JPH111068A - 溶融転写型インク受像シート - Google Patents

溶融転写型インク受像シート

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JPH111068A
JPH111068A JP9153467A JP15346797A JPH111068A JP H111068 A JPH111068 A JP H111068A JP 9153467 A JP9153467 A JP 9153467A JP 15346797 A JP15346797 A JP 15346797A JP H111068 A JPH111068 A JP H111068A
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JP
Japan
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sheet
resin
layer
porous ink
receiving layer
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JP9153467A
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English (en)
Inventor
Shuichi Maeda
秀一 前田
Osamu Ono
修 大野
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリンター内においてカール防止性および走
行性に優れ、印字トラブルがなく、高画質のプリントイ
ンク画像が得られる溶融転写型インク受像シートを提供
する。 【解決手段】 シート状支持体と、シート状支持体の一
方の面に、水溶性樹脂および/または水分散型樹脂を主
成分とする樹脂含有液から形成された多孔性インク受容
層を有し、かつシート状支持体の他の面に形成されたカ
ール防止層を有し、該多孔性インク受容層と該カール防
止層との層間での、JIS P 8147に基づく水平
方法における静摩擦係数が0.15〜0.8である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は溶融転写型インク
受像シートに関し、さらに詳しくは、溶融転写型熱転写
用プリンターに使用されたとき、カール防止性および走
行性に優れ、印字トラブルがなく、高画質のプリントイ
ンク画像が得られる溶融転写型インク受像シートに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】 熱転写インクシートとサーマルヘッド
とを利用する熱溶融転写記録方式は、機構が簡単で保守
が容易なため、ワードプロセッサーやファクシミリ等の
プリンターに広く用いられており、この記録方式に用い
られる溶融転写型インク受像シート(以下、受像シート
という)としては、上質紙が使用されてきた。しかし近
年、熱転写記録のフルカラー化に伴い従来より高い階調
再現性を得るため、プリンターにおいてはひとつのドッ
トの大きさを変えずに階調を得る従来の方法から、各ド
ットの大きさを変更するドット可変方式に移行してお
り、また受像シートにおいては、低い印加エネルギーか
ら高い印加エネルギーにわたるフルカラー記録におい
て、溶融転写されたインクのドット形状が忠実に再現さ
れるドット再現性に優れ、かつ十分な量のインクが転写
され、記録濃度が高いことが記録画像の重要な品質とし
て要求されるようになっている。
【0003】上記のような熱転写画像のフルカラー化に
対して、受像シートの特性も適切に対応する必要が生じ
ている。すなわちフルカラー熱溶融転写方式において通
常の印刷用の非塗工紙を用いると、断熱性の低さに起因
すると考えられる記録濃度の低下や、クッション性の不
足によるドット再現性不良が発生することがある。また
その表面が粗すぎる場合には、インクが転写されない部
分を生じる現象、すなわちヌケが発生したり、逆に表面
が平滑すぎる場合には、インクの投錨効果が不十分にな
り、転写されたインクがインクリボンに逆転写されてし
まう現象、すなわちヌケが発生しやすくなる。これらは
いずれもドット再現性不良の原因となる。上記のような
ドット再現性の不良に起因する記録濃度の低下の他に、
溶融インク受像層のインク吸収性の低さに起因する記録
濃度の低下も発生することがある。
【0004】これらの問題を解決するために、シート状
支持体と、この支持体に、水性樹脂を主成分とする樹脂
含有液から形成された多孔性インク受容層とを有し、多
孔性インク受容層の表面の平均気孔直径が0.5〜30
μmの範囲にある溶融転写型インク受像シートを作製す
ることにより、受像シートの記録性能が改善されてき
た。
【0005】しかしながら、上記の受像シートを製造す
る際、塗工、乾燥および巻き取り等の工程において、受
像シート自体がその塗工面を内側あるいは外側にしてカ
ールすることがあり、この場合、当該受像シートを断裁
により所定寸法の画像形成用シートに加工したのち使用
すると、熱転写プリンターへの給紙が正常に行われな
い、あるいは熱転写プリンター内部における走行性が悪
化する等のトラブルを発生することがあきらかになっ
た。すなわち溶融転写記録方式は熱源をインクリボンと
接触せしめ、リボン中の染料成分を受像シート上に転写
する方式であるため、画像形成面である多孔性インク受
容層と、シート状支持体層の加熱に伴う収縮の差、もし
くは膨張特性の差に起因する受像シートの熱転写プリン
ター内部でのカールために、画像が受像シートに斜めに
形成されたり、プリンター内部で受像シートにしわが発
生しやすくなる。このためインクリボンと受像シートと
の接触が正常に行われず、インク転写不良を起こし、そ
の結果、画像品質が悪化する。
【0006】本発明者らは、このようなカールが原因で
生じる各種のトラブルを防止する目的で、多孔性インク
受容層とシート状支持体層との加熱による収縮特性の
差、もしくは膨張特性の差をできる限り小さくするため
に受像シートの裏面、すなわち多孔性インク受容層の反
対面にカール防止層を塗工あるいはラミネートにより形
成することを見出し、優れた効果を得てきた。
【0007】しかしながら、上記カール防止層によって
カールが矯正されても、受像シートを重ねて複数枚をプ
リンターの給紙ユニットにセットした場合には、上の受
像シートのカール防止層と、その下の受像シートの多孔
性インク受容層との密着性が高くなり、重送、紙詰まり
等の走行性の問題が起こることが明らかになった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、プ
リンター内においてカール防止性および走行性に優れ、
印字トラブルがなく、高画質のプリントインク画像が得
られる溶融転写型インク受像シートを提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】 すなわち本発明の溶融
転写型インク受像シートは、シート状支持体と、シート
状支持体の一方の面に、水溶性樹脂および/または水分
散型樹脂(以下、水性樹脂という)を主成分とする樹脂
含有液から形成された多孔性インク受容層を有し、かつ
シート状支持体の他の面に形成されたカール防止層を有
し、該多孔性インク受容層と該カール防止層との層間で
の、JIS P 8147に基づく水平方法における静
摩擦係数が0.15〜0.8であることを特徴とするも
のである。
【0010】さらに本発明の溶融転写型インク受像シー
トにおいて、前記カール防止層が、水酸基を含有する水
溶性樹脂と、前記水酸基と反応する架橋剤とを含む樹脂
混合液から形成されたものであってもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】 本発明者らは、上記の走行性不
良は、多孔性インク受容層の高いクッション性に起因す
ることを見出した。すなわち溶融熱転写プリンターによ
る記録において、シート状支持体上に、樹脂含有液に機
械的撹拌を施して塗工・乾燥することにより微細気孔が
形成されている多孔性インク受容層を有する受像シート
を用いる場合、カール防止層の塗工あるいはラミネート
によってカールが矯正されても、受像シートを重ねて複
数枚をプリンターの給紙ユニットにセットしたとき、ク
ッション性の高い多孔性インク受容層が圧縮されるの
で、上の受像シートのカール防止層と、その下の受像シ
ートの多孔性インク受容層との密着性が高くなる。従っ
て、給紙枚数が多いほど、すなわち下の受像シートの多
孔性インク受容層が圧縮される程、重送、紙詰まり等の
走行性の問題が起こる可能性が高い。
【0012】そこで、本発明者らは、前記カール防止層
の材料、形成方法、塗工量やラミネート量等、シート状
支持体の種類や厚さ等、および前記多孔性インク受容層
の性状、すなわち材料組成、発泡倍率や塗工量等種々の
要因を鋭意検討した。その結果、カール防止層の材料、
あるいは多孔性インク受容層の材料として適切なものを
選定することにより、多孔性インク受容層とカール防止
層間のJIS P 8147に基づく水平方法における
静摩擦係数を0.15〜0.8にすることにより、走行
性に優れ、印字トラブルがなく、高画質の受像シートを
得られることを見出し、本発明に至った。すなわちカー
ル防止層と多孔性インク受容層との層間にすべり性を与
えれば、多孔性インク受容層の高いクッション性による
両者の密着性に起因する走行性の問題を解決できること
を見出した。走行性に優れた受像シートを形成するに
は、多孔性インク受容層とカール防止層間のJIS P
8147の水平方法における静摩擦係数を0.15〜
0.8にすることが必要であり、より好ましくは、0.
25〜0.7である。この静摩擦係数が0.8より大き
い場合は、カール防止層と多孔性インク受容層間のすべ
り性が不十分で、カール防止層と多孔性インク受容層の
高い密着性に起因する重送や紙詰まり等の走行性不良の
問題が起こる。一方この静摩擦係数が0.15より小さ
い場合は、プリンター内の搬送ロールでの送りが不良と
なる。
【0013】本発明において、シート状支持体表面に形
成される多孔性インク受容層は、水性樹脂および必要に
より顔料を主成分として含むものである。このような多
孔性インク受容層は、水性樹脂、または水性樹脂と顔料
との混合物を含む液状物に、機械的攪拌を施してこれに
微細な多数の気泡を形成、分散、含有させ、この気泡含
有樹脂含有液を支持体上に塗工して形成することができ
る。ここで水分散型樹脂とは、水系エマルジョン、コロ
イド分散液(マイクロエマルジョン)であり、水溶性樹
脂とは、水溶性のポリマーまたはオリゴマーの媒体が水
であるものである。
【0014】本発明における多孔性インク受容層に使用
可能な水分散型樹脂としては、アクリル系重合体、共役
ジエン系重合体、ビニル系重合体、ウレタン系重合体、
およびこれらの誘導体等、例えば、ポリアクリル酸エス
テル、ポリメタクリル酸エステル、スチレン−ブタジエ
ン共重合体(SBRラテックス)、アクリロニトリル−
ブタジエン共重合体(NBRラテックス)、メチルメタ
クリレート−ブタジエン共重合体(MBRラテックス)
スチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビニ
ル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共
重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ウレタン
−アクリル共重合体等の水分散したものであり、また水
溶性樹脂としては、例えば、種々の分子量およびケン化
度のポリビニルアルコールおよびその誘導体、デンプン
およびその誘導体(酸化デンプン、カチオン化デンプン
のような各種化工デンプン)、セルロースおよびその誘
導体(メトキシセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロース、エチルセルロース等)、ポリエ
チレングリコール等であるが、これらに限定されるもの
ではない。これらの水溶性樹脂と水分散型樹脂は必要に
応じて、単独または2種類以上混合して使用することが
できる。
【0015】本発明において、多孔性インク受容層に含
ませることができる顔料としては、例えば酸化亜鉛、酸
化チタン、炭酸カルシウム、珪酸、珪酸塩、クレー、タ
ルク、マイカ、焼成クレー、水酸化アルミニウム、硫酸
バリウム、リトポン、コロイダルシリカ等の無機顔料、
ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキ
シ樹脂、スチレン−アクリル共重合体等の真球、中空あ
るいは、さまざまな形状に加工されたタイプのプラスチ
ックピグメントと称される有機顔料やデンプン粉末、セ
ルロース粉末等を用いることができるが、これらに限定
されるものではない。またこれらの顔料は必要に応じて
単独にまたは2種以上混合して使用することができる。
【0016】なお良好な画像を得るために、多孔性イン
ク受容層に顔料を配合することが好ましく、顔料の配合
量は、水性樹脂の樹脂固形分100重量部に対して、9
00重量部以下であることが好ましく、より好ましくは
0〜100重量部である。顔料の配合量が900重量部
を越えると、必要な塗膜強度が得られず、画像形成に際
して塗膜剥離というトラブルが発生し、良好な画像が得
られないことがある。気泡形成前の樹脂含有液には、必
要に応じて公知の粘度調節剤、分散剤、染色剤、耐水化
剤、潤滑剤、架橋剤、可塑剤等を添加することができ
る。
【0017】シート状支持体への多孔性インク受容層の
塗工量は、2〜40g/m2の範囲が好ましく、より好
ましくは5〜20g/m2の範囲である。塗工量が2g
/m2より少ない場合には、シート状支持体の表面の粗
さを十分に被覆するのが困難になることが多く、適正な
平滑性を持った表面の受像シートが得られなかったり、
十分な断熱性や圧縮変形性が得られないことがある。一
方それが40g/m2 を越えるような場合は、多孔性イ
ンク受容層の厚さが過大となり、多孔性インク受容層内
の結合強度が低下して、画像を形成した際にこのインク
受容層が剥離する等のトラブルを発生し、良好な画像が
形成できないこともある。従って、多孔性インク受容層
の塗工量は、要求性能により適宜に設定すればよい。
【0018】本発明において多孔性インク受容層は、前
記の水性樹脂液、あるいは水性樹脂および顔料を主成分
として含む混合物液に多数の微細気泡を含有させ、これ
をシート状支持体上に塗工し、乾燥することによって得
ることができる。気泡を形成、含有させる方法、設備、
および塗工方法には特に制限はない。
【0019】また気泡を含有する水性樹脂含有液の気泡
含有状態にも特に制限はないが、好ましくは、一定重量
の塗料で比較した、気泡含有液の原液に対する体積比
(以下、発泡倍率という)が1倍を越え10倍以下であ
ることが好ましく、より好ましくは1倍を越え5倍以下
である。すなわち発泡倍率は、この気泡含有液中の気泡
含有率を示す尺度であり、発泡倍率が大きくなると、気
泡を構成する樹脂膜(壁)の厚さが薄くなることを意味
している。このように、樹脂膜が薄くなると、得られる
多孔性インク受容層の強度を十分なレベルに維持するこ
とが困難になることがある。また発泡倍率は得られる多
孔性インク受容層のクッション性を示す尺度でもあり、
発泡倍率が大きくなり過ぎると、給紙時における上の受
像シートのカール防止層と多孔性インク受容層との密着
性が高くなり、走行性の点から好ましくない。従って、
発泡倍率は、要求性能により適宜に設定すればよい。
【0020】また本発明の多孔性インク受容層が優れた
溶融インク転写適性を有するのは、その発現メカニズム
として、多孔性インク受容層および受像シートの構造的
特性、圧縮特性等の物理的特性が関与しているものと考
えられる。構造特性の面においては、支持体上に形成さ
れた多孔性インク受容層の表面には微細な孔が多数存在
するために、毛細管力による溶融インクの吸収があるこ
と、さらには多孔性インク受容層内に含有されている多
数の気孔が相互に連通している(連続気泡を構成してい
る)ので、多孔性インク受容層内への溶融インクの浸透
性が良好となって、高いインク受容能力を発現すると考
えられる。
【0021】この点において、受像シート上に形成され
た多孔性インク受容層の表面の気孔の大きさは重要であ
る。すなわち溶融インクを転写したとき、良好な画像を
本発明の受像シート上に形成するには、多孔性インク受
容層の表面の平均気孔直径が0.5〜30μmの範囲に
あることが必要であり、好ましくは0.5〜20μmの
範囲である。気孔直径は、その大きさ(サイズ)に起因
する毛細管現象により溶融インクを捕獲する能力と関係
しており、気孔が小さいほどその能力は大きい。気孔の
サイズが過大になると、気孔内に転写インクが埋没した
り、インクリボンと多孔性インク受容層表面との良好な
接触を阻害するために、転写不良あるいは転写むらの原
因となり、またドット再現不良を起こして良好な画像が
形成できなくなる。なお多孔性インク受容層表面の気孔
直径は、光学顕微鏡もしくは走査型電子顕微鏡写真と画
像解析装置を用いて、計測することが可能である。
【0022】また多孔性インク受容層表面の気孔の大き
さは、気泡形成・分散処理前の樹脂含有液の組成、すな
わち材料の種類、配合比率、起泡、塗工、乾燥後に多孔
性インク受容層中の膜厚さに直接関係する成分として残
存する量、あるいは前記の発泡倍率、塗工方式等、種々
の要因によって影響されることが多いので適正な条件の
設定が必要である。さらに本発明における多孔性インク
受容層表面の気孔の大きさは、機械的攪拌によって得た
樹脂含有液中の気泡の大きさとも関係しており、おおむ
ね樹脂含有液中の気泡が小さいほど、塗工、乾燥後のイ
ンク受容層表面の気孔も小さくなるので、水性樹脂含有
混合液の気泡含有状態には特に制限はないが、前記の多
孔性インク受容層の表面と同じ大きさ、すなわち平均直
径が0.5〜30μmの微細気泡が分散、混合されてい
ることが好ましく、より好ましくは、平均直径が0.5
〜20μmの範囲にあるのが良い。含有された気泡の大
きさは、その一部を光学顕微鏡で写真撮影し、画像解析
装置で計測することが可能である。
【0023】本発明において、樹脂含有液に気泡を形成
し、分散含有させる方法(以下、これを発泡方法と記
す)は、例えば遊星運動をしつつ回転する攪拌翼を有す
るいわゆる製菓用の発泡機、一般に乳化分散等に利用さ
れているホモミキサー、カウレスディゾルバー等の攪拌
機、あるいは密閉系内に空気と樹脂含有液の混合物とを
連続的に送入しながら機械的に攪拌を施し、空気を微細
な気泡に分散、混合できる装置、例えば米国のガストン
カウンティー社、オランダのストーク社等の連続発泡機
を用いることができるが、特に厳格な制限はない。また
機械的攪拌を施すための設備の能力が不足であるため
に、所期の気泡含有状態が得られなかったり、あるいは
樹脂含有液中の気泡の安定性を向上する目的で、整泡
剤、発泡剤と称されている広範な界面活性剤の中から適
宜選定して配合することが可能である。
【0024】このような界面活性剤としては、例えば高
級脂肪酸、高級脂肪酸変性物、高級脂肪酸のアルカリ
塩、および高級脂肪酸のアミン塩等は、特に水性樹脂含
有液の発泡性を高める効果や、分散、含有させた気泡の
安定性向上効果が高いので使用することができる。これ
らの選定にはまったく制限はないが、樹脂含有液の流動
性や塗工作業性を考慮し、適宜に選定すればよい。また
上記の整泡剤や発泡剤等のような界面活性剤の使用量
は、水性樹脂液、あるいは水性樹脂と顔料との混合液の
固形分100重量部に対して、界面活性剤固形分0〜3
0重量部であることが好ましく、より好ましくは1〜2
0重量部である。界面活性剤の添加量が30重量部を越
えて多量になっても、その効果は飽和し、かえって経済
的に不利になることが多い。
【0025】多孔性インク受容層を支持体表面に形成す
るための塗工方式としては、メイヤーバー方式、グラビ
アロール方式、ロール方式、リバースロール方式、ブレ
ード方式、ナイフ方式、エアーナイフ方式、押し出し方
式、キャスト方式等の既知の方法から任意に選定するこ
とができる。
【0026】本発明の多孔性インク受容層を有する受像
シートは、樹脂含有液をシート状支持体上に塗工、乾燥
したままの状態でも良好な溶融熱転写画像を示すことが
できるが、これにさらに金属製ロール2段以上で構成さ
れるマシンカレンダー、あるいは金属製ロールおよび樹
脂製ロール、あるいは金属製ロールとコットン製ロール
等を適宜組み合わせて構成されるスーパーカレンダーを
使用して仕上げ処理を施し、その表面の平滑性をさらに
向上させることができる。また塗工後、半乾燥状態もし
くは乾燥状態にある多孔性インク受容層の表面を鏡面仕
上げを施したいわゆる加温あるいは非加温状態のキャス
トドラム等に接触させて、その表面平滑性を向上させて
もよい。しかし過度の加圧力下で上記の平滑仕上げ処理
を施すと、多孔性インク受容層中の気泡を取り囲む樹脂
壁が破壊され、多孔性インク受容層の緻密化されて、断
熱性やクッション性の低下あるいは多孔性インク受容層
表面の気孔の変形や破壊が起こるため、多孔性インク受
容層が有するすぐれた溶融インク転写性能が得られなく
なることもある。従って、前記の平滑仕上げ処理に際し
ては処理条件を要求性能により適宜設定すればよい。
【0027】本発明において、受像シートの多孔性イン
ク受容層とカール防止層との層間の静摩擦係数を、多孔
性インク受容層によって低下させる方法については、特
に限定するものではないが、一般には、多孔性インク受
容層中の水性樹脂を硬化をすること、潤滑剤を添加する
こと等により達成される。本発明における水性樹脂の硬
化には、例えば、ホルムアルデヒド、エポキシ化合物、
N−メチロール化合物、またはアジリジン化合物等の架
橋剤を用いることができ、樹脂混合液の固形分100重
量部に対して、架橋剤固形分0.1〜20重量部である
ことが好ましい。架橋剤の添加量が0.1重量部未満で
は、架橋が不十分で静摩擦係数が低下せず、走行性を改
善できない。また架橋剤の添加量が20重量部を越えて
多量になると、経済的に不利になるばかりでなく、多孔
性インク受容層の塗膜が脆くなり、塗膜剥離が生じ、カ
ール防止効果が得られないことがある。また潤滑剤とし
ては、サンノプコ社製のノプコートC−104(脂肪酸
カルシウム)、近代化学工業社製のLB−PE(ポリエ
チレンワックス)等が挙げられ、樹脂混合液の固形分1
00重量部に対して、潤滑剤固形分0.1〜20重量部
であることが好ましい。潤滑剤の添加量が0.1重量部
未満では、静摩擦係数が低下せず、走行性を改善できな
い。また潤滑剤の添加量が20重量部を越えて多量にな
ると、走行性の改善効果は飽和し、経済的にも不利にな
る。
【0028】本発明において、シート状支持体裏面に形
成されるカール防止層は、水性樹脂および必要により顔
料を含むものである。このようなカール防止層は、水性
樹脂、または水性樹脂と顔料との混合物をシート状支持
体の多孔性インク受容層を設ける面と反対面上に塗工、
またはラミネートして形成することができる。
【0029】本発明におけるカール防止層には、多孔性
インク受容層と同様に、アクリル系重合体、共役ジエン
系重合体、ビニル系重合体、ウレタン系重合体、および
これらの誘導体等の水分散型樹脂、並びにポリビニルア
ルコールおよびその誘導体、デンプンおよびそのデンプ
ンの誘導体、セルロースおよびその誘導体、ポリエチレ
ングリコール等の水溶性樹脂が挙げられるが、これらに
限定されるものではない。これらの水分散型樹脂や水溶
性樹脂は必要に応じて、単独または2種類以上混合して
使用することができる。
【0030】本発明において、カール防止層に含有させ
ることができる顔料としては、多孔性インク受容層と同
様に、例えば酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、
珪酸、珪酸塩、クレー、タルク、マイカ、焼成クレー、
水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、リトポン、コロイ
ダルシリカ等の無機顔料、ポリスチレン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、スチレン−アクリ
ル共重合体等の真球、中空あるいは種々の形状に加工さ
れたプラスチックピグメントと称される有機顔料や、デ
ンプン粉末、セルロース粉末等を挙げられる。またこれ
らの顔料は必要に応じて単独にまたは2種以上混合して
使用することができる。顔料の配合量は、水性樹脂の樹
脂固形分100重量部に対して、2000重量部以下で
あることが好ましく、より好ましくは0〜1000重量
部である。顔料の配合量が2000重量部を越えると、
必要な塗膜強度が得られず、塗膜剥離というトラブルが
発生することがある。
【0031】シート状支持体へのカール防止層の塗工量
は、1〜20g/m2の範囲であることが好ましく、よ
り好ましくは1〜10g/m2の範囲である。塗工量が
1g/m2 より少ない場合には、カール防止効果が小さ
く、一方20g/m2 を越えるような場合は、カール防
止層の厚さが過大であり、経済面から実用的でない。
【0032】カール防止層を支持体裏面に形成するため
の塗工方式としては、メイヤーバー方式、グラビアロー
ル方式、ロール方式、リバースロール方式、ブレード方
式、ナイフ方式、エアーナイフ方式、押し出し方式、キ
ャスト方式等の既知の方法から任意に選定することがで
きる。
【0033】本発明において、受像シートの多孔性イン
ク受容層とカール防止層の層間の静摩擦係数を、カール
防止層によって低下させる方法としては、特に限定する
ものではないが、カール防止層中の樹脂を硬化をする方
法、あるいは静摩擦係数の低い顔料を主成分としてカー
ル防止層中に含有させる方法、さらに多孔性インク受容
層の場合と同様に、脂肪酸カルシウム、ポリエチレンワ
ックス等の潤滑剤を添加する方法がある。樹脂を硬化を
する方法では、例えば、ポリビニルアルコール、デンプ
ンおよびこれらの誘導体のように水酸基を有する水溶性
樹脂をジメチロール尿素、またはグリオキザール等の架
橋剤と反応させて硬化するのが一般的である。また静摩
擦係数の低い顔料を主成分として含有させる方法では、
粒子径が大きい、あるいは形状が六角板状である等の顔
料を選択するのが好ましい。例えば、粒子径が大きい顔
料としては、米庄石灰社製のTU164(軽質炭酸カル
シウム、球状、粒径20μm)、形状が六角板状である
等顔料としては、菱三商事社製のUW−90(クレー、
粒径0.3μm)、日成共益社製のHIDRAGLOS
S−90(クレー、粒径0.8μm)等が挙げられる。
【0034】本発明に用いられるシート状支持体として
は、セルロースを主成分とする紙、塗工紙、ラミネート
紙等の紙類をはじめとして、織布、不織布等の布類が使
用可能である。またポリオレフィン、メタクリレート、
酢酸セルロース等のプラスチックフィルム類、ポリオレ
フィンと顔料からなる合成紙や発泡ポリエチレンテレフ
タレートフィルム、発泡ポリプロピレンフィルム等の多
孔質合成樹脂フィルム等を使用することができる。これ
らのシート状支持体は、断熱性の良好なものほど同一印
加エネルギーでドット再現性や階調再現性が良好であ
り、記録濃度の増加を達成することができ、また同一濃
度および記録品質を得るために必要なエネルギー量が少
なくてすむため、省エネルギーにも有効である。またパ
ルプを主成分として含む紙や塗工紙をシート状支持体と
して用いた場合には、特にリサイクルが可能であるとい
う利点もある。
【0035】またシート状支持体の材料選定によって
は、得られる受像シートがプリンター内で走行する際に
装置の機構上、種々の摩擦力を受けたり、加熱による装
置内部の湿度低下等の影響が単独にあるいは複合して、
この受像シートに静電気を帯電させることがある。この
ような状態において多数枚の画像形成を連続的に行う
と、この受像シートの画像形成面と、次の受像シートの
裏面とが静電気的に密着して剥しにくくなる。とくに各
種プラスチックシート類あるいは合成紙等は本質的に帯
電しやすい性質があるために、これらをシート状支持体
として利用する際は、断裁によるシート化工程におい
て、または加工後の保管中に、静電気発生のためシート
の表裏が剥しにくくなる。当然のことながら紙類をシー
ト状支持体とした場合でも前記のようなトラブルは起こ
り得る。このような帯電に伴うトラブル防止のために、
いわゆる帯電防止層を受像シートの裏面に形成すること
はきわめて有効である。また帯電は帯電防止材料を使用
することにより達成することができる。
【0036】前記の帯電防止層は、支持体裏面のカール
防止層とは別個に形成しても所期性能を得ることは可能
であるが、製造工程の簡略化、製造コストの低減等、必
要に応じて材料、形成方法を適宜選定することにより、
カール防止層と単一層に形成して目的を達成することが
できる。すなわち単一層でカール防止、および帯電防止
等のトラブル防止性能を付与することも可能である。
【0037】なお本発明における多孔性インク受容層と
カール防止層からなる受像シートは、溶融熱転写記録紙
ばかりでなく、昇華型熱転写記録紙、カラーPPC用紙
等の用途にも用いることが可能である。
【0038】
【実施例】 下記実施例によって本発明をさらに具体的
に説明する。ただし本発明はこれらによって制限される
ものではない。なお実施例および比較例中の「部」は全
て「重量部」を表す。
【0039】実施例1 〔多孔性インク受容層の形成〕下記に示す組成を有する
水性樹脂混合液(固形分濃度、35重量%)を、攪拌機
(商標:ケンミックスアイコーPRO、愛工舎製作所社
製)を使用して、攪拌速度490rpmで7分間攪拌し
てこれに発泡処理を行った。発泡倍率は4.2倍であっ
た。樹脂含有液組成 水性樹脂:ポリウレタン 100部 (商標:NeoRez R−960、ゼネカ社製) 高級脂肪酸系整泡剤(商標:SNフォーム200、サンノプコ社製) 5部 粘度調節用(増粘剤)カルボキシメチルセルロースナトリウム 5部 (商標:AGガム、第一工業製薬社製) 上記の気泡含有樹脂混合液を発泡処理後直ちに、坪量7
5g/m2の上質紙の表面上にアプリケーターバーを用
いて乾燥後の塗工量が15g/m2となるように塗工
し、乾燥して、多孔性インク受容層を形成した。
【0040】 〔カール防止層の形成〕 樹脂混合液組成 顔料:クレー(商標:UW−90、菱三商事社製) 100部 分散剤(商標:キャリボンL−400、三洋化成工業社製) 0.2部 樹脂:SBRラテックス(商標:PT−1004A、日本ゼオン社製) 25部 消泡剤(商標:SNデフォーマー521、サンノプコ社製) 0.1部 上記の組成を有する樹脂混合液(固形分濃度、16重量
%)を、前記多孔性インク受容層を形成した上質紙の裏
面上にメイヤーバーを用いて乾燥後の塗工量が5g/m
2となるように塗工し、乾燥して、カール防止層を形成
し受像シートを作製した。
【0041】実施例2 〔多孔性インク受容層の形成〕実施例1とまったく同様
にして、多孔性インク受容層を形成した。 〔カール防止層の形成〕 樹脂混合液組成 樹脂:酸化変性デンプン 100部 (商標:王子エースC、王子コーンスターチ社製) 架橋剤:ジメチロール尿素 25部 (商標:パピロールJ−001、昭和電工社製) 上記の組成を有する樹脂混合液(固形分濃度、6重量
%)を、前記多孔性インク受容層を形成した上質紙の裏
面上にメイヤーバーを用いて乾燥後の塗工量が2g/m
2となるように塗工し、乾燥して、カール防止層を形成
し受像シートを作製した。
【0042】実施例3 〔多孔性インク受容層の形成〕下記に示す組成を有する
水性樹脂混合液(固形分濃度、35重量%)を、攪拌機
(商標:ケンミックスアイコーPRO、愛工舎製作所社
製)を使用して、攪拌速度490rpmで5分間攪拌し
てこれに発泡処理を行った。発泡倍率は、3.0倍であ
った。樹脂含有液組成 水性樹脂:ポリウレタン 100部 (商標:NeoRez R−960、ゼネカ社製) 高級脂肪酸系整泡剤(商標:SNフォーム200、サンノプコ社製) 5部 粘度調節用(増粘剤)カルボキシメチルセルロースナトリウム 5部 (商標:AGガム、第一工業製薬社製) 架橋剤:エポキシ系樹脂 3部 (商標:CR−5L、大日本インキ化学工業社製) 上記の気泡含有樹脂混合液を発泡処理後直ちに、坪量7
5g/m2の上質紙の表面上にアプリケーターバーを用
いて乾燥後の塗工量が15g/m2となるように塗工
し、乾燥して、多孔性インク受容層を形成した。
【0043】 〔カール防止層の形成〕 樹脂混合液組成 顔料:軽質炭酸カルシウム(商標:TU164、米庄石灰社製) 100部 分散剤(商標:キャリボンL−400、三洋化成工業社製) 0.2部 樹脂:SBRラテックス(商標:PT−1004A、日本ゼオン社製) 25部 消泡剤(商標:SNデフォーマー521、サンノプコ社製) 0.1部 上記の組成を有する樹脂混合液(固形分濃度、16重量
%)を、前記多孔性インク受容層を形成した上質紙の裏
面上にメイヤーバーを用いて乾燥後の塗工量が5g/m
2となるように塗工し、乾燥して、カール防止層を形成
し受像シートを作製した。
【0044】実施例4 〔多孔性インク受容層の形成〕下記に示す組成を有する
水性樹脂混合液(固形分濃度、35重量%)を、攪拌機
(商標:ケンミックスアイコーPRO、愛工舎製作所社
製)を使用して、攪拌速度490rpmで4分間攪拌し
てこれに発泡処理を行った。発泡倍率は3.0倍であっ
た。樹脂混合液組成 水性樹脂:ポリウレタン 100部 (商標:NeoRez R−960、ゼネカ社製) 高級脂肪酸系整泡剤(商標:SNフォーム200、サンノプコ社製) 5部 粘度調節用(増粘剤)カルボキシメチルセルロースナトリウム 5部 (商標:AGガム、第一工業製薬社製) 顔料:クレー(商標:HT、菱三商事社製) 10部 架橋剤:エポキシ系樹脂 3部 (商標:CR−5L、大日本インキ化学工業社製) 上記の気泡含有樹脂混合液を発泡処理後直ちに、坪量7
5g/m2の上質紙の表面上にアプリケーターバーを用
いて乾燥後の塗工量が15g/m2となるように塗工
し、乾燥して、多孔性インク受容層を形成した。
【0045】 〔カール防止層の形成〕 樹脂混合液組成 顔料:クレー(商標:UW−90、菱三商事社製) 100部 樹脂:酸化変性デンプン 35部 (商標:王子エースC、王子コーンスターチ社製) 架橋剤:ジメチロール尿素 8部 (商標:パピロールJ−001、昭和電工社製) 上記の組成を有する樹脂混合液(固形分濃度、16重量
%)を、前記多孔性インク受容層を形成した上質紙の裏
面上にメイヤーバーを用いて乾燥後の塗工量が2g/m
2となるように塗工し、乾燥して、カール防止層を形成
し受像シートを作製した。
【0046】実施例5 〔多孔性インク受容層の形成〕下記に示す組成を有する
水性樹脂混合液(固形分濃度、33重量%)を、攪拌機
(商標:ケンミックスアイコーPRO、愛工舎製作所社
製)を使用して、攪拌速度490rpmで9分間攪拌し
てこれに発泡処理を行った。発泡倍率は4.2倍であっ
た。樹脂混合液組成 水性樹脂:アクリルエステル 100部 (商標:モビニール742N、ヘキスト合成社製) 高級脂肪酸系整泡剤(商標:SNフォーム200、サンノプコ社製) 5部 粘度調節用(増粘剤)カルボキシメチルセルロースナトリウム (商標:AGガム、第一工業製薬社製) 5部 潤滑剤:脂肪酸カルシウム 3部 (商標:ノプコートC−104、サンノプコ社製) 上記の気泡含有樹脂混合液を発泡処理後直ちに、坪量7
5g/m2の上質紙の表面上にアプリケーターバーを用
いて乾燥後の塗工量が15g/m2となるように塗工
し、乾燥して、多孔性インク受容層を形成した。
【0047】 〔カール防止層の形成〕 樹脂混合液組成 樹脂:ポリビニルアルコール(商標:PVA124、クラレ社製) 100部 架橋剤:ジメチロール尿素 25部 (商標:パピロールJ−001、昭和電工社製) 上記の組成を有する樹脂混合液(固形分濃度、6重量
%)を、前記多孔性インク受容層を形成した上質紙の裏
面上にメイヤーバーを用いて乾燥後の塗工量が2g/m
2となるように塗工し、乾燥して、カール防止層を形成
し受像シートを作製した。
【0048】実施例6 〔多孔性インク受容層の形成〕下記に示す組成を有する
水性樹脂混合液(固形分濃度、30重量%)を、攪拌機
(商標:ケンミックスアイコーPRO、愛工舎製作所社
製)を使用して、攪拌速度490rpmで4分間攪拌し
てこれに発泡処理を行った。発泡倍率は3.0倍であっ
た。樹脂含有液組成 水性樹脂:SBRラテックス 100部 (商標:ポリテック750K−102、三井東圧化学社製) 高級脂肪酸系整泡剤(商標:SNフォーム200、サンノプコ社製) 5部 粘度調節用(増粘剤)カルボキシメチルセルロースナトリウム 5部 (商標:AGガム、第一工業製薬社製) 顔料:クレー(商標:HT、菱三商事社製) 10部 潤滑剤:脂肪酸カルシウム 3部 (商標:ノプコートC−104、サンノプコ社製) 上記の気泡含有樹脂混合液を発泡処理後直ちに、坪量7
5g/m2の上質紙の表面上にアプリケーターバーを用
いて乾燥後の塗工量が15g/m2となるように塗工
し、乾燥して、多孔性インク受容層を形成した。 〔カール防止層の形成〕実施例4とまったく同様にし
て、カール防止層を形成した。
【0049】実施例7 〔多孔性インク受容層の形成〕攪拌時間を7分間から1
3分間に変えた以外は、実施例1と同様に発泡処理を行
った。発泡倍率は、9.8倍であった。 〔カール防止層の形成〕樹脂混合液組成 顔料:クレー(商標:UW−90、菱三商事社製) 100部 樹脂:酸化変性デンプン 35部 (商標:王子エースC、王子コーンスターチ社製) 架橋剤:グリオキザール(商標:パピロールJ−003、昭和電工社製) 8部 上記の組成を有する樹脂混合液(固形分濃度、16重量
%)を、前記多孔性インク受容層を形成した上質紙の裏
面上にメイヤーバーを用いて乾燥後の塗工量が2g/m
2となるように塗工し、乾燥して、カール防止層を形成
し受像シートを作製した。
【0050】実施例8 〔多孔性インク受容層の形成〕攪拌時間を7分間から2
分間に変えた以外は、実施例1と同様に発泡処理を行っ
た。発泡倍率は、1.5倍であった。 〔カール防止層の形成〕実施例3とまったく同様にし
て、カール防止層を形成した。
【0051】比較例1 〔多孔性インク受容層の形成〕実施例1とまったく同様
にして、多孔性インク受容層を形成した。 〔カール防止層の形成〕樹脂混合液組成 樹脂:酸化変性デンプン 100部 (商標:王子エースC、王子コーンスターチ社製) 上記の組成を有する樹脂液(固形分濃度、6重量%)
を、前記多孔性インク受容層を形成した上質紙の裏面上
にメイヤーバーを用いて乾燥後の塗工量が2g/m2
なるように塗工し、乾燥して、カール防止層を形成し受
像シートを作製した。
【0052】比較例2 〔多孔性インク受容層の形成〕実施例1とまったく同様
にして、多孔性インク受容層を形成した。 〔カール防止層の形成〕樹脂混合液組成 顔料:重質炭酸カルシウム 100部 (商標:ソフトン2200、白石カルシウム社製) 分散剤(商標:キャリボンL−400、三洋化成工業社製) 0.2部 樹脂:SBRラテックス(商標:PT−1004A、日本ゼオン社製) 25部 消泡剤(商標:SNデフォーマー521、サンノプコ社製) 0.1部 上記の組成を有する樹脂混合液(固形分濃度、16重量
%)を、前記多孔性インク受容層を形成した上質紙の裏
面上にメイヤーバーを用いて乾燥後の塗工量が5g/m
2となるように塗工し、乾燥して、カール防止層を形成
し受像シートを作製した。
【0053】〔発泡倍率の測定〕発泡処理前の樹脂含有
液(原液)100mlの重量を、発泡処理後の気泡を含
有する樹脂含有液100mlの値で除して発泡倍率を求
めた。
【0054】〔走行性の評価〕上記実施例1〜8および
比較例1、2で得られた多孔性インク受容層とカール防
止層を有するA3版サイズの受像シートを20℃、相対
湿度65%の環境下で一昼夜調湿した後、熱転写カラー
プリンター(商標:Trueprint2200、日本
ビクター社製:本来は昇華型転写の画像形成装置だが、
溶融転写方式の画像形成もできるように改造した)の給
紙ユニットに25枚重ねてセットし、連続印字を行っ
た。前記連続印字を5回繰り返し、給紙時に受像シート
が2枚以上重送される、または排紙時に印字された受像
シートが紙詰まりを生じる等のような走行性の問題がま
ったくなかった場合をA、重送、または紙詰まりが1回
だけ生じた場合をB、重送、または紙詰まりが2回以上
生じた場合をCとし、AおよびBを合格、Cを不合格と
した。これらの結果を表1に示す。
【0055】
【表1】 本発明に係る溶融転写型インク受像シート(実施例1〜
8)は、多孔性インク受容層とカール防止層との層間で
の静摩擦係数が小さく、良好な走行性が得られた。一
方、本発明の範囲外の溶融転写型インク受像シート(比
較例1〜2)は、静摩擦係数が大きく、重送や紙詰まり
がおき、走行性に問題があった。
【0056】
【発明の効果】 本発明により、カール防止層の材料、
あるいは多孔性インク受容層の材料として適切なものを
選定することにより、多孔性インク受容層とカール防止
層との層間の静摩擦係数を0.15〜0.8にすること
により、走行性の問題が解決され、印字トラブルがない
溶融転写インク受像シートを実用化することが可能とな
り、産業界に寄与するところが大である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状支持体と、シート状支持体の一
    方の面に、水溶性樹脂および/または水分散型樹脂を主
    成分とする樹脂含有液から形成された多孔性インク受容
    層を有し、かつシート状支持体の他の面に形成されたカ
    ール防止層とを有し、該多孔性インク受容層と該カール
    防止層との層間での、JIS P 8147に基づく水
    平方法における静摩擦係数が0.15〜0.8であるこ
    とを特徴とする溶融転写型インク受像シート。
  2. 【請求項2】 前記カール防止層が、水酸基を含有する
    水溶性樹脂と、前記水酸基と反応する架橋剤とを含む樹
    脂混合液から形成されたものである請求項1記載の溶融
    転写型インク受像シート。
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