JPH11109153A - 有機・無機高分子複合体およびその製造方法 - Google Patents
有機・無機高分子複合体およびその製造方法Info
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- JPH11109153A JPH11109153A JP9281354A JP28135497A JPH11109153A JP H11109153 A JPH11109153 A JP H11109153A JP 9281354 A JP9281354 A JP 9281354A JP 28135497 A JP28135497 A JP 28135497A JP H11109153 A JPH11109153 A JP H11109153A
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Abstract
あり、精密な屈折率制御が可能であり、所定の膜厚に制
御可能で、高分子光導波路や他の光集積回路用材料とし
て優れた、低コストの有機・無機高分子複合体およびそ
の製造方法とこれを用いた光導波路または光集積回路を
提供する。 【解決手段】 シルセスキオキサン構造を有する無機マ
トリックス中にポリスチレンが分散された構造を有する
有機・無機高分子複合体とし、これにより優れた特性の
光導波路または光集積回路を得る。
Description
等に用いられる光導波路や、プラスチック光ファイバ等
の光部品として使用可能な有機・無機高分子複合体およ
びその製造方法に関する。
最も一般的に知られている光学部品に、光ファイバを挙
げることができる。光ファイバには低光損失、広帯域特
性が求められ、この点から石英、多成分ガラス、無機単
結晶等の無機系材料が広く使用されている。近年B−I
SDNなどの大容量情報処理が必要な情報通信分野にお
いて、電気配線が有する伝送帯域の限界に対処するもの
として光配線方法が提案されており、その一つに平面基
板上に形成される高分子光導波路が考えられている。
分子は、無機系材料に比べて多くの機能性化合物、官能
基の導入が可能であることや、材料コストが低く、加工
性がよい等の特徴を持つので、光学用材料として現在ま
でに数多くの開発がなされている。例えば黒川隆志らの
アプライド オプティクス(Appl.Opt. )第17巻、4
号、646頁〜647頁、1978年や、特公昭61−
13201号公報には、選択的光重合法により、ポリカ
ーボネート中に含ませたドーパント(アクリル系モノマ
ーの一つであるアクリル酸メチル)を光照射により選択
的に重合、あるいはポリマーと反応させることで屈折率
を変化させ、パターン状の光導波路を作製する手法が開
示されている。しかしこれらの選択的光重合法では、紫
外線の照射条件を厳密に定める必要性があり、また、溶
媒の揮発条件によりモノマー含量が変化して屈折率が微
妙に変化するといった欠点がある。
水素について重水素化やフッ素化処理を行い、光導波路
を試作して光伝搬損失を測定したところ、0.1dB/cm
以下という低損失化が達成できた旨の報告が吉村了行ら
のエレクトロニクス レターズ(Electron.Lett.)、第
28巻、2135頁〜2136頁、1992年に掲載さ
れており、またこの内容が特公平6−43464号公報
に開示されている。しかしポリメチルメタクリレート系
のガラス転移温度は一般に100℃前後である。このた
め実際の光部品としての信頼性を考慮したとき、耐熱温
度の上限は70℃程度であると考えられている。したが
って実用的には不安が残る。またポリメチルメタクリレ
ートは吸湿性が比較的高く、飽和吸湿率が2%程度にも
達する。したがって高湿度環境下では水のOH基の伸縮
振動吸収が光損失に影響を与えることが報告されている
(例えば、戒能俊邦、ポリマー プリプリンツ ジャパ
ン(Polymer Preprints Japan)、第32巻、第4号、1
983年、第2525頁に掲載)。すなわちポリメチル
メタクリレートを用いた場合には使用環境条件の湿度変
化により光伝搬損失が変動するといった問題が指摘され
ている。
なる低損失化、耐湿性の改善をも目的に、水素原子を重
水素原子に置換したポリシロキサンを用いた光導波路が
特開平3−188402号公報に、また分子中の水素原
子の一部または全部をフッ素化したポリイミドを用いた
高分子光導波路が特開平4−328504号公報にそれ
ぞれ開示されている。これらの高分子を用いた場合、2
00℃以上の耐熱性や近赤外波長領域での低損失化を達
成できる光導波路を提供できる。しかし高分子光導波路
に適用する材料の低コスト化を図る上では、重水素化処
理等を施した高分子のみを用いるのが妥当であるとする
のは疑問である。
は前記のような有機高分子化合物のみ、あるいはガラス
導波路に代表されるように無機高分子材料のみを用いた
ものが主である。
せたいわゆる複合材料が数多く知られている。例えば有
機高分子に無機物を添加するフィラーの考え方や、金属
表面を有機高分子で修飾するコーティング手法は工業的
に幅広く利用されている。これらの複合材料にはそれぞ
れの素材の特性を維持しつつ、さらに新しい機能を付加
させようとするところに特徴がある。これに対し異なっ
た材料を分子レベルで組み合わせて複合化させると前述
の基本的な素材とは全く異なった新しい材料が期待でき
る。すなわち複合材料では材料としての特性、例えば機
械的特性、熱的特性などが一般にその集合体の性質とし
て発現することから注目を集めている。
告がある。例えばインテグレーテッド オプティクス
アンド オプティカル コミュニケーション 国際会議
(Integrated Optics and Optical Communication )1
995講演予稿集、TuD1−5、71頁には、SiO
2 のネットワーク骨格中にメタクリレート基を置換基と
して導入した化合物(登録商標名ORMOCER)で光
導波路を試作した報告が記載されている。
に、特定の有機高分子を均一に分散させた複合体が知ら
れている。例えば特開平3−212451号公報には、
アミド結合を有する非反応性ポリマーの存在下、加水分
解重合性を有する有機金属化合物をゲル化させることに
より生成した金属酸化物ゲルの微細骨格をマトリックス
とし、その中にアミド結合を有する高分子が均一に分散
された構造の有機・無機複合体が得られ、この複合体が
透明であって膜状等に成形できる旨が記載されている。
また特開平5−85860号公報には、加水分解性無機
化合物を加水分解重合して得られた無機酸化物のマトリ
ックス中に、ウレタン結合を有する非反応性ポリマーが
均一に分散した有機・無機複合透明均質体が開示されて
いる。一般に単純に有機物と無機物を混合させても、有
機成分と無機成分との相溶性が劣るためにこれらの複合
体は不均質となり、有機高分子と無機物質が相分離して
しまうことになる。このため有機高分子と無機物質との
特性が有効に発現しない場合が多い。上記各公報に記載
された複合体ではマトリックス中に分散される高分子
が、アミド結合やウレタン結合などを有する高分子、特
に水溶性ポリマーに限定されている。これらの水溶性ポ
リマーは水分に対する親和性が強いため吸湿性がポリメ
チルメタクリレートよりも高いと判断される。したがっ
て上記各公報に記載された複合体は、用途が限定されて
しまう。
特開平3−212451号公報や特開平5−85860
号公報に開示された内容をさらに発展させ、汎用の有機
ポリマーを無機高分子と複合化可能とし、透明性、均質
性に優れた無機・有機複合ポリマー組成物を得ることが
開示されている。しかしこの複合ポリマー組成物を製造
する際には、汎用の有機ポリマーに加え、アミド結合を
有するポリマー(オキサゾリンのポリマーまたはポリビ
ニルピロリドン)を添加する必要がある。具体的には、
有機金属化合物の加水分解重合反応溶液中にアミド結合
を有するポリマーおよび汎用の有機ポリマーを共存さ
せ、前記有機金属化合物を加水分解重合する。このよう
にして得られる複合ポリマー組成物も水溶性ポリマーが
含有されることになるため、上記特開平3−21245
1号公報や特開平5−85860号公報に記載された複
合体と同様に、吸湿性の点で問題がある。
光学材料への適用が検討されてきた高分子材料としてポ
リスチレンがある。ポリスチレンは非水溶性ポリマーで
あり、透明性に優れ、吸湿性が低いことが知られてい
る。しかしポリスチレンのガラス転移温度は80℃程度
であり、ポリメチルメタクリレート同様に耐熱性が劣る
といった問題がある。ポリスチレンと無機材料とを複合
化することにより耐熱性の向上が期待されるが、従来ポ
リスチレンとシリカゲルとの有機・無機高分子複合体を
得ることはできなかった。無機マトリックスを合成する
のに用いられる加水分解性有機基を有する有機ケイ素化
合物を不特定に選択し、有機成分の原料として高分子量
のポリスチレンを用いて有機・無機高分子複合体を合成
しようとしても、相分離してしまう。これはポリスチレ
ンが水素結合受容基を持たないため一般的なシリカゲル
との相互作用が非常に弱いことに起因するからであっ
た。
共重合体を用い、かつシランカップリング剤を介在させ
てシリカゲルとの有機・無機高分子複合体を合成した例
が、ジャーナル オブ マテリアル リサーチ(J.Mate
r.Res.)、第8巻、第5号、1993年、第1143頁
に報告されている。この報告では、SiO2 のネットワ
ーク構造中にポリスチレン構造を共有結合的に導入する
ことによって、有機・無機高分子複合体を合成してい
る。そして、共有結合的に結合させるために、スチレン
単独の重合体ではなく、スチレンと3−(トリメトキシ
シリル)プロピルメタクリレートとを共重合させた中間
体を合成し、これをシリカゲルと反応させている。この
方法では中間体の合成プロセスを追加する必要が生じ
る。そして、メタクリレート構造も構造単位に加わるこ
とから、ポリスチレン−シリカゲル系に比較して、吸湿
率の劣化が予想される。さらに上記報告では、ポリスチ
レン系材料とシリカゲルとで構成される有機・無機高分
子複合体が光学材料として適しているか、また、これら
を適用した光導波路や他の光集積回路を作製することが
可能であるのかといった検討はなされていない。
は、ラジカル重合性ビニル化合物をケイ酸オリゴマーの
存在下で重合させることにより得られる複合体組成物を
開示している。この複合体組成物はラジカル重合性ビニ
ル化合物をケイ酸オリゴマーの存在下で重合させて得ら
れると記載されている。またこの複合体組成物は、ラジ
カル重合性ビニル化合物または、その部分重合体中にケ
イ酸オリゴマーを溶解した混合溶液を調製する第一工程
と、次いでケイ酸オリゴマーの縮合反応と、ラジカル重
合性ビニル化合物または、その部分重合体のラジカル重
合を実施する第二工程からなる製造方法によって得られ
ることが示されている。
ル化合物としては公知のラジカル重合が可能な単量体が
使用され、またケイ酸オリゴマーとしては水ガラスまた
はメタケイ酸ソーダから調製された、直鎖状、分枝状ま
たはハシゴ状の構造を有し、分子量数百万から数万の部
分縮合体が適当であると記載されている。
の部分構造体を準備しておき、これを縮重合反応にて無
機マトリックスの合成を完成させ、かつラジカル重合性
ビニル化合物またはその部分重合体のラジカル重合も実
施することにより、複合体を合成するものである。
ら数万のケイ酸オリゴマーを用いて合成プロセスを開始
している。この方法ではケイ酸オリゴマーの精製工程も
しくは分子量分布を調製する工程が加わることになり、
作業工程が複雑化する。また、ラジカル重合性ビニル化
合物としてスチレンが該当する化合物として列挙されて
いるが、実施例においてスチレンを用いた複合体の合成
方法は記載されていない。さらに上記公報では、ポリス
チレン系材料とシリカゲルとで構成される有機・無機高
分子複合体が光学材料として適しているか、また、これ
らを適用した光導波路や他の光集積回路を作製すること
が可能であるのかといった検討はなされていない。
80357において、高分子光導波路や他の光集積回路
用材料として適用可能な有機・無機高分子複合体および
その製造方法を提供するに至った。この発明において開
示された内容は、シリケート及び、シルセスキオキサン
骨格構造を有する無機マトリックス中にポリスチレンが
分散された構造を有する有機・無機高分子複合体であ
り、この有機・無機高分子複合体はスチレンモノマーの
重合によりポリスチレンを合成すると共に、加水分解性
有機基を有するアルキルアルコキシシラン等の有機ケイ
素モノマー化合物から前記無機マトリックスを合成する
工程を経て得られたものである。
機マトリックス中にポリスチレンが分散した有機・無機
高分子複合体の欠点として低重合度のポリスチレンしか
得られないことが指摘される。例えば特願平8−280
357の実施例で開示しているようにポリスチレンの重
合度は数10程度であり、重量平均分子量にして約数1
000程度しかない。このようなポリスチレンを用いて
薄膜化やキャスティングを行うと、クラックが生じやす
く実用的に問題がある。さらにこの有機・無機高分子複
合体をテトラヒドロフラン等の有機溶媒中に放置する
と、有機・無機高分子複合体中のポリスチレンが有機溶
媒中に容易に溶解してしまう。これは本来ポリスチレン
自体の耐有機溶剤性が低いことに起因しているが、この
有機・無機高分子複合体では、ポリスチレンの分子量が
低いことがその性質をさらに増長させた結果となってお
り、有機・無機高分子複合体を構成するポリスチレンと
無機マトリックスの相互作用が低いことを意味してい
る。
性、耐湿性に優れ、低光損失(透明)であり、精密な屈
折率制御が可能であり、所定の膜厚に制御可能で、高分
子光導波路や他の光集積回路用材料として優れた、低コ
ストの有機・無機高分子複合体を実現することである。
使用可能であり、希望する所定の膜厚に成膜可能な有機
・無機高分子複合体の製造方法を提供することである。
と)であり、精密な屈折率制御が可能であり、環境特性
の一つである耐熱性、耐湿性が優れていて、材料が希望
する所定の膜厚に成膜可能であり、材料の合成が簡易で
あり、材料コストが低い高分子光導波路を提供すること
である。
(1)〜(4)のいずれかの構成によって達成される。 (1) シルセスキオキサン構造を有する無機マトリッ
クス中にポリスチレンが分散された構造を有し、前記無
機マトリクスが有する官能基と、ポリスチレンのフェニ
ル基との間にフェニル基−フェニル基相互作用を有する
有機・無機高分子複合体。 (2) 前記シルセスキオキサン構造を有する無機マト
リックスは、 少なくとも下記式Iで表される加水分解
性有機基を有する有機ケイ素化合物から合成されている
上記(1)の有機・無機高分子複合体。 式I (R1 )Si(OR2 )3 (式中、R1 はフェニル基を表わす。R2 は低級アルキ
ル基を表わす。) (3) 前記シルセスキオキサン構造を有する無機マト
リックスとポリスチレンは、アルコキシシラン:ポリス
チレンに換算して重量比で1〜10:10〜1である上
記(1)または(2)の有機・無機高分子複合体。 (4) 下記式Iで表される加水分解性有機基を有する
有機ケイ素化合物溶液中に、溶解状態のポリスチレンを
共存させ、前記有機ケイ素化合物を加水分解させ、上記
(1)〜(3)のいずれかの有機・無機高分子複合体を
得る有機・無機高分子複合体の製造方法。 式I (R1 )Si(OR2 )3 (式中、R1 はフェニル基を表わす。R2 は低級アルキ
ル基を表わす。)
の原料として高分子量のポリスチレンを用い、フェニル
基等に代表される特定の官能基を有しかつ、加水分解性
有機基を有する有機ケイ素化合物を選択することによ
り、有機成分と無機成分が相分離せず、透明性に優れ・
均質な有機・無機高分子複合体を合成できることが判明
した。これは従来の有機・無機高分子複合体において適
用されてきた水素結合による相互作用ではなく、シリカ
ゲル成分が有するフェニル基のような官能基と、ポリス
チレンのフェニル基とのフェニル基−フェニル基相互作
用に基づく有機・無機高分子複合体である。
有される有機高分子の特徴、すなわちポリスチレンの吸
湿性の低さが消失することなく反映されるため、耐湿性
が良好である。このため、本発明の有機・無機高分子複
合体を光学材料として使用して作製された光集積回路部
品を用いることにより、耐環境性の優れた光信号伝送回
路を構築することが可能となる。本発明では、このよう
な有機・無機高分子複合体を、フェニル基等に代表され
る特定の官能基を有しかつ、加水分解性有機基を有する
有機ケイ素化合物の加水分解反応溶液中にポリスチレン
を共存させて、合成させることにより実現した。一方、
前述したように、メタクリレート構造単位をもつポリス
チレン共重合体を有機成分の原料として用いれば、シリ
カゲルと有機成分とが共有結合した複合体の製造は可能
であるが、この場合にはメタクリレート構造単位による
耐湿性の低下が問題となってしまう。
は、物理的特性の一つである熱的特性、例えばガラス転
移温度が、その複合体の性質として発現するため、有機
高分子自体が有する熱的特性を大きく改善できる。この
ため、高温条件下にさらされても有機・無機高分子複合
体の劣化・変質がない。したがって、本発明における有
機・無機高分子複合体を用いた導波路は、有機高分子だ
けで作製した導波路に比較して、耐熱性が著しく良好と
なる。
法は、フェニル基等に代表される特定の官能基を有しか
つ、加水分解性有機基を有する有機ケイ素化合物を有機
溶媒中に溶解させた溶液と、共通の有機溶媒に溶解させ
たポリスチレンとを均一に混合させ、ゾル・ゲル法によ
る加水分解重合を進行させる方法である。従来の有機・
無機高分子複合体の製造方法すなわち、フェニル基等の
特定の官能基を有しない有機ケイ素化合物の反応溶液中
に、ポリスチレンを共存させて有機ケイ素化合物を加水
分解重合する方法では、均質、透明な有機・無機高分子
複合体は製造することができない。これは前述の通り、
ポリスチレンには水素結合受容基がないのでシリカゲル
との相互作用が弱く、相分離を起こしてしまうからであ
る。もう一つの方法として、ポリスチレンの前駆体であ
るスチレンのラジカル重合と、有機ケイ素化合物のゾル
・ゲル法による加水分解重合とを同時に進行させる方法
がある。この従来方法と本発明の製造方法とを比較する
と、本発明の製造方法では、ポリスチレンを合成するた
めのスチレンのラジカル重合工程を省くことができるの
で合成工程が大幅に簡略化できる。さらにその従来方法
で合成されたポリスチレンの重合度は数10程度である
のに対し、本発明の有機・無機高分子複合体の製造方法
ではその約100倍以上の重合度のポリスチレンを使用
して有機・無機高分子複合体を合成できるので、薄膜作
製時にみられるクラック等の発生を大幅に抑制すること
ができる。
は、マトリックスであるシルセスキオキサン骨格中にポ
リスチレンが均一に分散した構造を有するため、透明性
が良好である。このため、光導波路に適用した場合、損
失を著しく小さくできる。
いて、有機成分と無機成分との比率を適宜設定すること
により、屈折率を広範囲にわたって精密かつ容易に制御
することができる。したがって、本発明の有機・無機高
分子複合体を適用して光導波路を作製するにあたり、光
導波路構造中のコア部分およびクラッド部分の屈折率制
御を精密かつ容易に行うことができる。この際、最終組
成はほぼ仕込比どおりとなるので、屈折率制御が容易で
あり、屈折率のばらつきも小さい。
構造中の一部または全部の水素原子を、重水素原子やハ
ロゲン原子等で置換すれば、可視光領域から近赤外波長
領域に至るまで、損失の極めて低い特性を得ることが可
能となる。この場合、全構成成分を置換する必要は必ず
しもないので、製造法も簡易となる。
アリール基、ハロゲン原子等の置換基を適宜導入した場
合でも、屈折率の制御が可能である。
は、シルセスキオキサン構造を有する無機マトリックス
中にポリスチレンが分散された構造を有する。
00以上、より好ましくは重合度500〜3000程度
の、通常一般的に市販されているポリスチレンである。
本発明におけるポリスチレンは非置換のものとし、ホモ
ポリマーとする。ただし、置換基を有するポリスチレン
を用いて合成することもでき、置換基を有するホモポリ
マーであることも可能である。また、コポリマーであっ
てもよい。以下、スチレン系ポリマーを単にポリスチレ
ンと称することがある。
基の水素原子の少なくとも1個が重水素原子、フッ素原
子、塩素原子、低級アルキル基またはアリール基で置換
されたものなどが考えられる。この場合の低級アルキル
基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基といった炭素数1〜4程
度のアルキル基が好ましい。この低級アルキル基は置換
基を有していてもよい。アルキル基の好ましい置換基と
しては、例えば、重水素原子や、フッ素原子、塩素原子
等が挙げられる。置換アルキル基の具体例としては、そ
の重水素置換したアルキル基を含め、例えば、ジクロロ
メチル基、トリクロロメチル基、ペンタフルオロエチル
基等が特に好ましい。前記アリール基としては、フェニ
ル基、ナフチル基等が好ましい。このアリール基は置換
基を有していてもよい。アリール基の置換基としては、
例えば、前記重水素原子や、フッ素原子、塩素原子等が
好ましい。このようなポリスチレンは、1種または2種
以上を使用することができる。
リックスは、加水分解性有機基を有する有機ケイ素化合
物から合成されたシリカゲルである。
されるものである。
わす。R2 は低級アルキル基を表わす。また、R2 は1
種からなっていてもよく、2種以上からなっていてもよ
い。
ることが好ましいが、置換基を有してもよい。R2 で表
される低級アルキル基も、炭素数1〜4程度のものが好
ましい。R2 に用いるアルキル基、アリール基として
は、上記ポリスチレンの説明において挙げたものが好ま
しい。
えば、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエト
キシシラン、フェニルトリプロポキシシラン等が挙げら
れる。
折率制御のためや組成物の硬度の調整のために必要に応
じて添加物を混合してもよい。これらの有機ケイ素化合
物は部分的に重合していてもよい。使用する化合物の重
合度は1〜30程度が好ましい。有機ケイ素化合物は異
種のものを2種類以上使用できる。
機溶媒に溶解され、反応溶液とされる。好ましくは両者
を溶解可能な共通有機溶媒が使用される。有機溶媒とし
ては例えば、 ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素;塩化メチル、塩化メチレン、クロロホル
ム、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素;メチ
ルエチルケトン等のケトン類;ジオキサン、ジメトキシ
エタン、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル等のエーテル類、あるいはこれらの混合
溶媒等があげられる。これらのうちでは、均一で透明性
の良好な複合体が得られやすいことから、特にエーテル
類が好ましい。
分としてポリスチレンを含むので、複合体中のシリカゲ
ル含有率の高低にそれほど依存せず均質な複合体が得ら
れるという特色がある。本発明の有機・無機高分子複合
体における有機成分(ポリスチレン)と無機成分(シル
セスキオキサン構造を有する無機マトリックス:フェニ
ルトリアルコキシシラン)との割合は、両成分の特性を
損なわない範囲内であれば特に制限はないが、例えば、
好ましくは仕込み比で、ポリスチレン100重量部に対
しシリカゲル(アルコキシシラン)が好ましくは10〜
1000重量部、より好ましくは20〜500重量部程
度である。ポリスチレンに対するシリカゲルの割合が前
記範囲を外れると、複合化の意義が少なくなる。有機・
無機高分子複合体の物理的特性の中で、ガラス転移温度
は、その複合体の性質として発現するため、複合体に使
用する有機高分子自体が有していた熱的特性を大きく改
善できる。したがって、シリカゲルが少なすぎると、有
機・無機高分子複合体のガラス転移温度がポリスチレン
自体のガラス転移温度とほぼ同一となり、変化している
とは判断できず、複合化する意義が少ない。逆にシリカ
ゲルが多すぎても、有機成分添加の意義がなくなってく
る。
法は、フェニル基等に代表される特定の官能基を有しか
つ、加水分解性有機基を有する有機ケイ素化合物を有機
溶媒中に溶解させた溶液と、有機成分として共通の有機
溶媒に溶解させたポリマーとを均一に混合させ、ゾル・
ゲル法による加水分解重合を進行させることに特徴があ
る。これは前述の通り、従来の製造方法、すなわち、不
特定の有機ケイ素化合物の反応溶液中に、ポリスチレン
を共存させて有機ケイ素化合物を加水分解重合する方法
では、均質、透明な有機・無機高分子複合体は製造する
ことができない。また別方法を用いたとしても、合成方
法が複雑になったり、低重合度のポリスチレンしか得る
ことができない。
下、反応溶液中で公知の方法に従い、ゾル・ゲル法によ
り加水分解重合され、シリカゲルが生成する。この重合
は、酸触媒の存在下で行うことが望ましい。酸触媒とし
ては無機酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等);
有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフ
ルオロ酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸や、メタンス
ルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸
等のスルホン酸等)が使用できる。
下、室温(25℃)〜60℃程度までの温度範囲内で行う
ことができる。不活性ガスの存在下で行ってもよく、減
圧下で行ってもよい。また、加水分解重合に伴って生成
するアルコールを除去しながら重合してもよい。これら
の重合により、シリカゲルの微細構造中のナノメートル
オーダーの領域に、ポリスチレンが均一に分散した構造
が得られる。この構造は、原子間力顕微鏡によって確認
することができる。また、有機・無機高分子複合体から
焼成などにより有機成分を除去した後、窒素吸着法を用
いて測定することにより、シリカゲル中においてポリス
チレンが存在していた細孔の寸法を求めることができ
る。この細孔の径は、通常、数十ナノメートル程度以下
である。
る場合には、まず、前記反応溶液が一定の組成系、反応
条件下で、所望の粘度に到達した後、ガラス・石英・シ
リコンなどの平面基板上に前記反応溶液を滴下し、スピ
ンコートする。この際、あらかじめ溶液粘度、基板の回
転数、その回転時間と、膜厚との関係を把握しておくこ
とにより、所望の膜厚の有機・無機高分子複合体薄膜が
得られるようにスピンコート条件を設定する。スピンコ
ート後、窒素雰囲気下で加熱することにより溶媒を除去
して硬化させる。この加熱は、70〜150℃程度の範
囲内において、まず、低温域に温度を保持し、次いで高
温域に温度を保持する構成で行うことが好ましい。この
ような方法により、均質でかつ所望の厚さの薄膜が作製
できる。
の比率や置換基効果などにより有機・無機高分子複合体
の屈折率を制御できるため、屈折率の選択の幅が広くな
る。したがって、使用可能な有機成分と無機成分とか
ら、安定な屈折率が得られる組み合わせを選択し、導波
路構造中のコア部分用とクラッド部分用とに適用すれば
よい。
た光導波路の構造は、一般の光導波路構造と同一でよ
い。一般の光導波路構造としては、例えば、ファイバ
型、スラブ型、リッジ型、埋め込み型等がある。光導波
路のコア部分とクラッド部分との寸法および両部分の屈
折率の関係は、光の波長や使用するモードに応じて適宜
決定すればよいが、コア部分とクラッド部分との比屈折
率差は、一般に0.2〜1.0%程度であることが好ま
しい。
図1を参照しながら説明する。図1は本発明による埋め
込み型光導波路の作製方法の一例を示すものである。1
は平面基板、2は下部クラッド層、3はコア層、4はア
ルミニウム薄膜、5はレジスト層、6は上部クラッド層
を示す。
駆体反応溶液を、ガラス、石英、シリコン等からなる平
面基板1上にスピンコートにより薄層状に塗布する。次
いで、窒素雰囲気下で上記したように70〜150℃程
度で加熱して溶媒を除去し、所望の膜厚となるように硬
化させる。これにより、下部クラッド層2が形成され
る。
層3を形成する。コア層3の形成方法は、下部クラッド
層2の形成方法と同一とすればよいが、コア層3は下部
クラッド層2とは屈折率が異なるため、この場合の前記
前駆体反応溶液にはコア層3用のものを用いる。なお、
コア層3の屈折率は、下部クラッド層2のそれより、通
常、0.2〜1.0%程度大きくする。
ミニウム薄膜4を形成する。
ストを塗布し、プリベーク、露光、現像、ポストベーク
を行って、所定パターンのレジスト層5を得る。
ッチャントで、レジスト層5に被覆されていない部分の
アルミニウム薄膜を除去する。
ニウム薄膜4で保護されていないコア層3の有機・無機
高分子複合体をドライエッチング方法で除去する。次
に、コア層3の上部に存在するアルミニウム薄膜を、ア
ルミニウム剥離専用のエッチャントで剥離・除去する。
このとき、アルミニウム薄膜上に残存しているレジスト
層5も同時に除去され、コア層3のパターニングが完了
する。
ターニングされたコア層3の上に、上部クラッド層6を
形成する。上部クラッド層6の形成方法は、下部クラッ
ド層2のそれと同一とすればよく、また、上部クラッド
層6の屈折率は下部クラッド層2のそれと同一とするこ
とが好ましい。このようにして、クラッド層およびコア
層が有機・無機高分子複合体で形成された埋め込み型光
導波路が得られる。
をコア層3に適用したリッジ型光導波路の一例の断面図
である。この例では、下部クラッド層2として、コア層
3よりも屈折率が小さいシリコン酸化膜をスパッタリン
グまたは蒸着法で形成してある。下部クラッド層2形成
後は、図1と同様な工程により製造するが、上部クラッ
ド層6は設けない。この場合、空気が上部クラッド層と
して働くことになる。
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
販のポリスチレン(重合度1000〜1400)、0.
5gをテトラヒドロフラン2.5mlに溶解した。続いて
フェニルトリメトキシシランを0.05gを添加した。
得られた溶液を攪拌しながら、酸触媒として0.1N−
HClを0.04mlを加え、窒素雰囲気下、室温で2時
間攪拌して反応溶液を調製した。次いで、窒素雰囲気
下、反応溶液を40℃で1時間、50℃で1時間、70
℃で1時間、80℃で120時間ずつ段階的に保持して
ゲルの熟成を行った。さらに、溶媒を除去して表1に示
す有機・無機高分子複合体サンプルNo. 1を得た。
ラックの発生しない有機・無機高分子複合体が得られた
ことがわかる。なお、表1に示す各サンプルでは、可視
光領域においてポリメチルメタクリレートやポリスチレ
ンと同等の光透過率が得られることが確認された。
複合体のガラス転移温度をTMAおよびDSC熱分析装
置(セイコー電子工業製、TMA−300型および、D
SC−220C型)で測定したところ、100±10℃
であった。
機・無機高分子複合体の製造例1で使用したテトラヒド
ロフラン中に溶解したポリスチレン溶液に、フェニルト
リメトキシシラン0.1gを用い、上記製造例1の条件
と同一にして表1に示す有機・無機高分子複合体サンプ
ルNo. 2を得た。このサンプルは、上記製造例1のサン
プルNo. 1と同様に、透明でかつ耐熱性に優れたもので
あった。このサンプルのガラス転移温度は、100±5
℃であった。
機・無機高分子複合体の製造例1で使用したテトラヒド
ロフラン中に溶解したポリスチレン溶液に、フェニルト
リメトキシシラン0.25gを用い、上記製造例1の条
件と同一にして表1に示す有機・無機高分子複合体サン
プルNo. 3を作製した。このサンプルは、上記製造例1
のサンプルNo. 1と同様に、透明でかつ耐熱性に優れた
ものであった。このサンプルのガラス転移温度は、10
0±5℃であった。
機・無機高分子複合体の製造例1で使用したテトラヒド
ロフラン中に溶解したポリスチレン溶液に、フェニルト
リメトキシシラン0.5gを用い、上記製造例1の条件
と同一にして表1に示す有機・無機高分子複合体サンプ
ルNo. 4を作製した。このサンプルは、上記製造例1の
サンプルNo. 1と同様に、透明でかつ耐熱性に優れたも
のであった。このサンプルのガラス転移温度は、100
±5℃であった。
分子複合体を600℃で焼成し、得られた多孔質シリカ
の細孔分布を窒素吸着法で測定した結果、1.5〜2.
5nmに細孔分布を有することが確認された。このこと
は、ポリスチレンがナノメートルオーダーのスケールで
均一にシリカゲル中に分散していることを示している。
このようにゾル・ゲル反応系中での重合法を用いること
で、シリカゲルとの相互作用の弱い系でも均一な高分子
複合体が得られることがわかる。
路を作製した。
製造例1で作製したサンプルNo.1の反応溶液を滴下
し、加熱乾燥後の膜厚が20μm になるようにスピンコ
ートした。その後、100℃に50時間、続いて150
℃に50時間保持することにより溶媒を除去し、下部ク
ラッド層とした。
で作製したサンプルNo.2の反応溶液を用いた以外は
上記した下部クラッド層形成の際と同様にして、コア層
を形成した。このコア層は、クラックの発生がなく、無
色透明で均質なものであった。
00nmの厚さとなるように蒸着した後、レジスト処理を
行った。まず、一般のポジ型レジストをスピンコートで
塗布した後、110℃に2分間保持することによりプリ
ベークを行った。次に、線幅が8μm で全長50mmのフ
ォトマスクを通じて紫外線露光を行い、専用のレジスト
現像液で未露光部分を除去した。次に、135℃に30
分間保持することによりポストベークを行った後、レジ
ストコートされていない部分のアルミニウム薄膜を専用
のエッチャントで除去した。洗浄乾燥後、酸素ガスを用
いたRIEドライエッチング処理を行い、コア層部分を
断面矩形のリッジ型(長さ50mm、幅8μm 、高さ8μ
m )となるようにエッチングした。
ウム薄膜のマスクを専用のエッチャントで溶解した。次
に、上記した下部クラッド層形成の際と同様にして上部
クラッド層を形成した。このようにして埋め込み型の光
導波路を得た。
nmの光を用いてカットバック法で測定した。測定の結
果、この導波路の光伝搬損失は0.5dB/cm 以下であっ
た。なお、各クラッド層とコア層とについて、屈折率を
プリズムカプラー(米国メトリコン社製型式2010)
で測定した。この結果、コア層とクラッド層との間の比
屈折率差は、0.3〜1%の範囲にあった。
間静置してから取り出し、光損失変化を測定した結果、
吸熱による樹脂の劣化・変質に基づく損失増は全くな
く、耐熱性の高いことが確認された。
00時間静置してから同様の測定を行った結果、吸湿に
よる樹脂の劣化・変質に基づく損失増は全くなく、耐湿
性の高いことが確認された。
合体薄膜について、下記(a)〜(c)の評価を行っ
た。
体の評価結果(その1) 上記製造例1のサンプルNo. 1の反応溶液を用い、スピ
ンコート法で形成した薄膜は、加熱乾燥後、クラックの
発生がなく、無色透明で均質であり、低級アルコール系
溶媒に対して不溶化していた。さらに、この薄膜から溶
媒抽出によりポリスチレンを分離し、ポリスチレンの重
合度を測定したところ、約1200であった。
体の評価結果(その2) 上記製造例2のサンプルNo. 2の反応溶液を用い、上記
(a)と同様にして形成した薄膜は、加熱乾燥後、クラ
ックの発生がなく、無色透明で均質であり、低級アルコ
ール系溶媒に対して不溶化していた。また、上記(a)
と同様にして重合度を測定した結果、約1000〜約1
200の間であった。
体の評価結果(その3) 上記製造例3のサンプルNo. 4の反応溶液を用い、上記
(a)と同様にして形成した薄膜は、加熱乾燥後、クラ
ックの発生がなく、無色透明で均質であり、低級アルコ
ール系溶媒に対して不溶化していた。また、上記(a)
と同様にして重合度を測定した結果、約1000〜約1
200の間であった。
でそれぞれ作製した薄膜の屈折率を測定したところ、
1.50±0.1の範囲にあった。
1000〜1400)、0.5gをテトラヒドロフラン
2.5mlに溶解した。これにメチルトリメトキシシラン
を0.05gを添加し、得られた溶液を攪拌しながら、
酸触媒として0.1N−HClを0.04mlを加え、窒
素雰囲気下、室温で2時間攪拌して反応溶液を調製し
た。次いで、窒素雰囲気下、反応溶液を40℃で1時
間、50℃で1時間、70℃で1時間、80℃で120
時間ずつ段階的に保持してゲルの熟成を行った。さら
に、溶媒を除去して表1に示す有機・無機高分子複合体
サンプルNo. 5を得た。
しており、ポリスチレンとシリカゲル成分とが相分離し
た状態となった。
1000〜1400)、0.5gをテトラヒドロフラン
2.5mlに溶解した。イソブチルトリメトキシシランを
0.05gを添加した。得られた溶液を攪拌しながら、
酸触媒として0.1N−HClを0.04mlを加え、窒
素雰囲気下、室温で2時間攪拌して反応溶液を調製し
た。次いで、窒素雰囲気下、反応溶液を40℃で1時
間、50℃で1時間、70℃で1時間、80℃で120
時間ずつ段階的に保持してゲルの熟成を行った。さら
に、溶媒を除去して表1に示す有機・無機高分子複合体
サンプルNo. 6を得た。
しており、ポリスチレンとシリカゲル成分とが相分離し
た状態となった。
1000〜1400)、0.5gをテトラヒドロフラン
2.5mlに溶解した。テトラメトキシシランを0.05
gを添加した。得られた溶液を攪拌しながら、酸触媒と
して0.1N−HClを0.04mlを加え、窒素雰囲気
下、室温で2時間攪拌して反応溶液を調製した。次い
で、窒素雰囲気下、反応溶液を40℃で1時間、50℃
で1時間、70℃で1時間、80℃で120時間ずつ段
階的に保持してゲルの熟成を行った。さらに、溶媒を除
去して表1に示す有機・無機高分子複合体サンプルNo.
7を得た。
しており、ポリスチレンとシリカゲル成分とが相分離し
た状態となった。
0のポリスチレンのガラス転移温度を測定した結果、7
5℃であり、本発明の有機・無機高分子複合体に比べ、
耐熱性が著しく低いことが確認された。
明らかである。
め込み型光導波路の作製方法の一例を示す工程図であ
る。
ッジ型光導波路の一例を示す断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 シルセスキオキサン構造を有する無機マ
トリックス中にポリスチレンが分散された構造を有し、 前記無機マトリクスが有する官能基と、ポリスチレンの
フェニル基との間にフェニル基−フェニル基相互作用を
有する有機・無機高分子複合体。 - 【請求項2】 前記シルセスキオキサン構造を有する無
機マトリックスは、 少なくとも下記式Iで表される加水分解性有機基を有す
る有機ケイ素化合物から合成されている請求項1の有機
・無機高分子複合体。 式I (R1 )Si(OR2 )3 (式中、R1 はフェニル基を表わす。R2 は低級アルキ
ル基を表わす。) - 【請求項3】 前記シルセスキオキサン構造を有する無
機マトリックスとポリスチレンは、 アルコキシシラン:ポリスチレンに換算して重量比で1
〜10:10〜1である請求項1または2の有機・無機
高分子複合体。 - 【請求項4】 下記式Iで表される加水分解性有機基を
有する有機ケイ素化合物溶液中に、 溶解状態のポリスチレンを共存させ、 前記有機ケイ素化合物を加水分解させ、 請求項1〜3のいずれかの有機・無機高分子複合体を得
る有機・無機高分子複合体の製造方法。 式I (R1 )Si(OR2 )3 (式中、R1 はフェニル基を表わす。R2 は低級アルキ
ル基を表わす。)
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---|---|---|---|---|
JP2003533553A (ja) * | 2000-03-24 | 2003-11-11 | ハイブリッド・プラスチックス・エルエルピー | ポリマー中のアロイ化剤としてのナノ構造化学物質 |
KR100683938B1 (ko) | 2004-05-13 | 2007-02-16 | 한국과학기술원 | 무-유기 혼성물질을 이용한 온도무의존 파장분할다중화소자 |
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KR20150075773A (ko) * | 2013-12-26 | 2015-07-06 | 코오롱인더스트리 주식회사 | 유기―무기 복합입자 및 그 제조방법 |
KR20200032056A (ko) * | 2020-03-11 | 2020-03-25 | 코오롱인더스트리 주식회사 | 유기―무기 복합입자 및 그 제조방법 |
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1997
- 1997-09-29 JP JP28135497A patent/JP4025397B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR100683938B1 (ko) | 2004-05-13 | 2007-02-16 | 한국과학기술원 | 무-유기 혼성물질을 이용한 온도무의존 파장분할다중화소자 |
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KR20150075773A (ko) * | 2013-12-26 | 2015-07-06 | 코오롱인더스트리 주식회사 | 유기―무기 복합입자 및 그 제조방법 |
KR20200032056A (ko) * | 2020-03-11 | 2020-03-25 | 코오롱인더스트리 주식회사 | 유기―무기 복합입자 및 그 제조방법 |
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