JPH11106255A - 誘電体磁器組成物およびその製造方法 - Google Patents
誘電体磁器組成物およびその製造方法Info
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- JPH11106255A JPH11106255A JP9267585A JP26758597A JPH11106255A JP H11106255 A JPH11106255 A JP H11106255A JP 9267585 A JP9267585 A JP 9267585A JP 26758597 A JP26758597 A JP 26758597A JP H11106255 A JPH11106255 A JP H11106255A
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Abstract
を得る。 【解決手段】金属元素として少なくとも稀土類元素(L
n)、Al、M(MはCaおよびSrのうち少なくとも
1種以上)、Ba及びTiを含有し、これらの金属元素
のモル比による組成式をaLn2 OX ・bAl2 O3 ・
cMO・dBaO・eTiO2 と表したとき、前記a、
b、c、d、eおよびxが、0.056≦a≦0.45
0、0.056≦b≦0.450、0.100≦c≦
0.500、0≦d≦0.100、0.100<e<
0.470、3≦x≦4、ただし、0.75≦b/a≦
1.25、0.75≦e/(c+d)≦1.25、a+
b+c+d+e=1の範囲内にあり、相対密度95%以
上、気孔率2%以下、平均結晶粒径1〜30μm、結晶
相としてα−Al2 O3 を含むことを特徴とする。
Description
波等の高周波領域において、εr、Q値が高く、τfを
ゼロ付近に安定に制御し、製造上εr、Q値およびτf
特性のばらつきの小さい誘電体磁器組成物及びその製造
方法に関するものであり、例えば、マイクロ波やミリ波
などの高周波領域において使用される種々の共振器用材
料やMIC用誘電体基板材料、誘電体導波路用材料や積
層型セラミックコンデンサー等に用いることができる誘
電体磁器組成物及びその製造方法に関する。
高周波領域において、誘電体共振器、MIC用誘電体基
板や導波路等に広く利用されている。そこに要求される
特性として(1)誘電体中では波長が1/εr1/2 に
短縮されるので、小型化の要求に対して比誘電率が大き
い事、(2)高周波での誘電損失が小さい事、すなわち
高Qであること、(3)共振周波数の温度に対する変化
が小さいこと、即ち、比誘電率の温度依存性が小さく且
つ安定であること、以上の3特性が主として挙げられ
る。
は、特開平6−76633号に示されるLnAlCaT
i系(Lnは稀土類元素)の誘電体磁器組成物を提案し
た。
AlCaTi系誘電体磁器組成物では、比誘電率εrが
34〜46と高く、Q値は20000以上と大きくでき
るものの、Q値が低いという課題があった。
もので、高Q値である誘電体磁器組成物を提供するもの
である。
対し、検討を重ねた結果、以下に示した誘電体磁器組成
物を製造することにより、Q値が高い誘電体磁器組成物
及びその製造方法を提供できることを知見した。
類元素(Ln)、Al、M(MはCaおよびSrのうち
少なくとも1種以上)、Ba、及びTiを含有し、これ
らの金属元素のモル比による組成式をaLn2 OX ・b
Al2 O3 ・cMO・dBaO・eTiO2 と表したと
き、前記a、b、c、d、eおよびxが 0.056≦a≦0.450 0.056≦b≦0.450 0.100≦c≦0.500 0≦d≦0.100 0.100<e<0.470 3≦x≦4 ただし、0.75≦b/a≦1.25 0.75≦e/(c+d)≦1.25 a+b+c+d+e=1 の範囲内にあり、相対密度95%以上、気孔率5%以
下、平均結晶粒径1〜30μmであり、結晶相としてα
−Al2 O3 を含むことを特徴とする。さらに次の要件
を満足すると、Q値が高くなることを知見した。
イト型構造の結晶相の量に比べて体積で1/10000
0以上1/10以下の誘電体磁器組成物であることを特
徴とする。ペロブスカイト型構造の結晶相はLnAlO
(X+3)/2 (ただし3≦x≦4)とMBaTiO3 (Mは
CaおよびSrのうち少なくとも1種以上)との固溶体
を含むものからなることが望ましい。
らなる結晶の粒界に存在するα−Al2 O3 の体積が、
ペロブスカイト型構造の結晶相からなる結晶の粒内に存
在するα−Al2 O3 の体積よりも多い誘電体磁器組成
物であることを特徴とする。ペロブスカイト型構造の結
晶相はLnAlO(X+3)/2 (ただし3≦x≦4)とMB
aTiO3 (MはCaおよびSrのうち少なくとも1種
以上)との固溶体を含むものからなることが望ましい。
(Lnは稀土類元素)の量が、ペロブスカイト型構造の
結晶相の量に比べて体積で1/10以下(ゼロを含む)
である誘電体磁器組成物であることを特徴とする。ペロ
ブスカイト型構造の結晶相はLnAlO(X+3)/2 (ただ
し3≦x≦4)とMBaTiO3 (MはCaおよびSr
のうち少なくとも1種以上)との固溶体を含むものから
なることが望ましい。
とは、焼結体のことを意味している。
成分のモル比a、b、c、d、eを上記の範囲に限定し
た理由は以下の通りである。
のは、a<0.056の場合はτfが正に大きくなり、
τfの絶対値が30を越えてしまうからであり、a>
0.450の場合はQ値が20000よりも低下すると
ともに、τfが負に大きくなり、その絶対値が30を越
えてしまうからである。特に、0.078≦a≦0.4
00が好ましい。
のは、b<0.056の場合はQ値が30000よりも
低下し、τfが正に大きくなり、b>0.450の場合
はQ値が30000よりも低下し、τfが負に大きくな
るためである。特に、0.078≦b≦0.400が好
ましい。
たのは、c<0.100の場合はQ値が30000より
も低下し、τfが負に大きくなり、c>0.500の場
合はQ値が低下し、τfが正に大きくなり、その絶対値
が30を越えてしまうからである。特に、0.150≦
c≦0.450が好ましい。
0.100<dであるとQ値が低下するからである。
のは、e≦0.100の場合はτfが負に大きくなり、
e≧0.470の場合はQ値が30000よりも低下し
τfが正に大きくなるからである。特に、0.150≦
e≦0.420が好ましい。
のは、b/a<0.75であるとQ値が低下するからで
り、、b/a>1.25であるとQ値が低下するからで
ある。
5としたのは、e/(c+d)<0.75であるとQ値
が低下するからでり、e/(C+d)>1.25である
とQ値が低下するからである。
e、Pr、Sm、Eu、Gd、Dy、Er、Yb、Nd
等がある。これらの稀土類元素の酸化物Ln2 OX (た
だし3≦x≦4)としては、例えばY2 O3 、La2 O
3 、CeO2 、Pr6 O11、Sm2 O3 、Eu2 O3 、
Gd2 O3 、Dy2 O3 、Er2 O3 、Yb2 O3 、N
d2 O3 がある。これらの稀土類元素は、Y、La、S
m、Gd、Dy、Er、Yb、Ndが望ましく、La、
Ndが特に望ましい。
記組成物を主成分として、これにZnO、NiO、Sn
O2 、Co3 O4 、MnCO3 、ZrO2 、WO3 、L
iCO3 、Rb2 CO3 、Sc2 O3 、V2 O5 、Cu
O、SiO2 、MgCO3 、Cr2 O3 、B2 O3 、G
eO2 、Sb2 O5 、Nb2 O5 、Ta2 O5 等を添加
しても良い。これらは、その添加成分にもよるが、主成
分100重量部に対して6重量部以下の割合で添加する
ことができる。
相対密度95%以上、気孔率5%以下、平均結晶粒径1
〜30μmとしたのは高いQ値が得られ、これ以外の範
囲ではεrおよびQ値が低下するからである。結晶粒径
は焼結体内部を無作為に10箇所以上SEM写真を撮
り、これらを平均して求める。そのためには写真100
cm2 にあたり50〜200個程度の結晶が写る倍率が
望ましい。
としてα−Al2 O3 のを含むのはQ値を高くするため
であり、α−Al2 O3 が存在しないとQ値が低くなる
からである。Q値を高くするためには、α−Al2 O3
量が、ペロブスカイト型構造の結晶相の量に比べて体積
で1/100000以上1/10以下であることが望ま
しい。1/100000より小さい場合や、1/10よ
り大きい場合はQ値が低下する。Q値を高くするために
は、α−Al2 O3 量がペロブスカイト型構造の結晶相
の量に比べて体積で1/10000以上1/30以下が
特に望ましい。Q値を高くするためには、ペロブスカイ
ト型構造の結晶相はLnAlO(X+3)/2(ただし3≦x
≦4)とMBaTiO3 の固溶体(MはCaおよびSr
のうち少なくとも1種以上)を含むものであることが望
ましい。
イト型構造の結晶相からなる結晶の粒界に存在するα−
Al2 O3 の体積が、ペロブスカイト型構造の結晶相か
らなる結晶の粒内に存在するα−Al2 O3 の体積より
も多いことが望ましい。Q値を高くするためにはペロブ
スカイト型構造の結晶相からなる結晶の粒界に存在する
α−Al2 O3 の体積が、ペロブスカイト型構造の結晶
相からなる結晶の粒内に存在するα−Al2 O3 の体積
の3倍以上であることが特に望ましい。
相Ln2 OX (3≦x≦4)(Lnは稀土類元素)の量
が、ペロブスカイト型結晶相の量に比べて体積で1/1
0以下であることを特徴とするのは、高いQ値が得られ
るからであり、1/10より大きいとQ値が低下するか
らである。Q値を高くするためには、結晶相Ln2 OX
(3≦x≦4)(Lnは稀土類元素)の量が、ペロブス
カイト型結晶相の量に比べて体積で1/15以下が特に
望ましい。またQ値を高くするためには、ペロブスカイ
ト型結晶相はLnAlO(X+3)/2 (ただし3≦x≦4)
とMTiO3 の固溶体(MはCa、SrおよびBaのう
ち少なくとも1種以上)を含むものであることが望まし
い。
2 O3 、Ln2 OX (3≦x≦4)(Lnは稀土類元
素)の存在は、焼結体内部をTEM(透過型電子顕微
鏡)を用いてX線スペクトルを測定することにより確認
する。また、ペロブスカイト型構造の結晶相、α−Al
2 O3 、Ln2 OX (3≦x≦4)(Lnは稀土類元
素)の存在量の体積比較はTEMを用いて以下の方法に
より行う。
晶全体が写っている結晶の結晶相を結晶粒子毎に同定す
る。TEMの倍率は写真100cm2 当たり、結晶全体
が写っている結晶が10〜50個程度となる様にする。
TEM写真に含まれる面積を同じ結晶相毎に合計し、こ
れらの面積比を便宜的に体積比とする。また、結晶粒
内、粒界に存在するα−Al2 O3 の体積比も同様にし
て求める。
は、以下の製造方法により製造することが必要である。
l、M(MはCaおよびSrのうち少なくとも1種以
上)、Ba及びTiの酸化物、炭酸塩、窒化物、炭化物
等の焼成により酸化物に変化する原料を用い、これらの
金属元素のモル比による組成式をaLn2 OX ・bAl
2 O3 ・cMO・dBaO・eTiO2 と表したとき、
前記a、b、c、d、eおよびxが 0.056≦a≦0.450 0.056≦b≦0.450 0.100≦c≦0.500 0≦d≦0.100 0.100<e<0.470 3≦x≦4 ただし、0.75≦b/a≦1.25 0.75≦e/(c+d)≦1.25 a+b+c+d+e=1 の範囲内にある原料を粉砕して、メジアン粒子径0.4
〜2.2μmとし、この粉砕物を1000〜1300℃
で1〜10時間仮焼後、メジアン粒子径0.4〜2.2
μmに湿式粉砕する。このスラリ−に熱分解温度100
〜800℃の有機バインダ−を2〜10重量%添加後造
粒し、相対密度45〜70%にて任意形状に成形、有機
バインダ−に含まれる炭素を熱処理により95%以上除
去し、昇温速度5〜300℃/時間で昇温、相対密度9
5%以上に達する温度にて1450℃〜1650℃で1
時間〜20時間保持し、最高温度から700℃までを降
温速度5〜300℃/時間で降温することにより、α−
Al2 O3 結晶相を生成させて本発明の誘電体磁器組成
物を得ることができる。望ましくは上記と同様にして仮
焼、粉砕後得られたスラリ−に、分散剤例えばポリアク
リル酸アンモニウム等を添加して、等電位点よりもpH
を1以上変更してスラリ−の電位を変更した後、鋳込み
成形等の成形型中でスラリー粒子を沈降させる方法で成
形する。分散剤は飽和吸着量の2〜10倍添加すること
が望ましい。鋳込み成形後上記と同様にしてバインダ−
除去、焼成を行い、本発明の誘電体磁器組成物を得るこ
とができる。
例えば以下の通りである。出発原料として、高純度の酸
化ネオジウム、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭
酸ストロンチウム、炭酸バリウム、酸化チタンの各粉末
を用いて、所望の割合となるように秤量後、純水を加
え、混合原料のメジアン粒子径が0.4〜2.2μmと
なるまで1〜100時間、ジルコニアボール等を使用し
たミルにより湿式混合・粉砕を行う。この混合物を乾燥
後、1000〜1300℃で1〜10時間仮焼する。こ
うして得られた仮焼物をメジアン粒子径が0.4〜2.
2μmとなるまで1〜100時間、ジルコニアボール等
を使用したミルにより湿式混合・粉砕を行う。さらに2
〜10重量%の熱分解温度100〜800℃の有機バイ
ンダーを加えてから脱水し、その後造粒または整粒す
る。
法、例えば、金型プレス、冷間静水圧プレス、押し出し
成形等により相対密度45〜70%にて任意形状に成形
後、空気中500℃で3時間保持して有機バインダ−に
含まれる炭素を95%以上除去し、昇温速度5〜300
℃/時間で昇温、相対密度95%以上に達するまで最高
温度1450℃〜1650℃で1時間〜20時間保持、
最高温度から500℃まで降温速度5〜300℃/時間
で降温することにより、α−Al2 O3 結晶相を生成さ
せて本発明の誘電体磁器組成物を得ることができる。
リ−にポリアクリル酸アンモニウム等を添加して0.1
〜2mg/m2 吸着させ、電位点よりもpHを3〜4高
くした後、鋳込み成形等の成形型内でスラリー中の粒子
を沈降させる方法で成形する。その後上記と同様にして
バインダ−の除去、焼成を行い、本発明の誘電体磁器組
成物を得ることができる。
ネオジウムを稀土類酸化物のうち少なくともひとつ以上
に置き換えてもよい。
させる成形方法としては、上述した鋳込み成形や遠心成
形等を行うことができる。
(Nd2 O3 )、酸化アルミニウム(Al2 O3 )、炭
酸カルシウム(CaCO3 )、炭酸ストロンチウム(S
rCO3 )、炭酸バリウム(BaCO3 )、酸化チタン
(TiO2 )の各粉末を用いてそれらを表1のモル比の
割合となるように秤量後、純水を加え、混合原料のメジ
アン粒径が2.2μm以下となるまで、ボ−ルミルによ
り約20時間湿式混合、粉砕、乾燥後、1200℃で2
時間仮焼した。
下となるまで、ミルにより約20時間湿式混合、粉砕を
行った。さらに得られたスラリ−に熱分解温度が150
〜500℃であるバインダ−を5重量%加えてからスプ
レ−ドライにより整粒した。得られた整粒粉体を相対密
度45〜70%となる圧力で円板状に成形し、空気中5
00℃で3時間熱処理して有機バインダ−に含まれる炭
素分を95%以上除去し、昇温速度50℃/時間で昇
温、1450〜1650℃の温度で2時間保持、最高温
度から800℃まで降温速度10℃/時間で降温、80
0℃から室温まで100℃/時間で降温して焼成した。
セトン中で超音波洗浄し、120℃で1時間乾燥した
後、円柱共振器法により測定周波数3.5〜4.5GH
zで比誘電率εr、Q値、共振周波数の温度係数τfを
個測定した。Q値は、マイクロ波誘電体において一般に
成立するQ値×測定周波数f=−定の関係から1GHz
でのQ値に換算した。共振周波数の温度係数τfは、−
40〜85℃の範囲で測定した。また、相対密度、気孔
率を測定した。
2 O3 、Nd2 O3 の存在は、焼結体内部をTEM(透
過型電子顕微鏡)を用いてX線スペクトルを測定するこ
とにより確認した。また、ペロブスカイト型構造の結晶
相、α−Al2 O3 、Nd2O3 の存在量の体積比較は
TEMを用いて以下の方法により行った。
結晶粒子全体が写っている結晶粒子の結晶相を結晶粒子
毎に同定した。TEMの倍率は、写真100cm2 当た
り結晶が40個程度写る様にした。TEM写真に含まれ
る面積を同じ結晶相毎に合計し、これらの面積比を便宜
的に体積比とした。また、結晶粒内、粒界に存在するα
−Al2 O3 の体積比も同様に求めた。
表1から明らかなように、各成分の組成比が本発明の範
囲内のもの(No.1〜17)は、比誘電率εrが31
以上、Q値が30000(1GHzにおいて)以上の優
れた誘電特性が得られた。また、ペロブスカイト型構造
の結晶相はNdAlO3 とMBaTiO3 (MはCaお
よびSrのうち少なくとも1種以上)との固溶体であっ
た。
〜39)は、Q値が低いか、またはτfの絶対値が大き
く30を越えた。
純度の稀土類酸化物(Ln2 OX (ただし3≦x≦
4)、具体的にはY2 O3 、La2 O3 、CeO2 、P
r6 O11、Sm2 O3 、Eu2 O3 、Gd2 O3 、Dy
2 O3 、Er2 O3 、Yb2 O3、Nd2 O3 )、酸化
アルミニウム(Al2 O3 )、炭酸カルシウム(CaC
O3 )、炭酸ストロンチウム(SrCO3 )、炭酸バリ
ウム(BaCO3 )、酸化チタン(TiO2 )の各粉末
を用いてそれらを表2のモル比の割合となるように秤量
後、純水を加え、混合原料のメジアン粒径が2.2μm
以下となるまで、ボ−ルミルにより約20時間湿式混
合、粉砕、乾燥後、1200℃で2時間仮焼した。
下となるまで、ミルにより約20時間湿式混合、粉砕を
行った。さらに得られたスラリ−に熱分解温度が150
〜500℃であるバインダ−を5重量%加えてからスプ
レ−ドライにより整粒した。得られた整粒粉体を相対密
度45〜70%となる圧力で円板状に成形し、空気中5
00℃で3時間熱処理して有機バインダ−に含まれる炭
素分を95%以上除去し、昇温速度50℃/時間で昇
温、1450〜1650℃の温度で2時間保持、最高温
度から800℃まで降温速度10℃/時間で降温、80
0℃から室温まで100℃/時間で降温して焼成した。
セトン中で超音波洗浄し、120℃で1時間乾燥した
後、円柱共振器法により測定周波数3.5〜4.5GH
zで比誘電率εr、Q値、共振周波数の温度係数τfを
個測定した。Q値は、マイクロ波誘電体において一般に
成立するQ値×測定周波数f=−定の関係から1GHz
でのQ値に換算した。共振周波数の温度係数τfは、−
40〜85℃の範囲で測定した。また、相対密度、気孔
率を測定した。
2 O3 、Ln2 OX (3≦x≦4)(Lnは稀土類元
素)の存在は、焼結体内部をTEM(透過型電子顕微
鏡)を用いてX線スペクトルを測定することにより確認
した。また、ペロブスカイト型構造の結晶相、α−Al
2 O3 、Ln2 OX (3≦x≦4)(Lnは稀土類元
素)の存在量の体積比較はTEMを用いて以下の方法に
より行った。
粒子全体が写っている結晶粒子の結晶相を結晶粒子毎に
同定した。TEMの倍率は、写真100cm2 当たり結
晶が40個程度写る様にした。TEM写真に含まれる面
積を同じ結晶相毎に合計し、これらの面積比を便宜的に
体積比としたこの結果を表2のNo.40〜90に示
す。表2から明らかなように、各成分の組成比が本発明
の範囲内のもの(No.40〜90)は、比誘電率εr
が31以上、Q値が30000(1GHzにおいて)以
上の優れた誘電特性が得られた。また、ペロブスカイト
型構造の結晶相はLnAlO(X+3)/2 (ただし3≦x≦
4)とMBaTiO3 (MはCaおよびSrのうち少な
くとも1種以上)との固溶体であった。
〜112)は、Q値が低いか、またはτfの絶対値が大
きく30を越えた。
して高純度の稀土類酸化物(Ln2OX (ただし3≦x
≦4)、具体的にはY2 O3 、La2 O3 、CeO2 、
Pr6 O11、Sm2 O3 、Eu2 O3 、Gd2 O3 、D
y2 O3 、Er2 O3 、Yb2 O3 、Nd2 O3 )、酸
化アルミニウム(Al2 O3 )、炭酸カルシウム(Ca
CO3 )、炭酸ストロンチウム(SrCO3 )、炭酸バ
リウム(BaCO3 )、酸化チタン(TiO2 )の各粉
末を用いてそれらを表2、3のモル比の割合となるよう
に秤量後、純水を加え、混合原料のメジアン粒径が2.
2μm以下となるまで、ボ−ルミルにより約20時間湿
式混合、粉砕、乾燥後、1200℃で2時間仮焼した。
下となるまで、ミルにより約20時間湿式混合、粉砕を
行った。得られたスラリ−に、分散剤としてポリアクリ
ル酸アンモニウムを添加して、等電位点よりもpHを2
〜5高くしてスラリ−の電位を変更した後、鋳込み成形
した。ポリアクリル酸アンモニウムの添加量は飽和吸着
量の2〜10倍であった。鋳込み成形後実施例1、2と
同様にしてバインダ−除去、焼成等を行い、同様の評価
を行った。
換算において30000以上のQ値が得られた。
整をしなかった場合はQ値が20000よりも低くなっ
た。
周波領域において高い誘電率及び高いQ値を得る事がで
きる。これにより、マイクロ波やミリ波領域において使
用される共振器用材料やMIC用誘電体基板材料、誘電
体導波線路、誘電体アンテナ、その他の各種電子部品等
に充分適用することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】金属元素として少なくとも稀土類元素(L
n)、Al、M(MはCaおよびSrのうち少なくとも
1種以上)、Ba、及びTiを含有し、これらの金属元
素のモル比による組成式をaLn2 OX ・bAl2 O3
・cMO・dBaO・eTiO2 と表したとき、前記
a、b、c、d、eおよびxが 0.056≦a≦0.450 0.056≦b≦0.450 0.100≦c≦0.500 0≦d≦0.100 0.100<e<0.470 3≦x≦4 ただし、0.75≦b/a≦1.25 0.75≦e/(c+d)≦1.25 a+b+c+d+e=1 の範囲内にあり、相対密度95%以上、気孔率5%以
下、平均結晶粒径1〜30μm、結晶相としてα−Al
2 O3 を含むことを特徴とする誘電体磁器組成物。 - 【請求項2】α−Al2 O3 量が、ペロブスカイト型構
造の結晶相の量に比べて体積で1/100000以上1
/10以下であることを特徴とする請求項1記載の誘電
体磁器組成物。 - 【請求項3】ペロブスカイト型構造の結晶相からなる結
晶の粒界に存在するα−Al2 O3の体積が、ペロブス
カイト型構造の結晶相からなる結晶の粒内に存在するα
−Al2 O3 の体積よりも、多いことを特徴とする請求
項1および2記載の誘電体磁器組成物。 - 【請求項4】結晶相Ln2 OX (3≦x≦4)(Lnは
稀土類元素)の量が、ペロブスカイト型構造の結晶相の
量に比べて体積で1/10以下であることを特徴とする
請求項1、2および3記載の誘電体磁器組成物。 - 【請求項5】ペロブスカイト型構造の結晶相がLnAl
O(X+3)/2 (ただし3≦x≦4)とMBaTiO3 (M
はCaおよびSrのうち少なくとも1種以上)との固溶
体を含むものであることを特徴とする請求項1、2、3
および4記載の誘電体磁器組成物。 - 【請求項6】仮焼、粉砕後のスラリ−に分散剤を添加し
て、等電位点のpHよりもpHを1以上変更した後、上
記スラリー中の粒子を成形型内で沈降させて成形する工
程を有することを特徴とする請求項1,2,3,4およ
び5記載の誘電体磁器組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26758597A JP3559434B2 (ja) | 1997-09-30 | 1997-09-30 | 誘電体磁器組成物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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