JP4959043B2 - 誘電体磁器組成物及びその製造方法並びに誘電体共振器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波、ミリ波等の高周波領域において、高い比誘電率εr 、共振の先鋭度Q値を有する誘電体磁器組成物及び誘電体共振器に関し、例えば前記高周波領域において使用される種々の共振器用材料やMIC(Monolithic IC)用誘電体基板材料、誘電体導波路用材料や積層型セラミックコンデンサー等に使用される誘電体磁器組成物及び誘電体共振器に関する。
【0002】
【従来の技術】
誘電体磁器は、マイクロ波やミリ波等の高周波領域において、誘電体共振器、MIC用誘電体基板や導波路等に広く利用されている。その要求される特性としては、(1)誘電体中では伝搬する電磁波の波長が(1/εr)1/2に短縮されるので、小型化の要求に対して比誘電率が大きいこと、(2)高周波領域での誘電損失が小さいこと、すなわち高Qであること、(3)共振周波数の温度に対する変化が小さいこと、即ち比誘電率εrの温度依存性が小さく且つ安定であること、以上の3特性が主として挙げられる。
【0003】
これらを満たすものとして、本出願人は、LnAlCaTi系(特開平6−76633号公報参照、Lnは稀土類元素)およびLnAlSrCaTi系の誘電体磁器組成物(特開平11−278927号参照)を提案した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、LnAlCaTi系誘電体磁器組成物(特開平6−76633号公報参照)では、比誘電率εrが30〜47でQ値が20000〜58000であり、場合によってはQ値が35000より小さくなるのでQ値を向上させるという課題があった。また、LnAlSrCaTi系の誘電体磁器組成物(特開平11−278927号参照)では比誘電率εrが30〜48でQ値が20000〜75000であり、場合によってはQ値が35000より小さくなるのでQ値を向上させるという課題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて完成されたもので、その目的は比誘電率εrが30〜48の範囲においてQ値35000以上、特にεrが40以上の範囲においてQ値が40000以上と高く、かつ比誘電率εrの温度依存性が小さくかつ安定である誘電体磁器組成物及び誘電体共振器を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の誘電体磁器組成物の製造方法は、組成式をaLn2OX・bAl2O3・cMO・dTiO2(但し、3≦x≦4、MはCaまたは/およびSr)と表したときa、b、c、dが、0.056≦a≦0.214、0.056≦b≦0.214、0.286≦c≦0.500、0.230<d<0.470、a+b+c+d=1を満足する誘電体磁器組成物の製造方法であって、Ln成分とAl成分、および、M成分とTi成分の出発原料をそれぞれ仮焼し、得られた各々の仮焼物を混合粉砕したものを所定形状に成形した後、1000℃から1400℃までの平均昇温速度を5〜100℃/時間で昇温し、 さらに1400℃以上での昇温速度を310〜500℃/時間で昇温し、さらにまた1500℃〜1700℃で少なくとも15時間以上焼成する工程を含むことを特徴とする。
【0011】
【作用】
本発明の誘電体磁器組成物では、比誘電率εrが大きく、Q値が高く、比誘電率εrの温度依存性が小さい。
【0012】
また本発明の誘電体磁器組成物の製造方法によれば、1000℃から1400℃までの平均昇温速度を5〜100℃/時間で昇温し、さらに1400℃以上での昇温速度を310〜500℃/時間で昇温し、さらにまた1500℃〜1700℃で少なくとも15時間以上焼成することにより、高いQ値を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明について以下に説明する。本発明における誘電体磁器組成物とは、未焼結体を成形し、焼成して得られる焼結体のことを意味している。そして、Q値を高くするためには、M(以下、MはCaまたは/およびSr)およびTiの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶の平均粒径が、稀土類元素(Ln)およびAlの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶の平均粒径よりも大きいことが重要である。
【0014】
好ましくはMおよびTiの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶の平均粒径が12〜100μm、稀土類元素(Ln)およびAlの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶の平均粒径が3μm以上12μm未満であることが重要である。さらに好ましくはMおよびTiの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶の平均粒径が15〜60μm、稀土類元素(Ln)およびAlの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶の平均粒径が5μm以上10μm以下であることが重要である。
【0015】
ここで、結晶粒径の測定、M(MはCaまたは/およびSr)およびTiの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶の特定、並びに稀土類元素(Ln)およびAlの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶の特定は、以下の(A)〜(D)の通り測定、定義する。
【0016】
(A)焼結体の内部を無作為に4箇所以上選びサンプルを取る。これらのサンプルの断面を平面研磨、鏡面仕上する。鏡面仕上げしたサンプルを熱エッチング法により、例えば1450℃15分の熱処理を行い、SEM像で結晶の形が観察できる様にする。熱処理温度は1200〜1550℃、保持時間は1分から2時間程度の範囲であれば良いが、SEMで結晶の形が観察できること、および粒界が明瞭に観察できる様にすることが重要である。
熱処理後、各々のサンプルについて20〜100個程度の結晶粒径を次の条件で測定する。波長分散型X線マイクロアナライザ−を用いて、加速電圧15kV、プローブ電流5×10-10A程度、倍率300〜3000倍程度での反射電子像の写真をとる。こうして得られた写真の各々の結晶粒径を測定する。粒径は画像解析法により測定する。この方法で粒径Hdは下記の通り求められる。
Hd=2(A/π)1/2
ここで、Aは粒子内面積である。
【0017】
(B)(A)で結晶粒径を測定した各々の結晶について、加速電圧15kV、プローブ電流1.0×10-8A〜1.0×10-7A程度の条件で、稀土類元素(Ln)、Al、MおよびTi各元素の特性X線の強度を求め、各元素毎に特性X線の強度の平均値ILn、IAl、IM、ITiを求める。IMはCaの特性X線の強度の平均値とSrの特性X線の強度の平均値の和とする。複数の稀土類元素を含有する場合ILnは含有する稀土類元素の強度の平均値の総和とする。この場合、粒径がおよそ5μm以下の結晶は、測定する結晶以外の結晶の影響をできるだけ受けない様プローブ電流の設定などに注意する必要がある。
(C)各々の結晶の各元素の強度とILn、IAl、IM、ITiとの大小を比較する。稀土類元素(Ln)およびAlの強度がIMおよびIAlよりも大きい結晶を稀土類元素(Ln)およびAlの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶相と定義する。MおよびTiの強度がIMおよびITiよりも大きい結晶を、MおよびTiの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶相と定義する。ただし、稀土類元素(Ln)、Al、MおよびTiの全ての強度がILn、IAl、IMおよびITiより大きい結晶は、稀土類元素(Ln)およびAlの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶相、並びにMおよびTiの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶相とは定義しない。
(D)上記以外の方法、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)、X線回折法等により各結晶粒子が、MおよびTiの酸化物からなる結晶相を主相とするか、稀土類元素(Ln)およびAlの酸化物からなる結晶相を主相をとするか測定、識別をしても良い。例えば以下の様にTEM、X線回折顕微法、X線回折法により測定、識別をする。
【0018】
TEMにより結晶相を同定する場合は、例えばJEOL社の透過型電子顕微鏡JEM2010FおよびNoran Instruments社のEDS分析装置VoyagerIVを用いて、無作為に選んだ20個以上の結晶粒子のEDS点分析を行い、薄膜近似法により各結晶のM、Ti、稀土類元素(Ln)、Alおよび酸素の元素比率を半定量計算し、さらに酸素を除いた比率に換算してM、Ti、稀土類元素(Ln)およびAlの元素比率を求める。元素毎に各結晶の該元素比率の平均値を算出し、この平均値よりMおよびTiの元素比率が大きい結晶をMおよびTiの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶、この平均値より稀土類元素(Ln)、Alの元素比率が大きい結晶を稀土類元素(Ln)およびAlの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶とする。
【0019】
こうして得られたMおよびTiの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶の粒径の平均値と稀土類元素(Ln)およびAlの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶の粒径の平均値を比較する。この場合の結晶粒径はHd=2(A/π)1/2(Aは粒子内面積)により求める。
【0020】
X線回折法による結晶相の同定は次の様に行う。各結晶のX線回折のピークの面間隔dが、MおよびTiの酸化物からなる結晶相のいずれかの面例えば(110)面相当の面間隔d1、稀土類元素(Ln)およびAlの酸化物からなる結晶相のいずれかの面例えば(110)面相当の面間隔d2のうちいずれか近い方の結晶相を主結晶相と定義する。すなわち、d1>d2の場合はd>(d1+d2)/2ならMおよびTiの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶、d<(d1+d2)/2なら稀土類元素(Ln)およびAlの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶とする。d1<d2の場合はd<(d1+d2)/2ならMおよびTiの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶、d>(d1+d2)/2なら稀土類元素(Ln)およびAlの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶とする。なお、MおよびTiの酸化物の結晶の面間隔d1と、稀土類元素(Ln)およびAlの酸化物からなる結晶の面間隔d2とは同じミラー指数の面で測定する。
【0021】
なお、X線回折顕微法またはX線回折法を用いて測定する場合はX線点源の直径が結晶粒子よりも小さい方が望ましい。
【0022】
また、上記(A)〜(D)以外の方法により各結晶における元素の存在比率を比較できる測定方法を用いても良い。
【0023】
本発明の誘電体磁器組成物に含有される稀土類元素(Ln)はQ値を著しく向上させるためにはLa、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、ErおよびYbの酸化物のうち少なくとも1種以上からなることが望ましい。さらに望ましくは稀土類元素はLa、Nd、Sm、Eu、Gd、Dyのうち少なくとも1種以上からなることが望ましい。
【0024】
さらに本発明の誘電体磁器組成物は、組成式をaLn2OX・bAl2O3・cMO・dTiO2(但し3≦x≦4)と表したとき、前記a、b、c、dは、0.056≦a≦0.450、0.056≦b≦0.450、0.100≦c≦0.500、0.100<d<0.470、a+b+c+d=1を満足するものであることが好ましい。
【0025】
各成分のモル比a、b、c、dは上記の範囲が好ましい理由は以下の通りである。
【0026】
即ち、0.056≦a≦0.214としたのは、0.056≦a≦0.214の場合Q値の向上が著しいからであり、特に0.078≦a≦0.1166が好ましい。
【0027】
0.056≦b≦0.214としたのは、0.056≦b≦0.214の場合Q値の向上が著しいからであり、特に0.078≦b≦0.1166が好ましい。
【0028】
0.286≦c≦0.500としたのは、0.286≦c≦0.500の場合Q値の向上が著しいからであり、特に0.330≦c≦0.470が好ましい。
【0029】
0.230<d<0.470としたのは、0.230<d<0.470の場合Q値の向上が著しいからであり、特に0.340≦d≦0.45が好ましい。
【0030】
本発明においてはQ値を著しく向上させるためには0.75≦(b+d)/(a+c)≦1.25が好ましく、0.80≦(b+d)/(a+c)≦1.15が特に好ましい。
【0031】
次に、本発明の誘電体磁器組成物の製造方法としては、上記の誘電体磁器組成物の出発原料を所定形状に成形した後、1000℃から1400℃までの平均昇温速度を5〜100℃/時間で昇温し、さらに1400℃以上での昇温速度を310〜500℃/時間で昇温し、さらにまた1500℃〜1700℃で少なくとも15時間以上焼成することを特徴とする。
【0032】
このように焼成工程を二段階とした二段焼成の製造方法を用いることにより、結晶相としてMおよびTiの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶の平均粒径の方が、結晶相として稀土類元素(Ln)およびAlの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶の平均粒径よりも大きくすることができ、その結果Q値を高くすることができる。望ましくは1000℃から1400℃までの平均昇温速度を25〜75℃/時間で昇温し、さらに1400℃以上での昇温速度を350〜450℃/時間で昇温し、さらにまた1550℃〜1680℃で少なくとも15時間以上焼成することを特徴とする。この製造方法を用いることにより、さらにQ値を高くすることができる。
【0033】
ここで1500℃〜1700℃で少なくとも15時間以上焼成するとは、1500℃〜1700℃の範囲内の温度にて昇温、保持または降温することであり、この温度範囲内で昇温、保持または降温を繰り返しても良い。
【0034】
本発明の製造方法によりMおよびTiの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶の平均粒径の方が、結晶相として稀土類元素(Ln)およびAlの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶の平均粒径よりも大きくすることができる理由は次の様に考えられる。焼結過程、特にその昇温時とその後の高温での保持により、MおよびTiの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶相が粒成長する。特にMおよびTiの酸化物からなる結晶相は低温の1000℃から1400℃までの平均昇温速度を5〜100℃/時間と比較的小さい昇温速度で昇温することにより粒成長しつつ焼結し、さらに1400℃以上での平均昇温速度を310〜500℃/時間と大きい昇温速度で昇温することによって(Ln)およびAlの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶をも焼結を進行させることができ、さらにまた1500℃〜1700℃の高温で15時間以上焼成することによってMおよびTiの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶相がさらに粒成長すると考えられる。一方、稀土類元素(Ln)およびAlの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶相は1500℃以上の高温での焼結過程においても粒成長しにくいと考えられる。そして、本発明の誘電体磁器組成物およびその製造方法によって、高いQ値が得られる理由は以下のように考えられる。
【0035】
一般に、焼結体の結晶の粒界は高周波帯において誘電損失の原因となる。したがって、結晶粒径が大きい程、粒界による誘電損失が少なく、Q値が高いと考えられる。また、焼結体中に複数の主結晶相が存在する場合、焼結体のQ値は低いQ値を有する結晶相に大きく支配されると考えられる。
【0036】
本発明においては稀土類元素(Ln)およびAlの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶相、並びにMおよびTiの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶が存在する。前者はLnAlO(X+3)/2(3≦x≦4)、後者はMTiO3(MはCaまたは/Srおよび)を主相とする結晶と考えられる。これら2つの結晶相のQ値は、1GHzに換算した時それぞれ、LnAlO(X+3)/2(3≦x≦4)が数万、MTiO3が数千と、MTiO3の方がQ値が低い。したがって、本発明においてはQ値の低いMTiO3を主結晶相とする結晶の粒径を大きくすることにより、焼結体のQ値を高くすることができると考えられる。
【0037】
本発明の製造方法は、具体的には、例えば以下の工程(1a)〜(7a)から成る。
【0038】
(1a)出発原料として、高純度の稀土類酸化物および酸化アルミニウムの各粉末を用いて、所望の割合となるように秤量後、純水を加え、混合原料の平均粒径が2.0μm以下となるまで1〜100時間、ジルコニアボール等を使用したボールミルにより湿式混合及び粉砕を行う。
【0039】
(2a)この混合物を乾燥後、1000〜1300℃で1〜10時間仮焼し、LnAlO(X+3)/2(3≦x≦4)を主結晶相とする仮焼物を得る。
【0040】
(3a)同様に炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウムおよび酸化チタンの各粉末を用いて、所望の割合となるように秤量後、純水を加え、混合原料の平均粒径が2.0μm以下、望ましくは0.6〜1.4μmとなるまで1〜100時間、ジルコニアボール等を使用したボールミルにより湿式混合及び粉砕を行う。
【0041】
(4a)この混合物を乾燥後、1000〜1300℃で1〜10時間仮焼し、MTiO3(MはCaまたは/およびSr)を主結晶相とする仮焼物を得る。
【0042】
(5a)得られたLnAlO(X+3)/2(3≦x≦4)を主結晶相とする仮焼物と、MTiO3(MはCaまたは/およびSr)を主結晶相とする仮焼物を所定の割合で混合し、この混合原料の平均粒径が2.0μm以下、望ましくは0.6〜1.4μmとなるまで1〜100時間、ジルコニアボール等を使用したボールミルにより湿式混合及び粉砕を行う。
【0043】
(6a)更に、3〜10重量%のバインダーを加えてから脱水し、その後公知の例えばスプレードライ法等により造粒または整粒し、得られた造粒体又は整粒粉体等を公知の成型法、例えば金型プレス法、冷間静水圧プレス法、押し出し成形法等により任意の形状に成形する。尚、造粒体又は整粒粉体等の形態は粉体等の固体のみならず、スラリー等の固体、液体混合物でも良い。この場合、液体は水以外の液体、例えばIPA(イソプロピルアルコール)、メタノ−ル、エタノ−ル、トルエン、アセトン等でも良い。
【0044】
(7a)得られた成形体を1000℃から1400℃までの平均昇温速度を5〜100℃/時間で昇温し、さらに1400℃以上での昇温速度を310〜500℃/時間で昇温し、さらにまた1500℃〜1700℃で少なくとも15時間以上焼成し、本発明の誘電体磁器組成物を得ることができる。
【0045】
また、本発明の誘電体磁器組成物の製造方法において、1000℃から1400℃までの平均昇温速度を5〜100℃/時間で昇温し、さらに1400℃以上での昇温速度を310〜500℃/時間で昇温し、さらにまた1500℃〜1700℃で少なくとも15時間以上焼成するのは、1000℃から1400℃までの平均昇温速度が5℃/時間未満あるいは100℃/時間の場合はQ値が低下するからであり、1400℃以上での昇温速度が310℃/未満あるいは500℃/時間より大きい場合はQ値が低下するからであり、
1500℃〜1700℃で15時間未満の焼成ではQ値が低下するからである。
【0046】
更に、本発明の誘電体磁器組成物は、上記の成分を主成分として、これにZnO、NiO、SnO2、Co3O4、MnCO3、ZrO2、WO3、Li 2 CO3、Rb2CO3、Sc2O3、V2O5、CuO、SiO2、BaCO3、MgCO3、Cr2O3、B2O3、GeO2、Sb2O5、Nb2O5、Ta2O5、Ga2O3等を添加しても良い。これらは、その添加成分にもよるが、主成分100重量部に対して6重量部以下の割合で添加することができる。
【0047】
また、本発明の誘電体磁器組成物は、特に誘電体共振器の誘電体磁器として最も好適に用いられる。図1に、TEモ−ド型の誘電体共振器の概略図を示した。図1の誘電体共振器は、金属ケース1内壁の相対する両側に入力端子2及び出力端子3を設け、これらの入出力端子2、3の間に上記誘電体磁器組成物からなる誘電体磁器4を配置して構成される。このようなTEモ−ド型誘電体共振器は、入力端子2からマイクロ波が入力され、マイクロ波は誘電体磁器4と自由空間との境界の反射によって誘電体磁器4内に閉じこめられ、特定の周波数で共振を起こす。この信号が出力端子3と電磁界結合して出力される。
【0048】
また、図示しないが、本発明の誘電体磁器組成物を、TEMモ−ドを用いた同軸型共振器やストリップ線路共振器、TMモ−ドの誘電体磁器共振器、その他の共振器に適用して良いことは勿論である。更には、入力端子2及び出力端子3を誘電体磁器4に直接設けても誘電体共振器を構成できる。
【0049】
上記誘電体磁器4は、本発明の誘電体磁器組成物からなる所定形状の共振媒体であるが、その形状は直方体、立方体、板状体、円板、円柱、多角柱、その他共振が可能な立体形状であればよい。また、入力される高周波信号の周波数は1GHz〜300GHz程度であり、共振周波数としては2GHz〜80GHz程度が実用上好ましい。
【0050】
かくして、本発明は、比誘電率εrが大きく、高Q値であるという作用効果を有する。
【0051】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更は何等差し支えない。
【0052】
【実施例】
以下の工程(1)〜(8)で誘電体磁器組成物を作製した。
【0053】
(1)出発原料として高純度の稀土類酸化物、酸化アルミニウム(Al2O3)の各粉末を用い、それらを表1のモル比の割合となるように秤量後、純水を加え混合し、この混合原料の平均粒径が2.0μm以下となるまで、ボ−ルミルにより約20時間湿式混合し、粉砕を行った。
【0054】
(2)この混合物を乾燥後、1200℃で2時間仮焼し、LnAlO(X+3)/2(3≦x≦4)を主結晶相とする仮焼物を得た。
【0055】
(3)同様に、炭酸カルシウム(CaCO3)、炭酸ストロンチウム(SrCO3)、酸化チタン(TiO2)の各粉末を用い、それらを表1のモル比の割合となるように秤量後、純水を加え混合し、この混合原料の平均粒径が2.0μm以下となるまで、ボールミルにより約20時間湿式混合し、粉砕を行った。
【0056】
(4)この混合物を乾燥後、1200℃で2時間仮焼し、MTiO3(MはCaまたは/およびSr)を主結晶相とする仮焼物を得た。
【0057】
(5)上記稀土類酸化物とAl2O3の混合仮焼物と、MTiO3とTiO2の混合仮焼物とを混合し、純水を加え混合し、この混合原料の平均粒径が2.0μm以下となるまで、ボールミルにより約20時間湿式混合し、粉砕を行った。
【0058】
(6)更に、得られたスラリーに5重量%のバインダーを加え、スプレードライにより整粒した。
【0059】
(7)得られた整粒粉体を約1ton/cm2の圧力で円板状に成形した。
【0060】
(8)1000℃から1400℃までの平均昇温速度を5〜100℃/時間で昇温し、さらに1400℃以上での昇温速度を310〜500℃/時間で昇温し、さらにまた1500℃〜1700℃で少なくとも15時間以上大気中において焼成した。
【0061】
そして、得られた焼結体の円板部(主面)を平面研磨し、アセトン中で超音波洗浄し、150℃で1時間乾燥した後、円柱共振器法により測定周波数3.5〜4.5GHzで比誘電率εr、Q値、共振周波数の温度係数τfを測定した。Q値は、マイクロ波誘電体において一般に成立する(Q値)×(測定周波数f)=(一定)の関係から、1GHzでのQ値に換算した。共振周波数の温度係数は、25℃の時の共振周波数を基準にして、25〜85℃の温度係数τfを算出した。また、下記(2a)〜(2e)の通り各結晶の粒径および結晶相を測定した。
【0062】
(2a)焼結体内部を4箇所無作為に選んでサンプルを取り、各々を平面研磨、鏡面仕上げ後、熱エッチング法により、1450℃15分の熱処理を行い、SEM像で結晶の形が観察できる様にした。
(2b)各々のサンプルの熱処理後の面を波長分散型X線マイクロアナライザ−を用いて、加速電圧15kV、プローブ電流5×10-10A程度、倍率500〜2000倍での反射電子像の写真をとった。
【0063】
(2c)(2b)で得られた写真の各々の結晶粒径を50〜100個程度測定した。粒径は画像解析法により測定し、粒径Hdは下記の通り求めた。
Hd=2(A/π)1/2
ここで、Aは粒子内面積である。
【0064】
(2d)(2b)における結晶のうち粒径が3〜100μmの結晶全てについて、加速電圧15kV、プローブ電流1.0×10-7A〜1.0×10-8A程度の条件で、稀土類元素(Ln)、Al、M、Ti各元素の特性X線の強度を求め、各元素の強度の平均値ILn、IAl、IM、ITiを計算した。IMはCaの特性X線の強度の平均値とSrの特性X線の強度の平均値の和とした。複数の稀土類元素を含有する場合ILnは含有する稀土類元素の強度の平均値の総和とした。稀土類元素(Ln)およびAlの強度が平均値よりも大きい場合、稀土類元素(Ln)およびAlの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶相とした。また、MおよびTiの強度が平均値よりも大きい場合、MおよびTiの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶相とした。
【0065】
ただし、稀土類元素(Ln)、Al、CaおよびTiの全ての強度が平均値より大きい結晶は、稀土類元素(Ln)およびAlの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶相、並びにMおよびTiの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶相とはしなかった。また、粒径が3μmよりも小さい結晶は他の結晶の影響により正確な強度値が得られなかったため透過電子顕微鏡(TEM)により確認したところ稀土類元素(Ln)およびAlの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶相であることがわかった。
【0066】
(2e)(2a)〜(2d)により、MおよびTiの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶相、稀土類元素(Ln)およびAlの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶相の平均粒径を計算した。
【0067】
これらの結果を表1〜3に示す。表1〜3から明らかなように、本発明の範囲内のもの(No.1〜31)は、比誘電率εrが30〜47、1GHzに換算した時のQ値が35000以上、特にεrが40以上の場合のQ値が40000以上と高く、τfが±30(ppm/℃)以内の優れた誘電特性が得られた。
【0068】
一方、本発明の範囲外の誘電体磁器(No.32〜38)は、εrが低いか、Q値が低いか、又はτfの絶対値が30を超えていた。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、組成式をaLn 2 O X ・bAl 2 O 3 ・cMO・dTiO 2 (但し、3≦x≦4)と表したときa、b、c、dが、0.056≦a≦0.214、0.056≦b≦0.214、0.286≦c≦0.500、0.230<d<0.470、a+b+c+d=1、を満足する誘電体磁器組成物の出発原料を所定形状に成形した後、1000℃から1400℃までの平均昇温速度を5〜100℃/時間で昇温し、さらに1400℃以上での昇温速度を310〜500℃/時間で昇温し、さらにまた1500℃〜1700℃で少なくとも15時間以上焼成する工程を含むため、得られる誘電体磁器組成物は、金属元素として少なくとも稀土類元素(Ln)、Al、M(MはCaまたは/およびSr)及びTiを含有し、結晶相としてMおよびTiの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶の平均粒径の方が、結晶相として稀土類元素(Ln)およびAlの酸化物からなる結晶相を主相とする結晶の平均粒径よりも大きくなることにより、高周波領域において高い比誘電率εr及び高いQ値を得ることができる。これにより、マイクロ波やミリ波領域において使用される共振器用材料やMIC用誘電体基板材料、誘電体導波路、誘電体アンテナ、その他の各種電子部品等に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体共振器を示す断面図である。
【符号の説明】
1:金属ケ−ス
2:入力端子
3:出力端子
4:誘電体磁器
Claims (1)
- 組成式を
aLn2OX・bAl2O3・cMO・dTiO2
(但し、3≦x≦4、MはCaまたは/およびSr)
と表したときa、b、c、dが、
0.056≦a≦0.214
0.056≦b≦0.214
0.286≦c≦0.500
0.230<d<0.470
a+b+c+d=1
を満足する誘電体磁器組成物の製造方法であって、
Ln成分とAl成分、および、M成分とTi成分の出発原料をそれぞれ仮焼し、
得られた各々の仮焼物を混合粉砕したものを所定形状に成形した後、1000℃から1400℃までの平均昇温速度を5〜100℃/時間で昇温し、
さらに1400℃以上での昇温速度を310〜500℃/時間で昇温し、さらにまた1500℃〜1700℃で少なくとも15時間以上焼成する工程を含むことを特徴とする誘電体磁器組成物の製造方法。
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