課題である。カラープリ
ントに対する画質上の要請としては、色再現性および調
子再現性の向上を重要なものとしてあげることができ
る。
【0003】カラー印画紙は、通常、感光層として青、
緑および赤の異なる波長域に感光する三種の感光性乳剤
層で構成され、各乳剤層は感光する光とは補色の関係に
ある色素−すなわち青感性乳剤層はイエロー色素を、緑
感性乳剤層はマゼンタ色素を、そして赤感性乳剤層はシ
アン色素を形成するように設計されている。それぞれの
乳剤層には、所望の波長域に分光増感された感光素子と
してのハロゲン化銀乳剤と、色素形成剤であるカラーカ
プラーとが組合わされて含有されている。感光したハロ
ゲン化銀乳剤が現像されるときに生成する現像主薬の酸
化体と、これらのカラーカプラーとのカップリング反応
によって各色素が形成され、色素画像が得られる。した
がって、色再現性を向上させるためには優れた色純度の
色素を形成することのできるカラーカプラーを用いるこ
とが重要であり、この観点から多くの技術が提案されて
きた。
【0004】カラー印画紙の3原色として用いられるイ
エロー、マゼンタそしてシアン色素のうち、マゼンタ色
素は特に色再現上重要である。従来、カラー印画紙に用
いられてきた5−ピラゾロン型カプラーから形成される
マゼンタ色素は、550nm付近の主吸収以外に430
nm近傍に副吸収を有しており、赤系統の彩度を高める
上での障害となっていた。こうした副吸収の少ない色素
を与えるマゼンタカプラーとしては、米国特許第3,0
61,432号、同4,500,630号、特公昭47
−27411号、特開昭59−171956号、同60
−33552号、同60−43659号およびリサーチ
ディスクロージャー誌No.24626等に開示された
ようなピラゾロアゾール系マゼンタカプラーが知られて
いる。しかしながら、これらのピラゾロアゾール系マゼ
ンタカプラーを用いると、画像の低濃度部における階調
の調節が難しく、特に肌の調子再現において好ましくな
い結果を往々にしてもたらすことがわかった。具体的に
は、低濃度部階調が硬調になり、肌の調子がざらついた
印象を与える、あるいはこれを修正しようと階調を軟調
化させたときにフラットな印象を与えるなどの調子再現
上の問題が生じた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は赤色の彩度が高く肌のざらつき感の少ないプリント
が得られるハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)支持体上に少なくともイエロー色素形成層、マゼ
ンタ色素形成層およびシアン色素形成層を含む写真構成
層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料において、
塗布銀量の合計が0.7g/m2 以下であり、該マゼン
タ色素形成層の少なくとも一層が塩化銀含有率90モル
%以上の実質的に沃化銀を含まない塩化銀もしくは塩臭
化銀からなるハロゲン化銀乳剤粒子と、一般式(M−
I)で示されるマゼンタ色素形成カプラーの少なくとも
一種とを含有しており、さらに、前記写真構成層のいず
れかの層に520から580nmに吸収極大を有する油
溶性染料の少なくとも一種を含有することを特徴とする
ハロゲン化銀カラー写真感光材料。 一般式(M−I)
【0007】
【化2】
【0008】式中、ZaとZbは各々=C(R4 )−ま
たは=N−を表わし、R1 、R2 、R3 およびR4 は各
々、置換基を表わし、Xは水素原子または発色現像主薬
の酸化体とのカップリング反応により離脱し得る基を表
わす。 (2)(1)項の感光材料を芳香族第一級アミン現像主
薬を含有する発色現像液で、発色現像時間30秒以下で
処理することを特徴とするカラー画像形成方法、及び (3)(1)項の感光材料を芳香族第一級アミン現像主
薬を含有する発色現像液を用い、かつ感光材料1m2
たり20から45mlの補充量で連続処理することを特
徴とするカラー画像形成方法。
【0009】一般式(M−I)について詳しく説明す
る。R1 、R2 、R3 およびR4 で表される置換基とし
ては、ハロゲン原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環
基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ
基、スルホ基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ
基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ
基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイ
ル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ
環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオ
キシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニルア
ミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、
ホスホニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基
又はアゾリル基を表し、これらの基のうち、更に置換基
を有することの可能な基は上記の置換基で置換されてい
てもよい。
【0010】更に詳しくは、ハロゲン原子(例えば、塩
素原子、臭素原子)、脂肪族基(例えば、炭素数1〜3
2の直鎖、又は分岐鎖アルキル基、アラルキル基、アル
ケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロア
ルケニル基で、詳しくは例えば、メチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、tert−ブチル、トリデシル、
2−メタンスルホニルエチル、3−(3−ペンタデシル
フェノキシ)プロピル、3−{4−{2−[4−(4−
ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ]ドデカン
アミド}フェニル}プロピル、2−エトキシトリデシ
ル、トリフルオロメチル、シクロペンチル、3−(2,
4−ジ−tert−アミルフェノキシ)プロピル)、ア
リール基(例えば、フェニル、4−tert−ブチルフ
ェニル、2,4−ジ−tert−アミルフェニル、2,
4,6−トリメチルフェニル、3−トリデカンアミド−
2,4,6−トリメチルフェニル、4−テトラデカンア
ミドフェニル、テトラフルオロフェニル)、ヘテロ環基
(例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニ
ル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシ
基、ニトロ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、ア
ルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキ
シエトキシ、2−ドデシルエトキシ、2−メタンスルホ
ニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキ
シ、2−メチルフェノキシ、4−tert−ブチルフェ
ノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−tert−ブトキ
シカルバモイルフェノキシ、3−メトキシカルバモイル
フェノキシ)、アシルアミノ基(例えば、アセトアミ
ド、ベンズアミド、テトラデカンアミド、2−(2,4
−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブタンアミド、4
−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキ
シ)ブタンアミド、2−[4−(4−ヒドロキシフェニ
ルスルホニル)フェノキシ]デカンアミド)、アルキル
アミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ドデ
シルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ)、
アニリノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニ
リノ、2−クロロ−5−テトラデカンアミノアニリノ、
2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルアニリノ、
N−アセチルアニリノ、2−クロロ−5−[2−(3−
tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ドデカ
ンアミド]アニリノ)、カルバモイルアミノ基(例え
ば、N−フェニルカルバモイルアミノ、N−メチルカル
バモイルアミノ、N,N−ジブチルカルバモイルアミ
ノ)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプ
ロピルスルファモイルアミノ、N−メチル−N−デシル
スルファモイルアミノ)、アルキルチオ基(例えば、メ
チルチオ、オクチルチオ、テトラデシルチオ、2−フェ
ノキシエチルチオ、3−フェノキシプロピルチオ、3−
(4−tert−ブチルフェノキシ)プロピルチオ)、
アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ
−5−tert−オクチルフェニルチオ、3−ペンタデ
シルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ、4−
テトラデカンアミドフェニルチオ)、アルコキシカルボ
ニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ、テ
トラデシルオキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド
基(例えば、メタンスルホンアミド、ヘキサデカンスル
ホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンス
ルホンアミド、オクタデカンスルホンアミド、2−メト
キシ−5−tert−ブチルベンゼンスルホンアミ
ド)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイ
ル、N,N−ジブチルカルバモイル、N−(2−ドデシ
ルオキシエチル)カルバモイル、N−メチル−N−ドデ
シルカルバモイル、N−[3−(2,4−ジ−tert
−アミルフェノキシ)プロピル]カルバモイル)、スル
ファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、
N,N−ジプロピルスルファモイル、N−(2−ドデシ
ルオキシエチル)スルファモイル、N−エチル−N−ド
デシルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイ
ル)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オク
タンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホ
ニル)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカ
ルボニル、ブトキシカルボニル、ドデシルオキシカルボ
ニル、オクタデシルオキシカルボニル)、ヘテロ環オキ
シ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキ
シ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例え
ば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピ
バロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プ
ロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例えば、
アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−メ
チルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオ
キシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオ
キシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオキシ
カルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルア
ミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−
フタルイミド、3−オクタデセニルスクシンイミド)、
ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、
2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−
6−チオ、2−ピリジルチオ)、スルフィニル基(例え
ば、ドデカンスルフィニル、3−ペンタデシルフェニル
スルフィニル、3−フェノキシプロピルスルフィニ
ル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、
オクチルホスホニル、フェニルホスホニル)、アリール
オキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニ
ル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロ
パノイル、ベンゾイル、4−ドデシルオキシベンゾイ
ル)、アゾリル基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリ
ル、3−クロロ−ピラゾール−1−イル、トリアゾリ
ル)を表す。
【0011】これらの置換基のうち、好ましい置換基と
してはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、カル
バモイルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ
基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルアシルア
ミノ基、アリールアシルアミノ基を挙げることができ
る。
【0012】Xは水素原子又は芳香族一級アミン発色現
像主薬の酸化体との反応において、離脱可能な基を表す
が、離脱可能な基を詳しく述べれば、ハロゲン原子、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アル
キルもしくはアリールスルホニルオキシ基、アシルアミ
ノ基、アルキルもしくはアリールスルホンアミド基、ア
ルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニ
ルオキシ基、アルキル、アリールもしくはヘテロ環チオ
基、カルバモイルアミノ基、5員又は6員の含窒素ヘテ
ロ環基、イミド基、アリールアゾ基等があり、これらの
基は更にR1 〜R4 の置換基として許容された基で置換
されていてもよい。
【0013】更に詳しくは、ハロゲン原子(例えば、フ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルコキシ基(例え
ばエトキシ、ドデシルオキシ、メトキシエチルカルバモ
イルメトキシ、カルボキシプロピルオキシ、メチルスル
ホニルエトキシ、エトキシカルボニルメトキシ)、アリ
ールオキシ基(例えば、4−メチルフェノキシ、4−ク
ロロフェノキシ、4−メトキシフェノキシ、4−カルボ
キシフェノキシ、3−エトキシカルボキシフェノキシ、
4−メトキシカルボニルフェノキシ、3−アセチルアミ
ノフェノキシ、2−カルボキシフェノキシ)、アシルオ
キシ基(例えば、アセトキシ、テトラデカノイルオキ
シ、ベンゾイルオキシ)、アルキルもしくはアリールス
ルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ、
トルエンスルホニルオキシ)、アシルアミノ基(例え
ば、ジクロルアセチルアミド、ヘプタフルオロブチリル
アミノ)、アルキルもしくはアリールスルホンアミド基
(例えば、メタンスルホンアミノ、トリフルオロメタン
スルホンアミノ、p−トルエンスルホニルアミノ)、ア
ルコキシカルボニルオキシ基(例えば、エトキシカルボ
ニルオキシ、ベンジルオキシカルボニルオキシ)、アリ
ールオキシカルボニルオキシ基(例えば、フェノキシカ
ルボニルオキシ)、アルキル、アリールもしくはヘテロ
環チオ基(例えば、ドデシルチオ、1−カルボキシドデ
シルチオ、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−tert
−オクチルフェニルチオ、2−ベンジルオキシカルボニ
ルアミノフェニルチオ、テトラゾリルチオ)、カルバモ
イルアミノ基(例えば、N−メチルカルバモイルアミ
ノ、N−フェニルカルバモイルアミノ)、5員もしくは
6員の含窒素ヘテロ環基(例えば、1−イミダゾリル、
1−ピラゾリル、1,2,4−トリアゾール−1−イ
ル、テトラゾリル、3,5−ジメチル−1−ピラゾリ
ル、4−シアノ−1−ピラゾリル、4−メトキシカルボ
ニル−1−ピラゾリル、4−アセチルアミノ−1−ピラ
ゾリル、1,2−ジヒドロ−2−オキソ−1−ピリジ
ル)、イミド基(例えば、スクシンイミド、ヒダントイ
ニル)、アリールアゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−
メトキシフェニルアゾ)等である。好ましいXは、ハロ
ゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル
もしくはアリールチオ基、カップリング活性位に窒素原
子で結合する5員もしくは6員の含窒素ヘテロ環基であ
り、特に好ましくはハロゲン原子、置換アリールオキシ
基、置換アリールチオ基又は置換1−ピラゾリル基であ
る。
【0014】一般式(M−I)の中で、好ましいマゼン
タカプラーは下記一般式(M−II)または(M−III )
で表される。特に好ましいのは式(M−II)で表され
る。 一般式(M−II)
【0015】
【化3】
【0016】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 は前述し
たと同義である。) 一般式(M−III )
【0017】
【化4】
【0018】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 は前述し
たと同義である。) 一般式(M−II)〜(M−III )における基として好ま
しいものは以下の通りである。Xとして好ましい基とし
ては、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基
が挙げられ、中でも塩素原子が好ましい。R1 〜R4
して好ましい置換基としては、アルキル基、アリール
基、アニリノ基、アルコキシ基等が挙げられ、中でもア
ルキル基またはアリール基が好ましく、特にR1 、R
2 、R3 がメチル基で、R4 がアルキル基又はアリール
基(これらは置換されているのが好ましい)が好まし
く、とりわけR4 がアリール基が好ましい。本発明のマ
ゼンタカプラーは、同一層の感光性ハロゲン化銀1モル
当たり、0.001〜1モル、好ましく0.003〜
0.3モルの範囲で使用される。カプラーの分子量は6
00以下が好ましい。一般式(M−I)で表されるマゼ
ンタカプラーの具体例を以下に示すが、本発明がこれら
に限定されるものではない。
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】
【化11】
【0026】上記の具体例の他にもEP−0,571,
959A2や特開平6−250357号に記載の化合物
も使用しうる。上記マゼンタカプラーは、米国特許第
3,061,432号、同3,725,067号、特開
昭60−33552号、特開平6−250357号、E
P−0,571,959A2等の合成例に準じて合成す
ることができる。本発明で用いる染料としては、現像処
理後も添加層中に残存する極大吸収波長が520〜58
0nmの染料が用いられる。好ましくは極大吸収波長が
530〜570nm、より好ましくは540〜560n
mに極大吸収波長を有する染料である。白色度の観点か
ら現像処理後の緑色の反射濃度が0.09以下となるこ
とが好ましい。これに該当する染料としては例えばアン
トラキノン染料、アゾ染料、アゾメチン染料、オキソノ
ール染料、カルボシアニン染料、スチリル染料などがあ
る。光退色に対する堅牢性などを考慮するとアントラキ
ン染料、アゾ染料、アゾメチン染料が好ましく用いられ
る。なかでも前記の式(M−II)又は(M−III)のカ
プラーと5−ピラゾロン系アゾメチン染料との組合せが
好ましい。本発明に用いられる具体的染料を以下に示す
が本発明はこれらの染料に限定されるものではない。
【0027】
【化12】
【0028】
【化13】
【0029】
【化14】
【0030】
【化15】
【0031】
【化16】
【0032】
【化17】
【0033】
【化18】
【0034】
【化19】
【0035】
【化20】
【0036】本発明で用いる油溶性染料の添加量は0.
01mg/m2 から0.5mg/m2 が好ましく、より
好ましくは0.05mg/m2 から0.3mg/m2
あり、最も好ましくは、0.08mg/m2 〜0.2m
g/m2 である。本発明で用いる油溶性染料の添加は各
写真構成層のいずれの層でも良く、一層でも多層に分け
て添加しても良い。また添加法としては、メタノールや
酢酸エチルのような適当な溶媒に溶解して塗布液調製時
に添加しても良いが、他の添加剤と共乳化して乳化分散
物の形で添加することが好ましい。
【0037】本発明の感光材料をカラー感光材料として
用いる場合には、反射支持体上にイエロー発色性ハロゲ
ン化銀乳剤層、マゼンタ発色性ハロゲン化銀乳剤層、シ
アン発色性ハロゲン化銀乳剤層を少なくとも一層ずつ塗
設して構成することができる。一般のカラー印画紙で
は、ハロゲン化銀乳剤の感光する光と補色の関係にある
色素を形成するカラーカプラーを含有させることで減色
法の色再現を行うことができる。一般的なカラー印画紙
では、ハロゲン化銀乳剤粒子は前述の発色層の順に青感
性、緑感性、赤感性の分光増感色素によりそれぞれ分光
増感され、また支持体上に前出の順で塗設して構成する
ことができる。しかしながら、これと異なる順序であっ
ても良い。つまり迅速処理の観点から平均粒子サイズの
最も大きなハロゲン化銀粒子を含む感光層が最上層にく
ることが好ましい場合や、光照射下での保存性の観点か
ら、最下層をマゼンタ発色感光層にすることなどが好ま
しい場合もある。また感光層と発色色相とは、上記の対
応を持たない構成としても良く、赤外感光性ハロゲン化
銀乳剤層を少なくとも一層用いることもできる。
【0038】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤層の
少なくとも一層(好ましくは全ての層)のハロゲン化銀
粒子としては、95モル%以上の塩化銀よりなる塩臭化
銀もしくは塩化銀である。塩化銀の含有量は好ましくは
98モル%以上である。本発明においては現像処理時間
を速めるために実質的に沃化銀を含まないことが好まし
い。ここで実質的に沃化銀を含まないとは、沃化銀含有
率が1モル%以下、好ましくは0.2モル%以下のこと
を言う。一方、高照度感度を高めたり、分光増感感度を
高めたり、あるいは感光材料の保存安定性を高める目的
で、特開平3−84545号に記載されているような乳
剤表面に0.01〜3モル%の沃化銀を含有した高塩化
銀粒子が好ましく用いられる場合もある。乳剤のハロゲ
ン組成は粒子間で異なっていても等しくても良いが、粒
子間で等しいハロゲン組成を有する乳剤を用いると、各
粒子の性質を均質にすることが容易である。
【0039】また、ハロゲン化銀乳剤粒子内部のハロゲ
ン組成分布については、ハロゲン化銀粒子のどの部分を
とっても組成の等しいいわゆる均一型構造の粒子や、ハ
ロゲン化銀粒子内部のコア(芯)とそれを取り囲むシェ
ル(殻)〔一層または複数層〕とでハロゲン組成の異な
るいわゆる積層型構造の粒子あるいは、粒子内部もしく
は表面に非層状にハロゲン組成の異なる部分を有する構
造(粒子表面にある場合は粒子のエッジ、コーナーある
いは面上に異組成の部分が接合した構造)の粒子などを
適宜選択して用いることができる。高感度を得るには、
均一型構造の粒子よりも後二者のいずれかを用いること
が有利であり、耐圧力性の面からも好ましい。ハロゲン
化銀粒子が上記のような構造を有する場合には、ハロゲ
ン組成において異なる部分の境界部は、明確な境界であ
っても、組成差により混晶を形成して不明確な境界であ
っても良く、また積極的に連続的な構造変化を持たせた
ものであっても良い。
【0040】本発明の高塩化銀乳剤においては臭化銀局
在相を先に述べたような層状もしくは非層状にハロゲン
化銀粒子内部および/または表面に有する構造のものが
好ましい。上記局在相のハロゲン組成は、臭化銀含有率
において少なくとも10モル%のものが好ましく、20
モル%を超え100モル%までのものがより好ましい。
臭化銀局在相の臭化銀含有率は、X線回折法(例えば、
「日本化学会編、新実験化学講座6、構造解析」丸善、
に記載されている。)等を用いて分析することができ
る。そして、これらの局在相は、粒子内部、粒子表面の
エッジ、コーナーあるいは面上にあることができるが、
一つの好ましい例として、粒子のコーナー部にエピタキ
シャル成長したものを挙げることができる。また、現像
処理液の補充量を低減する目的でハロゲン化銀乳剤の塩
化銀含有率をさらに高めることも有効である。このよう
な場合にはその塩化銀含有率が98モル%〜100モル
%であるような、ほぼ純塩化銀の乳剤も好ましく用いら
れる。
【0041】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤に含まれ
るハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズ(粒子の投影面積
と等価な円の直径を以て粒子サイズとし、その数平均を
とったもの)は、0.1μm〜2μmが好ましい。ま
た、それらの粒子サイズ分布は変動係数(粒子サイズ分
布の標準偏差を平均粒子サイズで除したもの)20%以
下、好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以
下のいわゆる単分散なものが好ましい。このとき、広い
ラチチュードを得る目的で上記の単分散乳剤を同一層に
ブレンドして使用することや、重層塗布することも好ま
しく行われる。写真乳剤に含まれるハロゲン化銀粒子の
形状は、立方体、十四面体あるいは八面体のような規則
的な(regular)結晶形を有するもの、球状、板状などの
ような変則的な(irregular)結晶形を有するもの、ある
いはこれらの複合形を有するものを用いることができ
る。また、種々の結晶形を有するものの混合したものか
らなっていても良い。本発明においてはこれらの中でも
上記規則的な結晶形を有する粒子を50%以上、好まし
くは70%以上、より好ましくは90%以上含有するの
が良い。また、これら以外にも平均アスペクト比(円換
算直径/厚み)が5以上、好ましくは8以上の平板状粒
子が投影面積として全粒子の50%を越えるような乳剤
も好ましく用いることができる。
【0042】本発明に用いる塩臭化銀乳剤もしくは塩化
銀乳剤は、P. Glafkides 著 Chemie et Phisique Phot
ographique (Paul Montel 社刊、1967年)、G. F.
Duffin 著 Photographic Emulsion Chemistry (Focal
Press 社刊、1966年)、V . L. Zelikman et al 著
Making and Coating Photographic Emulsion (Focal
Press 社刊、1964年)などに記載された方法を用い
て調製することができる。すなわち、酸性法、中性法、
アンモニア法等のいずれでもよく、また可溶性銀塩と可
溶性ハロゲン塩を反応させる形式としては、片側混合
法、同時混合法、及びそれらの組合せなどのいずれの方
法を用いても良い。粒子を銀イオン過剰の雰囲気の下に
おいて形成させる方法(いわゆる逆混合法)を用いるこ
ともできる。同時混合法の一つの形式としてハロゲン化
銀の生成する液相中のpAgを一定に保つ方法、すなわ
ちいわゆるコントロールド・ダブルジェット法を用いる
こともできる。この方法によると、結晶形が規則的で粒
子サイズが均一に近いハロゲン化銀乳剤を得ることがで
きる。
【0043】本発明のハロゲン化銀粒子の局在相または
その基質には、異種金属イオンまたはその錯イオンを含
有させることが好ましい。好ましい金属としては周期表
の第VIII族、第IIb族に属する金属イオンあるいは金属
錯体、及び鉛イオン、タリウムイオンの中から選ばれ
る。主として局在相にはイリジウム、ロジウム、鉄など
から選ばれるイオンまたはその錯イオン、また主として
基質にはオスミウム、イリジウム、ロジウム、白金、ル
テニウム、パラジウム、コバルト、ニッケル、鉄などか
ら選ばれた金属イオンまたはその錯イオンを組合せて用
いることができる。また局在相と基質とで金属イオンの
種類と濃度をかえて用いることができる。これらの金属
は複数種用いても良い。特に鉄、イリジウム化合物は臭
化銀局在相中に存在させることが好ましい。
【0044】これらの金属イオン提供化合物は、ハロゲ
ン化銀粒子形成時に、分散媒になるゼラチン水溶液中、
ハロゲン化物水溶液中、銀塩水溶液中またはその他の水
溶液中、あるいはあらかじめ金属イオンを含有せしめた
ハロゲン化銀微粒子の形で添加しこの微粒子を溶解させ
る、等の手段によって本発明のハロゲン化銀粒子の局在
相および/またはその他の粒子部分(基質)に含有せし
める。本発明で用いられる金属イオンを乳剤粒子中に含
有させるには、粒子形成前、粒子形成中、粒子形成直後
のいずれかでおこなうことができる。これは金属イオン
を粒子のどの位置に含有させるかによって変えることが
できる。
【0045】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
通常化学増感を施される。化学増感法については、カル
コゲン増感剤を使用した化学増感(具体的には不安定硫
黄化合物の添加に代表される硫黄増感あるいはセレン化
合物によるセレン増感、テルル化合物によるテルル増感
があげられる。)、金増感に代表される貴金属増感、あ
るいは還元増感などを単独もしくは併用して用いること
ができる。化学増感に用いられる化合物については、特
開昭62−215272号公報の第18頁右下欄〜第2
2頁右上欄に記載のものが好ましく用いられる。本発明
に用いる乳剤は、潜像が主として粒子表面に形成される
いわゆる表面潜像型乳剤である。
【0046】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤には、感
光材料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のかぶり
を防止する、あるいは写真性能を安定化させる目的で種
々の化合物あるいはそれらの前駆体を添加することがで
きる。これらの化合物の具体例は前出の特開昭62−2
15272号公報明細書の第39頁〜第72頁に記載の
ものが好ましく用いられる。さらにEP0447647
号に記載された5−アリールアミノ−1,2,3,4−
チアトリアゾール化合物(該アリール残基には少なくと
も一つの電子吸引性基を持つ)も好ましく用いられる。
本発明の感光材料において常法により可視領域、赤外領
域の分光増感を行う。
【0047】本発明の感光材料において、感光層に含ま
れる感光性乳剤の青、緑、赤領域の分光増感に用いられ
る分光増感色素としては例えば、F. M. Hamer 著 Heter
ocyclic Compounds-Cyanine dyes and related compoun
ds (John Wiley & Sons [NewYork, London]社刊196
4年)に記載されているものを挙げることができる。具
体的な化合物の例ならびに分光増感法は、特開昭62−
215272号公報の第22頁右上欄〜第38頁に記載
のものが好ましく用いられる。また、特に塩化銀含有率
の高いハロゲン化銀乳剤粒子の赤感光性分光増感色素と
して使用しうる色素としては特開平3−123340号
に記載された分光増感色素が安定性、吸着の強さ、露光
の温度依存性等の観点から非常に好ましい。
【0048】本発明の感光材料において赤外域を効率よ
く分光増感する場合、特開平3−15049号12頁左
上欄〜21頁左下欄、あるいは特開平3−20730号
4頁左下欄〜15頁左下欄、EP−0,420,011
号4頁21行〜6頁54行、EP−0,420,012
号4頁12行〜10頁33行、EP−0,443,46
6号、US−4,975,362号に記載の増感色素が
好ましく使用される。
【0049】これら分光増感色素をハロゲン化銀乳剤中
に含有せしめるには、それらを直接乳剤中に分散しても
よいし、あるいは水、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、メチルセルソルブ、2,2,3,3−テトラフ
ルオロプロパノール等の溶媒の単独もしくは混合溶媒に
溶解して乳剤へ添加してもよい。また、特公昭44−2
3389号、特公昭44−27555号、特公昭57−
22089号等に記載のように酸または塩基を共存させ
て水溶液としたり、米国特許3,822,135号、米
国特許4,006,025号等に記載のように界面活性
剤を共存させて水溶液あるいはコロイド分散物としたも
のを乳剤へ添加してもよい。また、フェノキシエタノー
ル等の実質上水と非混和性の溶媒に溶解したのち、水ま
たは親水性コロイドに分散したものを乳剤に添加しても
よい。特開昭53−102733号、特開昭58−10
5141号に記載のように親水性コロイド中に直接分散
させ、その分散物を乳剤に添加しても良い。
【0050】乳剤中に添加する時期としては、これまで
有用であると知られている乳剤調製のいかなる段階であ
ってもよい。つまりハロゲン化銀乳剤の粒子形成前、粒
子形成中、粒子形成直後から水洗工程に入る前、化学増
感前、化学増感中、化学増感直後から乳剤を冷却固化す
るまで、塗布液調製時、のいずれから選ぶことができ
る。もっとも普通には化学増感の完了後、塗布前までの
時期に行われるが、米国特許第3,628,969号、
および同第4,225,666号に記載されているよう
に化学増感剤と同時期に添加し分光増感を化学増感と同
時に行うことも、特開昭58−113928号に記載さ
れているように化学増感に先立って行うこともでき、ま
たハロゲン化銀粒子沈殿生成の完了前に添加し分光増感
を開始することもできる。さらにまた米国特許第4,2
25,666号に教示されているように分光増感色素を
分けて添加すること、すなわち一部を化学増感に先立っ
て添加し、残部を化学増感の後で添加することも可能で
あり、米国特許第4,183,756号に教示されてい
る方法を始めとしてハロゲン化銀粒子形成中のどの時期
であってもよい。これらの中で特に乳剤の水洗工程前あ
るいは化学増感前に増感色素を添加することが好まし
い。
【0051】これらの分光増感色素の添加量は場合に応
じて広範囲にわたり、ハロゲン化銀1モルあたり0.5
×10-6モル〜1.0×10-2モルの範囲が好ましい。
さらに好ましくは、1.0×10-6モル〜5.0×10
-3モルの範囲である。本発明において、特に赤域から赤
外域に分光増感感度を有する増感色素を使用する場合、
特開平2−157749号13頁右下欄〜22頁右下欄
記載の化合物を併用することが好ましい。これらの化合
物を使用することで、特異的に感材の保存性及び処理の
安定性、強色増感効果を高めることができる。なかでも
同特許中の一般式(IV)、(V)および(IV)の化合物
を併用して使用することが特に好ましい。これらの化合
物はハロゲン化銀1モル当り0.5×10-5モル〜5.
0×10-2モル、好ましくは5.0×10-5モル〜5.
0×10-3モルの量が用いられ、増感色素1モルあたり
0.1倍〜10000倍、好ましくは0.5倍〜500
0倍の範囲に有利な使用量がある。
【0052】本発明の感光材料は、通常のネガプリンタ
ーを用いたプリントシステムに使用される以外に、ガス
レーザー、発光ダイオード、半導体レーザー、半導体レ
ーザーあるいは半導体レーザーを励起光源に用いた固体
レーザーと非線形光学結晶を組合せた第二高調波発生光
源(SHG)、等の単色高密度光を用いたデジタル走査
露光に好ましく使用される。システムをコンパクトで、
安価なものにするために半導体レーザー、半導体レーザ
ーあるいは固体レーザーと非線形光学結晶を組合せた第
二高調波発生光源(SHG)を使用することが好まし
い。特にコンパクトで、安価、さらに寿命が長く安定性
が高い装置を設計するためには半導体レーザーの使用が
好ましく、露光光源の少なくとも一つは半導体レーザー
を使用することが望ましい。
【0053】このような走査露光光源を使用する場合、
本発明の感光材料の分光感度極大は使用する走査露光用
光源の波長により任意に設定することができる。半導体
レーザーを励起光源に用いた固体レーザーあるいは半導
体レーザーと非線形光学結晶を組合せて得られるSHG
光源では、レーザーの発振波長を半分にできるので、青
色光、緑色光が得られる。従って、感光材料の分光感度
極大は通常の青、緑、赤の3つの領域に持たせることが
可能である。装置を安価で安定性の高い、コンパクトな
ものにするために光源として半導体レーザーを使用する
ためには、少なくとも2層が670nm以上に分光感度
極大を有していることが好ましい。これは、入手可能な
安価で、安定なIII −V族系半導体レーザーの発光波長
域が現在赤から赤外領域にしかないためである。しかし
ながら実験室レベルでは、緑や青域のII−VI族系半導体
レーザーの発振が確認されており、半導体レーザーの製
造技術が発達すればこれらの半導体レーザーを安価に安
定に使用することができるであろうことは十分に予想さ
れる。このような場合は、少なくとも2層が670nm
以上に分光感度極大を有する必要性は小さくなる。
【0054】このような走査露光においては、感光材料
中のハロゲン化銀が露光される時間とは、ある微小面積
を露光するのに要する時間となる。この微小面積として
はそれぞれのディジタルデータから光量を制御する最小
単位を一般的に使用し、画素と称している。したがっ
て、この画素の大きさで画素当たりの露光時間は変わっ
てくる。この画素の大きさは、画素密度に依存し現実的
な範囲としては、50〜2000dpiである。露光時
間はこの画素密度を400dpiとした場合の画素サイ
ズを露光する時間として定義すると好ましい露光時間と
しては10-4秒以下、さらに好ましくは10-6秒以下で
ある。また、露光に際して、米国特許第4,880,7
26号に記載のバンドストップフィルターを用いること
が好ましい。これによって光混色が取り除かれ、色再現
性が著しく向上する。
【0055】露光済みの感光材料は慣用のカラー現像処
理が施されうるが、本発明のカラー感光材料の場合には
迅速処理の目的からカラー現像の後、漂白定着処理する
のが好ましい。特に前記高塩化銀乳剤が用いられる場合
には、漂白定着液のpHは脱銀促進等の目的から約6.
5以下が好ましく、さらに約6以下が好ましい。
【0056】本発明に係わる感光材料に適用されるハロ
ゲン化銀乳剤やその他の素材(添加剤など)および写真
構成層(層配置など)、並びにこの感材を処理するため
に適用される処理法や処理用添加剤としては、下記の特
許公報、特に欧州特許第0,355,660A2号、あ
るいは特開平2−139544号等の明細書に記載され
ているものが好ましく用いられる。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】
【表5】
【0062】本発明に用いうるシアン、マゼンタ、イエ
ローカプラー等の写真添加剤用高沸点有機溶媒は、融点
が100℃以下、沸点が140℃以上の水と非混和性の
化合物で、カプラーの良溶媒があれば使用できる。高沸
点有機溶媒の融点は好ましくは80℃以下である。高沸
点有機溶媒の沸点は、好ましくは160℃以上であり、
より好ましくは170℃以上である。これらの高沸点有
機溶媒の詳細については、特開昭62−215272号
公開明細書の第137頁右下欄〜144頁右上欄に記載
されている。また、シアン、マゼンタまたはイエローカ
プラーは前記の高沸点有機溶媒の存在下でまたは不存在
下でローダブルラテックスポリマー(例えば米国特許第
4,203,716号)に含浸させて、または水不溶性
かつ有機溶媒可溶性のポリマーとともに溶かして親水性
コロイド水溶液に乳化分散させることができる。好まし
くは米国特許第4,857,449号明細書の第7欄〜
15欄及び国際公開WO88/00723号明細書の第
12頁〜30頁に記載の単独重合体または共重合体が用
いられ、より好ましくはメタクリレート系あるいはアク
リルアミド系ポリマー、特にアクリルアミド系ポリマー
の使用が色像安定性等の上で好ましい。
【0063】本発明に係わる感光材料には、カプラーと
共に欧州特許EP0,277,589A2号明細書に記
載のような色像保存性改良化合物を使用することが好ま
しい。特にピラゾロアゾールカプラーや、ピロロトリア
ゾールカプラーとの併用が好ましい。即ち、発色現像処
理後に残存する芳香族アミン系現像主薬と化学結合し
て、化学的に不活性でかつ実質的に無色の化合物を生成
する前記特許明細書中の化合物および/または発色現像
処理後に残存する芳香族アミン系発色現像主薬の酸化体
と化学結合して、化学的に不活性でかつ実質的に無色の
化合物を生成する前記特許明細書中の化合物を同時また
は単独に用いることが、例えば処理後の保存における膜
中残存発色現像主薬ないしその酸化体とカプラーの反応
による発色色素生成によるステイン発生その他の副作用
を防止する上で好ましい。
【0064】またシアンカプラーとしては、特開平2−
33144号公報に記載のジフェニルイミダゾール系シ
アンカプラー、欧州特許EP0,333,185A2号
明細書に記載の3−ヒドロキシピリジン系シアンカプラ
ーや特開昭64−32260号公報に記載された環状活
性メチレン系シアンカプラー、欧州特許EP0,45
6,226A1号明細書に記載のピロロピラゾール型シ
アンカプラー、欧州特許EP0,484,909号に記
載のピロロイミダゾール型シアンカプラー、欧州特許E
P0,488,248号明細書及びEP0,491,1
97A1号明細書に記載のピロロトリアゾール型シアン
カプラーの使用が好ましい。その中でもピロロトリアゾ
ール型シアンカプラーの使用が特に好ましい。
【0065】また、イエローカプラーとしては、前記表
中に記載の化合物の他に、欧州特許EP0,447,9
69A1号明細書に記載のアシル基に3〜5員の環状構
造を有するアシルアセトアミド型イエローカプラー、欧
州特許EP0,482,552A1号明細書に記載の環
状構造を有するマロンジアニリド型イエローカプラー、
米国特許第5,118,599号明細書に記載されたジ
オキサン構造を有するアシルアセトアミド型イエローカ
プラーが好ましく用いられる。その中でも、アシル基が
1−アルキルシクロプロパン−1−カルボニル基である
アシルアセトアミド型イエローカプラー、アニリドの一
方がインドリン環を構成するマロンジアニリド型イエロ
ーカプラーの使用が特に好ましい。これらのカプラー
は、単独あるいは併用することができる。
【0066】
【実施例】以下、本発明を実施例にしたがって説明する
が、本発明の態様はこれらに限定されるものではない。 (実施例1)石灰処理ゼラチンの3%水溶液に塩化ナト
リウム3.3gを加え、N,N’−ジメチルイミダゾリ
ジン−2−チオン(1%水溶液)を3.2ml添加し
た。この溶液のpHを3.5に調整した後、溶液中に硝
酸銀を0.2モル含む水溶液と、塩化ナトリウム0.2
0モルを含む水溶液とを激しく撹拌しながら52℃で添
加、混合した。続いて、硝酸銀0.8モル含む水溶液と
塩化ナトリウム0.80モルおよびヘキサシアノ鉄(I
I)酸カリウム5.6mgを含む水溶液とを激しく撹拌
しながら52℃で添加、混合した。52℃で5分間保っ
た後、脱塩および水洗を施し、更に石灰処理ゼラチン9
0.0gを加えた。得られた乳剤のpHを6.5に調整
し、54℃で分光増感色素R−1を加え、臭化銀微粒子
乳剤(平均粒子サイズ0.05μm、ハロゲン化銀1モ
ル当りヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウム1.7
0モル×10-4モル含有している)を0.006モル添
加したのち、チオ硫酸ナトリウムおよび塩化金酸を加
え、最適に硫黄増感および金増感を施した。化学増感終
了時に安定化および被り防止の目的で1−(3−メチル
ウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを1
50mg添加した。また、化合物R−2を2.6g添加
した。こうして得られた塩臭化銀乳剤(平均粒子サイズ
0.53μ、粒子サイズ分布の変動係数8%の立方体)
を乳剤101とした。次いで、乳剤101とは粒子形成
時の温度を変化させることで平均粒子サイズを0.45
μとし、化学増感前に添加する分光増感色素をG−1に
変えることで塩臭化銀乳剤(平均粒子サイズ0.45
μ、粒子サイズ分布の変動係数8%の立方体)を調製
し、乳剤102とした。ただし、ヘキサシアノ鉄(II)
酸カリウムの添加量は7.8mg、臭化銀微粒子乳剤の
添加量は0.01モル、1−(3−メチルウレイドフェ
ニル)−5−メルカプトテトラゾールの添加量は180
mgとし、また、化合物R−2は添加しなかった。さら
に、乳剤101とは粒子形成時の温度を変化させること
で平均粒子サイズを0.86μとし、化学増感前に添加
する分光増感色素をB−1に変えることで塩臭化銀乳剤
(平均粒子サイズ0.86μ、粒子サイズ分布の変動係
数7%の立方体)を調製し、乳剤103とした。ただし
ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムの添加量は2.2m
g、臭化銀微粒子乳剤の添加量は0.003モル、1−
(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテト
ラゾールの添加量は90mgとし、また、化合物R−2
は添加しなかった。
【0067】各乳剤に用いた分光増感色素は以下の通
り。 分光増感色素 R−1
【0068】
【化21】
【0069】(ハロゲン化銀1モル当り1.5×10-5
モルとなるように添加) 化合物 R−2
【0070】
【化22】
【0071】分光増感色素 G−1
【0072】
【化23】
【0073】(ハロゲン化銀1モル当り4.0×10-4
モルとなるように添加) 分光増感色素 B−1
【0074】
【化24】
【0075】(ハロゲン化銀1モル当り6.0×10-4
モルとなるように添加)これらの乳剤を用いて、多層カ
ラー感光材料を作成した。塗布液は下記のようにして調
製した。
【0076】第一層塗布液調製 イエローカプラー(EXY)122.0g、色像安定剤
(Cpd−1)15.4g、色像安定剤(Cpd−2)
7.5g、色像安定剤(Cpd−3)16.7gを溶媒
(Solv−1)44gおよび酢酸エチル180ccに
溶解し、この溶液を10%ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム86ccを含む10%ゼラチン水溶液100
0gに混合、ホモジナイザーによる激しい撹拌により乳
化分散し、乳化分散物Aを調製した。これと、前記の乳
剤103とを混合溶解し、ゼラチン量を調製し、以下に
示す組成となるように第一層塗布液を調製した。乳剤塗
布量は銀量換算値で示した。
【0077】第二層から第七層用の塗布液も第一層塗布
液と同様の方法で調製した。各層のゼラチン硬化剤とし
ては、1−オキシ−3,5−ジクロロ−s−トリアジン
ナトリウム塩を用いた。また、各層にCpd−12、C
pd−13、Cpd−14およびCpd−15をそれぞ
れ合計の塗布量が15mg/m2 ,60mg/m2 、5
mg/m2 および10mg/m2 となるように添加し
た。さらに、第二層、第四層、第六層そして第七層には
1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプト
テトラゾールをそれぞれ塗布量が0.15mg/m2
0.15mg/m2 、0.6mg/m2 そして0.1m
g/m2 となるように添加した。第一層および第三層に
はこの他4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,
7−テトラザインデンをハロゲン化銀1モル当りそれぞ
れ1×10-4および2×10-4モル添加した。また、イ
ラジェーション防止のために、乳剤層に下記の水溶性染
料を添加した(括弧内は塗布量を表す。)。
【0078】
【化25】
【0079】ポリエチレン両面ラミネートした紙支持体
(乳剤塗布側のラミネート層は、TiO2 を19%含有
した厚み17μの上層と、TiO2 を含有しない10μ
の下層の2層で構成されており、上層には微量の群青を
含有する)に表面をコロナ放電処理後にドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウムを含む下塗り層を設け、さらに
上記の塗布液を下記の組成となるように重層塗布し多層
カラー印画紙101を作成した。
【0080】(層構成)以下に各層の組成を示す。数字
は塗布量(g/m2 )を表す。ハロゲン化銀乳剤は銀換
算塗布量を表す。
【0081】支持体 ポリエチレンラミネート紙 [第一層側のポリエチレンに白色顔料(TiO2 )と青
味染料(群青)を含む]
【0082】 第一層(青感性乳剤層) 前記の塩臭化銀乳剤103 0.30 ゼラチン 1.33 イエローカプラー(ExY) 0.76 色像安定剤(Cpd−1) 0.10 色像安定剤(Cpd−2) 0.05 色像安定剤(Cpd−3) 0.10 溶媒(Solv−1) 0.28 第二層(混合防止層) ゼラチン 1.09 混色防止剤(Cpd−4) 0.11 溶媒(Solv−1) 0.07 溶媒(Solv−2) 0.25 溶媒(Solv−3) 0.19 溶媒(Solv−7) 0.09
【0083】 第三層(緑感性乳剤層) 前記の塩臭化銀乳剤102 0.15 ゼラチン 1.19 マゼンタカプラー(ExM1 ) 0.15 紫外線吸収剤(UV−1) 0.15 色像安定剤(Cpd−2) 0.013 色像安定剤(Cpd−5) 0.013 色像安定剤(Cpd−6) 0.013 色像安定剤(Cpd−7) 0.10 色像安定剤(Cpd−8) 0.013 溶媒(Solv−4) 0.38 溶媒(Solv−5) 0.19
【0084】 第四層(混合防止層) ゼラチン 0.77 混色防止剤(Cpd−4) 0.08 溶媒(Solv−1) 0.05 溶媒(Solv−2) 0.18 溶媒(Solv−3) 0.14 溶媒(Solv−7) 0.06
【0085】 第五層(赤感性乳剤層) 前記の塩臭化銀乳剤101 0.25 ゼラチン 1.00 シアンカプラー(ExC) 0.35 紫外線吸収剤(UV−3) 0.24 色像安定剤(Cpd−1) 0.30 色像安定剤(Cpd−6) 0.013 色像安定剤(Cpd−8) 0.013 色像安定剤(Cpd−9) 0.05 色像安定剤(Cpd−10) 0.013 溶媒(Solv−1) 0.013 溶媒(Solv−6) 0.26
【0086】 第六層(紫外線吸収層) ゼラチン 0.64 紫外線吸収剤(UV−2) 0.39 色像安定剤(Cpd−7) 0.05 溶媒(Solv−8) 0.05
【0087】 第七層(保護層) ゼラチン 0.98 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体 (変性度17%) 0.04 流動パラフィン 0.01 界面活性剤(Cpd−11) 0.01
【0088】
【化26】
【0089】
【化27】
【0090】
【化28】
【0091】
【化29】
【0092】
【化30】
【0093】
【化31】
【0094】
【化32】
【0095】
【化33】
【0096】試料101とはマゼンタカプラーと油溶性
染料を表6のように変更して試料102〜122を作成
した。なお油溶性染料は第三層の乳化分散物中に表6に
示す塗布量となるように添加した。
【0097】
【表6】
【0098】こうして得られた試料の赤色の彩度を評価
するために、Macbeth社製Macbeth Co
lor Checkerの赤を撮影し処理したネガフィ
ルムから各試料にプリントを行ない下記の処理工程およ
び処理液を用いて発色現像を行なった。さらに(L*a
*b*)表色系に準ずる色度を測定し、原点(L*=
0;a*=0;b*=0)からの距離をもって彩度とし
て表6に示した。また、肌色の調子再現を評価するため
に各試料にて女性の顔面を画面の約半分に配したプリン
トを作成し、5人のパネラーによって肌のざらつき感を
下記に従い5段階評価し、その平均値を表Aにまとめ
た。この数値が大きいほど、ざらつき感が大きいことを
表わす。 1 ざらつきが感じられない 2 ざらつき感はほとんど問題にならない 3 ざらつき感がやや気になる 4 ざらつき感が気になる 5 好ましくないざらつき感がある
【0099】 処理工程 温 度 処理時間 補充量* 発色現像 38.5℃ 45秒 73ml 漂白定量 30〜35℃ 45秒 60ml** リンス1 30〜35℃ 20秒 − リンス2 30〜35℃ 20秒 − リンス3 30〜35℃ 20秒 360ml 乾 燥 70〜80℃ 60秒 *感光材料1m2 当りの補充量 **上記60mlに加えて、リンス1より感光材料1m2 当り120ml を流入させた (リンス浴は3から1への3タンク向流方式とした。)
【0100】 発色現像液 水 800ml 800ml エチレンジアミン四酢酸 3.0g 3.0g 4,5−ジヒドロキシベンゼン−1,3− ジスルホン酸二ナトリウム塩 0.5g 0.5g トリエタノールアミン 12.0g 12.0g 塩化カリウム 6.5g − 臭化カリウム 0.03g − 炭酸カリウム 27.0g 27.0g 蛍光増白剤(WHITEX4 住友化学製) 1.0g 3.0g 亜硫酸ナトリウム 0.1g 0.1g
【0101】表6に示すように比較用のカプラーExM
1 を用いた場合(試料101,102)、肌のざらつき
感はほとんど問題にならないが赤色の彩度が低く好まし
くない。赤色の彩度がそれよりも高い比較用のカプラー
ExM2 を用いた場合(試料103)、気になるほどの
ざらつき感があるうえ本発明の油溶性染料を添加しても
ざらつき感の改良はわずかであり好ましくない。また、
本発明のカプラーを用い、油溶性染料を用いない比較用
試料105では肌のざらつき感が気になって好ましくな
い。本発明のカプラーと油溶性染料を組み合わせ(試料
106〜122)によって初めて赤色の彩度が高く、し
かも肌のざらつき感がほとんど問題なくなる。
【0102】(実施例2)実施例1で用いたハロゲン化
銀感光材料の作成において、各発色層中のハロゲン化銀
乳剤を平均粒子サイズが異なるハロゲン化銀乳剤の混合
物に置き換えた。各発色層中のハロゲン化銀乳剤の階調
及び塗設する銀量を調節して主階調(最低濃度+0.6
〜最低濃度+1.6)が各発色層において実施例1で用
いたハロゲン化銀感光材料と同じになるようにした。こ
の様にして作成したハロゲン化銀感光材料を用いて実施
例1と同様の試験を行った。結果を表7に示す。
【0103】
【表7】
【0104】表7からわかるように、塗設銀量が少なく
なると本発明の油溶性染料を用いない場合、肌のざらつ
き感が強くなり好ましくない。(試料201、203、
205、207、209の比較)本発明の油溶性染料を
用いると肌のざらつき感はほとんど問題ない程度とな
り、本発明がより塗設銀量が少ない場合に効果的である
ことがわかる。 (実施例3)実施例1で作成した試料を用いてさらに短
時間の処理を施した。
【0105】 処理工程 温 度 時間 補充量* タンク容量(リットル) カラー現像 45℃ 15秒 35ml 2.0 漂白定量 40℃ 15秒 35ml 2.0 リンス 40℃ 5秒 −−− 1.0 リンス 40℃ 5秒 −−− 1.0 リンス 40℃ 5秒 −−− 1.0 リンス 40℃ 5秒 −−− 1.0 リンス 40℃ 10秒 −−− 1.0 乾 燥 60〜80℃ 20秒 60ml (*感光材料1m2 当たりの補充量) (リンス浴は→への5タンク向流方式とした。)
【0106】上記の処理では、リンスの逆浸透膜に圧
送し、透過水はリンスに供給し、逆透過膜を透過しな
かった濃縮水はリンスに戻して処理した。なお、各リ
ンス間はクロスオーバー時間を短縮するため、槽間にブ
レードを設置し、その間を通過させた。この処理に使用
した各処理液は以下の通りである。
【0107】 カラー現像液 タンク液 補充液 水 700ml 700ml エチレンジアミン四酢酸 1.5g 3.75g 1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6− ジスルホン酸2ナトリウム塩 0.25g 0.7g トリエタノールアミン 5.8g 14.5g 塩化カリウム 10.0g −−− 臭化カリウム 0.03g −−− 炭酸カリウム 18.0g 24.0g 蛍光増白剤(UVX) 1.5g 4.5g 亜硫酸ナトリウム 0.1g 0.1g ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナート エチル)ヒドロキシルアミン 14.8g 29.6g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N− (4−ヒドロキシブチル)アニリン・2− p−トルエンスルホン酸 9.8g 29.3g 水を加えて 1000ml 1000ml pH(25℃) 10.05 11.60
【0108】漂白定着液(成分を2液に分離させた補充
液を作製した。) [第1補充液] 水 150 ml エチレンビスグアニジン硝酸塩 30 g 亜硫酸アンモニウム・1水塩 190 g エチレンジアミン四酢酸 7.5g 臭化アンモニウム 30 g チオ硫酸アンモニウム(700g/リットル) 340 ml 酢酸(50%) 250 ml 水を加えて 1000 ml pH(25℃) 4.8 [第2補充液] 水 140 ml エチレンジアミン四酢酸 11.0g エチレンジアミン四酢酸鉄(III) アンモニウム 715 g 酢酸(50%) 100 ml 水を加えて 1000 ml pH(25℃) 2.0
【0109】漂白定着液のタンク液 第1補充液 300ml 第2補充液 200ml 水を加えて 1000ml pH(25℃) 5.0 漂白定着液の補充量(下記量で、1m2 当たり計35m
l) 第1補充液 21ml 第2補充液 14ml
【0110】表8に示す結果から、本発明の感光材料が
迅速処理に適していることがわかる。すなわち、本発明
の感光材料(試料106〜113)は15秒現像という
非常に短時間の処理工程でも実施例1と同様に、赤色の
彩度が高く、肌のざらつきが少ないカラープリントが得
られる。
【0111】
【表8】
【0112】
【発明の効果】本発明によって赤色の彩度が高く肌のざ
らつきの少ないカラープリントが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 7/407 7/44

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくともイエロー色素形成
    層、マゼンタ色素形成層およびシアン色素形成層を含む
    写真構成層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料に
    おいて、塗布銀量の合計が0.7g/m2 以下であり、
    該マゼンタ色素形成層の少なくとも一層が塩化銀含有率
    90モル%以上の実質的に沃化銀を含まない塩化銀もし
    くは塩臭化銀からなるハロゲン化銀乳剤粒子と、一般式
    (M−I)で示されるマゼンタ色素形成カプラーの少な
    くとも一種とを含有しており、さらに、前記写真構成層
    のいずれかの層に520から580nmに吸収極大を有
    する油溶性染料の少なくとも一種を含有することを特徴
    とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。 一般式(M−I) 【化1】 式中、ZaとZbは各々=C(R4 )−または=N−を
    表わし、R1 、R2 、R3 およびR4 は各々、置換基を
    表わし、Xは水素原子または発色現像主薬の酸化体との
    カップリング反応により離脱し得る基を表わす。
  2. 【請求項2】 請求項1の感光材料を芳香族第一級アミ
    ン現像主薬を含有する発色現像液で、発色現像時間30
    秒以下で処理することを特徴とするカラー画像形成方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1の感光材料を芳香族第一級アミ
    ン現像主薬を含有する発色現像液を用い、かつ感光材料
    1m2 あたり20から45mlの補充量で連続処理する
    ことを特徴とするカラー画像形成方法。
JP27866594A 1994-10-19 1994-10-19 ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびカラー画像形成方法 Pending JPH08122984A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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