JPH07258604A - 光学材料および光学材料用コーティング組成物 - Google Patents

光学材料および光学材料用コーティング組成物

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JPH07258604A
JPH07258604A JP3249695A JP3249695A JPH07258604A JP H07258604 A JPH07258604 A JP H07258604A JP 3249695 A JP3249695 A JP 3249695A JP 3249695 A JP3249695 A JP 3249695A JP H07258604 A JPH07258604 A JP H07258604A
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JP
Japan
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silane
mol
optical material
general formula
unit composition
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Application number
JP3249695A
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English (en)
Inventor
Yuka Yamaho
有香 山舗
Masaya Asano
昌也 浅野
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】シラン単位組成を特定の割合で含有するシリカ
系被膜を用いた光学材料及び原料シランを特定の割合で
含有する光学材料用コーティング組成物。 【効果】近赤外光領域での透明性に優れ、かつ、耐クラ
ック性、耐熱性、耐湿性にも優れるので、光通信システ
ムの高度化、高速化および信頼性の向上に有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信や光を利用する
システムに用いられる光学材料及び光学材料用コーティ
ング組成物に関するものであり、特に光導波路、光フィ
ルター等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電気通信システムの伝送高速化の
手段として光通信システムが注目されてきており、その
部品材料として光に対応したものが要求されてきた。
【0003】例えば、エポキシ系やアクリル系樹脂、特
にポリイミド系樹脂などが報告されているが、耐熱性や
耐湿性、特に光損失率などに問題がある。そこで、低損
失、つまり透明性が良好で、かつ耐熱性、耐湿性の良好
な材料としてシリカ系被膜の適用が考えられる。
【0004】しかしながら、従来のシリカ系被膜は透明
性は良いものの、耐クラック性が低く、膜厚は2μm程
度が限界であったため、光学材料に用いるには不十分な
ものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、特に近赤外光領域での透明性および耐熱性、耐湿性
に優れ、かつ、耐クラック性に優れた光学材料を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
以下の構成により達成される。
【0007】一般式(1) R2 SiO で表される単位組成1モルに対して、 一般式(2) RSiO1.5 で表される単位組成を1〜20モル含有するシリカ系被
膜から成ることを特徴とする光学材料により達成され
る。
【0008】(ただし、Rは水素、アルキル基、アリー
ル基、アルケニル基、およびそれらの置換体を表わし、
それぞれ、同一でも、異なっていても良い。) 一般式(4) R2 SiR´2 で表される2官能性シラン1モルに対して、 一般式(5) RSiR´3 で表される3官能性シランを1〜20モル含有するシラ
ン混合物を加水分解および縮合させることによって得ら
れるシロキサンポリマーを含有することを特徴とする光
学材料用コーティング組成物。
【0009】(ただし、Rは水素、アルキル基、アリー
ル基、アルケニル基、およびそれらの置換体を表わし、
それぞれ、同一でも、異なっていても良い。R´は加水
分解性基を表わし、それぞれ、同一でも、異なっていて
も良い。)
【0010】すなわち、本発明者等は、光学材料として
は、従来のポリイミド系膜に代わって、シリカ系被膜が
その透明性の観点から適当であることを見い出した。
【0011】しかも、2官能性シランを用いることが耐
クラック性の向上に大きな効果があることを膜中ストレ
ス測定等の考察により見出したことに基づいている。ま
た、4官能性シランの含有率が耐クラック性に大きく作
用している。つまり、単位組成を特定の割合で含有する
シリカ系被膜は、従来のシリカ系被膜では得られなかっ
た耐クラック性を有する。
【0012】さらに、Rがフェニル基であるシランの含
有率も耐クラック性の向上に大きな効果を有する。
【0013】以下、本発明の構成を順に説明する。
【0014】本発明の光学材料は、 一般式(1) R2 SiO で表される単位組成1モルに対して、 一般式(2) RSiO1.5 で表される単位組成を1〜20モル含有するシリカ系被
膜から成る。
【0015】(ただし、Rは水素、アルキル基、アリー
ル基、アルケニル基、およびそれらの置換体を表わし、
それぞれ、同一でも、異なっていても良い。) 単位組成(1)のみを用いた場合には膜が柔軟すぎて脆
く、単位組成(1)に対する単位組成(2)の割合が1
モル未満である場合はいくらか強靭になるものの基板と
の接着性が不十分である。一方、単位組成(1)に対す
る単位組成(2)の割合が20モルを越えると耐クラッ
ク性が低くなる。単位組成(1)に対する単位組成
(2)の割合が1〜20モルである場合のみ、光学材料
として適当な柔軟性と耐クラック性を具備している。
【0016】また、シリカ系被膜は、 一般式(3) SiO2 で表される単位組成を含有していてもよいが、膜の緻密
性を向上させる利点がある反面、耐クラック性の低下に
繋がるため、その量としては一般式(1)で表わされる
単位組成1モルに対して、5モル以下であることが好ま
しい。
【0017】また、Rがフェニル基である単位組成を5
〜50モル%含有することが好ましい。Rがフェニル基
である単位組成が多すぎる場合には、膜の透過性が低下
し、また、少なすぎる場合には、耐クラック性が低下す
る。
【0018】Rの具体例としては、炭素数1〜6のもの
が好ましく、水素;メチル基、エチル基、プロピル基な
どのアルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基な
どのアリール基;ビニル基、アリル基などのアルケニル
基、および、トリフルオロメチル基などのフルオロ置換
体、3−グリシドキシプロピル基などのエポキシ置換
体、3−アミノプロピル基などのアミン置換体などのア
ルキル基、アリール基、アルケニル基のそれぞれ置換体
が挙げられ、特にフルオロ置換体はC−H結合の高調波
吸収による損失を減らすことができるため好ましい。し
かし、これらに限定されず、また、それらは同一であっ
ても異なっていてもよい。
【0019】シリカ系被膜中のこれらの単位組成の比率
を測定する方法としては、29Si−固体NMRスペクト
ルの測定があげられる。例えば、TMS(テトラメチル
シラン)を標準とした場合、一般式(1)、(2)、
(3)で表される単位組成は、各々、−2ppm 、−50
ppm 、−100ppm にケミカルシフトが見られる。これ
らのピークの積分値から各単位組成の組成比が算出され
る。また、その他、ESCA測定におけるSi2p分割
測定によって組成比を算出することも可能であるが、こ
の場合は各単位組成のケミカルシフトが小さいため誤差
が大きくなるので注意を要する。測定方法はこれらの方
法には限定されない。
【0020】次に、本発明のシリカ系被膜を得るための
コーティング組成物について、以下に説明する。
【0021】本発明のシリカ系被膜を得るためのコーテ
ィング組成物は、例えば、 一般式(4) R2 SiR´2 で表わされる2官能性シラン1モルに対して、 一般式(5) RSiR´3 で表わされる3官能性シランを1〜20モル含有するシ
ラン混合物を加水分解および縮合させることによって得
られる。
【0022】(ただし、Rは水素、アルキル基、アリー
ル基、アルケニル基、およびそれらの置換体を表わし、
それぞれ、同一でも、異なっていても良い。R´は加水
分解性基を表わし、それぞれ、同一でも、異なっていて
も良い。) シラン混合物は、 一般式(6) SiR´4 で表わされる4官能性シランを含有していても良いが、
その量としては、一般式(4)で表わされる2官能性シ
ラン1モルに対して、5モル以下であることが好まし
い。
【0023】上記の2,3,4官能性シランは、それぞ
れ、単位組成R2 SiO,RSiO1.5 ,SiO2 に対
応する。
【0024】Rは、前述の通りである。また、R´の具
体例としては、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエト
キシ基などのアルコキシ基;クロロ、ブロモなどのハロ
ゲン;アセトキシル基などの加水分解性基が挙げられる
が、これらに限定されず、また、それらは同一であって
も異なっていてもよい。
【0025】これらシラン化合物の具体例としては、2
官能性シランでは、ジメチルジメトキシシラン、ジメチ
ルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジ
フェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシ
シラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニル
ジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジ
メトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチル
ジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジエトキ
シシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ヘ
プタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、3−
メタクリロキシプロピルジメトキシシラン、オクタデシ
ルメチルジメトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラ
ン、ジフェニルジアセトキシシラン、ジメチルジクロロ
シラン、ジエチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロ
シラン、メチルフェニルジクロロシラン、メチルビニル
ジクロロシラン、オクタデシルメチルジクロロシラン、
ヘプタデカフルオロデシルメチルジクロロシラン、3官
能性シランでは、メチルトリメトキシシラン、メチルト
リエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オク
タデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキ
シシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエト
キシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルト
リエトキシシラン、トリフルオロメチルメトキシシラ
ン、トリフルオロメチルエトキシシラン、3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルト
リエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピル
トリメトキシシラン、3−(N,N−ジグリシジル)ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシシ
プロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシ
ルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリ
メトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシ
ラン、メチルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、
フェニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、メチ
ルトリアセトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリクロロシ
ラン、フェニルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシ
ラン、オクタデシルトリクロロシラン、ヘプタデカフル
オロデシルトリクロロシラン、トリデカフルオロオクチ
ルトリクロロシラン、トリフルオロプロピルトリクロロ
シラン、4官能性シランでは、テトラメトキシシラン、
テトラエトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テト
ラセアセトキシシラン、テトラクロロシランなどを挙げ
ることができる。用いるシラン混合物の具体例として
は、ジフェニルジエトキシシラン1モルに対して、メチ
ルトリエトキシシラン5モル、テトラエトキシシラン1
モルの混合物、ジメチルジメトキシシラン1モルに対し
て、メチルトリメトキシシラン2モル、フェニルトリメ
トキシシラン1モルの混合物、メチルフェニルジアセト
キシシラン1モルに対して、メチルトリアセトキシシラ
ン10モルの混合物、ジメチルジクロロシラン1モルに
対して、メチルトリクロロシラン3モル、フェニルトリ
クロロシラン7モルの混合物などが挙げられる。
【0026】これらのシラン混合物に水を加え、加水分
解および部分縮合させることにより、シロキサンポリマ
ーが得られる。
【0027】反応は無溶媒でも良いが、通常は溶媒中で
行なわれる。溶媒は有機溶媒が好ましく、メタノール、
エタノール、プロパノール、ブタノール、3−メチル−
3−メトキシ−1−ブタノールなどのアルコール類;エ
チレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコ
ール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリ
コールモノブチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエ
ーテル類;メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケト
ンなどのケトン類;ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミドなどのアミド類;エチルアセテート、エチル
セロソルブアセテート、3−メチル−3−メトキシ−1
−ブタノールアセテートなどのアセテート類;トルエ
ン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの芳香族
あるいは脂肪族炭化水素のほか、γ−ブチロラクトン、
N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドな
どを挙げることができる。溶媒の量は任意に選択可能で
あるが、シラン1重量に対して、0.1〜3.0重量の
範囲で用いるのが好ましい。
【0028】加える水はイオン交換水が好ましい。水の
量は任意に選択可能であるが、シラン1モルに対して、
1.0〜4.0モルの範囲で用いるのが好ましい。
【0029】また、反応には、酸あるいは塩基触媒を用
いることができる。塩酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢
酸、リン酸、多価カルボン酸あるいはその無水物、イオ
ン交換樹脂などの酸触媒、トリエチルアミン、ジエチル
アミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミノ基を有する
アルコキシシランなどの塩基触媒が挙げられる。
【0030】また、反応温度は、反応系の凝固点から沸
点の範囲で通常選択されるが、沸点以上の温度で加圧状
態で反応することも可能である。高分子量のシロキサン
ポリマーを得るには、還流下で1〜100時間行なうの
が好ましい。そのほかシロキサンポリマーの重合度を上
げるために、再加熱もしくは塩基触媒の添加を行なうこ
とも可能である。
【0031】加水分解および部分縮合反応を施した後の
反応溶液に必要に応じて、溶剤を追加あるいは除去する
ことができる。あるいは、反応溶液から触媒、溶媒、
水、反応副生物などを適宜除去した後、溶剤を追加する
ことも可能である。ポリマー濃度は、5〜80重量%と
するのが好ましく、さらには、20〜70重量%とする
のが好ましい。
【0032】ここで用いられる溶剤は有機溶剤が好まし
く、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールなどの
アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコ
ールなどのグリコール類;エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチ
ルエーテルなどのエーテル類;メチルイソブチルケト
ン、ジイソブチルケトンなどのケトン類;ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;エチ
ルアセテート、エチルセロソルブアセテート、3−メチ
ル−3−メトキシ−1−ブタノールアセテートなどのア
セテート類;トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘ
キサンなどの芳香族あるいは脂肪族炭化水素のほか、γ
−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメ
チルスルホキシドなどを挙げることができる。
【0033】本発明のシリカ系被膜を得るための塗布液
においては、2官能性シランを用いているため、3官能
性シラン、4官能性シランを用いた場合に比べて、膜が
硬化しにくい難点がある。そこで、膜硬化剤を含有する
ことが好ましい。膜硬化剤としては、酸および塩基触媒
が使用され、反応に用いた酸あるいは塩基をそのまま残
存させることができる。また、熱によって酸、あるいは
塩基を発生する化合物、および、光によって酸、あるい
は塩基を発生する化合物を新たに添加することも可能で
ある。具体的には、熱あるいは光によって酸を発生する
化合物として、ベンゾイントシレート、トリ(ニトロベ
ンジル)フォスフェート、トリアニソインフォスフェー
ト、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニ
ウム塩など、熱あるいは光によって塩基を発生する化合
物として、ニトロベンジルシクロヘキシルカルバメー
ト、ジ(メトキシベンジル)ヘキサメキレンジカルバメ
ートなどを挙げることができる。これら化合物の使用量
としては、シロキサンポリマーに対して、0.01〜2
0重量%であることが好ましく、より好ましくは0.1
〜10重量%である さらに、本発明のシリカ系被膜を得るための塗布液に
は、膜硬化剤のほか、必要に応じて、粘度調整剤、界面
活性剤、安定化剤、着色剤、ガラス質形成剤などを添加
することができる。
【0034】次に、本発明の光学材料を用いた光学部材
の形成方法を順に説明する。
【0035】前記塗布液をスピンナー、ディッピングな
どの公知の方法によって、形成されるべき基板、例えば
ガラス板上に塗布し、乾燥する。乾燥は、50〜150
℃の範囲で30秒〜30分間行ない、乾燥後の膜厚は、
1〜20μmとするのが好ましい。
【0036】乾燥後、必要であれば、PLAなどの露光
機を用い、50〜2000mJ/cm(365nm)
を全面露光する。
【0037】前記塗布液が光によって酸または塩基を発
生する化合物を含有している時等、所望のマスクを介し
て露光することによって、パターン形成を行うこともで
きる。パターン形成を行う場合は、露光後、加熱(ポス
トエクスポージャーベーク)を行なうことが好ましい。
ポストエクスポージャーベークを行なうことによって、
露光によって発生した酸または塩基性化合物の作用によ
り露光部の高分子量化が未露光部より進行し、未露光部
との現像液溶解度差が広がり、解像コントラストが向上
するという効果が得られる。ポストエクスポージャベー
クは50〜150℃の範囲で、30秒〜30分間行なう
のが好ましい。
【0038】次に、現像を行なう。現像液としては、有
機溶剤、アルカリ性水溶液などを用いることができる。
具体的には、イソプロパノール、プロピレングリコール
モノメチルエーテルなどの有機溶剤;テトラメチルアン
モニウムハイドロオキサイド水溶液、炭酸ナトリウム水
溶液などのアルカリ性水溶液が挙げられる。現像方法
は、これらの現像液に10秒〜10分間浸漬することが
好ましい。
【0039】現像後、水あるいは一般有機溶剤でリンス
し、乾燥し、必要であれば、パターン化された膜をさら
に全面露光することができる。
【0040】その後、膜を加熱硬化する。加熱硬化は、
200〜500℃の範囲で10分〜3時間行なうのが好
ましい。
【0041】乾燥後あるいは加熱硬化後、所望のマスク
を介して、適当な波長を有する光源を用いて露光するこ
とも可能である。この工程によって、露光部と未露光部
の間に屈折率差が生じ、例えば光導波路のコア部材とク
ラッド部材に使い分けることも可能である。
【0042】加熱硬化後の膜厚は、適用される光学部材
の種類や構造にもよるが、1〜20μmが適当であり、
さらには2〜10μmが好ましい。この膜厚は、塗布方
法によって調節することが可能である。
【0043】さらに得られた膜を平坦化、高密着化など
の目的で、CMP(ケミカルメカニカルポリッシング)
処理すること、プラズマ処理することなども可能であ
る。
【0044】以上のようにして、光学部材が形成され
る。
【0045】本発明において光学材料とは光学部材に用
いられるものであり、光学部材とは、光による信号伝達
システムに用いられるあらゆる部材をいう。例えば、光
導波路は、屈折率の高いコア部が屈折率の低いクラッド
部に覆われ、光信号はコア部を全反射しながら伝搬する
ものであり、本発明の光学材料をこのコア部材およびク
ラッド部材として用いることができる。また、光フィル
ターは、通信光以外の波長の光を遮断するために光ファ
イバーの間に挟んで用いられるものであり、本発明の光
学材料をこの光フィルターの基板として用いることがで
きる。
【0046】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
【0047】実施例1 ジフェニルジエトキシシラン1モル、メチルトリエトキ
シシラン5モル、テトラエトキシシラン1モルのシラン
混合物をメチルイソブチルケトン100gに溶解し、こ
れに、水10モル、リン酸0.1モルを攪拌しながら加
えた。得られた溶液を加熱し、還流させながら、3時間
反応させた。その後、メチルイソブチルケトン1kgを
用いてシロキサンポリマーを抽出し、得られた有機層に
イオン交換水1kgを加えて振とうし、静置後、水層を
分離除去した。得られた有機層を濃縮乾固して、シロキ
サンポリマーを得た。
【0048】このシロキサンポリマーをプロピレングリ
コールモノメチルエーテルにポリマー濃度50重量%に
なるように溶解し、さらに、ベンゾイントシレートをポ
リマーに対して、0.5重量%添加し、塗布液を得た。
【0049】この塗布液を石英板上にスピンコーターを
用いて塗布し、300℃で1時間キュアしたところ、無
色透明で膜厚8μmでクラックのない良好な膜が得られ
た。また、得られた膜について単位組成を29Si−固体
NMRにより測定したところ、R2 SiO,RSiO
1.5 ,SiO2 のモル比が、1:5:1と、原料の2,
3,4官能性シランのモル比と一致していた。
【0050】比較例1 実施例1において、メチルトリエトキシシラン5モル、
テトラエトキシシラン1モルのシラン混合物をを原料と
する以外は実施例1と同様にシロキサンポリマーを合成
し、塗布液を得た。
【0051】この塗布液を石英板上にスピンコーターを
用いて塗布し、300℃で1時間キュアしたところ、膜
厚8μmでクラックが多数発生した。
【0052】また、得られた膜について単位組成を29
i−固体NMRにより測定したところ、RSiO1.5
SiO2 のモル比が、5:1と、原料の3,4官能性シ
ランのモル比と一致していた。
【0053】実施例2 ジメチルジメトキシシラン1モルに対して、メチルトリ
メトキシシラン2モル、フェニルトリメトキシシラン1
モルの混合物をメタノール100gに溶解し、これに、
水15モル、塩酸0.1モルを攪拌しながら加えた。得
られた溶液を加熱し、還流させながら、8時間反応させ
た。その後、この溶液をイオン交換樹脂1kgを充填し
たカラムに通し、水および触媒を除去し、得られた有機
層を濃縮して、シロキサンポリマーを得た。
【0054】このシロキサンポリマーをブチルセロソル
ブにポリマー濃度20重量%になるように溶解し、さら
に、トリ(ニトロベンジル)フォスフェートをポリマー
に対して、0.1重量%添加し、塗布液を得た。
【0055】この塗布液を石英板にスピンコーターを用
いて塗布し、350℃で1時間キュアしたところ、無色
透明で膜厚6μmでクラックのない良好な膜が得られ
た。
【0056】また、得られた膜について単位組成を29
i−固体NMRにより測定したところ、R2 SiO,R
SiO1.5 ,SiO2 のモル比が、1:2:1と、原料
の2,3,4官能性シランのモル比と一致していた。
【0057】比較例2 実施例2において、メチルトリメトキシシラン2モル、
フェニルトリメトキシシラン1モルの混合物を原料とす
る以外は実施例2と同様にシロキサンポリマーを合成
し、塗布液を得た。
【0058】この塗布液を石英板上にスピンコーターを
用いて塗布し、350℃で1時間キュアしたところ、膜
厚6μmでクラックが多数発生した。
【0059】また、得られた膜について単位組成を29
i−固体NMRにより測定したところ、RSiO1.5
みであり、原料の3官能性シランと対応していた。
【0060】実施例3 メチルトリメトキシシラン95.2g(0.7mo
l)、ジメチルジメトキシシラン36g(0.3mo
l)、フェニルトリメトキシシラン39.6g(0.2
mol)をプロピレングリコールモノメチルエーテル2
00gに溶解し、これに、水60g、リン酸2gを攪拌
しながら加えた。得られた溶液をバス温105℃で2時
間加熱し、内温を90℃まで上げて、主として副生する
メタノールからなる成分90gを留出せしめた。次いで
バス温130℃で1.0時間加熱し、内温を118℃ま
で上げて、主として水とプロピレングリコールモノメチ
ルエーテルからなる成分70gを留出せしめた後、室温
まで冷却し、塗布液を得た。
【0061】この塗布液を石英板にスピンコーターを用
いて塗布し、250℃で1時間キュアしたところ、無色
透明で膜厚5μmでクラックのない良好な膜が得られ
た。
【0062】また、得られた膜について単位組成を29
i−固体NMRにより測定したところ、R2 SiO,R
SiO1.5 のモル比が、1:3と、原料の2,3官能性
シランのモル比と一致していた。
【0063】比較例3 実施例3において、メチルトリメトキシシラン95.2
g(0.7mol)、フェニルトリメトキシシラン3
9.6g(0.2mol)の混合物を原料とする以外は
実施例2と同様にシロキサンポリマーを合成し、塗布液
を得た。
【0064】この塗布液を石英板上にスピンコーターを
用いて塗布し、250℃で1時間キュアしたところ、膜
厚5μmでクラックが多数発生した。
【0065】また、得られた膜について単位組成を29
i−固体NMRにより測定したところ、RSiO1.5
みであり、原料の3官能性シランと対応していた。
【0066】実施例4 次の塗布液を用いて、光導波路を作製した。
【0067】A液:バッファ層、クラッド層形成用塗布
液 実施例3に示した塗布液を固形分濃度30%に調製した
ものを用いた。
【0068】B液:コア層形成用塗布液 実施例1に示した塗布液を固形分濃度30%に調製した
ものを用いた。
【0069】ガラス板上にスピンコーターを用いてA液
を塗布し、250℃で1時間キュアして膜厚10μmの
バッファ層を形成した。さらに、B液をバッファ層上に
スピンコーターを用いて塗布し、250℃で1時間キュ
アして膜厚5μmのコア層を形成した。次に、このコア
層上にフォトレジストパターンを所望の形状に公知の方
法で形成し、このパターンをマスクとして、コア層をR
IE(リアクティブイオンエッチング)によりエッチン
グした。マスクを除去した後に、再びA液をスピンコー
ターを用いて塗布し、250℃で1時間キュアして膜厚
10μmのクラッド層を形成し、埋め込み型光導波路を
形成した。
【0070】この得られた光導波路にはクラックなどの
欠陥は見られず、1.55μm波長光の伝搬損失を測定
したところ、10dB/mと良好な低損失性を示した。
また、400℃の加熱による耐熱性試験や、50℃、8
5%RHの高湿度下に1000時間放置するという耐湿
性試験によっても、その特性は変化しなかった。
【0071】実施例5 実施例2に示した塗布液を固形分濃度30%に調製した
ものを、シリコンウェハ(仮基板)上にスピンコーター
を用いて塗布し、300℃で1時間キュアして膜厚10
μmの基板層を形成した。この基板層上にTiO2 とS
iO2 の多層膜を積層した。この後、仮基板から剥離
し、所定の大きさに切断し光フィルターを得た。
【0072】得られた光フィルターは光通信用に用いら
れる1.3μmおよび1.55μmの波長光に対して9
9%以上の透過率を示し、光フィルターとしての特性を
満足するものであった。
【0073】
【発明の効果】本発明の光学材料は、近赤外光領域での
透明性に優れ、かつ耐クラック性、耐熱性、耐湿性にも
優れるので、光通信システムの高度化、高速化および信
頼性の向上に有効である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) R2 SiO で表される単位組成1モルに対して、 一般式(2) RSiO1.5 で表される単位組成を1〜20モル含有するシリカ系被
    膜から成ることを特徴とする光学材料。(ただし、Rは
    水素、アルキル基、アリール基、アルケニル基、および
    それらの置換体を表わし、それぞれ、同一でも、異なっ
    ていても良い。)
  2. 【請求項2】一般式(1)で表される単位組成1モルに
    対して、 一般式(3) SiO2 で表される単位組成を5モル以下含有することを特徴と
    する請求項1記載の光学材料。
  3. 【請求項3】Rがフェニル基である単位組成を5〜50
    モル%含有することを特徴とする請求項1または2記載
    の光学材料。
  4. 【請求項4】一般式(4) R2 SiR´2 で表される2官能性シラン1モルに対して、 一般式(5) RSiR´3 で表される3官能性シランを1〜20モル含有するシラ
    ン混合物を加水分解および縮合させることによって得ら
    れるシロキサンポリマーを含有することを特徴とする光
    学材料用コーティング組成物。(ただし、Rは水素、ア
    ルキル基、アリール基、アルケニル基、およびそれらの
    置換体を表わし、それぞれ、同一でも、異なっていても
    良い。R´は加水分解性基を表わし、それぞれ、同一で
    も、異なっていても良い。)
  5. 【請求項5】該シラン混合物が、一般式(1)で表され
    る2官能性シラン1モルに対して、 一般式(6) SiR´4 で表される4官能性シランを5モル以下含有することを
    特徴とする請求項4記載の光学材料用コーティング組成
    物。
  6. 【請求項6】 該シラン混合物の5〜50モル%が、R
    がフェニル基であるシランであることを特徴とする請求
    項4または5記載の光学材料用コーティング組成物。
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