JPH11106506A - 低比誘電性高分子膜及びその形成方法並びに層間絶縁膜 - Google Patents

低比誘電性高分子膜及びその形成方法並びに層間絶縁膜

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JPH11106506A
JPH11106506A JP28774097A JP28774097A JPH11106506A JP H11106506 A JPH11106506 A JP H11106506A JP 28774097 A JP28774097 A JP 28774097A JP 28774097 A JP28774097 A JP 28774097A JP H11106506 A JPH11106506 A JP H11106506A
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film
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bis
temperature
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JP28774097A
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Masayuki Iijima
正行 飯島
Masatoshi Sato
昌敏 佐藤
Yoshiyuki Ukishima
禎之 浮島
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Ulvac Inc
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】簡易な工程で安定した特性を有し、特に半導体
装置の層間絶縁膜に適用しうる低比誘電性高分子膜の形
成方法を提供する。 【解決手段】蒸着重合法によって基板上にポリイミド膜
を形成する際、基板を30℃以上の温度に加熱保持す
る。ポリイミド膜を形成するための原料モノマーとして
は、例えば、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニ
ル]ヘキサフロロプロパンと、2,2-ビス(3,4フェニルカ
ルボキシル)-ヘキサフロロプロパン二無水物を用いる。
本発明によれば、ポリイミド膜の密度が1.4g/cm3
下になり、その結果、比誘電率が2.6〜2.7のポリイ
ミド膜を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、半導体装
置の層間絶縁膜に用いられる低比誘電性高分子膜の形成
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置の層間絶縁膜として
は、回転塗布法によるSOG(Spin onGlass)膜やCV
D法(化学蒸着法:Chemical Vapor Deposition)によ
るSiO2膜が主に用いられている。これらの方法によ
って形成された層間絶縁膜の比誘電率は約4となるが、
最近はLSIの高集積化の進展により層間絶縁膜の低比
誘電率化が大きな課題とされており、比誘電率が4以下
の層間絶縁膜が要求されるようになっている。
【0003】このような要求に対しては、近年、プラズ
マCVD法によって形成されたSiO2膜にフッ素を添
加したSiOF膜が提案されており、この膜によれば層
間絶縁膜の比誘電率を3.7〜3.2程度に抑えることが
できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来技術においては、次のような問題があった。すなわ
ち、上述のプラズマCVD法によるSiOF膜は低比誘
電率化が達成できる反面、膜の形成方法や成膜条件によ
って膜特性が大きく異なったり、膜中のフッ素の脱離や
吸湿性が大きいといった膜の不安定性により誘電率を悪
化させてしまう問題が指摘されており、将来の低比誘電
率材料としての応用は難しい状況にある。
【0005】また、回転塗布法によるSOG膜は、有機
溶媒を除去するために400℃近傍の温度でベークし脱
水重合反応させて形成することから、有機溶媒や水が発
生するなどの課題がある。
【0006】その一方、近年、高分子材料を用いた層間
絶縁膜も開発されており、これによれば安定した特性を
有する低比誘電率の層間絶縁膜を得ることができる。
【0007】しかし、高分子材料を用いた層間絶縁膜で
あっても、比誘電率を2.7より小さくすることは困難
であり、また、耐熱温度は400℃が限界である。しか
も、高分子材料を用いたものは、比誘電率を低下させる
と耐熱性も低下し、他方、耐熱性を向上させると比誘電
率も高くなるという問題がある。
【0008】本発明は、このような従来の技術の課題を
解決するためになされたもので、簡易な工程で安定した
特性を有し、特に半導体装置の層間絶縁膜に適用しうる
低比誘電性高分子膜の形成方法を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、蒸着重合によって
高分子膜を形成する際に基体を常温より高い特定の温度
に保持することで蒸着膜の密度が低下し、これにより低
比誘電率の高分子膜が得られることを見い出し、本発明
を完成するに至った。
【0010】かかる知見に基づいてなされた請求項1記
載の発明は、蒸着重合によって基体上に形成された蒸着
膜の密度が1.4g/cm3 以下であることを特徴とする低
比誘電性高分子膜である。
【0011】また、請求項2記載の発明は、蒸着重合に
よって基体上に形成された蒸着膜の密度が1.4g/cm3
以下であることを特徴とする低比誘電性ポリイミド膜で
ある。
【0012】本発明の低比誘電性高分子膜を形成するに
は、例えば、請求項3に記載されているように、真空中
で原料モノマーを蒸発させ、これらを基体上で蒸着重合
させて高分子膜を形成する際に、上記基体の温度を30
℃以上に保持するとよい。
【0013】この場合、基体を加熱するための手段とし
ては、例えばホットプレート(ヒーターを埋め込んだ均
熱板)やハロゲンランプ等を用いることができる。
【0014】本発明の方法は、種々の高分子膜を形成す
る場合に適用することができるが、特に、ジアミンモノ
マーと酸成分モノマーとを用いてポリイミド膜を作成す
るのに好適な方法である。
【0015】ポリイミドの原料モノマーとしては、種々
のものを用いることができるが、請求項2記載の発明の
ように、ジアミンモノマーとして、4,4′-ジアミノジフ
ェニルメタン(MDA)、4,4′-ジアミノジフェニルエー
テル(ODA)、4,4′-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェ
ニル、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2′
-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフロロ
プロパン、2,2′-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニ
ル]プロパン(BAPP)、3,3′-ジメチル-4,4′-ジアミ
ノビフェニル(OTD)、又は3,3′-ジメトキシ-4,4′-ジ
アミノビフェニルのいずれかを用いることができる。
【0016】また、酸成分モノマーとしては、ピロメリ
ト酸二無水物(PMDA)、2,2′-ビス(3,4-フェニルカ
ルボキシル)-ヘキサフロロプロパン二無水物、4,4′-ビ
フタル酸二無水物、ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボ
ン酸二無水物又は3,3′-4,4′-ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物のいずれかを用いることができる。
【0017】これらのうちでも、ジアミンモノマーとし
ては、OTD又は2,2′-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)
フェニル]ヘキサフロロプロパンが、また、酸成分モノ
マーとしては、2,2′-ビス(3,4-フェニルカルボキシル)
-ヘキサフロロプロパン二無水物が、比誘電率が小さい
点から好適に用いることができる。
【0018】本発明の場合、蒸着重合の際に基体の温度
を30℃以上に保持することにより、通常の蒸着や溶液
法によって作成した高分子膜より密度の低い高分子膜が
形成される。そして、これにより安定した特性を有する
低比誘電率の高分子膜が簡単な工程で得られる。
【0019】図1(a)は、本発明における基体の温度
と高分子膜(ポリイミド膜)の比誘電率との関係を示す
グラフ、図1(b)は、本発明における基体の温度と高
分子膜(ポリイミド膜)の密度との関係を示すグラフで
ある。ここで、曲線Iは、原料モノマーとして、4,4′-
ジアミノジフェニルエーテル(ODA)とピロメリト酸二
無水物(PMDA)を用いた場合、曲線IIは、原料モノマ
ーとして、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]
ヘキサフロロプロパンと、2,2-ビス(3,4フェニルカルボ
キシル)-ヘキサフロロプロパン二無水物を用いた場合を
示すものである。
【0020】本発明の場合、図1(a)(b)に示すよ
うに、基体の温度を高くすれば、高分子膜の密度が小さ
くなり、比誘電率が低下する傾向を示す。その理由は、
基体の温度が高いほど有機分子は基体に対して立ちやす
く、かつ、歳差運動をするため、分子一個の占める体積
が大きくなり、その結果、高分子膜の密度が低下すると
考えられる。
【0021】このことから、蒸着重合の際に基体の温度
を30以上の所定の温度に保持するようにすれば、高分
子膜の比誘電率を所望の値に設定することが可能にな
る。ただし、基体の温度が100℃以上になると、モノ
マーの蒸発速度を上げなければ再蒸発により膜が形成さ
れないという不都合がある。そして、より好ましい基体
の温度範囲は、30〜70℃である。
【0022】一方、本発明においては、圧力が10-3
a程度の真空中で蒸着重合を行うことが好ましい。
【0023】また、本発明においては、基体上に蒸着膜
を形成した後に、加熱処理を行うことが好ましい。すな
わち、加熱処理を行うことによって、重合反応が完了す
るため、その耐熱性が向上する。
【0024】この場合、加熱処理の温度は400℃程度
とし、その時間は30分程度とすることが好ましい。処
理雰囲気は、大気、不活性ガス又は真空中のどちらでも
よいが、膜の表面を水や酸素と反応させないためには、
真空中が最も効果的である。
【0025】なお、半導体装置を作成する際には、上記
加熱処理工程において、半導体装置の製造プロセスの最
高温度以上に加熱すれば、その後のプロセスにおける高
分子成分の分解を防ぐことができる。
【0026】一方、請求項5記載の発明は、半導体基体
上に形成された金属配線層の間に請求項1又は2のいず
れか1項記載の低比誘電性高分子膜が形成されているこ
とを特徴とする層間絶縁膜である。
【0027】請求項5記載の発明によれば、低比誘電率
化した高分子膜によって層間絶縁膜を構成しているの
で、金属配線層間で形成されるコンデンサーの容量が極
めて小さくなり、半導体装置の動作速度を大幅に向上さ
せることが可能になる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を図面を参照して詳細に説明する。図2(a)は、本
発明を実施するための成膜装置の一例の概略構成を示す
ものである。図2(a)に示すように、この成膜装置1
は、マルチチャンバー方式の枚葉式の装置であり、図示
しない搬送ロボットが組み込まれているコア室2の周囲
に、Siウェハー等の出し入れを行うためのL/UL
(ロード/アンロード)室3と、蒸着重合を行うための
第1の処理室4と、加熱処理を行うための第2の処理室
5と、アルミニウム等のスパッタリングを行うための第
3の処理室6とが配置され、これらはすべて図示しない
ゲートバルブを介して連結されている。また、これらコ
ア室2、L/UL室3、第1〜第3の処理室4〜6は、
図示しない真空ポンプ等の真空排気系に連結されてい
る。
【0029】ここで、基板8は、コア室2内に配置され
るロボットによってL/UL室3から第1〜第3の処理
室4〜6へを自由に搬送できるようになっている。
【0030】図2(b)は、第1の処理室4の概略構成
を示すものである。図2(b)に示すように、第1の処
理室4の上方には、2種類の原料モノマーA、Bの蒸発
源40A、40Bが導入管41A、41Bを介して接続
されている。各蒸発源40A、40Bのハウジング42
A、42Bには、それぞれ蒸発用容器43A、43Bが
設けられる。そして、蒸発用容器43A、43Bの内部
には、ポリイミド膜を形成するための原料モノマーA、
Bがそれぞれ注入されている。
【0031】この場合、原料モノマーA、Bとしては、
例えば、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル(ODA)
と、ピロメリト酸二無水物(PMDA)、また、2,2-ビス
[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフロロプロパ
ンと、2,2-ビス(3,4フェニルカルボキシル)-ヘキサフロ
ロプロパン二無水物が用いられる。
【0032】さらに、各蒸発用容器43A、43Bの近
傍には、各原料モノマーA、Bを加熱するためのヒータ
ー44A、44Bが設けられる。
【0033】一方、各導入管41A、41Bの周囲には
ヒーターHが巻き付けられ、これによって原料モノマー
A、Bの温度を制御できるように構成されている。ま
た、各導入管41A、41Bの途中には、各原料モノマ
ーA、Bの供給量を調整するためのバルブ45A、45
Bが設けられ、これらを開閉することにより、蒸着重合
膜の形成時に膜厚を制御できるようになっている。
【0034】図2(b)に示すように、基板8は、第1
の処理室4内の下部の基板8を加熱するためのホットプ
レート46上に支持される。そして、第1の処理室4の
上部には、下方に向って広がるように形成された混合槽
47が設けられている。この混合槽47の内壁には、原
料モノマーA、Bの蒸気を加熱するためのヒーター48
が設けられている。
【0035】図3(a)は、図1(a)の成膜装置1の
第2の処理室5の概略構成を示すものである。図3
(a)に示すように、第2の処理室5内には、基板8を
加熱するためのホットプレート50が設けられている。
このホットプレート50は、基板8の温度を半導体装置
の製造時の温度より広い範囲(20〜500℃)に制御
可能で、かつ、加熱の際の昇温速度を調整可能できるよ
うに構成されている。
【0036】図3(b)は、図1(a)の成膜装置1の
第3の処理室6の概略構成を示すものである。図3
(b)に示すように、第3の処理室6には、直流二極式
のスパッタリング装置が設けられる。すなわち、第3の
処理室6の上部に、直流電源60に接続された電極61
が配設され、この電極61にスパッタリングターゲット
62として例えばアルミニウムターゲットが保持されて
いる。そして、処理すべき基板8は、第3の処理室6の
下部においてホットプレート63によって支持されてい
る。また、この第3の処理室6内には、導入管64を介
して例えばアルゴン(Ar)ガス等の不活性ガスが導入
されるようになっている。
【0037】本実施の形態において絶縁膜を形成するに
は、まず、上記成膜装置1において、基板8をL/UL
室3から第1の処理室4内に搬送し、各バルブ45A、
45Bを開いて原料モノマーA、Bを第1の処理室4内
に導入し、蒸着重合によって基板8上にポリイミド膜を
形成する。
【0038】この場合、まず、各バルブ45A、45B
を閉じた状態で第1の処理室4内の圧力を3×10-3
a程度の高真空に設定し、ヒーター44A、44Bによ
って各原料モノマーA、Bを所定の温度に加熱する。
【0039】そして、各原料モノマーA、Bが所定の温
度に達して所要の蒸発量が得られた後に、各バルブ45
A、45Bを開き、所定の蒸発速度で各原料モノマー
A、Bを上方から基板8上に蒸着、堆積させ、ポリイミ
ド膜を形成した後に各バルブ45A、45Bを閉じる。
この場合、原料モノマーA、Bの蒸発速度は、化学量論
比で1:1となるように制御する。また、ホットプレー
ト46によって基板8の温度を30℃以上となるように
制御する。
【0040】その後、第2の処理室5において、基板8
上のポリイミド膜に対し、ホットプレート50を用いて
所定の加熱処理を行う。
【0041】この場合、加熱条件は、昇温速度5℃/m
inで400℃程度まで加熱し、その状態を30分間程
度保持するようにする。また、この加熱処理は例えば真
空中で行う。
【0042】なお、必要に応じ、第3の処理室6に基板
8を搬送し、スパッタリングによって基板8上にアルミ
ニウム電極を形成することもできる。
【0043】以上述べたように本実施の形態によれば、
安定した特性を有する低比誘電率のポリイミド膜を簡易
な工程で得ることができる。
【0044】図4(a)〜(f)は、本発明を用いて半導体
装置の層間絶縁膜を形成する工程の一例を示すものであ
る。まず、図4(a)に示すように、例えばシリコン(S
i)からなる半導体基板21と、この半導体基板21の
表面に形成され、所定の位置に窓開けがされたシリコン
熱酸化膜22と、その上に成膜され、パターニングが施
された第1層目の配線(金属配線層)23とを有する基
板31を用意する。
【0045】この基板31を30℃以上に加熱しつつ、
上述した蒸着重合法により、基板31の表面にポリイミ
ド膜24aを所望の厚みに全面成膜する(図4(b))。さ
らに、上述の条件で加熱処理を行い、耐熱性の高い層間
絶縁膜24を形成する(図4(c))。
【0046】次いで、その層間絶縁膜24の表面に対
し、レジストプロセスにより所定のパターニングが施さ
れたレジスト膜25を形成し(図4(d))、ドライエッチ
ングを行うことにより、レジスト膜25の窓開け部分に
露出した層間絶縁膜24を除去する(図4(e))。そし
て、上述のレジスト膜25を除去した後、配線薄膜を全
面成膜し、パターニングを施して第2層目の配線(金属
配線層)26を形成する。
【0047】これにより、層間絶縁膜24が除去された
窓開け部分27で、第1層目の配線23と第2層目の配
線26とが電気的に接続され、その結果、多層配線を有
する半導体装置35を得ることができる(図4(f))。
【0048】本実施の形態によれば、低比誘電率化した
ポリイミド膜によって層間絶縁膜24を構成しているの
で、第1層目の配線23と第2層目の配線26との間で
形成されるコンデンサーの容量が非常に小さくなり、半
導体装置35の動作速度を大幅に向上させることができ
る。
【0049】また、本実施の形態によれば、安定した特
性を有する半導体装置35を簡易な工程で得ることがで
きる。
【0050】なお、本発明は上述の実施の形態に限られ
ることなく、種々の変更を行うことができる。例えば、
蒸着重合によって形成されたポリイミド膜に対して紫外
線を照射することもできる。これによりポリイミド膜の
耐熱性をさらに向上させることが可能になる。
【0051】さらに、本発明は半導体装置の層間絶縁膜
のみならず、種々の絶縁膜に適用することができる。た
だし、本発明は半導体装置の層間絶縁膜に適用した場合
により効果的となるものである。
【0052】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を比較例とと
もに説明する。 〔実施例1〕図2(a)(b)及び図3(a)(b)に
示す成膜装置1を用いて基板8上に比誘電率測定用の素
子を作成した。
【0053】まず、第3の処理室6のホットプレート6
3上に、例えば6インチサイズの基板8を載置し、スパ
ッタリングターゲット62としてアルミニウムターゲッ
トを用い、スパッタリングによって基板8上に厚み50
0nmの下部電極を形成する。この場合、基板8の温度
を150℃に保ち、スパッタリング中の第3の処理室6
内の圧力は5×10-3Paとした。
【0054】次に、図示しない搬送ロボットを用い、コ
ア室2を介して基板8を第1の処理室4内に搬入し、蒸
着重合により基板8上にポリイミド膜を形成する。ポリ
イミド膜を形成するための原料モノマーA、Bとして
は、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル(ODA)と、ピ
ロメリト酸二無水物(PMDA)を用い、高真空中(3×
10-3Pa)においてODAは122.5+0.1℃、P
MDAについては123+0.1℃の温度で同時に蒸発
させ、各原料モノマーA、Bの蒸発速度を制御した。
【0055】この場合、ODAとPMDAの組成比は、
膜中での化学量論比で1:1となるように制御した。ま
た、基板8の温度は、30℃、40℃、50℃、60℃
となるように制御した。
【0056】このようにしてポリイミド膜を作成した
後、基板8を装置から取り出し、ポリイミド膜に対して
所定の加熱処理を行った。
【0057】この場合、加熱処理の条件は、昇温速度5
℃/minで400℃まで加熱し、温度400℃で30
分間保持した。この時点におけるポリイミド膜の厚みは
500nmであった。
【0058】このような加熱処理を行った後、コア室2
を介して基板8を再度第1の処理室4内に搬入し、下部
電極の場合と同様の条件でアルミニウムをスパッタリン
グして上部電極を形成し、比誘電率測定用の素子を作成
した。この素子について比誘電率を測定したところ、基
板8の温度が30℃の場合は3.03、40℃の場合は
2.91、50℃の場合は2.84、60℃の場合は2.
77となり、基板8の温度が高くなるほど比誘電率は低
い値を示した。
【0059】この場合、比誘電率の値は、横河ヒューレ
ットパッカード社製のマルチ・フリケンシLCRメータ
(モデル4275A)を使用して静電容量を測定し、計
算によって求めた。
【0060】〔比較例1〕実施例1と同様の方法によっ
て下部電極を形成し、基板8の温度を20℃に保持しつ
つその他は実施例1と同一の条件でポリイミド膜を形成
し、さらに上部電極を形成して比誘電率測定用の素子を
作成した。この素子について実施例1と同様の方法によ
りポリイミド膜の比誘電率を測定したところ、3.28
であった。
【0061】〔実施例2〕ポリイミド膜を形成するため
の原料モノマーA、Bとして、2,2-ビス[4-(4-アミノフ
ェノキシ)フェニル]ヘキサフロロプロパンと、2,2-ビス
(3,4フェニルカルボキシル)-ヘキサフロロプロパン二無
水物を用い、前者は163.0+0.1℃、後者について
は、167+0.1℃の温度で同時に蒸発させてポリイミ
ド膜を形成し、その他は実施例1と同一の条件で比誘電
率測定用の素子を作成した。
【0062】この素子について実施例1と同様の方法に
より比誘電率を測定したところ、基板8の温度が30℃
の場合は2.78、40℃の場合は2.73、50℃の場
合は2.66、60℃の場合は2.60となり、実施例1
と同様に基板8の温度が高くなるほど比誘電率は低い値
を示した。
【0063】〔比較例2〕実施例2と同様の方法によっ
て下部電極を形成し、基板8の温度を20℃に保持しつ
つその他は実施例2と同一の条件でポリイミド膜を形成
し、さらに上部電極を形成して比誘電率測定用の素子を
作成した。この素子について実施例2と同様の方法によ
りポリイミド膜の比誘電率を測定したところ、2.85
であった。
【0064】上述した実施例1、2及び比較例1、2か
ら明らかなように、本発明によれば、蒸着重合の際に基
板8の温度を30℃以上に保持することにより、ポリイ
ミド膜の比誘電率を所望の低い値にすることができた。
【0065】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、安定
した特性を有する低比誘電率の高分子膜を簡易な工程で
得ることができる。そして、本発明によって多層配線の
半導体装置の層間絶縁膜を形成すれば、動作速度が大き
く、かつ、安定した特性を有する半導体装置を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a):本発明における基体の温度と高分子膜
(ポリイミド膜)の密度との関係を示すグラフ (b):本発明における基体の温度と高分子膜(ポリイミ
ド膜)の比誘電率との関係を示すグラフ
【図2】(a):本発明を実施するための成膜装置の一例
の概略構成図 (b):図2(a)の成膜装置における第1の処理室の概略
構成図
【図3】(a):図2(a)の成膜装置における第2の処理
室の概略構成図 (b):図2(a)の成膜装置における第3の処理室の概略
構成図
【図4】(a)〜(f):本発明を用いて半導体装置の層間
絶縁膜を形成する工程の一例を示す工程図
【符号の説明】
1…成膜装置 2…コア室 3…L/UL室 4…第1
の処理室 5…第2の処理室 6…第3の処理室 8…
基板(基体) 21…半導体基板 22…シリコン熱酸
化膜 23…第1層目の配線 24…層間絶縁膜 24
a…ポリイミド膜25…レジスト膜 26…第2層目の
配線 31…基板 35…半導体装置 A、B…原料モ
ノマー 40A、40B…蒸発源 41A、41B…導
入管 45A、45B…バルブ 47…混合槽 48…
ヒーター 50…ホットプレートH…ヒーター

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蒸着重合によって基体上に形成された蒸着
    膜の密度が1.4g/cm3以下であることを特徴とする低
    比誘電性高分子膜。
  2. 【請求項2】蒸着重合によって基体上に形成された蒸着
    膜の密度が1.4g/cm3以下であることを特徴とする低
    比誘電性ポリイミド膜。
  3. 【請求項3】真空中で原料モノマーを蒸発させ、これら
    を基体上で蒸着重合させて高分子膜を形成する際に、上
    記基体の温度を30℃以上に保持することを特徴とする
    低比誘電性高分子膜の形成方法。
  4. 【請求項4】ポリイミドの原料モノマーとして、4,4′-
    ジアミノジフェニルメタン、4,4′-ジアミノジフェニル
    エーテル、4,4′-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニ
    ル、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2′-
    ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフロロプ
    ロパン、2,2′-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]
    プロパン、3,3′-ジメチル-4,4′-ジアミノビフェニル、
    又は3,3′-ジメトキシ-4,4′-ジアミノビフェニルのい
    ずれかのジアミンモノマーと、 ピロメリト酸二無水物、2,2′-ビス(3,4-フェニルカル
    ボキシル)-ヘキサフロロプロパン二無水物、4,4′-ビフ
    タル酸二無水物、ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン
    酸二無水物又は3,3′-4,4′-ベンゾフェノンテトラカル
    ボン酸二無水物のいずれかの酸成分モノマーとを用いる
    ことを特徴とする請求項3記載の低比誘電性高分子膜の
    形成方法。
  5. 【請求項5】半導体基体上に形成された金属配線層の間
    に請求項1又は2のいずれか1項記載の低比誘電性高分
    子膜が形成されていることを特徴とする層間絶縁膜。
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