JP3825203B2 - 誘電体磁器組成物およびその製造方法並びにこれを用いた誘電体共振器 - Google Patents

誘電体磁器組成物およびその製造方法並びにこれを用いた誘電体共振器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波、ミリ波等の高周波領域において、高いQ値を有する誘電体磁器組成物に関するものであり、例えば、マイクロ波やミリ波などの高周波領域において使用される種々の共振器用材料やMIC用誘電体基板材料、誘電体導波路用材料や積層型セラミックコンデンサー等に用いることができる誘電体磁器組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
誘電体磁器は、マイクロ波やミリ波等の高周波領域において、誘電体共振器、MIC用誘電体基板や導波路等に広く利用されている。そこに要求される特性として(1)誘電体中では波長が1/εr1/2 に短縮されるので、小型化の要求に対して比誘電率が大きい事、(2) 高周波での誘電損失が小さい事、すなわち高Q値であること、(3) 共振周波数の温度に対する変化が小さいこと、即ち、比誘電率の温度依存性が小さく且つ安定であること、以上の3つの特性が主として挙げられる。
【0003】
従来、この種の誘電体磁器としては、例えば、BaO−TiO2 系材料、BaO−REO−TiO2 (但し、REOは希土類元素酸化物) 系材料、MgTiO3 −CaTiO3 系材料などの酸化物磁器材料が知られている(例えば、特開昭61−10806号公報、特開昭63−100058号公報、特開昭60−19603号公報等参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、BaO−TiO2 系材料では、比誘電率εrが37〜40であり、Q値は40000と大きいが、単一相では共振周波数の温度依存性τfが0のものが得にくく、組成変化に対する比誘電率及び比誘電率の温度依存性の変化も大きい。そのため、高い比誘電率と低い誘電損失を維持したまま、共振周波数の温度係数τfを安定に小さく制御することが困難である。
【0005】
また、BaO−REO−TiO2 系材料については、BaO−Nd2 3 −TiO2 系あるいはBaO−Sm2 3 −TiO2 系等が知られているが、これらの系では比誘電率がεr40〜60であり、また共振周波数の温度係数τfが0のものも得られているが、Q値が5000以下と小さい。
【0006】
また、MgTiO3 −CaTiO3 系材料ではQ値が30000と大きく、共振周波数の温度係数τfが0のものも得られているが、比誘電率が16〜25と小さい。
【0007】
このように、上記のいずれの材料においても高周波用誘電体材料に要求される前記3つの特性を共に充分には満足していない。
【0008】
本発明は、上記の欠点に鑑み案出されたもので、比誘電率が大きく、高Q値で、比誘電率の温度依存性が小さく且つ安定である誘電体磁器組成物および誘電体共振器を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題に対し、検討を重ねた結果、金属元素として少なくともCa、Ti、La、Zn、Wを含有し、これらを特定の範囲に調整することによって、比誘電率が大きく、高Q値で、比誘電率の温度依存性が小さく且つ、安定である誘電体磁器組成物が得られることを知見した。
【0010】
即ち、本発明の誘電体磁器組成物は、金属元素のモル比による組成式をaCaO・bTiO2 ・cLa23 ・dZnO・eWO3 と表したとき、前記a、b、c、d、eが
0.050≦a≦0.320、
0.150≦b≦0.470、
0.100≦c≦0.300、
0.100≦d≦0.300、
0<e≦0.250
(ただし、a+b+c+d+e=1)
と表される組成範囲内に調整するとともに、板状結晶を含有し、該板状結晶は板状結晶以外の結晶に比べてWを多く含有することを特徴とする。
【0011】
また、a、b、c、dおよびeを上記の範囲内に調整しかつ、0.40≦(a+c/2 )/(b/2+d+e)≦1.00とすることにより、Q値を向上させることができる。
【0012】
また、前記板状結晶以外の結晶よりも前記板状結晶にWを多く含有し、かつこの板状結晶を磁器中に0.02〜10体積%含有させることによりQ値を向上させることができる。そして、本発明の誘電体共振器は、上記誘電体磁器組成物でもって所定形状とした共振媒体に設けた一対の入出力端子間に、高周波信号を印加して所望の共振周波数で共振させることを特徴とする。
【0013】
本発明の誘電体磁器組成物は、aCaO・bTiO2 ・cLa2 3 ・dZnO・eWO3 と表した時、これらのa、b、c、d、eを上記の範囲に限定した理由は以下の通りである。
【0014】
即ち、0.050≦a≦0.320としたのは、a<0.050の場合はQ値が低下し、τf が小さくなるからであり、a>0.320の場合はQ値が低下し、τf が大きくなるからである。特に0.100≦a≦0.270の範囲が望ましい。
【0015】
また、0.150≦b≦0.470としたのは、b<0.150の場合はQ値が低下するからであり、b>0.470の場合はQ値が低下し、τf が大きくなるからである。特に0.200≦b≦0.420の範囲が望ましい。
【0016】
また、0.100≦c≦0.300としたのは、c<0.100の場合はQ値が低下し、τf が大きくなるからであり、c>0.300の場合はQ値が低下するからである。特に0.120≦c≦0.270の範囲が望ましい。
【0017】
また、0.100≦d≦0.300としたのは、d<0.100の場合はQ値が低下し、τf が大きくなるからであり、d>0.300の場合はQ値が低下するからである。特に0.120≦d≦0.270の範囲が望ましい。
【0018】
また、0<e≦0.250としたのは、e=0の場合はQ値が低下し、τf が大きくなるからであり、e>0.250の場合はQ値が低下するからである。特に0.001≦e≦0.200の範囲が望ましい。さらに望ましくは0.003≦e≦0.200の範囲である。
【0019】
また、a、b、c、dおよびeを上記の範囲内に調整しかつ、0.40≦(a+c/2 )/(b/2+d+e)≦1.00とすることにより、Q値を向上させることができる。0.40≦(a+c/2)/(b/2+d+e)≦1.00の範囲外ではQ値が低下する。特に0.45≦(a+c/2)/(b/2+d+e)≦0.95が望ましい。
【0020】
また、本発明において金属元素としてWを含有させることが特に重要である理由は以下の通りである。
CaTiLaZn系では、τf がプラスに大きくなりやすく、誘電率およびQ値を高く保持したままτf を0付近に合わせることが困難である。 本発明の様にCaTiLaZn系にさらにWを含ませることにより、誘電率およびQ値を高く保持し、かつτf を0付近に調整することができる。
【0021】
また、前期板状結晶の量を上記の範囲に限定した理由は以下の通りである。Wを含む板状結晶が0.02体積%よりも少ないとQ値が低くなり、10体積%よりも 多いとQ値が低くなるからである。
また、本発明においては焼成降温速度が1時間あたり2〜300℃である工程を含むことが必要である。 焼成時の降温速度を1時間当たり2〜300℃の速度にすることにより、板状結晶の生成量が前記範囲内となり、Q値が向上する。望ましくは焼成時において、最高温度から800℃までの降温速度を1時間当たり2〜300℃、さらに望ましくは1時間当たり4〜70℃の速度で降温することにより、Q値が向上する。降温速度が1時間当たり300℃より早いと板状結晶が充分生成せずQ値が低くなる。
【0022】
本発明における板状結晶は次の様に定義する。磁器を平面研磨、鏡面仕上げ後、鏡面を波長分散型X線マイクロアナライザ−を用いて、加速電圧15kV、プローブ電流5×10-10 A、倍率1000〜5000倍程度での反射電子像の写真により観察すると、他の結晶よりも白っぽく写る結晶がある。 この白っぽい結晶の形は、板状はもちろんのこと、例えばT字型、L字形、台形、多角形などの形からなる。また、これらの白っぽい結晶に凹凸、曲がり、変形、ボイド等がある場合があり、また結晶の大きさは、一番長い方向が1〜100μm 、次に長い方向が0.5〜30μm 、最も短い方向が0.1〜10μm 程度の形からなる。さらに鏡面を波長分散型X線マイクロアナライザーを用いて加速電圧15kV、プローブ電流1.0×10-7Aの条件での特性X線により観察すると、白っぽい結晶以外の結晶に比べて白っぽい結晶の方がWが多く存在する。以上の様に、他の結晶に比べて白っぽく写り、他の結晶に比べてWを多く含有する結晶を板状結晶と定義する。
板状結晶の有無および板状結晶中のWの有無は、磁器を平面研磨、鏡面仕上後、鏡面を波長分散型X線マイクロアナライザ−を用いて以下の様に測定する。
【0023】
板状結晶の有無は、加速電圧15kV、プローブ電流5×10-10 A、倍率1000〜5000倍程度での反射電子像の写真により確認する。この反射電子像において、板状結晶は他の結晶よりも白っぽく写る。
板状結晶中のWの有無は、加速電圧15kV、プローブ電流1.0×10-7Aの条件での特性X線により、板状結晶の部分にWが存在することにより確認する。
【0024】
また、板状結晶の量は、反射電子像の写真中に占める板状結晶の面積割合を求め、この割合を体積%とする。 この場合の反射電子像の写真は、波長分散型X線マイクロアナライザ−を用いて加速電圧15kV、プローブ電流5×10-10 A、倍率1000〜5000倍程度の条件で撮影する。写真中の板状結晶の面積割合は、画像解析(ルーゼックス等)、写真のトレース法などにより求める。 画像解析により板状結晶の面積割合を求める場合は、板状結晶だけを他の紙にトレースしてから画像解析するなど、ボイドや脱粒の影響を受けない様にすることが必要である。
上記の写真のトレース法による板状結晶の面積割合の測定は、次の様に行う。均質な紙、例えば方眼紙に板状結晶とそれ以外の部分に分けて写真をトレースする。 トレースした紙に占める板状結晶の面積の割合を方眼紙の目盛りを使って求める。または、トレースした紙の板状結晶の部分を切り取って、板状結晶の部分のトレース紙の合計重量と、それ以外のトレース紙の重量を比較して、この重量割合を面積割合とする。
本発明において、板状結晶を含有することによりQ値が向上する理由は、一般に焼結体中の酸素欠陥が減少するとQ値が向上することから、次の様に考えられる。
【0025】
本発明においてはWを含有することによりQ値を上げることができる。この場合、板状結晶が前記範囲内にある場合にQ値が高くなる。W含有量が同じでも焼成時の降温速度によって板状結晶の生成量、Q値が異なるため、降温速度、板状結晶の生成量およびQ値はお互いに影響し合っている。降温速度をある範囲内にすることにより、Wを含む板状結晶が生成して焼結体中の酸素欠陥が減少し、Q値が向上すると考えられる。降温速度が早すぎると、板状結晶の生成が不充分となり、酸素欠陥が多くなってQ値が低下すると考えられる。降温速度が遅すぎると、板状結晶の生成量が前記範囲よりも多くなったり、蒸発や 焼成治具との反応などによって組成が変化することなどによりQ値が低下したり、焼成時間が長すぎて量産できないなどの問題が発生する。板状結晶の生成量が前記範囲より多い場合は、板状結晶のQ値が低いため焼結体のQ値が低くなるものと考えられる。
【0026】
焼成時、降温速度を1時間当たり2〜300℃の速度にすることにより、板状結晶の生成量が前記範囲内となり、Q値が向上する。
【0028】
また、本発明の誘電体共振器、例えば図1のTEモ−ド型共振器は、金属ケ−ス1内壁 の相対する両側に入力端子2および出力端子3を設け、これらの入出力端子2、3の間に上記誘電体磁器組成物からなる誘電体磁器4を配置して構成される。この様なTEモ−ド型誘電体共振器は、入力端子2からマイクロ波が入力され、マイクロ波は誘電体磁器4と自由空間との境界の反射によって誘電体磁器4内に閉じこめられ、特定の周波数で共振を起こす。この信号が出力端子3と電磁界結合して出力される。
【0029】
また、図示しないが本発明の誘電体磁器組成物を、TEMモ−ドを用いた同軸型共振器やストリップ線路共振器、TMモ−ドの誘電体磁器共振器、その他の共振器に適用して良いことは勿論である。さらには、入力端子2および出力端子3を誘電体磁器4に直接設けても誘電体共振器を構成できる。
【0030】
上記誘電体磁器4は、本発明の誘電体磁器組成物からなる所定形状の共振媒体であるが、その形状は直方体、立方体、板状体、円板、円柱、多角柱、球状その他共振が可能な立体形状であればよい。また、入力される高周波信号の周波数は200MHz〜300GHz程度であり、共振周波数としては300MHz〜100GHz程度が実用上望ましい。
【0031】
本発明の誘電体磁器組成物は、例えば、以下のようにして作製される。
【0032】
出発原料として、高純度の炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化ランタン、酸化亜鉛、酸化タングステンの各粉末を用いて、所望の割合となるように秤量後、純水を加え、混合原料の平均粒径が2.0μm以下となるまで10〜30時間、ジルコニアボール等を使用したミルにより湿式混合・粉砕を行う。この混合物を乾燥後、1000〜1300℃で2〜10時間仮焼し、さらに5重量%のバインダーを加えてから整粒し、得られた粉末を公知の成形手段、例えば、金型プレス、冷間静水圧プレス、押し出し成形等により任意の形状に成形後、1450〜1650℃の温度で1〜10時間大気中または酸素を含む雰囲気下において焼成することにより得られる。焼成において、最高温度から800℃までの降温速度を1時間当たり2〜300℃の速度で降温する。
【0033】
なお、原料、ミルのボールの種類や他の種々の条件により、SiO2 、Al2 2 、Zr2 3 、その他の希土類元素などの不純物が合計で1重量%以下含有される場合がある。
【0034】
【実施例】
出発原料として高純度の炭酸カルシウム(CaCO3 )、酸化チタン(TiO2 )、酸化ランタン(La2 3 )、酸化亜鉛(ZnO)、酸化タングステン(WO3 )の各粉末を用いて、それらを表1に示すモル比となるように秤量後、純水を加え、混合原料の平均 粒径が2.0μm以下となるまで、ミルにより約20時間湿式混合、粉砕を行った。
【0035】
この混合物を乾燥後、1150℃で2時間仮焼し、さらに約5重量%のバインダ−を加えてから整粒し、得られた粉末を約1ton/cm2 の圧力で円柱状に成形し、大気中で1450〜1650℃の温度で2時間保持後、800℃まで降温速度を1時間当たり2〜250℃で降温し焼成した。
【0036】
得られた磁器の平面部を平面研磨し、アセトン中で超音波洗浄し、150℃で1時間乾燥した後、円柱共振器法により測定周波数3〜4GHzで比誘電率εr、Q値、共振周波数の温度係数τfを測定した。Q値は、マイクロ波誘電体において一般に成立するQ値×測定周波数f=一定の関係から1GHzでのQ値に換算した。共振周波数の温度係数τfは、20〜85℃の範囲で測定した。
【0037】
磁器を平面研磨、鏡面仕上後、鏡面を波長分散型X線マイクロアナライザ−を用いて以下の様に板状結晶の有無、板状結晶中のWの有無、板状結晶の体積%を測定した。
【0038】
板状結晶の有無は、加速電圧15kV、プローブ電流5×10-10 A、倍率1000倍、2000倍、および5000倍での反射電子像から確認した。 板状結晶は他の部分よりも白っぽくなった。 2000倍で取った写真中の板状結晶を含む白っぽい部分だけを紙に黒く写し取り、画像解析(ルーゼックス)により板状結晶とそれ以外の部分の面積割合を測定した。こうして得られた板状結晶の面積割合を磁器中の板状結晶の体積%とした。板状結晶中のWの有無は、加速電圧15kV、プローブ電流1.0×10-7Aの条件での特性X線により、板状結晶の部分にWが存在することを確認した。その結果、実施例の全てにおいて板状結晶中にWが含有していた。また、板状結晶の方が板状結晶以外の結晶に比べてWの量が多いことがわかった。
【0039】
これらの結果を表1に示す。
【0040】
表1からも明らかなように、本発明の範囲外の誘電体では、比誘電率または/およびQ値が低いか、あるいはτfが−30ppm/℃より小さかったり、50ppm/℃より大きいものであった。
【0041】
これらに対し、本発明により得られた試料は、比誘電率が45以上、1GHzに換算したときのQ値が20000以上、τfが−30〜+50ppm/℃の優れた誘電特性が得られることがわかった。
【0042】
また、表1の試料の磁器組成は調合組成と同じであった。
【0043】
【表1】
Figure 0003825203
【0044】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば金属元素として少なくともCa、Ti、La、Zn、Wを含有し、これらの金属元素のモル比による組成式をaCaO・bTiO2 ・cLa23 ・dZnO・eWO3 と表したとき、前記a、b、c、d、eが
0.050≦a≦0.320、
0.150≦b≦0.470、
0.100≦c≦0.300、
0.100≦d≦0.300、
0<e≦0.250
(ただし、a+b+c+d+e=1)
と表される組成範囲内に調整し、板状結晶を含有し、前記板状結晶は板状結晶以外の結晶に比べてWを多く含有する誘電体磁器組成物を得ることによって、高周波領域において高い誘電率及び高いQ値を有するとともに、共振周波数の温度係数τfを安定に小さく制御することができる。
【0045】
また、a、b、c、dおよびeを上記の範囲内に調整し、板状結晶を含有しかつ、0.40≦(a+c/2)/(b/2+d+e)≦1.00とすることにより、Q値を向上させることができる
それにより、本発明の誘電体磁器組成物および誘電体共振器は、例えば、自動車電話、コードレステレホン、パーソナル無線機、衛星放送受信機等の装置において、マイクロ波やミリ波領域において使用される共振器用材料やMIC用誘電体基板材料、誘電体導波線路、誘電体アンテナ、その他の各種電子部品等に好適に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体磁器組成物の一例を示す結晶写真の模式図である。
である。
【図2】本発明の誘電体共振器を示す断面図である。
【符号の説明】
1:金属ケ−ス
2:入力端子
3:出力端子
4:誘電体磁器

Claims (5)

  1. 金属元素として少なくともCa、Ti、La、Zn、Wを含有し、これらの金属元素のモル比による組成式をaCaO・bTiO2 ・cLa23 ・dZnO・eWO3 と表したとき、前記a、b、c、d、eが
    0.050≦a≦0.320
    0.150≦b≦0.470
    0.100≦c≦0.300
    0.100≦d≦0.300
    0<e≦0.250
    (ただし、a+b+c+d+e=1)
    を満足するとともに、板状結晶を含有し、該板状結晶は板状結晶以外の結晶に比べてWを多く含有することを特徴とする誘電体磁器組成物。
  2. 0.40≦(a+c/2)/(b/2+d+e)≦1.00であることを特徴とする請求項1記載の誘電体磁器組成物。
  3. 上記板状結晶がWを含有し、かつこの板状結晶を0.02〜10体積%含有することを特徴とする請求項1又は2記載の誘電体磁器組成物。
  4. 請求項1記載の組成範囲となる原料を所定形状に成形し、1450〜1650℃で焼成した後、1時間あたり2〜300℃の速度で降温する工程を含むことを特徴とする誘電体磁器組成物の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘電体磁器組成物でもって所定形状とした共振媒体に設けた一対の入出力端子間に、高周波信号を印加して所望の周波数で共振させるようにしたことを特徴とする誘電体共振器。
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