JPH0952760A - 誘電体磁器組成物 - Google Patents

誘電体磁器組成物

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JPH0952760A
JPH0952760A JP7205752A JP20575295A JPH0952760A JP H0952760 A JPH0952760 A JP H0952760A JP 7205752 A JP7205752 A JP 7205752A JP 20575295 A JP20575295 A JP 20575295A JP H0952760 A JPH0952760 A JP H0952760A
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JP
Japan
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dielectric
tio
composition
frequency
dielectric constant
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JP7205752A
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English (en)
Inventor
Shuzo Iwashita
修三 岩下
Nobuki Hiramatsu
信樹 平松
Hiroshi Maruyama
博 丸山
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルミナ主成分の磁器において、高周波領域に
おいて低誘電損失で周波数の温度係数を小さくすること
が難しかった。 【解決手段】Al2 3 、TiO2 およびTa2 5
主成分とし、各成分のモル比による組成比が、図1のA
2 3 −TiO2 −Ta2 5 3成分組成図における
下記点A、B、C、D、Aの点を結ぶ線分で表した範囲
内なるように調製し、結晶相として、少なくともα−A
2 3 とTiO2 を析出させることにより、誘電率1
1〜30、測定周波数8GHzにおける誘電損失が1×
10-3以下、共振周波数の25〜85℃における温度係
数の絶対値|τf|が30ppm以下の優れた誘電特性
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体共振器、マ
イクロ波導波路、マイクロ波コンデンサ、マイクロ波I
C基板、ICパッケージ、誘電体アンテナ等の電気通信
分野またはマイクロ波透過窓等の核融合関係設備分野な
どの高周波用として好適に利用される磁器組成物に関す
る。
【0002】
【従来技術】近年、通信網の急激な発展に伴って、通信
に使用する周波数が拡大すると同時に、マイクロ波領域
やミリ波領域などの高周波領域にまで及びつつある。一
方、誘電体磁器は、コンデンサなどの他に、誘電体共振
器や集積回路基板、誘電体アンテナ、各種高周波回路の
インピーダンス整合等に応用されており、これらについ
てもマイクロ波やミリ波に対しても適応可能なものが望
まれている。例えば、フィルタやガンまたはFETマイ
クロ波発振器の周波数安定化のために必要となり、その
需要が増大している。
【0003】マイクロ波回路素子の大きさは、電磁波の
波長が基準となっており、誘電体を用いたマイクロ波立
体回路内を電磁波が伝搬するときの真空中の波長を
λ0 、比誘電率をεとするとλ0 /εとなるため、誘電
率が高いほど小型化が可能である。しかし、あまり誘電
率が高すぎると、マイクロ波領域以上の高周波領域にお
いては、加工精度が低下するため、適当な誘電率が必要
である。
【0004】一方、セラミックスとして最も一般的に使
用されているアルミナ(Al2 3)は、サファイアの
場合、誘電率が10、誘電損失が10-5(8GHz)と
低損失であるが非常に高価である。これに対して、アル
ミナ粉末に各種の添加物を添加し焼結した磁器は、機械
的強度が高く、低コストであるためサファイアと同レベ
ルの電気特性を有するように改善が進められている。
【0005】例えば、特公平2−61082号によれ
ば、Al2 3 にCaTiO3 を添加した低誘電率、高
Q値の組成物が提案されている。また、特公平2−11
10号によれば、Al2 3 にSiO2 、CaO、Mg
Oを添加したマイクロ波領域で低誘電損失の磁器組成物
が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アルミ
ナを主成分とする磁器は、そもそも共振周波数の温度係
数(以下、τfと記す)が約−55ppm/℃と大きい
ため使用用途が極めて制限されるという問題があった。
共振周波数を制御する方法としては、τfが正の成分、
あるいは負の成分を適宜組み合わせることにより調整す
ることが可能であるが、誘電損失が大きくなるなど、高
周波における低損失を維持しつつ、τfを小さくするこ
とは困難であった。
【0007】また、誘電損失については、Al2 3
サファイアなどの単結晶の場合には誘電損失は非常に小
さいが、それ自体非常に高価であるため、安価なものが
要求される。しかし、助剤等を添加したアルミナ質焼結
体では、誘電損失が大きくなり優れた特性が得られない
のが現状であった。
【0008】さらに、特公平2−61082号の組成物
によれば、共振周波数の温度係数については何等検討さ
れておらず、また、また、特公平2−1110号に記載
の磁器によれば、誘電率が10以下と低く、素子の小型
化には不向きである。
【0009】従って、本発明は、マイクロ波領域におい
て、アルミナを主たる成分とし、高誘電率化を図るとと
もに、マイクロ波領域において低誘電損失および共振周
波数の温度係数の小さい磁器組成物を提供することを目
的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、まず、ア
ルミナのτfの絶対値を低下させるためには、アルミナ
と逆の温度係数を持つ化合物を添加する必要があること
を前提に種々検討した結果、アルミナへの添加物とし
て、TiO2 とTa2 5 とを特定の範囲で組み合わせ
て添加した結果、誘電率を11〜30に制御できると同
時に、低誘電損失とτfの絶対値を低減できることを見
いだし、本発明に至った。
【0011】即ち、本発明の誘電体磁器組成物は、Al
2 3 、TiO2 およびTa2 5を主成分とし、各成
分のモル比による組成比が、図1のAl2 3 −TiO
2 −Ta2 5 3成分組成図における の各点による線分A−B−C−D−Aで囲まれた組成領
域にあることを特徴とするものであり、さらには、この
誘電体磁器は、結晶相として、少なくともα−Al
3 とTiO2 を含み、誘電率が11以上、測定周波数
8GHzにおける誘電損失が1×10-3以下、共振周波
数の25〜85℃における温度係数の絶対値|τf|が
30ppm以下の優れた誘電特性を有するものである。
【0012】
【作用】Al2 3 のτfの絶対値を低下させるためA
2 3 と逆の正の温度係数を持つTiO2 と複合化さ
せることがよい。しかし、Al2 3 にTiO2 を添加
し焼成すると、TiO2 はAl2 3 と反応しAl2
iO5 が析出する。このAl2 TiO5 が多量に析出す
ると、誘電損失が増加し、τfの絶対値の減少効果は望
めない。
【0013】ところが、本発明に基づき、Al2 3
TiO2 の系に対して、さらにTa2 5 を添加する
と、Al2 TiO5 の析出を抑制しTiO2 を優先的に
析出させることができる。その結果、TiO2 相の析出
によって温度係数τfを正側に移行させることができる
とともに、誘電率も11以上に高めることができる。し
かも、測定周波数8GHzにおいて誘電損失が1×10
-3以下を維持しつつ、τfの絶対値を30ppm/℃以
下に制御することが可能となり、これにより高周波領域
の電気通信分野での広範囲の利用できるようになり、特
に誘電率が高いことから素子の小型化を促進できる。
【0014】なお、Al2 3 量が、上記の組成範囲よ
りも過剰となるとτfが負に大きくなるとともに誘電率
がアルミナ固有値(誘電率10)に近くなるため高誘電
率化が望めず、逆に上記の組成範囲よりもAl2 3
が少ないとτfは正に大きくなるか、あるいは比誘電率
が30を越え大きくなりすぎてしまう。また、アルミナ
含有量が範囲内であっても、Ta2 5 とTiO2 との
比率が上記組成範囲を逸脱すると、Al2 TiO5 の析
出またはAlTaO4 が過剰に析出し、誘電損失が1×
10-3を越えてしまうか、共振周波数の温度係数の絶対
値が30ppm/℃を越えてしまう。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の誘電体磁器組成物は、A
2 3 、TiO2 およびTa2 5 、あるいは焼成に
より前記酸化物を形成しえる炭酸塩、硝酸塩などの塩を
用いて、図1の組成範囲になるように秤量混合した後、
これを所望の成形手段、例えば、ドクターブレード法な
どのシート成形法、金型プレス法、冷間静水圧プレス
法、押出し成形法、圧延法等により任意の形状に成形す
る。その後、この成形体を、大気などの酸化性雰囲気中
で1400〜1600℃の温度で焼成することにより相
対密度98%以上に緻密化することができる。
【0016】なお、本発明の磁器組成物においては、上
記Al2 3 、TiO2 、Ta2 5 の成分以外に、例
えば、Mg、Si、Fe、Ca、Na、Gaなどの元素
が不可避不純物あるいは製造工程中において混入する場
合があるが、これらの成分は、酸化物換算で全量中0.
2%以下であれば、とりわけ本発明の効果に影響を及ぼ
すことはない。
【0017】
【実施例】純度99.9%のAl2 3 粉末、TiO2
粉末およびTa2 5 粉末を表1、表2の組成となるよ
うに秤量し、この混合粉末を、純度99.9%のアルミ
ナボール、イソプロピルアルコール(IPA)と共に5
00mlポリポットに投入し、24時間回転ミルにて混
合した。混合後のスラリーを80℃大気中にて乾燥し8
0メッシュを通し評価粉末を得た。
【0018】この粉末を金型プレスにて1000kg/
cm2 で直径20mm、厚み10mmに成形し、その後
3000kg/cm2 で冷間静水圧成形(CIP)を行
って成形した。そして、成形体は大気中、1550℃で
2時間保持して焼成した。
【0019】得られた焼結体を直径15mm、厚み7.
5mmに加工研磨した。そして、測定周波数8GHzで
の測定によって、誘電率(εr)、誘電損失(tan
δ)、および25〜85℃における共振周波数の温度係
数(τf)を測定した。また、波長λ=1.5418Å
のCuKα線によるX線回折により試料の結晶相を同定
した。これらの測定結果は、表1、表2に示した。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】表1、表2の結果から明らかなように、A
2 3 含有量が過多の試料No.9では、誘電率が11
より低く、またτfの絶対値が30ppm/℃を越え、
Al2 3 含有量が上記組成範囲より少ない試料No.1
3、14、15はいずれも誘電率が30を越えるもので
あった。また、Al2 3 72モル%およびAl2 3
88モル%におけるTiO2 とTa2 5 の比率が本発
明の範囲を逸脱する試料No.10、12、16、20、
21では、τfの絶対値がいずれも30ppm/℃を越
えるものであった。
【0023】これに対して、本発明における組成範囲の
試料は、いずれも結晶相としてα−Al2 3 と、Ti
2 が析出しており、誘電率11〜30、測定周波数8
GHzにおける誘電損失が1×10-3以下、共振周波数
の25〜85℃における温度係数の絶対値|τf|が3
0ppm以下の優れた特性を示した。
【0024】これらの中でも、図1における線分E−F
−G−H−Eで囲まれる組成領域内では、誘電率15〜
30、測定周波数8GHzにおける誘電損失が8×10
-4以下、共振周波数の25〜85℃における温度係数の
絶対値|τf|が10ppm以下の優れた特性を示し
た。
【0025】なお、上記の焼結体中には、ICP発光分
析結果によれば、Mg、Ca、Si、Fe、Na、Ga
などの元素が酸化物換算で0.2%以下含まれていた。
【0026】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の磁器組成
物は、Al2 3 に対して、TiO2およびTa2 5
を所定の関係を満足するように配合することにより、高
誘電率化とともに、マイクロ波領域での低誘電損失、共
振周波数の温度係数の絶対値を低減することができ、こ
れにより、マイクロ波やミリ波に適応した誘電体共振
器、マイクロ波導波路、マイクロ波コンデンサ、マイク
ロ波IC基板、ICパッケージ、誘電体アンテナ等の小
型化が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体磁器組成物のAl2 3 、Ti
2 、Ta2 5 の含有量を表す三成分系組成図であ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Al2 3 、TiO2 およびTa2 5
    主成分とし、各成分のモル比による組成比が、図1のA
    2 3 −TiO2 −Ta2 5 3成分組成図における
    線分A−B−C−D−Aで囲まれる範囲内にあることを
    特徴とする誘電体磁器組成物。
  2. 【請求項2】結晶相として、少なくともα−Al2 3
    とTiO2 を含み、誘電率が11〜30、測定周波数8
    GHzにおける誘電損失が1×10-3以下、共振周波数
    の25〜85℃における温度係数の絶対値|τf|が3
    0ppm以下の請求項1記載の誘電体磁器組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6549094B2 (en) 2000-09-08 2003-04-15 Murata Manufacturing Co. Ltd High frequency ceramic compact, use thereof, and method of producing the same
US6660674B2 (en) 2000-10-25 2003-12-09 Ube Electronics, Ltd. Dielectric ceramic composition for high frequency wave
KR100415219B1 (ko) * 2001-03-21 2004-01-16 한국과학기술연구원 마이크로파용 유전체 세라믹 조성물
KR20150095712A (ko) * 2012-12-11 2015-08-21 지티에이티 코포레이션 개량된 사파이어를 포함하는 휴대용 전자장치

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