JP4753463B2 - 誘電体磁器およびこれを用いた誘電体共振器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波、ミリ波等の高周波領域において、高いQ値を有する誘電体磁器に関するものであり、例えば、マイクロ波やミリ波などの高周波領域において使用される種々の共振器用材料やMIC(Monolithic IC)用誘電体基板材料、誘電体導波路用材料や積層型セラミックコンデンサ等に用いることができる誘電体磁器およびこれを用いた誘電体共振器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、誘電体磁器は、マイクロ波やミリ波等の高周波領域において、誘電体共振器、MIC用誘電体基板や導波路等に広く利用されている。
【0003】
従来より、この誘電体磁器としては、例えば特開平10−1360号公報に開示されているようなものが知られている。この公報に開示される誘電体磁器は、BaO−xTiO2(3.9≦x≦4.1)の組成物100重量部に対して、ZnをZnO換算で1〜20重量部、CuをCuO換算で0.01〜7重量部添加含有して成るものである。
【0004】
このような誘電体磁器では、比誘電率が30〜42でQfが40000〜52000GHzであり、共振周波数の温度係数τfを−15〜+15ppm/℃、共振周波数の温度係数の曲がり(以下、温度ドリフト△τfと称す)−2〜+2ppm/℃の範囲で制御することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、誘電体共振器やMIC用誘電体基板等は、その使用周波数がますます高い高周波となり、この誘電体共振器等に用いられている誘電体磁器も高周波領域において誘電損失が小さくなるようにQfをより一層高くすることが望まれている。
【0006】
しかしながら、上記特開平10−1360号公報に開示されている誘電体磁器ではQfが40000〜52000GHzと未だ低いという問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、Ba−Ti系誘電体磁器においてZnおよび必要に応じてCuを所定量添加含有するとともに得られる誘電体磁器のBa4Ti13O30の(040)面帰属ピーク強度、BaTi4O9の(121)面帰属ピーク強度およびBa3Ti12Zn7O34の(114)面帰属ピーク強度の比を所定範囲としておくと、誘電体磁器の比誘電率が30〜42、Qfが53000〜57000GHzで、且つ共振周波数の温度係数τfを−15〜+15ppm/℃の範囲に、−40〜85℃における温度ドリフト△τfを−2〜+2ppm/℃の範囲に制御することができることを見出し、本発明に至ったのである。
【0008】
即ち、本発明の誘電体磁器は、金属元素として少なくともBa、Tiを含有し(ただし、Mgを除く)、これらの金属酸化物のモル比による組成式をBaO−xTiO2と表した時、上記xが3.9≦x≦4.1を満足する主成分100重量部に対して、ZnをZnO換算で1〜20重量部含有し、かつX線回折ピーク強度がBa4Ti13O30の(040)面帰属ピーク強度をA、BaTi4O9の(121)面帰属ピーク強度をBおよびBa3Ti12Zn7O34の(114)面帰属ピーク強度をCとしたとき、0.01≦A/B≦0.20、0.05≦C/B≦0.50であることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の誘電体磁器は、その平均結晶粒径をDとしたとき、0.3D〜2.5Dの粒径の結晶が30〜90体積%であることを特徴とするものである。
【0010】
更に、本発明の誘電体磁器は、上記主成分100重量部に対して、更にCuをCuO換算で0.01〜7重量部含有することを特徴とするものである。
【0011】
また更に、本発明は、一対の入出力端子間に上記誘電体磁器を配置し誘電体共振器となすことを特徴とするものである。
【0012】
【作用】
本発明の誘電体磁器によれば、組成式BaO−xTiO2で表されるBa−Ti系誘電体磁器にZnをZnO換算で1〜20重量部および必要に応じてCuをCuO換算で0.01〜7重量部含有させたことから、比誘電率を30〜42とし、且つ共振周波数の温度係数τfを−15〜+15ppm/℃の範囲に、温度ドリフト△τfを−2〜+2ppm/℃の範囲に制御することができる。
【0013】
また、本発明の誘電体磁器によれば、X線回折ピーク強度におけるBa4Ti1 3O30の(040)面帰属ピーク強度をA、BaTi4O9の(121)面帰属ピーク強度をBおよびBa3Ti12Zn7O34の(114)面帰属ピーク強度をCとしたとき、0.01≦A/B≦0.20、0.05≦C/B≦0.50としたことから、Qfを53000〜57000GHzの高い値となすことができる。
【0014】
更に、本発明の誘電体磁器によれば、平均結晶粒径をDとしたとき0.3D〜2.5Dの結晶が30〜90体積%としておくと、格子欠陥を極めて少ないものとしてQfを高い値に維持することができる。
【0015】
また更に、本発明の誘電体磁器を一対の入出力端子間に配置し、誘電体共振器とした場合、該誘電体共振器の温度変化にともなう共振周波数の変化を小さくすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の誘電体磁器は、金属元素として少なくともBa、Tiを含有し(ただし、Mgを除く)、これらの金属酸化物のモル比による組成式をBaO−xTiO2と表した時、上記xが3.9≦x≦4.1を満足する主成分100重量部に対して、ZnをZnO換算で1〜20重量部含有し、かつX線回折ピーク強度がBa4Ti13O30の(040)面帰属ピーク強度をA、BaTi4O9の(121)面帰属ピーク強度をBおよびBa3Ti12Zn7O34の(114)面帰属ピーク強度をCとしたとき、0.01≦A/B≦0.20、0.05≦C/B≦0.50となるものである。
【0017】
モル比による主成分の組成式を、BaO−xTiO2と表したとき、xが3.9≦x≦4.1の範囲内としたのは、Qfを向上するためであり、xの値が3.9未満の場合はQfの向上の効果が小さく、xが4.1よりも大きくなるとQfが低下するからである。なお、Qfを低下させないためにはxの値は3.92以上4.08以下が望ましい。
【0018】
また、上記主成分100重量部に対してZnをZnO換算で1〜20重量部含有させたのは、ZnがZnO換算で1重量部未満となると、共振周波数の温度係数τfが15ppm/℃より大きくなり実用的でなく、一方、20重量部を超えると、共振周波数の温度係数τfが−15ppm/℃よりも小さくなり実用的ではなくなる。従って、ZnはZnO換算で1〜20重量部の範囲に限定される。なお、共振周波数の温度係数τfをより0に近くするという観点から、ZnはZnO換算で主成分100重量部に対して2〜14重量部の範囲で含有することが好ましい。
【0019】
本発明の誘電体磁器は、BaTi4O9結晶相が主結晶相として存在し、更にBa4Ti13O30およびBa3Ti12Zn7O34結晶相が存在するものであり、X線回折ピーク強度におけるBa4Ti13O30の(040)面帰属ピーク強度をA、BaTi4O9の(121)面帰属ピーク強度をBおよびBa3Ti12Zn7O34の(114)面帰属ピーク強度をCとしたとき、0.01≦A/B≦0.20、0.05≦C/B≦0.50となっており、Ba4Ti13O30の(040)面帰属ピーク強度、BaTi4O9の(121)面帰属ピーク強度、およびBa3Ti12Zn7O34の(114)面帰属ピーク強度の比を所定範囲としておくことによってQfの値を53000GHz以上の高い値となすことができる。
【0020】
上記X線回折ピーク強度におけるBa4Ti13O30の(040)面帰属ピーク強度をA、BaTi4O9の(121)面帰属ピーク強度をBおよびBa3Ti12Zn7O34の(114)面帰属ピーク強度をCとしたとき、A/Bの値が0.01未満又は0.2を超えた場合、或いはC/Bの値が0.05未満又は0.50を超えた場合Qfの値が低下してしまう。従って、A/Bの値は0.01≦A/B≦0.2の範囲に、C/Bの値は0.05≦C/B≦0.50の範囲に特定される。
【0021】
なお、上記X線回折ピーク強度におけるBa4Ti13O30の(040)面帰属ピーク強度、BaTi4O9の(121)面帰属ピーク強度およびBa3Ti12Zn7O34の(114)面帰属ピーク強度は、JCPDS−ICDD(粉末回析標準委員会国際回析データセンター)のX線回折データを参照して求められ、JCPDS−ICDDのX線回折データによれば、Ba4Ti13O30の(040)面帰属ピークの面間隔はdA=4.268、BaTi4O9の(121)面帰属ピークの面間隔はdB=2.9676、Ba3Ti12Zn7O34の(114)面帰属ピークの面間隔はdC=2.81であるが、これらの面間隔の値は測定条件、結晶の配向等によって変化する場合があるため、dA、dBおよびdCはdA=4.25〜4.31、dB=2.96〜2.99、dC=2.80〜2.84の値とした。
【0022】
更に、本発明の誘電体磁器においては、平均結晶粒径をDとしたとき、0.3D〜2.5Dの結晶が30〜90体積%としておくと、格子欠陥を極めて少ないものとして、Qfを高い値に維持することができる。
【0023】
従って、Qfの値を高い値に維持するためには平均結晶粒径をDとしたとき、0.3D〜2.5Dの結晶が30〜90体積%となるようにしておくことが好ましい。
【0024】
上記誘電体磁器の平均結晶粒径は、例えば次の方法によって測定される。即ち、焼結体の内部を無作為に4箇所以上選びサンプルを取り、これらのサンプルの断面を平面研磨によって鏡面仕上げする。次いで、鏡面仕上げしたサンプルを熱エッチング法によりSEM像で結晶の形が観察できる様にする。上記熱エッチング法の熱処理温度は800〜1250℃、保持時間は1分から2時間程度の範囲であれば良いが、SEMによる結晶の形が観察できること、および粒界が明瞭に観察できる様にすることが重要である。この熱エッチング処理をした後、各々のサンプルについて50〜500個程度の結晶粒径を波長分散型X線マイクロアナライザーを用いて、加速電圧15kV、プローブ電流5×10-10A程度、倍率300〜3000倍程度での反射電子像の写真撮影をし、得られた写真の各々の結晶粒径を画像解析法により測定する。この方法で結晶粒径Hdは、Hd=2(A/π)1/2(ここでAは粒子内面積)により求められる。こうして得られた結晶粒径の平均値を求める。
【0025】
また更に、本発明の誘電体磁器においては、BaO−xTiO2(3.9≦x≦4.1)から成る主成分100重量部に対してCuをCuO換算で0.01〜7重量部含有させておくと、共振周波数の温度係数τfの曲がり、即ち、温度ドリフト△τfを0に近づけることができるので好ましい。
【0026】
次に、本発明の誘電体磁器の製造方法について説明する。
【0027】
先ず原料粉末として、純度99%以上のBaCO3、TiO2およびZnO、純度98%以上のCuO粉末を準備し、これらを所定量秤量し、混合、粉砕し、得られた粉末を1000〜1150℃の温度で1時間以上保持して仮焼する。仮焼時の昇温速度は800℃以上の温度において平均50〜200℃/時間で昇温する。仮焼した粉末を粉砕粒径がメジアン径で0.5〜2.0μmに粉砕する。粉砕後の仮焼粉末にバインダーを添加しプレス成形やドクターブレード法等の公知の方法により所定形状に成形後、脱バインダー後のカーボン量が0.1重量%以下となるよう脱バインダーを行う。脱バインダー条件は400〜800℃で20時間以上保持する。脱バインダー後、大気中または酸素を含む雰囲気中において、昇温速度20〜300℃/時間で昇温し、1050〜1300℃で5〜30時間焼成することによって本発明の誘電体磁器が得られる。
【0028】
得られる誘電体磁器において、X線回折ピーク強度におけるBa4Ti13O30の(040)面帰属ピーク強度をA、BaTi4O9の(121)面帰属ピーク強度をBおよびBa3Ti12Zn7O34の(114)面帰属ピーク強度をCとしたとき、0.01≦A/B≦0.20、0.05≦C/B≦0.50とするには、粉砕粒径、脱バインダー条件、焼成条件を上述の範囲とすることによって行うことができる。
【0029】
また、本発明の誘電体磁器は、特に誘電体共振器として好適に用いられる。図1にその一実施形態であるTEモード型誘電体共振器を示す。このTEモード型誘電体共振器は、金属ケース1の内壁の相対する両側に入力端子2および出力端子3を設け、これら入出力端子2、3の間に上記誘電体磁器4を配置して構成されており、入力端子2からマイクロ波が入力され、入力されたマイクロ波は誘電体磁器4と自由空間との境界の反射によって誘電体磁器4内に閉じこめられ、特定の周波数で共振を起こす。この信号が出力端子3と電磁界結合して出力される。
【0030】
なお、本発明の誘電体磁器を用いた誘電体共振器は、上述のTEモード型に限定されることはなく、TEMモードを用いた同軸型共振器やストリップ線路共振器、TMモードの誘電体磁器共振器、その他の共振器に適用してもよく、更には、入力端子2および出力端子3を誘電体磁器4に直接設けることも可能である。なお、上記誘電体磁器4の形状は、直方体、立方体、板状体、円板、円柱、多角柱、その他共振が可能な立体形状であればよく、入力される高周波信号の周波数は0.3〜300GHz程度であり、共振周波数としては0.6〜80GHz程度が実用上好ましい。
【0031】
【実施例】
次に本発明の実施例を示す。
【0032】
原料粉末として純度99.8%以上のBaCO3、TiO2およびZnO、純度99.0%以上のCuO粉末を準備し、上記主成分の組成式BaO−xTiO2におけるx、ZnOおよびCuOの含有量が表1に示す割合となるように秤量し、純水を媒体としてZrO2ボールを用いたボールミルにて20時間湿式混合した。次いで、この混合物を乾燥(脱水)し、1030〜1100℃で4時間仮焼した。仮焼時の昇温速度は800℃以上において平均100℃/時間で昇温した。この仮焼物をZrO2ボールを用いたボールミルにて混合、粉砕した。粉砕後の平均粉砕粒径はメジアン径で0.7〜1.3μmとした。しかる後、粉砕後の仮焼粉末にバインダーを添加、混合した後、誘電特性評価用の試料として直径l2mm高さ6.5mmの円柱状に1ton/cm2の圧力でプレス成形を行った。得られた成形体を脱バインダーし、脱バインダー後のカーボン量を0.05重量%以下とした後、大気中において昇温速度50℃/時間で昇温し1050〜1270℃で8〜15時間保持して焼成し、直径10mm、高さ5.5mmの円柱形状の試料を得た。
【0033】
次いで、得られた試料の誘電特性を評価するため、上記試料を用いて誘電体円柱共振器法にて周波数6〜7GHzにおける比誘電率εrとQ値を測定し、Q値と測定周波数fとの積で表される値Qfを算出した。また、−40〜85℃の温度範囲における共振周波数を測定し、25℃での共振周波数を基準にして共振周波数の温度係数τfを算出した。
【0034】
なお、表1におけるτf1は−40℃以上25℃未満の共振周波数の温度係数であり、τf2は25℃以上85℃以下の共振周波数の温度係数であり、共振周波数の温度係数の曲がり(温度ドリフト△τf)を△τf=τf1−τf2より求めた。
【0035】
また、上記試料の平均結晶粒径は、試料の焼結体内部を無作為に4箇所選びサンプルを取った後、これらサンプルの断面を平面研磨によって鏡面仕上げし、更に熱エッチング法により980℃で15分間熱処理を行った。熱処理後、各サンプルについて50〜500個程度の結晶粒径を波長分散型X線マイクロアナライザ−を用いて、加速電圧15kV、プローブ電流5×10― 10A程度、倍率300〜3000倍程度での反射電子像の写真撮影をし、各々の結晶粒径を画像解析法により測定して平均結晶粒径を求めた。
【0036】
更に、上記試料の結晶相はX線回折法により測定し、Ba4Ti13O30の(040)面帰属ピーク強度A、BaTi4O9の(121)面帰属ピーク強度B、Ba3Ti12Zn7O34の(114)面帰属ピーク強度Cを求め、A/BおよびC/Bの値を算出した。図2にその一実施例として試料No.5のX線回折のグラフを示す。
【0037】
これらの結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
表1から明らかなように、本発明の誘電体磁器(試料No.1〜13)は、何れも比誘電率が34以上、Qfを53000GHz以上とすることができ、共振周波数の温度係数τfが−15〜+15ppm/℃、温度ドリフト△τfを−2〜+2ppm/℃の範囲内に制御され、優れた特性を有することが判る。また、温度ドリフト△τfが0付近の時のQfは54000GHz以上という高い値にできることが判る。
【0040】
これに対し、結晶相の組成が本発明の範囲外(試料No.14〜20)のものでは、何れもQfが50000GHz以下と低く、共振周波数の温度係数τfも−18〜17ppm/℃、温度ドリフト△τfも3.8ppm/℃と大きな値を示すものがあることが判った。
【0041】
【発明の効果】
本発明の誘電体磁器によれば、組成式BaO−xTiO2で表されるBa−Ti系誘電体磁器にZnをZnO換算で1〜20重量部および必要に応じてCuをCuO換算で0.01〜7重量部含有させたことから、比誘電率を30〜42とし、且つ共振周波数の温度係数τfを−15〜+15ppm/℃の範囲に、温度ドリフト△τfを−2〜+2ppm/℃の範囲に制御することができる。
【0042】
また、本発明の誘電体磁器によれば、X線回折ピーク強度におけるBa4Ti13O30の(040)面帰属ピーク強度をA、BaTi4O9の(121)面帰属ピーク強度をBおよびBa3Ti12Zn7O34の(114)面帰属ピーク強度をCとしたとき、0.01≦A/B≦0.20、0.05≦C/B≦0.50としたことから、Qfを53000〜57000GHzの高い値となすことができる。
【0043】
更に、本発明の誘電体磁器によれば、平均結晶粒径をDとしたとき0.3D〜2.5Dの結晶が30〜90体積%としておくと、格子欠陥を極めて少ないものとしてQfを高い値に維持することができる。
【0044】
また更に、本発明の誘電体磁器を一対の入出力端子間に配置し、誘電体共振器とした場合、該誘電体共振器の温度変化にともなう共振周波数の変化を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体共振器の一実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明の誘電体磁器のX線回折の一実施例を示すグラフである。
【符号の説明】
1:金属ケ−ス
2:入力端子
3:出力端子
4:誘電体磁器
Claims (4)
- 金属元素として少なくともBa、Tiを含有し(ただし、Mgを除く)、これらの金属酸化物のモル比による組成式をBaO−xTiO2と表した時、上記xが3.9≦x≦4.1を満足する主成分100重量部に対して、ZnをZnO換算で1〜20重量部含有し、かつX線回折ピーク強度がBa4Ti13O30の(040)面帰属ピーク強度をA、BaTi4O9の(121)面帰属ピーク強度をBおよびBa3Ti12Zn7O34の(114)面帰属ピーク強度をCとしたとき、0.01≦A/B≦0.20、0.05≦C/B≦0.50であることを特徴する誘電体磁器。
- 平均結晶粒径をDとするとき、0.3D〜2.5Dの粒径の結晶が30〜90体積%であることを特徴とする請求項1記載の誘電体磁器。
- 上記主成分100重量部に対して、CuをCuO換算で0.01〜7重量部含有することを特徴とする請求項1または2記載の誘電体磁器。
- 一対の入出力端子間に請求項1乃至3に記載の誘電体磁器を配置したことを特徴とする誘電体共振器。
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